JP2002151418A - 窒化物系iii−v族化合物半導体基板およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

窒化物系iii−v族化合物半導体基板およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製造方法

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JP2002151418A
JP2002151418A JP2000346418A JP2000346418A JP2002151418A JP 2002151418 A JP2002151418 A JP 2002151418A JP 2000346418 A JP2000346418 A JP 2000346418A JP 2000346418 A JP2000346418 A JP 2000346418A JP 2002151418 A JP2002151418 A JP 2002151418A
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compound semiconductor
iii
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Takeshi Tojo
剛 東條
Satoru Kijima
悟 喜嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥密度が低い領域の面積が広い窒化物系I
II−V族化合物半導体基板を簡単なプロセスで容易に
製造し、これを用いて高性能かつ長寿命の半導体装置を
製造する。 【解決手段】 c面サファイア基板1上にGaN層2を
成長させ、〈1−100〉方向に延び、台形状の断面形
状を有する複数のリッジ2aを形成した後、真空蒸着法
により全面にSiO2 膜4を形成する。このSiO2
4をKOH水溶液を用いてウエットエッチングすること
により、リッジ2aの側面の部分のみ除去する。次に、
SiO2 膜4を成長マスクとしてGaN層5を横方向成
長させ、GaN基板を製造する。このGaN基板を用
い、その上に窒化物系III−V族化合物半導体層を成
長させることにより、半導体レーザなどの半導体装置を
製造する。リッジ構造の半導体レーザを製造する場合に
は、リッジ2aの二等分線とリッジ2aの間の部分の二
等分線との間の部分の結晶性が良好な窒化物系III−
V族化合物半導体層にリッジを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化物系III
−V族化合物半導体基板およびその製造方法ならびに半
導体装置およびその製造方法に関し、特に、窒化物系I
II−V族化合物半導体を用いた半導体レーザや発光ダ
イオードあるいは電子走行素子の製造に適用して好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、結晶内の欠陥密度が低い窒化物系
III−V族化合物半導体基板の製造方法としては、E
LO(Epitaxial Lateral Overgrowth)(Japanese Jou
rnal of Applied Physics vol.36(1997)p.L899) や、P
ENDEO(Applied PhysicsLetters vol.75(1999)pp.
196-198) が利用されている。そして、光ディスクの高
密度化に必要である青色領域から紫外線領域におよぶ発
光が可能な半導体レーザとして近年盛んに研究開発が行
われている、AlGaInNなどの窒化物系III−V
族化合物半導体を用いた半導体レーザも、こうした基板
を用いることで長寿命化が実現されている(Japanese J
ournal of Applied Physics vol.36(1997)pp.L1568-L15
71) 。
【0003】図8に、従来のELOによる窒化物系II
I−V族化合物半導体基板の製造方法を示す。図8Aに
示すように、まず、サファイア基板101上に低温で成
長させたGaNバッファ層(図示せず)を介してGaN
層102を成長させ、その上にストライプ形状のSiO
2 膜103を形成する。次に、図8Bに示すように、S
iO2 膜103を成長マスクとして用い、それらの間の
部分のGaN層102を種結晶としてGaNの横方向成
長を行い、GaN層104を成長させる。
【0004】図9に、従来のPENDEOによる窒化物
系III−V族化合物半導体基板の製造方法を示す。図
9Aに示すように、まず、サファイア基板201上に低
温で成長させたGaNバッファ層(図示せず)を介して
GaN層202を成長させた後、このGaN層202を
エッチングによりストライプ形状にパターニングする。
次に、図9Bに示すように、ストライプ形状のGaN層
202を種結晶としてGaN層203を横方向成長させ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来のELOによる窒化物系III−V族化合物半
導体基板の製造方法あるいは図9に示す従来のPEND
EOによる窒化物系III−V族化合物半導体基板の製
造方法を用いても、図10あるいは図11に示すよう
に、種結晶上部および横方向成長の会合部の欠陥密度は
高く、種結晶上部の領域はある程度の幅を持つために、
基板表面で欠陥密度の低い領域の面積が限定されてい
る。しかも、種結晶領域に存在する欠陥の一部は、横方
向にも延びているため、実際に欠陥が少ない領域は、横
方向成長領域部分(以下、窓領域と称することもある)
よりも狭い領域に限定されてしまう。
【0006】この窒化物系III−V族化合物半導体基
板を半導体レーザ製造用の基板として用いる場合、電流
注入領域を欠陥が少ない部分に形成する必要があるが、
上述のように欠陥の少ない領域が狭いため、非常に高い
精度のプロセス技術が必要となる。これを解決する手段
として、窓幅を広くすることが挙げられるが、この場
合、結晶成長の難易度が増し、安定して平坦な成長層を
得るのが非常に困難である。
【0007】この問題の解決手段の一つとして多段EL
Oと呼ばれる方法がある(特開平11−126948号
公報)。この方法では、図12に示すように、サファイ
ア基板301上にGaN層302を成長させた後、その
上にストライプ形状のSiO 2 膜303を形成し、この
SiO2 膜303を成長マスクとしてELOによりGa
N層304を成長させ、さらにその上のSiO2 膜30
3の開口部に対応する位置にストライプ形状のSiO2
