JP3624724B2 - Sm−Fe−N系合金粉末の再生方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、Sm−Fe−N系合金粉末樹脂中に含有するボンド磁石のスクラップから、高品質の同合金粉末を再生する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類磁石は高性能磁石として知られ、その歴史は浅いにもかかわらず、その市場規模はフェライトと肩を並べるに至った。また、この希土類磁石はその磁性粉末を樹脂に含有させて成形したボンド磁石としての用途も急速に拡大し、その使用量も焼結磁石に並ぶ勢いである。
【0003】
希土類磁石の開発に当たっては、磁気特性の向上が中心課題とされ、その経済的側面は比較的おろそかにされてきたが、昨今の地球環境問題に関する取り組みに関連し次第に検討がなされるようになってきた。特に、希土類ボンド磁石製造工程中から出てくるスクラップ、あるいはモーター等に組み込まれて市場に出回った後、廃棄物として回収されるスクラップから、効率良く高品質に磁性粉末を回収する方法が必要とされている。
【0004】
特公昭61−153201号には湿水素雰囲気で希土類磁石スクラップを加熱処理する方法が開示されている。この方法は、樹脂のみ選択的に燃焼し、合金粉末を酸化しないような条件で樹脂の除去を行っている。しかし、実際にはそのような制御はそれほど簡単ではなく、特に、Sm−Fe−N系合金粉末は、結晶中にNを有し、これは不活性ガス中600℃程度の低温で加熱処理されても結晶からのNの脱離が起こり、磁気特性を低下させてしまうという問題が起こる。従って、この特公昭61−153201号の方法をSm−Fe−N系合金粉末の再生に適用することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上述したように、Sm−Fe−N系合金粉末を含んだボンド磁石のスクラップを効率よく高品質に再生する方法を提供することを目的とする。さらに、高価なSmの使用量を低減することができるSm−Fe−N系合金粉末の再生方法を提供する。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者等は上述した課題を解決するために鋭意検討した結果、ボンド磁石のスクラップを大気中で特定温度範囲で焼成して樹脂の成分を燃焼し、そのとき同時にSm及びFeを酸化し、これを新品原料に混合して還元拡散行うことで課題を解決することを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明のSm−Fe−N系合金粉末の再生方法は、Sm−Fe−N系合金粉末と樹脂からなるボンド磁石あるいはそれに使用するコンパウンド等のボンド磁石用組成物のスクラップから、Sm−Fe−N系合金粉末を再生する方法において、次の工程をその順で備えることを特徴とする。
(a)該ボンド磁石用組成物のスクラップを酸素存在下600〜1500℃の温度範囲で焼成する。
(b)得られた焼成物を平均粒径が1μm〜10μmの範囲に粉砕し、必要ならば、水素あるいは炭化水素による還元ガス雰囲気中300〜900℃の温度範囲で還元処理する。
(c)新品の合金粉末を製造するのに必要とされるSm原料成分とFe原料成分を所定比率に混合した新品原料混合物と、(b)工程で得られた処理物を混合し、この混合物中のSm酸化物を金属状態まで還元するのに必要な理論量の1.1〜2.0倍の金属Caあるいは水素化Caを混合し、900〜1200℃の温度範囲で加熱する還元拡散処理を行う。
(d)還元拡散処理により得られた生成物を、窒素、あるいは窒素を含む化合物のガス雰囲気中300〜700℃の温度範囲で加熱して窒化処理を行う。
(e)(d)工程で得られた処理物を水に入れて崩壊し、水洗、酸洗浄を行う。
但し、窒化は還元拡散処理の後に行っても構わない。
【0008】
本発明のSm−Fe−N系合金粉末の再生方法は、前記(c)工程において、還元拡散処理を行うべき前記混合物は、r値が10.6〜12.4の範囲となるように調整することが好ましい。但し、r値は次式で定義され、ASm及びAFeは、それぞれ原料酸化物中のSm及びFeの原子数である。
