JP3389477B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧電磁器組成物に
係わり、例えば発振子、超音波振動子、超音波モータ及
び加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧
電センサなどに適する耐熱衝撃性に優れた、特に厚みす
べり振動の基本波振動を利用したエネルギー閉じ込め型
発振子の高周波発振子用として最適な圧電磁器組成物に
関する。 【0002】 【従来技術】従来から、圧電磁器組成物を利用した製品
としては、例えば、フィルタ、共振子、発振子、超音波
振動子、超音波モータ、圧電センサ等がある。 【0003】ここで、発振子は、マイコンの基準信号発
振用として、例えば、コルピッツ型発振回路等の発振回
路に組み込まれて利用される。図1はコルピッツ型発振
回路を示すもので、このコルピッツ型発振回路はコンデ
ンサ11、12と抵抗13とインバータ14及び発振子
15により構成されている。そして、コルピッツ型発振
回路において、発振信号を発生するには、以下の発振条
件を満足する必要がある。 【0004】インバータ14と抵抗13からなる増幅器
における増幅率をα、移相量をθ1とし、また、発振子
15とコンデンサ11、12からなる帰還回路における
帰還率をβ、移相量をθ2 としたとき、ループゲインが
α×β≧1であり、かつ、移相量がθ1 +θ2 =360
×n(但しn=1,2,…)であることが必要となる。 【0005】一般的に抵抗13及びインバータ14から
なる増幅器は、マイコンに内蔵されている。誤発振や不
発振を起さない、安定した発振を得るためにはループゲ
インを大きくしなければならない。ループゲインを大き
くするには、帰還率βのゲインを決定する、発振子のP
/V、すなわち共振インピーダンスR0 及び反共振イン
ピーダンスRa の差を大きくする事が必要となる。尚、
P/Vは20×Log(Ra /R0 )の値として定義さ
れる。 【0006】また、移相量の条件を満足させるために
は、共振周波数と反共振周波数の間及びその近傍にスプ
リアスが発生しない事が重要となる。 【0007】従来、この種の圧電磁器材料としては、P
b(Ti,Zr)O3 やPbTiO3 を主成分としたも
の、あるいはこれらに更に第2成分、第3成分として、
Pb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 やPb(Ni1/3 Nb
2/3 )O3 などを固溶させたもの等が知られている。こ
の材料では、特に、比誘電率が500〜1000と小さ
いことから、2〜14MHzの周波数帯域での使用が可
能になり、さらに厚み滑り振動の基本波振動を利用した
発振子においては、大きなP/Vが得られるなどの特徴
を有していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のPb(Zr,Ti)O3 やPbTiO3 を主成
分とした圧電磁器組成物においては、発振を開始させる
ための重要な因子、すなわち帰還率βを決定する厚み滑
り振動の基本波振動のP/Vが大きいものは、150℃
での高温下の使用においてP/Vが劣化し、さらに発振
周波数が大きく変化してしまうなど耐熱性の問題があっ
た。この場合、例えば使用温度の上限が150℃となる
自動車等においては搭載出来ないなどの問題があった。 【0009】また、150℃での高温下において、耐熱
性が良好なものはP/Vが小さくなることから、発振余
裕度がなくなり安定した発振が得られないなどの問題が
あった。 【0010】さらにまた、発振周波数の温度安定性にお
いては、−40℃〜+150℃と広い温度範囲において
発振周波数の温度変化率が約±0.5〜±0.7%と大
きな変化を示すことから、電子制御技術の高精度化に対
応出来ないなどの問題があった。 【0011】従って、本発明は、厚み滑り振動の基本波
振動のP/Vを大きくするとともに、−40℃〜+15
0℃の広い温度範囲で発振周波数の温度安定性に優れ、
さらに150℃での耐熱性に優れた、高信頼性が得られ
る、特に2〜14MHzの厚み滑り振動の基本波振動を
用いた高周波の発振子に適したSMD対応の圧電磁器組
成物を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の圧電磁器組成物
は、金属元素としてPb、Nd、Ca、Mn、Sbおよ
びTiと、Mgおよび/またはFeを含むペロブスカイ
ト型複合酸化物であって、モル比による組成式を、 Pb1-x-y Ndx Cay (Mg1/3 Sb2/3 a (Fe
1/2 Sb1/2 bMnc Ti1-a-b-c 3 と表した時、前記x、y、a、bおよびcが、0.02
≦x≦0.06、0.10≦y≦0.20、0≦a≦
0.03、0≦b≦0.03、0.01≦a+b≦0.