膜305を形成し、言い換えればGaN層304の会合
部分にさらにELOの窓領域を設け、このSiO2 膜3
05を成長マスクとして再び横方向成長を行うことによ
りGaN層306を成長させる。しかしながら、この多
段ELOでは、再成長回数が増え、プロセスに要する時
間が長くなるという問題がある。
【0008】また、上記問題の解決手段として有望なも
のに、図9に示すものと異なる、図13に示すようなP
ENDEO技術がある。この方法では、図13Aに示す
ように、サファイア基板401上に低温で成長させたG
aNバッファ層(図示せず)を介してGaN層402を
成長させ、さらにその上にストライプ形状のSiO2
403を形成した後、このSiO2 膜403をマスクと
してGaN層402をエッチングすることによりストラ
イプ形状とする。次に、図13Bに示すように、このよ
うにして形成されたストライプ形状のGaN層402の
側面部を種結晶として横方向成長を行うことによりGa
N層404を成長させる。しかしながら、この方法で
は、窓領域部分はサファイア基板401まで削るため、
図14に示すように、ストライプ形状のGaN層402
の下部(点描を付した領域)は結晶性が悪く、したがっ
て横方向成長部分に結晶の質が悪い部分が含まれる。そ
の結果、会合部分の欠陥密度が十分に低減されていない
可能性がある。さらに、この方法は、サファイア基板上
の窒化物系III−V族化合物半導体では有効である
が、欠陥密度があまり低くない窒化物系III−V族化
合物半導体基板の欠陥密度を低減したい場合に利用でき
ないという問題がある。
【0009】したがって、この発明が解決しようとする
課題は、欠陥密度が低い領域の面積が広い窒化物系II
I−V族化合物半導体基板およびこのような窒化物系I
II−V族化合物半導体基板を簡単なプロセスで容易に
製造することができる窒化物系III−V族化合物半導
体基板の製造方法を提供することにある。この発明が解
決しようとする他の課題は、欠陥密度が低い領域の面積
が広い窒化物系III−V族化合物半導体基板を用いた
高性能かつ長寿命の半導体装置およびこのような半導体
装置を簡単なプロセスで容易に製造することができる半
導体装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術が
有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。そ
の概要について説明すると以下のとおりである。すなわ
ち、本発明者は、サファイア基板上にGaN層を十分に
厚く成長させ、このGaN層の結晶性が良好な上層部に
リッジを形成し、このリッジを後工程で行うGaN層の
横方向成長時の種結晶として用いることを考えた。さら
にこの場合、欠陥密度の少ない成長層を得るためには、
リッジの側面を除いた表面を成長マスクとなるSiO2
膜などの絶縁膜で覆っておくことにより、後工程の横方
向成長時に種結晶の上面やリッジの間の部分の底面から
直接欠陥が上方に伸びないようにするとともに、横方向
成長する部分がこの絶縁膜上となるようにすることが望
ましい。
【0011】本発明者は、種々実験を行って検討した結
果、リッジの側面以外の部分にのみ絶縁膜を簡便に形成
することができる有効な手法を見い出した。具体的に
は、GaN層の上層部にリッジを形成した後、真空蒸着
法により全面にSiO2 膜を成膜する。このとき、この
SiO2 膜には、リッジの側面の部分とリッジの上面お
よびリッジの間の部分の底面の部分とで膜質に差が生じ
る。言い換えれば、膜質に異方性が生じる。この膜質の
差あるいは異方性はSiO2 膜の選択エッチングに利用
することができる可能性がある。種々検討を行った結
果、水酸化カリウム(KOH)系のエッチャントを用い
たウエットエッチングにより、この選択エッチングを有
効に行うことができることを見い出した。さらに検討を
行った結果、上記のようなウエットエッチングのエッチ
ャントとしては、KOH系のエッチャント以外に、水酸
化ナトリウム(NaOH)や水酸化リチウム(LiO
H)などの他のアルカリ系のエッチャントを用いること
も可能であると考えられる。さらに、リッジを覆うよう
に全面に絶縁膜を成膜した後、このリッジの側面以外の
部分の絶縁膜のみをエッチング除去することができる限
り、他のエッチング法を用いてもよい。
【0012】また、絶縁膜の成膜法も、上述の真空蒸着
法に限られず、膜質に何らかの異方性が生じるものであ
れば、他の成膜法を用いてもよい。この発明は、本発明
者による以上の検討に基づいてさらに検討を行った結
果、案出されたものである。
【0013】すなわち、上記課題を解決するために、こ
の発明による窒化物系III−V族化合物半導体基板
は、〈1−100〉方向に延び、台形状の断面形状を有
する複数のリッジを有し、このリッジの側面を除いた部
分の表面に絶縁膜が形成された第1の窒化物系III−
V族化合物半導体層と、リッジの側面の第1の窒化物系
III−V族化合物半導体層を種結晶として第1の窒化
物系III−V族化合物半導体層上に成長した第2の窒
化物系III−V族化合物半導体層とを有することを特
徴とするものである。
【0014】この発明による窒化物系III−V族化合
物半導体基板の製造方法は、〈1−100〉方向に延
び、台形状の断面形状を有する複数のリッジを有する第
1の窒化物系III−V族化合物半導体層を基板上に形
成する工程と、第1の窒化物系III−V族化合物半導
体層の全面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜をエッチ
ングすることによりリッジの側面の部分の絶縁膜のみを
除去する工程と、リッジの側面の第1の窒化物系III
−V族化合物半導体層を種結晶として第1の窒化物系I
II−V族化合物半導体層上に第2の窒化物系III−
V族化合物半導体層を成長させる工程とを有することを
特徴とするものである。
【0015】この発明による半導体装置は、〈1−10
0〉方向に延び、台形状の断面形状を有する複数のリッ
ジを有し、このリッジの側面を除いた部分の表面に絶縁
膜が形成された第1の窒化物系III−V族化合物半導
体層と、リッジの側面の第1の窒化物系III−V族化
合物半導体層を種結晶として第1の窒化物系III−V
族化合物半導体層上に成長した第2の窒化物系III−
V族化合物半導体層とを有する窒化物系III−V族化
合物半導体基板を有し、窒化物系III−V族化合物半
導体基板上に窒化物系III−V族化合物半導体からな
る素子層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0016】この発明による半導体装置の製造方法は、
