JP2000103081A - インクジェット記録装置及びインクジェットヘッド装置 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェットヘッド装置

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JP2000103081A
JP2000103081A JP27310798A JP27310798A JP2000103081A JP 2000103081 A JP2000103081 A JP 2000103081A JP 27310798 A JP27310798 A JP 27310798A JP 27310798 A JP27310798 A JP 27310798A JP 2000103081 A JP2000103081 A JP 2000103081A
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Japan
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temperature
ink
flow path
printable
heating
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JP27310798A
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Yoshibumi Suzuki
義文 鈴木
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Brother Industries Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの吐出を不安定とすることなく、画像記
録が可能となるまでの立ち上げ時間を短縮することので
きるインクジェット記録装置を提供すること。 【解決手段】 インクタンク3に取り付けられる流路プ
レート5において、インク流路3の周囲に間接的な加熱
手段としての流路プレートヒータ6のパターンが位置す
るように流路プレートヒータ6を配置し、インク流路3
の内部には、直接的な加熱手段として流路ヒータ9を配
置する。電源投入後の立ち上げ時等においては、流路プ
レートヒータ6と流路ヒータ9の双方のヒータを駆動
し、印字可能温度に達した以降は、流路プレートヒータ
6のみにより温度制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形インクを加熱
溶融し、ノズルから吐出するインクジェットヘッド装
置、及びこのインクジェットヘッド装置を備えたインク
ジェット記録装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置としての
インクジェットプリンタのうち、固形インクを用いたプ
リンタにおいては、例えば図6(B)に示すようなイン
クジェットヘッド装置100によりインクの吐出を行っ
ている。
【0003】図6(B)に示すインクジェットヘッド装
置100は、インクタンク101と、タンクヒータ10
2と、プレート103と、プレートヒータ104と、ヘ
ッド105とを備えている。
【0004】インクタンク101は、固形インクとして
の所謂ホットメルトインクを収容するタンクであり、該
インクタンク101内のホットメルトインクは、インク
タンク101の底部に取り付けられたタンクヒータ10
2により加熱溶融される。
【0005】インクタンク101の前面壁には、プレー
トヒータ104を備えたプレート103が取り付けられ
ており、図6(A)に示すプレート103の流入口10
6と、インクタンク101の図示しないインク供給口と
が連通している。
【0006】プレート103の内部には図6(A)に示
すようにインク流路107が形成されており、該インク
流路107には、前記インク流入口106と、ヘッド1
05の図示しないインク流入口と連通したインク供給口
108が設けられている。
【0007】プレート103の後面壁にはプレートヒー
タ104と、サーミスタ109が取り付けられており、
該プレートヒータ104はサーミスタ109により検知
した温度が一定の温度となるように駆動され、インク流
路107の温度を一定の温度に保つように構成されてい
る。
【0008】ヘッド105は、前記インク流入口が設け
られたインク溜まりと、該インク溜まりからインクが供
給されるインク圧力室と、該インク圧力室と連通するノ
ズルとを備えた図示しないキャビティプレートが、図示
しない圧電素子と接合されて構成されており、前記プレ
ート103の前面壁に取り付けられている。
【0009】以上のような構成において、インクジェッ
トプリンタの電源が投入されると、タンクヒータ102
への通電が開始され、インクタンク101内のホットメ
ルトインクの加熱が開始される。また、同時にプレート
ヒータ104への通電も開始され、インク流路107に
残留したインクの加熱が開始される。
【0010】次に、タンクヒータ102及びプレートヒ
ータ104の温度が所定の温度に達すると、インクタン
ク101に接続された図示しないポンプからエアーが供
給され、インクタンク101内の溶融したインクは当該
エアーにより加圧されて、インク供給口から吐出され
る。このように吐出したインクは、プレート103のイ
ンク流入口106からインク流路107内に流れ込み、
当該インク流路107内に残留していたインク及びエア
ーと共に、インク供給口108から排出される。排出さ
れたインクは、ヘッド105のインク流入口からインク
溜まりに供給され、更にインク圧力室を通ってノズルか
ら吐出される。
【0011】このようにして、インク流路107に残留
していたインク及びエアーが排出されると共に、新たな
インクがインク流路107及びインク溜まりに供給さ
れ、画像記録のためのインク吐出動作が可能な状態とな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のインクジェットプリンタにおいては、インク流路1
07のインクは間接的に加熱されるため、所定の温度ま
で上昇する速度が遅く、電源を投入してからパージ処理
を行い、画像記録が可能となるまでの立ち上げに多くの
時間を必要としていた。
