JP2000104104A - Sm−Fe−N系合金粉末の製造方法 - Google Patents

Sm−Fe−N系合金粉末の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Sm−Fe−N系合金粉末を還元拡散法を用
いて製造する際に、高価なSmをできるだけ少なく仕込
み、組成が均質で結晶的にも異相が少ない合金粉末を得
ることを可能とするSm−Fe−N系合金粉末の製造方
法を提供する。 【構成】 原料酸化物を還元拡散する工程を有するSm
−Fe−N系合金粉末の製造方法において、該原料酸化
物はSmとFeからなる複酸化物を少なくとも含み、該
原料酸化物のr値は10.6〜12.4の範囲であるこ
とを特徴とするSm−Fe−N系合金粉末の製造方法。
但し、ここで、r値は次式で定義され、ASm及びAFe
は、それぞれ原料酸化物中のSm及びFeの原子数であ
る。r=ASm/(ASm+AFe)×100

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、還元拡散工程によるS
m−Fe−N系合金粉末の製造方法に係り、特にSmの
仕込み比率を低減できる該合金粉末の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】Sm−Fe−N系合金粉末は次世代の永
久磁石材料として期待されている。特に、Sm2Fe17
N3系の材料はニュークリエイションと呼ばれる保磁力
発現機構を示し、結晶粒子の小粒子化、均一性がそのま
ま保磁力の大きさに結びつくという特徴をもつ。
【0003】数μmの小粒子であって均一な磁性体粒子
を得るため、希土類酸化物粉末と遷移金属粉末を混合
し、これをカルシウム蒸気中で加熱することで希土類酸
化物を還元して、遷移金属中に拡散させる還元拡散法が
知られている。還元拡散法は安価な希土類酸化物を使用
できることや、合金が還元と同時に得られるという利点
があり、永久磁石用のSmCo5金属間化合物、又はS
m2Co17系合金の製造には広くこの方法が用いられて
いる。また、この還元拡散法をSm−Fe−N系合金粉
末の製造に適用するには、希土類元素と遷移金属を原料
として還元拡散法を適用することは特開平5−2797
14号公報に開示されている。
【0004】この還元拡散法は一部の例外を除いて固相
反応であるために、原料の希土類酸化物及び遷移金属の
混合度が悪いと反応の均質性が低下し、生成物の組成が
不均一になったり、目的外の異相が混入する。一方、希
土類遷移金属系の金属間化合物、或いは合金が必要とす
る機能を発現するには、組成や結晶の均一性が重大な影
響を与えることが多い。
【0005】Sm2Fe17N3系合金粉末製造に還元拡散
反応を適用する場合、構成元素金属のSm及びFeの仕
込み割合について、SmがFeに比べ高揮発成分である
ことから、理論値よりもSmを余分に仕込む必要があっ
た。それは、Smを余分に仕込まなければ均一な目標組
成物が得られず、マクロ的には目標組成となっても、ミ
クロ的にみると、α−Feの析出がみられ、その結果、
保磁力、不可逆減磁等の磁気特性の低下を引き起こし、
特に、ニュークリエイション型の保磁力発現機構をもつ
この材料への影響は大である。SmをFeに対し過剰に
仕込めば磁気特性は改善されるが、SmはFeに比べ非
常に高価な材料であり、過剰なSmはできるだけ削減し
たい。また、一般的に、高揮発成分を過剰に仕込むと、
電気炉の至る所へ析出し、電気炉の耐久性を損なうとい
う問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本願発明は上述
した課題を解決することを目的とし、すなわち、Sm2
Fe17N3系合金粉末を還元拡散法を用いて製造する際
に、高価なSmをできるだけ少なく仕込み、組成が均質
で結晶的にも異相が少ない合金粉末を得ることを可能と
するSm−Fe−N系合金粉末の製造方法を提供するこ
とである。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者等は上述した課
題を解決するために鋭意検討した結果、還元拡散法に使
用する原料にSmとFeの複酸化物を使用することで、
Smの仕込み比率削減が可能であることを新たに見いだ
し本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明のSm−Fe−N系合金
粉末の製造方法は、原料酸化物を還元拡散する工程を有
するSm−Fe−N系合金粉末の製造方法において、該
原料酸化物はSmとFeからなる複酸化物を少なくとも
含み、該原料酸化物のr値は10.6〜12.4の範囲
であることを特徴とする。但し、ここで、r値は次式で
定義され、ASm及びAFeは、原料酸化物のSm及びFe
の原子数を示す。r=ASm/(ASm+AFe)×100
【0009】また、前記還元拡散反応は、900〜11
00℃の温度範囲で行うことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1にSm2Fe17N3系強磁性材
料の原料仕込み比率r=ASm/(ASm+AFe)×100
と、真の保磁力iHcの関係を示す。同図中の二本の曲
線a、およびbはそれぞれ、本発明品と比較品について
数多くのデータを基にプロットしたものである。ここに
いう本発明品とは、還元拡散に供する原料中にSmとF
eの複酸化物を含むものであり、その内容は実施例3に
詳しく記されている。一方比較品とは、同じく還元拡散
に供する原料中にSmとFeの複酸化物を含まないもの
であり、その内容は比較例1に詳しく記されている。な
おSm2Fe17N3系強磁性材料の真の保磁力は、その粒
子径にも強く依存するので本発明品、比較品とも平均粒
子径は3μmになるように調整してある。図1より、本
発明品、比較品ともrの値が10.5より増加するに伴
い保磁力が向上している。これはSm2Fe17N3系強磁
性材料の金属元素中のSm比率が、化学量論比で10.