〈1−100〉方向に延び、台形状の断面形状を有する
複数のリッジを有する第1の窒化物系III−V族化合
物半導体層を基板上に形成する工程と、第1の窒化物系
III−V族化合物半導体層の全面に絶縁膜を形成する
工程と、絶縁膜をエッチングすることによりリッジの側
面の部分の絶縁膜のみを除去する工程と、リッジの側面
の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を種結晶
として第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に
第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させ
る工程と、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層
上に窒化物系III−V族化合物半導体からなる素子層
を成長させる工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0017】この発明において、窒化物系III−V族
化合物半導体は、Ga、Al、InおよびBからなる群
より選ばれた少なくとも一種のIII族元素と、少なく
ともNを含み、場合によってさらにAsまたはPを含む
V族元素とからなり、具体例を挙げると、GaN、In
N、AlN、AlGaN、InGaN、AlGaInN
などである。
【0018】最も典型的には、第1の窒化物系III−
V族化合物半導体層および第2の窒化物系III−V族
化合物半導体層はGaN層であるが、AlGaN層、I
nGaN層、AlGaInN層などであることもある。
特に、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層がG
aN層、AlGaN層、InGaN層、AlGaInN
層である場合には、それぞれGaN基板、AlGaN基
板、InGaN基板、AlGaInN基板を得ることが
できる。これらのGaN層、AlGaN層、InGaN
層、AlGaInN層はノンドープであっても、n型不
純物またはp型不純物をドーピングしたものであっても
よく、前者の場合にはノンドープの基板が、後者の場合
にはn型またはp型の基板を得ることができる。
【0019】第1の窒化物系III−V族化合物半導体
層を成長させる基板としては、サファイア基板、SiC
基板、Si基板、スピネル基板などのほか、厚いGaN
層などの窒化物系III−V族化合物半導体層からなる
基板を用いてもよい。窒化物系III−V族化合物半導
体層の成長方法としては、有機金属化学気相成長(MO
CVD)、ハイドライド気相エピタキシャル成長または
ハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)などを用
いることができる。
【0020】また、絶縁膜は、典型的にはSiO2 膜で
あるが、使用する成膜法との組み合わせで、リッジの側
面の部分とその他の部分、具体的にはリッジの上面およ
びリッジの間の部分の底面の部分とで選択エッチングに
利用することができるような膜質の差が生じ、言い換え
れば膜質の異方性が生じるものであれば、他の膜であっ
てもよく、具体的には例えばSiON膜などであっても
よい。成膜法としては真空蒸着法やスパッタリング法な
どの物理気相成長(PVD)法が代表的なものとして挙
げられる。
【0021】絶縁膜のエッチングには、典型的には、ア
ルカリ系のエッチング液、具体的には例えばKOH系、
NaOH系、LiOH系、NH4 OH系のエッチング液
を用いたウエットエッチング法を用いることができる。
【0022】半導体装置は、具体的には、例えば、半導
体レーザや発光ダイオードのような発光装置あるいはF
ETのような電子走行素子である。この半導体装置にお
いては、好適には、リッジの二等分線とリッジの間の部
分の二等分線との間の領域、すなわち最も欠陥密度が低
い領域における素子層に動作領域が形成される。具体的
には、例えば半導体レーザにおいては、リッジの二等分
線とリッジの間の部分の二等分線との間の領域における
素子層に電流注入領域、したがって発光領域が形成され
る。
【0023】上述のように構成されたこの発明によれ
ば、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層に〈1
−100〉方向に延び、台形状の断面形状を有する複数
のリッジを形成し、このリッジの側面を除いた部分の第
1の窒化物系III−V族化合物半導体層の表面に絶縁
膜を形成し、このリッジの側面を種結晶として第2の窒
化物系III−V族化合物半導体層を成長させる場合
に、種結晶としてのリッジの上面が絶縁膜で覆われてい
るため、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層に
おいては、種結晶から直接上方に欠陥が伸びず、欠陥は
リッジの上面の絶縁膜上およびリッジの間の部分の底面
の絶縁膜上に生じる横方向成長の会合部に制限される。
このため、従来のELOやPENDEOを用いた場合に
比べて、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層、
したがって窒化物系III−V族化合物半導体基板にお
ける欠陥密度の低い領域の面積を広くすることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1〜図4はこの発明
の第1の実施形態によるGaN基板の製造方法を示す。
この第1の実施形態においては、まず、図1Aに示すよ
うに、あらかじめサーマルクリーニングなどにより表面
を清浄化したc面サファイア基板1上にMOCVD法に
より例えば520℃程度の温度でノンドープのGaNバ
ッファ層(図示せず)を成長させた後、例えば1000
℃の成長温度で、MOCVD法により、GaNバッファ
層上に、例えば厚さ4μm程度のノンドープのGaN層
2を成長させる。これらのGaN層の成長原料は、例え
ば、III族元素であるGaの原料としてはトリメチル
ガリウム((CH3 3 Ga、TMG)を、V族元素で
あるNの原料としてはアンモニア(NH3 )を用いる。
また、キャリアガスとしては、例えば、水素(H2 )と
窒素(N2 )との混合ガスを用いる。
【0025】次に、GaN層2を成長させたc面サファ
イア基板1をMOCVD装置から取り出す。そして、図
1Bに示すように、GaN層2の全面にCVD法、真空
蒸着法、スパッタリング法などにより例えば厚さが0.
