JP2000104897A - タンク用ポンプピットおよびその施工方法 - Google Patents
タンク用ポンプピットおよびその施工方法Info
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Abstract
外方向の変形を与えないようにして、メンブレンやコル
ゲーションの挙動を明確化することを目的とする。 【解決手段】 躯体内面にメンブレン6を配設して形成
されるタンクの底面から所定深さに設けられ、かつ液払
出用のポンプ3を収容するタンク用ポンプピットであっ
て、躯体底部1の所定位置に設けられた穴部2と、メン
ブレン6に接続しかつ穴部2の底面2bに載置される有
底筒状のピット本体9とで構成され、ピット本体9は、
メンブレン6との接続部分であるフランジ10が、貯蔵
する液温度に応じた熱収縮量の分だけメンブレン6の面
方向位置より高く設定される。
Description
定深さに設けられ、かつ液払出用のポンプを収容するタ
ンク用ポンプピットおよびその施工方法に関し、特に、
貯蔵する液体の温度によってピット本体が熱伸縮する場
合であっても、タンク内面のメンブレンに負担をかけな
いようにしたものに関する。
は、液払出用のポンプをタンク内のポンプバレル内に設
置している。図4は、従来のタンクを示す断面である。
このタンクはLNGやLPG等を貯蔵するための地下貯
蔵式低温タンクであって、躯体101の内面に図示しな
いメンブレンが配設されている。このメンブレンは、構
造不連続となる箇所を設けずに同一レベルに取り付けら
れてい。そして、液払出用のポンプ102は、屋根10
3を貫通するバレル104の下端に収納されており、バ
レル104の下端からLNGを吸い込むものである。
タンクの場合、液面が吸込口より2〜3mほどの高さH
になければ渦や泡を吸い込むことにより液の払い出しが
不能となる。すなわち、ポンプ102の位置と高さHを
合わせた分の液はタンクから払い出すことができず、タ
ンクの有効貯蔵量を減少させる結果となる。これに対処
するため、図5(a)に示すようなタンク用ポンプピッ
トを形成することが考えられる。
106を形成し、この穴部106内に保冷材(例えばポ
リウレタンフォームなど)108を介して有底筒状のピ
ット本体107を設置し、このピット本体107内にバ
レル104の下端部を配置してポンプ102の設置位置
を下げることにより、液払い出し量を増やして有効貯蔵
量の増加を図るものである。なお、ピット本体107の
上端は、メンブレン105に接続されている。
用ポンプピットは、ピット本体107が単に穴部106
内に設置されただけであるため、例えばLNG等の低温
液体を貯蔵した場合、ピット本体107が底部を規準と
して下向きに熱収縮し、図5(b)に示すように、メン
ブレン105を下方に引っ張り込むように変形させるこ
とになる。なお、メンブレン105には、通常コルゲー
ションと呼ばれる面内方向の変形(伸縮)を吸収するた
めの断面山型部分が設けられている(図示せず)。
下方にたわむような面外方向へ変形すると、周辺コルゲ
ーションが不安定な挙動を示す可能性が高く、その結
果、タンクの基本性能を阻害するおそれがあるため好ま
しくない。また、逆に高温液体を貯蔵する場合にも、ピ
ット本体が上向きに熱膨張してメンブレン105を上方
に持ち上げるように変形させることから、同様にメンブ
レン105の面外変形を生じさせることになる。
れたもので、タンクに貯蔵する液体温度によってピット
本体が熱収縮する場合であっても、メンブレンに面外方
向の変形を与えないようにして、メンブレンやコルゲー
ションの挙動を明確化することができるタンク用ポンプ
ピットおよびその施工方法を提供することを目的とす
る。
め、請求項1に係る発明は、躯体内面にメンブレンを配
設して形成されるタンクの底面から所定深さに設けら
れ、かつ液払出用のポンプを収容するタンク用ポンプピ
ットであって、躯体底部の所定位置に設けられた穴部
と、メンブレンに接続しかつ穴部の底面に載置される有
底筒状のピット本体とで構成され、ピット本体は、メン
ブレンとの接続部分が、貯蔵する液温度に応じた熱収縮
量の分だけメンブレンの面方向位置より高く設定される
技術が採用される。このタンク用ポンプピットでは、ピ
ット本体とメンブレンとの接続部分が、貯蔵する液温度
に応じた熱収縮量の分だけメンブレンの面方向位置より
高く設定されるため、タンクに貯蔵する液体温度によっ
てピット本体が熱収縮すると、前記接続部分が下方に下
