JP2000100440A - 非水系二次電池の電極用バインダー溶液、非水系二次電池の電極及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池の電極用バインダー溶液、非水系二次電池の電極及び非水系二次電池

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JP2000100440A
JP2000100440A JP10271440A JP27144098A JP2000100440A JP 2000100440 A JP2000100440 A JP 2000100440A JP 10271440 A JP10271440 A JP 10271440A JP 27144098 A JP27144098 A JP 27144098A JP 2000100440 A JP2000100440 A JP 2000100440A
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polyesteramide
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JP10271440A
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Akihiko Fujiwara
昭彦 藤原
Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
Juichi Fukaya
重一 深谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極活物質の分散性及び塗膜接着性に優れ、
優れたサイクル特性を有する非水系二次電池の電極用バ
インダー溶液、非水系二次電池の電極及び非水系二次電
池を得る。 【解決手段】(1) ポリエステルアミドの溶液からな
り、溶液濃度が1〜10重量%、溶液粘度(B型粘度
計、10rpm、ローターNo. 1、23℃)が100
〜500cpsである非水系二次電池の電極用バインダ
ー溶液、或いは(2)ポリエステルアミド等の熱可塑性
エラストマーの溶液からなり、溶液濃度が1〜10重量
%、溶液粘度(B型粘度計、10rpm、ローターN
o. 1、23℃)が100〜500cpsである溶液中
に、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.05〜1
00μmのゲル粒子が分散されている非水系二次電池の
電極用バインダー溶液を用いて、常法により非水系二次
電池の電極及び電池を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系二次電池の
電極用バインダー溶液、非水系二次電池の電極及び非水
系二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型軽量化に伴い、電
源となる電池も小型軽量で、高いエネルギー密度を有す
る二次電池への要望が高まっている。このような二次電
池として、非水電解液を用いた非水系二次電池、特に非
水系のリチウム二次電池が知られている。
【0003】この種の非水系のリチウム二次電池は、小
型軽量で、高いエネルギー密度が得られるものの、水系
電解液を用いた水系電池に比べて、出力特性が劣る。出
力特性が劣る原因は、非水電解液のイオン電導度が低い
ことに起因している。このような問題を解決する一つの
方法として、可撓性のある薄膜状の電極を用い、これを
セパレーターを介して渦巻き状に構成することが好まし
い。
【0004】そこで、集電体である金属箔の両面に、黒
鉛粉末のような負極の電極活物質をポリフッ化ビニリデ
ン等のバインダーに分散させてペースト状にしたものを
塗着して負極の電極板とし、一方集電体である金属箔の
両面に、LiCoO2 のような正極の電極活物質をポリ
フッ化ビニリデン等のバインダーに分散させてペースト
状にしたもの塗着して正極の電極板とした、非水系のリ
チウム二次電池が提案されている(例えば、特開平4−
249860号公報参照)。
【0005】しかし、上記従来の非水系のリチウム二次
電池において、ポリフッ化ビニリデン等のバインダー
は、数百回以上の充放電を繰り返した場合、黒鉛粉末
(炭素材料)やLiCoO2 (複合酸化物)などの電極
活物質が集電体である金属箔から剥離したり、電極表面
にクラックが発生し、そのため容量が低下して長期の繰
り返し使用は困難である。
【0006】上記問題を解決するために、本発明者等
は、電極用バインダーとしてポリエステルアミドを用い
ることにより、高容量で充放電特性に優れ、長期の繰り
返し使用においても容量維持率の高い非水系二次電池を
得ることができることを見出した。しかし、まだ改善の
余地がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、電極活物質の分散性及び塗膜接着性に優れ、優
れたサイクル特性を有する非水系二次電池の電極用バイ
ンダー溶液、非水系二次電池の電極及び非水系二次電池
を提供することにある。
【0008】上記の目的を達成するために、請求項1の
発明では、ポリエステルアミドの溶液からなり、溶液濃
度が1〜10重量%、溶液粘度(B型粘度計、10rp
m、ローターNo. 1、23℃)が100〜500cp
sであることを特徴とする非水系二次電池の電極用バイ
ンダー溶液が提供される。
【0009】請求項2の発明では、ポリエステルアミド
の融点が130℃以上であり、極限粘度(ウベローデ粘
度計、オルトクロロフェノール溶液、30℃)が0.8
〜8.0dl/gである請求項1に記載の非水系二次電
