JP2000103908A - ゴム複合組成物 - Google Patents

ゴム複合組成物

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JP2000103908A
JP2000103908A JP10231308A JP23130898A JP2000103908A JP 2000103908 A JP2000103908 A JP 2000103908A JP 10231308 A JP10231308 A JP 10231308A JP 23130898 A JP23130898 A JP 23130898A JP 2000103908 A JP2000103908 A JP 2000103908A
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JP
Japan
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rubber
microcapsules
coupling agent
composite composition
titanium coupling
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JP10231308A
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Toru Noguchi
徹 野口
Yoshitaka Tamaki
良隆 田巻
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隔壁を残存させた状態でマイクロカプセルを
熱膨張させたマイクロバルーンをゴム中に分散させて、
軽量化を図るとともに大きな繰り返しの伸張変形に対す
る耐疲労性を改善したゴム複合組成物を提供することを
目的とする。 【解決手段】 ゴムにマイクロカプセル、硫黄、加硫促
進剤等を添加してなるゴム複合組成物であり、上記マイ
クロカプセルとして、膨張開始温度が120〜140°
Cかつ膨張最高温度が180〜220°Cであって、隔
壁材中にイソブタンもしくは/そしてイソペンタンを内
包し、上記隔壁材としてポリアクリロニトリル・メタア
クリロニトリル共重合体もしくは/そしてポリアクリロ
ニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタクリレー
ト共重合体を有する少なくとも1種のマイクロカプセル
の表面をチタンカップリング剤で0.2〜10重量%被
覆処理したマイクロカプセルを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム複合組成物に係
り、詳しくはマイクロカプセルをマイクロバルーンとし
てゴム中に分散させ、軽量化を図るとともに大きな繰り
返しの伸張変形に対する耐疲労性を改善したゴム複合組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量の柔軟性のある組成物としては、ス
ポンジが良く知られている。しかし、スポンジは伸び、
強度、モジュラス、硬度、引き裂き強度等がいずれも小
さいばかりか、これらの物性値のバラツキが大きいため
に高性能用途には使用出来ず、また遮水性が悪い等の欠
点もあった。
【0003】このような点を改善した他の軽量化ゴムと
しては、ガラス、セラミックス等の無機物の中空粉体を
ゴム中に含有したものが知られている。更に、最近で
は、隔壁材がフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデン樹
脂、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン・アク
リロニトリル共重合体等の有機系のマイクロカプセルを
ゴム中に含有したものが知られており、例えば特開平8
−53567号公報、特開平4−246440号公報に
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の無機物
のマイクロカプセルでは、比重が大きいために軽量化に
は大きく寄与しなかった。一方、有機系のマイクロカプ
セルは耐熱性に欠けることがあり、マイクロカプセルを
分散させたゴムを140〜160°Cで加硫した時、マ
イクロカプセルの隔壁が熱膨張して破壊し、加硫したゴ
ムは発泡体になり、またマイクロカプセルをゴムと混練
