JP2000106473A - 半導体素子、半導体発光素子およびその製造方法ならびに窒化物系半導体層の形成方法 - Google Patents

半導体素子、半導体発光素子およびその製造方法ならびに窒化物系半導体層の形成方法

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JP2000106473A
JP2000106473A JP21086299A JP21086299A JP2000106473A JP 2000106473 A JP2000106473 A JP 2000106473A JP 21086299 A JP21086299 A JP 21086299A JP 21086299 A JP21086299 A JP 21086299A JP 2000106473 A JP2000106473 A JP 2000106473A
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伸彦 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧動作が可能でかつへき開により端面の
形成が可能な窒化物系半導体発光素子およびその製造方
法を提供することである。 【解決手段】 サファイア基板上にGaN層を成長さ
せ、GaN層上にSiO2膜を形成した後、横方向成長
技術を用いてGaN層上およびSiO2膜上にMQW発
光層8を含むGaN系半導体層18を成長させる。Si
2膜上の領域を除いてGaN系半導体層をエッチング
により除去した後、SiO2膜上のGaN系半導体層1
8の上面にp電極13を形成し、GaN系半導体層18
上のp電極13をGaAs基板14上のオーミック電極
15aに接合する。GaN系半導体層18の上面にn電
極17を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、BN(窒化ホウ
素)、GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニ
ウム)もしくはInN(窒化インジウム)またはこれら
の混晶等のIII −V族窒化物系半導体(以下、窒化物系
半導体と呼ぶ)からなる化合物半導体層を有する半導体
素子、半導体発光素子およびその製造方法ならびに窒化
物系半導体層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、青色または紫色の光を発する発光
ダイオード、半導体レーザ素子等の半導体発光素子とし
て、GaN系半導体発光素子の実用化が進んできてい
る。GaN系半導体発光素子の製造の際には、GaNか
らなる基板が存在しないため、サファイア(Al23
等の絶縁性基板上に各層をエピタキシャル成長させてい
る。
【0003】図18は従来のGaN系発光ダイオードの
構造を示す断面図である。図18の発光ダイオードは日
経マイクロデバイス1994年2月号の第92頁〜第9
3頁に開示されている。
【0004】図18において、サファイア基板61上
に、GaNバッファ層62、n−GaN層63、n−A
lGaNクラッド層64、InGaN発光層65、p−
AlGaNクラッド層66およびp−GaN層67が順
に形成されている。p−GaN層67からn−GaN層
63までの一部領域がエッチングにより除去されてい
る。p−GaN層67の上面にp電極68が形成され、
n−GaN層63の露出した上面にn電極69が形成さ
れている。このような発光ダイオードの構造はラテラル
構造と呼ばれている。
【0005】図18の発光ダイオードは、InGaN発
光層65をn−AlGaNクラッド層64およびp−A
lGaNクラッド層66で挟んだダブルヘテロ構造のp
n接合を有し、青色の光を発生することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図18
に示したような従来のGaN系半導体発光素子では、G
aNおよびサファイア基板の格子定数の違いから、サフ
ァイア基板上に成長したGaN系半導体結晶には、通常
109個/cm2程度の格子欠陥が存在する。このような
格子欠陥はサファイア基板の表面からGaN系半導体層
へと伝搬している。この格子欠陥のために、サファイア
基板上のGaN系半導体層からなる半導体発光素子で
は、素子特性および信頼性の劣化が生じる。
【0007】格子欠陥による素子特性および信頼性の劣
化の問題を解決する方法として、横方向成長技術が提案
されている。この横方向成長技術は、例えばProceeding
s ofThe Second International Conference on Nitride
Semiconductors, October27-31, 1997, Tokushima, Ja
pan, pp.444-446 に報告されている。図19は従来の横
方向成長技術を説明するための模式的工程断面図であ
る。
【0008】図19(a)に示すように、サファイア基
板81上にAlGaNバッファ層82を成長させ、Al
GaNバッファ層82上にGaN層83を成長させる。
GaN層83には上下方向に延びる格子欠陥91が存在
する。このGaN層83上に、ストライプ状のSiO2
膜90を形成する。
【0009】次に、図19(b)に示すように、ストラ
イプ状のSiO2膜90間に露出したGaN層83上に
GaN層84を再成長させる。この場合にも再成長した
GaN層84に上下方向の格子欠陥91が延びる。
【0010】図19(c)に示すように、GaN層84
をさらに成長させると、GaN層84が横方向にも成長
し、SiO2膜90上にもGaN層84が形成される。
SiO2膜90上のGaN層84には格子欠陥が存在し
ない。
【0011】図19(d)に示すように、GaN層84
をさらに成長させると、SiO2膜90上およびSiO2
膜90間のGaN層83上にGaN層84が形成され
る。
【0012】このような横方向成長技術を用いると、S
iO2膜90上に、格子欠陥の存在しない高品質なGa
N結晶を形成することができる。
【0013】しかしながら、SiO2膜90が存在しな
い領域では、下地のGaN層83からの格子欠陥91が
再成長したGaN層84の表面まで延びるため、GaN
層84の表面の格子欠陥はなくならない。したがって、
半導体発光素子の作製時には、発光領域をSiO2膜上
に限定する必要がある。そのため、発光領域の大きさを
大きくすることができない。
【0014】また、高品質なGaN層の面積を広げるた
めにSiO2膜の面積を広くすると、横方向に成長する
GaN層の表面を平坦にすることができなくなる。
【0015】図18に示した従来のGaN系発光ダイオ
ードでは、サファイア基板61が絶縁性基板であるた
め、n電極69をサファイア基板61の裏面に設けるこ
とができず、n電極69をn−GaN層63の露出した
表面に設ける必要がある。そのため、n電極を導電性基
板の裏面に設ける場合に比べて、p電極68とn電極6
9との間の電流経路が長くなり、動作電圧が高くなる。
【0016】さらに、GaN系半導体レーザ素子を作製
する場合、GaAs基板を用いた赤色光または赤外光を
発生する半導体レーザ素子のようにへき開法により共振
器面を形成することが困難である。
【0017】図20はサファイア基板およびGaN系半
導体層の結晶方位の関係を示す図である。図20におい
て、実線の矢印はサファイア基板の結晶方位を示し、破
線の矢印はGaN系半導体層の結晶方位を示す。
【0018】図20に示すように、サファイア基板上に
形成されたGaN系半導体層のa軸およびb軸はサファ
イア基板のa軸およびb軸に対して30度ずれている。
【0019】図20はサファイア基板上に形成されたG
aN系半導体層からなる半導体レーザ素子の概略斜視図
である。
【0020】図21において、サファイア基板61の
(0 0 0 1)面上にGaN系半導体層70が形成されて
いる。ストライプ状の電流注入領域71は、GaN系半
導体層70の<1 1 ?2 0>方向に平行となっている。
この場合、GaN系半導体層70の{1 -1 0 0}面はサ
ファイア基板61の{1 -1 0 0}面に対して30度傾い
ている。サファイア基板61およびGaN系半導体層7
0ともに{1 -1 0 0}面でへき開しやすい。
【0021】このように、サファイア基板61とGaN
系半導体層70とでへき開方向がずれているため、Ga
N系半導体レーザ素子を製造する場合に、GaAs基板
上に形成される赤色光または赤外光を発生する半導体レ
ーザ素子のようにへき開法により共振器面を形成するこ
とが困難となる。この場合、エッチングにより共振器面
を形成する必要が生じる。しかしながら、エッチングに
より共振器面を形成した場合には、基板に対して垂直に
端面を形成することが困難であるため、半導体レーザ素
子の動作電流を低減することができない。
【0022】一方、GaN系半導体レーザ素子の横モー
ドの制御方法に関して種々の報告および提案がされてい
る。これらの横モードの制御方法のほとんどは、従来の
赤色光または赤外光を発生する半導体レーザ素子で採用
されているリッジ導波構造およびセルフアライン構造の
2種である。
【0023】しかし、GaN系半導体層は化学的に安定
であるため、従来の赤色光または赤外光を発生する半導
体レーザ素子に用いられるAlGaAs系半導体層等の
ように、ウエットエッチングによりパターニングするこ
とができず、RIE法(反応性イオンエッチング法)、
RIBE法(反応性イオンビームエッチング法)等のド
ライエッチングによりパターニングする必要がある。
【0024】そのため、GaN系半導体レーザ素子にお
いて、リッジ導波構造またはセルフアライン構造を作製
するためのパターニングを容易にかつ再現性よく行うこ
とができない。しかも、ドライエッチングの精度により
素子特性が大きく変化する。
【0025】本発明の目的は、低電圧動作が可能な窒化
物系半導体素子を提供することである。
【0026】本発明の他の目的は、低電圧動作が可能で
かつへき開により端面の形成が可能な窒化物系半導体発
光素子を提供することである。
【0027】本発明のさらに他の目的は、格子欠陥が低
減され、低電圧動作が可能でかつへき開により端面の形
成が可能な窒化物系半導体素子の製造方法を提供するこ
とである。
【0028】本発明のさらに他の目的は、基板上の広い
領域において格子欠陥の存在しない高品質な窒化物系半
導体層を形成する方法を提供することである。
【0029】本発明のさらに他の目的は、基板上の広い
領域において格子欠陥の存在しない高品質な窒化物系半
導体層からなる半導体素子を提供することである。
【0030】本発明のさらに他の目的は、基板上の広い
領域において格子欠陥の存在しない高品質な発光層を有
する半導体発光素子を提供することである。
【0031】本発明のさらに他の目的は、エッチングを
用いることなく高品質の素子の能動領域を作製可能な窒
化物系半導体素子を提供することである。
【0032】本発明のさらに他の目的は、エッチングを
用いることなく高品質の光導波路の形成が可能な屈折率
導波型の窒化物系半導体発光素子を提供することであ
る。
【0033】本発明のさらに他の目的は、エッチングを
用いることなく高品質の素子の能動領域を作製可能な窒
化物系半導体素子の製造方法を提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る半導体
素子は、ガリウム砒素基板上に第1の電極層を介してホ
ウ素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムの少な
くとも1つを含む窒化物系半導体層が接合されるととも
に、窒化物系半導体層の上面に第2の電極層が形成され
たものである。
【0035】本発明に係る半導体素子においては、ガリ
ウム砒素基板上の窒化物系半導体層の下面および上面に
それぞれ第1の電極層および第2の電極層が設けられて
いるので、第1の電極層と第2の電極層との間の電流経
路が短くなる。したがって、窒化物系半導体素子の動作
電圧の低減化が図られる。
【0036】第2の発明に係る半導体発光素子は、ガリ
ウム砒素基板上に第1の電極層を介してホウ素、ガリウ
ム、アルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを
含む窒化物系半導体層が接合されるとともに、窒化物系
半導体層の上面に第2の電極層が形成され、窒化物系半
導体層が発光層を含むものである。
【0037】本発明に係る半導体発光素子においては、
ガリウム砒素基板上の窒化物系半導体層の下面および上
面にそれぞれ第1の電極層および第2の電極層が設けら
れているので、第1の電極層と第2の電極層との間の電
流経路が短くなる。したがって、窒化物系半導体発光素
子の動作電圧の低減化が図られる。
【0038】特に、窒化物系半導体層は発光層に電流を
注入するストライプ状の電流注入領域を有し、ストライ
プ状の電流注入領域が窒化物系半導体層の〈1-100〉
方向に沿って形成され、かつ窒化物系半導体層の〈1-1
00〉方向がガリウム砒素基板の〈110〉方向または
〈1-10〉方向と一致するように窒化物系半導体層がガ
リウム砒素基板上に配置され、、ガリウム砒素基板の
{110}面または{1-10}面および窒化物系半導体
層の{1-100}面で一対の共振器面が形成されること
が好ましい。
【0039】この場合、窒化物系半導体層のへき開方向
とガリウム砒素基板のへき開方向とが一致するので、へ
き開により共振器面を形成することが可能となる。それ
により、半導体発光素子として半導体レーザ素子が実現
されるとともに、素子特性のばらつきが少なくなるとと
もに、素子特性の再現性が高くなる。
【0040】第3の発明に係る半導体素子の製造方法
は、絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、アルミニウムお
よびインジウムの少なくとも1つを含む第1の窒化物系
半導体層を形成する工程と、第1の窒化物系半導体層上
の所定領域に絶縁膜を形成する工程と、第1の窒化物系
半導体層上および絶縁膜上に横方向成長技術を用いてホ
ウ素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムの少な
くとも1つを含む第2の窒化物系半導体層を形成する工
程と、絶縁膜上の領域を除いて第2の窒化物系半導体層
を除去する工程と、絶縁膜上の第2の窒化物系半導体層
の上面を第1の電極層を介してガリウム砒素基板の一面
に接合する工程と、絶縁膜を除去することにより絶縁性
基板および第1の窒化物系半導体層を第2の窒化物系半
導体層から取り外す工程と、第2の窒化物系半導体層の
上面に第2の電極層を形成する工程とを備えたものであ
る。
【0041】本発明に係る半導体素子の製造方法におい
ては、第1の窒化物系半導体層上の絶縁膜上に横方向成
長技術を用いて第2の窒化物系半導体層が形成されるの
で、絶縁膜上の第2の窒化物系半導体層に第1の窒化物
系半導体層から格子欠陥が伝搬しない。したがって、格
子欠陥がほとんど存在しない高品質な第2の窒化物系半
導体層が得られる。
【0042】また、ガリウム砒素基板上の第2の窒化物
系半導体層の下面および上面にそれぞれ第1の電極層お
よび第2の電極層が設けられるので、第1の電極層と第
2の電極層との間の電流経路が短くなる。したがって、
動作電圧の低減化が図られる。
【0043】さらに、第2の窒化物系半導体層の上面を
第1の電極層を介してガリウム砒素基板の一面に接合す
る際に第2の窒化物系半導体層およびガリウム砒素基板
の結晶方位を合わせることができるので、半導体素子の
端面をへき開により形成することができる。したがっ
て、素子特性のばらつきが低減されるとともに、素子特
性の再現性が高くなる。
【0044】特に、第2の窒化物系半導体層を形成する
