JP2004218430A - 可変容量型ベーンポンプと、それを用いたパワーステアリング装置 - Google Patents

可変容量型ベーンポンプと、それを用いたパワーステアリング装置 Download PDF

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Shinji Yakabe
新司 矢加部
Masumi Hayashi
真澄 林
Seiichi Nagata
精一 永田
Noboru Shimizu
昇 清水
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Abstract

【課題】負荷側の必要な流量に合わせて、任意に吐出量を制御できる可変容量型ベーンポンプとそれを用いたパワーステアリング装置を提供することである。
【解決手段】ボディ1に、組み込んだカムリング4によって、その外周に第1圧力室7と第2圧力室8とを区画し、ポンプの吐出側と負荷との間に設けたオリフィス21と、制御バルブBとを備え、制御バルブBの第1パイロット室30から第1圧力室7側へ圧力を導く第1通路37と、第2圧力室8の圧力をタンクへ抜く第2通路38とを形成し、上記オリフィスの上流側の圧力を第1パイロット室に導き、オリフィスの下流側の圧力を第2パイロット室に導き、上記オリフィス前後の差圧を一定に保ってカムリングの偏心位置を制御する構成を前提とし、第2パイロット室31とタンクTとの連通路にソレノイドバルブ41を設けるとともに、このソレノイドバルブの開度を制御するコントローラ45を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変容量型ベーンポンプと、このベーンポンプを用いたパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両のパワーステアリング装置用ポンプとして、可変容量型のベーンポンプが用いられることがある(特許文献1参照)。
従来から用いられている可変容量型ベーンポンプは、具体的には、図4に示すように、ボディ1に形成したボア2の中に、図示しないサイドプレートに積層した状態でアダプタリング3を組み込み、このアダプタリング3の内側には、カムリング4を組み込んでいる。そして、このカムリング4を、ピン5を支点にして回動可能にしている。
【0003】
さらに、ピン5に対して、位相をずらした位置には、シール部材6を設けている。このシール部材6と上記ピン5によって、カムリング4とアダプタリング3との間に、第1圧力室7と第2圧力室8とを区画形成している。
なお、これら第1圧力室7および第2圧力室8の容量は、上記カムリング4の回動位置に応じて変化するようにしている。
【0004】
上記カムリング4の内側には、ローター9を設けている。このローター9は、図示していないエンジンに連係させた駆動軸10に固定している。したがって、エンジンを作動させて、駆動軸10を回転させると、この駆動軸10と一体となってローター9が回転する。
また、上記ローター9には、複数のスリット11を形成するとともに、各スリット11にベーン12を組み込んでいる。これらベーン12は、半径方向に出没可能に組み込まれていて、ローター9の回転によって遠心力が作用すると、スリット11から突出する。さらに、ベーン12に作用するローター9の中心側からの背圧の作用も相まって、ベーン12が先端をカムリング4の内周に押し付けられることにより、各ベーン12間に複数のポンプ室13が形成されるようにしている。
【0005】
上記カムリング4は、その内周を駆動軸10に対して偏心させているために、駆動軸10とともにローター9が回転すると、この回転に伴って各ポンプ室13の容量も変化する。そして、この回転に応じて容量が拡大するポンプ室13を吸い込み側とし、この拡大するポンプ室13に作動油が吸い込まれる。また、回転とともに容量が縮小するポンプ室13を吐出側とし、この縮小するポンプ室13から作動油が吐出される。なお、図4において、ローター9が左回転するときに、右上側から左上側の範囲に位置するポンプ室13が吸い込み側となり、左下側から右下側の範囲に位置するポンプ室13が吐出側となる。そして、それぞれに対応する位置に設けた吸い込みポート14と、吐出ポート15とを破線で示している。
【0006】
また、上記ボディ1には、カムリング4の位置を感知する位置感知機構Aを設けている。この位置感知機構Aは、ボディ1に形成した組み込み穴16にプランジャ17とスプリング18とを組み込み、第1流体室19を形成している。プランジャ17の先端側であるアダプタリング3側には、通孔17aを形成し、第1流体室19とボア2側に形成した第2流体室20とを連通させる。この第2流体室20は、吐出流路22を介して、パワーステアリング機構PSへ圧油を供給するようにしている。