【0013】この問題を解決するためには、例えばイン
ク流路107にヒータを設け、インクを直接ヒータで加
熱溶融する構成にすることも考えられるが、このように
構成した場合には、温度制御時のヒータの温度変化によ
り、インクが膨張・伸縮を繰り返し、ヘッド105のメ
ニスカスがこのインクの膨張・伸縮で発生した圧力の影
響を受け、吐出が不安定になるという問題が生ずる。
【0014】そこで、従来は、図6(A)に示すよう
に、インク流路107の周囲にヒータ104のパターン
110を設け、間接的にインクを加熱溶融することによ
り、インクの溶融効率を低下させざるを得なかった。
【0015】従って、従来のインクジェットプリンタに
おいては、電源の投入から画像記録が可能となるまでの
立ち上げ時間を短縮することが出来なかった。
【0016】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、インクの吐出を不安定とすることな
く、画像記録が可能となるまでの立ち上げ時間を短縮す
ることのできるインクジェットヘッド装置及びこれを備
えたインクジェット記録装置を提供することを課題とし
ている。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインク
ジェット記録装置は、前記課題を解決するために、常温
で固相状態にある固体インクを加熱、溶融し、液相状態
のインクを吐出して印字を行うホットメルト型のインク
ジェット記録装置であって、インクの吐出を行う吐出口
を備えたインクジェットヘッドと、前記吐出口との連通
口を有するインク流路が形成され、当該連通口を前記吐
出口と連通させるように前記インクジェットヘッドに連
結されたインク供給手段と、前記インク流路の表面若し
くはインク流路内部に取り付けられた直接加熱手段と、
前記インク流路以外の前記インク供給手段の表面若しく
はインク供給手段の内部に取り付けられた間接加熱手段
とからなり、インクの加熱と溶融と保温を行うインク供
給手段用加熱手段と、前記インク供給手段に具備された
温度検知手段と、前記温度検知手段により検知した温度
が所定の目標温度となるように前記加熱手段の駆動を制
御する制御手段とを備え、前記制御手段は、少なくとも
前記インク供給手段用加熱手段については、前記温度検
知手段による検知温度を所定の目標の温度に維持する温
度維持期間は、前記間接加熱手段のみを駆動させ、前記
温度維持期間における温度変化幅よりも大きな温度変化
幅で前記検知温度を目標の温度まで上昇させる温度上昇
期間は、少なくとも前記直接加熱手段を駆動させること
を特徴とする。
【0018】請求項1に記載のインクジェット記録装置
によれば、温度維持期間においては、インク供給手段に
具備された温度検知手段による検知温度が所定の目標の
温度を維持するように、インク供給手段の表面若しくは
インク供給手段の内部に取り付けられた間接加熱手段の
みがオン/オフ駆動される。その結果、インク供給手段
に形成さけたインク流路内の温度は適切な温度に維持さ
れ、当該インク流路内のインクの流動抵抗も適切な値に
維持される。また、この温度維持期間においてオン/オ
フ駆動されるインク供給手段用の加熱手段は、インク流
路を間接的に加熱する間接加熱手段だけなので、インク
流路内のインクは間接加熱手段の温度変動の影響を直接
受けることがなく、インク流路内で膨張・伸縮を繰り返
す現象は発生するが、インクの膨張・伸縮によるインク
ジェットヘッドの吐出口内部における圧力の変動は少な
い、当該吐出口に形成されたメニスカスが当該圧力によ
って変動しても、無視出来るレベルであり、安定したイ
ンクの吐出が行われることになる。
【0019】一方、温度上昇期間においては、前記温度
維持期間における温度変化幅よりも大きな温度変化幅で
前記温度検知手段による検知温度を目標の温度まで上昇
させるように、少なくとも前記インク流路の表面若しく
はインク流路内部に取り付けられた直接加熱手段が駆動
される。その結果、インク流路は直接加熱手段によって
直接加熱され、前記目標の温度まで短時間で上昇するこ
とになり、温度上昇のための待ち時間を短縮させる。
【0020】請求項2に記載のインクジェット記録装置
は、前記課題を解決するために、請求項1に記載のイン
クジェット記録装置において、前記制御手段は、前記温
度上昇期間において、前記間接加熱手段と前記直接加熱
手段の双方を駆動することを特徴とする。
【0021】請求項2に記載のインクジェット記録装置
によれば、前記温度上昇期間においては、前記間接加熱
手段と前記直接加熱手段の双方が駆動される。従って、
インク流路は直接加熱手段によって直接加熱されると共
に、間接加熱手段によっても間接的に加熱されるので、
前記目標の温度までより一層短時間で上昇することにな
り、温度上昇のための待ち時間をより一層短縮させる。
【0022】することを特徴とする。
【0023】請求項3に記載のインクジェット記録装置
は、前記課題を解決するために、請求項1または請求項
2に記載のインクジェット記録装置において、前記イン
ク流路内に圧力変動を与える圧力変動手段を更に備え、
前記制御手段は、インクジェット記録装置に対する電源
投入後に、前記温度上昇期間における加熱手段の駆動制
御を行い、前記温度検知手段による検知温度が前記温度
上昇期間における目標の温度に到達した後に前記圧力変
動手段を駆動させることにより前記インク流路内の残留
インク及び残留空気を前記吐出口から吐出させるパージ
処理を行い、残留インク及び残留空気の吐出後に前記直
接加熱手段を停止させることを特徴とする。
【0024】請求項3に記載のインクジェット記録装置
によれば、インクジェット記録装置に対する電源投入後
において、前記温度維持期間における温度変化幅よりも
大きな温度変化幅で温度検知手段による検知温度を目標
の温度まで上昇させるように、少なくとも前記直接加熱
手段を駆動させる。その結果、所定時間経過後に前記検
知温度は前記目標の温度に到達するので、圧力変動手段
を駆動させて前記インク流路内に圧力変動を与える。こ
の圧力変動により、前記インク流路内の残留インク及び
残留空気は前記吐出口から吐出され、パージ処理が行わ
れる。このように、電源投入後からパージ処理が行われ
るまでの時間は、前記検知温度が前記目標の温度に到達
するまでの時間に左右されることになるが、インク流路