工程は、発光層を形成する工程を含んでもよい。それに
より、半導体素子として半導体発光素子が製造される。
【0045】また、第2の窒化物系半導体層を形成する
工程は、発光層に電流を注入するストライプ状の電流注
入領域を第2の窒化物系半導体層の〈1-100〉方向に
沿って形成する工程を含み、第2の窒化物系半導体層の
上面を第1の電極層を介してガリウム砒素基板の一面に
接合する工程は、第2の窒化物系半導体層の〈1-10
0〉方向をガリウム砒素基板の〈110〉方向または
〈1-10〉方向に一致させる工程を含み、ガリウム砒素
基板の{110}面または{1-10}面および第2の窒
化物系半導体層の{1-100}面でへき開することによ
り一対の共振器面を形成する工程をさらに備えてもよ
い。
【0046】この場合、窒化物系半導体層のへき開方向
とガリウム砒素基板のへき開方向とが一致するので、へ
き開により共振器面を形成することが可能となる。それ
により、半導体発光素子として半導体レーザ素子が実現
されるとともに、素子特性のばらつきが少なくなり、か
つ素子特性の再現性が高くなる。
【0047】第4の発明に係る窒化物系半導体層の形成
方法は、絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、アルミニウ
ムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第1の窒化
物系半導体層を形成する工程と、前記第1の窒化物系半
導体層の表面に凹部の底面及び凸部の上面が絶縁体であ
る凹凸パターンを形成する工程と、横方向成長技術を用
いて前記第1の窒化物系半導体層からの成長により前記
絶縁体上にホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびイン
ジウムの少なくとも1つを含む第2の窒化物系半導体層
を形成する工程とを備えたものである。
【0048】本発明に係る窒化物系半導体層の形成方法
においては、第1の窒化物系半導体層の表面に形成され
た凹凸パターンの凹部の底面および凸部の上面に絶縁体
が形成されているので、凹凸パターンの側面のみに第1
の窒化物系半導体層が露出している。そのため、窒化物
系半導体層の横方向の成長により絶縁体上に第2の窒化
物系半導体層が形成される。したがって、第2の窒化物
系半導体層に第1の窒化物系半導体層から格子欠陥が伝
搬しない。その結果、基板上の広い領域において格子欠
陥の存在しない高品質な窒化物系半導体層が形成され
る。
【0049】凹凸パターンを形成する工程は、凹部の底
面に第1の窒化物系半導体層が露出するように、凹凸パ
ターンを形成する工程と、凹凸パターンの凹部の底面に
絶縁体として絶縁膜を形成し、且つ凹凸パターンの凸部
の上面に絶縁体として絶縁膜を形成する工程とを含んで
もよい。
【0050】あるいは、凹凸パターンを形成する工程
は、凹凸パターンの凸部を形成すべき第1の窒化物系半
導体層の領域に絶縁体として絶縁膜を形成し、且つ絶縁
膜の領域を除いて絶縁体として絶縁性基板が露出するよ
うに第1の窒化物系半導体を除去する工程を含んでもよ
い。
【0051】特に、凹凸パターンは、第1の窒化物系半
導体層の〈11-20〉方向に沿って延びるストライプ状
の凹部および凸部からなることが好ましい。それによ
り、窒化物系半導体層の横方向の成長が生じやすくな
る。
【0052】また、凹凸パターンの凸部の断面形状は垂
直な側面を有する矩形状または逆メサ形状であることが
好ましい。それにより、凹凸パターン上に絶縁膜を堆積
させた場合に、凹凸パターンの凹部の底面および凸部の
上面のみに絶縁膜を形成することができる。したがっ
て、凹凸パターンの側面の絶縁膜を除去する工程を省略
することが可能となる。
【0053】第5の発明に係る半導体素子は、絶縁性基
板上にホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウ
ムの少なくとも1つを含む第1の窒化物系半導体層が形
成され、第1の窒化物系半導体層の表面に凹凸パターン
が形成されるとともに、凹凸パターンの凹部の底面およ
び凸部の上面に絶縁膜が形成され、絶縁膜上にホウ素、
ガリウム、アルミニウムおよびインジウムの少なくとも
1つを含む第2の窒化物系半導体層が形成されたもので
ある。
【0054】本発明に係る半導体素子においては、第1
の窒化物系半導体層の表面の凹凸パターンの凹部の底面
および凸部の上面に絶縁膜が形成され、絶縁膜上に第2
の窒化物系半導体層が形成されているので、第2の窒化
物系半導体層に第1の窒化物系半導体層から格子欠陥が
伝搬しない。したがって、基板上の広い領域において格
子欠陥の存在しない高品質な窒化物系半導体素子が実現
される。
【0055】第6の発明に係る半導体発光素子は、絶縁
性基板上にホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびイン
ジウムの少なくとも1つを含む第1の窒化物系半導体層
が形成され、第1の窒化物系半導体層の表面に凹凸パタ
ーンが形成されるとともに、凹凸パターンの凹部の底面
および凸部の上面に絶縁膜が形成され、絶縁膜上にホウ
素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムの少なく
とも1つを含む第2の窒化物系半導体層が形成され、第
2の窒化物系半導体層が発光層を含むものである。
【0056】本発明に係る半導体発光素子においては、
第1の窒化物系半導体層の表面の凹凸パターンの凹部の
底面および凸部の上面に絶縁膜が形成され、絶縁膜上に
第2の窒化物系半導体層が形成されているので、第2の
窒化物系半導体層に第1の窒化物系半導体層から格子欠
陥が伝搬しない。したがって、基板上の広い領域におい
て格子欠陥の存在しない高品質な発光層を有する窒化物
系半導体発光素子が実現される。
【0057】第7の発明に係る半導体素子は、絶縁性基
板上にホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウ
ムの少なくとも1つを含む第1の窒化物系半導体層が形
成され、第1の窒化物系半導体層上に所定間隔で複数の
ストライプ状絶縁膜が形成され、第1の窒化物系半導体
層上および複数のストライプ状絶縁膜上にホウ素、ガリ
ウム、アルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つ
を含む第2の窒化物系半導体層が形成され、第2の窒化
物系半導体層が複数のストライプ状絶縁膜の上部に素子
の能動領域を含むものである。なお、能動領域とは、半
導体素子の電極形成領域等以外の実際に動作する領域で
ある。
【0058】本発明に係る半導体素子においては、第1
の窒化物系半導体層上に複数のストライプ状絶縁膜を介
して第2の窒化物系半導体層が形成されているので、複
数のストライプ状絶縁膜が存在する領域上の第2の窒化
物系半導体層には格子欠陥がほとんど存在しない。した
がって、複数のストライプ状絶縁膜の上部の素子の能動
領域が高品質となる。
【0059】また、複数のストライプ状絶縁膜が存在す
る領域上では、複数のストライプ状絶縁膜が存在しない
領域上に比べて第2の窒化物系半導体層の成長速度が遅
くなる。それにより、複数のストライプ状絶縁膜が存在
する領域上の第2の窒化物系半導体層が凹状に形成され
る。したがって、エッチングを用いることなく素子の能
動領域を作製することが可能となる。
【0060】第8の発明に係る半導体発光素子は、絶縁
性基板上にホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびイン
ジウムの少なくとも1つを含む第1の窒化物系半導体層
が形成され、第1の窒化物系半導体層上に所定間隔で複
数のストライプ状絶縁膜が形成され、第1の窒化物系半
導体層上および複数のストライプ状絶縁膜上にホウ素、
ガリウム、アルミニウムおよびインジウムの少なくとも
