JP2000104676A - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ

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JP2000104676A
JP2000104676A JP10275978A JP27597898A JP2000104676A JP 2000104676 A JP2000104676 A JP 2000104676A JP 10275978 A JP10275978 A JP 10275978A JP 27597898 A JP27597898 A JP 27597898A JP 2000104676 A JP2000104676 A JP 2000104676A
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精一 永田
Shinji Yakabe
新司 矢加部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変容量型ベーンポンプにおいて、駆動負荷
が高まるのに伴ってポンプ吐出流量を増やす制御機構を
提供する。 【解決手段】 ポンプ吐出通路11に介装される流量検
出オリフィス62と、流量検出オリフィス62の前後差
圧が上昇するのに伴ってポンプ吐出流量を減少させるよ
うにカムリングの駆動圧を調節するスプール80と、ポ
ンプ吐出圧が上昇するのに伴って流量検出オリフィス6
2の開口面積を大きくする負荷感応弁53とを備えるも
のとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のパワ
ーステアリング装置等に用いられる可変容量型ベーンポ
ンプの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の可変容量型ベーンポンプ
として、例えば特開平8−200239号公報に開示さ
れているものは、各ベーンを取り囲むカムリングをロー
タ軸芯に対して偏心させることにより、ポンプ吐出流量
を増やすようになっている。こうしてベーンポンプから
タンクへ戻される作動油の流量が減らされることによ
り、無駄なエネルギ消費を少なくしている。
【0003】このベーンポンプは、ポンプ吐出流量を調
節する制御機構として、ポンプ吐出通路に流量検出オリ
フィスを介装し、流量検出オリフィスの前後差圧に応じ
て変位するスプールを備え、スプールによってカムリン
グに導かれる駆動圧を制御するようになっている。
【0004】この流量検出オリフィスは、カムリングが
摺接するポンプ室の側壁部に開口しており、カムリング
がポンプ吐出流量を減少させる側に変位するのに伴って
流量検出オリフィスの開口面積を減らすようになってい
る。これにより、ポンプ回転速度の上昇に伴ってポンプ
吐出流量が次第に減少し、例えばパワーステアリング装
置の油圧アシスト力が適正に調節される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】パワーステアリング装
置は、車両のハンドルが切られている駆動負荷が高いと
きにベーンポンプから多くの作動油流量を供給する必要
があるが、ハンドルが切られていない駆動負荷が低いと
きあるいはハンドルが切られても駆動負荷が小さいとき
にはベーンポンプから多くの作動油流量を供給する必要
がない。
【0006】しかしながら、上記従来装置にあっては駆
動負荷に応じたポンプ吐出流量の制御を行っていないた
め、駆動負荷が高いときにポンプ吐出流量が十分に得ら
れるように設定すると、駆動負荷が低いときにポンプ吐
出流量が過大になり、無駄なエネルギ消費が増えるとい
う問題点があった。
【0007】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、可変容量型ベーンポンプにおいて、駆動負荷
が高まるのに伴ってポンプ吐出流量を増やす制御機構を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、回転する
ロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、各ベー
ンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリン
グと、ポンプ室から吐出される作動流体を導くポンプ吐
出通路と、ポンプ吐出通路に介装される流量検出オリフ
ィスと、流量検出オリフィスの前後差圧が上昇するのに
伴ってポンプ吐出流量を減少させるようにカムリングを
移動させる可変容量機構と、ポンプ吐出圧が上昇するの
に伴って流量検出オリフィスの開口面積を大きくする負
荷感応弁とを備えるものとした。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、負荷
