JP2007084918A - 希土類−鉄−窒素系磁石粉末およびその製造方法 - Google Patents

希土類−鉄−窒素系磁石粉末およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】均一に窒化され、非磁性相を低減させ、磁化反転の核になる結晶の歪みやα−Feの残留を低減させて、優れた磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁石粉末、およびそれを還元拡散法で安価に製造する方法を提供。
【解決手段】希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属などから選ばれる還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、不活性ガス雰囲気中900〜1180℃で加熱する工程、引き続き、得られた反応生成物を500℃以下に冷却した後、不活性ガスを排出してから、水素を吸収させ崩壊させる工程、その後、崩壊した反応生成物を300℃以下に保ちながら、アンモニアと水素とを含有する混合ガスを供給し、この気流中で昇温し、350〜500°Cで反応生成物を窒化処理する工程、次に、水中に投入して湿式処理する工程、さらに、得られた磁石粗粉末を粉砕機に入れて微粉砕する工程を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、希土類−鉄−窒素系磁石粉末およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、均一に窒化することで、磁気特性を低下させる非磁性相を低減させ、磁化反転(ニュークリエーション)の核になる結晶の歪みやα−Feの残留を低減させて、優れた磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁石粉末、およびそれを還元拡散法により低コストで製造する方法に関する。
Sm−Fe−N磁石で代表される希土類−鉄−窒素系磁石は、高性能かつ安価な磁石として知られている。このSm−Fe−N系磁石粉末は、SmFe17であればx=3の組成で構成されることによって最大の飽和磁化を示すとされている(非特許文献1参照)。
この希土類−鉄−窒素系磁石は、従来、FeとSm金属を用いて高周波炉、アーク炉などにより希土類−鉄合金を作製する溶解法や、FeあるいはFe、Sm等とCaを混合加熱処理により希土類−鉄合金を作製する還元拡散法によって得られた母合金を窒化することで得られている。この様にして得られた粉末状の希土類−鉄−窒素系磁石は、保磁力の発生機構がニュークリエーション型であることから、次の工程において平均粒径が数μmから5μm程度になるまで微粉砕処理されている。
これに対して、出発原料として用いる粉末の粒径を小さくすることにより、母合金を粉砕せずに磁石微粉末を得る方法(特許文献1、2参照)があるが、原料が高価となるため工業的にはコストの点が制約となり実用性がないとされている。
また、溶解法では原料粉末の1500℃以上での溶解、粉砕、組成均一化のための熱処理が必要であり(特許文献3参照)、工程が極めて煩雑であるとともに、各工程間において、一旦大気中に曝されるために酸化により不純物質が生成し、湿式処理後に窒化を行うが、湿式処理時に表面が酸化しているため窒化が均一に進行できなくなり、磁気特性のうち飽和磁化、保磁力、角形性が低下し、結果として最大エネルギー積が低くなってしまう。また、原料として必要とされる希土類金属が高価であるという理由から、希土類−鉄−窒素系磁石の製造方法としては、安価な希土類酸化物粉末を原料として利用できる還元拡散法に比べてコスト的に劣ると考えられている。
上記のような状況から、従来においては、平均粒径約50μmの鉄粉末、希土類酸化物、および該希土類酸化物を還元するための還元剤が少なくとも配合されている混合物を非酸化性雰囲気中で加熱焼成する還元拡散法が有利とされ、先ず、希土類−鉄系合金を含む還元生成物を得て、次に、この還元生成物を湿式処理して、該還元生成物中に生成している還元剤の酸化物を除去し、その後、得られた希土類−鉄系合金を、アンモニアと水素とを含有する混合気流中で窒化した後、粉砕、乾燥することにより所望の希土類−鉄−窒素系磁石粉末を製造している。
このように従来の還元拡散法を用いた希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法では、一般に還元拡散工程で得られた還元物を湿式処理してから、得られた希土類−鉄系合金を窒化している(特許文献4参照)。還元物中には、主相であるSmFe17相と、その周りに非磁性相であるSmFe相、SmFe相、CaOが混在しているため、上記湿式処理で、このCaOが水や酸性溶液によって除去される。また、湿式処理する前に、還元物に水素を吸収させて崩壊させている(特許文献5,6参照)。これにより、還元物の粒径が小さくなり、湿式処理をより効率的に行えるようになった。
そして、湿式処理した後の窒化工程で希土類−鉄系合金に窒素を均一に分布させるために、湿式処理後に粒度調整が行なわれている。この粒度調整では、窒化後に磁気特性の低下が見られる目開き106μmの篩上が排除される。
湿式処理後、残留する非磁性相が多いと、主相の比率が低くなり飽和磁化4πImが低下する。しかし、これら非磁性相を除去し過ぎると、湿式処理液中で主相であるSmFe17相に付着するオキシ水酸化鉄が、引き続き行われる窒化工程で還元されα−Feに変化し、ニュークリエーションサイトとなるため保磁力iHcや角形性Hkが大幅に低下してしまう。したがって、従来法では主相粒子を覆うように存在するSmFe相などが、ある程度残留するような条件を選び湿式処理されている。しかし、その後の窒化で、大部分のSmFe相が主相粒子から剥がれ落ちるが、完全ではなく、SmFe相が多すぎれば除去しきれず、最終的に得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の飽和磁化4πImを低下させていた。また、湿式処理や乾燥時に粒子表面が酸化することにより不均一窒化やα−Feの生成が起こり、磁気特性は低下する傾向があった。
上記のようにして得られた粉末状の希土類−鉄−窒素系磁石は、保磁力の発生機構がニュークリエーション型であることから、次の工程において平均粒径が数μmから5μmになるまで微粉砕処理する必要がある。したがって、磁気特性を低下させる非磁性相が低減され、さらには、磁化反転の核となる結晶の歪みが無く、α−Feが存在しない希土類−鉄−窒素系磁石粉末を確実に得ることができる方法の確立が強く望まれていた。
特開平11−189811号公報 特開平2003−29766号公報 特開平3−141608号公報 特開昭61−295308号公報 特開平9−241708号公報 特開平11−124605号公報 T.Iriyama IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS,VOL.28,NO.5(1992)
本発明は、このような状況に鑑み、均一に窒化することで、非磁性相を低減でき、磁化反転の核になる結晶の歪みやα−Feを低減し、優れた磁気特性を有する希土類−鉄−窒素系磁石粉末、それを還元拡散法により低コストで得ることができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる従来の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、希土類−鉄−窒素系磁石粉末を高性能化するためには、還元拡散処理して得られる粒子の表面が酸化被膜で覆われず窒化時の妨げとならないような状態で均一に窒化し、その後、湿式処理(酸洗)を強化して非磁性相を無くし、粉砕による加工度を少なくすべきことを究明し、還元温度を従来よりも低い領域に設定して還元拡散処理を行うとともに、これに水素を吸収させて崩壊させ、一旦特定温度以下に冷却してから、窒化処理時の雰囲気及び温度を制御し、均一に窒化した後、湿式処理粉砕することにより非磁性相を低減でき、高い飽和磁化が得られ、磁化反転の核になる結晶の歪み、α−Feを低減でき高保磁力を有し減磁曲線の角形性が良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、得られた混合物を不活性ガス雰囲気中900〜1180℃で加熱する工程、引き続き、得られた反応生成物を不活性ガス雰囲気中で500℃以下に冷却した後、不活性ガスの少なくとも一部を排出してから、水素を含むガスを供給し、冷却された反応生成物に水素を吸収させ崩壊させる工程、その後、崩壊した反応生成物を300℃以下の温度に保ちながら、アンモニアと水素とを含有する混合ガスを供給し、この気流中で昇温し、350〜500°Cで反応生成物を窒化処理する工程、次に、得られた窒化処理生成物を水中に投入して湿式処理する工程、さらに、得られた磁石粗粉末を粉砕機に入れて微粉砕する工程を含むことを特徴とする均一に窒化された希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、反応生成物の冷却温度が、250℃以下であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、水素を吸収して崩壊した反応生成物の粒径が、10mm以下であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、希土類酸化物粉末の混合量が、RFe17の化学量論組成の1.1〜1.4倍であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、第5の発明によれば、第1の発明において、磁石粗粉末は、1次粒子が集まって、ぶどう状に焼結した2次粒子を形成していることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第3の発明において、1次粒子は、粒径20μm以上の累積個数百分率が10%未満であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、混合ガス中のアンモニア分圧が0.2〜0.6気圧であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
一方、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明の方法で得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、下記一般式(1)で示されるα−Fe比率が、5%以下であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末が提供される。
α−Fe比率=X線回折におけるα−Fe(110)ピーク強度/希土類−Fe−窒素(300)ピーク強度…(1)
また、本発明の第10の発明によれば、第8の発明において、磁石粉末がSm−Fe−Nであることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、Sm量が、磁石粉末全体に対して23.2〜23.6重量%であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末が提供される。
さらに、本発明の第12の発明によれば、第8の発明において、下記一般式(2)で示される積分幅が0.2deg.以下であることを特徴とする希土類―鉄―窒素系磁石粉末が提供される。
積分幅=X線回折におけるSmFe17(113)回折ピークの面積/ピーク強度高さ…(2)
本発明によれば、原料混合物に対して還元拡散処理を行い、その後引き続き窒化処理を行ってから湿式処理を行うに当たり、還元拡散処理を終了してから還元物に水素を吸収させて崩壊させるので、活性な合金粉粒子表面が出ることによって均一に窒化ができ、収率も向上させることができる。その後、崩壊した還元物に対して窒化処理を行うまでの雰囲気及び温度を制御することにより、粒子表面が酸化されるのを抑制し、窒化効率を低下させないよう良好な状態を維持して窒化処理することができるから、高性能な希土類−鉄−窒素系磁石粉末を製造できる。
さらに、従来法よりも還元拡散温度を下げて、900〜1180℃とすることで1次粒子の小さい希土類−鉄−窒素系磁石粉末を作製し、その結果、粉砕負荷を軽減して粉砕時に与える応力が小さくてすみ、磁石粉結晶の歪みを小さくすることができる。また、湿式処理後に窒化するのではなく、窒化処理後に湿式処理することで、非磁性相が低減でき、湿式処理時にオキシ水酸化鉄が主相の周りに付着して窒化時に該オキシ水酸化鉄がα−Feとなって析出することはないので、飽和磁化、保磁力が高まり減磁曲線の角形性が良好なα−Fe比率が小さい希土類−鉄−窒素系磁石粉末を得ることができ、製造コストも安価であることから、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の均一に窒化された希土類−鉄−窒素系磁石粉末とその製造方法について、図面を用いて詳しく説明する。
本発明は、希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、得られた混合物を不活性ガス雰囲気中900〜1180℃で加熱する工程、引き続き、得られた反応生成物を不活性ガス雰囲気中で500℃以下に冷却した後、不活性ガスの少なくとも一部を排出してから、水素を含むガスを供給し、冷却された反応生成物に水素を吸収させ崩壊させる工程、その後、崩壊した反応生成物を300℃以下の温度に保ちながら、アンモニアと水素とを含有する混合ガスを供給し、この気流中で昇温し、350〜500°Cで反応生成物を窒化処理する工程、次に、得られた窒化処理生成物を水中に投入して湿式処理する工程、さらに、得られた磁石粗粉末を粉砕機に入れて微粉砕する工程を含んでいる。
1.希土類−鉄母合金の製造方法
(1)原料粉末の混合
まず、磁石原料粉末として希土類酸化物粉末、鉄粉末を用意し、これを混合する。
希土類酸化物粉末としては、特に制限されないが、Sm、Gd、Tb、およびCeから選ばれる少なくとも1種の元素、あるいは、さらにPr、Nd、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbから選ばれる少なくとも1種の元素が含まれるものが好ましい。中でもSmが含まれるものは、本発明の効果を顕著に発揮させることが可能となるので特に好ましい。Smが含まれる場合、高い保磁力を得るためにはSmを希土類全体の60重量%以上、好ましくは90重量%以上にすることが高い保磁力を得るために好ましい。
鉄粉末としては、例えば還元鉄粉、ガスアトマイズ粉、水アトマイズ粉、電解鉄粉などが使用でき、必要に応じて最適な粒度になるように分級する。
ここで鉄粉末の30重量%までを鉄酸化物粉末として投入し、還元拡散反応の発熱量を調整することもできる。また、Feの20重量%以下をCoで置換した組成の希土類−鉄−コバルト−窒素系磁石粉末を製造する場合には、Co源としてコバルト粉末および/またはコバルト酸化物粉末および/または鉄−コバルト合金粉末を用いる。コバルト酸化物としては、たとえば酸化第一コバルトや四三酸化コバルト、これらの混合物で、上記粒度を持つものが使用できる。
ここで、各磁石原料粉末は、粒径が10〜70μmの粉末が全体の80%以上を占める鉄粉末、粒径が10μm以下の粉末が全体の80%以上を占める希土類酸化物粉末、コバルトを添加する場合は、コバルト粉末および/またはコバルト酸化物粉末とすることが好ましい。
鉄粉末は、粒径70μmを超えるものが多くなると、希土類−鉄母合金粉末中に希土類元素が拡散していない鉄部が多くなるとともに母合金粉末の粒径も大きくなり、窒素分布が不均一になって、得られた希土類−鉄−窒素系磁石粉末の角形性が低下しやすい。
これに対し、希土類酸化物粉末、コバルト酸化物粉末は、これらの中でもっとも多い希土類酸化物粉末でも組成が30重量%未満であることから、還元拡散反応時に、反応容器内部で上記鉄粉末の周りに均一に分布存在していることが望ましい。したがって、粒径が0.1〜10μmの粉末が全体の80%以上を占めるものであることが好ましい。
粒径が0.1μm未満の粉末が多くなると、製造中に粉末が舞い上がり取り扱いにくくなる。また、10μmを超えるものが多くなると、還元拡散法で得られた希土類−鉄−母合金粉末中の希土類元素が拡散していない鉄部が多くなる。
ここで、鉄(−コバルト)−合金粉末については、粒径が10〜80μmの粉末が全体の80%以上を占めること、希土類酸化物粉末については、粒径が0.1〜10μmの粉末が全体の80%以上を占めるものが好ましい。粒径80μmを超える粒子が多くなると、希土類−鉄母合金中に希土類元素が拡散していない鉄部が多くなるとともに、母合金粉末の粒径も大きくなり窒素分布が不均一になって、得られた希土類−鉄−窒素系磁石粉末の角形性が低下しやすい。
(2)還元拡散
次に、上記の原料粉末を混合して、不活性ガス雰囲気中、所定の温度で熱処理し、還元拡散法でThZn17型結晶構造を有する希土類−鉄系母合金を製造する。