53であることに対応している。(r=2/(2+1
7)×100=10.53)いずれの場合も、Smの仕
込み比率は化学量論比よりも大きくする必要がある。こ
れは主として金属Smの蒸発や酸化に起因する。
【0011】さて、図1によれば比較品ではr値が1
2.5で保磁力が極大に達するのに対し、本発明品では
11.5で極大に達し、しかもその値が約1kOe大き
い。これは、本発明では比較的高価なSmを少なくで
き、しかも高特性が得られることを示している。
【0012】本発明品は、この混合物を一旦大気中で1
100℃の温度で7時間加熱し、SmFeO3なる複酸
化物を一部含む原料混合物を調製している。この原料混
合物はSmFeO3、Sm2O3及びFe2O3からなるこ
とがX線回折の結果判明している。この原料を還元拡散
する前に、水素気流中600℃に加熱することで、Fe
2Oに含まれる酸素を除去し、その後金属カルシウムを
混合してSmFeO3及びSm2O3に含まれる酸素を除
去した。これに対し、比較例は上記方法において、Sm
2O3、Fe2O3の混合物を大気中で1100℃で加熱す
ることなしに調製した。但し、本発明品の還元拡散温度
は比較品に比べ100℃ほど低くした。それは、本発明
品は還元拡散反応の反応性が向上したことで、比較的低
温でも同等以上の磁気特性を発現しているからである。
【0013】還元拡散の原料に複酸化物を使用する本発
明の方法を適用することにより、還元拡散の反応性を向
上でき、還元拡散温度を低下することが可能となる。そ
の結果、鉄に比べて蒸気圧の高いSm仕込み比率を低減
することが可能となる。
【0014】金属Caの融点は842℃であり、また、
金属Smの融点は1074℃である。従って、還元拡散
反応は温度が1100℃以上あれば十分であるように思
えるが、実際には反応性改善のために、Smの揮発も考
慮して、1100〜1200℃の範囲で行われていた。
これに対し、複酸化物を使用する本発明の方法による
と、還元拡散の反応性が向上するため、900〜110
0℃の範囲の温度で還元拡散反応を完結することが可能
となる。
【0015】図2にr=11.4一定とした場合のSm
2Fe17N3系強磁性材料の還元拡散温度と保磁力の関係
を示した。図中の曲線a、曲線bはそれぞれ本発明品と
比較品をプロットしたものである。本発明品は反応温度
が低いところで保磁力が高く、還元拡散の温度が高くな
るとともに高くなるが、1000℃においてほぼ飽和し
ている。本発明品はピーク値において比較品より4.5
kOeも高い保磁力を示している。
【0016】本発明の製造方法について詳述する。本発
明が対象とするのはSm2Fe17N3系強磁性材料であ
り、すなわち、希土類元素のSmとFeの合金を窒化し
た特定組成の粉体である。しかし、これらの元素に対
し、不可避的な他の微量元素が混入したものについても
適用可能である。このような元素として他の希土類元
素、Ni、Cr、Mn等他の遷移金属元素、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、水素、酸素、炭素、硼素等があ
る。
【0017】本願発明はSmとFeからなる複酸化物を
少なくとも含むような原料を用いて、これを還元拡散行
うことにより酸化物を金属状態まで還元する。目的組成
としてSm2Fe17N3の強磁性材料を得る場合、Sm2
O3とFe2O3を2:17に混合した複合酸化物として
Sm4Fe34O57が必要となるが、現実にはこのような
ものは存在しない。標準状態で安定に存在し得るSmF
eO3、Sm3Fe5O12、Sm2FeO4等を複酸化物と
して使用する。
【0018】例えば、SmFeO3を複酸化物として使
用する場合、SmFeO3を4モルとFe2O3を15モ
ル混合した原料を使用することで、原料の調製をするこ
とができる。この場合、原料の調製はそれ以外に、種々
の組み合わせが可能である。SmFeO3複酸化物にF
e金属とFe2O3を混合したものも原料として使用する
ことができ、さらに、Sm2O3も原料に加えて目的組成
に調製することができる。この場合、混合方法は、粉砕
用メディアを用いた湿式混合などの精密混合を行う必要