の加熱は少なくとも前記直接加熱手段により直接的に行
われるので、前記検知温度は短時間で前記目標の温度に
到達する。従って、電源投入後からパージ処理が行われ
るまでの時間が短縮される。また、残留インク及び残留
空気の吐出後には、前記直接加熱手段は停止れるので、
不必要な電力消費が抑えられるだけでなく、直接加熱手
段によりインク流路内のインクを膨張・伸縮させること
がないので、前記吐出口に形成されるメニスカスの変動
を生じさせず、安定したインクの吐出が行われることに
なる。
【0025】請求項4に記載のインクジェット記録装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記制御手段は、インクが印字可能状態になる印字
可能温度を目標の温度として前記温度上昇期間における
加熱手段の駆動制御を行い、前記印字可能温度を目標の
温度として前記温度維持期間における加熱手段の駆動制
御を行うことを特徴とする。
【0026】請求項4に記載のインクジェット記録装置
によれば、例えば電源投入直後においては、インク流路
の温度は室温に近い温度になっているが、インクが印字
可能状態になる印字可能温度を目標の温度として、少な
くとも前記直接加熱手段の駆動が行われる。従って、イ
ンク流路の温度は室温から印字可能温度まで短時間で到
達し、電源投入直後から印字可能となるまでの時間が短
縮される。また、インク流路の温度が印字可能温度に達
した後は、当該印字可能温度を目標の温度として前記間
接加熱手段のみがオン/オフ駆動される。従って、イン
ク流路の温度は前記印字可能温度に維持され、良好なイ
ンク吐出が行われ、かつ、直接加熱手段によりインク流
路内のインクを膨張・伸縮させることがないので、前記
吐出口に形成されるメニスカスの変動を生じさせず、安
定したインクの吐出が行われることになる。
【0027】請求項5に記載のインクジェット記録装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記制御手段は、インクが印字可能状態になる印字
可能温度よりも低い待機温度を目標の温度として前記温
度維持期間における加熱手段の駆動制御を行い、前記印
字可能温度を目標の温度として前記温度上昇期間におけ
る加熱手段の駆動制御を行うことを特徴とする。
【0028】請求項5に記載のインクジェット記録装置
によれば、例えば印字動作が行われていない場合には、
インクが印字可能状態になる印字可能温度よりも低い待
機温度を目標の温度として前記間接加熱手段のみのオン
/オフ駆動が行われる。従って、不必要な電力消費が抑
えられる。また、印字動作が行われる場合には、前記印
字可能温度を目標の温度として、少なくとも前記直接加
熱手段が駆動され、前記印字可能温度よりも低い待機温
度から印字可能温度までインク流路の温度を上昇させ
る。従って、インク流路の温度は、室温から印字可能温
度まで上昇させる場合よりも更に短時間で印字可能温度
到達し、電源投入直後から印字可能となるまでの時間が
より一層短縮される。
【0029】請求項6に記載のインクジェット記録装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
の何れか一項に記載のインクジェット記録装置におい
て、通常モードと待機モードとのモード設定手段を更に
備え、前記制御手段は、前記モード設定手段により通常
モードが設定された場合には、インクが印字可能状態に
なる印字可能温度を目標の温度として前記温度上昇期間
における加熱手段の駆動制御を行い、前記印字可能温度
を目標の温度として前記温度維持期間における加熱手段
の駆動制御を行うと共に、前記モード設定手段により待
機モードが設定された場合には、前記印字可能温度より
も低い待機温度を目標の温度として前記温度維持期間に
おける加熱手段の駆動制御を行い、前記印字可能温度を
目標の温度として前記温度上昇期間における加熱手段の
駆動制御を行うことを特徴とする。
【0030】請求項6に記載のインクジェット記録装置
によれば、モード設定手段により、通常モードが設定さ
れた場合には、インクが印字可能状態になる印字可能温
度を目標の温度として、少なくとも前記直接加熱手段を
駆動させ、例えば室温または印字可能温度よりも低い温
度から印字可能温度までインク流路の温度を上昇させ
る。従って、インク流路は直接加熱手段により直接的に
加熱されるので、短時間で前記印字可能温度に到達し、
通常モードに設定してから印字が可能となるまでの時間
が短縮される。
【0031】また、前記モード設定手段により待機モー
ドが設定された場合には、前記印字可能温度よりも低い
待機温度を目標の温度として前記間接加熱手段のみのオ
ン/オフ駆動が行われる。従って、不必要な電力消費が
抑えられる。更に、待機モードから通常モードへモード
が変更された場合には、前記印字可能温度を目標の温度
として、少なくとも前記直接加熱手段が駆動される。従
って、インク流路の温度は、室温から印字可能温度まで
上昇させる場合よりも更に短時間で印字可能温度到達
し、待機モードから通常モードに切り換えた際の印字可
能となるまでの時間がより一層短縮される。
【0032】請求項7に記載のインクジェットヘッド装
置は、前記課題を解決するために、常温で固相状態にあ
る固体インクを加熱、溶融し、液相状態のインクを吐出
して印字を行うホットメルト型のインクジェット記録装
置におけるインクジェットヘッド装置であって、インク
の吐出を行う吐出口を備えたインクジェットヘッドと、
前記吐出口との連通口を有するインク流路が形成され、
当該連通口を前記吐出口と連通させるように前記インク
ジェットヘッドに連結されたインク供給手段と、前記イ
ンク供給手段におけるインクの加熱、溶融と保温を行う
インクの加熱手段とを備え、前記インク供給手段におけ
る加熱手段は、前記インク流路以外の前記インク供給手
段の表面若しくは内部と、前記インク流路の表面若しく
は内部に取り付けられていることを特徴とする。
【0033】請求項7に記載のインクジェットヘッド装
置によれば、インク流路以外のインク供給手段の表面若
しくは内部と、前記インク流路の表面若しくは内部に取
り付けられた二種類の加熱手段を備えているので、イン
ク流路の温度を急激に上昇させる必要のある場合には、
少なくとも前記インク流路の表面若しくは内部に取り付
けられた加熱手段を駆動させることにより、インク流路