感応弁は流量検出オリフィスが開口するバルブ孔と、バ
ルブ孔に摺動可能に嵌合するピストンと、ピストンをポ
ンプ吐出圧に対抗して流量検出オリフィスの開口面積を
減らす方向に付勢する負荷感応スプリングを備えるもの
とした。
【0010】第3の発明は、第2の発明において、流量
検出オリフィスの前後差圧が上昇するのに伴ってポンプ
吐出流量を減少させるように可変用量機構に導かれる駆
動圧を調節するスプールを備え、スプールをバルブ孔に
ピストンと並んで摺動可能に嵌合させ、負荷感応スプリ
ングをピストンとスプールの間に介装するものとした。
【0011】第4の発明は、第3の発明において、スプ
ールに開口してカムリングの駆動圧を導くカム位置検出
穴と、カムリングに追従してカム位置検出穴の開口面積
を変えるフィードバックピンとを備えるものとした。
【0012】
【発明の作用および効果】第1の発明において、ポンプ
吐出流量が増えるのに伴って流量検出オリフィスの前後
差圧が高まり、この前後差圧に応じてカムリングがロー
タ軸芯に対して偏心することによりポンプ吐出流量が制
御される。
【0013】ポンプ吐出圧が上昇するのに伴って負荷感
応弁が流量検出オリフィスの開口面積を相対的に大きく
することにより、流量検出オリフィスの前後差圧が低下
する。この前後差圧の低下に応動して可変容量機構がカ
ムリングをポンプ吐出流量を増やす方向に移動する。
【0014】このようにしてポンプ吐出圧が高まるのに
伴ってポンプ吐出流量を増やすことにより、例えばパワ
ーステアリング装置のアシスト力を十分に確保できる。
ポンプ吐出圧が低い運転時にポンプ吐出流量を低下させ
ることにより、無駄なエネルギ消費を少なくする。
【0015】第2の発明において、ポンプ吐出圧が上昇
するのに伴ってピストンが負荷感応スプリングを圧縮し
ながら変位して流量検出オリフィスの開口面積を大きく
することにより、流量検出オリフィスの前後差圧が小さ
くなる。この前後差圧に応じてスプールがカム位置検出
穴の開口面積を増減することによりカムリングの駆動圧
を調節して、カムリングをポンプ吐出流量を増やす方向
に移動する。
【0016】第3の発明において、ポンプ回転速度が上
昇するのに伴って、スプールがピストンを介して流量検
出オリフイスの開口面積を小さくし、ポンプ回転速度の
上昇に伴ってポンプ吐出流量が次第に減少する。これに
より、例えば車両の高速走行時にパワーステアリング装
置のアシスト力が過大にならないように調節できる。
【0017】第4の発明において、流量検出オリフィス
の前後差圧に応じてスプールが変位することより、カム
位置検出穴の開口面積がフィードバックピンを介して増
減し、カムリングの駆動圧が調節される。この駆動圧に
応じてカムリングがロータ軸芯に対して偏心することに
よりポンプ吐出流量が制御される。
【0018】カムリングに追従するフィードバックピン
がカム位置検出穴の開口面積を変化させることにより、
スプールに働く圧力バランスとカムリングの位置に対応
してカムリングの駆動圧が調節される。これにより、カ
ムリングに作用する摩擦力や内部洩れあるいはポンプ吐
出圧力等の運転条件が変化しても、カムリングの位置が
ずれることなく、所期のポンプ吐出流量特性が得られ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、図2に本発明が適用可能な
ベーンポンプの一例を示す。このベーンポンプ1は車両
に搭載されるパワーステアリング装置の油圧源として設
けられる。
【0020】ベーンポンプ1は、ケーシング60に回転
可能に収装されるロータ50と、ロータ50から摺動可
能に突出する複数のベーン24と、各ベーン24を取り
囲むカムリング70とを主体として構成される。各ベー
ン24は回転するロータ50に対しその放射方向に出入
りしながらそれぞれの外周端部をカムリング70の内周
面に摺接させてポンプ室を拡縮する。
【0021】ロータ50はエンジンからの回転が図示し
ないプーリおよびベルト等を介して伝達され、図に矢印
で示すように左回り方向に回転する。ロータ50の回転
に伴って各ベーン24間で拡がるポンプ室には吸込ポー
ト41から作動油が吸込まれ、各ベーン24間で収縮す
るポンプ室から作動油が吐出ポート42に吐出される。
吸込ポート41は吸込通路10を介してタンク6に連通
し、吐出ポート42はポンプ吐出通路11を介して図示
しないパワーステアリング装置の油圧シリンダに連通さ
れる。
【0022】カムリング70の内周カム面はその断面が
略円形に形成され、ロータ軸芯に対するカムリング中心
の偏心量が大きくなるほどポンプ押しのけ容積が増大
し、ポンプ吐出流量が増える。カムリング中心がロータ
軸芯上にあるとポンプ吐出流量が零となる。
【0023】ポンプ吐出流量を変化させる可変容量機構
として、カムリング70はケーシング60に支持ピン7
1を介して回動可能に支持される。そして、カムリング