がある。複酸化物と十分な混合がされてないと、複酸化
物の効果を発現しないからである。
【0019】原料として使用するFeの酸化物として、
例えば、FeO、Fe3O4、Fe2O3が使用することが
できる。また、加熱すると容易に酸化物を生成するよう
な化合物も使用することができる。このような化合物と
して、例えば、Feの水酸化物、炭酸塩、蓚酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、塩化物塩等がある。
【0020】また、Smの酸化物、Feの酸化物、或い
は加熱すれば容易に酸化物を生成する化合物は、いずれ
も平均粒子径10μm以下である必要がある。それは粒
子径が大きいと複酸化物を生成する反応が起こりにく
く、また、得られる合金粉末も大粒子化し磁気特性が低
下するからである。好ましくは5μm以下であり、さら
に好ましくは平均粒子径が0.2μmから2μmの範囲
にあることが望ましい。
【0021】このようにして調製された原料に占める複
酸化物の割合は、原料生粉の1wt%以上、好ましくは
5wt%以上必要である。それは1wt%以下だと本発
明の効果が期待できないからである。5wt%以上ある
とその効果は磁気特性等応用特性に歴然と現れる。
【0022】なぜこのような微量の複酸化物が原料中に
存在することで、本発明の効果が発現するのかについて
は、次のように推定している。還元拡散反応は、一般に
還元剤によって金属に還元された希土類金属と遷移金属
がそれぞれ固相のままで、互いに拡散しながら合金を形
成していく反応である。反応が固相間であるため拡散に
は時間がかかるが、長すぎると粒子成長が進み、所望の
粒子径より大きくなるため、反応時間には短時間に制限
され、その結果、拡散が十分でない部分が生じ、合金の
組成が不均一になる。これに対し、複酸化物は、還元さ
れた時点で既に互いに拡散しており、直ちに合金が形成
されうる。さらに残りの希土類金属、遷移金属も複酸化
物由来の合金への拡散になるので、単体間の拡散よりも
有利であり、結果として短時間で拡散、合金化が終了
し、径が小さくかつ組成の均一な合金粒子ができる。
【0023】本発明を実現するためのもう一つの方法と
して、Sm2O3とFe2O3を2:17の比率で混合した
ものを原料として、これを600℃以上の温度で加熱す
ると、1100℃程度までの比較的低温ではSmFeO
3が生成しやすく、それより高温になるとそれにSm3F
e5O12の複合酸化物が混入するようになり、1400
℃を超えるとSmFeO3のピークはほとんど消失し、
複酸化物として、Sm3Fe5O12が主成分となる。この
ような場合、最初に原料としてSm2Fe17になるよう
にR、Tの原料を添加混合しているために、複酸化物以
外の原料成分としてFe2O3が主として残留する。
【0024】複酸化物の定量は、複酸化物を既知量混合
して得た原料のX線回折を測定し、複酸化物に特徴のあ
るピークの高さと複酸化物の混合濃度から検量線を作成
することで行った。
【0025】このようなSmとFeの複酸化物を使用す
ることにより、還元拡散反応をより低温で促進すること
ができ、しかも、還元拡散工程の前に原料の補正をする
必要がないため、加熱により得られた原料をそのまま還
元拡散工程に供することができる。また、これら複酸化
物を得るにはSm2O3とFe2O3を上述したような高温
で加熱することが必要となるが、この二種の酸化物から
複酸化物を得る反応は、酸化雰囲気で行われ、Sm金属
が遊離することはないため、Smの揮発の問題はない。
【0026】この反応をさらに低温で行わせるには、酸
化物の混合時にフラックスを添加することで可能とな
る。フラックスとしては、B、C、N、P、S等の非金
属元素化合物が使用可能である。またアルカリ金属或い
はアルカリ土類金属のハロゲン化物も反応温度を低下す
る効果があり使用可能である。
【0027】本発明に使用する複酸化物を還元拡散工程
に供する前に、予めFeに由来する酸化物を還元してお
くことが好ましい。それは遷移金属酸化物を含んだ状態
で還元拡散を行うと、還元剤の必要量が過多となり、還
元反応時の発熱により粒子が粗大化することのみなら
ず、最悪の場合は爆発的な反応により生成物が炉内に飛