りした時に機械的に破壊することがあり、破壊しない状
態でマイクロバルーンをゴム中に分散させた複合体を作
製することが困難であった。
【0005】また、従来のマイクロカプセルを分散させ
たゴムは、大きな繰り返しの伸張変形を受けると、早期
に亀裂が発生する問題が発生したため、マイクロカプセ
ルをチタンカップリング剤で接着処理することによりマ
イクロバルーンとゴムとの接着力を向上して、軽量化を
図るとともに大きな繰り返しの伸張変形に対して耐疲労
性を改善することが提案された。具体的には、マイクロ
カプセルを液状のチタンカップリング剤で攪拌.混合し
ていたが、マイクロカプセルの周囲をカップリング剤の
薄膜で被覆することができず、多量の余剰のカップリン
グ剤が存在していた。この余剰のカップリング剤はゴム
と混合した場合、ゴムの可塑剤として作用し、ゴムの機
械的物性を低下させるという問題が発生した。
【0006】本発明は、これらの点を考慮し、隔壁を残
存させた状態でマイクロカプセルを熱膨張させたマイク
ロバルーンをゴム中に分散させて、軽量化を図るととも
に大きな繰り返しの伸張変形に対する耐疲労性を改善し
たゴム複合組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、ゴムにマイクロカプセル、硫黄、加硫促進剤
等を添加してなるゴム複合組成物において、上記マイク
ロカプセルとして、膨張開始温度が120〜140°C
かつ膨張最高温度が180〜220°Cであって、隔壁
材中にイソブタンもしくは/そしてイソペンタンを内包
し、上記隔壁材としてポリアクリロニトリル・メタアク
リロニトリル共重合体もしくは/そしてポリアクリロニ
トリル・メタアクリロニトリル・メチルメタクリレート
共重合体を有する少なくとも1種のマイクロカプセルの
表面をチタンカップリング剤で0.2〜10重量%被覆
処理したマイクロカプセルを使用するゴム複合組成物に
あり、表面をチタンカップリング剤で被覆処理したマイ
クロカプセルを使用することにより、余剰のチタンカッ
プリング剤を除去して、大きな繰り返しの伸張変形に対
する耐疲労性、引張り特性といったゴムの機械的特性を
向上させ、また軽量化を図ることができる。
【0008】本願請求項2記載の発明は、チタンカップ
リング剤がパイロホスフェート基を有するものである。
【0009】本願請求項3記載の発明は、パイロホスフ
ェート基を有するチタンカップリング剤が、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセ
テートチタネート、そしてビス(ジオクチルパイロホス
フェート)エチレンチタネートの少なくとも1種から選
ばれたものである。
【0010】本願請求項4記載の発明は、表面をチタン
カップリング剤で被覆処理したマイクロカプセルが、溶
剤にチタンカップリング剤を溶解し、その後マイクロカ
プセルを投入して混合し、該混合物から溶剤を除去しな
がら表面をチタンカップリング剤で被覆処理したゴム複
合組成物にある。
【0011】本願請求項5記載の発明は、表面をチタン
カップリング剤で被覆処理したマイクロカプセルの添加
量が、ゴム100重量部に対して0.2〜20重量部で
あるゴム複合組成物にある。
【0012】本願請求項6記載の発明は、ゴムにマイク
ロカプセル、硫黄、加硫促進剤等を添加してなるゴム複
合組成物において、(イ)ゴム100重量部に対して、
(ロ)溶剤にパイロホスフェート基を有するチタンカッ
プリング剤を溶解し、その後膨張開始温度が120〜1
40°Cかつ膨張最高温度が180〜220°Cであっ
て、隔壁材中にイソブタンもしくは/そしてイソペンタ
ンを内包し、上記隔壁材としてポリアクリロニトリル・
メタアクリロニトリル共重合体もしくは/そしてポリア
クリロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタク
リレート共重合体を有する少なくとも1種のマイクロカ
プセルを投入して混合し、該混合物から溶剤を除去しな
がら表面を上記チタンカップリング剤で0.2〜10重
量%被覆処理したマイクロカプセル0.2〜20重量部
添加したゴム複合組成物にあり、特にパイロホスフェー
ト基を有するチタンカップリング剤を使用することによ
り、特に疲労後のクラック数が少なく、耐疲労性にすぐ
れるゴム複合組成物を得ることができ、また引張り特性
といったゴムの機械的特性を向上させ、軽量化を図るこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用するゴムとしては、