がってメンブレンの面方向位置に合致することになる。
従って、液貯蔵時においてメンブレンを面外方向に変形
させないことから、コルゲーションの挙動を明確化する
ことが可能となり、タンクの基本性能を維持することが
可能となる。
用ポンプピットにおいて、ピット本体が、メンブレンに
形成されたコルゲーション間に設置される技術が適用さ
れる。このタンク用ポンプピットでは、ピット本体がメ
ンブレンに形成されたコルゲーション間に設置されるた
め、ピット本体上端部分の底面方向の収縮または膨張を
周辺コルゲーションによって吸収させることが可能とな
る。
レンを配設して形成されるタンクの底面から所定深さに
設けられ、かつ液払出用のポンプを収容するタンク用ポ
ンプピットの施工方法であって、躯体底部の所定位置に
設けられた穴部の底面に有底筒状のピット本体を設置す
る工程と、貯蔵する液温度に応じた熱収縮量の分だけメ
ンブレンの面方向位置より高い位置でピット本体とメン
ブレンとを接続する工程と、タンクに液を受け入れるこ
とによりピット本体を熱収縮させて接続部分をメンブレ
ンの面方向に位置させる工程とからなる技術が採用され
る。このタンク用ポンプピットの施工方法では、貯蔵す
る液温度に応じた熱収縮量の分だけメンブレンの面方向
位置より高い位置でピット本体とメンブレンとを接続
し、貯蔵する液温度によってピット本体を熱収縮させて
接続部分を下方に下げることにより該接続部分をメンブ
レンの面方向位置に合致させるため、液貯蔵時において
メンブレンを面外方向に変形させないようにしてコルゲ
ーションの挙動を明確化することが可能となり、タンク
の基本性能を維持することが可能となる。
図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明に係る
タンク用ポンプピットを示す断面図である。このタンク
用ポンプピットが適用されるタンクは、例えば図4に示
すようなLNGやLPGなどの低温液体貯蔵用地下タン
クであるが、これに限定されず、地上タンクであっても
よい。このタンクは、コンクリートセグメントにより建
造され、その躯体の底部1に穴部2が形成される。この
穴部2は、ポンプ3を収容するバレル4の下端を入り込
ませることができる位置に設けられ、例えば、バレル4
の鉛直方向下方位置に設けられる。
に、ポリウレタンフォーム等の保冷材5を介して、断面
山型のコルゲーション7を備えたメンブレン6が敷設さ
れている。そして、メンブレン6の、穴部2に対応する
部分を切り欠いて穴部2を露出させている。なお、メン
ブレン6を切り欠く位置がコルゲーション7間となるよ
うに、予め計算されてメンブレン6が敷設されている。
このメンブレン6としては、厚さ約2mmのステンレス
板が用いられ、格子状にコルゲーション7が形成されて
いる。また、穴部2の内側面2aおよび底面2bには保
冷材5と同様にポリウレタンフォーム等の保冷材8,8
aが設けられる。
上に載置した状態でピット本体9が設置される。ピット
本体9は、液圧に耐えられるように厚さ約10mmのス
テンレス板によって有底円筒状に形成され、上端には外
方に向けてフランジ10が設けられる。また、ピット本
体9の底部11は、平板状に形成されているが、これに
代えて半楕円状や半円状、テーパ状であってもよい。た
だし、いずれであっても保冷材8a(底部2b)上に載
置されることに変わりない。
2b上に載置された状態で設置されるため、底部11を
規準位置として上下方向への収縮を考えることになる。
なお、ピット本体9は水平方向に何ら固着されておら
ず、水平方向に収縮するのを拘束されない。また、保冷
材8とピット本体9との間の隙間12には、グラスウー
ルやパーライト等が充填される。
ジ10までの高さ)は、タンクへの液貯蔵時におけるピ
ット本体9の上下方向の熱収縮量を考慮して、常温下で
当該熱収縮量の分だけメンブレン6の面方向位置より高
い位置となるように長さLが予め加えられて決定されて
いる。
62℃)の貯蔵時においてピット本体9が熱収縮によっ
て高さ約1500mmとなるようにしたいとき、約6m
mとなる(ただし、前記のように厚さ約10mmのステ
ンレス板により直径約1200mmのピット本体9の場
合)。ただし、長さLの値は、貯蔵する液温度、ピット
本体9の形状により適宜決定される。
ることにより、フランジ10は穴部2から突出した状態
となる。この状態でフランジ10とメンブレン6とが溶
接等により接続されるため、ピット本体9の据え付け時