散する危険があるからである。
【0028】遷移金属に由来する酸化物の還元剤とし
て、遷移金属は還元できるが希土類元素は還元できない
還元力を有するものを使用する。このような還元剤とし
て、水素ガス、一酸化炭素、及びメタン、エタン、プロ
パン、ブタン等に代表される炭化水素がこれにあたる。
これらの還元性ガスを炉内に導入し、還元雰囲気を形成
して加熱する。この還元反応時、遷移金属酸化物粉末に
含まれる酸素はH2OあるいはCO2の形で徐々に除去さ
れる。この場合の加熱温度は200〜1000℃の範囲
である。200℃よりも低温では遷移金属酸化物の還元
は起こりにくく、1000℃より高温では還元条件が強
すぎ、生成した複酸化物は分解してまう。また、温度が
高すぎると酸化物粒子が粒子成長と偏析を起こし、所望
の粒子径から逸脱してしまうからである。従って、加熱
温度は、より好ましくは300〜900℃の範囲であ
り、400〜800℃の範囲がさらに好ましい。還元拡
散反応前の原料として複酸化物と遷移金属を混合してい
るような場合はこのような還元は必要としない。
【0029】還元拡散の工程では、複酸化物に含有され
る酸素と、残留するSm酸化物を還元することを目的と
する。Smを還元するには、−2.30よりも還元電位
の低い元素を混合して加熱することで可能となる。例え
ば、アルカリ金属としてLiは−3.04、Naは−
2.71、Kは−2.93v、Rbは2.98v、Cs
は−2.92v、アルカリ土類金属の中でもCaは−
2.87v、Srは−2.89v、Baは−2.912
v、の還元電位をもち、該金属酸化物に混合して不活性
ガス中で加熱することで、粒子中の希土類元素を金属に
還元することができる。取り扱いの安全性及びコストの
点から金属Ca(カルシウム)の使用が最も好適に使用
することができる。
【0030】前記したアルカリ金属、アルカリ土類金属
の還元剤は、粒状または粉末状の形で使用されるが、特
にコストの点から粒度4メッシュ以下の粒状金属カルシ
ウムが好適である。これらの還元剤は、反応当量の
1.1〜3.0倍量、好ましくは 1.5〜2.0 倍
量の割合で使用される。
【0031】還元拡散工程を経た後に窒化処理を行う。
得られたSm2Fe17系の合金ブロックを、水洗処理工
程に移行する前に、同じ炉内で引き続き窒素ガス、或い
は加熱により分解して窒素を供給し得る化合物ガスを導
入することで窒化することができる。還元拡散工程で得
る合金ブロックはインゴット法とは異なり、多孔質塊状
で得られるため、粉砕を行うことなく直ちに窒素雰囲気
中で熱処理を行うことができ、これにより窒化が均一に
行われる。この窒化処理は、上記還元のための加熱温度
領域から降温させて、150〜800℃の範囲で行い、
300〜600℃の範囲が好ましく、特に400〜55
0℃の温度が最適である。この温度範囲で雰囲気を窒素
雰囲気とすることにより窒化できる。窒化処理温度が
150℃未満であると、窒素の拡散が不十分となり、窒
化を均一に行うことが困難となる。さらに窒化温度が8
00℃を超えると、α−Feが析出するため、得られる
合金粉末の磁気特性が著しく低下するという不都合を生
じる。上記熱処理時間は、窒化が十分に均一に行われる
程度に設定されるが、一般にこの時間は、10分〜20
時間程度である。
【0032】窒化物も多孔質塊状の合金ブロックであ
り、これを水中に投入した際には、還元剤として使用し
た金属Ca、CaO、CaNの水和反応によって、崩壊
すなわち微粉化が進行する。そして、デカンテーション
により生成したCa(OH)2懸濁物を分離し、さらに酸
洗浄を行う。その後真空乾燥等の乾燥処理を経て、目的
のSm2Fe17N3強磁性材料を得る。また、窒化処理に
先立ち、還元拡散工程後にSm2Fe17系の合金ブロッ
クの水洗を行ってもよい。
【0033】本発明により得られたSm2Fe17N3は、
機械的衝撃力による粉砕作用を受けていないので、従来
の粉砕法により得られた同粉末に比べて特性面で優位性
を持つ。ここでいう機械的衝撃による粉砕法とは粉末冶
金工業では一般的に採用される方法であって、ジョーク
ラッシャー、スタンプミル、ロールクラッシャー、ハン
マーミル、ピンミル、ボールミル、振動ミル、アトライ