70を図において左側に付勢するカムスプリング26が
設けられる。カムスプリング26の付勢力によりカムリ
ング70が最も左側に移動した状態で、ポンプ吐出流量
は最大となる。
【0024】カムリング70をカムスプリング26に抗
して回動させるため、ケーシング60にはカムリング7
0を挟むように第一カム圧力室7と第二カム圧力室8が
画成される。第一カム圧力室7の圧力が第二カム圧力室
8に対して高まるのに伴って、カムリング70はカムス
プリング26に抗して図において右側に移動し、ポンプ
吐出流量が次第に減少する。ケーシング60にはカムリ
ング70の外周面に摺接するシール材22が介装され、
第一カム圧力室7と第二カム圧力室8をそれぞれ密封し
ている。
【0025】第一カム圧力室7は吐出圧導入通路12を
介して吐出ポート42に連通し、吐出圧導入通路12の
途中にダンピングオリフィス112が設けられる。
【0026】第二カム圧力室8は吐出圧導入通路13を
介して吐出ポート42に連通するとともに、戻し通路1
5を介してタンク6に連通する。吐出圧導入通路13の
途中にダンピングオリフィス113が設けられ、戻し通
路15の途中にダンピングオリフィス115が設けられ
る。
【0027】カムリング70の駆動圧を制御する弁手段
として、スプール80が設けられる。スプール80はケ
ーシング60に形成されたバルブ孔65に摺動可能に嵌
合される。スプール80を左方向に付勢するバルブスプ
リング89が介装される。
【0028】バルブ孔65とスプール80の左側端部の
間に第一スプール圧力室17が画成される。第一スプー
ル圧力室17は通路19を介して吐出ポート42に連通
し、通路19の途中にダンピングオリフィス119が介
装される。
【0029】バルブ孔65とスプール80の右側端部の
間に第二スプール圧力室18が画成される。第二スプー
ル圧力室18はポンプ吐出通路11の途中に介装され
る。ポンプ吐出通路11の第二スプール圧力室18の上
流側には流量検出オリフィス62が介装され、ポンプ吐
出通路11における流量検出オリフィス62の前後差圧
がスプール80の両端部に作用する。これにより、ポン
プ吐出通路11の作動油流量が増加するのにしたがって
流量検出オリフィス62の前後差圧が高まり、スプール
80がバルブスプリング89に抗して右方向に移動す
る。
【0030】流量検出オリフィス62はケーシング60
のバルブ孔65に面して開口され、ポンプ回転速度が高
まるのに伴ってスプール80がポンプ吐出流量を減少さ
せる右側に移動すると後述するピストン54を介して流
量検出オリフィス62の開口面積が次第に小さくなる。
【0031】そして本発明の要旨とするところである
が、図1に示すように、ポンプ吐出圧(駆動負荷)が上
昇するのに伴って流量検出オリフィス62を拡大する負
荷感応弁53が設けられる。
【0032】負荷感応弁53は、バルブ孔65に摺動可
能に嵌合されるピストン54と、ピストン54を流量検
出オリフィス62の開口面積を減らす右方向に付勢する
負荷感応スプリング56を主体として構成される。
【0033】円盤状に形成されたピストン54は、その
外周面がバルブ孔65に摺動可能に嵌合される。スプー
ル80の端面から突出する中心軸85が形成され、中心
軸85にピストン54の中心部に形成された穴が摺動可
能に嵌合される。
【0034】スプール80の端面とピストン54の間に
波板状の負荷感応スプリング56が介装され、ピストン
54は負荷感応スプリング56とコイル状のバルブスプ
リング89の間に挟まれる。
【0035】ピストン54によってバルブ孔65内が前
記第二スプール圧力室18と背圧室55に仕切られる。
第二圧力室18は前述したようにポンプ吐出通路11を
画成する一方、背圧室55はスプール80に形成された
通孔86と環状溝83等で構成される戻り通路15を介
してタンク6に連通する。
【0036】スプール80にはカムリング70の駆動圧
を調節するカム位置検出穴81が形成される。カム位置
検出穴81は戻し通路15の途中に介装され、カム位置
検出穴81の開口面積が大きくなるのに伴って第二カム
圧力室8の圧力が逃がされ、カムリング70が右方向に
回動し、ポンプ吐出流量が減少する。
【0037】カムリング70に追従してカム位置検出穴
81の開口面積を変化させるフィードバックピン90が
設けられる。フィードバックピン90はスプール80の
ピン孔82に摺動可能に嵌合し、スプリング91の付勢
力によりその一端がカムリング70の外周面に押し付け
られる。
【0038】スプール80の外周には環状溝83が形成
され、カム位置検出穴81は環状溝83とピン孔82を
連通している。フィードバックピン90を貫通する通孔
92が形成され、この通孔92とピン孔82とカム位置
検出穴81および環状溝83等により戻し通路15が画
成される。
【0039】第二カム圧力室8の圧力が所定値を超えて