04、0.01≦c≦0.03を満足する主成分と、該
主成分100モル部に対して、Mg含有化合物および/
またはCu含有化合物を、MgO、CuO換算で合計
0.2〜1.0モル部含有するものである。 【0013】 【作用】本発明の圧電磁器組成物では、PbTiO3
Pbの一部をNd及びCaで置換し、Tiの一部をMn
と、さらに(Mg1/3 Sb2/3 )、(Fe1/2
1/2)のうち少なくとも一種で置換し、さらにMg含
有化合物および/またはCu含有化合物を含有すること
で、厚み滑り振動の基本波振動のP/Vを大きくしなが
ら、発振周波数の温度安定性と150℃での耐熱性を向
上することができる。 【0014】これにより、発振余裕度が高まり安定した
発振と、発振周波数の温度安定性に優れた高精度な発振
が得られると共に、使用温度上限を150℃の高温まで
可能にした、厚み滑り振動の基本波振動を用いた2〜1
4MHzに適応できるSMD対応の発振子を得ることが
できる。 【0015】 【発明の実施の形態】発明の圧電磁器組成物は、モル比
による組成式を、Pb1-x-y Ndx Cay (Mg1/3
2/3 a (Fe1/2 Sb1/2 b Mnc Ti1-a-b-c
3 と表した時、前記x、y、a、bおよびcが、0.
02≦x≦0.06、0.10≦y≦0.20、0≦a
≦0.03、0≦b≦0.03、0.01≦a+b≦
0.04、0.01≦c≦0.03を満足する主成分
と、該主成分100モル部に対して、Mg含有化合物お
よび/またはCu含有化合物を、MgO、CuO換算で
合計0.2〜1.0モル部含有するものである。 【0016】ここで、x、y、a、b、cを上記の範囲
に設定した理由およびMg含有化合物、Cu含有化合物
を所定量含有せしめた理由について説明する。 【0017】上記組成式において、xを0.02≦x≦
0.06の範囲に設定した理由は、PbのNdによる適
量置換は、特に分極を容易にし、P/V向上に寄与す
る。しかしながら、Nd量を示すxが0.02より小さ
い場合には分極がかかりにくくなり、P/Vが65dB
未満に小さくなるためである。一方、0.06よりも大
きい場合スプリアスの発生が起こりやすくなり、さらに
キュリー温度の大幅な低下をもたらすためリフロー耐熱
が著しく劣化するためである。xはP/Vを向上し、ス
プリアスの発生を抑制し、リフロー耐熱を向上するとい
う観点から、0.03≦x≦0.05であることが望ま
しい。 【0018】上記組成式において、yを0.10≦y≦
0.20、の範囲に設定した理由は、PbのCaによる
適量置換は、発振周波数の温度特性に顕著な影響を及ぼ
す効果があるが、yが0.10未満の場合、−40℃〜
+150℃の温度範囲で、発振周波数の温度変化率が±
0.3%の範囲を超えてしまうからである。一方、0.