還元拡散法は、前記したように、希土類酸化物粉末と、他の金属の粉末と、Caなどの還元剤との混合物を、不活性ガス雰囲気中、例えば900〜1300℃で加熱した後、反応生成物を湿式処理して副生したCaOおよび残留Caなどの還元剤成分を除去することによって、直接合金粉末を得る方法である。
本発明では、鉄、必要に応じてコバルトからなる磁石原料粉末と還元剤とを反応容器に投入し、加熱処理することによって、希土類酸化物と他の酸化物原料とを還元するとともに、還元された希土類元素等の金属元素を鉄粉末に拡散させてThZn17型結晶構造を有する希土類−鉄母合金を生成させる。
希土類酸化物粉末は、RFe17の化学量論組成の1.1〜1.4倍の範囲で投入することが好ましい。1.1倍未満では鉄粉末に対して希土類元素の拡散が不均一になる。また、均一窒化するために窒化前に還元物を水素崩壊させる必要があるがSmリッチ相が少なくなると粒子が焼結しやすくなり還元物の水素崩壊性が悪くなり、得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の保磁力や角形性が低下するので好ましくない。1.4倍を超えると、主相以外の主相以外の磁化を低下させるSmリッチ相が多くなり、Smリッチ相の除去が必要となり、収率低下や除去にかかるコストが高くなる。
ここで各原料粉末は、それぞれの粉体特性差によって分離しないように均一に混合することが重要である。混合方法としては、たとえばリボンブレンダー、タンブラー、S字ブレンダー、V字ブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ハイスピードミキサー、ボールミル、振動ミル、アトライター、ジェットミルなどが使用できる。
還元剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの水素化物などが使用でき、取り扱いの安全性とコストの点で、目開き4.00mm以下に篩い分級した粒状金属カルシウムが好ましい。還元剤は上記原料粉末と混合するか、カルシウム蒸気が原料粉末と接触しうるよう分離しておくが、混合して還元拡散させれば、反応生成物が多孔質となり、引き続き行われる窒化処理を効率的に行うことができる。
原料粉末や還元剤とともに、後の湿式処理工程において反応生成物の崩壊を促進させる添加剤を混合することも効果的である。崩壊促進剤としては、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩や酸化カルシウムなどを用いることができ、原料粉末などと同時に均一に混合する。ここで、不活性ガスは、アルゴンガス、ヘリウムガスから選ばれた1種以上が用いられる。
本発明においては、熱処理温度を900〜1180°Cの範囲とすることが必要である。900°C未満では、鉄粉末に対して希土類元素の拡散が不均一となり、得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の保磁力や角形性が低下する。また、熱処理温度が900℃未満であると拡散に時間がかかるので望ましくない。一方、1180°Cを超えると、生成する希土類−鉄母合金が粒成長を起こすため、均一に窒化することが困難になり磁石粉末の飽和磁化と角形性が低下する場合がある。
ここで、熱処理温度と粒度分布(累積個数百分率)の関係を図1に、SEM像を図2の写真で示す。図1から熱処理温度が高くなるにつれて、得られる窒化処理生成物の粒径が大きくなっていくことがわかる。また、写真から、熱処理温度が高い場合(1190℃)では、希土類−鉄−窒素合金粒子の表面が平滑であるのに対し、熱処理温度が低くなるにつれて一次粒子が小さくなり、熱処理温度が1050℃の場合、ぶどう状に焼結した二次粒子を形成していることがわかる。
すなわち、本発明においては、窒化処理生成物中の希土類−鉄−窒素系粉末(磁石粗粉末)は、小さな粒径のものを含む多数の1次粒子が集まって、ぶどう状に焼結し2次粒子を形成している。この場合、1次粒子は、粒径が20μm以上のものの占める比率が少なく、その累積個数百分率が10%未満であることが望ましい。このような粉末は、粉砕が容易であるというだけでなく、優れた磁気特性を有するものとなる。
熱処理温度を好ましくは930〜1080℃として、1次粒子径が小さい希土類−鉄母合金粒子が含まれる反応生成物とすることにより、窒化時、窒素が希土類−鉄母合金粒界から拡散しやすくなるとともにて窒化距離を短くなするのは、このためである。また、粉砕時には、焼結している粒子間の粒界の強度が低いので、加工度が小さくてすむことから、結晶歪みを小さくすることができる。さらに、熱処理温度が低い方がSmの蒸発が少なく投入量も低減できるので好ましい。
ここで、還元拡散反応で得られる生成物は、例えば、還元剤として金属カルシウムを用いた場合には、ThZn17型結晶構造を有する希土類−鉄母合金と酸化カルシウム、未反応の余剰の金属カルシウムなどからなる塊状の混合物である。さらに粒状金属カルシウムを原料粉末に混合して還元拡散反応させた場合には、多孔質の塊状混合物となっている。
これに対して、前記特許文献3で採用されている溶解法は、希土類原料として希土類金属が用いられ、これは還元拡散法で用いられる希土類酸化物原料に比べて高価である。特に、希土類元素が、優れた磁気特性をもたらすSmの場合は、その差が顕著である。また上記粒度調整で発生する不要な粉末は、製品収率を低下させ、粉末コストをさらに引き上げてしまう。また溶解法では、得られた合金中のα−Fe相などをなくすための均質化熱処理工程が必要になり、さらに窒素を導入する前に均質化熱処理した合金を粗粉砕する工程と、粗粉砕粉末を粒度調整する工程が必要になるので好ましくない。
本発明では、次に、還元拡散反応後の反応生成物に対して、雰囲気ガスを不活性ガスとしたまま変えずに、熱処理温度から、500°C以下、好ましくは250°C以下に冷却する。ここで、不活性ガスは、前記のとおりアルゴンガス、ヘリウムガスから選ばれた1種以上になっている。このとき、冷却後の温度が500°Cを越えていると、水素を含むガスを供給する際に爆発などの危険性が高まるので好ましくない。
還元剤として、例えば、カルシウムを用いて還元拡散反応を行うと、得られた反応生成物は、希土類−鉄(−コバルト)母合金粉末、酸化カルシウム、未反応の余剰の金属カルシウムなどからなる塊状の混合物凝集体となる。
希土類−鉄−窒素系磁石、例えば、Sm−Fe−N系磁石粉末は、SmFe17でx=3で構成されることによって最大の飽和磁化を示すとされている。すなわち、窒素量が少なすぎても多すぎても磁気特性が低下することが知られている。このような事情から、後工程で、Sm−Fe中に窒素を拡散させる際には、上記組成になるよう均一に窒化を行わなければならない。
還元拡散処理で得られる上記反応生成物の凝集体外径が10mmを越える塊の場合、窒化後の窒素量は低くなる傾向にある。その理由は、還元拡散処理で反応に寄与せず余った金属Caが、生成したSm−Fe合金中には固溶せず該Sm−Fe合金粉末の粒界に存在するため、窒化処理時に該Sm−Fe合金内への窒素の拡散を妨害するからであると思われる。したがって、均一に窒化を行うためには、生成したSm−Fe合金表面に偏りなく窒素が到達できることが望ましく、窒化処理前に反応生成物の凝集体の平均外径は10mm以下となっていることが好ましい。
(3)水素処理
本発明では、上記反応生成物に対して水素処理を行うことを特徴としている。冷却は、少なくとも水素を含有する雰囲気の温度が500°C以下となるようにする。500℃を越えると、消費エネルギーが大きくなり、しかも、目的の希土類−鉄母合金が分解をしたり、副反応生成物が生じたりすることがあるからである。反応生成物に水素を吸蔵させることは室温でも十分行うことができる。反応生成物が水素を吸蔵すると自己発熱を起し材料温度が上昇するため、500℃を越えないように留意する。
水素処理では、還元拡散処理を行った後、冷却した反応生成物を炉内に入れたまま、還元拡散処理で用いた不活性ガスを水素雰囲気ガスに置換し、この水素を含む雰囲気ガスで加圧するか、あるいは流しながら一定時間吸蔵処理することにより行なう。このとき次工程の窒化処理に悪影響を与えない範囲で加熱してもかまわない。
水素ガスの置換は、炉内にある不活性ガスを脱気し真空に引いてから水素ガスを導入した方が短時間で水素ガスに完全に置換ができるので好ましい。このときの真空度は、大気圧に対して−30kPa以下が好ましく、−100kPa以下がさらに好ましい。アルゴンガスは、水素ガスよりも比重が大きいため反応生成物の底部まで完全に水素ガスで置換しきれないと、水素処理が効果的に行えず水素処理後も大きな塊のまま存在することがあるから、注意を要する。次に、水素を含む雰囲気ガスで置換後、水素の吸蔵を促進するために炉内の圧力を大気圧に対して+5kPa以上に加圧しておくことが好ましい。加圧は大気圧に対して+10〜50kPaがより好ましい。加圧した状態で放置し、反応生成物が水素を吸蔵していくと、初期加圧圧力から徐々に低下していくことで水素吸蔵が進行していくことが確認できる。