上昇するとこの圧力を逃がすリリーフバルブ30が設け
られる。リリーフバルブ30は、第二カム圧力室8と戻
し通路15を連通するリリーフポート31と、リリーフ
ポート31を開閉するボール32と、ボール32を閉方
向に付勢するリリーフスプリング33とによって構成さ
れる。
【0040】以上のように構成される本発明の実施の形
態につき、次に作用を説明する。
【0041】ベーンポンプ1の停止状態からポンプ回転
速度が所定値まで上昇するまでの間、スプール80はバ
ルブスプリング89の付勢力によりカム位置検出穴81
を遮断するポジションに保持される。これにより、カム
リング70は最大偏心位置に保持され、図3に実線で示
すように、ロータ50の回転速度が上昇するのに伴って
ポンプ吐出通路11を流れる作動油量が増加するので、
車両の低速走行時からポンプ吐出圧が十分に上昇し、パ
ワーステアリング装置に必要な油圧アシスト力を確保で
きる。
【0042】ポンプ回転速度が上昇して流量検出オリフ
ィス62の前後差圧が所定値を超えて上昇すると、バル
ブスプリング89の付勢力に抗してスプール80が図2
において右方向に移動してカム位置検出穴81を開いて
戻し通路15を開通させるポジションに保持され、流量
検出オリフィス62の前後差圧とバルブスプリング89
の付勢力がバランスする位置でカム位置検出穴81の開
口面積を増減する。これにより、カムリング70の位置
を自動的に調節して、ポンプ吐出流量を制御するととも
に、ベーンポンプ1からタンク6へ戻される作動油の流
量を少なくして無駄なエネルギ消費を少なくする。
【0043】流量検出オリフィス62の前後差圧が上昇
すると、スプール80がカム位置検出穴81の開口面積
を大きくする右方向に変位し、第二カム圧力室8の圧力
(駆動圧)が低下してカムリング70がポンプ吐出流量
を減らす右方向に移動する。このとき、第二カム圧力室
8の圧力が下がり過ぎると、カムリング70が右方向に
回動し、フィードバックピン90が右方向に押されてカ
ム位置検出穴81の開口面積を減らす。これにより、第
二カム圧力室8の圧力が回復し、カムリング70を適正
な位置へと押し戻す。
【0044】このようにしてカムリング70に追従する
フィードバックピン90の端部によってカム位置検出穴
81の開口面積がフィードバック制御されるため、スプ
ール80に働く圧力バランスとカムリング70の位置に
対応してカムリング70の駆動圧が調節され、常にカム
位置検出穴81の開口面積に対応したポンプ吐出流量特
性が得られる。したがって、カムリング70に作用する
摩擦力や内部洩れあるいはポンプ吐出圧力等の運転条件
が変化しても、カムリング70の位置がずれることがな
く、所期のポンプ吐出流量特性が得られる。
【0045】なお、スプール80が右方向に変位してカ
ム位置検出穴81の面積を拡大する際、戻し通路15に
介装されたダンピングオリフィス115がカム位置検出
穴81を通って流出する作動油の流れに抵抗を付与する
ことにより、カムリング70がスプール80の変位に追
随して右方向に移動し過ぎることが抑えられ、カムリン
グ70の位置制御が安定化する。
【0046】第一スプール圧力室17から出入りする作
動油にダンピングオリフィス119が抵抗を付与するこ
とにより、カムリング70に働く加振力によりスプール
80が変位しようとすると、第一スプール圧力室17と
第二スプール圧力室18の圧力が急上昇して、スプール
80およびカムリング70の振動が抑えられ、ベーンポ
ンプ1から振動や騒音等の発生を防止できる。
【0047】ポンプ回転速度が所定値を超えてさらに上
昇すると、スプール80がピストン54を介して流量検
出オリフイス62の開口面積を小さくし、ポンプ回転速
度の上昇に伴ってポンプ吐出流量が次第に減少する。こ
れにより、要求アシスト力が減少する車両の高速走行時
にポンプ吐出量が過剰になることを防止できる。
【0048】車両のハンドルが切られているパワーステ
アリング装置の駆動負荷が高いときにベーンポンプから
多くの作動油流量を供給する必要があるが、ハンドルが
切られていない駆動負荷が低いときあるいはハンドルが
切られているが駆動負荷が小さいときにはベーンポンプ
1から多くの作動油流量を供給する必要がない。
【0049】パワーステアリング装置の駆動負荷に高ま
ると、これに応じてベーンポンプ1のポンプ吐出圧が上
昇する。そこで、ポンプ吐出圧が高まるのに応じて負荷
感応弁53を介してポンプ吐出流量を増やす制御を行
う。これについて詳述すると、ピストン54はその左側
の端面に背圧室55に導かれるタンク圧(大気圧)を受
け、その右側の端面に第二スプール圧力室18に導かれ
るポンプ吐出圧を受けているため、ポンプ吐出圧が上昇
するのに伴って負荷感応スプリング56を圧縮しながら
左側に移動して流量検出オリフィス62の開口面積を拡
大する。流量検出オリフィス62の開口面積を相対的に
拡大することにより、流量検出オリフィス62を流れる