を直接的に加熱して、短時間で所望の温度まで上昇させ
る。また、インク流路内の温度変化を抑える必要のある
場合には、インク流路以外のインク供給手段の表面若し
くは内部に取り付けられた加熱手段を駆動させることに
より、間接的にインク流路を加熱して、大きな温度変動
を生じさせることなく、インク流路の温度は所望の温度
に維持される。本発明は、以上のような二種類のインク
供給手段用の加熱手段を有しているので、所望の温度ま
での上昇期間の短縮と、安定したインクの吐出を両立さ
せる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面の図1乃至図5に基づいて説明する。なお、本実施
形態では、インクジェット記録装置の一例として、ホッ
トメルトインクを使用するプリンタ、特に、圧電素子を
用いたインクジェットヘッド装置を備えたプリンタであ
って、複数色のインクを吐出してカラー印刷を行うプリ
ンタについて説明する。
【0035】まず、本実施形態のプリンタの機構につい
て説明する。図1は本実施形態のプリンタの一部機構を
取り出して示す外観斜視説明図であり、図2は図1に示
すプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。
【0036】図1に示すように、本実施形態のプリンタ
1には、インクジェットヘッド装置としての記録ヘッド
10が設けられている。この記録ヘッド10は、イエロ
ーインクを吐出するイエロー用ヘッド11、マゼンタイ
ンクを吐出するマゼンタ用ヘッド12、シアンインクを
吐出するシアン用ヘッド13、及びブラックインクを吐
出するブラック用ヘッド14から構成される。また、図
示しないが、各ヘッドの内部には、インクが充填される
と共に、インク吐出ノズルの設けられた複数のインク圧
力室が形成されており、各インク圧力室には、インク圧
力室の容積を変化させるエネルギー発生手段としての圧
電素子が設けられている。
【0037】記録ヘッド10は、キャリッジ21の上に
搭載されており、キャリッジ21には、プリント用紙2
0の幅方向に設けられたガイド軸22が挿通されてい
る。このガイド軸22に沿ってその下方には、複数のス
リット(目盛)が印されたタイミングスリット26が設
けられており、キャリッジ21の前面下部には、タイミ
ングスリット26に印されたスリットの数を読み取るエ
ンコーダ素子27が設けられている。キャリッジ21
は、タイミングスリット26に沿ってその下方に設けら
れた無端ベルト23に取り付けられけており、その無端
ベルト23は、CRモータ24のプーリ25に掛けられ
ている。これら、キャリッジ21、ガイド軸22、無端
ベルト23、及びCRモータ24等でキャリッジ機構が
構成される。
【0038】なお、プリント用紙20は、LF(Line F
eed)モータ29により回転される給紙ローラ28と、
この給紙ローラと対に設けられた押さえローラ(図示せ
ず)との間に挟まれて上下方向に送られる。
【0039】次に、プリンタ1の制御系の構成について
図2を参照して説明する。プリンタ1の制御部2には、
各種演算処理を行う制御手段としてのCPU30が備え
られており、CPU30には、ホストコンピュータ60
から出力される信号をCPU30における演算処理に用
いる信号に変換するインターフェース61、後述するプ
レート4の温度を検知する温度センサ31、後述するイ
ンクタンク6内インクの温度を検知する温度センサ3
2、プリンタ1の各種動作状態をLEDで表示するスイ
ッチパネル33、前記演算処理に用いるプログラムなど
の記憶されたROM34及びRAM35がそれぞれ接続
されている。
【0040】CPU30は、ホストコンピュータ60か
らインターフェース61を介して出力されたプリントデ
ータを入力し、そのプリントデータを前記ROM34か
ら読み出したプリントプログラムに取り込んで、LFモ
ータ29、CRモータ24、及び記録ヘッド10を駆動
するためのデータを演算する。
【0041】そして、前記演算されたデータのうち、L
Fモータ29を駆動するためのLFモータ駆動データ
は、LF駆動回路36に入力され、このLF駆動回路3
6から出力されるLFモータ駆動信号に従ってLFモー
タ29が駆動される。つまり、このLFモータ29の駆
動により、プリンタ用紙20の縦方向への紙送りが行わ
れる。
【0042】また、前記演算されたデータのうち、CR
モータ24を駆動するためのCRモータ駆動データは、
CR駆動回路37に入力され、このCR駆動回路37か
ら出力されるCRモータ24の駆動により、キャリッジ
21は、ガイド軸22に沿ってプリント用紙20の幅方
向に往復動する。そして、前記演算されたデータのう
ち、記録ヘッド10を駆動するための記録ヘッド駆動デ
ータが、ヘッド駆動回路38に入力され、このヘッド駆
動回路38から出力される記録ヘッド駆動信号に従って
記録ヘッド10が駆動される。
【0043】つまり、記録ヘッド10に前記ヘッド駆動
信号が入力されると、記録ヘッド10の各エレメントを
構成する圧電素子に電圧が印加され、その圧電素子が設
けられたキャビティの振動板が変位し、キャビティ内の
インクが加圧されてノズルが吐出される。
【0044】CPU30には、CR位置センサ39から
出力されたパルス信号を入力して、そのパルス数をカウ
ントするCR位置カウンタ40と、LFモータ29およ
び紙送り機構47により、プリント用紙20がどのくら
い送られたのかをカウントするLF位置カウンタ41
と、パージ機構42を駆動するカムの回転位置を検出す
るパージ位置カウンタ43とが接続されている。CPU
30は、これらの各カウンタによりカウントされたデー
タに基づいて記録ヘッド10の位置及びカムの回転位置
を演算する。また、前記パージ機構42と紙送り機構4
7とを切替える切替え機構44、キャリッジ21が原点
に復帰していることを検出するHP(ホームポジショ
ン)センサ46、プリント用紙20が存在しないことを
検出するPE(ペーパーエンプティ)センサ48が設け
られている。
【0045】また、後述するインクタンク3内のインク
を加熱溶融するためのタンクヒータ4を駆動するヒータ
駆動回路50、後述するインク流路8内のインクを間接
的に加熱するための流路プレートヒータ6を駆動するヒ
ータ駆動回路51、及び後述するインク流路8内のイン
クを直接的に加熱するための流路ヒータ9を駆動するヒ