タ、サンドミル、ジェットミル、ホモジナイザ等を指す
がこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】[実施例1]この実施例では複酸化物SmF
eO3を調製し、それを原料として使用する場合につい
て示す。平均粒径が0.3μmのSm2O3と平均粒径
1.3μmのα-Fe2O3(ヘマタイト)をモル比で
1:1の比率になるように秤量し、それをイオン交換水
中で湿式ボールミル混合した。得られた混合品をアルミ
ナ坩堝に充填し大気中で1100℃の温度で3時間焼成
し、冷却後、乾式ボールミルを用いて解砕した。得られ
た粉末をCu-Kαを発生源とするX線回折測定を行っ
た結果、2θで22.8゜、31.9゜、32.7゜、
33.1゜、46.7゜、58.9゜の角度にピークを
有するSmFeO3複酸化物が得られた。この複酸化物
の平均粒径はフィッシャーサブシーブサイザーによる測
定で1.5μmであった。
【0035】得られたSmFeO3の粉末509gと平
均粒径5.3μmのカルボニル鉄754gを、窒素雰囲
気の乾式ボールミルで3時間混合し、取り出した粉末を
さらに10mm以下の粒状金属カルシウム457gと混
合した。この状態でr値は11.4となっている。得ら
れた混合物を鋼製容器に入れ、ガス雰囲気炉の中でアル
ゴンガス雰囲気下1000℃の温度で1時間加熱して還
元拡散を行った後、冷却した。引き続き同じ炉内に窒素
ガスを流しながら450℃で20時間加熱して窒化した
後冷却した。
【0036】得られた反応物をイオン交換水中に投入し
て、攪拌、デカンテーション、上澄み排水、注水、攪拌
を8回繰り返したところ、清澄な上澄み中に合金粉末だ
けが沈降した状態となり、カルシウム分は除去されてい
た。この液を濾過し、固形分を真空乾燥して得られた粉
末を窒素ガスを用いたジェットミルで粉砕して、Sm2
Fe17N3系合金の粉末が得られた。
【0037】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素とも濃度の偏りは認められなかっ
た。さらに粉末X線回折によると、非常に微弱な回折ピ
ークも含めて主相のSm2Fe17N3系合金の回折ピーク
以外のピークはなかった。
【0038】次に、得られたSm2Fe17N3系合金粉末
を最大磁場20kOeのVSM(振動試料型磁力計)で
磁気特性を測定した。このとき、合金粉末微粉をパラフ
ィンワックスと共にサンプルケースに詰め、ドライヤー
でパラフィンワックスを溶融させてから20kOeの配
向磁場でその磁化容易軸を揃え、着磁磁場40kOeで
パルス着磁した。またSm2Fe17N3金属間化合物の真
密度は7.66g/mlとし反磁場補正せずに評価し
た。試料測定の結果、残留磁化は8.2kG、保磁力は
5.2kOeであった。
【0039】[実施例2]実施例1で使用したSmFe
O3の粉末509gと平均粒径1.3μmのα-Fe2O3
を1077g秤量し、イオン交換水中で30分間湿式ボ
ールミル混合し、乾燥した。得られた混合粉末を水素ガ
スを流通させながら600℃で6時間加熱処理して還元
した。還元物はX線回折の結果、SmFeO3複酸化物
は変化はないが、α-Fe2O3として加えた酸化物の大
半はα−Feに還元され、一部α-Fe2O3が還元され
ずに残留していることが分かった。
【0040】還元粉末全量に対し、10mm以下の粒状
金属カルシウム457gと混合した。この状態でr値は
11.4となっている。得られた混合物を鋼製容器に入
れ、ガス雰囲気炉の中でアルゴンガス雰囲気下1000
℃の温度で1時間加熱して還元拡散を行った後、冷却し
た。引き続き同じ炉内に窒素ガスを流しながら450℃
で20時間加熱して窒化した後、冷却した。その後は実
施例1と同様にしてSm2Fe17N3系合金粉末を得た。
【0041】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素とも濃度の偏りは認められなかっ
た。さらに粉末X線回折によると、非常に微弱な回折ピ
ークも含めて主相のSm2Fe17N3系合金の回折ピーク
以外のピークはなかった。磁気特性は、残留磁化10.