1つを含む第2の窒化物系半導体層が形成され、第2の
窒化物系半導体層が複数のストライプ状絶縁膜の上部に
発光部を含むものである。
【0061】本発明に係る半導体発光素子においては、
第1の窒化物系半導体層上に複数のストライプ状絶縁膜
を介して第2の窒化物系半導体層が形成されているの
で、複数のストライプ状絶縁膜が存在する領域上の第2
の窒化物系半導体層には格子欠陥がほとんど存在しな
い。したがって、複数のストライプ状絶縁膜の上部の発
光部が高品質となる。
【0062】また、複数のストライプ状絶縁膜が存在す
る領域上では、複数のストライプ状絶縁膜が存在しない
領域上に比べて第2の窒化物系半導体層の成長速度が遅
くなる。それにより、複数のストライプ状絶縁膜が存在
する領域上の第2の窒化物系半導体層が凹状に形成され
る。したがって、エッチングを用いることなく屈折率導
波型の光導波路を作製することが可能となる。
【0063】特に、第2の窒化物系半導体層が発光部に
電流を注入するストライプ状の電流注入領域を有し、第
2の窒化物系半導体層がストライプ状の電流注入領域に
垂直な一対の共振器面を備えてもよい。それにより、発
光部にストライプ状に電流が注入され、レーザ発振が可
能となる。
【0064】また、複数のストライプ状絶縁膜が第1の
窒化物系半導体層の〈11-20〉方向に沿って形成され
ることが好ましい。それにより、窒化物系半導体層の横
方向の成長が生じやすくなり、第2の窒化物系半導体層
がより高品質となる。
【0065】第9の発明に係る半導体素子の製造方法
は、絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、アルミニウムお
よびインジウムの少なくとも1つを含む第1の窒化物系
半導体層を形成する工程と、第1の窒化物系半導体層上
に所定間隔で複数のストライプ状絶縁膜を形成する工程
と、第1の窒化物系半導体層上および複数のストライプ
状絶縁膜上に横方向成長技術を用いてホウ素、ガリウ
ム、アルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを
含む第2の窒化物系半導体層を形成することにより複数
のストライプ状絶縁膜の上部に素子の能動領域を形成す
る工程とを備えたものである。なお、能動領域とは、半
導体素子の電極形成領域等以外の実際に動作する領域で
ある。
【0066】本発明に係る半導体素子の製造方法におい
ては、第1の窒化物系半導体層上に複数のストライプ状
絶縁膜を介して横方向成長技術を用いて第2の窒化物系
半導体層が形成されるので、複数のストライプ状絶縁膜
が存在する領域上の第2の窒化物系半導体層には格子欠
陥がほとんど存在しない。したがって、複数のストライ
プ状絶縁膜の上部の素子の能動領域が高品質となる。
【0067】また、複数のストライプ状絶縁膜が存在す
る領域上では、複数のストライプ状絶縁膜が存在しない
領域上に比べて第2の窒化物系半導体層の成長速度が遅
くなる。それにより、複数のストライプ状絶縁膜が存在
する領域上の第2の窒化物系半導体層が凹状に形成され
る。したがって、エッチングを用いることなく素子の能
動領域を作製することが可能となる。
【0068】第10の発明に係る窒化物系半導体層の製
造方法は、絶縁性基板上に、ホウ素、ガリウム、アルミ
ニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第1の
窒化物系半導体層を形成する工程と、第1の窒化物系半
導体層に、露出した側面を有する凹凸パターンを形成す
る工程と、横方向成長技術を用いて前記第1の窒化物系
半導体層の凹凸パターンの露出した側面からの成長によ
り凹凸パターン上にホウ素、ガリウム、アルミニウムお
よびインジウムの少なくとも1つを含む第2の窒化物系
半導体層を形成する工程とを備えたものである。
【0069】本発明に係る窒化物系半導体層の形成方法
においては、第1の窒化物系半導体層に形成された凹凸
パターンの側面が露出している。そのため、露出した側
面から窒化物系半導体層の横方向の成長により凹凸パタ
ーン上に第2の窒化物系半導体層が形成される。したが
って、第2の窒化物系半導体層に第1の窒化物系半導体
層から格子欠陥が伝搬しない。その結果、基板上の広い
領域において格子欠陥の存在しない高品質な窒化物系半
導体層が形成される。
【0070】凹凸パターンを形成する工程は、凹部の底
面に第1の窒化物系半導体層が露出するように、凹凸パ
ターンを形成する工程と、凹凸パターンの凹部の底面お
よび凸部の上面に絶縁膜を形成する工程とを含んでもよ
い。
【0071】あるいは、凹凸パターンを形成する工程
は、凹凸パターンの凸部を形成すべき第1の窒化物系半
導体層の領域に絶縁膜を形成し、且つ絶縁膜の領域を除
いて絶縁性基板が露出するように第1の窒化物系半導体
を除去する工程を含んでもよい。
【0072】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明の第1の実施
例における半導体レーザ素子の製造方法を示す模式的工
程断面図である。
【0073】まず、図1に示すように、サファイア基板
1上に、AlGaNバッファ層2を形成し、AlGaN
バッファ層2上にアンドープのGaN層3を成長させ
る。GaN層3上に所定幅のSiO2膜4を形成した
後、横方向成長技術を用いてGaN層3上およびSiO
2膜4上にn−GaN層5を成長させる。
【0074】次に、n−GaN層5上に、厚さ0.1μ
mのn−InPGa1-PN(P=0.1)クラック防止層
6、厚さ1.0μmのn−AlYGa1-YN(Y=0.
7)クラッド層7、後述する多重量子井戸発光層(以
下、MQW発光層と呼ぶ)8、厚さ0.15μmのp−
AlYGa1-YN(Y=0.07)クラッド層9、および
厚さ0.20μmのn−AlZGa1-ZN(Z=0.1
2)電流ブロック層10を順に形成する。
【0075】図7はMQW発光層8のエネルギーバンド
構造図である。図7に示すように、MQW発光層8は、
厚さ60Åの6つのInXGa1-XN(X=0.03)量
子障壁層81と厚さ30Åの5つのInXGa1-XN(X
=0.10)量子井戸層82とが交互に積層されてなる
多重量子井戸構造を含む。その多重量子井戸構造の両面
は厚さ0.1μmのGaN光ガイド層83で挟まれてい
る。
【0076】続いて、n−AlZGa1-ZN電流ブロック
層10の中央部の幅W0のストライプ状の領域をエッチ
ングにより除去する。この場合、n−AlZGa1-ZN電
流ブロック層10間のストライプ状の領域が電流注入領
域19となる。電流注入領域19の幅W0は例えば2μ
mである。この電流注入領域19は、GaNの〈11-2
0〉方向に沿って形成する。
【0077】さらに、n−AlZGa1-Z N電流ブロッ
ク層10上およびp−AlYGa1-YNクラッド層9上に
厚さ0.4μmのp−AlYGa1-YN(Y=0.07)
クラッド層11、および厚さ0.1μmのp−GaNコ
ンタクト層12を順に形成する。
【0078】なお、n型ドーパントとしてはSiを用
い、p型ドーパントとしてはMgを用いる。また、各層
の成長方法としては、例えば、MOCVD法(有機金属
化学的気相成長法)またはHVPE法(ハイドライド気
相成長法)を用いる。
【0079】この場合、SiO2膜4が存在しない領域
では、GaN層3からp−GaNコンタクト層12まで
格子欠陥が上下方向に延びている。SiO2膜4上のn
−GaN層5からp−GaNコンタクト層12には格子
欠陥が存在しない。
【0080】次に、図2に示すようにSiO2膜4が存
在しない領域のp−GaNコンタクト層12からn−G
aN層5までをRIE法、RIBE法等のドライエッチ
ングにより除去する。それにより、GaN層3上に格子
欠陥の存在しないGaN系半導体層18が残る。
【0081】さらに、p型ドーパントを活性化するため
に、600℃以上、例えば800℃で30分間のアニー