天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴムのようなエチレン−α−
オレフィン系共重合体ゴム、ニトリルゴム(NBR)、
水素化ニトリルゴム(H−NBR)に不飽和カルボン酸
金属塩を添加したもの、アルキル化クロロスルフォン化
ポリエチレン(ACSM)、クロロスルフォン化ポリエ
チレンゴム(CSM)等を主成分とし、これにカーボン
ブラックのような補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止
剤、加硫助剤、硫黄のような加硫剤等が添加混合され
る。
【0014】本発明で使用するマイクロカプセルとして
は、ポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル共重
合体を素材とする隔壁材中にイソブタンもしくは/そし
てイソペンタンを内包したものや、ポリアクリロニトリ
ル・メタアクリロニトリル・メチルメタクリレート共重
合体を素材とする隔壁材中にイソブタもしくは/そして
イソペンタンを内包したものや、またポリアクリロニト
リル・メタアクリロニトリル共重合体とポリアクリロニ
トリル・メタアクリロニトリル・メチルメタクリレート
共重合体とを素材とする隔壁材中にイソブタンもしくは
/そしてイソペンタンを内包したものがあり、これらの
1種もしくは2種以上を使用することができる。上記マ
イクロカプセルの隔壁材は従来のポリアミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデン樹
脂、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン・アク
リロニトリル共重合体等に比べて耐熱性に優れている。
【0015】このマイクロカプセルは、加硫前の混練
り、圧延などの諸工程でかかる温度で熱膨張してはなら
ないために膨張開始温度が120〜140°Cであり、
また加硫中に膨張したカプセルが破壊しないために膨張
最高温度が加硫温度より高く、180〜220°Cあ
る。即ち、上記マイクロカプセルは、加硫する前のムー
ニー粘度が低下した加硫誘導時間域に充分に熱膨張し、
充分に膨張したところでゴムが加硫する必要がある。こ
のマイクロカプセルは体積において元の大きさの約64
倍まで熱膨張する。マイクロカプセルが熱膨張する加硫
誘導時間は、温度140〜200°Cにおいて1〜10
分である。最も好ましい条件の目安としては、150°
Cでの加硫誘導時間が4〜7分になるようにゴム配合物
を設計する必要がある。
【0016】マイクロカプセルの添加量は、ゴム100
重量部に対して0.2〜20重量部添加であり、好まし
くは0.5〜5重量部である。20重量部を越えると、
引張強度、伸び等の機械的強度が低下して好ましくな
く、また0.2重量部未満ではゴム複合物を軽量化する
目的を達成することができない。
【0017】しかして、本発明では上記マイクロカプセ
ルの表面をチタンカップリング剤で被覆処理したマイク
ロカプセルを使用する必要がある。具体的には、キシレ
ン、トルエン、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、メチル
エチルケトン等からなる溶剤にチタンカップリング剤を
溶解し、その後マイクロカプセルを投入して混合し、該
混合物をエバポレータで溶剤を徐々に除去しながら表面
をチタンカップリング剤で被覆処理したものを使用す
る。
【0018】この場合、チタンカップリング剤の付着量
はこれを被覆処理したマイクロカプセルの重量に対して
0.2〜10重量%である。10重量%を越えると、付
着量が多くなって可塑剤として作用し、ゴムの機械的物
性を低下させるという問題が発生する。一方、0.5重
量%未満になると、付着量が少なくなってゴムとの接着
力が低下して耐疲労性が悪くなる。
【0019】ここで使用するチタンカップリング剤とし
ては、例えばイソプロピルトリス(ジオクチルパイロホ
スフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のパイ
ロホスフェート基を有するもの、またイソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピル(N−アミ
ノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラ(2,2