(常温下)では、図1に示すように、メンブレン6は保
冷材5から持ち上げられた状態となっている。
6がコルゲーション7部分から持ち上げられているが、
前記のように、その持ち上げ量(長さL)が微少であり
(前記の例によれば、ピット本体9の高さ約1500m
mに対して長さL約6mm)、メンブレン6がコルゲー
ション7以外の部分を持ち上げて上方にたわんだ状態と
なることも考えられる。しかし、いずれであっても後述
のように液貯蔵時に長さLが消滅するため、メンブレン
6の面外方向への変形が回避される点に変わりない。
の下端がピット本体9に差し込まれることにより、ピッ
ト本体9に収容された状態で配置される。そして、この
ポンプ3は、駆動部3aを動作させることにより開閉し
て液吸引口を形成する蓋部3bを備え、蓋部3bを開け
て矢印で示すように液体を吸い込むことにより、当該液
体はバレル4内を介してタンク外に払い出される。
び図2に示すように、穴部2のセンタからずらして配置
される。これは、ポンプ3をずらすことにより作業者の
入り込む隙間を形成させることが可能となるためであ
り、必要以上に大きな穴部2を設けなくてもよく、タン
クの有効貯蔵量が不必要に減少するのを回避できるとい
った利点がある。ただし、ポンプ3を穴部2のセンタか
らずらすか否かは任意である。
方法について説明する。先ず、躯体であるタンクの底部
1に穴部2を形成する。この穴部2は、他の躯体と同様
にコンクリートセグメントで形成される他、型枠を組ん
でコンクリートを現場打ちすることにより形成される。
次いで、この穴部2の内側面2aおよび底面2bに保冷
材8,8aを貼設した後、穴部2の径に対応して一部を
切り欠いたメンブレン6を保冷材5上に敷設する。
る。このピット本体9は、予め所定の高さをもって形成
されたものが用いられる点は前記のとおりである。そし
て、メンブレン6の切欠端部を持ち上げて、この端部と
ピット本体9のフランジ10とを溶接等によって接続す
る。以上でタンク用ポンプピットの据え付け作業が完了
する。
て、穴部2内にピット本体9を設置してから、一部を切
り欠いたメンブレン6を敷設してもよい。この方法によ
れば、メンブレン6の切欠内径をフランジ10の外径よ
り小さくすることにより、メンブレン6を敷設するとそ
の切欠端部がフランジ10に係止されて自然に持ち上げ
られた状態となり、切欠端部の持ち上げ作業を省略する
ことが可能となってその後の溶接作業が容易となる。
プピットにおいて、タンクにLNGを受け入れると、L
NGが約−162℃の低温液体であることから、このL
NGの受入によりピット本体9に熱収縮を生じさせる。
図3はピット本体9が熱収縮した状態を示すものであ
る。このように、ピット本体9がLNGの温度によって
上下方向に長さLだけ熱収縮することにより、メンブレ
ン6との接続部分であるフランジ10の高さがメンブレ
ン6の面方向と一致した状態となる(他に図1の点線参
照)。
対して面外変形を生じさせることはなく、メンブレン6
や周辺コルゲーション7が不明確な挙動を示すことを防
止している。このように、ポンプ3の設置位置を下げて
タンクにおける液払い出し量の増加を図りつつ、メンブ
レン6への面外方向への変形を効果的に防止している。
なお、タンクからLNGを払い出した後は、ピット本体
9は熱収縮から開放されて図1に示す元の状態に戻るこ
とになる。
く径方向にも熱収縮するが、この径方向の熱収縮はフラ
ンジ10がメンブレン6の面方向に位置していることに
よりメンブレン6における面内方向の変形として考えら
れ、周辺コルゲーション7によって適宜吸収される。
成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明
の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき
種々変更可能である。例えば、フランジ10の上面にメ
ンブレン6が接続される場合、保冷材5上面のピット本
体9周囲を凹入させ、熱収縮時のフランジ10がこの凹
部に嵌まり込むようにして、フランジ10の厚さによっ
てメンブレン6の面外方向の変形が生じることを回避し
てもよい。さらに、ピット本体9として断面角形の筒状
体を用いてもよく、またピット本体9の設置位置として
コルゲーション7部分を用いてもよい。
ンク用ポンプピットは、ピット本体とメンブレンとの接
続部分が、貯蔵する液温度に応じた熱収縮量の分だけメ
ンブレンの面方向位置より高く設定されるため、タンク