【0007】
上記プランジャ17の、後端側の上記第1流体室19の外部には、絞り孔21を形成し、ポンプの吐出ポート15に接続したポンプ吐出流路23を、この絞り孔21を介して第1流体室19に接続している。
また、上記プランジャ17の先端にはプッシュピン24を連携し、このプッシュピン24をカムリング4に当接させ、スプリング18の弾性力によってカムリング4をアダプタリング3の左側に押し付けている。
この状態から、カムリング4がピン5を支点にして右回りに回動すると、プッシュピン24を右方向に移動させ、その結果、プランジャ17がポンプ吐出流路23の開口に対応する絞り孔21を狭くする。すなわち、上記絞り孔21は、上記プランジャ17の移動量に応じて、その開口面積を変化させる可変オリフィスを構成している。
【0008】
一方、ボディ1には、カムリング4の移動を制御する制御バルブBを設けている。
この制御バルブBは、図5に示すように、ボディ1に設けた組み付け穴25の中に、スプリング26と、このスプリング26によって、図5における左方向に付勢されたスプール27とを備えている。このスプール27は、第1ランド部28と第2ランド部29とを備え、第1ランド部28の左側には、第1パイロット室30を形成し、第2ランド部29の右側には第2パイロット室31を形成している。また、第1ランド部28と第2ランド部29との間には、ドレン室32を形成し、タンクTへ連通させている。
【0009】
上記第1パイロット室30は、第1パイロット通路33を接続し、ポンプ室13aの吐出圧を第1パイロット室30に導くようにしている。
また、上記第2パイロット室31には、第2パイロット通路34を介して上記位置感知機構Aの下流側すなわち絞り孔21下流側の圧力を導いている。
さらに、図4、図5の状態において、上記第1ランド部28に対応する部分に、絞り溝35を形成し、第2ランド部29の位置に絞り溝36を形成している。そして、絞り溝35は、第1通路37を介して第1圧力室7に連通し、上記絞り溝36は、第2通路38を介して第2圧力室8に連通している。
【0010】
ただし、図示の状態では、上記絞り溝35および36は、それぞれ第1、第2ランド部27,28によって閉鎖されているが、スプール27が図面における右方向に移動した場合に開口する。上記絞り溝35が開口すると、第1パイロット通路33と第1通路37が連通し、高圧側ポンプ室13aの吐出圧が第1圧力室7に導かれることになる。一方、絞り溝36が開口すると、第2通路38がドレン室32と連通するので、第2圧力室8の圧力がタンクTへ逃げることになる。なお、図中、符号48の絞りは、上記第2パイロット室31の圧力が高くなりすぎて、その圧力をスプール27内の通路を介してタンクTへ逃がす必要が生じたときにも、負荷側への供給流量がタンクTへ流れ込んで、パワーステアリング機構PSへの供給流量が不足してしまうことを防止する機能を果たしている。
【0011】
次に、この従来のベーンポンプの作用を説明する。
まず、駆動源によってローター9を回転させると、遠心力および背圧によってベーン12が突出し、複数のポンプ室13が形成される。そして、ポンプ室13のうちローター9の回転によって容量が拡大する吸い込み側のポンプ室13bに作動油が吸い込まれて、このポンプ室13bに吸い込まれた作動油が、ローター9の回転にともなって圧縮され、高圧側のポンプ室13aからポンプ吐出流路23に吐出される。
【0012】
ポンプ吐出流路23に吐出された吐出油は、絞り孔21を通過して、負荷であるパワーステアリング装置PSに供給される。
このようにしてポンプ室13aから吐出された圧油がパワーステアリング装置PSに供給されると、絞り孔21の前後に圧力差が生じる。そして、この絞り孔21の上流側の圧力は、ポンプ室13aからの吐出圧であるが、この吐出圧は、上記第1パイロット通路33を介して制御バルブBの第1パイロット室30に導かれ、絞り孔21の下流側の圧力が、第2パイロット通路34を介して制御バルブBの第2パイロット室31に導かれる。
【0013】
したがって、上記制御バルブBのスプール27には、第1パイロット室30のパイロット圧による図面右方向の推力と、第2パイロット室31のパイロット圧およびスプリング26の弾性力による図面左方向の推力とが作用する。そして、これら推力のバランスする位置にスプール27が移動することになる。
【0014】
