JP2000103670A - 振動子用圧電磁器 - Google Patents

振動子用圧電磁器

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JP2000103670A
JP2000103670A JP10276190A JP27619098A JP2000103670A JP 2000103670 A JP2000103670 A JP 2000103670A JP 10276190 A JP10276190 A JP 10276190A JP 27619098 A JP27619098 A JP 27619098A JP 2000103670 A JP2000103670 A JP 2000103670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発振周波数の周波数公差の小さい発振信号が得
られるとともに、安定した発振が得られる振動子用圧電
磁器を提供する。 【解決手段】PbTiO3 のPbの一部をLaと、S
r、Ba、Caで置換し、Tiの一部をMnと、(Fe
1/3 Sb2/3 )、(Co1/3 Sb2/3 )、(Y1/2Sb
1/2 )、(Yb1/2 Sb1/2 )、(In1/2
1/2 )、(Mg1/3 Sb2/ 3 )で置換したABO3
複合酸化物であって、Bサイト構成元素1モルに対する
Pbのモル数をa、Aサイト構成元素のうちPb以外の
元素の総モル数をbとしたとき、a/(1−b)で表さ
れる値pが0.92〜0.99である主成分と、Fe2
3 、Yb2 3 を0.1〜1.0重量部含有してな
り、反共振インピーダンスRaが20kΩ以上、P/V
値が55dB以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動子用圧電磁器
に係わり、例えば発振子、超音波振動子、超音波モータ
および加速度センサー、ノッキングセンサー、AEセン
サー等の圧電センサーなどに適し、特に厚み縦振動にお
ける3次オーバートーンでの振動損失が小さく高周波用
途の振動子として最適な振動子用圧電磁器に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、圧電磁器を利用した製品として
は、例えば、フイルター、共振子、発振子、超音波振動
子、超音波モータ、圧電センサー等がある。
【0003】ここで、発振子はマイコンの基準信号発振
子用として、例えばコルピッツ型発振回路に組み込まれ
て利用される。図1はコルピッツ型発振回路を示すもの
で、このコルピッツ型発振回路はコンデンサ11、12
と抵抗13とインバータ14、および図2にも示すよう
な発振子15により構成されている。そして、コルピッ
ツ型発振回路において、発振信号を発生するには、ルー
プゲインと移相量との関係において以下の発振条件を満
足する必要がある。
【0004】インバータ14と抵抗13からなる増幅器
における増幅率をα、移相量をθ1とし、また、発振子
15とコンデンサ11、12からなる帰還回路における
帰還率をβ、移相量をθ2 としたとき、ループゲインが
α×β≧1であり、かつ移相量がθ1 +θ2 =360度
×n(但しn=1、2、3…)であることが必要とな
る。
【0005】図3に3次オーバートーンにおける発振条
件を満足したループゲイン特性および移相量(b)と、
そのときの発振子のインピーダンス特性の関係(a)を
示す。発振周波数は3次オーバートーンでのループゲイ
ンが1以上で、移相が0度となる周波数が発振ポイント
Fpとなり発振信号として出力される。
【0006】移相量の条件を満足させるためには、共振
周波数Frと反共振周波数Faの間およびその近傍にス
プリアスが発生しないことが重要となる。
【0007】さらに、コルピッツ型発振回路において、
安定した発振を得るためには、ループゲインを大きくし
なければならない。そのため、帰還率βのゲインを決定
する、発振子のP/V値、すなわち共振インピーダンス
Roおよび反共振インピーダンスRaの差を大きくする
ことが必要となる。尚、P/V値は20Log(Ra/
Ro)の値として定義される。
【0008】従来、この種の圧電磁器材料としては、P
bTiO3 やPb(TiZr)O3を主成分としたも
の、あるいはこれらに更に第二成分、第三成分として、
Pb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 やPb(Ni1/3 Nb
2/3 )O3 などを固溶させたもの等が知られている。特
にPbTiO3 を主成分とした磁器組成物の場合、比誘
電率が300〜700と小さく10MHz以上の高周波
領域での使用が可能になるなどの特徴を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のPbTiO3 を主成分とした圧電磁器組成物に
おいては、反共振インピーダンスRaが小さいことか