反応生成物では、主相であるSmFe17相の周りにSmリッチ相で覆われている状態が通常である。上記水素処理を行うことにより、水素がSmリッチ相等の結晶格子内に入ることで、Smリッチ相は主相よりも膨張率が大きいために、Smリッチ相と主相の粒界から割れて崩壊する。また、強固に凝集している反応生成物の周りにある未反応還元剤や酸化カルシウム等が水素と反応して、凝集がほぐれて崩壊していく。
取り出した崩壊物の粒径が10mm以下、好ましくは1mm以下になるように反応温度と時間を設定することが好ましい。崩壊物の粒径が10mmを越える状態では、窒化処理工程で均一な窒化が困難になり磁気特性の角形が低下してしまい、水素処理の効果がない。
前記特許文献5(特開平9−241708号公報)や特許文献6(特開平11−124605号公報)に示されるように、従来の還元拡散法で処理する場合、反応生成物を冷却後に反応容器から取り出し、大気中に晒すことによって自然崩壊していく。
ところが、本発明により水素処理を行い水素吸蔵させた反応生成物は、該水素処理後、容器から取り出した時点で既に崩壊しており、引き続き行われる窒化工程での崩壊性も向上している。そのため生成した主相であるSmFe17相磁性粉末の凝集が小さく崩壊して、該磁性粉末の表面が活性となっており、その後の窒化処理において該磁性粉末合金内の窒素の分布が均一になり、結果として、微粉砕して得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の減磁曲線の角形性が良好なものとなる。また、本発明のように水素処理で崩壊した後窒化処理して得られる希土類−鉄−窒素系粗磁石粉末は、窒素の分布が均一となるので、磁気特性を低下させる希土類−鉄−窒素系磁石粉末が少なくなるので収率が高くなる。
(4)崩壊物の冷却
水素処理後、崩壊物の温度が300°Cを越えていると、窒化の際に反応生成物との窒化反応が急激に進んでしまい、α−Fe相を増加させてしまうことがあるので、300°Cよりも低い温度まで冷却するのが望ましい。これは、300°Cを越える温度では、反応生成物が活性であるために合金が急激に窒化されて、ThZn17型結晶構造を有する金属間化合物がFeリッチ相とSmNとに分解するものと推測されるからである。ただし、20℃よりも低い温度に冷却しても磁気特性の改善は期待できない。
これまで、数多くの還元拡散法が提案されているが、還元拡散反応後の反応生成物を窒化する前に水素を吸収させて崩壊させ、その後、窒化することは殆ど行われていない。これは、水素を供給する前に一旦冷却することになり、熱エネルギーのロスにつながるためである。
また、窒化に先立ち、殆どのケースで還元物を冷却する工程を採り入れているものの、冷却後の温度は窒化温度範囲内に収められていた。すなわち、窒化の下限温度である300℃よりも低い温度まで冷却されることはなかった。その主な理由は、温度を下げれば下げるほど、次の窒化工程で昇温するのに大きな熱エネルギーが必要となるからである。そのため、雰囲気ガスを不活性ガスとしたまま変えずに、引き続き、反応生成物を300°C以下に冷却することで、母合金がどのようなメカニズムで窒化されるかについては、全く検討されていなかった。
冷却後に、多孔質の崩壊された反応生成物を湿式処理しないで、雰囲気ガスを窒化ガスに変えて、次の窒化工程に移る。
このとき反応生成物が大気中に曝されると、反応生成物中の活性な希土類−鉄母合金粉末が酸化されて反応性が失活し、結果として窒化の度合いをばらつかせるので、大気(酸素)に曝されることのないように窒化工程に持ち込むことが必要である。
2.希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法
(1)窒化処理
窒化工程では、雰囲気ガスの不活性ガスを排出してから、300℃以下の温度に保ちながら、少なくともアンモニアと水素とを含有する混合ガスを供給して昇温し、反応生成物を特定温度に加熱する。
従来の方法では、磁石原料粉末を還元拡散して冷却後反応生成物を取り出し、湿式処理して得た希土類−鉄母合金を窒化し、微粉砕する方法で希土類−鉄−窒素系磁石粉末を作製している。ところが、こうして得られた希土類−鉄−窒素系磁石粉末を分析すると、Sm量が高く非磁性相が多くなっている。また、粉砕粉末のX線回折でも磁化反転の核になる結晶歪み、α−Fe比率も粉砕前の希土類−鉄−窒素系磁石粉末に比べて大きく、湿式処理した希土類−鉄母合金には数mm程度の大きな塊が約60重量%も含まれることになる。この塊を含む希土類−鉄母合金を窒化して得た希土類−鉄−窒素系磁石粉末を、目開き106μmで篩分けた篩上の粉末を微粉砕して、磁気特性を測定すると減磁曲線の角形性(H)が低くなり、好ましい磁石粉末が得られない。
これに対し、本発明においては、上記のように、母合金に水素を吸収させ崩壊させた後、雰囲気ガスを変えて、アンモニアと水素とを含有する混合気流中で昇温し、350〜500°Cで反応生成物の窒化処理を行い、次に、得られた窒化処理生成物を水中に投入して湿式処理することを特徴としている。
窒化ガスとしては、少なくともアンモニアと水素とを含有していることが必要であり、反応をコントロールするためにアルゴン、窒素、ヘリウムなどを混合することができる。窒化ガスの量は、磁石粉末中の窒素量が3.3〜3.7重量%となるに十分な量であることが好ましい。
全気流圧力に対するアンモニアの比(アンモニア分圧)は、0.2〜0.6、好ましくは0.3〜0.5となるようにする。アンモニア分圧が0.2未満であると、長時間かけても母合金の窒化が進まず、窒素量を3.3〜3.7重量%とすることができず、磁石粉末の飽和磁化と保磁力が低下する。
アンモニアと水素とを含有する混合気流を窒化温度である350〜500°C、好ましくは400〜480°Cで供給して、母合金を窒化熱処理することが必要である。温度が350°C未満であると、反応生成物中の希土類−鉄母合金に3.3〜3.7重量%の窒素を導入するのに長時間を要するので工業的優位性がなくなる。一方、500°Cを超えると、主相であるSmFe17相が分解してα−Feが生成するので、最終的に得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の減磁曲線の角形性が低下するので好ましくない。なお、冷却温度から窒化温度までは、毎分時3〜10℃の速度で比較的急速に昇温することが生産効率を高める上で望ましい。また、冷却温度での保持時間は、特に制限されない。
窒化処理の保持時間は、窒化温度にもよるが、100〜300分、好ましくは、140〜250分とする。100分未満では、窒化が不十分になり、一方、300分を超えると窒化が進みすぎるので好ましくない。
本発明においては、窒化処理に引き続いて、さらに水素ガス、または窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス中で合金粉末を熱処理することが望ましい。特に好ましいのは、水素ガスで熱処理した後に窒素ガスおよび/またはアルゴンガスで熱処理をすることである。
これにより、磁石粉末を構成する個々の結晶セル内の窒素分布をさらに均一化することができ、角形性を向上させることができる。熱処理の保持時間は、30〜200分、好ましくは60〜250分が良い。
(2)湿式処理
本発明では、窒化後の処理生成物を湿式処理して、そこに含まれている還元剤成分の副生成物(酸化カルシウムや窒化カルシウムなど)を希土類−鉄−窒素系磁石粉末から分離除去する。
窒化終了後の磁石粉末に対して湿式処理を行うのは、前述したとおり、窒化する前に、反応生成物を湿式処理すると、この湿式処理過程で母合金表面が酸化されて窒化の度合いをばらつかせるからである。
また、窒化後に処理生成物を長期間大気中に放置すると、カルシウムなどの還元剤成分の酸化物が生成し除去しにくくなったり、磁石粉末の表面の酸化によって、窒化が不均一になり主相の比率の低下とニュークリエーションの核の生成によって角形性が低下したりする。したがって、大気中に放置された窒化処理生成物は、反応器から取り出してから2週間以内に湿式処理するのがよい。