r=ASm/(ASm+AFe)×100
【0009】
本発明のSm−Fe−N系合金粉末の再生方法は、前記(c)工程において、前記新品原料混合物100重量部に対し、(b)工程で得られる処理物を最大で400重量部混合することが好ましい。ここで、新品原料混合物とは、新品の合金粉末を製造するのに必要とされるSmとFeを所定比率に混合した原料混合物のことである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のSm−Fe−N系合金粉末として適用可能なものとして代表的なものにSm2Fe17N3合金粉末がある。この合金粉末はニュークリエイションと呼ばれる保磁力発現機構を示し、結晶粒子の小粒子化、均一性がそのまま保磁力の大きさに結びつくという特徴をもつ。
【0011】
本発明の再生の対象となるのは、このSm−Fe−N系合金粉末をフィラーとして、樹脂バインダーにより成形したボンド磁石(コンパウンドを含む)のスクラップである。スクラップは製造工程中から出るもの、あるいは市場から回収されるものを含み、これらは物理的な変形、化学的な腐食あるいは酸化を受け正常に機能しなくなったもの全てを対象としている。
【0012】
一般にボンド磁石の成形方法は、大きく分けて、圧縮成形法、射出成形法および押出成形法が適用されている。
圧縮成形法は、前記コンパウンドをプレス金型中に充填し、これを圧縮成形して成形体を得、その後、加熱して結合樹脂である熱硬化性樹脂を硬化させて磁石を製造する方法である。磁石中の樹脂バインダ量が10vol%以下と少ない。圧縮成型法に用いる熱硬化性樹脂として代表的なものエポキシ樹脂があり、それ以外にベークライト、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が使用されている。
押出成形法は、加熱溶融されたコンパウンドを押出成形機の金型から押し出すとともに冷却固化し、所望の長さに切断して磁石とする方法である。結合樹脂の添加量は約20vol%と圧縮成形法に比べて多い。
射出成形法は、前記コンパウンドを加熱溶融し、十分な流動性を持たせた状態で該溶融物を金型内に注入し、所定の磁石形状に成形する方法である。樹脂バインダの添加量は約40vol%と、押出成形法よりさらに多い。射出、押出成形用の樹脂バインダーとしては、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル等のエンジニアリング樹脂が用いられ、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー等のスーパーエンジニアリング樹脂が使用されている。本発明は、大気中600〜1500℃の温度範囲で焼成するため、これらの樹脂を全て燃焼消失する。
【0013】
本発明において、樹脂を効率よく燃焼させるためにはボンド磁石スクラップを先ず数mm角に粗粉砕しておくことが好ましい。燃焼はあまり大きな塊があると、樹脂が完全に燃焼するのに余分な時間がかかり、時間、燃料の浪費となるからである。この粗粉砕には例えば、ジョークラッシャー、インペラーブレーカー、ハンマーミル等が使用できる。
【0014】
通常、樹脂は大気中で400℃程度の温度があれば燃焼可能であるが、本発明において、樹脂の燃焼を大気中600〜1500℃の高温で行うのは、樹脂の燃焼を目的とするに加え、FeとSmの金属の酸化と、それに引き続くSmとFeの複酸化物の生成を目的としている。従って、樹脂は必ずしも必要とせず、以下に説明する作用効果はボンド磁石に限るものではなく、Sm−Fe−N系合金粉末そのものの再生にも適用可能である。
【0015】
FeとSmの複酸化物として、SmFeO3、Sm3Fe5O12、Sm2FeO4等があり、これらは大気中で600℃以上の温度で加熱することにより生成する。特に、Sm2O3とFe2O3を混合したものを600〜1100℃程度までの比較的低温で加熱するとSmFeO3が生成しやすく、それより高温になるとそれにSm3Fe5O12の複合酸化物が混入するようになり、1400℃を超えるとSmFeO3のピークはほとんど消失し、Sm3Fe5O12が主成分となる。この複酸化物は酸素存在下でないと生成しない。従って、大気中で600℃以上の高温で焼成して生じたFeの酸化物、Smの酸化物はさらに反応して複酸化物を生成する。