池の電極用バインダー溶液が提供される。
【0010】請求項3の発明では、ポリエステルアミド
が、下記一般式(1)で表されるジカルボン酸のうち少
なくとも一種と、下記一般式(2)で表されるジオール
のうち少なくとも一種と、還元粘度(濃度1g/dlの
98%硫酸溶液、20℃)が0.5〜7dl/gである
ポリアミドとを反応させてなるポリエステルアミドであ
り、ポリアミド成分の含有量が5〜90重量%である請
求項1又は2に記載の非水系二次電池の電極用バインダ
ー溶液が提供される。 HOOC−R1 −COOH (1) (式中、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基である) HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基である)
【0011】さらに、請求項4の発明では、熱可塑性エ
ラストマーの溶液からなり、溶液濃度が1〜10重量
%、溶液粘度(B型粘度計、10rpm、ローターN
o. 1、23℃)が100〜500cpsである溶液中
に、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.05〜1
00μmのゲル粒子が分散されていることを特徴とする
非水系二次電池の電極用バインダー溶液が提供される。
【0012】請求項5の発明では、ポリエステルアミド
の融点が140℃以上であり、極限粘度(ウベローデ粘
度計、オルトクロロフェノール溶液、30℃)が0.4
〜3.0dl/gである請求項4に記載の非水系二次電
池の電極用バインダー溶液が提供される。
【0013】請求項6の発明では、ポリエステルアミド
が、下記一般式(1)で表されるジカルボン酸のうち少
なくとも一種と、下記一般式(2)で表されるジオール
のうち少なくとも一種と、還元粘度(濃度1g/dlの
98%硫酸溶液、20℃)が0.5〜7dl/gである
ポリアミドとを反応させてなるポリエステルアミドであ
り、ポリアミド成分の含有量が40〜90重量%である
請求項4又は5に記載の非水系二次電池の電極用バイン
ダー溶液が提供される。 HOOC−R1 −COOH (1) (式中、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を表す) HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
【0014】請求項7の発明では、請求項1〜6のいず
れか1項に記載の電極用バインダー溶液に電極活物質を
混合分散させ、これを電極上に塗布し乾燥させて得られ
る非水系二次電池の電極が提供される。
【0015】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の電極を用いて得られる非水系二次電池が提供され
る。
【0016】本発明に用いるポリエステルアミドは、エ
ラストマー特性を担う脂肪族ポリエステルからなるソフ
トセグメントと物理的架橋を担うポリアミドからなるハ
ードセグメントとから構成されるブロック共重合体であ
って、熱可塑性エラストマーの範疇に属するものであ
る。
【0017】ここで、脂肪族ポリエステルとしては特に
限定されず、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを重
縮合させて得られるものが利用できる。
【0018】上記脂肪族ジカルボン酸としては特に限定
されず、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸等が挙げられる。これらの脂肪族ジ
カルボン酸は単独または2種類以上で使用してもよい。
【0019】上記脂肪族ジオールとしては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等が挙げられる。これらの脂肪族ジオールは単独
または2種類以上で使用してもよい。
【0020】なお、上記脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族
ジオールには、得られるポリエステルアミドの物性を損
なわない範囲で、3官能以上の脂肪族ジカルボン酸や脂
肪族ジオールを適宜併用することができる。3官能以上
の脂肪族ジカルボン酸としては、トリメリット酸、ベン
ゼンテトラカルボン酸等が好ましく、また3官能以上の
脂肪族ジオールとしては、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール等が好ましい。これらの化合物は、
脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールの合計量に対し
て、一般に0.01〜5重量%の範囲で使用される。
【0021】また、上記ポリアミドとしては、上記ジカ
ルボン酸やジオールに溶解するものであれば特に限定さ
れず、例えば、4−ナイロン、6−ナイロン、6,6−
ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、6,10
−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族ナイロン;
イソフタル酸、テレフタル酸、メタキシリレンジアミ
ン、2,2−ビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパ
ン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,
2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の芳香族、脂