上記絞り孔21の前後の差圧は、そこを通過する流量に比例するため、吐出量の少ない低回転時は、絞り孔21前後に生じる差圧も小さい。そのため、制御バルブBは、スプリング26によって、図4に示す最大偏心位置を保つ。つまり、ポンプが低回転している間は、ポンプ室13の容量に変化がないので、吐出ポート15から吐出される流量は、図6に示すようにポンプの回転数に比例する。
【0015】
上記の状態からポンプ回転数が上昇し、ポンプ吐出量が増大すると、絞り孔21前後の差圧も大きくなる。そして、この差圧によってスプール27に作用する右方向の推力が、スプリング26のイニシャル弾性力よりも大きくなると、このスプール27が右方向に移動する。その結果、第1パイロット室30と第1通路37とが連通し、ポンプ室13a作動油が第1圧力室7に導入される。また、このとき第2圧力室8が、第2通路38から、絞り溝36、ドレン室32を介してタンクTに連通する。
したがって、カムリング4は、第1圧力室7と第2圧力室8との差圧により発生する力によって、位置感知機構Aのスプリング18の弾性力と釣り合う位置まで回動する。
【0016】
上記のようにして、カムリング4が右方向に回動すると、ポンプ室13の容量が小さくなり、ローター9の一回転当たりの押しのけ容量も減る。ポンプの吐出量というのは、ローター9の一回転当たりの押しのけ容量に、その回転数をかけあわせたものであるため、ローター9の回転数がある程度上昇してきた時点、例えば回転数N1(図6参照)で、その一回転当たりの押しのけ容量が徐々に小さくなる。このように、回転数の上昇に伴って一回転当たりの押しのけ容量が小さくなれば、吐出量は、ローター9の回転数に比例しなくなる。
【0017】
この吐出量に対するカムリング4の偏心量の制御を、制御バルブB、第1,第2圧力室7、8の圧力および絞り孔21によって行うようにしている。
したがって、制御バルブBや位置感知機構Aのスプリング26、18の弾性力などの設定に応じて、ポンプ運転中のカムリング4の偏心量を制御することができる。例えば、図6に示すグラフaのように、ある回転数、すなわち、回転数N1を超えた時点から、その吐出量を一定に保つこともできる。また、上記絞り孔21が回転数N1を超えてから開度を減少させる可変絞りの場合には、一点鎖線で示したグラフbのように回転数Nを超えると、吐出量を減少させるといったドルーピング特性を実現することもできる(特許文献1参照)。
【0018】
【特許文献1】
特開2000−161249号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなベーンポンプでは、図6に示すように、回転数が一定値以上になったときに、吐出量を一定にするというような流量特性を作ることができる。しかし、この特性は、位置感知機構Aのスプリング18や制御バルブBのスプリング26の、イニシャル弾性力や、上記位置感知機構Aに形成した絞り孔21の大きさなどによって固定的に決まってしまう。
【0020】
例えば、このベーンポンプを、エンジンを駆動源としてパワーステアリング装置に用いた場合、操舵していない場合には、パワーステアリング機構側では、ほとんど流量を必要としない。また、エンジン回転数が高い高速走行時には、低速走行時に比べて流量を必要としない。
しかし、図6に示すような特性では、操舵の有り無しにかかわらず、エンジンの回転数に応じた吐出量があるので、非操舵時や、高回転時には、流量を無駄にしていた。
【0021】
この発明の目的は、例えば、パワーステアリング機構などの負荷側の必要な流量に合わせて、任意に吐出量を制御できる可変容量型ベーンポンプを提供することである。
また、別の目的は、そのベーンポンプを用いたパワーステアリング装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明のベーンポンプは、ボディに、偏心量を可変にしたカムリングを組み込み、このカムリングで、その外周に第1圧力室と第2圧力室とを区画し、ポンプの吐出側と負荷との間に設けたオリフィスと、端部をそれぞれ、第1、第2パイロット室に臨ませたスプールを組み込むとともに、第2パイロット室側から第1パイロット室側へ弾性力を作用させるスプリングを組み込んだ制御バルブとを備え、この制御バルブの第1パイロット室から上記第1圧力室側へ圧力を導く通路であって上記スプールの移動によって開閉する第1通路を形成するとともに、上記第2圧力室の圧力をタンクへ抜く通路であって上記スプールの移動によって開度が変化する第2通路を形成し、上記オリフィスの上流側の圧力を制御バルブの第1パイロット室に導く第1パイロット通路と、オリフィスの下流側の圧力を上記第2パイロット室に導く第2パイロット通路とを形成してなり、上記制御バルブは、上記オリフィス前後の差圧を一定に保ってカムリングの偏心位置を制御する構成にした可変容量型ベーンポンプ前提とする。