7KG、保磁力14.9KOeであった。
【0042】[実施例3]平均粒径0.3μmのSm2
O3の粉末650gと平均粒径1.3μmのα−Fe2O
3の粉末2316gをボールミルを用いてイオン交換水
中で2時間湿式混合し乾燥した。この状態でr値は1
1.4となっている。この混合物を大気下1100℃で
7時間加熱し、冷却後再度ボールミルを用いてイオン交
換水中で8時間湿式粉砕を行ない乾燥して、複酸化物を
含んだ目標組成の平均粒径0.9μmの原料粉末を得
た。得られた粉末を、Cu−Kαを発生源とするX線回
折測定を行った結果、2θで35.6°のピークからα
−Fe2O3が、22.8゜、31.9゜、32.7゜、
33.1゜、46.7゜、58.9゜のピークから、S
mFeO3結晶が生成していることが確認された。
【0043】この粉砕物を水素ガスを流通させながら6
00℃で4時間加熱処理をし、得られた粉末のX線回折
測定を行った結果、35.6°のα−Fe2O3のピーク
は認められる程度に低下し、代わりに44.7゜にα−
Feのピークが検出された。また、SmFeO3結晶に
関するピークは変化なかった。このことから、水素中加
熱処理により得られた粉末は、SmFeO3とα−Fe
を主相とし、少量のα−Fe2O3を含んだ粉末であると
結論される。
【0044】水素還元されて得た粉末全量に10mm以
下の粒状金属カルシウム448.3gを混合して、鋼製
容器に入れ、ガス雰囲気炉の中でアルゴンガス雰囲気下
1080℃の温度で10分加熱した後、冷却した。引き
続き同じ炉内に窒素ガスを流しながら450℃で20時
間加熱した後、冷却した。得られた反応物をイオン交換
水中に投入攪拌し、デカンテーション、上澄み排水、注
水、攪拌を8回繰り返したところ、清澄な上澄み中に合
金粉末だけが沈降した状態となり、カルシウム分は除去
されていた。この液を濾過し、固形分を真空乾燥して、
Sm2Fe17N3系合金の粉末が得られた。
【0045】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素とも濃度の偏りは認められなかっ
た。さらに粉末X線回折によると、非常に微弱な回折ピ
ークも含めて主相のサマリウム−鉄−窒素系合金の回折
ピーク以外のピークはなかった。得られた合金粉末の磁
気特性は、残留磁化11.5KG、保磁力16.5KO
eであった。
【0046】[実施例4]この実施例では複酸化物Sm
3Fe5O12を調製し、それを原料として使用する場合に
ついて示す。平均粒径が0.3μmのSm2O3と平均粒
径1.3μmのα-Fe2O3(ヘマタイト)をモル比で
3:5の比率になるように秤量し、それをイオン交換水
中で湿式ボールミル混合した。得られた混合品をアルミ
ナ坩堝に充填し大気中で1450℃の温度で3時間焼成
し、冷却後湿式ボールミルを用いて粉砕した。得られた
粉末をCu-Kαを発生源とするX線回折測定を行った
結果、31.9゜、35.1゜、50.4゜、52.7
゜、54.8゜、68.5゜の角度にピークを有するS
m3Fe5O12複酸化物が得られた。この複酸化物の平均
粒径はフィッシャーサブシーブサイザーによる測定で
2.3μmであった。
【0047】得られたSm3Fe5O12の粉末860gと
α−Fe2O3の粉末1517gをボールミルを用いてイ
オン交換水中で30分湿式混合し、乾燥した。この状態
でr値は11.4となっている。この混合粉末を水素ガ
スを流通させながら600℃で6時間加熱処理して還元
した。還元物はX線回折の結果、Sm3Fe5O12複酸化
物は変化はないが、α-Fe2O3として加えた酸化物の
大半はα−Feに還元され、一部α-Fe2O3が還元さ
れずに残留していることが分かった。
【0048】得られた還元粉末全量に10mm以下の粒
状金属カルシウム896.9gを混合して、鋼製容器に
入れ、ガス雰囲気炉の中でアルゴンガス雰囲気下104
0℃の温度で30分加熱した後、冷却した。引き続き同
じ炉内に窒素ガスを流しながら450℃で20時間加熱
した後、冷却した。得られた反応物をイオン交換水中に
投入攪拌し、デカンテーション、上澄み排水、注水、攪