環族、側鎖置換脂肪族のモノマーを重縮合したポリアミ
ド等が挙げられる。
【0022】本発明に用いる上記ポリエステルアミド
は、任意の方法で合成することができ、例えば、上記ポ
リアミドの存在下で脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオー
ルとを重合によって行うことができる。上記重合は、通
常、エステル化反応と重縮合反応の二段階の反応からな
る。
【0023】第一段階として、エステル化反応を進行さ
せる。エステル化反応は、上記ポリアミドを上記ポリエ
ステルの構成成分である脂肪族ジカルボン酸および脂肪
族ジオールに溶解させ、透明均質な溶液の状態で行われ
る。不均一な状態では、反応が効率よく進行しない。溶
解温度は150〜230℃が好ましい。150℃未満で
は溶解が困難であり、230℃を超えると分解反応が生
じる恐れがある。
【0024】第二段階として、重縮合反応を進行させ
る。重縮合反応は、減圧下、好ましくは10mmHg以
下で、180〜260℃で行うことが好ましい。180
℃未満では反応速度が小さく、また重合粘度が高くなる
ので、効率的な重合が難しくなり、260℃を超えると
分解反応や着色が生じる。
【0025】上記重縮合反応においては、上記脂肪族ジ
カルボン酸1モルに対して、上記脂肪族ジオール1.2
〜3モルを仕込むのが好ましい。上記ジオールが1.2
モル未満であるとエステル化反応が効率よく進行せず、
3モルを超えると過剰のジオール成分を用いることから
コスト面で不利であり、また過剰なジオール成分により
ポリアミドの切断反応が起こりやすくなるので、ブロッ
ク性の低下が起こり、耐熱性が低下する。
【0026】上記重縮合反応には、ポリエステルの製造
時に一般に使用される触媒を使用してもよい。上記触媒
としては特に限定されず、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、
バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタ
ン、コバルト、ゲルマニウム、タングステン、錫、鉛、
アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マ
ンガン、ジルコニウム等の金属;これらの有機金属化合
物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等が挙げ
られる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0027】なかでも、酢酸カルシウム、ジアシル第一
錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイド、ジブ
チル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、錫ジオクタ
ノエート、錫テトラアセテート、トリイソブチルアルミ
ニウム、テトラブチルチタネート、テトラプロポキシチ
タネート、チタン(オキシ)アセチルアセテート、二酸
化ゲルマニウム、タングステン酸、三酸化アンチモンな
どが好適に用いられる。
【0028】なお、上記重合により得られるポリエステ
ルアミドは、そのまま用いてもよいし、溶液粘度を上げ
るために鎖延長反応を行ってもよい。鎖延長反応に用い
る鎖延長剤としては、例えば、トリレン−2,4−ジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリ
ジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、キシリデンジイ
ソシアネート等のジイソシアネート類、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェ
ニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート類が挙
げられる。
【0029】先ず、請求項1〜3の発明について、以下
に説明する。請求項1〜3の発明においては、上述のよ
うな合成法により得られるポリエステルアミドを溶剤に
溶解し、溶液濃度が1〜20重量%、好ましくは1〜1
0重量%、溶液粘度(B型粘度計、10rpm、ロータ
ーNo. 1、23℃)が100〜500cps、好まし
くは150〜300cpsであるバインダー溶液を得
る。
【0030】上記溶剤としては、例えば、N−メチルピ
ロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド
類、アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール
類が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0031】溶液濃度が1重量%未満では、これを集電
体に塗布乾燥する過程で電極活物質が沈降しやすくな
り、集電体の下層部におけるポリエステルアミドの成分
量が少なくなって、接着強度や電極強度が弱くなり、溶
液濃度が10重量%を超えると電極活物質の混入量が少
なくなるため、必要な容量確保ができなくなる。また、
溶液粘度が100cps未満では、電極活物質の沈降が
起こり、500cpsを超えると、粘度が高すぎて作業
性が悪くなる。
【0032】また、上記ポリエステルアミドの融点は1
30℃以上が好ましく、より好ましくは130〜160
℃である。130℃未満では耐熱性が維持できず、16
0℃を超えるとポリエステルアミドの溶解性が悪くな
る。なお、ポリエステルアミドの結晶融解熱量は1mg
当たり3mJ以上が好ましく、より好ましくは1mg当
たり3〜70mJである。