−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデ
シル)ホスファイトチタネート、イソプロピルジメタク
リルイソステアロイルチタネートなどがある。
【0020】本発明では補強材として短繊維を使用して
もよい。この短繊維としては、ポリエステル、ポリアミ
ド、アラミド、ビニロン、綿等の有機繊維が使用され、
その長さは2〜10mmであり、また添加量はゴム10
0重量部に対して2〜30重量部である。添加量が2重
量部未満の場合には、補強効果がなく、また30重量部
を越えると、短繊維同士が絡み合ってマイクロカプセル
の熱膨張を阻止することになる。
【0021】更に、本発明では硫黄、加硫遅延剤、加硫
促進剤、シャク解剤、補強材等を添加することができ
る。硫黄の添加量はゴム100重量部に対して1〜60
重量部であり、高度に架橋させる場合には、硫黄の添加
量を増やす必要がある。
【0022】ここで使用する加硫遅延剤は、加硫開始と
ともに起こる急速な粘度上昇を阻止してマイクロカプセ
ルの膨張を助けるものであり、具体的には無水フタル
酸、安息香酸、サリチル酸などの有機酸類、N−ニトロ
ソフェニルアミン、N−シクロヘキシルチオフタルイミ
ドなどのニトロソ化合物、そして燐酸トリアミド類など
がある。上記加硫遅延剤の添加量は、ゴム100重量部
に対して1〜6重量部であり、1重量部未満の場合に
は、マイクロカプセルの熱膨張不足のため、ゴム複合組
成物の加硫物の表面の凹凸が激しくて良品は得られな
い。一方、6重量部を越えると、ムーニー粘度が低下す
る加硫誘導時間が長すぎて、加硫反応を阻害する。
【0023】加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル
ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジエチル・
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、2−メルカプト
ベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、2−メ
ルカプトイミダゾリン、ジフェニル・グアニジン、トリ
フェニル・グアニジン、チオハイドロピリジン、Zn−
ジメチル・ジチオカーバメート、Zn−ジエチル・ジチ
オカーバメート、Zn−ジエチル・ジチオカーバメー
ト、テトラメチルチウラム・モノサルファイド、テトラ
メチルチウラム・ジサルファイド、その他アルデヒド・
アンモニア類、アルデヒド・アミン類、アルキル・アミ
ン類、ニトロソ類等などがあり、特に限定されない。そ
の添加量はゴム100重量部に対して1〜5重量部であ
り、1重量部未満の場合には、ゴム複合組成物の良好な
加硫物が得らない。一方、5重量部を越えると、加硫速
度が遅すぎてマイクロカプセルの熱膨張を阻害して、加
硫物の表面の凹凸が激しくて良品は得られない。
【0024】シャク解剤は、加硫時のムーニー粘度を低
下させてマイクロカプセルの熱膨張を効率的に行うもの
であり、特にゴムをバンバリーミキサー素練りする場合
に分子鎖を適度に切断し、ムーニー粘度を低下させるこ
とができる。その具体例としてジ・オルソ・ベンズアミ
ドフェニル・ジスルフィド、ペンタクロロ・チオフェノ
ール、ジキシリル・ジスルフィド、スルフォネーテッド
・ペトロニウム、ペンタクロロ・チオフェノールの亜鉛
塩等がある。
【0025】この添加量はゴム100重量部に対して
0.5〜4重量部であり、0.5重量部未満の場合に
は、粘度低下が不十分なためマイクロカプセルが十分に
膨張せず、ゴム複合組成物の加硫物の表面凹凸が激しく
て良品は得られない。一方、4重量部を越えると、残留
したシャク解剤が加硫時に分子鎖を切断することによっ
て加硫物性を低下させる。
【0026】本発明のゴム複合組成物を得る方法として
は、ゴムをロールにより素練りする場合とバンバリーミ
キサーにより素練りする方法がある。ロールにより素練
りする場合には、ゴムをロールで練った後、バンバリー
ミキサーによって素練りゴムとともにマイクロカプセ
ル、加硫遅延剤、酸化マグネシウム、必要に応じて添加
されるその他の充填剤、軟化剤、老化防止剤等を添加
し、その後硫黄そして加硫促進剤を混練りしてゴム組成
物を得る。
【0027】一方、バンバリーミキサーにより素練りす
る場合には、ゴムとシャク解剤をバンバリーミキサーで
素練りした後、更に続けてマイクロカプセル、加硫遅延
剤、酸化マグネシウム、必要に応じて添加されるその他