拌を8回繰り返したところ、清澄な上澄み中に合金粉末
だけが沈降した状態となり、カルシウム分は除去されて
いた。この液を濾過し、固形分を真空乾燥して、Sm2
Fe17N3系合金の粉末が得られた。
【0049】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素とも濃度の偏りは認められなかっ
た。さらに粉末X線回折によると、非常に微弱な回折ピ
ークも含めて主相のサマリウム−鉄−窒素系合金の回折
ピーク以外のピークはなかった。磁気特性は、残留磁化
11.2kG、保磁力15.2kOeであった。
【0050】[実施例5]この実施例では、Rの群の酸
化物とTの群の酸化物を混合し、それを還元拡散工程に
供する前に一旦加熱して、複酸化物を含む原料を得る方
法について示す。平均粒径0.3μmのSm2O3の粉末
650gと、平均粒径1.3μmのα−Fe2O3の粉末
2316gをボールミルを用いてイオン交換水中で2時
間湿式混合し乾燥した。この状態でr値は11.4とな
っている。この混合物を大気下1450℃で7時間加熱
し、冷却後再度ボールミルを用いてイオン交換水中で8
時間湿式粉砕を行ない、乾燥して複酸化物を含んだ目標
組成の平均粒径3.5μmの原料粉末を得た。得られた
粉末をCu−Kαを発生源とするX線回折測定を行った
結果、2θで33.1°のピークからα−Fe2O3が、
31.9゜、35.1゜、50.4゜、52.7゜、5
4.8゜、68.5゜のピークから、Sm3Fe5O12結
晶が生成していることが確認された。
【0051】この粉砕物を水素ガスを流通させながら6
00℃で4時間加熱処理をし、得られた粉末のX線回折
測定を行った結果、33.1°のα−Fe2O3のピーク
は認められる程度に低下し、代わりに44.7゜にα−
Feのピークが検出された。また、Sm3Fe5O12結晶
に関するピークは変化なかった。このことから、水素中
加熱処理により得られた粉末は、Sm3Fe5O12とα−
Feを主相とし、少量のα−Fe2O3を含んだ粉末であ
ると結論される。
【0052】水素還元されて得た粉末全量に10mm以
下の粒状金属カルシウム448.3gを混合して、鋼製
容器に入れ、ガス雰囲気炉の中でアルゴンガス雰囲気下
1080℃の温度で10分加熱した後、冷却した。引き
続き同じ炉内に窒素ガスを流しながら450℃で20時
間加熱した後、冷却した。得られた反応物をイオン交換
水中に投入攪拌し、デカンテーション、上澄み排水、注
水、攪拌を8回繰り返したところ、清澄な上澄み中に合
金粉末だけが沈降した状態となり、カルシウム分は除去
されていた。この液を濾過し、固形分を真空乾燥して、
Sm2Fe17N3系合金の粉末が得られた。
【0053】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素とも濃度の偏りは認められなかっ
た。さらに粉末X線回折によると、非常に微弱な回折ピ
ークも含めて主相のSm2Fe17N3系合金の回折ピーク
以外のピークはなかった。合金粉末の磁気特性は、残留
磁化10.9kG、保磁力14.2kOeであった。
【0054】[比較例1]原料として平均粒径0.3μ
mのSm2O3の粉末698gと平均粒径5.3μmのカ
ルボニル鉄1731gを、窒素雰囲気の乾式ボールミル
で3時間混合した。この状態でr値は11.4となって
いる、取り出した粉末をさらに10mm以下の粒状金属
カルシウム481.4gと混合した。得られた混合物を
鋼製容器に入れ、ガス雰囲気炉の中でアルゴンガス雰囲
気下1150℃の温度で1時間加熱して還元拡散を行っ
た後、冷却した。引き続き同じ炉内に窒素ガスを流しな
がら450℃で20時間加熱して窒化した後、冷却し
た。
【0055】得られた反応物をイオン交換水中に投入攪
拌し、デカンテーション、上澄み排水、注水、攪拌を8
回繰り返したところ、清澄な上澄み中に合金粉末だけが
沈降した状態となり、カルシウム分は除去されていた。
この液を濾過し、固形分を真空乾燥して得られた粉末を
窒素ガスを用いたジェットミルで粉砕して、Sm2Fe1
7N3系合金の粉末が得られた。