ルを行った後、図3に示すように、p−GaNコンタク
ト層12上に厚さ5000ÅのNi、厚さ100ÅのP
tおよび厚さ1μmのAuからなるp電極13を形成す
る。
【0082】次に、図4に示すように、表裏の(00
1)面にオーミック電極15a,15bが形成された厚
み100μmのn−GaAs基板14を用意する。この
n−GaAs基板14のオーミック電極15a上に、サ
ファイア基板1上のGaN系半導体層18上に形成され
たp電極13の上面を熱圧着または融着により接合す
る。
【0083】熱圧着を用いる場合、p電極13の表面お
よびオーミック電極15aの表面は、蒸着直後の状態の
Auで覆われていることが望ましい。また、融着を用い
る場合には、n−GaAs基板14上に厚さ3μm程度
のAu−Sn膜を形成することが望ましい。
【0084】p電極13とオーミック電極15aとの接
合の際には、n−GaAs基板14とGaN系半導体層
18とが図8の関係を有するようにGaAs基板14と
GaN系半導体層18との結晶方位を合わせる。
【0085】図8において、n−GaAs基板14の
(001)面上にGaN系半導体層18が形成される。
ストライプ状の電流注入領域19は、図4のn−AlZ
Ga1-ZN電流ブロック層10間の領域に対応し、電流
注入領域19に発光部20が形成される。この電流注入
領域19は〈1 -1 0 0〉方向に沿って設けられる。この
場合,GaN系半導体層18の電流注入領域19がn−
GaAs基板14の〈110〉方向または〈1-10〉方
向と平行になるようにGaN系半導体層18をn−Ga
As基板14上に接合する。
【0086】次に、図4のサファイア基板1およびn−
GaAs基板14をフッ酸原液に浸漬することによりS
iO2膜4を除去し、サファイア基板1およびその上の
格子欠陥を有するAlGaNバッファ層2およびGaN
層3をリフトオフ法によりn−GaAs基板14上のG
aN系半導体層18から取り外す。それにより、図5に
示すように、n−GaAs基板14上に格子欠陥を有さ
ないGaN系半導体層18が残る。この場合、SiO2
膜4のサイドエッチングが進行しやすくなるように、界
面活性化入りのフッ酸原液を用いることが望ましい。
【0087】最後に、図6に示すように、n−GaN層
5上の中央部の領域を除いてGaN系半導体層18の上
面および側面ならびにオーミック電極15aの表面に、
短絡防止用のSiO2膜16を形成した後、n−GaN
層5上およびSiO2膜16上に厚さ100ÅのTiお
よび厚さ2000ÅのAlからなるn電極17を形成す
る。
【0088】その後、一対の共振器面をへき開法により
形成する。この場合、図8に示すように、GaN系半導
体層18の{1-100}面およびn−GaAs基板14
の{110}面または{1-10}面がへき開面となる。
【0089】本実施例の半導体レーザ素子においては、
GaN系半導体層18の裏面および表面にそれぞれp電
極13およびn電極17が形成されるので、p電極13
とn電極17との間の電流経路が短くなる。また、Ga
N系半導体層18にほとんど格子欠陥が存在しない。し
たがって、低電圧動作および低電流動作が可能となる。
【0090】また、GaN系半導体層18のへき開方向
とn−GaAs基板14のへき開方向とを一致させるこ
とができるので、共振器面をへき開法により容易に形成
することができる。
【0091】なお、本実施例では、本発明を半導体レー
ザ素子に適用した場合を説明したが、本発明は、発光ダ
イオード等のその他の半導体発光素子や、その他の半導
体素子にも適用可能である。
【0092】図9および図10は本発明の第2の実施例
におけるGaN系半導体層の形成方法を示す模式的工程
断面図である。
【0093】図9(a)に示すサファイア基板21の端
面は(0001)面(c面)を有する。図9(b)に示
すように、サファイア基板21の(0001)面上に、
AlGaNバッファ層22およびアンドープのGaN層
23を順に成長させる。GaN層23には上下方向に延
びる格子欠陥37が存在する。
【0094】次に、図9(c)に示すように、Niから
なるストライプ状マスク29を用いてGaN層23をR
IE法によりエッチングし、GaN層23の表面にスト
ライプ状の凹凸パターンを形成する。凹凸パターンにお
ける凹部および凸部の幅Dはいずれも例えば5μmとす
る。
【0095】ストライプ状マスク29を除去した後、図
9(d)に示すように、GaN層23上にSiO2膜3
0を形成する。
【0096】次に、図10(e)に示すように、GaN
層23の凹凸パターンの側面に形成されたSiO2膜3
0をエッチングにより除去する。
【0097】その後、図10(f)に示すように、Ga
N層24の再成長を行う。このとき、凹凸パターンの側
面のみに下地のGaN層23が露出しているので、Ga
N層24の再成長の開始時には、GaN層24は縦方向
へ成長せず、横方向のみに成長する。SiO2膜30上
で横方向に成長するGaN層24には下地のGaN層2
3の格子欠陥37が伝搬しない。
【0098】そして、図10(g)に示すように、Ga
N層24の再成長が進むにつれて、凹凸パターンの下段
のSiO2膜30がGaN層24により埋め込まれ、G
aN層24が縦方向へ成長する。
【0099】その後、図10(h)に示すように、Ga
N層24が凹凸パターンの上段のSiO2膜30上にお
いて横方向へ成長するとともに縦方向にも成長し、Ga
N層24の表面が平坦化される。それにより、凹凸パタ
ーンのSiO2膜30上に格子欠陥が存在しない高品質
のGaN層24が形成される。
【0100】再成長させるGaN層24の表面を平坦に
するためには、GaN層24がある程度の厚みを有する
ことが必要である。GaN層24の表面を平坦にするた
めに必要な厚みは、下地のGaN層23の凹凸パターン
の幅、GaN層24の成長時の基板温度等の成長条件に
よって異なる。例えば、凹凸パターンの凹部および凸部
の幅がそれぞれ5μm程度の場合、GaN層24の厚み
は10〜20μm程度必要となる。
【0101】GaNは〈1-100〉方向に成長しやすい
ので、図10(f),(g),(h)の工程でGaN層
24の横方向への成長が生じやすくするために、図9
(c)の工程でNiからなるストライプ状マスク29を
GaN層23の〈1-100〉方向と垂直な〈11-20〉
方向に沿って形成することが望ましい。
【0102】また、図10(h)の工程で再成長するG
aN層24の表面が平坦になりやすくするために、図9
(c)の工程で用いるNiからなるストライプ状マスク
29のマスク幅およびストライプ状マスク29の窓幅
(Niが存在しない領域の幅)はそれぞれ10μm以下
と小さいことが好ましく、1〜5μmとすることがより
好ましい。
【0103】さらに、下地のGaN層23の凹凸パター
ンの凸部の断面形状は、順メサ形状(台形状)とするよ
りも垂直な側面を有する矩形状または逆メサ形状(逆台
形状)とすることが好ましい。
【0104】図11に示すように、GaN層23の凹凸
パターンの断面形状を逆メサ形状にし、ステップカバレ
ッジの悪い電子ビーム蒸着等の堆積方法でSiO2膜3
0をGaN層23上に形成することにより、凹凸パター
ンの側面へSiO2膜が堆積することを防止できる。そ
れにより、凹凸パターンの側面のSiO2膜をエッチン
グにより除去する工程を省略することができる。
【0105】図12(a),(b)は下地のGaN層2
3の表面に逆メサ形状の凹凸パターンを形成する方法を
示す模式的断面図である。
【0106】まず、図12(a)に示すように、GaN
層23上にNiからなるストライプ状マスク29を形成
した後、ドライエッチング時に、サファイア基板21を
傾けてエッチング装置に装着する。この状態で、GaN
層23をRIE法等のドライエッチングによりエッチン
グする。
【0107】次に、図12(b)に示すように、サファ
イア基板21を逆方向に傾ける。この状態で、GaN層
23をRIE法等のドライエッチングによりエッチング