【0016】
ボンド磁石を上記条件で焼成した処理物は、複酸化物と同時にFe2O3を含む混合物であり、これを平均粒径が1μm〜10μmの範囲に粉砕し、必要な場合、水素あるいは炭化水素による還元ガス雰囲気中300〜900℃の温度範囲で還元処理する。この還元により、Fe2O3に含まれる酸素を除去することができる。しかし、複酸化物の酸素は還元されないで残る。
【0017】
ここで、必要な場合とは、次工程の還元拡散において、新品原料混合物に対する(b)工程で得られる処理物(再生すべき酸化物全量(主として、複酸化物、Fe2O3))が多くなる場合である。具体的には、新品原料混合物100重量部に対する再生すべき酸化物全量が29重量部より多くなる場合で、この場合、Fe2O3の存在量が多くなり過ぎ、Caによる還元反応が爆発的に起こり、発熱により粒子が粗大化するのみならず、最悪の場合は爆発的な反応により生成物が炉内に飛散する問題がある。
【0018】
還元拡散工程の前に水素あるいは炭化水素等の還元ガスにより還元処理を行った場合、新品原料混合物100重量部に対して、(b)の工程で得られる処理物は400重量部まで混合することができる。400重量部を超えて混合を行った場合、新品種原料に比べて粒度分布の安定性や異物の混入の点で不安のあるリサイクル原料の割合が増すことで還元拡散工程時に異常粒子成長を起こし、結果として満足できる磁気特性を示さなくなる。
しかし、逆に、還元処理を施していない処理物を還元拡散工程時に29重量部程度以下新品原料混合物に混合することで、還元拡散工程の反応がFe2O3の燃焼による自己発熱により促進する。
【0019】
還元拡散工程において、Caあるいは水素化はSm2O3と複酸化物の酸素を還元するのに必要とされる理論量の1.1〜2.0倍を使用する。この範囲よりも少ないと十分な還元が行われず、逆に、この範囲より多いと過剰となり、反応に無関係な未反応のCa金属が多く残留する。その結果、後の工程における水への崩壊反応において、過剰なCaが多く残留すると大きな急速な発熱反応が起こり、磁性粉末の性能を悪化する。
【0020】
還元拡散反応はAr、He等の不活性雰囲気中で900〜1200℃の温度範囲で行う。それはこの温度範囲より低温でも還元拡散は起こるが、反応は極めて緩慢となってあまり実用的でないためであり、この温度範囲より反応温度が高くなると、還元拡散反応は急激に起こり制御が困難となるからである。
【0021】
還元拡散工程により得られた生成物をそのまま同じ反応機中に置いたまま温度を下げて、雰囲気ガスをAr、He等の不活性雰囲気から、窒素を含むガス、例えばN2あるいはNH3等に切り替え、300〜700℃の温度範囲で加熱することで還元拡散工程により得られた生成物を窒化処理することができる。窒化はこの温度範囲より低温では反応速度が遅過ぎて実用できず、この範囲より高温では窒化反応は進むが、生成する結晶がアモルファス化するため、磁気特性の良い合金粉末を得ることができない。
【0022】
窒化工程で得られたSm−Fe−Nの多孔質の合金ブロックを粉末化するために、反応生成物をイオン交換水中に投入すると合金ブロックは直ちに崩壊する。この時、反応生成物中のCaOとCaN等の未反応のCa化合物あるいは残余のCa金属が水と反応して微細なCa(OH)2 を生成し浮遊している。この浮遊物をデカンテーション等により除去し、さらに酸処理を行うと完全な除去が行える。
【0023】
ここでは、還元拡散反応の後に引き続き窒化処理する方法について説明したが、窒化反応は、還元拡散工程で得られる合金ブロックを水に投入して崩壊し、洗浄して粉末化した後に行っても良い。
【0024】
本発明のSm−Fe−N系合金粉末の再生方法において、前記(c)工程において、還元拡散処理を行うべき原料混合物は、r値が10.6〜12.4の範囲となるように調製することが好ましい。
但し、r値は次式で定義され、ASm及びAFeは、それぞれ原料酸化物中のSm及びFeの原子数である。r=ASm/(ASm+AFe)×100