【0056】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素ともに部分により濃度の濃淡が認め
られた。さらに粉末X線回折によると、主相のSm2F
e17N3系合金の回折ピーク以外に、明確なα−Feと
微弱なSmFe7、SmFe5結晶の回折ピークがあっ
た。得られた合金粉末の磁気特性は、残留磁化7.2K
G、保磁力3.4KOeであった。
【0057】[比較例2]原料としてSm2O3の粉末6
98gとα−Fe2O3の粉末2480gをボールミルを
用いてイオン交換水中で30分湿式混合し、乾燥した。
この状態でr値は11.4となっている。この混合粉末
を水素ガスを流通させながら550℃で6時間加熱処理
して還元した。還元物はX線回折の結果、Sm2O3とα
−Feに由来するピークが主であり、α−Fe2O3も少
し残留していたが、複酸化物のピークは見あたらなかっ
た。これは加熱温度が550℃と低温であり、雰囲気が
水素気流中の還元雰囲気であったためである。
【0058】得られた還元粉末全量に10mm以下の粒
状金属カルシウム481.4gを混合して、鋼製容器に
入れ、ガス雰囲気炉の中でアルゴンガス雰囲気下115
0℃の温度で30分加熱した後、冷却した。引き続き同
じ炉内に窒素ガスを流しながら450℃で20時間加熱
した後、冷却した。得られた反応物をイオン交換水中に
投入攪拌し、デカンテーション、上澄み排水、注水、攪
拌を8回繰り返したところ、清澄な上澄み中に合金粉末
だけが沈降した状態となり、カルシウム分は除去されて
いた。この液を濾過し、固形分を真空乾燥して、Sm2
Fe17N3系合金の粉末が得られた。
【0059】得られた合金の組成分布を調べるため、E
PMAでサマリウム原子と鉄原子の濃度分布の観察を行
ったところ、両元素ともに部分により濃度の濃淡が認め
られた。さらに粉末X線回折によると、主相のSm2F
e17N3系合金の回折ピーク以外に、明確なα−Feと
微弱な同定不能の回折ピークがあった。得られた合金粉
末の磁気特性は、残留磁化9.3kG、保磁力12.5
kOeであった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従い、希
土類元素と遷移金属元素の複酸化物を少なくとも含む原
料混合物を還元拡散することで、組成的にも結晶的にも
均一な希土類遷移金属系合金粉末を得ることができ、磁
性材料の磁気特性は大幅に改善された。しかも高揮発成
分のSmの仕込み比率を削減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品と比較品の保磁力とr値の関係を示す
特性図
【図2】本発明品と比較品の保磁力と還元拡散反応温度
の関係を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K017 AA04 BA06 BB12 DA02 EH01 FB10 5E040 AA03 AA19 CA01 HB09 HB17 NN01 NN18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料酸化物を還元拡散する工程を有する
    Sm−Fe−N系合金粉末の製造方法において、該原料
    酸化物はSmとFeからなる複酸化物を少なくとも含
    み、該原料酸化物のr値は10.6〜12.4の範囲で
    あることを特徴とするSm−Fe−N系合金粉末の製造
    方法。但し、ここで、r値は次式で定義され、ASm及び
    AFeは、それぞれ原料酸化物中のSm及びFeの原子数
    である。r=ASm/(ASm+AFe)×100
  2. 【請求項2】 前記還元拡散反応は900〜1100℃
    の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1に記載のS
    m−Fe−N系合金粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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