する。このようにして、GaN層23の表面に逆メサ形
状の凹凸パターンを形成することができる。
【0108】本実施例のGaN系半導体層の製造方法に
よれば、GaNと格子定数の異なるサファイア基板21
を用いても、サファイア基板21の全面において格子欠
陥が存在しない高品質のGaN層24を成長させること
が可能となる。
【0109】したがって、GaN層24上にGaN系半
導体層からなる発光ダイオード、半導体レーザ素子等の
半導体発光素子を作製した場合、発光効率および信頼性
の向上を図ることが可能となる。
【0110】図13は図9および図10の方法により形
成されたGaN層上に作製された半導体レーザ素子の一
例を示す模式的断面図である。
【0111】図13において、図9および図10の方法
により形成されたGaN層24上に、n−GaN層2
5、n−InGaNクラック防止層26、n−AlGa
Nクラッド層27、MQW発光層28およびp−AlG
aNクラッド層29が順に形成されている。p−AlG
aNクラッド層29上のストライプ状の領域を除いてn
−AlGaN電流ブロック層31が形成されている。p
−AlGaNクラッド層29上およびn−AlGaN電
流ブロック層31上に、p−AlGaNクラッド層32
およびp−GaNコンタクト層33が順に形成されてい
る。p−GaNコンタクト層33からn−GaN層25
までの一部領域がエッチングにより除去されている。p
−GaNコンタクト層33上にp電極34が形成され、
n−GaN層25の露出した表面にn電極35が形成さ
れている。
【0112】図13の半導体レーザ素子においては、n
−GaN層25からp−GaNコンタクト層33までの
GaN系半導体層36が格子欠陥のないGaN層24上
に形成されているので、GaN系半導体層36にほとん
ど格子欠陥が存在しない。したがって、低電流および低
電圧動作が可能な半導体レーザ素子が得られる。
【0113】なお、本実施例では、本発明に係る窒化物
系半導体層の形成方法を半導体レーザ素子に適用した場
合を説明したが、本発明に係る窒化物系半導体層の形成
方法は、発光ダイオード等のその他の半導体発光素子
や、その他の半導体素子にも適用可能である。
【0114】尚、図9及び図10の例では、図9(c)
に示したように、GaN層23の表面にストライプ状の
凹凸パターンを形成する際に、凹部の底面にGaN層2
3が残るようにGaN層23をエッチングしているが、
GaN層23の表面に凹凸パターンを形成する際に、図
14および図15に示すように凹部の底面にサファイア
基板21が露出するまでGaN層23をエッチングして
もよい。
【0115】図14(a),(b)に示すように、図1
9(a),(b)と同様にして、サファイア基板21の
(0 0 0 1)面上に、AlGaNバッファ層22および
アンドープのGaN層23を順に成長させる。なお、G
aN層23の厚さは例えば0.5μm〜5μm程度であ
る。この場合にも、GaN層23には上下方向に延びる
格子欠陥37が存在する。
【0116】次に、GaN層23の全面にSiO2膜を
形成し、SiO2膜上にフォトレジストからなるストラ
イプ状マスクを形成し、図14(c)に示すように、フ
ッ酸を用いてSiO2膜をエッチングすることにより、
ストライプ状のSiO2膜30を形成する。
【0117】その後、図14(d)に示すように、Si
2膜30をマスクとして用い、塩素ガスを用いたRI
E法により、GaN層23およびAlGaNバッファ層
22をサファイア基板21が露出するまでエッチング
し、GaN層23の表面にストライプ状の凹凸パターン
を形成する。凹凸パターンにおける凹部および凸部の幅
Dはいずれも例えば5μmとする。
【0118】その後、図15(e)に示すように、Ga
N層24の再成長を行う。このとき、凹凸パターンの側
面のみに下地のGaN層23が露出しているので、Ga
N層24の再成長の開始時には、GaN層24は縦方向
には成長せず、横方向のみに成長する。サファイア基板
21上で横方向に成長するGaN層24には格子欠陥が
存在しない。
【0119】図15(f)に示すように、GaN層24
の再成長が進むにつれて、凹凸パターンの凹部がGaN
層24により埋め込まれ、GaN層24が縦方向に成長
する。
【0120】その後、図15(g)に示すように、Ga
N層24が凹凸パターンの凸部の上面のSiO2膜30
において横方向に成長するとともに縦方向にも成長し、
GaN層24の表面が平坦化される。それにより、凹凸
パターンのSiO2膜30上およびサファイア基板21
上に格子欠陥が存在しない高品質のGaN層24が形成
される。
【0121】図9および図10の例と同様に、再成長さ
せるGaN層24の表面を平坦にするためには、GaN
層24がある程度の厚みを有することが必要である。G
aN層24の表面を平坦にするために必要な厚みは、下
地のGaN層23の凹凸パターンの幅、GaN層24の
成長時の基板温度等の成長条件によって異なる。例え
ば、凹凸パターンの凹部および凸部の幅がそれぞれ5μ
mの場合、GaN層24の厚みは10〜20μm程度必
要となる。
【0122】また、GaNは<1 ?1 0 0>方向に成長
しやすいので、図15(e),(f),(g)の工程で
GaN層24の横方向への成長が生じやすくするため
に、図14(c)の工程でストライプ状のSiO2膜3
0をGaN層23の<1 ?1 0 0>方向と垂直な<1 1
?2 0>方向に沿って形成することが望ましい。
【0123】さらに、図15(g)の工程で再成長する
GaN層24の表面が平坦になりやすくなるために、図
14(c)の工程で形成するストライプ状のSiO2
30の幅およびストライプ状のSiO2膜の窓幅(Si
2膜が存在しない領域の幅)はそれぞれ10μm以下
と小さいことが好ましく、1〜5μm以下とすることが
より好ましい。
【0124】また、GaN層23の凹凸パターンの凸部
の断面形状は、図9および図10の例と同様に、順メサ
形状とするよりも垂直な側面を有する矩形状または逆メ
サ形状とすることが好ましい。
【0125】尚、図14及び図15の例では、絶縁性基
板としてサファイア基板21を用いているが、サファイ
ア基板21の代わりにスピネル基板等の他の絶縁性基板
を用いることも出来る。
【0126】図16および図17は本発明の第3の実施
例における半導体レーザ素子の製造方法を示す模式的工
程断面図である。
【0127】まず、図16(a)に示すように、サファ
イア基板41の(0001)面上に、厚さ30ÅのAl
GaNバッファ層42、厚さ2μmのアンドープのGa
N層43および厚さ3μmのSiドープのn−GaN層
44aを順に成長させる。
【0128】次に、図16(b)に示すように、n−G
aN層44a上に厚さ約1000ÅのSiO2膜を形成
した後、エッチングにより発光部を除く領域のSiO2
膜を除去するとともに発光部に対応する領域のSiO2
膜をストライプ状にパターニングし、複数本のストライ
プ状SiO2膜45を形成する。この場合、次の工程で
GaNが横方向に成長しやすいようにストライプ状Si
2膜45をn−GaN層44aの〈1-120〉方向に
沿って形成する。
【0129】各ストライプ状SiO2膜45の幅は0.
5μm程度であり、ストライプ状SiO2膜45のピッ
チは1μm程度である。基本横モード発振を実現するた
めには、発光部の幅W1を2〜5μm程度とすることが
好ましく、ストライプ状SiO2膜45の本数は3〜5
本程度必要となる。
【0130】その後、図16(c)に示すように、n−
GaN層44a上に、厚さ5μmのSiドープのn−G
aN層44b、厚さ0.1μmのSiドープのn−In
GaNクラック防止層46および厚さ1μmのSiドー
プのn−AlGaNクラッド層47を順に成長させる。
さらに、n−AlGaNクラッド層47上に、図7に示
した構造を有するMQW発光層48、厚さ1μmのMg
ドープのp−AlGaNクラッド層49および厚さ0.