【0023】
第1の発明は、上記ベーンポンプを前提とし、上記第2パイロット室とタンクとの連通路にソレノイドバルブを設けるとともに、このソレノイドバルブの開度を制御するコントローラを設けた点に特徴を有する。
【0024】
第2の発明のパワーステアリング装置は、ボディに、偏心量を可変にしたカムリングを組み込み、このカムリングで、その外周に第1圧力室と第2圧力室とを区画し、ポンプの吐出側と負荷との間に設けたオリフィスと、端部をそれぞれ、第1、第2パイロット室に臨ませたスプールを組み込むとともに、第2パイロット室側から第1パイロット室側へ弾性力を作用させるスプリングを組み込んだ制御バルブとを備え、この制御バルブの第1パイロット室から上記第1圧力室側へ圧力を導く通路であって上記スプールの移動によって開閉する第1通路を形成するとともに、上記第2圧力室の圧力をタンクへ抜く通路であって上記スプールの移動によって開度が変化する第2通路を形成し、上記オリフィスの上流側の圧力を制御バルブの第1パイロット室に導く第1パイロット通路と、オリフィスの下流側の圧力を上記第2パイロット室に導く第2パイロット通路とを形成してなり、上記制御バルブは、上記オリフィス前後の差圧を一定に保ってカムリングの偏心位置を制御する構成にした可変容量型ベーンポンプ負荷側にパワーステアリング機構を接続した装置を前提とする。
【0025】
そして、上記第2パイロット室とタンクとの連通路にソレノイドバルブを設けるとともに、このソレノイドバルブの開度を制御するコントローラを設け、このコントローラに、車両の走行状況を検出する走行状況検出センサを接続し、上記コントローラは、上記走行状況センサの出力信号に応じて上記ソレノイドバルブの開度を制御する点に特徴を有する。
なお、車両の走行状況には、車速のほか、操舵角や、舵角速度、操舵トルクなどの操舵状況も含まれる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に、この発明のベーンポンプを用いたパワーステアリング装置の実施例を示す。
図1は、ベーンポンプ部分の面図と、周囲の油圧回路を示した図であり、図2は、制御バルブB部分の拡大図である。
そして、図1、図2に示すベーンポンプの構成要素のうち、上記従来例と同様の構成要素には、図4、図5と同じ名称と符号を付けている。この実施例のベーンポンプはカムリング4を回動させることによりポンプ室13の容量を変化させて、吐出量を変化させる可変容量型ポンプであり、カムリング4を、制御バルブBと位置感知機構Aによって回動させる点も、上記従来例と同様である。
そして、図1のプランジャ17によって開口を変化させる絞り孔21が、この発明のオリフィスである。
【0027】
ただし、制御バルブBの第2パイロット室34に、絞り孔40を形成し、この絞り孔40に、ソレノイドバルブ41のロッド42の先端を臨ませている。この絞り孔40は、上記第2パイロット室31側の小径部40aと、ソレノイドバルブ41側の大径部40bとからなり、大径部40bをタンク通路39に連通させている。
また、ロッド42の先端は、円錐形をしていて、図の状態では、その先端が小径部40aにはまって、絞り孔40を閉鎖している。
【0028】
一方、上記ソレノイドバルブ41はソレノイド43を励磁させると、ロッド42が絞り孔40から脱出する方向に移動して、絞り孔40を開口するようにしている。そして、このロッド42の移動量はソレノイド43への通電量に応じて変化する。そして、このロッド42の移動量によって、上記絞り孔40の開度、すなわち、ソレノイドバルブ41の開度が変化する。
このソレノイドバルブ41のドライバ44には、コントローラ45を接続している。つまり、第2パイロット室31とタンクTとを接続する流路中に設けたソレノイドバルブ41の開度を、上記コントローラ45で制御するようにしている。
【0029】
さらに、上記コントローラ45には、舵角センサ46と車速センサ47とを接続している。
なお、第2パイロット通路34には、絞り48を設けている。絞り48を設けたので、第2パイロット室31とタンク通路39とが連通した時にも、吐出流路22から第2パイロット室31に圧油が流れ込んで、パワーステアリング機構PSに供給されるべき流量が不足してしまうことがないようにしている。
【0030】
以下に、この装置の作用を説明する。