湿式処理は、まず崩壊した生成物を水中に投入し、デカンテーション−注水−デカンテーションを繰り返し行い、生成したCa(OH)の多くを除去する。さらに必要に応じて、残留するCa(OH)を除去するために、酢酸および/または塩酸を用いて酸洗浄する。このときの水溶液の水素イオン濃度はpH4〜7の範囲で実施するとよい。還元拡散時に過剰に投入したSmの影響で主相の周りに磁気特性の飽和磁化を低下させる非磁性相が存在している場合があり、Sm量が23.2〜23.6重量%になるように酸洗を行うことが好ましい。上記酸洗浄処理の終了後には、例えば水洗し、アルコールあるいはアセトン等の有機溶媒で脱水し、不活性ガス雰囲気中または真空中で乾燥することで希土類−鉄−窒素系磁石粗粉末を得ることができる。
(3)微粉砕、乾燥
得られた希土類−鉄−窒素系磁石粗粉末は、その粒子表面が平滑ではなく、全体的に粒径の異なる多数の粒子が集合した形状をしている。
より具体的には、比較的粒径が大きい1次粒子の周囲に、それよりも粒径が小さい多数の粒子が集って、ぶどう状に焼結し2次粒子を形成している。1次粒子は、粒径20μm以上のものが占める比率が小さく、累積個数百分率が10%未満である。このような磁石粗粉末を溶媒とともにビーズミル、媒体撹拌ミル等の粉砕機に入れ、希土類−鉄−窒素系磁石粉末が平均粒径1〜5μmとなるように微粉砕し、その後ろ過、乾燥する。
本発明で希土類−鉄−窒素系磁石粉末を微粉砕するには、固体を取り扱う各種の化学工業において広く使用され、種々の材料を所望の程度に粉砕するための粉砕装置であれば、特に限定されるわけではない。その中でも、粉末の組成や粒子径を均一にしやすい点で優れた、媒体撹拌ミルまたはビーズミルによる湿式粉砕方式によることが好適である。
粉砕に用いる溶媒としては、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、メタノール、ヘキサン等が使用できるが、特にイソプロピルアルコールが好ましい。粉砕後所定の目開きのフィルターを用いて、ろ過、乾燥して希土類−鉄−窒素系磁石微粉末を得る。
3.希土類−鉄−窒素系磁石粉末
本発明では、上記の方法で得られ、磁石粉末がSm−Fe−Nであるものが好ましい。特に、Sm量が磁石粉末全体に対して23.2〜23.6重量%のものが一層好ましい。
本発明の希土類−鉄−窒素系磁石粉末は、下記一般式(1)で示されるα−Fe比率が5%以下であることを特徴とする。
α−Fe比率=X線回折におけるα−Fe(110)ピーク強度/希土類−Fe−窒素(300)ピーク強度…(1)
α−Fe比率は、広域測定結果のバックグランドを除去したあとに、α−Fe(JCPDS No.6−696)の(110)面とSmFe17の(300)面の位置に相当するピーク強度IFe、ISFNを用いて後述する式で算出される。本来のX線回折定量分析においては、化合物間のピーク強度比を補正する必要があるが、本発明に係る希土類−鉄−窒素系磁石であれば、そのような補正を省略しても差し支えない。また、α−Fe、SmFe17(SmFe17:主相)以外には化合物が存在しないと仮定している。
希土類−鉄−窒素系磁石粉主相表面に析出しているα−Feの比率が5%よりも大きくなると、希土類−鉄−窒素系磁石粉主相のニュークリエーションサイトとなるため保磁力iHcや角形性Hkが大幅に低下してしまう。
本発明の希土類−鉄−窒素系磁石粉末は、還元拡散温度を下げることで1次粒子の小さい希土類−鉄−窒素系磁石粉末として得られたものである。そのため、粉砕時の応力が小さくてすむために結晶の歪みが小さい。このことは、得られた希土類−鉄−窒素系磁石粉末のX線回折の測定で確認される。本発明では、下記一般式(2)で示される積分幅が0.2deg.以下であることを特徴とする。
積分幅=X線回折におけるSm2Fe17N3(113)回折ピークの面積/ピーク強度高さ…(2)
さらに、本発明の希土類−鉄−窒素系磁石粉末は、還元拡散処理を終了してから窒化処理の間の雰囲気及び温度を制御することにより、粒子表面が酸化等で窒化時の妨げとならないよう良好な状態を維持して均一に窒化処理される。そして、湿式処理後に窒化するのではなく、窒化してから湿式処理するため、非磁性相が低減している。また、湿式処理時にオキシ水酸化鉄が主相の周りに付着し、窒化時にα−Feとなって析出して磁気特性を低下させることがないため、希土類−鉄−窒素系磁石粉末のα−Feが低減し、その比率は5%以下である。この結果、飽和磁化、保磁力が高まり減磁曲線の角形性が良好である希土類−鉄−窒素系磁石粉末となる。
すなわち、この希土類−鉄−窒素系磁石粉末の磁気特性は、飽和磁化が1.4T(14kG)、保磁力が800kA/m(10kOe)、角形性:Hkが400kA/m(5kOe)以上という優れた性能を有している。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。得られた窒化粉末は次の方法で測定した。
(1)磁気特性
合金粉末の磁気特性は、日本ボンド磁石工業協会、ボンド磁石試験方法ガイドブック、BM−2002、BM−2005に準じて、1600A/mの配向磁界をかけてステアリン酸中で希土類−鉄−窒素系磁石粉末を配向させ試料を作製し、4000kA/mの磁界で着磁して測定した。磁石合金粉末の比重を7.67g/cmとし、反磁場補正をせずに最大磁界1200kA/mの振動試料型磁力計を用いて、飽和磁化:4πIm(T)、保磁力:iHc(kA/m)、角形性:Hk(kA/m)を測定した。
なお、上記希土類−鉄−窒素系磁石では、飽和磁化1.4T(14kG)、保磁力800kA/m(10kOe)、角形性:Hk400kA/m(5kOe)以上であれば十分な性能を有するものといえる。Hkは、減磁曲線の角形性を表し、第二象限において、磁化4πIが残留磁化4πIrの90%の値を取るときの減磁界の大きさである。
(2)結晶歪み
粉末X線回折装置(Cu−Kα、理学電機株式会社製 Rotaflex RAD−rVB、マックサイエンス株式会社製 SUN SP/IPX)を用いて、SmFe17(113)回折ピークの積分幅を求めた。前記積分幅は、SmFe17(113)回折ピークの面積をピーク強度高さで割った値として、算出した。結晶歪みは2θ(deg.)で表されるから、deg.が大きい程歪みは大きくなり、粉砕後の磁石粉末に残る歪み量の目安になる。
測定はゴニオン半径185mm、発散スリット1.0°、散乱スリット1.0°、受光スリット0.3mm、湾曲グラファイトモノメーターを用いた光学系で行った。
(3)α−Fe比率
結晶歪み測定で使用した粉末X線回折装置を用いてα−Fe比率を求めた。α−Fe比率は、広域測定結果のバックグランドを除去したあとに、α−Fe(JCPDS No.6−696)の(110)面とSmFe17の(300)面の位置に相当するピーク強度IFe、ISFNを用いて、下記の式より算出した比率である(表1、式1)。
本来X線回折定量分析においては、化合物間のピーク強度比を補正する必要があるが、今回の比率算出には行っていない。また、α−Fe、SmFe17(SmFe17:主相)以外には化合物が存在しないと仮定している。
希土類−鉄−窒素系磁石粉主相表面に析出しているα−Feの比率が大きくなると、希土類−鉄−窒素系磁石粉主相のニュークリエーションサイトとなるため、保磁力iHcや角形性Hkが大幅に低下してしまうことから、α−Fe比率で磁気特性、角形性への影響が容易に判断できる。
Figure 2007084918
Figure 2007084918
(4)粒子形状
粉砕前の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の粒子表面、形状を走査型電子顕微鏡(SEM:株式会社日立製作所製、S−800)で観察した。
(5)粒度分布
SEM像から1次粒子の粒径を1000倍で撮影した写真を2倍に拡大して、最小メモリ1mmの定規で各粒子の最長の長さを測定し、累積個数百分率で求めた。
(実施例1)
磁石原料粉末として、アトマイズ法で製造された、粒径が10〜70μmの粉末が全体の94%を占める鉄粉末(Fe純度99%以上)24.3gと、粒径が0.1〜10μmの粉末が全体の96%を占める酸化サマリウム粉末(Sm純度99.5%以上)11.4gを秤量し、粒度4メッシュ(タイラーメッシュ)以下の金属カルシウム粒(Ca純度99%以上)4.6gをコンデショニングミキサー(MX−201:シンキー製)で30秒間混合した。酸化サマリウム粉末の混合量は、SmFe17化学量論組成の1.27倍である。
これをステンレススチール反応容器に挿入し、容器内をロータリーポンプで真空引きしてArガス置換した後、Arガスを流しながら900°Cまで昇温し、4時間保持し250°Cまで炉内でArガスを流通しながら冷却した。
次に、反応容器の温度を30℃まで下げ、容器内を大気圧に対して−100kPaまで減圧して水素ガスを導入した。その後、水素ガス圧を20kPaに加圧して放置した。約5分後水素の吸収が始まった。反応容器内の水素ガス圧が10〜20kPaになるように調整して約15分間処理した。