4μmのSiO2 膜3を成膜した後、このSiO2 膜3
上にリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン
(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスク
として、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエッ
トエッチング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素
を含むエッチングガスを用いたRIE法によりSiO2
膜3をエッチングし、GaN層2の〈1−100〉方向
に延びるストライプ形状にパターニングする。このスト
ライプ形状のSiO2 膜3の幅は例えば3μmとする。
【0026】次に、図1Cに示すように、このストライ
プ形状のSiO2 膜3をエッチングマスクとして用い
て、例えば反応性イオンエッチング(RIE)法により
GaN層2をその厚さ方向の途中の深さまでエッチング
し、GaN層2の上層部に〈1−100〉方向に延び、
台形状の断面形状を有するリッジ2aを形成する。例え
ば、リッジ2aの高さは2μm、幅は3μm、リッジ2
aの間の部分の幅は9μmとする。
【0027】次に、図2Aに示すように、SiO2 膜3
を上記のエッチング法により除去する。次に、図2Bに
示すように、リッジ2aが形成されたGaN層2の全面
に真空蒸着法により膜厚が100〜200nm程度、例
えば100nmのSiO2 膜4を成膜する。
【0028】次に、KOH系のエッチャントを用いてS
iO2 膜4のウエットエッチングを行う。このKOH系
のエッチャントとしては、具体的には、例えば、KOH
の1〜10%水溶液、例えば3%水溶液を用いることが
できる。また、エッチング時間は例えば3分とする。こ
こで、真空蒸着法により成膜されたこのSiO2 膜4に
は膜質に異方性があり、GaN層2に形成されたリッジ
2aの側面の部分とリッジ2aの上面およびリッジ2a
の間の部分の底面の部分とで膜質に差があることから、
KOH系のエッチャントに対するエッチング速度は、リ
ッジ2aの上面およびリッジ2aの間の部分の底面に成
膜された部分のSiO2 膜4よりも、リッジ2aの側面
に成膜された部分のSiO2 膜4の方がずっと速い。こ
のため、このウエットエッチングにより、図2Cに示す
ように、リッジ2aの側面のSiO2 膜4のみが選択的
に除去される。
【0029】次に、図3に示すように、リッジ2aの上
面およびリッジ2aの間の部分の底面の上にのみ選択的
に形成されたSiO2 膜4を成長マスクとしてMOCV
D法により横方向成長が支配的な条件でノンドープのG
aN層5を成長させる。このとき、図3A、図3Bおよ
び図3Cに示すようにGaN層5の成長が進むにつれて
リッジ2aの間の部分が徐々に埋まり、GaN層5を十
分な厚さ、例えば50μm程度の厚さに成長させた後に
は図4に示すように平坦な表面が得られる。こうして、
ノンドープのGaN基板が製造される。
【0030】この第1の実施形態によれば、GaN層2
の上層部に〈1−100〉方向に延び、台形状の断面形
状を有するリッジ2aを形成し、このリッジ2aの上面
およびリッジ2aの間の部分の底面上にのみ選択的にS
iO2 膜4を形成した後、このSiO2 膜4を成長マス
クとしてGaN層5を成長させるようにしていることに
より、次のような種々の利点を得ることができる。すな
わち、GaN層5の成長の際に種結晶となるリッジ2a
の上面がSiO2 膜4で覆われているため、種結晶から
直接上方に伸びる欠陥はなく、欠陥はもっぱら横方向成
長の会合部に制限される(図3および図4参照)。この
結果、従来のELOやPENDEOを用いる場合に比べ
て、GaN層5の欠陥密度の少ない領域の面積を広くす
ることができる。また、結晶性の良好なGaN層2の上
層部にリッジ2aを形成し、このリッジ2aを種結晶と
しているため、従来のPENDEOを用いた場合と比較
してGaN層5の欠陥密度を低くすることができる。す
なわち、欠陥密度の低い領域の面積が広いノンドープの
GaN基板を、結晶成長やプロセスに負担をかけること
なく、容易に得ることができる。
【0031】次に、この発明の第2の実施形態によるG
aN系半導体レーザの製造方法について説明する。この
GaN系半導体レーザはリッジ構造およびSCH(Sepa
rateConfinement Heterostructure)構造を有するもの
である。
【0032】この第2の実施形態においては、まず、第
1の実施形態と同様な方法により、図4に示すGaN基
板と同様な構造を有するノンドープのGaN基板を図5
に示すように製造する。
【0033】すなわち、あらかじめサーマルクリーニン
グなどにより表面を清浄化したc面サファイア基板11
上にMOCVD法により例えば520℃程度の温度で厚
さが例えば30nmのノンドープのGaNバッファ層1
2を成長させた後、例えば1000℃の成長温度で、M
OCVD法により、例えば厚さ4μm程度のノンドープ
のGaN層13を成長させる。これらのGaN層の成長
原料は、例えば、III族元素であるGaの原料として
はTMGを、V族元素であるNの原料としてはNH3
用いる。また、キャリアガスとしては、例えば、H2
2 との混合ガスを用いる。
【0034】次に、GaN層13を成長させたc面サフ
ァイア基板11をMOCVD装置から取り出す。そし
て、GaN層13の全面にCVD法、真空蒸着法、スパ
ッタリング法などにより例えば厚さが0.4μmのSi
2 膜(図示せず)を成膜した後、このSiO2 膜上に
リソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図
示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとし
て、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエ
ッチング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素を含
むエッチングガスを用いたRIE法によりSiO2 膜を
エッチングし、GaN層13の〈1−100〉方向に延
びるストライプ形状にパターニングする。このストライ
プ形状のSiO2 膜の幅は例えば3μmとする。
【0035】次に、このストライプ形状のSiO2 膜を
エッチングマスクとして用いて、例えばRIE法により