【0025】
図1にSm2Fe17N3系強磁性材料の原料仕込み比率r=ASm/(ASm+AFe)×100と、真の保磁力iHcの関係を示す。同図中の二本の曲線(イ)、及び(ロ)はそれぞれ、本発明品と比較品について数多くのデータを基にプロットしたものである。ここにいう本発明品とは、還元拡散に供する原料中にボンド磁石のスクラップについて上述したような再生処理を行ったものである。
【0026】
図2にSm2Fe17N3系強磁性材料の原料仕込み比率r=ASm/(ASm+AFe)×100と、残留磁化Brの関係を示す。同図中の二本の曲線(イ)、及び(ロ)はそれぞれ、本発明品と比較品について数多くのデータを基にプロットしたものである。
【0027】
新品原料混合物に対して、水素還元処理物が100重量部含んでいるものであり、その具体的な製造方法については実施例2及び3として後述する。一方、比較品とは上述したようなボンド磁石のスクラップ処理をした水素還元物を新品原料混合物に混合しなかった場合であり、比較例1として後述する。
【0028】
尚、Sm2Fe17N3系強磁性材料の真の保磁力は、その粒子径にも強く依存するので本発明品、比較品とも平均粒子径は3μmになるように調整してある。図1及び2より、本発明品、比較品ともrの値が10.5より増加するに伴い保磁力及び残留磁化が向上している。これはSm2Fe17N3系強磁性材料の金属元素中のSm比率が、化学量論比で10.53%であることに対応している。(r=2/(2+17)×100=10.53%)いずれの場合も、Smの仕込み比率は化学量論比よりも大きくする必要がある。これは主として金属Smの蒸発や酸化に起因する。
【0029】
図1及び2より比較品ではr値が12.5で保磁力及び残留磁化が極大となるのに対し、本発明品ではいずれも11.5で極大に達し、しかも保磁力及び残留磁化とも比較品の極大より大きくなる。すなわち、本発明では比較的高価なSmを少なく仕込めると同時に高特性が得られることを示している。還元拡散の原料に複酸化物を使用する本発明の方法を適用することにより、還元拡散の反応性を向上でき、還元拡散温度を低下することが可能となる。その結果、鉄に比べて蒸気圧の高いSm仕込み比率を低減することが可能となる。
【0030】
金属Caの融点は842℃であり、また、金属Smの融点は1074℃である。従って、還元拡散反応は温度が1100℃以上あれば十分であるように思えるが、実際には反応性改善のためにSmの揮発も考慮して、従来より1100〜1200℃の範囲で行われていた。これに対し本発明において、ボンド磁石等のスクラップを大気中で600〜1500℃の温度範囲で加熱する工程を有し、この工程において複酸化物が生成する。この複酸化物を原料に混合しているために、還元拡散の反応性が向上し、その結果、900〜1200℃の温度範囲で還元拡散反応を完結する。
【0031】
本発明において、原料混合物に占める複酸化物は、全体の1wt%以上、好ましくは5wt%以上存在すると還元拡散工程において反応性が改善する。複酸化物の定量は、複酸化物を既知量混合して得た原料のX線回折を測定し、複酸化物に特徴のあるピークの高さと複酸化物の混合濃度から検量線を作成することで行った。
【0032】
なぜこのような微量の複酸化物の存在が還元拡散反応の反応性を高くするのかについては次のように推定している。還元拡散反応は、一般に還元剤によって金属に還元された希土類金属と遷移金属が、それぞれ固相のままで互いに拡散しながら合金を形成していく反応である。反応が固相間であるため拡散には時間がかかるが、長すぎると粒子成長が進み、所望の粒子径より大きくなるため、反応時間には短時間に制限され、その結果、拡散が十分でない部分が生じ、合金の組成が不均一になる。これに対し、複酸化物は、還元された時点で既に互いに拡散しており、直ちに合金が形成されうる。さらに残りの希土類金属、遷移金属も複酸化物由来の合金への拡散になるので、単体間の拡散よりも有利であり、結果として短時間で拡散、合金化が終了し、径が小さくかつ組成の均一な合金粒子が得られる。
【0033】