処理後ただちに、アンモニア分圧が0.33のアンモニア−水素混合ガスに切り替えて昇温し、450°Cで200分保持し、その後、同温度で窒素ガスに切り替えて30分保持し冷却した。
取り出した多孔質塊状の反応生成物を直ちに純水中に投入したところ、崩壊してスラリーが得られた。このスラリーから、Ca(OH)懸濁物をデカンテーションによって分離し、純水を注水後に1分間攪拌し、次いでデカンテーションを行う操作を5回繰り返し、合金粉末スラリーを得た。
得られた合金粉末スラリーを攪拌しながら希酢酸を滴下し、pH5.0に7分間保持した。合金粉末をろ過後、エタノールで数回掛水洗浄し、35°Cで真空乾燥することによって、Sm−Fe−N磁石粉末27.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.5重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は0.2%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.2重量%、N3.32重量%、O0.15重量%、残部Feだった。
この合金粉末をエタノール中、振動式ミル(マルチミル:ナルミ技研製)でSUJ2ボール5/32インチ、振動数 30Hz、120分間エタノール中で微粉砕し、常温真空乾燥した。
得られた磁石粉末の磁気特性を、合金粉末の磁気特性は、日本ボンド磁石工業協会、ボンド磁石試験方法ガイドブック、BM−2002、BM−2005に準じて、1600A/mの配向磁界をかけてステアリン酸中で希土類−鉄−窒素系磁石粉末を配向させ試料を作製し、4000kA/mの磁界で着磁して測定した。磁石合金粉末の比重を7.67g/cmとし、反磁場補正をせずに最大磁界1200kA/mの振動試料型磁力計を用いて、飽和磁化:4πIm(T)、保磁力:iHc(kA/m)、角形性:Hk(kA/m)を測定した。
分析組成とThZn17型結晶構造の格子定数から算出された粉末のX線密度は7.67g/cmで、この値で飽和磁束密度4πImを換算した。iHcは保磁力である。またHkは、減磁曲線の角形性を表し、第二象限において、磁化4πIが4πIrの90%の値を取るときの減磁界の大きさである。結果を表2に示す。
4πIm 1.43T、iHc 885kA/m、Hk 450kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.04deg.、α−Fe比率は0.8%であった。
(実施例2)
実施例1の条件の還元拡散温度を1100℃に変えて、他は実施例1と同様に還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末27.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.5重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は6.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.35重量%、O0.16重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.42T、iHc 855kA/m、Hk 458kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.10deg.、α−Fe比率は1.5%であった。
(実施例3)
実施例1の条件の還元拡散温度を1050℃、窒化を350℃、300分、アンモニア分圧0.2に変えて実施例1と同様に還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末27.2gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、68.0重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は4.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.39重量%、O0.14重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.45T、iHc 889kA/m、Hk 456kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.09eg.、α−Fe比率は0.9%であった。
(実施例4)
実施例1の条件の還元拡散温度を1050℃、窒化を500℃、100分、アンモニア分圧0.6に変えた以外は同様にして、還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末26.8gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.0重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は4.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.35重量%、O0.14重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.44T、iHc 913kA/m、Hk 457kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.08deg.、α−Fe比率は0.7%であった。
(実施例5)
実施例1の還元拡散を1050℃で行った後、水素処理を550℃で行った以外は条件を変えず、窒化処理、湿式処理を同等に行い、Sm−Fe−N粗粉末27.1gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.8重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は3.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.5重量%、O0.16重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.40T、iHc 800kA/m、Hk 390kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.05deg.、α−Fe比率は1.0%であった。
(実施例6)
原料配合量を鉄粉末24.3g、酸化サマリウム粉末10.2g、カルシウム4.2gとした。酸化サマリウム粉末の混合量は、SmFe17化学量論組成の1.15倍である。混合以降の処理は実施例4と同様に行い、Sm−Fe−N粗粉末28.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、72.4重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は、1次粒子20μm以上の累積百分率が3.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.4重量%、O0.15重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.42T、iHc 890kA/m、Hk 455kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.10deg.、α−Fe比率は0.9%であった。
(実施例7)
原料配合量を鉄粉末24.3g、酸化サマリウム粉末12.5g、カルシウム5.1gとした。酸化サマリウム粉末の混合量は、SmFe17化学量論組成の1.40倍である。混合以降の処理は実施例4と同様に行いSm−Fe−N粗粉末26.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、62.0重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は、1次粒子20μm以上の累積百分率が4.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.2重量%、N3.5重量%、O0.15重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.41T、iHc 885kA/m、Hk 450kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.09deg.、α−Fe比率は1.0%であった。