ータ駆動回路52がそれぞれCPU30に接続されてい
る。CPU30は、温度センサ31,32によって検知
した温度に基づき、各ヒータ駆動回路50,51,52
に対して制御信号を出力する。これにより、各ヒータ駆
動回路50,51,52は、各ヒータ4,6,9に対す
る通電をオン/オフし、各ヒータ4,6,9が設置され
た箇所の温度を設定温度に保つ。なお、各ヒータの制御
の詳細については後述する。
【0046】次に、記録ヘッド10の構造を図3を用い
て説明する。
【0047】なお、各ヘッドは、同じ構造であるため、
ここでは代表としてイエロー用ヘッド11について説明
する。図3(A)はイエロー用ヘッド11を構成するプ
レート5及びプレートヒータ6並び流路ヒータ9を示す
正面図、図3(B)はイエロー用ヘッド11を側面(図
1において右側面)から見た説明図である。
【0048】図3(B)に示すイエロー用ヘッド11
は、インクタンク3と、タンクヒータ4と、流路プレー
ト5と、流路プレートヒータ6と、ヘッドプレート7と
を備えている。また、イエロー用ヘッド11は、図3
(A)に示すように、流路ヒータ9を備えている。
【0049】インクタンク3は、固形インクとしての所
謂ホットメルトインクを収容するタンクであり、アルミ
ニウムまたはマグネシウムで形成されている。該インク
タンク3内のホットメルトインクは、インクタンク3の
底部に取り付けられたタンクヒータ4により加熱され溶
融する。また、インクタンク3内には、サーミスタから
なる温度センサ32が取り付けられている。
【0050】タンクヒータ4は、ステンレス鋼によって
図3(A)に示すような形状に形成されたパターンが、
ポリイミドフィルムシートに挟持されたシート状ヒータ
であり、インクタンク3の底面に高融点の接着剤により
接着取り付けされる。本実施形態では、タンクヒータ4
として約300Wのものを用いた。なお、ホットメルト
インクには融点が80℃のものを用いた。
【0051】インクタンク3の前面壁には、流路プレー
トヒータ6を備えた流路プレート5が取り付けられてお
り、図3(A)に示す流路プレート5の流入口8aと、
インクタンク3の図示しないインク供給口とが連通して
いる。
【0052】インク供給手段としての流路プレート5
は、アルミニウムまたはマグネシウムで形成された板状
部材であり、内部には図3(A)に示すようにインク流
路8が形成されている。該インク流路8には、前記イン
ク流入口8aと、ヘッドプレート7の図示しないインク
流入口に連通したインク供給口8bとが設けられてい
る。
【0053】インク供給手段用加熱手段であり、間接加
熱手段としての流路プレートヒータ6は、ステンレス鋼
によって図3(A)に示すような形状に形成されたパタ
ーンが、ポリイミドフィルムシートに挟持されたシート
状ヒータであり、流路プレート5には熱硬化型接着剤に
より接着取り付けされる。流路プレートヒータ6のパタ
ーンは、間接的にインク流路8内のインクを加熱または
保温するために、インク流路8の周囲の領域に位置する
ように構成されている。本実施形態では、流路プレート
ヒータ6として約10Wのものを用いた。また、この流
路プレートヒータ6のパターンが位置する流路プレート
5の面には、サーミスタからなる温度検知手段としての
温度センサ31が取り付けられる。
【0054】インク供給手段用加熱手段であり、直接加
熱手段としての流路ヒータ9は、流路プレートヒータ6
と同層内に、ステンレス鋼によって図3(A)に示すよ
うな形状に形成されたパターンが、ポリイミドフィルム
シートに挟持されたシート状ヒータであり、インク流路
8の底面に熱硬化型接着剤により接着取り付けされる。
流路ヒータ9は、直接的にインク流路8内のインクを加
熱するために、インク流路8内に設けられている。本実
施形態では、流路ヒータ9として約10Wのものを用い
た。
【0055】ヘッドプレート5は、前記インク流入口が
設けられたインク溜まりと、該インク溜まりからインク
が供給されるインク圧力室と、該インク圧力室と連通す
るノズルとを備えた図示しないキャビティプレートが、
図示しない圧電素子と接合されて構成されており、前記
流路プレート5の前面壁に取り付けられている。
【0056】次に、以上のように構成されるイエロー用
ヘッド11における温度制御を図4及び図5を用いて説
明する。図4は電源投入後の立ち上げ時から通常動作モ
ードにおける温度制御を示すフローチャートであり、図
5はスリープモードから通常動作モードに移行する際の
温度制御を示すフローチャートである。
【0057】まず、図4を用いて電源投入後の温度制御
について説明する。インクジェットプリンタ1の電源が
投入されると、タンクヒータ4、流路プレートヒータ
6、及び流路ヒータ9への通電が開始される(ステップ
S1)。
【0058】その結果、インクタンク3内及びインク流
路8内のインクは加熱溶融され、固相状態から液相状態
に変化する。但し、液相状態と言っても、インクの温度
によって流動抵抗は異なり、例えばインク流路8内に残
留しているインク及び気泡を除去するパージ処理を実行
可能な程度にインクの流動抵抗を下げるには、インクタ
ンク3及びインク流路8内の温度を例えば115℃まで
上昇させる必要がある。
【0059】従って、電源投入後からパージ処理が可能
となるまでの時間は、インクタンク3及びインク流路8
内の温度が115℃に到達するまでの時間に左右される
ことになる。ここで、インクタンク3とインク流路8を
比較すると、インクタンク3の方が流路プレート5より
も熱容量が小さいため、インクタンク3内の温度がイン
ク流路8内よりも先に115℃に達し、インクタンク3
内のインクが溶融される。
【0060】つまり、インク流路8内の温度を可能な限
り早く目標温度まで上昇させることが、電源投入後から
パージ処理が可能となるまでの時間の短縮につながるの
である。そこで、本実施形態では、流路プレート5にお
いては、インク流路8内のインクを間接的に加熱溶融さ
せる流路プレートヒータ6だけでなく、インク流路8内
のインクを直接的に加熱溶融させる流路ヒータ9を設
け、電源投入後においては双方のヒータを通電させるよ
うに構成した。その結果、流路プレートヒータ6のみを
備えていた従来のインクジェットプリンタに比べて、迅
速にインク流路8内の温度を必要な温度まで上昇させる
ことができた。