【0033】また、上記ポリエステルアミドの溶液粘度
を100〜500cpsにするには、上記ポリエステル
アミドの極限粘度(ウベローデ粘度計、オルトクロロフ
ェノール溶液、30℃)が0.8〜8.0dl/gであ
るものが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0dl
/gである。0.8dl/g未満では、電極活物質の沈
降を抑えるだけの溶液粘度を得ることが難しく、8.0
dl/gを超えると、粘度が高すぎて作業性が悪くな
る。
【0034】特に、一般式 HOOC−R1 −COOH
(式中、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を表す)で
表される脂肪族ジカルボン酸と、一般式HO−R2 −O
H(式中、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基である)
で表される脂肪族ジオールのうち少なくとも一種と、還
元粘度(濃度1g/dlの98%硫酸溶液、20℃)が
0.5〜7dl/gであるポリアミドとを反応させてな
るポリエステルアミドを使用するのが好ましい。
【0035】ポリアミドの還元粘度0.5dl/g未満
では、得られるポリエステルポリアミドの高温での機械
的強度が不足し、7dl/gを超えるとポリアミドの溶
解性が低下して合成が難しくなる。なお、上記ポリアミ
ドは分子量約1000〜60000であるものが好まし
い。より好ましくは2000〜50000である。
【0036】また、この場合、ポリエステルアミド中の
ポリアミド成分の含有量は5〜90重量%が好ましく、
より好ましくは6〜75重量%である。5重量%未満で
は、非水電解質に対する耐性が劣り、に90重量%を超
えると、溶剤に溶解することが難しくなり、良好なバイ
ンダー溶液を得ることが難しくなる。こうして、請求項
1〜3の発明の非水系二次電池の電極用バインダー溶液
が得られる。
【0037】次に、請求項4〜6の発明について、以下
に説明する。請求項4〜6の発明においては、熱可塑性
エラストマーを溶剤に溶解し、溶液濃度が1〜20重量
%、好ましくは1〜10重量%、溶液粘度(B型粘度
計、10rpm、ローターNo. 1、23℃)が100
〜500cps、好ましくは150〜300cpsであ
る溶液に、ポリエステルアミドからなる粒径0.05〜
100μmのゲル粒子を分散させて、電極用バインダー
溶液を得る。
【0038】ここで、熱可塑性エラストマーとしては、
前述のポリエステルアミドと同様な熱可塑性エラストマ
ー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ブ
タジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレン共重合体(SIS)、水添SBS
(SEBS)、水添SIS(SEPS)等のスチレン系
熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、
エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エ
ラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等が挙げら
れる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。特に、上記のようなポリエステルアミド
からなる熱可塑性エラストマーが好適に使用される。
【0039】上記溶剤としては、例えば、N−メチルピ
ロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド
類、アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール
類が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0040】溶液濃度が1重量%未満では、これを集電
体に塗布乾燥する過程で集電体の下層部におけるポリエ
ステルアミドの成分量が少なくなって、電極強度が弱く
なり、溶液濃度が10重量%を超えると電極活物質の混
入量が少なくなるため、必要な容量確保ができなくな
る。また、溶液粘度が100cps未満では、電極活物
質の沈降が起こり、500cpsを越えると、粘度が高
すぎて作業性が悪くなる。
【0041】ゲル粒子を構成するポリエステルアミドと
しては、前述のポリエステルアミドと同様な熱可塑性エ
ラストマーが使用される。このようなポリエステルアミ
ドの融点は140℃以上が好ましく、上限は特に限定さ
れないがポリエステルアミドの製造に用いるポリアミド
の融点までとなる。140℃以下では耐熱性が維持でき
ない。なお、ポリエステルアミドの結晶融解熱量は1m
g当たり3mJ以上が好ましく、より好ましくは1mg
当たり3〜70mJである。
【0042】また、上記ゲル粒子を構成するポリエステ
ルアミドの極限粘度(ウベローデ粘度計、オルトクロロ
フェノール溶液、30℃)は0.4〜3.0dl/gで
あるものが好ましく、より好ましくは0.5〜2.8d
l/gである。0.8dl/g未満では、非水電解質に
対する耐性が劣り、8.0dl/gを超えるとN−メチ
ルピロリドン等の溶剤への溶解性が難しくなり、良好な
ゲル粒子を得ることが難しくなる。
【0043】上記ポリエステルアミドを用いてゲル粒子
を調製するには、先ず、ポリエステルアミドを室温にお
ける溶解度が低く、高温で溶解度が高くなる溶剤に、均
一に溶解可能な高温で溶解させる。溶解温度は好ましく
は60〜240℃、さらに好ましくは80〜200℃で