GaN層13をその厚さ方向の途中の深さまでエッチン
グし、GaN層13の上層部に〈1−100〉方向に延
び、台形状の断面形状を有するリッジ13aを形成す
る。例えば、リッジ13aの高さは2μm、幅は3μ
m、リッジ13aの間の部分の幅は9μmとする。次
に、SiO2 膜を上記のエッチング法により除去する。
次に、リッジ13aが形成されたGaN層13の全面に
真空蒸着法により膜厚が100〜200nm程度、例え
ば100nmのSiO2 膜14を成膜する。
【0036】次に、KOH系のエッチャントを用いてS
iO2 膜14のウエットエッチングを行う。このKOH
系のエッチャントとしては、具体的には、例えば、KO
Hの1〜10%水溶液、例えば3%水溶液を用いること
ができる。また、エッチング時間は例えば3分とする。
このウエットエッチングにより、リッジ2aの側面に成
膜されたSiO2 膜14のみが選択的に除去される。
【0037】次に、リッジ13aの上面およびリッジ1
3aの間の部分の底面上にのみ選択的に形成されたSi
2 膜14を成長マスクとしてMOCVD法により横方
向成長が支配的な条件でノンドープのGaN層15を成
長させる。このとき、GaN層15の成長が進むにつれ
てリッジ13aの間の部分が徐々に埋まり、GaN層1
5を十分な厚さ、例えば50μm程度の厚さに成長させ
た後には、平坦な表面が得られる。こうして、図5に示
すように、ノンドープのGaN基板が製造される。
【0038】ここで注意すべきことは、図5に示すよう
に、このGaN基板のGaN層15においては、リッジ
13aの二等分線およびリッジ13aの間の部分の二等
分線の位置に横方向成長の会合部が形成され、それらの
間の領域は欠陥密度の低い領域となっていることであ
る。以下に説明するレーザプロセスにおいては、この欠
陥密度の低い領域に電流注入領域、したがって発光領域
を形成することが重要である。
【0039】すなわち、上述のようにして得られたGa
N基板を用い、以下のようにしてGaN系半導体レーザ
を製造する。まず、図6に示すように、GaN基板の表
面をあらかじめサーマルクリーニングなどにより清浄化
した後、このGaN基板上に、MOCVD法により、n
型GaNコンタクト層15、n型AlGaNクラッド層
16、n型GaN光導波層17、例えばノンドープのG
1-x Inx N/Ga 1-y Iny N多重量子井戸構造の
活性層18、p型AlGaNキャップ層19、p型Ga
N光導波層20、p型AlGaNクラッド層21および
p型GaNコンタクト層22を順次成長させる。これら
のGaN系半導体層においては、GaN層15において
リッジ13aの二等分線およびリッジ13aの間の部分
の二等分線の位置に生じた横方向成長会合部が引き継が
れる。ここで、Inを含まない層であるn型GaNコン
タクト層15、n型AlGaNクラッド層16、n型G
aN光導波層17、p型AlGaNキャップ層19、p
型GaN光導波層20、p型AlGaNクラッド層21
およびp型GaNコンタクト層22の成長温度は例えば
1000℃程度とし、Inを含む層であるGa1-x In
x N/Ga1-y In y N多重量子井戸構造の活性層18
の成長温度は例えば700〜800℃とする。これらの
GaN系半導体層の成長原料は、例えば、III族元素
であるGaの原料としてはTMGを、III族元素であ
るAlの原料としてはトリメチルアルミニウム((CH
3 3 Al、TMA)を、III族元素であるInの原
料としてはトリメチルインジウム((CH3 3 In、
TMI)を、V族元素であるNの原料としてはNH3
用いる。また、キャリアガスとしては、例えば、H2
2 との混合ガスを用いる。ドーパントについては、n
型ドーパントとしては例えばモノシラン(SiH4
を、p型ドーパントとしては例えばビス=メチルシクロ
ペンタジエニルマグネシウム((CH3 5 4 2
g)あるいはビス=シクロペンタジエニルマグネシウム
((C5 5 2 Mg)を用いる。
【0040】ここで、n型GaNコンタクト層15は厚
さが例えば4μmであり、n型不純物として例えばシリ
コン(Si)がドープされている。n型AlGaNクラ
ッド層16は厚さが例えば0.7μmであり、n型不純
物として例えばSiがドープされている。n型GaN光
導波層17は厚さが例えば0.1μmであり、n型不純
物として例えばSiがドープされている。アンドープG
1-x Inx N/Ga 1-y Iny N多重量子井戸構造の
活性層18は、例えば、井戸層の厚さが3nm、障壁層
の厚さが4nmである。
【0041】p型AlGaNキャップ層19は厚さが例
えば20nmであり、p型不純物として例えばマグネシ
ウム(Mg)がドープされている。p型GaN光導波層
20は厚さが例えば0.1μmであり、p型AlGaN
クラッド層21は例えば厚さが0.7μmであり、p型
GaNコンタクト層22は厚さが例えば0.3μmであ
る。
【0042】次に、上述のようにしてGaN系半導体層
を成長させたGaN基板をMOCVD装置から取り出
す。そして、p型GaNコンタクト層22の全面に例え
ばCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより
例えば厚さが0.4μmのSiO2 膜(図示せず)を形
成した後、このSiO2 膜上にリソグラフィーによりメ
サ部の形状に対応した所定形状のレジストパターン(図
示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとし
て、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエ
ッチング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素を含
むエッチングガスを用いたRIE法によりSiO2 膜を
エッチングし、パターニングする。次に、この所定形状
のSiO2 膜をマスクとして例えばRIE法によりn型
GaNコンタクト層16に達するまでエッチングを行
う。このRIEのエッチングガスとしては例えば塩素系
ガスを用いる。このエッチングにより、図7に示すよう
に、n型AlGaNクラッド層16、n型GaN光導波
層17、活性層18、p型AlGaNキャップ層19、
p型GaN光導波層20、p型AlGaNクラッド層2
1およびp型GaNコンタクト層22がメサ形状にパタ
ーニングされる。
【0043】次に、エッチングマスクとして用いたSi
2 膜をエッチング除去した後、再び基板全面に例えば
CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例
えば厚さが0.2μmのSiO2 膜(図示せず)を形成
した後、このSiO2 膜上にリソグラフィーによりリッ
ジ部に対応する所定形状のレジストパターン(図示せ
ず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして、
例えばフッ酸系のエッチング液を用いたウエットエッチ
ング、または、CF4 やCHF3 などのフッ素を含むエ
ッチングガスを用いたRIE法によりSiO2 膜をエッ
チングし、リッジ部に対応する形状とする。
【0044】次に、このSiO2 膜をマスクとしてRI
E法によりp型AlGaNクラッド層21の厚さ方向の
所定の深さまでエッチングを行うことによりリッジ23
を形成する。このRIEのエッチングガスとしては例え
ば塩素系ガスを用いる。このリッジ部の延在方向は〈1
1−20〉方向であり、幅は例えば4μmである。
【0045】ここで、このリッジ23を形成する位置
は、GaN層13に形成されたリッジ13aの二等分線
とリッジ13aの間の部分の二等分線との間の欠陥密度
の低い領域の内部とする。このようにすることにより、
この欠陥密度の低い領域に電流注入領域、したがって発
光領域を形成することができる。
【0046】次に、エッチングマスクとして用いたSi
2 膜をエッチング除去した後、基板全面に例えばCV
D法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより例えば
厚さが0.3μmのSiO2 膜のような絶縁膜24を成
膜する。この絶縁膜24は、電気絶縁および表面保護の
ためのものである。
【0047】次に、リソグラフィーによりn側電極形成
領域を除いた領域の絶縁膜24の表面を覆うレジストパ
ターン(図示せず)を形成する。次に、このレジストパ
ターンをマスクとして絶縁膜24をエッチングすること
により、開口24aを形成する。
【0048】次に、レジストパターンを残したままの状
態で基板全面に例えば真空蒸着法によりTi膜、Pt膜
およびAu膜を順次形成した後、レジストパターンをそ
の上に形成されたTi膜、Pt膜およびAu膜とともに
除去する(リフトオフ)。これによって、絶縁膜24の
開口24aを通じてn型GaNコンタクト層15にコン
タクトしたn側電極25が形成される。ここで、このn
側電極25を構成するTi膜、Pt膜およびAu膜の厚
さは例えばそれぞれ10nm、50nmおよび100n
mである。次に、n側電極25をオーミック接触させる
ためのアロイ処理を行う。
【0049】次に、同様なプロセスで、リッジ23の上
の部分の絶縁膜24をエッチング除去して開口24bを
形成した後、この開口24bを通じてp型GaNコンタ
クト層22にコンタクトしたPd/Pt/Au構造のp
側電極26を形成する。このp側電極26を構成するP
d膜、Pt膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ10
nm、100nmおよび300nmである。次に、p側
電極26をオーミック接触させるためのアロイ処理を行
う。
【0050】この後、上述のようにしてレーザ構造が形
成された基板を劈開などによりバー状に加工して両共振
器端面を形成し、さらにこれらの共振器端面に端面コー
ティングを施した後、このバーを劈開などによりチップ
化する。以上により、目的とするリッジ構造およびSC
H構造を有するGaN系半導体レーザが製造される。
【0051】以上のように、この第2の実施形態によれ
ば、欠陥密度が低い領域の面積が広い図5に示すような
GaN基板を用い、その上にレーザ構造を形成するGa
N系半導体層を成長させ、p型AlGaNクラッド層2
1およびp型GaNコンタクト層22をパターニングす
ることによりリッジ23を形成し、この際このリッジ2
3がGaN層13に形成されたリッジ13aの二等分線
とリッジ13aの間の部分の二等分線との間の欠陥密度
の低い領域の内部に位置するようにしていることによ
り、電流注入領域、したがって発光領域をこの欠陥密度
の低い領域に形成することができる。このため、レーザ
発振に寄与しない無効電流を大幅に低減することができ
ることにより、しきい値電流の大幅な低減を図ることが
できるとともに、レーザの長寿命化および信頼性の向上
を図ることができる。
【0052】さらに、良好な結晶性を反映して、GaN
基板の劈開性が増し、GaN系半導体レーザの端面の平
坦性の向上を図ることができる。そして、この効果によ
り、さらにしきい値電流の低減を図ることができ、寿命
の一層の向上を図ることができる。また、端面の平坦度
が向上することにより、レーザ光の出射方向や出射パタ
ーンの改善を図ることができ、高出力時のキンクレベル
の向上を図ることができる。
【0053】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0054】例えば、上述の第1および第2の実施形態
において挙げた数値、構造、基板、原料、プロセスなど
はあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異な
る数値、構造、基板、原料、プロセスなどを用いてもよ
い。
【0055】具体的には、例えば、上述の第1の実施形
態においては、GaN層5はノンドープのものである
が、GaN層5は、必要に応じて、例えばSiのような
n型不純物をドーピングしたn型のものや、例えばMg
のようなp型不純物をドーピングしたp型のものであっ
てもよい。このようにすることにより、n型またはp型
のGaN基板を得ることができる。また、上述の第1お
よび第2の実施形態においては、c面サファイア基板を
用いているが、必要に応じて、SiC基板、Si基板、
スピネル基板、厚いGaN層からなる基板などを用いて
もよい。
【0056】また、上述の第2の実施形態においては、
この発明をSCH構造のGaN系半導体レーザの製造に
適用した場合について説明したが、この発明は、例え
ば、DH(Double Heterostructure)構造のGaN系半
導体レーザの製造に適用してもよいことはもちろん、G
aN系発光ダイオードの製造に適用してもよく、さらに
はGaN系FETなどの窒化物系III−V族化合物半
導体を用いた電子走行素子(FETなど)に適用しても
よい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層に〈1