(比較例1)
還元拡散後に水素処理を行った後、実施例1とは逆に、先ず湿式処理を行ってから窒化、微粉砕を行った。
還元拡散温度を1100℃で行い、水素処理を30℃で行い、湿式処理後の窒化を450℃、200分、アンモニア分圧0.33で行い、Sm−Fe−N粗粉末27.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.5重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は0.1%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.7重量%、N3.31重量%、O0.14重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.33T、iHc 700kA/m、Hk 365kA/mであり磁気特性は低かった。結晶歪み(積分幅)は0.08deg.、α−Fe比率は7.0%であった。
(比較例2)
還元拡散温度を1100℃、窒化を450℃、200分、アンモニア分圧0.33に変えた以外は実施例1と同様に、還元拡散、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末27.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.5重量%であった。続いて、還元拡散後に水素処理は行わないでSm−Fe−N粗粉末を得た。
目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の73重量%であり粉末全体に対し低い割合であった。得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は8.0%で1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.38重量%、O0.16重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.41T、iHc 830kA/m、Hk 410kA/mであり磁気特性は低かった。結晶歪み(積分幅)は0.17deg.、α−Fe比率は1.2%であった。
(比較例3)
還元拡散温度を850℃、窒化を450℃、200分、アンモニア分圧を0.33に変えた以外は実施例1と同様に、還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末27.1gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.8重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の粒子はなく、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.2重量%、N3.39重量%、O0.14重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.3541T、iHc 700810kA/m、Hk 380kA/mであり低かった。結晶歪み(積分幅)は0.04deg.、α−Fe比率は12.0%であった。
(比較例4)
還元拡散温度を1190℃、窒化を450℃、200分、アンモニア分圧0.33に変えた以外は実施例1と同様にして、還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末26.8gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.0重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の94重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は42%で、1次粒子と焼結した表面が平滑な2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.4重量%、N3.31重量%、O0.17重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.40T、iHc 750825kA/m、Hk 390kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.22deg.、α−Fe比率は0.9%であった。
(比較例5)
還元拡散温度を1050℃、窒化を450℃、200分、アンモニア分圧0.1に変えた以外は実施例1と同様にして、還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末26.8gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.0重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり、粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は3%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.19重量%、O0.16重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.35T、iHc 632kA/m、Hk 310kA/mであり低かった。結晶歪み(積分幅)は0.08deg.、α−Fe比率は6.5%であった。
(比較例6)
還元拡散温度を1050℃、窒化を450℃、200分、アンモニア分圧0.7に変えた以外は、実施例1と同様に還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行いSm−Fe−N粗粉末27.1gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.8重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は2%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.41重量%、O0.17重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.37T、iHc 685kA/m、Hk 325kA/mであり低かった。結晶歪み(積分幅)は0.07deg.、α−Fe比率は6.2%であった。
(比較例7)
還元拡散温度を1050℃、窒化を340℃、300分、アンモニア分圧0.6に変えた以外は実施例1と同様に還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行い、Sm−Fe−N粗粉末26.9gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.3重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は1%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.4重量%、N3.35重量%、O0.16重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.38T、iHc 750kA/m、Hk 410kA/mであり低かった。結晶歪み(積分幅)は0.08deg.、α−Fe比率は10.9%であった。
(比較例8)
還元拡散温度を1050℃、窒化を520℃、100分、アンモニア分圧0.33に変えた以外は実施例1と同様に還元拡散、水素処理、窒化処理、湿式処理を行い、Sm−Fe−N粗粉末27.0gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、67.5重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の96重量%であり粉末全体に対し高い割合であった。
得られた粉末は、1次粒子20μm以上の累積百分率は3%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.00重量%、O0.16重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.39T、iHc 700kA/m、Hk 400kA/mであり低かった。結晶歪み(積分幅)は0.09deg.、α−Fe比率は9.8%であった。