ここまで、新品原料混合物に混合するボンド磁石スクラップの処理について詳しく述べたが、本発明において、新品原料混合物に使用するFe、Sm原料についても次のような好ましい実施態様がある。
【0034】
新品のFe原料は、平均粒径が0.5〜2.0μmの範囲の微粒子Fe金属が好ましく使用できる。あるいはFeO、Fe3O4、Fe2O3等の微粒子のFeの酸化物を還元ガス等により還元することで、微粒子で粒度分布のシャープなFe金属粉を得ることができる。得られる合金粉末は、Fe粉末の粒子形状、大きさを引き継ぐので、粒子形状、粒度分布の良い合金粉末を得るためには、Fe原料は非常に重要である。
【0035】
さらに粒子特性の良い新品原料混合物を得るために、Sm、Feを酸に溶解し、Sm及びFeイオンと不溶性の塩を生成する物質を溶液中で反応させ諸条件を制御することで粒子特性の優れた粒子を沈殿させ、得られる沈殿物を焼成して金属酸化物とし、さらに還元することで還元拡散工程に供する優れた粒子特性の原料混合物を得る。特に、Sm2Fe17N3合金粉末は保磁力発現機構がニュークリエイション型であるため、合金粉末の粒子特性(粒子径、粒度分布)は特に重要となる。
【0036】
上述した原料混合物は、いずれも平均粒子径10μm以下である必要がある。好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは平均粒子径が0.2μmから2μmの範囲にある。
【0037】
このように、本願発明において、ボンド磁石用組成物のスクラップを大気中600〜1500℃の温度範囲で焼成することで、SmとFeの複酸化物を生成し、その結果、還元拡散反応をより低温で促進することができ、しかも、還元拡散工程の前に原料の補正をする必要がないため、加熱により得られた原料をそのまま還元拡散工程に供することができる。また、これら複酸化物を得るにはSm2O3とFe2O3を上述したような高温で加熱することが必要となるが、この二種の酸化物から複酸化物を得る反応は、酸化雰囲気で行われ、Sm金属が遊離することはないため、Smの揮発の問題はない。
【0038】
本発明により得られたSm2Fe17N3は、機械的衝撃力による粉砕作用を受けていないので、従来の粉砕法により得られた同粉末に比べて特性面で優位性を持つ。ここでいう機械的衝撃による粉砕法とは粉末冶金工業では一般的に採用される方法であって、ジョークラッシャー、スタンプミル、ロールクラッシャー、ハンマーミル、ピンミル、ボールミル、振動ミル、アトライタ、サンドミル、ジェットミル、ホモジナイザ等を指すがこれらに限定されるものではない。
【0039】
【実施例】
[実施例1]
Sm2Fe17N3系の合金粉末(フィッシャー・サブ・シーブ・サイザーによる平均粒径が2.5μm)を60wt%とナイロンが40wt%からなるボンド磁石のスクラップを、ハンマーミルを用いて3mm角まで粉砕した。次に、粉砕品をアルミナ坩堝に入れて大気中850℃で5時間焼成し、樹脂を完全に除去した。
【0040】
得られた焼成物を大気を使用したジェットミルを用いて平均粒径2.0μmまで粉砕した。粉砕品について、Cu−Kαを発生源とするX線回折測定を行った結果、2θで35.6°のピークからα−Fe2O3が、22.8゜、31.9゜、32.7゜、33.1゜、46.7゜、58.9゜のピークから、SmFeO3複酸化物が生成していることが確認された。
【0041】
粉砕物を水素雰囲気中700℃で3時間熱処理して還元したところ、2θ=35.6°のピークのα−Fe2O3は消失し、その代わりにα−Feに由来する2θ=44.7°のピークと複酸化物の混合物を得た。得られた還元物の化学分析の結果、Smは17.6重量%、Feは55.7重量%であった。
【0042】
これに対し、新品のSm2Fe17N3合金粉末を得る目的で、原料として平均粒径0.3μmのSm2O3の粉末698gと平均粒径5.3μmのカルボニル鉄1731gを、窒素雰囲気の乾式ボールミルで3時間混合した。
【0043】