ある。溶剤の沸点以上で溶解させる場合は、オートクレ
ーブ等の耐圧容器を使用する。
【0044】ここで、溶剤としては、例えば、N−メチ
ルピロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状ア
ミド類、アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコ
ール類が挙げられる。これらは、単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0045】次に、高温で得られたポリエステルアミド
溶液を攪拌しながら温度を下げる。この際、攪拌速度に
よりゲル粒子の大きさを調整することができる。攪拌速
度が早いほど小さなゲル粒子となる。攪拌がなければポ
リエステルアミドは全体が固まったゲルとなり、ゲル粒
子とはならない。この攪拌速度によりゲル粒子の平均粒
径が0.05〜100μm、好ましくは0.08〜50
μmに調整する。0.05μm未満の粒子は実質上作成
困難であり、100μmを超えると電極活物質との均一
混合が難しくなる。
【0046】特に、一般式 HOOC−R1 −COOH
(式中、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を表す)で
表される脂肪族ジカルボン酸と、一般式HO−R2 −O
H(式中、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基である)
で表される脂肪族ジオールのうち少なくとも一種と、還
元粘度(濃度1g/dlの98%硫酸溶液、20℃)が
0.5〜7dl/gであるポリアミドとを反応させてな
るポリエステルアミドを使用するのが好ましい。
【0047】ポリアミドの還元粘度0.5dl/g未満
では、得られるポリエステルポリアミドの高温での機械
的強度が不足し、7dl/gを超えるとポリアミドの溶
解性が低下して合成が難しくなる。なお、上記ポリアミ
ドは分子量約1000〜60000であるものが好まし
い。より好ましくは2000〜50000である。
【0048】また、この場合、ポリエステルアミド中の
ポリアミド成分の含有量は40〜90重量%が好まし
く、より好ましくは50〜75重量%である。40重量
%未満では、非水電解質に対する耐性が劣り、90重量
%を超えると、溶剤に溶解することが難しくなり、良好
なバインダー溶液を得ることが難しくなる。
【0049】上記熱可塑性エラストマーの溶液とこれに
分散される上記ポリエステルアミドからなるゲル粒子と
の割合は、電極活物質の分散性、塗膜接着性及び耐電解
質性を両立させるために、熱可塑性エラストマー:ゲル
粒子が重量比で95:5〜30:70とするのが好まし
い。こうして、請求項4〜6の発明の非水系二次電池の
電極用バインダー溶液が得られる。
【0050】なお、請求項1〜3の発明において使用す
るポリエステルアミド及び請求項4〜6の発明において
使用するゲル粒子を構成するポリエステルアミドには、
本発明の目的が達成される範囲内で、熱可塑性樹脂やゴ
ムを混合して使用してもよい。ここで、熱可塑性樹脂と
しては特に限定されず、例えば、ポリメタクリル酸メチ
ル等のアクリル樹脂、ポリオレフィン、変性ポリオレフ
ィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体等のフッ素樹脂等が挙げられる。
【0051】また、ゴムとしては特に限定されず、例え
ば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)、水添SBR、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプ
レン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレ
タンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレ
ン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレ
ン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS) 、水添
SBS(SEBS)、水添SIS(SEPS)等のスチ
レン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラスト
マー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可
塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等が
挙げられる。
【0052】本発明(請求項1〜6の発明)の電極用バ
インダーを用いて、請求項7の発明の非水系二次電池の
電極を作製するには、特に限定されず、従来と同様な方
法が採用される。例えば、上記電極用バインダー溶液に
電極活物質を混合分散させてペーストを作成し、これを
集電体である銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔等の金
属箔に塗着、乾燥する方法が採用される。
【0053】上記電極活物質は特に限定されず、従来よ
り使用されている電極活物質が用いられる。例えば、正
極の電極活物質としては、LiCoO2 やLiNi
2 O、これ等のCoやLiの一部又は全部を、Mn等の
他元素で置換した複合酸化物が主に用いられ、正極が得
られる。また、負極の電極活物質(活物質担持体)とし
ては、高分子繊維、芳香族化合物、異方性ピッチを高温
で焼成した炭素化合物、カーボン粉末等が主に用いら
れ、負極が得られる。