の充填剤、軟化剤、老化防止剤等を添加して混練りし、
その後硫黄そして加硫促進剤を添加してゴム組成物を得
る。このようにして得られたゴム組成物をカレンダーロ
ール等のロールを用いてシートにした後、加硫する。加
硫装置としては、モールド加熱、熱空気加熱、回転ドラ
ム式加硫機、射出成形機等を使用することができる。
尚、混練り方法としては、バンバリーミキサー以外にロ
ール、ニーダー、押出機などを使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1〜4、比較例1〜3 バンバリーミキサーによって天然ゴムを素練りした後、
続けて同じバンバリーミキサーによりZnO、ステアリ
ン酸、マイクロカプセル、老化防止剤を添加し混練り、
続いて硫黄と加硫促進剤を添加してゴム配合物を得た。
そして、温度を50〜70°Cに保持したロールにより
このゴム配合物に硫黄を添加して所定厚の未加硫ゴムシ
ートを作製した。尚、使用するマイクロカプセルは溶剤
にチタンカップリング剤を溶解し、その後マイクロカプ
セルを投入して混合し、該混合物をエバポレータで溶剤
を徐々に除去しながら表面をチタンカップリング剤で被
覆処理したものを使用した。
【0029】得られた未加硫ゴムシートを150°Cに
調節したプレス機に10分間保存して所定倍率に膨張し
た厚さ5mmの加硫ゴムシートを得た。尚、未加硫ゴム
シートの厚さβの調製は、下記の式により決定される。 α(所定倍率)={(100−X)+64X}×0.9
/100 β(所定厚さ)=5÷α X=マイクロカプセルの添加量(重量%)
【0030】膨張した5mm厚の加硫ゴムシートを約半
分の厚さにスライスしたものをJIS K6301に準
じて機械的特性(引張り特性)を求め、また比重はJI
SK6300に準じて求めた。疲労試験方法では、試料
に0〜400%の大きな繰り返し変形を与え、200回
後のクラック数を目視で測定した。これらの結果を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この結果より、実施例のゴム複合組成物
は、疲労後のクラック数が少なく、耐疲労性にすぐれて
いることが判る。しかし、チタンカップリング剤のマイ
クロカプセル表面への付着量が0.2〜10重量%の範
囲外になると、クラック数が増して耐疲労性が悪くな
り、またマイクロカプセルの膨張不足が発生する不具合
が起っている。
【0033】実施例5〜7、比較例4〜5(パイロホス
フェート基を有するチタンカップリング剤の使用) 実施例1〜4と同様に表2に示す配合によって所定厚の
未加硫ゴムシートを作製し、選られた未加硫ゴムシート
を150°Cに調節したプレス機に10分間保存して所
定倍率に膨張した厚さ5mmの加硫ゴムシートを得た。
膨張した5mm厚の加硫ゴムシートを約半分の厚さにス
ライスしたものをJIS K6301に準じて機械的特
性(引張り特性)を求め、また比重はJISK6300
に準じて求めた。疲労試験方法では、試料に0〜400
%の大きな繰り返し変形を与え、200回後のクラック
数を目視で測定した。これらの結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】この結果より、パイロホスフェート基を有
するチタンカップリング剤を使用したゴム複合組成物
は、特に疲労後のクラック数が少なく、耐疲労性にすぐ
れていることが判る。
【0036】
【発明の効果】以上のように本願請求項の発明では、マ
イクロカプセルとして、膨張開始温度が120〜140
°Cかつ膨張最高温度が180〜220°Cであって、
隔壁材中にイソブタンもしくは/そしてイソペンタンを
内包し、上記隔壁材としてポリアクリロニトリル・メタ
アクリロニトリル共重合体もしくは/そしてポリアクリ
ロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタクリレ
ート共重合体を有する少なくとも1種のマイクロカプセ
ルの表面をチタンカップリング剤で0.2〜10重量%
被覆処理したマイクロカプセルを使用するゴム複合組成
物にあり、表面をチタンカップリング剤で被覆処理した
マイクロカプセルを使用することにより、余剰のチタン
カップリング剤を除去して、大きな繰り返しの伸張変形
に対する耐疲労性、引張り特性といったゴムの機械的特
性を向上させ、また軽量化を図ることができる効果があ
る。また、パイロホスフェート基を有するチタンカップ
リング剤を使用したことにより、特に疲労後のクラック