新品原料1000gに対し、ボンド磁石スクラップの処理より得られた還元物200gをボールミルにより混合した。この状態でr値は11.4となっている。この混合物に、さらに径が10mm以下の粒状金属カルシウム748.9gを混合し、それを鋼製容器に入れ、ガス雰囲気炉中でアルゴンガス雰囲気下1150℃の温度で1時間加熱して還元拡散を行った後冷却した。引き続き同じ炉内に窒素ガスを流しながら450℃で20時間加熱して窒化した後冷却した。得られた反応物をイオン交換水中に投入して崩壊し、副生するCa(OH)2をデカンテーションにより除去し、酸洗浄した。次に洗浄済みスラリーを濾過し、固形分をを乾燥してSm2Fe17N3系合金粉末を得た。
【0044】
得られた合金粉末は次のような磁気特性を示した。
但し、合金粉末の平均粒径は2.8μmである。
【0045】
ここで、磁気特性は次のようにして測定した。Sm2Fe17N3系合金粉末を最大磁場20kOeのVSM(振動試料型磁力計)で磁気特性を測定する。このとき合金粉末微粉をパラフィンワックスと共にサンプルケースに詰め、ドライヤーでパラフィンワックスを溶融させてから20kOeの配向磁場でその磁化容易軸を揃え、着磁磁場40kOeでパルス着磁する。またSm2Fe17N3金属間化合物の真密度は7.66g/mlとし反磁場補正せずに評価する。
【0046】
[実施例2]
新品のSm2Fe17N3合金粉末を得るために原料として、平均粒径0.3μmのSm2O3の粉末650gと、平均粒径1.3μmのα−Fe2O3の粉末2316gをボールミルを用いてイオン交換水中で2時間湿式混合し乾燥した。この乾燥品を水素ガスを流通させながら600℃で4時間加熱処理をしてSm2O3とα−Feの混合物を得た。このようにして得られた新品原料1000gに対し、実施例1と同様にして得られるボンド磁石スクラップ還元処理品200gを混合し、それ以外は実施例1と同様にしてSm2Fe17N3系合金粉末を得た。この状態でr値は11.4となっている。
【0047】
得られた合金粉末は次のような磁気特性を示した。
但し、合金粉末の平均粒径は2.6μmである。
【0048】
[実施例3]
新品のSm2Fe17N3合金粉末を得るために原料として、平均粒径0.3μmのSm2O3の粉末650gと、平均粒径1.3μmのα−Fe2O3の粉末2316gをボールミルを用いてイオン交換水中で2時間湿式混合し乾燥し、次に大気下1100℃で7時間加熱し、冷却後再度ボールミルを用いてイオン交換水中で8時間湿式粉砕を行ない乾燥して、複酸化物を含んだ目標組成の平均粒径0.9μmの原料粉末を得た。得られた粉末を、Cu−Kαを発生源とするX線回折測定を行った結果、2θで35.6°のピークからα−Fe2O3が、22.8゜、31.9゜、32.7゜、33.1゜、46.7゜、58.9゜のピークから、SmFeO3結晶が生成していることが確認された。
【0049】
得られた酸化物原料1000gに対し、実施例1と同じボンド磁石スクラップについて、大気中850℃で5時間焼成し、振動ミルを使用して平均粒径1.9μmまで粉砕したもの200g混合した。この状態でr値は10.7となっている。
【0050】
この混合物を水素ガスを流通させながら600℃で4時間加熱処理し、得られた粉末のX線回折測定を行った結果、35.6°のα−Fe2O3のピークは消失し、代わりに44.7゜にα−Feのピークが検出された。また、SmFeO3結晶に関するピークは変化なく存在していた。その後は実施例1と同様にしてSm2Fe17N3系合金粉末を得た。
【0051】
得られた合金粉末は次のような磁気特性を示した。
但し、合金粉末の平均粒径は2.8μmである。
【0052】
[実施例4]
新品のSm2Fe17N3合金粉末を得るための原料として平均粒径0.3μmのSm2O3の粉末698gと平均粒径5.3μmのカルボニル鉄1731gを、窒素雰囲気の乾式ボールミルで3時間混合した。この混合品1000gに対し、実施例1と同じボンド磁石スクラップについて、実施例1と同様に大気中850℃で5時間焼成し、ボールミルを使用して平均粒径3.4μmまで粉砕したもの200gを混合した。この状態でr値は11.4となっている。この混合物に、さらに10mm以下の粒状金属カルシウム748.9gと混合し、それを鋼製容器に入れ、ガス雰囲気炉中でアルゴンガス雰囲気下1150℃の温度で1時間加熱して還元拡散を行った後冷却した。その後は、実施例1と同様にして次に示す磁気特性を有するSm2Fe17N3系合金粉末を得た。