ら、周波数に対する移相反転の傾きが小さくなり、イン
バータ発振回路に発振子を組み込んだときにおいて発振
ポイントが容易に変動しやすくなり、発振子がほぼ同様
の特性を有する場合でも、個々の発振子の個体差間で発
振周波数の信号の交差が大きくなるという問題を有して
いた。
【0010】即ち、図3(b)に示すように発振ポイン
トは移相が0度となる発振周波数で生じるが、周波数に
対して移相反転の傾きθ3 が小さくなると、個々の発振
子の個体差間での移相反転の状態が僅かに異なることに
より影響を受けやすく、移相0度となる周波数の変動幅
が大きくなり、その結果発振ポイントの発振周波数が高
周波側あるいは低周波側に移動し、周波数公差を大きく
してしまうという問題があった。
【0011】さらに、発振周波数の温度公差が大きく、
25℃の発振周波数を基準とした場合−20〜+80℃
の温度範囲においては±400ppmを大きく上回り、
小さい発振周波数の公差が要求される用途などにおいて
は、使用できないという問題があった。
【0012】さらに、発振を開始させるための重要な因
子、すなわち帰還率βを決定する厚み縦振動の3次オー
バートーンのP/V値が小さいため、増幅率αの比較的
小さな増幅器を内蔵したマイコンなどにおいては動作し
ない不発振などの問題があった。
【0013】本発明は、発振回路に発振子を組み込んだ
時に、発振周波数の周波数公差を小さくできるととも
に、さらに発振周波数の温度公差を小さくでき、しかも
安定した発振が得られる振動子用圧電磁器を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の振動子用圧電磁
器は、チタン酸鉛PbTiO3 のPbの一部をLaと、
Sr、BaおよびCaのうち少なくとも1種で置換する
とともに、Tiの一部をMnと、(Fe1/3
2/3 )、(Co1/3 Sb2/3 )、(Y1/2
1/2 )、(Yb1/2 Sb1/2 )、(In1/2
1/2 )および(Mg1/3 Sb2/3 )のうち少なくとも
1種で置換したABO3 型ペロブスカイト型複合酸化物
であって、Bサイト構成元素1モルに対するPbのモル
数をa、Aサイト構成元素のうちPb以外の元素の総モ
ル数をbとしたとき、a/(1−b)で表される値
(p)が0.92〜0.99である主成分と、該主成分
100重量部に対して、Fe含有化合物および/または
Yb含有化合物を、Fe2 3 、Yb2 3 換算で0.
1〜1.0重量部含有してなり、かつ厚み縦振動の3次
オーバートーンにおける反共振インピーダンスRaが2
0kΩ以上、P/V値が55dB以上である。
【0015】ペロブスカイト型複合酸化物の原子比によ
る組成式を、 Pb(1-x-y)pLax y (Dc Mnd Ti1-c-d )O3 Cは、Sr、BaおよびCaのうち少なくとも1種、D
は、(Fe1/3 Sb2/3 )、(Co1/3 Sb2/3 )、
(Y1/2 Sb1/2 )、(Yb1/2 Sb1/2 )、(In
1/2 Sb1/2 )および(Mg1/3 Sb2/3 )のうち少な
くとも1種と表した時、前記x、y、p、cおよびd
が、 0.05≦ x ≦0.15 0.02≦ y ≦0.15 0.92≦ p ≦0.99 0.01≦ c ≦0.04 0.01≦ d ≦0.05 を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、
Fe含有化合物および/またはYb含有化合物を、Fe
2 3 、Yb2 3 換算で0.1〜1.0重量部含有す
ることが望ましい。
【0016】
【作用】本発明の振動子用圧電磁器では、インバータ発
振回路に発振子を組み込んだとき、移相の反転が急峻に
なり発振ポイントの周波数変動が抑制されることから、
発振周波数の信号の周波数公差を著しく小さくすること
ができる。さらに、発振周波数の温度公差を著しく小さ
くできるとともに、P/V値が大きいため、周波数公差
が小さく高精度な安定した発振が得られる。
【0017】即ち、厚み縦振動における3次オーバート
ーンでの反共振インピーダンスRaを大きくすること
で、インバータ発振回路に発振子を組み込んだとき、移
相の反転の傾きθ3 を大きくして移相の反転を急峻に
し、発振ポイントの変動を抑制し、発振周波数の周波数
公差の小さい発振信号を得ることができる。さらに発振
周波数の温度公差を小さくし、P/V値を大きくするこ
とで安定した発振が得られる。このように特に10MH
z以上の厚み縦振動の3次オーバートーンを用いた高周
波用の発振子に適した振動子用圧電磁器が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の振動子用圧電磁器は、チ
タン酸鉛PbTiO3 のPbの一部をLaと、Sr、B
aおよびCaのうち少なくとも1種で置換するととも
に、Tiの一部をMnと、(Fe1/3 Sb2/3 )、(C
1/3 Sb2/3 )、(Y1/2 Sb1/2 )、(Yb1/2