1μmのMgドープのp−GaNコンタクト層50を順
に成長させる。
【0131】この場合、ストライプ状SiO2膜45が
存在する領域では、ストライプ状SiO2膜45間で下
地のn−GaN層44aから縦方向にGaNが成長した
後、ストライプ状SiO2膜45上で横方向にGaNが
成長する。一方、ストライプ状SiO2膜45が存在し
ない領域では、下地のn−GaN層44aから縦方向に
GaNが成長する。それにより、ストライプ状SiO2
膜45が存在する領域とストライプ状SiO2膜45が
存在しない領域とでは、実質的にGaNの成長速度に差
が生じる。すなわち、ストライプ状SiO2膜45が存
在する領域では、ストライプ状SiO2膜45が存在し
ない領域と比べてGaNの成長速度が実質的に遅くな
る。この成長速度の差は、ストライプ状SiO2膜45
が完全にGaNで埋め込まれて横方向の成長が完了する
まで続く。
【0132】その結果、n−GaN層44bの表面が凹
状に形成され、さらにn−InGaNクラック防止層4
6、n−AlGaNクラッド層47、MQW発光層4
8、p−AlGaNクラッド層49およびp−GaNコ
ンタクト層50が凹状に形成される。MQW発光層48
の凹状の部分が素子の能動領域である発光部となる。ま
た、ストライプ状SiO2膜45が存在する領域上のG
aN系半導体層56にはほとんど結晶欠陥が存在しな
い。
【0133】その後、図17(d)に示すように、p−
GaNコンタクト層50からn−GaN層44bまでの
一部領域をエッチングにより除去し、n−GaN層44
aを露出させる。
【0134】さらに、図17(e)に示すように、発光
部の上部の領域およびn−GaN層44aの電極形成領
域を除いて、電流狭窄を行うためおよびpn接合の露出
部を保護するためにp−GaNコンタクト層50の上面
および側面ならびにn−GaN層44aの上面にSiO
2膜51を形成する。
【0135】最後に、図17(f)に示すように、p−
GaNコンタクト層50の露出した表面にp電極52を
形成し、n−GaN層44aの露出した表面にn電極5
3を形成する。
【0136】発光部に無駄なく電流が注入されるよう
に、電流注入領域となるSiO2膜51の窓の幅W2
は、発光部の幅W1と同じか発光部の幅W1よりもやや
狭くすることが好ましい。
【0137】本実施例の半導体レーザ素子の製造方法に
よれば、ストライプ状SiO2膜45が存在する領域上
のGaN系半導体層56の結晶性が向上するとともに、
GaNの横方向の成長中に生じる成長速度の差により発
光部におけるMQW発光層8が凹状に形成される。
【0138】それにより、サファイア基板41の垂直方
向のみならず水平方向にも屈折率差が現れる。その結
果、エッチング工程を行うことなく2回の結晶成長で屈
折率導波構造を容易に作製することができる。したがっ
て、素子特性のばらつきがなく、かつ再現性の高い屈折
率導波型の半導体レーザ素子が実現される。
【0139】なお、本実施例では、本発明を半導体レー
ザ素子に適用した場合を説明したが、本発明は、発光ダ
イオード等のその他の半導体発光素子や、その他の半導
体素子にも適用可能である。
【0140】上記第3の実施例では、サファイア基板4
1を用いた半導体レーザ素子について説明したが、サフ
ァイア基板41の代わりにSiC基板、スピネル(Mg
Al 24)基板等の他の基板を用いることもできる。
【0141】なお、上記第1、第2および第3の実施例
では、横方向成長技術を行うための絶縁膜としてSiO
2膜4,30,45を用いているが、SiO2膜の代わり
にAl23膜、TiO2膜等の他の絶縁膜を用いてもよ
い。
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、低電圧動作が可能な窒
化物系半導体素子を提供し得る。
【0143】また、本発明によれば、低電圧動作が可能
でかつへき開により端面の形成が可能な窒化物系半導体
発光素子を提供し得る。
【0144】また、本発明によれば、格子欠陥が低減さ
れ、低電圧動作が可能で、且つへき開により端面の形成
が可能な窒化物系半導体素子の製造方法を提供し得る。
【0145】また、本発明によれば、基板上の広い領域
において格子欠陥の存在しない高品質な窒化物系半導体
層を形成する方法を提供し得る。
【0146】また、本発明によれば、基板上の広い領域
において格子欠陥の存在しない高品質な窒化物系半導体
層からなる半導体素子を提供し得る。
【0147】また、本発明によれば、基板上の広い領域
において格子欠陥の存在しない高品質な発光層を有する
半導体発光素子を提供し得る。
【0148】また、本発明によれば、エッチングを用い
ることなく高品質の素子の能動領域を作製可能な窒化物
系半導体素子を提供し得る。
【0149】また、本発明によれば、エッチングを用い
ることなく高品質の光導波路の形成が可能な屈折率導波
型の窒化物系半導体発光素子を提供し得る。
【0150】また、本発明によれば、エッチングを用い
ることなく高品質の素子の能動領域を作製可能な窒化物
系半導体素子の製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における半導体レーザ素
子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例における半導体レーザ素
子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例における半導体レーザ素
子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例における半導体レーザ素
子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例における半導体レーザ素
子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例における半導体レーザ素
子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図7】図1〜図6の半導体レーザ素子におけるMQW
発光層のエネルギーバンド構造図である。
【図8】図1〜図6の半導体レーザ素子におけるサファ
イア基板およびGaN系半導体層の結晶方位の関係を示
す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例におけるGaN系半導体
層の形成方法を示す模式的工程断面図である。
【図10】本発明の第2の実施例におけるGaN系半導
体層の形成方法を示す模式的工程断面図である。
【図11】GaN層の表面に形成された逆メサ形状の凹
凸パターンを示す模式的断面図である。
【図12】GaN層の表面に逆メサ形状の凹凸パターン
を形成する方法を示す模式的断面図である。
【図13】図9および図10の方法により形成されたG
aN層上に作製された半導体レーザ素子の一例を示す模
式的断面図である。
【図14】GaN系半導体層の形成方法の他の例を示す
模式的工程断面図である。
【図15】GaN系半導体層の形成方法の他の例を示す
模式的工程断面図である。
【図16】本発明の第3の実施例における半導体レーザ
素子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図17】本発明の第3の実施例における半導体レーザ
素子の製造方法を示す模式的工程断面図である。
【図18】従来のGaN系発光ダイオードの模式的断面
図である。
【図19】従来の横方向成長技術を用いたGaN系半導
体層の形成方法を示す模式的工程断面図である。
【図20】サファイア基板およびその上に形成されたG
aN系半導体層の結晶方位の関係を示す図である。
【図21】サファイア基板およびその上に形成されたG
aN系半導体層の結晶方位の関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,21,41 サファイア基板 2,22,42 AlGaNバッファ層 3,23,24,43 GaN層 4,16,30,45,51 SiO2膜 5,25,44a,44b n−GaN層 7 n−AlGaNクラッド層 8,28,48 MQW発光層 9,11 p−AlGaNクラッド層 12,33,50 p−GaNコンタクト層 14 n−GaAs基板 27,47 n−AlGaNクラッド層 29,32,49 p−AlGaNクラッド層

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガリウム砒素基板上に第1の電極層を介
    してホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウム
    の少なくとも1つを含む窒化物系半導体層が接合される
    とともに、前記窒化物半導体層の上面に第2の電極層が
    形成されたことを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 ガリウム砒素基板上に第1の電極層を介
    してホウ素、ガリウム、アルミニウムおよびインジウム
    の少なくとも1つを含む窒化物系半導体層が接合される
    とともに、前記窒化物系半導体層の上面に第2の電極層
    が形成され、前記窒化物系半導体層が発光層を含むこと
    を特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記窒化物系半導体層は前記発光層に電
    流を注入するストライプ状の電流注入領域を有し、前記
    ストライプ状の電流注入領域が前記窒化物系半導体層の
    〈1-100〉方向に沿って形成され、かつ前記窒化物系
    半導体層の〈1-100〉方向が前記ガリウム砒素基板の
    〈110〉方向または〈1-10〉方向と一致するように
    前記窒化物系半導体層が前記ガリウム砒素基板上に配置
    され、前記ガリウム砒素基板の{110}面または{1
    -10}面および前記窒化物系半導体層の{1-100}面
    で一対の共振器面が形成されたことを特徴とする請求項
    2記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、アル
    ミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第1
    の窒化物系半導体層を形成する工程と、 前記第1の窒化物系半導体層上の所定領域に絶縁膜を形
    成する工程と、 前記第1の窒化物系半導体層上および前記絶縁膜上に横
    方向成長技術を用いてガリウム、アルミニウムおよびイ
    ンジウムの少なくとも1つを含む第2の窒化物系半導体
    層を形成する工程と、 前記絶縁膜上の領域を除いて前記第2の窒化物系半導体
    層を除去する工程と、 前記絶縁膜上の前記第2の窒化物系半導体層の上面を第