20をこえる場合、キュリー温度が下がりリフローおよ
びヒートショックの各耐熱が満足できなくなるからであ
る。yは、発振周波数の温度変化率を±0.3%の範囲
内とし、リフローおよびヒートショックの各耐熱を向上
するという観点から、0.12≦y≦0.17であるこ
とが望ましい。 【0019】Tiの(Mg1/3 Sb2/3 )、(Fe1/2
Sb1/2 )による置換量をそれぞれ0〜0.03とした
のは、厚み滑り振動の基本波振動のP/Vを大きくする
効果があるが、Tiに対する置換量a、bは、単独置換
の場合0.03より多いとP/Vが小さくなるととも
に、ヒートショックの耐熱性が悪化するからである。
a、bは、P/Vおよびヒートショックの耐熱性を向上
するという観点から、それぞれ0.01≦a≦0.0
3、0.01≦b≦0.03を満足することが望まし
い。また、0.01≦a+b≦0.04の範囲に設定し
た理由は、a+bが0.01より小さいとP/Vが小さ
くなり、発振余裕度が無くなり発振停止を招き易くなる
ためである。a+bとなるように複合的な置換を行なう
と、置換量の上限が0.04まで拡がるが、a+bが
0.04を超える置換は、耐熱性を劣化させる。a、b
は、厚み滑り振動の基本波振動のP/Vを大きくし、ヒ
ートショックの耐熱性を向上するという観点から、それ
ぞれ0.015〜0.025であることが望ましい。ま
たa+bの値においても厚み滑り振動の基本波振動のP
/Vを大きくし、ヒートショックの耐熱性を向上すると
いう観点から0.02≦a+b≦0.03であることが
望ましい。 【0020】cを0.01≦c≦0.03の範囲に設定
した理由は、TiのMnによる適量置換はP/Vの向上
に大きく寄与するが、cが0.01未満の場合、P/V
向上にさほど寄与しない。cが0.03より多くなる
と、P/Vを逆に小さくしてしまうからである。cは、
P/V値を向上するという観点から0.02≦c≦0.
03であることが望ましい。 【0021】Mg含有化合物および/またはCu含有化
合物の含有量を、主成分100モル部に対して0.2〜
1モル部としたのは、適量含有は、P/Vの向上に大き
く寄与するが、含有量が0.2モル部より少なくなると
P/Vが大幅に減少し、1.0モル部より多いと、析出
相が生成し、スプリアスの発生とともに、焼結時に磁器
同士の接合が生じ、磁器歩留を低化する原因となる。M
g含有化合物および/またはCu含有化合物の含有量
は、高いP/Vとともに、焼成時での素子内接着がない
という点から、MgO、CuO換算で0.5〜0.7モ
ル部含有することが望ましい。 【0022】本発明の圧電磁器組成物では、Mg含有化
合物またはCu含有化合物のいずれか一方、またはこれ
らを同時に含有しても良いが、その合量は主成分100
モル部に対して0.2〜1モル部含有する必要がある。
Mg含有化合物としては、MgO、MgCO3 、Mg
(CH3 COO)2 ・4H2 Oがあり、Cu含有化合物
としては、CuOがある。 【0023】本発明の圧電磁器組成物は、特に、金属元
素のモル比による組成式を、Pb1- x-y Ndx Ca
y (Mg1/3 Sb2/3 a (Fe1/2 Sb1/2 b Mn
c Ti1- a-b-c 3 と表した時、前記x、y、a、bお
よびcが、0.03≦x≦0.05、0.12≦y≦
0.17、0.01≦a≦0.03、0.01≦b≦
0.03、0.015≦a+b≦0.025、0.02
≦c≦0.03を満足する主成分と、該主成分100モ
ル部に対して、Mg含有化合物および/またはCu含有
化合物を、MgO、CuO換算で0.5〜0.7モル部
含有することが望ましい。 【0024】また、本発明の圧電磁器組成物は、粉砕時
のZrO2 ボールからZr等が混入する場合もある。 【0025】本発明の圧電磁器組成物では、結晶相とし
てPb1-x-y Ndx Cay (Mg1/ 3 Sb2/3 a (F
1/2 Sb1/2 b Mnc Ti1-a-b-c 3 で表される
ペロブスカイト型結晶相を主結晶相とするものである。
MgやCuは、主結晶相中に固溶し、一部MgO、Cu
Oの結晶として析出する場合がある。また、本発明の圧
電磁器組成物では、その他の結晶相として、パイロクロ
ア相が存在することもあるが、微量であれば特性上問題
ない。 【0026】本発明の圧電磁器組成物は、例えば、原料