1/2 )、(In1/2 Sb1/2 )および(Mg1/3 Sb
2/3 )のうち少なくとも1種で置換したABO3 型ペロ
ブスカイト型複合酸化物であって、Bサイト構成元素1
モルに対するPbのモル数をa、Aサイト構成元素のう
ちPb以外の元素の総モル数をbとしたとき、a/(1
−b)で表される値(p)が0.92〜0.99である
主成分と、該主成分100重量部に対して、Fe含有化
合物および/またはYb含有化合物を、Fe2 3 、Y
2 3 換算で0.1〜1.0重量部含有してなり、か
つ厚み縦振動の3次オーバートーンにおける反共振イン
ピーダンスRaが20kΩ以上、P/V値が55dB以
上のものである。
【0019】ここで、Pbの一部を少なくともLaによ
り置換したのは焼結性を高め分極を容易にし、特に、共
振インピーダンスRoを小さくすることによりP/V値
を向上できるからである。さらに、Tiの一部を少なく
ともMnにより置換すると、共振インピーダンスRoを
小さくすることによりP/V値を大きく向上できるから
である。
【0020】また、Pbの一部をLaと、Sr、Baお
よびCaのうち少なくとも1種で置換したのは、大きな
P/V値を保ちながら発振周波数の温度公差を小さくす
ることができるからであり、Tiの一部をMnと、(F
1/3 Sb2/3 )、(Co1/ 3 Sb2/3 )、(Y1/2
1/2 )、(Yb1/2 Sb1/2 )、(In1/2
1/ 2 )および(Mg1/3 Sb2/3 )のうち少なくとも
1種で置換したのは、P/V値を大きくできるととも
に、3次オーバートーンので反共振インピーダンスRa
を大きくすることができるからである。
【0021】さらに、Bサイト構成元素1モルに対する
Pbのモル数をa、Aサイト構成元素のうちPb以外の
元素の総モル数をbとしたとき、a/(1−b)で表さ
れる値(p)を0.92〜0.99とした。これは、a
/(1−b)で表される値(p)を0.99以下とする
ことにより、厚み縦振動における3次オーバートーンの
反共振インピーダンスRaを大きくでき、これにより、
移相反転の傾きθ3 が大きくなって移相の反転が急峻に
なることで発振ポイントの周波数変動を抑制できるから
である。
【0022】しかしながら、a/(1−b)で表される
値(p)が0.92よりも小さくなると、3次オーバー
トーンので反共振インピーダンスRaが著しく劣化する
からである。従って、a/(1−b)で表される値
(p)は、厚み縦振動における3次オーバートーンの反
共振インピーダンスRaを大きくし、P/V値を大きく
するという点から0.955〜0.985が望ましい。
【0023】さらに、前記ペロブスカイト型複合酸化物
からなる主成分100重量部に対して、Fe含有化合物
および/またはYb含有化合物を、Fe2 3 、Yb2
3換算で0.1〜1.0重量部含有せしめたのは、F
e含有化合物および/またはYb含有化合物の添加によ
り発振周波数の温度公差を顕著に小さくする効果があ
り、0.1重量部より少ないと発振周波数の温度公差が
±400ppmを超えてしまい、1.0重量部より多い
とP/V値が劣化するからである。従って、Fe含有化
合物および/またはYb含有化合物の含有量は、大きな
P/V値を保ちながら発振周波数の温度公差を小さくす
るという点から、Fe2 3 、Yb2 3換算で0.2
〜0.8重量部が望ましい。添加物としては特にFe2
3 が望ましい。
【0024】さらに、3次オーバートーンにおける反共
振インピーダンスRaを20kΩ以上としたのは、イン
バータ発振回路に発振子として組み込んだときにおい
て、移相の反転が急峻となり、発振子の個々の個体差間
での発振ポイントの周波数変動が抑制され、発振周波数
の信号の周波数公差を±200ppm以内へと著しく小
さくすることができるからである。3次オーバートーン
における反共振インピーダンスRaは、発振周波数の信
号の周波数公差を小さくするという観点から25kΩ以
上が望ましい。
【0025】さらに、P/V値を55dB以上としたの
は、ループゲインを大きくさせ、発振停止や基本波ある
いは5次オーバートーンへの発振の飛びが無くなり、安
定した発振が得られるからであり、P/V値が55dB
よりも小さい場合にはループゲインが小さくなるからで
ある。P/V値は、ループゲインを大きくさせるという
点から65dB以上が望ましい。
【0026】そして、特に、本発明の振動子用圧電磁器
は、主成分が、ペロブスカイト型複合酸化物の原子比に
よる組成式を、Pb(1-x-y)pLax y (Dc Mnd
1- c-d )O3 (Cは、Sr、BaおよびCaのうち少
なくとも1種、Dは、(Fe1/3 Sb2/3 )、(Co
1/3 Sb2/3 )、(Y1/2 Sb1/2 )、(Yb1/2 Sb
1/2 )、(In1/2 Sb1/2 )および(Mg1/3 Sb
2/3 )のうち少なくとも1種)と表した時、前記x、
y、p、cおよびdが、0.05≦x≦0.15、0.