    1の電極層を介してガリウム砒素基板の一面に接合する
    工程と、 前記絶縁膜を除去することにより前記絶縁性基板および
    前記第1の窒化物系半導体層を前記第2の窒化物系半導
    体層から取り外す工程と、 前記第2の窒化物系半導体層の上面に第2の電極層を形
    成する工程とを備えたことを特徴とする半導体素子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の窒化物系半導体層を形成する
    工程は、発光層を形成する工程を含むことを特徴とする
    請求項4記載の半導体素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の窒化物系半導体層を形成する
    工程は、前記発光層に電流を注入するストライプ状の電
    流注入領域を前記第2の窒化物系半導体層の〈1-10
    0〉方向に沿って形成する工程を含み、 前記第2の窒化物系半導体層の上面を第1の電極層を介
    してガリウム砒素基板の一面に接合する工程は、前記第
    2の窒化物系半導体層の〈1-100〉方向を前記ガリウ
    ム砒素基板の〈110〉方向または〈1-10〉方向に一
    致させる工程を含み、 前記ガリウム砒素基板の{110}面または{1-10}
    面および前記第2の窒化物系半導体層の{1-100}面
    でへき開することにより一対の共振器面を形成する工程
    をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の半導体
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、アル
    ミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第1
    の窒化物系半導体層を形成する工程と、 前記第1の窒化物系半導体層の表面に凹部の底面及び凸
    部の上面が絶縁体である凹凸パターンを形成する工程
    と、 横方向成長技術を用いて前記第1の窒化物系半導体層か
    らの成長により前記絶縁体上にホウ素、ガリウム、アル
    ミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第2
    の窒化物系半導体層を形成する工程とを備えたことを特
    徴とする窒化物系半導体層の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記凹凸パターンを形成する工程は、 前記凹部の底面に前記第1の窒化物系半導体層が露出す
    るように、前記凹凸パターンを形成する工程と、 前記凹凸パターンの凹部の底面に前記絶縁体として絶縁
    膜を形成し、且つ前記凹凸パターンの凸部の上面に前記
    絶縁体として絶縁膜を形成する工程とを含むことを特徴
    とする請求項7記載の半導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記凹凸パターンを形成する工程は、前
    記凹凸パターンの凸部を形成すべき前記第1の窒化物系
    半導体層の領域に前記絶縁体として前記絶縁膜を形成
    し、且つ前記絶縁膜の領域を除いて前記絶縁体として前
    記絶縁性基板が露出するように前記第1の窒化物系半導
    体を除去する工程を含むことを特徴とする請求項7記載
    の半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記凹凸パターンは、前記第1の窒化
    物系半導体層の〈11-20〉方向に沿って延びるストラ
    イプ状の凹部および凸部からなることを特徴とする請求
    項7、8または9記載の窒化物系半導体層の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記凹凸パターンの凸部の断面形状は
    垂直な側面を有する矩形状または逆メサ形状であること
    を特徴とする請求項7、8、9または10記載の窒化物
    系半導体層の形成方法。
  12. 【請求項12】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、ア
    ルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第
    1の窒化物系半導体層が形成され、前記第1の窒化物系
    半導体層の表面に凹凸パターンが形成されるとともに、
    前記凹凸パターンの凹部の底面および凸部の上面に絶縁
    膜が形成され、前記絶縁膜上にホウ素、ガリウム、アル
    ミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第2
    の窒化物系半導体層が形成されたことを特徴とする半導
    体素子。
  13. 【請求項13】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、ア
    ルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第
    1の窒化物系半導体層が形成され、前記第1の窒化物系
    半導体層の表面に凹凸パターンが形成されるとともに、
    前記凹凸パターンの凹部の底面および凸部の上面に絶縁
    膜が形成され、前記絶縁膜上にホウ素、ガリウム、アル
    ミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第2
    の窒化物系半導体層が形成され、前記第2の窒化物系半
    導体層が発光層を含むことを特徴とする半導体発光素
    子。
  14. 【請求項14】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、ア
    ルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第
    1の窒化物系半導体層が形成され、前記第1の窒化物系
    半導体層上に所定間隔で複数のストライプ状絶縁膜が形
    成され、前記第1の窒化物系半導体層上および前記複数
    のストライプ状絶縁膜上にホウ素、ガリウム、アルミニ
    ウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第2の窒
    化物系半導体層が形成され、前記第2の窒化物系半導体
    層が前記複数のストライプ状絶縁膜の上部に素子の能動
    領域を含むことを特徴とする半導体素子。
  15. 【請求項15】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、ア
    ルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第
    1の窒化物系半導体層が形成され、前記第1の窒化物系
    半導体層上に所定間隔で複数のストライプ状絶縁膜が形
    成され、前記第1の窒化物系半導体層上および前記複数
    のストライプ状絶縁膜上にホウ素、ガリウム、アルミニ
    ウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第2の窒
    化物系半導体層が形成され、前記第2の窒化物系半導体
    層が前記複数のストライプ状絶縁膜の上部に発光部を含
    むことを特徴とする半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 前記第2の窒化物系半導体層が前記発
    光部に電流を注入するストライプ状の電流注入領域を有
    し、前記第2の窒化物系半導体層が前記ストライプ状の
    電流注入領域に垂直な一対の共振器面を備えたことを特
    徴とする請求項15記載の半導体発光素子。
  17. 【請求項17】 前記複数のストライプ状絶縁膜が前記
    第1の窒化物系半導体層の〈11-20〉方向に沿って形
    成されたことを特徴とする請求項15または16記載の
    半導体発光素子。
  18. 【請求項18】 絶縁性基板上にホウ素、ガリウム、ア
    ルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む第
    1の窒化物系半導体層を形成する工程と、 前記第1の窒化物系半導体層上に所定間隔で複数のスト
    ライプ状絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の窒化物系半導体層上および前記複数のストラ
    イプ状絶縁膜上に横方向成長技術を用いてホウ素、ガリ
    ウム、アルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つ
    を含む第2の窒化物系半導体層を形成することにより複
    数のストライプ状絶縁膜の上部に素子の能動領域を形成
    する工程とを備えたことを特徴とする半導体素子の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 絶縁性基板上に、ホウ素、ガリウム、
    アルミニウムおよびインジウムの少なくとも1つを含む
    第1の窒化物系半導体層を形成する工程と、 前記第1の窒化物系半導体層に、露出した側面を有する
    凹凸パターンを形成する工程と、 横方向成長技術を用いて前記第1の窒化物系半導体層の
    前記凹凸パターンの前記露出した側面からの成長により
    前記凹凸パターン上にホウ素、ガリウム、アルミニウム
    およびインジウムの少なくとも1つを含む第2の窒化物
    系半導体層を形成する工程とを備えたことを特徴とする
    窒化物系半導体層の形成方法。
  20. 【請求項20】 前記凹凸パターンを形成する工程は、 前記凹部の底面に前記第1の窒化物系半導体層が露出す
    るように、前記凹凸パターンを形成する工程と、 前記凹凸パターンの凹部の底面および凸部の上面に絶縁
    膜を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項19
    記載の半導体素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記凹凸パターンを形成する工程は、 前記凹凸パターンの凸部を形成すべき前記第1の窒化物
    系半導体層の領域に絶縁膜を形成し、且つ前記絶縁膜の
    領域を除いて前記絶縁性基板が露出するように前記第1
    の窒化物系半導体を除去する工程を含むことを特徴とす
    る請求項19記載の半導体素子の製造方法。
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