上記コントローラ45からの指令に基づいて、ドライバ44が、ソレノイドバルブ41を閉じた状態を保っているときには、上記従来例の装置と全く同じ状態なので、その作用も同じである。この流量特性は、図3のグラフ▲1▼であり、図6に示す従来例の特性と同じである。例えば、第1パイロット室30の圧力P1、第2パイロット室31に吐出流路22から導かれる圧力P2、スプリングの弾性力をPsとすると、P1≦{P2+弾性力Ps}となるまでの間は、回転数に比例した吐出量となる。つまり、ローター9の回転数を上げていくと、制御バルブBの第1パイロット室30の圧力が、スプリング26のイニシャル弾性力と第2パイロット室の圧力との和{P2+弾性力Ps}にうち勝つ回転数N1までは、回転数に吐出力が比例し、その後は、両者がバランスするように、カムリング4が移動して、吐出量をほぼ一定量Q1に保つ。
【0031】
次に、コントローラ45が、上記ソレノイドバルブ41を開く場合について説明する。
ローター9の回転数がN1に達するまでに、ソレノイドバルブ41が開くと、第2パイロット室31がタンク流路39と連通する。そのため、第2パイロット室31に吐出流路22から導かれた圧力P2の一部がタンク流路39へ逃げる。このとき、タンク流路39へ逃げる圧力ΔPとすると、P1={P2+弾性力Ps−ΔP}となるまでの間は、回転数に比例した吐出量となる。圧力P1、つまり制御バルブBのスプール27が右方向へ移動するように作用する力が、上記ソレノイドバルブ41が閉じた状態のときと比べて、ΔPだけ小さな圧力で、左方向へ作用する力に釣り合うことになる。
【0032】
すなわち、回転数がN1よりも小さなN2で、スプール27が移動し、カムリングを右方向へ回動させることになる。従って、図3に示す▲2▼のグラフのように、回転数N2以上で、吐出量を一定量Q2に制御することができる。この一定値は、ソレノイドバルブ41の開度を調整することによって、制御することができる。従来なら、回転数に比例して、大吐出量となるような回転数でも、ソレノイドバルブ41を開いて、スプール27を右方向へ移動させ、さらにカムリング4を右へ移動させれば、吐出量を下げることができる。
【0033】
ソレノイドバルブ41の開度を制御して、上記ΔPを大きくすれば、図3のグラフ▲3▼のように、グラフ▲2▼よりもさらに吐出量を下げて一定量Q3とすることもできる。
また、ソレノイドバルブ41の開度を調整して、回転数が変化してもスプール27が移動しないように制御すれば、結果的に、カムリング4の位置を固定したことになる。その間は、回転数に比例した吐出量を得ることになるが、カムリング4をどの位置で固定するかによって、回転数に対する吐出力の傾きを自由に設定することができる。
【0034】
このように、ソレノイドバルブ41の開度を、コントローラ45によって制御することによって、様々な流量特性を得ることができる。要するに、図3に示したように一定値が異なる特性や、傾きの異なる流量特性を得ることができ、それらを組み合わせることによって、任意の流量特性などを作り出すことができる。そして、上記コントローラ45が、舵角センサ46や、車速センサ47の出力信号に応じて、ソレノイドバルブ41の制御を行い、パワーステアリング機構PSに無駄な流量を供給せず、しかも必要な時に流量が不足しないようにすることができる。
【0035】
例えば、パワーステアリング機構PSでは、同じ車速でも、操舵しているときと、していないときとでは、必要な流量が違う。この実施例の装置では、操舵しているときと、していない時に、供給する流量を変化させることもできる。
また、車両の高速走行時は、低速走行時よりも、必要な圧油量は少ないし、操舵していないときには、スタンバイ流量として、さらに、少ない最低限の流量で足りる。そこで、コントローラ45が、車速センサ47の検出信号に基づいて低速走行中か、高速走行中かを判断し、舵角センサ46の検出信号に基づいて操舵されているかどうかを判断し、ソレノイドバルブ41を制御する。
【0036】
高速走行時の場合には、ソレノイドバルブ41の開度を大きくし、カムリングを右へ移動させ、流量を落とし、パワーステアリング機構PSに、無駄な流量を供給しないようにすることができる。
もちろん、舵角や、車速によって、流量が必要と判断した場合には、ソレノイドバルブ41の開度を大きくして、流量を増やすこともできる。
なお、この実施例では、上記舵角センサ46や車速センサ47は、この発明の走行状況検出センサである。ただし、走行状況検出センサとしては、上記舵角センサ、車速センサのほかに、舵角速度センサや、操舵トルクセンサなど、操舵状況を検出する他のセンサを用いることもできる。要するに、上記走行状況検出センサは、パワーステアリング機構の必要流量に影響を与える車両状況を検出するセンサである。