【0053】
得られた合金粉末は次のような磁気特性を示した。
【0054】
[比較例1]
新品のSm2Fe17N3合金粉末を得るために原料として、平均粒径0.3μmのSm2O3の粉末650gと、平均粒径1.3μmのα−Fe2O3の粉末2688gをボールミルを用いてイオン交換水中で2時間湿式混合し乾燥した。この乾燥品を水素ガスを流通させながら600℃で4時間加熱処理をしてSm2O3とα−Feの混合物を得た。このようにして得られた新品原料に対し、ボンド磁石スクラップ処理品を一切混合せず、その後は実施例1と同様にしてSm2Fe17N3系合金粉末を得た。この状態でr値は11.4となっている。
【0055】
得られた合金粉末は次のような磁気特性を示した。
但し、合金粉末の平均粒径は2.9μmである。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に従いSm−Fe−N系合金粉末を再生処理することで、再生品でありながら高品質な磁気特性を有する合金粉末を得ることができる。しかも、ボンド磁石スクラップを大気中高温で焼成しているため、複酸化物が生成し、これを新品原料に混合しているので還元拡散反応の反応性がより高くなり、その結果、従来より低温での還元拡散反応が可能となり、Feに比較して高揮発成分でしかも高価なSmの仕込み比率を削減することができる。
【0057】
また、この再生方法は、新品のSm−Fe−N系合金粉末を得るための製造設備を使用することができるため、特別な付加的な設備を必要とせず、経済的な再生が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品と比較品の保磁力とr値の関係を示す特性図
【図2】本発明品と比較品の保磁力と還元拡散反応温度の関係を示す特性図
Claims (3)
- Sm−Fe−N系合金粉末と樹脂とからなるボンド磁石あるいはそれに使用するボンド磁石用組成物のスクラップを用いたSm−Fe−N系合金粉末の再生方法において、次の工程をその順で備えることを特徴とするSm−Fe−N系合金粉末の再生方法。
(a)前記スクラップを酸素存在下600〜1500℃の温度範囲で焼成し、前記樹脂を燃焼するとともに全体の1wt%以上を占めるFeとSmとからなる複酸化物と同時にFe 2 O 3 とを含む原料混合物を形成する。
(b)前記原料混合物を、水素あるいは炭化水素による還元性ガス雰囲気中300〜900℃の温度範囲で処理し、前記Fe 2 O 3 に含まれる酸素を除去する。
(c)新品の合金粉末を製造するのに必要とされるSm成分原料とFe成分原料を所定比率に混合した新品原料混合物100重量部に対し、(b)工程で得られた処理物を29重量部より多く400重量部まで混合し、この混合物と金属Caあるいは水素化Caを混合して還元拡散処理を行う。
(d)(c)工程によりで得られた生成物を窒化処理する。
(e)(d)工程で得られた処理物を水に入れて崩壊、水洗、酸洗浄を行う。 - Sm−Fe−N系合金粉末と樹脂とからなるボンド磁石あるいはそれに使用するボンド磁石用組成物のスクラップを用いたSm−Fe−N系合金粉末の再生方法において、次の工程をその順で備えることを特徴とするSm−Fe−N系合金粉末の再生方法。
(a)前記スクラップを酸素存在下600〜1500℃の温度範囲で焼成し、前記樹脂を燃焼するとともに全体の1wt%以上を占めるFeとSmとからなる複酸化物と同時にFe2O3とを含む原料混合物を形成する。
(c´)新品の合金粉末を製造するのに必要とされるSm成分原料とFe成分原料を所定比率に混合した新品原料混合物100重量部に対し、(a)工程で得られた処理物を29重量部以下の範囲で混合し、この混合物と金属Caあるいは水素化Caを混合して還元拡散処理を行う。
(d)(c´)工程によりで得られた生成物を窒化処理する。 - 前記還元拡散処理に用いる処理物は、r値が10.6〜12.4の範囲である請求項1または2に記載のSm−Fe−N系合金粉末の再生方法。
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