02≦y≦0.15、0.92≦p≦0.99、0.0
1≦c≦0.04、0.01≦d≦0.05を満足する
ことが望ましい。
【0027】PbのLaによる適量置換は、特に分極を
容易にしP/V値向上に寄与する。
【0028】PbのLaによる置換量xを0.05〜
0.15としたのは、xが0.05より小さい場合分極
がかかりにくくなり、P/V値が小さくなるためであ
り、0.15よりも大きい場合、キュリー温度低下に伴
い耐熱性が劣化し、P/V値が小さくなるためである。
xはP/V値を向上するという観点から、0.08≦x
≦0.12であることが望ましい。
【0029】またPbのC(Sr、BaおよびCaのう
ち少なくとも一種)による適量置換は、特に発振周波数
の温度公差を小さくする効果がある。PbのC(Sr、
BaおよびCa)による置換量yを0.02〜0.15
としたのは、yが0.02より小さい場合には発振周波
数の温度特性が悪化し、また、0.15よりも多い場合
にはP/V値が小さくなるからである。yは、発振周波
数の温度公差を小さくさせ、大きなP/V値を維持する
という観点から、0.05≦y≦0.10が望ましい。
【0030】p(上記したa/(1−b))を0.92
≦p≦0.99としたのは、0.92よりも小さい場
合、および0.99よりも大きい場合には、3次オーバ
ートーンので反共振インピーダンスRaが低下するから
である。3次オーバートーンので反共振インピーダンス
Raを向上するという点から、pは、0.955≦p≦
0.985を満足することが望ましい。
【0031】(Fe1/3 Sb2/3 )、(Co1/3 Sb
2/3 )、(Y1/2 Sb1/2 )、(Yb1/2 Sb1/2 )、
(In1/2 Sb1/2 )および(Mg1/3 Sb2/3 )のう
ち少なくとも1種による置換量cを0.01≦c≦0.
04としたのは、cが0.01よりも小さい場合には分
極がかかりにくく、P/V値が小さくなるからである。
【0032】一方、0.04よりも大きい場合には、3
次オーバートーンので反共振インピーダンスRaが低下
するからである。P/V値を大きくし、3次オーバート
ーンので反共振インピーダンスRaを大きくするという
観点から0.02≦c≦0.04であることが望まし
い。
【0033】Mnによる置換量dを0.01≦d≦0.
05としたのは、dが0.01よりも小さい場合や0.