また、上記実施例は、この発明のベーンポンプを用いたパワーステアリング装置の例であるが、上記ベーンポンプは、パワーステアリング装置だけでなく、様々な流量特性を必要とするところで、有用である。
【0037】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ベーンポンプの流量特性を必要に応じて変化させることができる。
第2の発明では、パワーステアリング機構に、必要流量だけを供給することができる。特に、操舵していないときや、高速走行時など、多くの流量を必要としない場合にも、供給流量を絞って、エネルギーロスを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパワーステアリング装置のポンプと油圧回路を示した図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】実施例のベーンポンプの特性を表したグラフである。
【図4】従来例のパワーステアリング装置のポンプと油圧回路を示した図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】従来例のベーンポンプの回転数に対する吐出流量の関係を表したグラフである。
【符号の説明】
1 ボディ
4 カムリング
7 第1圧力室
8 第2圧力室
13 ポンプ室
13a 高圧側のポンプ室
21 絞り孔
22 吐出流路
23 ポンプ吐出流路
B 制御バルブ
27 スプール
30 第1パイロット室
31 第2パイロット室
33 第1パイロット通路
34 第2パイロット通路
37 第1通路
38 第2通路
39 タンク通路
40 絞り孔
41 ソレノイドバルブ
44 ドライバ
45 コントローラ
46 舵角センサ
47 車速センサ
48 絞り

Claims (2)

  1. ボディに、偏心量を可変にしたカムリングを組み込み、このカムリングで、その外周に第1圧力室と第2圧力室とを区画し、ポンプの吐出側と負荷との間に設けたオリフィスと、端部をそれぞれ、第1、第2パイロット室に臨ませたスプールを組み込むとともに、第2パイロット室側から第1パイロット室側へ弾性力を作用させるスプリングを組み込んだ制御バルブとを備え、この制御バルブの第1パイロット室から上記第1圧力室側へ圧力を導く通路であって上記スプールの移動によって開閉する第1通路を形成するとともに、上記第2圧力室の圧力をタンクへ抜く通路であって上記スプールの移動によって開度が変化する第2通路を形成し、上記オリフィスの上流側の圧力を制御バルブの第1パイロット室に導く第1パイロット通路と、オリフィスの下流側の圧力を上記第2パイロット室に導く第2パイロット通路とを形成してなり、上記制御バルブは、上記オリフィス前後の差圧を一定に保ってカムリングの偏心位置を制御する構成にした可変容量型ベーンポンプにおいて、上記第2パイロット室とタンクとの連通路にソレノイドバルブを設けるとともに、このソレノイドバルブの開度を制御するコントローラを設けた可変容量型ベーンポンプ。
  2. ボディに、偏心量を可変にしたカムリングを組み込み、このカムリングで、その外周に第1圧力室と第2圧力室とを区画し、ポンプの吐出側と負荷との間に設けたオリフィスと、端部をそれぞれ、第1、第2パイロット室に臨ませたスプールを組み込むとともに、第2パイロット室側から第1パイロット室側へ弾性力を作用させるスプリングを組み込んだ制御バルブとを備え、この制御バルブの第1パイロット室から上記第1圧力室側へ圧力を導く通路であって上記スプールの移動によって開閉する第1通路を形成するとともに、上記第2圧力室の圧力をタンクへ抜く通路であって上記スプールの移動によって開度が変化する第2通路を形成し、上記オリフィスの上流側の圧力を制御バルブの第1パイロット室に導く第1パイロット通路と、オリフィスの下流側の圧力を上記第2パイロット室に導く第2パイロット通路とを形成してなり、上記制御バルブは、上記オリフィス前後の差圧を一定に保ってカムリングの偏心位置を制御する構成にした可変容量型ベーンポンプの負荷側にパワーステアリング機構を接続したパワーステアリング装置において、上記第2パイロット室とタンクとの連通路にソレノイドバルブを設けるとともに、このソレノイドバルブの開度を制御するコントローラを設け、このコントローラに、車両の走行状況を検出する走行状況検出センサを接続し、上記コントローラは、上記走行状況センサの出力信号に応じて上記ソレノイドバルブの開度を制御するパワーステアリング装置。
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