【0061】例えば、図3(A)に示すように流路プレ
ート5の中央部付近を測温する温度センサ31による検
知温度が100℃まで上昇した時には、インク流路8内
の温度は115℃に達しており、パージ処理が実行可能
な状態になる。
【0062】本実施形態では、各ヒータへの通電開始後
は、温度センサ31による検知温度が100℃に達した
か否かを判断し(ステップS2)、100℃に達した場
合には(ステップS2;YES)、流路ヒータ9への通
電を停止して(ステップS3)、パージ処理を開始す
る。
【0063】このように、流路プレートヒータ6のみを
備えていた従来のインクジェットプリンタでは、前記温
度センサ31による検知温度が115℃に達するまでパ
ージ処理を実行できなかったのに対し、本実施形態で
は、流路プレートヒータ6による間接的な加熱だけでな
く、流路ヒータ9による直接的な加熱を行うので、前記
温度センサ31による検知温度が100℃に達した時点
でパージ処理を開始することができ、電源投入からパー
ジ処理の開始までの時間を著しく短縮することができ
る。実験では、時間にして約2/3程度短縮することが
できた。
【0064】パージ処理は例えば次のように行われる。
まず、インクタンク3に接続された図示しない圧力変動
手段としてのポンプからエアーを供給し、インクタンク
3内の溶融したインクを当該エアーにより加圧して、イ
ンク供給口から吐出させる。これにより、インクは、流
路プレート5のインク流入口8aからインク流路8内に
流れ込み、当該インク流路8内に残留していたインク及
びエアーを、インク供給口8bから排出させる。排出さ
れたインクは、ヘッドプレート7のインク流入口からイ
ンク溜まりに供給され、更にインク圧力室を通ってノズ
ルから吐出される。このようにして、インク流路8また
はノズル等に残留していたインク及びエアーが排出され
ると共に、新たなインクがインク流路7及びインク溜ま
りに供給され、画像記録のためのインク吐出動作が可能
な状態となる。なお、パージ処理はこのような方法に限
定されるものではなく、ノズルから負圧を与えて残留イ
ンクやエアー等を吸い取る方法を用いても良い。
【0065】以上のようなパージ処理が終了した後は、
目標温度を例えば印字可能温度である125℃に保つよ
うに、ヒータ駆動回路50,51を用いてタンクヒータ
4及び流路プレートヒータ6への通電をオン/オフ制御
する(ステップS4)。この状態においては、インク流
路8内の流路ヒータ9はオフ状態となっているので、イ
ンク流路8内のインクは直接に加熱されない。従って、
インク流路8内のインクが膨張・伸縮を繰り返す現象を
発生させず、この膨張・伸縮時における圧力によりメニ
スカスの位置が変動するという現象を確実に防止するこ
とができる。その結果、ノズルからのインクの吐出が非
常に安定し、良好なプリント動作を行うことができる。
【0066】次に、上述のようにインクタンク3及びイ
ンク流路8の温度を125℃に保つ通常のモードから、
当該温度を125℃よりも低いに温度に設定して待機す
るモードであるスリープモードに移行し、更にその後に
再び通常のモードに復帰する際の温度制御について説明
する。以上のようにタンクヒータ4及び流路プレートヒ
ータ6への通電をオン/オフ制御している間において
も、スリープモードへのモードが切り換えられたか否か
の判断が行われており(ステップS5)、スリープモー
ドへの切り換えが行われたと判断した場合には(ステッ
プS5;YES)、図5に示すスリープモード時の制御
に移行する。
【0067】なお、スリープモードへの切り換えは、モ
ード設定手段としてのSWパネル33におけるスイッチ
の押下、あるいはホスト60からのコマンドの受信等に
より行われる。
【0068】スリープモードに移行すると、目標温度を
待機温度である100℃に設定して、タンクヒータ4及
び流路プレートヒータ6への通電のオン/オフを制御す
る(ステップS10)。
【0069】次に、SWパネル33におけるスイッチの
押下、あるいはホスト60からのコマンドの受信等によ
りスリープモードが解除されたか否かを判断する(ステ
ップS11)。そして、スリープモードが解除されたと
判断した場合には(ステップS11;YES)、流路ヒ
ータ9への通電を開始する(ステップS12)。また、
目標温度を125℃に設定して、タンクヒータ4及び流
路プレートヒータ6への通電のオン/オフを制御する
(ステップS13)。
【0070】従って、インク流路8は、流路プレートヒ
ータ6による間接的な加熱だけでなく、流路ヒータ9に
よる直接的な加熱により、迅速に125℃まで達するこ
とになる。例えば、温度センサ31による検知温度が1
15℃に達した時には、インク流路8内の温度は125
℃に達している。
【0071】そこで、温度センサ31による検知温度が
115℃に達したと判断した場合には(ステップS1
4;YES)、流路ヒータ9への通電を停止して(ステ
ップS15)、図4に示すステップS4以降の制御に移
行する。
【0072】以上のように、本実施形態によれば、スリ
ープモードから通常動作モードへの復帰時においても、
流路ヒータ9を用いてインク流路8を直接加熱するの
で、スリープモードから通常動作モードへの復帰時間を
著しく短縮することができる。本実施形態では時間にし
て約2/3程度に短縮することができた。
【0073】なお、本実施形態においては、流路ヒータ
9への通電停止のタイミングを、温度センサ31による
検知温度が所定の温度に達した時としたが、本発明はこ
れに限られるものではなく、例えばパージ処理の終了後
に流路ヒータ9への通電を停止するようにしても良い。
また、流路ヒータ9への通電開始から所定時間経過後に
通電を停止するようにしても良い。
【0074】また、本実施形態においては、流路ヒータ
9への通電開始タイミングと、流路プレートヒータへの
通電開始タイミングを同時としたが、本発明はこれに限
られるものではなく、例えば、先に流路ヒータ9への通
電を開始した後に、流路プレートヒータ6への通電を開
始したり、あるいは先に流路プレートヒータ6への通電
を開始して、その後に流路ヒータ9への通電を開始する
ようにしても良い。
【0075】また、本実施形態においては、流路ヒータ
9及び流路プレートヒータ6は、それぞれインク流路8
及び流路プレート5の表面に取り付けた例について説明
したが、本発明はこれに限られるものではなく、インク