ポンプ吐出流量が増えると同時に、流量検出オリフィス
62の前後差圧が小さくなり、スプール80が左方向に
変位する。これにより、カム位置検出穴81の開口面積
が小さくなり、第二カム圧力室8の圧力が上昇してカム
リング70が左方向に移動し、ポンプ吐出流量がさらに
増加する。
【0050】このようにしてポンプ吐出圧が高い運転時
は、図3に実線で示すように、ポンプ吐出流量が上昇
し、パワーステアリング装置に発生するアシスト力を十
分に確保できる。ポンプ吐出圧が低下するのに伴って、
例えば図3に破線で示すように、ポンプ吐出流量が相対
的に低下し、無駄なエネルギ消費を少なくする。
【0051】ポンプ吐出圧が所定値を超えてさらに上昇
すると、リリーフバルブ30が開弁して第二カム圧力室
8の圧力を逃がすことにより、カムリング70が図2に
おいて右方向に回動し、ポンプ吐出圧の上昇が抑えられ
る。リリーフバルブがポンプ吐出通路に接続される従来
の構造に比べて、第二カム圧力室8に接続されるリリー
フバルブ30は、これを流れる作動油量が小さいため、
弁機構の構造を簡素化して、コンパクト化がはかれる。
【0052】なお、この実施の形態ではスプール80の
カム位置検出穴85によって第二カム圧力室8に導かれ
る駆動圧を調節しているが、第一カム圧力室7に導かれ
る駆動圧を調節するようにしてもよい。
【0053】また、本発明の負荷感応弁は、ベーンポン
プに限らず、他の可変容量型ポンプ、例えばピストンポ
ンプ等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すベーンポンプの断面
図。
【図2】同じくスプール等の断面図。
【図3】同じくポンプ回転速度とポンプ吐出流量の関係
を示す特性図。
【符号の説明】
1 ベーンポンプ 7 第一カム圧力室 8 第二カム圧力室 11 ポンプ吐出通路 13 吐出圧導入通路 17 第一スプール圧力室 18 第二スプール圧力室 15 戻し通路 24 ベーン 26 カムスプリング 30 リリーフバルブ 50 ロータ 53 負荷感応弁 54 ピストン 55 背圧室 56 負荷感応スプリング 60 ケーシング 65 バルブ孔 70 カムリング 80 スプール 89 バルブスプリング 91 スプリング 81 カム位置検出穴 90 フィードバックピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 淳 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 3H044 AA02 BB05 CC11 CC19 CC27 CC28 DD10 DD35 DD38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転するロータから摺動可能に突出する複
    数のベーンと、 前記各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成す
    るカムリングと、 前記ポンプ室から吐出される作動流体を導くポンプ吐出
    通路と、 前記ポンプ吐出通路に介装される流量検出オリフィス
    と、 前記流量検出オリフィスの前後差圧が上昇するのに伴っ
    てポンプ吐出流量を減少させるように前記カムリングを
    移動させる可変容量機構と、 ポンプ吐出圧が上昇するのに伴って流量検出オリフィス
    の開口面積を大きくする負荷感応弁と、 を備えたことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  2. 【請求項2】前記負荷感応弁は前記流量検出オリフィス
    が開口するバルブ孔と、 前記バルブ孔に摺動可能に嵌合するピストンと、 前記ピストンをポンプ吐出圧に対抗して前記流量検出オ
    リフィスの開口面積を減らす方向に付勢する負荷感応ス
    プリングを備えたことを特徴とする請求項1に記載の可
    変容量型ベーンポンプ。
  3. 【請求項3】前記流量検出オリフィスの前後差圧が上昇
    するのに伴ってポンプ吐出流量を減少させるように前記
    可変用量機構に導かれる駆動圧を調節するスプールを備
    え、 前記スプールを前記バルブ孔に前記ピストンと並んで摺
    動可能に嵌合させ、 前記負荷感応スプリングを前記ピストンと前記スプール
    の間に介装したことを特徴とする請求項2に記載の可変
    容量型ベーンポンプ。
  4. 【請求項4】前記スプールに開口して前記カムリングの
    駆動圧を導くカム位置検出穴と、 前記カムリングに追従して前記カム位置検出穴の開口面
    積を変えるフィードバックピンと、 を備えたことを特徴とする請求項3に記載の可変容量型
    ベーンポンプ。
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