として、Pb3 4 、Nd2 3 、CaCO3 、MnO
2 、TiO2 、MgCO3 、Fe2 3 、Sb2 3
Fe2 3 、CuOからなる各種酸化物を用いる。原料
はこれに限定されず、焼成により酸化物を生成する炭酸
塩、硝酸塩等の金属塩を用いても良い。 【0027】これらの原料を上記した組成となるように
秤量し、混合し、この混合物を950〜1050℃で仮
焼し、所定の有機バインダを加え乾式混合し、整粒す
る。このようにして得られた粉体を、公知のプレス成形
等により所定形状に成形し、大気中等の酸化性雰囲気に
おいて1150〜1300℃の温度範囲で2〜5時間焼
成し、本発明の圧電磁器組成物が得られる。 【0028】本発明の圧電磁器組成物は、図1に示すよ
うなコルピッツ型発振回路の発振子の圧電磁器組成物と
して最適であるが、それ以外の発振子、超音波振動子、
超音波モータ及び加速度センサ、ノッキングセンサ、A
Eセンサ等の圧電センサなどに最適であり、特に厚み滑
り振動の基本波振動を利用する高周波用として最適な圧
電磁器組成物である。 【0029】 【実施例】原料として、Pb3 4 、Nd2 3 、Ca
CO3 、MnO3 、TiO3 、MgCO3 、Fe
2 3 、Sb2 3 、Fe2 3 、CuOからなる各種
酸化物を用い、焼結体が表1の組成となるように秤量
し、ZrO2 ボールを用いたボールミルにて24時間湿
式混合した。 【0030】次いで、この混合物を脱水、乾燥した後、
1000℃で2時間仮焼し、適量の有機バインダを加え
乾式混合し、メッシュの容器を通し整粒した。このよう
にして得られた粉体を1.5ton/cm2 の圧力で長
さ25mm、幅38mm、厚み1.0mmの板状に成形
し、大気中において1250℃の温度で3時間本焼成し
圧電磁器を得た。 【0031】その後、長さ6mm、幅30mm、厚み
0.19mmに加工し、長さ6mm方向に分極するため
の端面電極を形成し分極処理を施した。その後、分極用
電極を除去し、長さ6mmと幅30mmからなる面の両
面にAg−Crを蒸着し、250℃で3時間のアニール
処理を施した。 【0032】その後、図2に示す電極構造となるよう
に、無電極に相当する部位の電極をエッチングで除去
し、長さ4.0mm(L)、幅1.0mm(W)、厚み
0.19mm(H)形状に加工し、8MHz発振に相当
する厚み滑り振動の基本波振動用発振子を得た。 【0033】発振子の特性は、インピーダンスアナライ
ザによりインピーダンス波形を測定し、厚み滑り振動の
基本縦振動でのP/Vを以下の式により算出した。さら
に、コルピッツ型発振回路を用いて発振周波数の温度特
性を調査した。耐熱性は、150℃での高温放置及びリ
フロー耐熱およびヒートショックの試験を行い、発振周
波数Fosc の変化率として捉えた。 【0034】尚、150℃での高温放置は150℃で1
000時間放置した。リフロー試験はリフロー炉を用い
て、試験片が最高温度250℃で20秒間さらされるよ
うにした。また、ヒートショックは、−55℃で30分
間保持した後、150℃で30分間保持する操作を1サ
イクル(1時間)として500サイクル繰り返した。 【0035】P/V=20×Log(Ra /R0 ) 但し、Ra :反共振インピーダンス R0 :共振インピーダンス 発振周波数の温度変化率は25℃を基準にして、以下の
式により算出した。 【0036】Fosc 変化率(%)={(Fosc (drift)
−Fosc (25))/Fosc (25)}×100、但し、Fosc
(drift) は、−40℃もしくは+150℃での発振周波
数であり、Fosc (25)は25℃での発振周波数である。 【0037】150℃での高温放置及びリフローおよび
ヒートショックの各耐熱試験の評価を、 Fosc 変化率(%)={(処理後のFosc −処理前のF
osc )/処理前のFosc }×100 の式により行った。 【0038】焼成時において、ウエーハー(成形体)を
15層積み重ねて焼成した場合の磁器同士の接合による
磁器歩留において、80%以上の歩留を○、80%未満
の歩留を×とした。これらの結果を表2に示す。 【0039】 【表1】【0040】 【表2】【0041】8MHzでの発振子特性において、安定し
た発振を保証するためには、P/Vは基本波振動で65
dB以上あり、また、発振周波数の温度変化率で±0.