05よりも大きい場合には、P/V値が小さくなるから
である。P/V値を最大限に大きくするという観点から
0.01≦d≦0.02であることが望ましい。
【0034】本発明の振動子用圧電磁器は、このような
主成分100重量部に対して、Fe含有化合物および/
またはYb含有化合物を、Fe2 3 、Yb2 3 換算
で0.1〜1.0重量部含有するものであるが、その存
在理由については上記した通りである。
【0035】本発明の振動子用圧電磁器では、特に、発
振周波数の温度公差を小さくさせ、大きなP/V値を維
持するという観点から、ペロブスカイト型複合酸化物の
原子比による組成式を、Pb(1-x-y)pLax Sry (F
1/3 Sb2/3 c Mnd Ti1-c-d 3 と表した時、
x、y、p、cおよびdが、0.08≦x≦0.12、
0.05≦y≦0.10、0.955≦p≦0.98
5、0.02≦c≦0.04、0.01≦d≦0.0
2、で表される主成分と、該主成分100重量部に対し
て、Fe含有化合物および/またはYb含有化合物を、
Fe2 3 、Yb23 換算で0.2〜0.8重量部含
有することが望ましい。
【0036】本発明の振動子用圧電磁器は、Pb
(1-x-y)pLax y (Dc Mnd Ti1-c- d )O3 で表
されるペロブスカイト型結晶相を主結晶相とするもので
あり、その他の結晶相として、パイロクロア相等が存在
することもあるが、微量であれば特性上問題ない。ま
た、添加されたFeやYbは上記主結晶相中に一部固溶
するが、殆ど粒界にFe2 3 、Yb2 3 として存在
する。
【0037】本発明の振動子用圧電磁器は、図1に示し
たコルピッツ型発振回路に適用される発振子用の圧電磁
器として最適であるが、それ以外の発振子、超音波振動
子、超音波モータ、及び加速度センサー、ノッキングセ
ンサー、AEセンサー等の圧電センサーなどにも適して
おり、特に厚み縦振動の3次オーバートーンを利用する
高周波用として最適な振動子用圧電磁器である。
【0038】
【実施例】原料として、Pb3 4 、La2 3 、Mn
2 、TiO2 、及びSrCO3、BaCO3 、CaCO3
Fe2 3 、Sb2 3 、Co3 4 、In2 3、Y
2 3 、Yb2 3 、MgCO3 からなる各種酸化物を
用い、焼結体が表1、2の組成となるように秤量し、Z
rO2 ボールを用いたボールミルにて24時間湿式混合
した。次いで、この混合物を脱水、乾燥した後、100
0℃で3時間仮焼し、適量の有機バインダを加え乾式混
合し、メッシュの容器に通し整粒した。このようにして
得られた粉体を1.5ton/cm2 の圧力で縦20m
m、横30mm、厚み1.0mmの板状に成形し、脱バ
インダー後、大気中において1250℃の温度で3時間
本焼成し圧電磁器を得た。
【0039】その後、板厚を0.22mmに加工し、両
面にAg−Crを蒸着し、80℃で30分間分極を施し
た。その後、図2に示す電極構造となるように、無電極
に相当する部位の電極をエッチングで除去し、縦4.7
mm(L)、横1.1mm(B)、厚み約0.22mm
(t)形状の33.86MHz発振周波数に相当する厚
み縦振動の3次オーバートーン用発振子を得た。
【0040】発振子の特性は、インピーダンスアナライ
ザにより、厚み縦振動の3次オーバートーンのインピー
ダンス波形を求め、反共振インピーダンスRaと共振イ
ンピーダンスRoの測定を行った。さらに、3次オーバ
ートーンのP/V値をP/V=20×Log(Ra/R
o)の式により算出した。
【0041】発振子とインバータ発振回路とを組み合わ
せたときの発振周波数の周波数公差の評価は、図1に示
す基準となる一個のインバータ発振回路を用いて、各組
成毎それぞれ反共振周波数の変動幅が基準とした反共振
周波数に対し±10ppm以内にある100個の発振子
を用意して、発振子のみを替えたときの発振周波数の周
波数分布を求めた。発振周波数の周波数分布は、各組成
毎に平均の発振周波数を求め、平均の発振周波数を基準
とした場合、発振周波数が最大限に変化した周波数を変
化率とし、平均の発振周波数に対する発振周波数の最大
変化率の値を最大変動幅として捉え±表記の発振周波数
の公差として表した。
【0042】発振周波数の温度公差は、25℃の発振周
波数を基準にして、−20℃および+80℃での発振周
波数の変化を変化率として以下の式により算出した。
【0043】Fosc 変化率(%)={(Fosc(drift)−
Fosc(25) )/Fosc(25) }×100 但し、Fosc(drift)は、−20℃もしくは+80℃での
発振周波数であり、Fosc(25) は25℃での発振周波数
である。これらの結果を表3、4に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】これらの表1〜4から明らかなように、本
発明の範囲内の試料では、インバータ発振回路に発振子
を組み込んだときの発振周波数の公差を±200ppm
以内、特には±100ppm以内へと小さくできること
がわかる。
【0049】さらに、発振周波数の温度公差を±400
ppm以内、特には±200ppm以内に小さくできる
ことがわかる。
【0050】一方、Bサイト構成元素1モルに対するP
bのモル数をa、Aサイト構成元素のうちPb以外の元
素の総モル数をbとしたとき、a/(1−b)で表され
る値(p)が0.92より小さい場合(試料No.7)
や、0.99よりも大きい場合(試料No.1)には、発
振周波数の周波数公差が±200ppmを超えてしまう
ことがわかる。
【0051】また、Fe2 3 、Yb2 3 が0.1重
量部未満の場合には(試料No.16、42)は発振周
波数の温度公差が±400ppmを超えてしまい、1.