流路8の内部及び流路プレート5の内部に取り付けるよ
うにしても良い。例えば、インク流路8をパイプ状の部
材で形成し、その内部にコイル状の流路ヒータ9を取り
付けることができる。また、流路プレート5を2枚の板
状部材を張り合わせて構成し、これらの板状部材間に流
路プレートヒータ6を取り付けたり、あるいは流路プレ
ート5の内部に孔状またはスリット状の領域を設け、当
該領域に流路プレートヒータ6を収容するようにしても
良い。
【0076】
【発明の効果】請求項1に記載のインクジェット記録装
置によれば、インク流路の表面若しくはインク流路内部
に取り付けられた直接加熱手段と、インク流路以外のイ
ンク供給手段の表面若しくはインク供給手段の内部に取
り付けられた間接加熱手段とを備え、温度検知手段によ
る検知温度を所定の目標の温度に維持する温度維持期間
は、前記間接加熱手段のみを駆動させ、前記温度維持期
間における温度変化幅よりも大きな温度変化幅で前記検
知温度を目標の温度まで上昇させる温度上昇期間は、少
なくとも前記直接加熱手段を駆動させるので、インクの
膨張・伸縮によるインクジェットヘッドの吐出口内部に
おける圧力の変動を減少させることができ、当該吐出口
に形成されたメニスカスの当該圧力による変動を無視で
きるレベルに抑えることができるので、安定したインク
の吐出を行うことができる。また、インク流路は直接加
熱手段によって直接加熱されるので、前記目標の温度ま
で短時間で上昇させることができ、温度上昇のための待
ち時間を短縮させることができる。このように、本発明
によれば、安定したインクの吐出と温度上昇時間の短縮
を両立することができる。
【0077】請求項2に記載のインクジェット記録装置
によれば、前記温度上昇期間において、前記間接加熱手
段と前記直接加熱手段の双方を駆動するので、インク流
路は直接加熱手段によって直接加熱されると共に、間接
加熱手段によっても間接的に加熱されるので、前記目標
の温度までより一層短時間で上昇させることができ、温
度上昇のための待ち時間をより一層短縮させることがで
きる。
【0078】請求項3に記載のインクジェット記録装置
によれば、インクジェット記録装置に対する電源投入後
に、前記温度上昇期間における加熱手段の駆動制御を行
い、前記温度検知手段による検知温度が前記温度上昇期
間における目標の温度に到達した後に圧力変動手段を駆
動させてインク流路内の残留インク及び残留空気を前記
吐出口から吐出させるパージ処理を行い、残留インク及
び残留空気の吐出後に前記直接加熱手段を停止させるの
で、電源投入後からパージ処理が行われるまでの時間を
短縮することができ、かつ、安定したインクの吐出を行
うことができる。
【0079】請求項4に記載のインクジェット記録装置
によれば、インクが印字可能状態になる印字可能温度を
目標の温度として前記温度上昇期間における加熱手段の
駆動制御を行い、前記印字可能温度を目標の温度として
前記温度維持期間における加熱手段の駆動制御を行うの
で、電源投入直後から印字可能となるまでの時間を短縮
させることができ、かつ、安定したインクの吐出が行う
ことができる。
【0080】請求項5に記載のインクジェット記録装置
によれば、インクが印字可能状態になる印字可能温度よ
りも低い待機温度を目標の温度として前記温度維持期間
における加熱手段の駆動制御を行い、前記印字可能温度
を目標の温度として前記温度上昇期間における加熱手段
の駆動制御を行うので、不必要な電力消費を抑えること
ができ、かつ、電源投入直後から印字可能となるまでの
時間をより一層短縮させることができる。
【0081】請求項6に記載のインクジェット記録装置
によれば、モード設定手段により通常モードが設定され
た場合には、インクが印字可能状態になる印字可能温度
を目標の温度として前記温度上昇期間における加熱手段
の駆動制御を行い、前記印字可能温度を目標の温度とし
て前記温度維持期間における加熱手段の駆動制御を行う
と共に、モード設定手段により待機モードが設定された
場合には、前記印字可能温度よりも低い待機温度を目標
の温度として前記温度維持期間における加熱手段の駆動
制御を行い、前記印字可能温度を目標の温度として前記
温度上昇期間における加熱手段の駆動制御を行うので、
待機モードから通常モードに切り換えた際の印字が可能
となるまでの時間を短縮させることができ、かつ、待機
モード時には不必要な電力消費を抑えることができる。
【0082】請求項7に記載のインクジェットヘッド装
置によれば、インク流路以外のインク供給手段の表面若
しくは内部と、前記インク流路の表面若しくは内部に取
り付けられた二種類の加熱手段を備えているので、所望
の温度までの上昇期間の短縮と、安定したインクの吐出
を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるインクジェットプ
リンタの一部機構を取り出して示す外観斜視説明図であ
る。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタの制御系の
構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すインクジェットプリンタのインクジ
ェットヘッド装置の概略構成を示す図であり、(A)は
インク供給手段及びインク供給手段用加熱手段の構成を
示す正面図、(B)はインクジェットヘッド装置の側面
図である。
【図4】図1に示すインクジェットプリンタにおける電
源投入後の温度制御を示すフローチャートである。
【図5】図1に示すインクジェットプリンタにおけるス
リープモードから通常のモードに復帰する際の温度制御
を示すフローチャートである。
【図6】従来のインクジェットプリンタのインクジェッ
トヘッド装置の概略構成を示す図であり、(A)はイン
ク供給手段及びインク供給手段用加熱手段の構成を示す
正面図、(B)はインクジェットヘッド装置の側面図で
ある。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ 2…制御部 3…インクタンク 4…タンクヒータ 5…流路プレート 6…流路プレートヒータ 7…ヘッドプレート 8…インク流路 9…流路ヒータ 10…記録ヘッド 30…CPU 31…温度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固相状態にある固体インクを加