3%以下で、150℃での高温放置やリフロー耐熱やヒ
ートショックの耐熱性で、発振周波数の変化率がそれぞ
れ±0.1%以下であることが望まれる。 【0042】表1および表2から明かなように、本発明
の範囲内の試料では、厚み滑り振動の基本波振動のP/
V値を65dB以上と大きくできることが判る。これに
より、発振の安定化が図られ、優れた発振性能を保証す
ることができる。さらに、本発明の試料では、発振周波
数の温度変化率が小さく、特に試料No.4において
は、発振周波数の温度変化率が−40℃で+0. 18
%、+150℃で−0.13%と著しく小さな変化量で
あり、発振周波数の温度安定性に優れていることが判
る。さらに、耐熱性においても、150℃での高温放
置、リフロー耐熱、ヒートショック耐熱ともにその変化
率は著しく小さく、耐熱性においても優れていることが
判る。 【0043】一方、比較例である試料No.14、24な
どでは厚み滑り振動の基本波振動のP/Vが小さく不発
振となる。比較例である試料No.9、19などでは−4
0℃〜+150℃での発振周波数の温度変化率が大き
く、高精度な発振特性が得られないことがわかる。 【0044】このように、本発明の圧電磁器組成物にお
いては、厚み滑り振動の基本波振動のP/Vを大きくす
るとともに、−40℃〜+150℃での発振周波数の温
度変化率を小さくできたことから、安定した高精度な発
振性能が得られる。しかも耐熱性に優れ、−40〜+1
50℃の広範囲な温度範囲で、発振子として使用するこ
とができる。 【0045】また、試料No.4を図2の発振子の圧電磁
器に用いた場合のインピーダンス特性を図3に示す。 【0046】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係わる圧
電磁器組成物は、厚み滑り振動の基本波振動のP/Vを
大きくしながら、さらに発振周波数の温度変化率が小さ
く、さらに150℃での高温放置及びリフロー耐熱及び
ヒートショックの各耐熱に優れており、これにより、発
振余裕度が高まり安定した発振と、発振周波数の温度安
定性に優れた高精度な発振が得られると共に、使用温度
上限を150℃の高温まで可能にした、厚み滑り振動の
基本波振動を用いた2〜14MHz発振子用素子として
好適なSMD対応の発振子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】コルピッツ型の発振回路を示した概略図であ
る。 【図2】8MHz用発振子の概略図である。 【図3】試料No.4のインピーダンス特性を示すグラフ
である。 【符号の説明】 11、12・・・コンデンサ 13・・・抵抗 14・・・インバータ 15・・・発振子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−133827(JP,A) 特開 平8−26825(JP,A) 特開 平4−209762(JP,A) 特開 平11−180768(JP,A) 特開 平10−279351(JP,A) 特開2000−103670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】金属元素としてPb、Nd、Ca、Mn、
    SbおよびTiと、Mgおよび/またはFeを含むペロ
    ブスカイト型複合酸化物であって、モル比による組成式
    を、 Pb1-x-y Ndx Cay (Mg1/3 Sb2/3 a (Fe
    1/2 Sb1/2 bMnc Ti1-a-b-c 3 と表した時、前記x、y、a、bおよびcが、 0.02 ≦ x ≦ 0.06 0.10 ≦ y ≦ 0.20 0 ≦ a ≦ 0.03 0 ≦ b ≦ 0.03 0.01 ≦ a+b ≦ 0.04 0.01 ≦ c ≦ 0.03 を満足する主成分と、該主成分100モル部に対して、
    Mg含有化合物および/またはCu含有化合物を、Mg
    O、CuO換算で合計0.2〜1.0モル部含有するこ
    とを特徴とする圧電磁器組成物。
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