0重量部より多い場合(試料No.15、49)、P/
V値が55dBより小さくなってしまうことがわかる。
【0052】また、3次オーバートーンでのP/V値が
55dBより小さい場合の試料No.7、15、17、
25、37、49、3次オーバートーンでの反共振イン
ピーダンスRaが20kΩより小さい場合の試料No .
1、7、15、17、25、37では、インバータ発振
回路に発振子を組み込んだときにおいて、発振周波数の
周波数公差が±200ppmを超えてしまうことがわか
る。
【0053】このように、本発明の振動子用圧電磁器に
おいては、発振回路に発振子を組み込んだときの発振周
波数の公差を小さくできるとともに、発振周波数の温度
公差を小さくできることから、高精度な発振周波数の公
差とすることができる。しかも3次オーバートーンのP
/V値を大きくすることができることから安定した発振
周波数精度の発振信号を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係わる振
動子用圧電磁器は、厚み縦振動における3次オーバート
ーンでの反共振インピーダンスRaが大きくなることか
ら、発振回路に発振子を組み込んだ時、移相の反転が急
峻になり、発振周波数の周波数公差を小さくした発振信
号を得ることができるとともに、さらに発振周波数の温
度公差を小さくした高精度な周波数公差を有し、さらに
P/V値が大きくなることから、発振子用として好適な
振動子用圧電磁器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コルピッツ型の発振回路を示した概略図であ
る。
【図2】33.86MHz発振子の概略図である。
【図3】(a)は発振子の厚み縦振動における3次オー
バートーンの発振子のみのインピーダンス特性を、
(b)は発振子を発振回路に組み込んだときのループゲ
イン特性と移相との関係を示す図である。
【符号の説明】
11、12・・・コンデンサ 13 ・・・抵抗 14 ・・・インバータ 15 ・・・発振子 16 ・・・電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン酸鉛PbTiO3 のPbの一部をL
    aと、Sr、BaおよびCaのうち少なくとも1種で置
    換するとともに、Tiの一部をMnと、(Fe1/3 Sb
    2/3 )、(Co1/3 Sb2/3 )、(Y1/2 Sb1/2 )、
    (Yb1/2 Sb1/2 )、(In1/2 Sb1/2 )および
    (Mg1/3 Sb2/3 )のうち少なくとも1種で置換した
    ABO3 型ペロブスカイト型複合酸化物であって、Bサ
    イト構成元素1モルに対するPbのモル数をa、Aサイ
    ト構成元素のうちPb以外の元素の総モル数をbとした
    とき、a/(1−b)で表される値(p)が0.92〜
    0.99である主成分と、該主成分100重量部に対し
    て、Fe含有化合物および/またはYb含有化合物を、
    Fe2 3 、Yb2 3 換算で0.1〜1.0重量部含
    有してなり、かつ厚み縦振動の3次オーバートーンにお
    ける反共振インピーダンスRaが20kΩ以上、P/V
    値が55dB以上であることを特徴とする振動子用圧電
    磁器。
  2. 【請求項2】ペロブスカイト型複合酸化物の原子比によ
    る組成式を、 Pb(1-x-y)pLax y (Dc Mnd Ti1-c-d )O3 Cは、Sr、BaおよびCaのうち少なくとも1種、 Dは、(Fe1/3 Sb2/3 )、(Co1/3 Sb2/3 )、
    (Y1/2 Sb1/2 )、(Yb1/2 Sb1/2 )、(In
    1/2 Sb1/2 )および(Mg1/3 Sb2/3 )のうち少な
    くとも1種と表した時、前記x、y、p、cおよびd
    が、 0.05≦ x ≦0.15 0.02≦ y ≦0.15 0.92≦ p ≦0.99 0.01≦ c ≦0.04 0.01≦ d ≦0.05 を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、
    Fe含有化合物および/またはYb含有化合物を、Fe
    2 3 、Yb2 3 換算で0.1〜1.0重量部含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の振動子用圧電磁器。
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JP2009094829A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Murata Mfg Co Ltd 圧電振動装置、発振回路及び電子装置

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