    熱、溶融し、液相状態のインクを吐出して印字を行うホ
    ットメルト型のインクジェット記録装置であって、 インクの吐出を行う吐出口を備えたインクジェットヘッ
    ドと、 前記吐出口との連通口を有するインク流路が形成され、
    当該連通口を前記吐出口と連通させるように前記インク
    ジェットヘッドに連結されたインク供給手段と、 前記インク流路の表面若しくはインク流路内部に取り付
    けられた直接加熱手段と、前記インク流路以外の前記イ
    ンク供給手段の表面若しくはインク供給手段の内部に取
    り付けられた間接加熱手段とからなり、インクの加熱と
    溶融と保温を行うインク供給手段用加熱手段と、 前記インク供給手段に具備された温度検知手段と、 前記温度検知手段により検知した温度が所定の目標温度
    となるように前記加熱手段の駆動を制御する制御手段と
    を備え、 前記制御手段は、少なくとも前記インク供給手段用加熱
    手段については、前記温度検知手段による検知温度を所
    定の目標の温度に維持する温度維持期間は、前記間接加
    熱手段のみを駆動させ、前記温度維持期間における温度
    変化幅よりも大きな温度変化幅で前記検知温度を目標の
    温度まで上昇させる温度上昇期間は、少なくとも前記直
    接加熱手段を駆動させる、 ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記温度上昇期間にお
    いて、前記間接加熱手段と前記直接加熱手段の双方を駆
    動することを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記インク流路内に圧力変動を与える圧
    力変動手段を更に備え、前記制御手段は、インクジェッ
    ト記録装置に対する電源投入後に、前記温度上昇期間に
    おける加熱手段の駆動制御を行い、前記温度検知手段に
    よる検知温度が前記温度上昇期間における目標の温度に
    到達した後に前記圧力変動手段を駆動させることにより
    前記インク流路内の残留インク及び残留空気を前記吐出
    口から吐出させるパージ処理を行い、残留インク及び残
    留空気の吐出後に前記直接加熱手段を停止させる、 ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、インクが印字可能状態
    になる印字可能温度を目標の温度として前記温度上昇期
    間における加熱手段の駆動制御を行い、前記印字可能温
    度を目標の温度として前記温度維持期間における加熱手
    段の駆動制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求
    項3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、インクが印字可能状態
    になる印字可能温度よりも低い待機温度を目標の温度と
    して前記温度維持期間における加熱手段の駆動制御を行
    い、前記印字可能温度を目標の温度として前記温度上昇
    期間における加熱手段の駆動制御を行う、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に
    記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 通常モードと待機モードとのモード設定
    手段を更に備え、前記制御手段は、前記モード設定手段
    により通常モードが設定された場合には、インクが印字
    可能状態になる印字可能温度を目標の温度として前記温
    度上昇期間における加熱手段の駆動制御を行い、前記印
    字可能温度を目標の温度として前記温度維持期間におけ
    る加熱手段の駆動制御を行うと共に、前記モード設定手
    段により待機モードが設定された場合には、前記印字可
    能温度よりも低い待機温度を目標の温度として前記温度
    維持期間における加熱手段の駆動制御を行い、前記印字
    可能温度を目標の温度として前記温度上昇期間における
    加熱手段の駆動制御を行う、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に
    記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 常温で固相状態にある固体インクを加
    熱、溶融し、液相状態のインクを吐出して印字を行うホ
    ットメルト型のインクジェット記録装置におけるインク
    ジェットヘッド装置であって、 インクの吐出を行う吐出口を備えたインクジェットヘッ
    ドと、 前記吐出口との連通口を有するインク流路が形成され、
    当該連通口を前記吐出口と連通させるように前記インク
    ジェットヘッドに連結されたインク供給手段と、 前記インク供給手段におけるインクの加熱、溶融と保温
    を行うインクの加熱手段とを備え、 前記インク供給手段における加熱手段は、前記インク流
    路以外の前記インク供給手段の表面若しくは内部と、前
    記インク流路の表面若しくは内部に取り付けられてい
    る、 ことを特徴とするインクジェットヘッド装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313654A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットプリンタ
JP2009234221A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Fujifilm Corp 画像形成装置
JP2011051172A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2016030388A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 京セラ株式会社 インクジェットヘッド及びプリンタ

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