に貯蔵する液体温度によってピット本体が熱収縮する
と、前記接続部分が下方に下がってメンブレンの面方向
位置に合致することになる。従って、液貯蔵時において
メンブレンを面外方向に変形させないことから、メンブ
レンやコルゲーションの挙動を明確化することができ、
タンクの基本性能を維持することができる。
ピット本体がメンブレンに形成されたコルゲーション間
に設置されるため、ピット本体上端部分の底面方向の収
縮または膨張を周辺コルゲーションによって吸収させる
ことができる。
工方法は、貯蔵する液温度に応じた熱収縮量の分だけメ
ンブレンの面方向位置より高い位置でピット本体とメン
ブレンとを接続し、貯蔵する液温度によってピット本体
を熱収縮させて接続部分を下方に下げることにより該接
続部分をメンブレンの面方向位置に合致させるため、液
貯蔵時においてメンブレンを面外方向に変形させないよ
うにしてメンブレンやコルゲーションの挙動を明確化す
ることができ、タンクの基本性能を維持することができ
る。
態を示す断面図である。
ある。
ある。
は平常時の断面図、(b)はピット本体が熱収縮した状
態の断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 躯体内面にメンブレンを配設して形成さ
れるタンクの底面から所定深さに設けられ、かつ液払出
用のポンプを収容するタンク用ポンプピットであって、 前記躯体底部の所定位置に設けられた穴部と、前記メン
ブレンに接続しかつ前記穴部の底面に載置される有底筒
状のピット本体とで構成され、 前記ピット本体は、前記メンブレンとの接続部分が、貯
蔵する液温度に応じた熱収縮量の分だけ該メンブレンの
面方向位置より高く設定されることを特徴とするタンク
用ポンプピット。 - 【請求項2】 前記ピット本体は、前記メンブレンに形
成されたコルゲーション間に設置されることを特徴とす
る請求項1記載のタンク用ポンプピット。 - 【請求項3】 躯体内面にメンブレンを配設して形成さ
れるタンクの底面から所定深さに設けられ、かつ液払出
用のポンプを収容するタンク用ポンプピットの施工方法
であって、 前記躯体底部の所定位置に設けられた穴部の底面に有底
筒状のピット本体を設置する工程と、 貯蔵する液温度に応じた熱収縮量の分だけ該メンブレン
の面方向位置より高い位置で前記ピット本体と前記メン
ブレンとを接続する工程と、 タンクに液を受け入れることにより前記ピット本体を熱
収縮させて前記接続部分を前記メンブレンの面方向に位
置させる工程とからなることを特徴とするタンク用ポン
プピットの施工方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP27399698A JP3978892B2 (ja) | 1998-09-28 | 1998-09-28 | タンク用ポンプピットおよびその施工方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018035902A (ja) * | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 鹿島建設株式会社 | 低温液化ガス地下タンク |
JP2018512344A (ja) * | 2015-04-15 | 2018-05-17 | ギャズトランスポルト エ テクニギャズ | スルーエレメントが通る特定ゾーンを備えた壁を有するタンク |
FR3140926A1 (fr) * | 2022-10-14 | 2024-04-19 | Gaztransport Et Technigaz | Cuve de stockage de gaz liquide comprenant un puisard |
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KR101557790B1 (ko) * | 2008-12-22 | 2015-10-06 | 대우조선해양 주식회사 | 액화천연가스의 공급설비 |
JP6036605B2 (ja) | 2013-08-23 | 2016-11-30 | 株式会社Ihi | 地上式低温タンク |
-
1998
- 1998-09-28 JP JP27399698A patent/JP3978892B2/ja not_active Expired - Fee Related
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