(比較例9)
原料配合量を鉄粉末24.3g、酸化サマリウム粉末9.4g、カルシウム3.8gとした。酸化サマリウム粉末はSmFe17化学量論組成の1.05倍である。混合以降の処理は実施例4と同様に行いSm−Fe−N粗粉末26.9gを得た。得られた粉末の収率(回収量/原料投入量)は、66.7重量%であった。続いて、目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の77重量%であり粉末全体に対し低い割合であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は8.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.2重量%、N3.4重量%、O0.17重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.35T、iHc 650kA/m、Hk 330kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.11deg.、α−Fe比率は8.0%であった。
(比較例10)
原料配合量を鉄粉末24.3g、酸化サマリウム粉末14.3g、カルシウム5.8gとした。酸化サマリウム粉末はSmFe17化学量論組成の1.60倍である。混合以降の処理は実施例4と同様に行いSm−Fe−N粗粉末25.1gを得た。粉末の収率(回収量/原料投入量)は、56.5重量%であり低かった。続いて、粉末を目開き106μmの篩で分級した。篩下は得られたSm−Fe−N磁石粉末の95重量%であった。
得られた粉末は1次粒子20μm以上の累積百分率は3.0%で、1次粒子と焼結したぶどう状の2次粒子が観察された。
この粉末組成は、Sm23.3重量%、N3.5重量%、O0.15重量%、残部Feだった。
実施例1と同様に微粉砕後サンプリングして、磁気特性、結晶歪み(積分幅)およびα−Fe比率を求めた。結果を表2に示す。4πIm 1.37T、iHc 886kA/m、Hk 450kA/mであり高特性が得られた。結晶歪み(積分幅)は0.10deg.、α−Fe比率は0.9%であった。
「評価」
上記の結果、各実施例によれば、特定の原料粉末を用いて還元拡散法で希土類−鉄系母合金を製造し、次に特定温度以下に冷却後、水素処理を行い、さらに特定条件で窒化した希土類−鉄−窒素系磁石粉末であり、いずれも好ましい磁気特性(飽和磁化、保磁力、角形性)を有することが分かる。
これに対して、比較例1は水素処理を行っているが、Sm量とα−Fe比率が好まし範囲からはずれたもので、Smが23.7重量%となり非磁性相が多くなりすぎ4πImを低下させた。また、湿式処理後に窒化したために湿式処理後、磁石粉末表面に付着したオキシ水酸化鉄が窒化で磁石表面に析出しα−Fe比率が7%となり、iHc、Hkが低下している。
比較例2は実施例2の水素処理を行っていないもので、粗大粒子のまま窒化したために合金内の窒素分布が付近一となり、角形性を低下させた。また、磁気特性を低下させる目開き106μm以上の篩上粒子が約30重量%も存在した。
比較例3、4は還元拡散温度が好ましい範囲からはずれたもので還元拡散温度が850℃では還元時間が不十分であるためにSmFe17合金のできていない未拡散Feの影響でα−Fe比率が12%となり、1190℃では粒子表面が平滑である粒子(単結晶)がほとんどあるために、粉砕中に粒子表面に受ける歪みが0.22deg.となり、iHc、Hkが低下している。
比較例5、6は窒化雰囲気のアンモニア分圧が好ましい範囲からはずれたもので、比較例7、8は窒化温度が好ましい範囲からはずれたものは還元拡散温度が好ましい範囲内であったとしても、窒化不足や過窒化、主相の分解でα−Feが5%を越え、4πIm、iHc、Hkが低下している。
比較例9、10は酸化サマリウム配合量が好ましい範囲からはずれたもので、比較例9は鉄粉末に対して希土類元素の拡散が不均一になる。また、均一窒化するために窒化前に還元物を水素崩壊させる必要があるが、Smリッチ相が少なくなるので粒子が焼結しやすくなり還元物の水素崩壊性が悪くなり、α−Feが8%となり4πIm、iHc、Hkが低下している。
比較例10はα−Fe量、積分幅は問題ないが酸化サマリウムの配合量が多いため、磁石粉末中に主相以外のSmリッチ相が多くなり、Smリッチ相を除去した後のSmFeN粉末の収率が大きく低下した。磁気特性では完全にSmリッチ相が除去できずに4πImが低くなった。
Figure 2007084918
希土類−鉄−窒素系磁石粉末の粉砕前の粒度分布(累積個数百分率)に対する還元拡散処理温度依存性を示すグラフである。 熱処理温度を1050℃、1190°Cとして還元拡散処理を行い、その後窒化して得られた粉砕前の希土類−鉄−窒素系磁石粉末のSEM像を示す写真である。

Claims (12)

  1. 希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、得られた混合物を不活性ガス雰囲気中900〜1180℃で加熱する工程、引き続き、得られた反応生成物を不活性ガス雰囲気中で500℃以下に冷却した後、不活性ガスの少なくとも一部を排出してから、水素を含むガスを供給し、冷却された反応生成物に水素を吸収させ崩壊させる工程、その後、崩壊した反応生成物を300℃以下の温度に保ちながら、アンモニアと水素とを含有する混合ガスを供給し、この気流中で昇温し、350〜500°Cで反応生成物を窒化処理する工程、次に、得られた窒化処理生成物を水中に投入して湿式処理する工程、さらに、得られた磁石粗粉末を粉砕機に入れて微粉砕する工程を含むことを特徴とする均一に窒化された希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  2. 反応生成物の冷却温度が、250℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  3. 水素を吸収して崩壊した反応生成物の粒径が、10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  4. 希土類酸化物粉末の混合量が、RFe17の化学量論組成の1.1〜1.4倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  5. 磁石粗粉末は、1次粒子が集まって、ぶどう状に焼結した2次粒子を形成していることを特徴とする請求項1に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  6. 1次粒子は、粒径20μm以上の累積個数百分率が10%未満であることを特徴とする請求項5に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  7. 混合ガス中のアンモニア分圧が0.2〜0.6気圧であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末。
  9. 下記一般式(1)で示されるα−Fe比率が、5%以下であることを特徴とする請求項8に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末。
    α−Fe比率=X線回折におけるα−Fe(110)ピーク強度/希土類−Fe−窒素(300)ピーク強度…(1)
  10. 磁石粉末がSm−Fe−Nであることを特徴とする請求項8に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末。
  11. Sm量が、磁石粉末全体に対して23.2〜23.6重量%であることを特徴とする請求項10に記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末。
  12. 下記一般式(2)で示される積分幅が0.2deg.以下であることを特徴とする請求項8に記載の希土類―鉄―窒素系磁石粉末。
    積分幅=X線回折におけるSmFe17(113)回折ピークの面積/ピーク強度高さ…(2)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102211199A (zh) * 2011-06-10 2011-10-12 北京大学 一种破碎稀土-铁型合金的方法

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