−100〉方向に延び、台形状の断面形状を有する複数
のリッジを形成し、このリッジの側面を除いた部分の第
1の窒化物系III−V族化合物半導体層の表面に絶縁
膜を形成し、このリッジの側面を種結晶として第2の窒
化物系III−V族化合物半導体層を成長させる場合
に、種結晶としてのリッジの上面が絶縁膜で覆われてい
るため、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層に
おいては、種結晶から直接上方に欠陥が伸びず、欠陥は
リッジの上面の絶縁膜上およびリッジの間の部分の底面
の絶縁膜上に生じる横方向成長の会合部に制限される。
このため、従来のELOやPENDEOを用いた場合に
比べて、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層、
したがって窒化物系III−V族化合物半導体基板にお
ける欠陥密度の低い領域の面積を広くすることができ
る。また、このような欠陥密度が低い領域の面積が広い
窒化物系III−V族化合物半導体基板を簡単なプロセ
スで容易に製造することができる。そして、この窒化物
系III−V族化合物半導体基板を用いて、窒化物系I
II−V族化合物半導体を用いた高性能かつ長寿命の半
導体装置を得ることができる。また、このような半導体
装置を簡単なプロセスで容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるGaN基板の
製造方法を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態によるGaN基板の
製造方法を説明するための断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態によるGaN基板の
製造方法を説明するための断面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態によるGaN基板の
製造方法を説明するための断面図である。
【図5】この発明の第2の実施形態によるGaN系半導
体レーザの製造方法を説明するための断面図である。
【図6】この発明の第2の実施形態によるGaN系半導
体レーザの製造方法を説明するための断面図である。
【図7】この発明の第2の実施形態によるGaN系半導
体レーザの製造方法を説明するための断面図である。
【図8】従来のELO技術を説明するための断面図であ
る。
【図9】従来のPENDEO技術を説明するための断面
図である。
【図10】従来のELO技術の問題を説明するための断
面図である。
【図11】従来のPENDEO技術の問題を説明するた
めの断面図である。
【図12】従来の多段ELO技術を説明するための断面
図である。
【図13】他の従来のPENDEO技術を説明するため
の断面図である。
【図14】他の従来のPENDEO技術の問題を説明す
るための断面図である。
【符号の説明】
1・・・c面サファイア基板、2、5・・・GaN層、
2a・・・リッジ、3、4・・・SiO2 膜、11・・
・c面サファイア基板、13、15・・・GaN層、1
3a・・・リッジ、14・・・SiO2 膜、15・・・
n型GaNコンタクト層、16・・・n型AlGaNク
ラッド層、17・・・n型GaN光導波層、18・・・
活性層、19・・・p型AlGaNキャップ層、20・
・・p型GaN光導波層、21・・・p型AlGaNク
ラッド層、22・・・p型GaNコンタクト層、23・
・・リッジ、24・・・絶縁膜、25・・・n側電極、
26・・・p側電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BE15 DB08 EF01 5F041 AA40 AA44 CA34 CA40 CA46 CA65 CA74 5F043 AA31 BB22 GG10 5F045 AA04 AB14 AB17 AC08 AC09 AC19 AF12 BB12 CA12 DA53 DB02 HA14 5F073 AA13 AA74 CA07 CB05 CB22 DA05 DA25 EA28

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〈1−100〉方向に延び、台形状の断
    面形状を有する複数のリッジを有し、このリッジの側面
    を除いた部分の表面に絶縁膜が形成された第1の窒化物
    系III−V族化合物半導体層と、 上記リッジの側面の上記第1の窒化物系III−V族化
    合物半導体層を種結晶として上記第1の窒化物系III
    −V族化合物半導体層上に成長した第2の窒化物系II
    I−V族化合物半導体層とを有することを特徴とする窒
    化物系III−V族化合物半導体基板。
  2. 【請求項2】 上記絶縁膜はSiO2 膜であることを特
    徴とする請求項1記載の窒化物系III−V族化合物半
    導体基板。
  3. 【請求項3】 上記第1の窒化物系III−V族化合物
    半導体層および上記第2の窒化物系III−V族化合物
    半導体層はGaN層であることを特徴とする請求項1記
    載の窒化物系III−V族化合物半導体基板。
  4. 【請求項4】 〈1−100〉方向に延び、台形状の断
    面形状を有する複数のリッジを有する第1の窒化物系I
    II−V族化合物半導体層を基板上に形成する工程と、 上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の全面
    に絶縁膜を形成する工程と、 上記絶縁膜をエッチングすることにより上記リッジの側
    面の部分の上記絶縁膜のみを除去する工程と、 上記リッジの側面の上記第1の窒化物系III−V族化
    合物半導体層を種結晶として上記第1の窒化物系III
    −V族化合物半導体層上に第2の窒化物系III−V族
    化合物半導体層を成長させる工程とを有することを特徴
    とする窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記絶縁膜はSiO2 膜であることを特
    徴とする請求項4記載の窒化物系III−V族化合物半
    導体基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記絶縁膜を上記リッジの側面の部分と
    その他の部分とで膜質に差が生じる成膜法により成膜す