数が少なく、耐疲労性にすぐれるゴム複合組成物を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB151 BB201 BB271 BG102 DA047 EA016 ER028 EV158 EV168 EV328 EV348 FB166 FB176 FB216 FB282 FB286 FD147 FD158 FD200

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムにマイクロカプセル、硫黄、加硫促
    進剤等を添加してなるゴム複合組成物において、上記マ
    イクロカプセルとして、膨張開始温度が120〜140
    °Cかつ膨張最高温度が180〜220°Cであって、
    隔壁材中にイソブタンもしくは/そしてイソペンタンを
    内包し、上記隔壁材としてポリアクリロニトリル・メタ
    アクリロニトリル共重合体もしくは/そしてポリアクリ
    ロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタクリレ
    ート共重合体を有する少なくとも1種のマイクロカプセ
    ルの表面をチタンカップリング剤で0.2〜10重量%
    被覆処理したマイクロカプセルを使用することを特徴と
    するゴム複合組成物。
  2. 【請求項2】 チタンカップリング剤がパイロホスフェ
    ート基を有するものである請求項1記載のゴム複合組成
    物。
  3. 【請求項3】 パイロホスフェート基を有するチタンカ
    ップリング剤が、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
    ロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロ
    ホスフェート)オキシアセテートチタネート、そしてビ
    ス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネー
    トの少なくとも1種から選ばれたものである請求項2記
    載のゴム複合組成物。
  4. 【請求項4】 表面をチタンカップリング剤で被覆処理
    したマイクロカプセルが、溶剤にチタンカップリング剤
    を溶解し、その後マイクロカプセルを投入して混合し、
    該混合物から溶剤を除去しながら表面をチタンカップリ
    ング剤で被覆処理した請求項1、2または3記載のゴム
    複合組成物。
  5. 【請求項5】 表面をチタンカップリング剤で被覆処理
    したマイクロカプセルの添加量が、ゴム100重量部に
    対して0.2〜20重量部である請求項1、2または3
    記載のゴム複合組成物。
  6. 【請求項6】 ゴムにマイクロカプセル、硫黄、加硫促
    進剤等を添加してなるゴム複合組成物において、(イ)
    ゴム100重量部に対して、(ロ)溶剤にパイロホスフ
    ェート基を有するチタンカップリング剤を溶解し、その
    後膨張開始温度が120〜140°Cかつ膨張最高温度
    が180〜220°Cであって、隔壁材中にイソブタン
    もしくは/そしてイソペンタンを内包し、上記隔壁材と
    してポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル共重
    合体もしくは/そしてポリアクリロニトリル・メタアク
    リロニトリル・メチルメタクリレート共重合体を有する
    少なくとも1種のマイクロカプセルを投入して混合し、
    該混合物から溶剤を除去しながら表面を上記チタンカッ
    プリング剤で0.2〜10重量%被覆処理したマイクロ
    カプセル0.2〜20重量部添加したことを特徴とする
    ゴム複合組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005538231A (ja) * 2002-09-10 2005-12-15 シル・プリュス・ザイラッハー・アクチェンゲゼルシャフト ゴム製造のためのマイクロカプセル及びその製造方法
CN106751023A (zh) * 2016-12-12 2017-05-31 天长市康宁塑胶科技有限公司 一种缓冲性能好的橡胶材料

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