    るようにしたことを特徴とする請求項4記載の窒化物系
    III−V族化合物半導体基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記成膜法は物理気相成長法であること
    を特徴とする請求項6記載の窒化物系III−V族化合
    物半導体基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記膜質の差を利用して上記リッジの側
    面の部分の上記絶縁膜のみを除去するようにしたことを
    特徴とする請求項6記載の窒化物系III−V族化合物
    半導体基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルカリ系のエッチング液を用いたウエ
    ットエッチング法により上記絶縁膜をエッチングするよ
    うにしたことを特徴とする請求項4記載の窒化物系II
    I−V族化合物半導体基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記アルカリ系のエッチング液はKO
    Hの水溶液であることを特徴とする請求項9記載の窒化
    物系III−V族化合物半導体基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 〈1−100〉方向に延び、台形状の
    断面形状を有する複数のリッジを有し、このリッジの側
    面を除いた部分の表面に絶縁膜が形成された第1の窒化
    物系III−V族化合物半導体層と、 上記リッジの側面の上記第1の窒化物系III−V族化
    合物半導体層を種結晶として上記第1の窒化物系III
    −V族化合物半導体層上に成長した第2の窒化物系II
    I−V族化合物半導体層とを有する窒化物系III−V
    族化合物半導体基板を有し、 上記窒化物系III−V族化合物半導体基板上に窒化物
    系III−V族化合物半導体からなる素子層が形成され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 上記絶縁膜はSiO2 膜であることを
    特徴とする請求項11記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 上記第1の窒化物系III−V族化合
    物半導体層および上記第2の窒化物系III−V族化合
    物半導体層はGaN層であることを特徴とする請求項1
    1記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】 上記リッジの二等分線と上記リッジの
    間の部分の二等分線との間の領域における上記素子層に
    動作領域が形成されていることを特徴とする請求項11
    記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】 上記半導体装置は半導体レーザであ
    り、上記動作領域はこの半導体レーザの発光領域である
    ことを特徴とする請求項14記載の半導体装置。
  16. 【請求項16】 〈1−100〉方向に延び、台形状の
    断面形状を有する複数のリッジを有する第1の窒化物系
    III−V族化合物半導体層を基板上に形成する工程
    と、 上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の全面
    に絶縁膜を形成する工程と、 上記絶縁膜をエッチングすることにより上記リッジの側
    面の部分の上記絶縁膜のみを除去する工程と、 上記リッジの側面の上記第1の窒化物系III−V族化
    合物半導体層を種結晶として上記第1の窒化物系III
    −V族化合物半導体層上に第2の窒化物系III−V族
    化合物半導体層を成長させる工程と、 上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に窒
    化物系III−V族化合物半導体からなる素子層を成長
    させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  17. 【請求項17】 上記絶縁膜はSiO2 膜であることを
    特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記絶縁膜を上記リッジの側面の部分
    とその他の部分とで膜質に差が生じる成膜法により成膜
    するようにしたことを特徴とする請求項16記載の半導
    体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記成膜法は物理気相成長法であるこ
    とを特徴とする請求項18記載の半導体装置の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 上記膜質の差を利用して上記リッジの
    側面の部分の上記絶縁膜のみを除去するようにしたこと
    を特徴とする請求項18記載の半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 アルカリ系のエッチング液を用いたウ
    エットエッチング法により上記絶縁膜をエッチングする
    ようにしたことを特徴とする請求項16記載の半導体装
    置の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記アルカリ系のエッチング液はKO
    Hの水溶液であることを特徴とする請求項21記載の半
    導体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記リッジの二等分線と上記リッジの
    間の部分の二等分線との間の領域における上記素子層に
    動作領域を形成するようにしたことを特徴とする請求項
    16記載の半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記半導体装置は半導体レーザであ
    り、上記動作領域はこの半導体レーザの発光領域である
    ことを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方
    法。
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