【0054】このような本発明(請求項7の発明)の非
水系二次電池の電極を用いて、非水系のリチウム二次電
池を作製するには、特に限定されず、従来と同様な方法
が採用される。例えば、電池ケース内に、上記正極及び
負極をセパレータを介して複数枚積層するか或いは渦巻
き状に巻回した状態で配設し、さらに非水電解液を封入
して作製する。ここで、非水電解液としては特に限定さ
れず、従来より使用されている非水電解液が用いられ
る。例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6
LiClO4 などのリチウム塩を、エチレンカーボネー
トをジエチルカーボネートやプロピオン酸メチルに溶解
した混合溶媒に溶解してなる非水電解液が使用される。
【0055】また、非水電解液に代えて、高分子固体電
解質を用いて、所謂ポリマーバッテリーを作製すること
もできる。この場合、電池ケース内に、上記正極及び負
極を高分子固体電解質層を介して複数枚積層するか或い
は渦巻き状に巻回した状態で配設して作製する。ここ
で、高分子固体電解質層としては特に限定されず、従来
より使用されている高分子固体電解質層が用いられる。
例えば、各種高分子化合物にイオン伝導体として上記の
ようなリチウム塩を含有させたもの、或いはこれにさら
に溶媒を含有させてゲル化したものが使用される。
【0056】(作用)ポリエステルアミドからなる電極
用バインダーは、可撓性に優れ、液状或いは固体状の非
水電解質に対する耐性に優れると同時に、正極活物質、
負極活物質(活物質担持体)、さらに集電体への接着性
が優れている。
【0057】そして、このようなポリエステルステルア
ミドの溶液からなり、溶液濃度が1〜10重量%、溶液
粘度(B型粘度計、10rpm、ローターNo. 1、2
3℃)が100〜500cpsであるバインダー溶液
に、電極活物質を混合分散させてペーストを作成し、こ
れを集電体である金属箔に塗着、乾燥して得られる非水
系二次電池の電極は、乾燥前及び乾燥中の塗膜中で電極
活物質が沈降することなく均一に分散され、集電体と電
極活物質との接点におけるバインダー量が不足すことが
なく、接着強度及び電極強度が十分に確保される。
【0058】また、熱可塑性エラストマーの溶液からな
り、溶液濃度が1〜10重量%、溶液粘度(B型粘度
計、10rpm、ローターNo. 1、23℃)が100
〜500cpsである溶液中に、ポリエステルアミドか
らなる平均粒径0.05〜100μmのゲル粒子が分散
されているバインダー溶液を、電極活物質を混合分散さ
せてペーストを作成し、これを集電体である金属箔に塗
着、乾燥して得られる非水系二次電池の電極は、乾燥前
及び乾燥中の塗膜中で電極活物質が沈降することなくよ
り一層均一に分散され、集電体と電極活物質との接点に
おけるバインダー量が不足すことがなく、接着強度及び
電極強度が十分に確保される。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を示す。なお、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0060】〔請求項1〜3及び請求項7、8の発明に
係る実施例及び比較例〕 (実施例1) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸146重量
部、ブチレングリコール108重量部、ネオペンチルグ
リコール125重量部〔ブチレングリコール/ネオペン
チルグリコール=50/50(モル比)、仕込み時のア
ジピン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル
比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%
硫酸中、20℃での還元粘度3.5dl/g)40重量
部、触媒としてテトラブチルチタネート0.25重量
部、安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト0.4重量部を加
え、反応系を窒素下、200℃に昇温した。10分後に
は6−ナイロンが溶解し、透明な溶液となった。
【0061】上記の温度で更に7時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で2時間重縮合反応を行った結果、透明な
ポリエステルアミド247重量部を得た。
【0062】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミド50重量部にN−メチルピロリドン82.
5重量部を加え、反応系を窒素下、180℃に昇温し
た。30分後にはポリエステルアミドが溶解し、透明な
溶液となった。このポリエステルアミド溶液に、N−メ
チルピロリドン100重量部にトリレン−2,4−ジイ
ソシアネート(MDI)5重量部を溶解させた溶液70
重量部を1時間かけてゆっくりと添加して、鎖延長反応
を行った。その後、溶液濃度が5重量%となるようにN
−メチルピロリドンを適量加えて、バインダー溶液
(A)を得た。
【0063】<負電極、正電極の作製>上記バインダー
溶液100重量部に、負極活物質として平均粒径10〜
15μmの天然黒鉛の粉末(日本黒鉛社製のLB−C
G)90重量部を混合分散させて、スラリー状の負極塗
工用溶液を得た。この負極塗工用溶液を、集電体として
銅箔(厚さ10μm×長さ30cm×幅10cm)に塗
布し、その後オーブンで乾燥させて約100μmの塗膜
を有する負電極を作製した。
【0064】また、上記バインダー溶液100重量部
に、正極活物質としてLiCoO2 の粉末(炭素リチウ
ム0.5モルと炭素コバルト1モルとを混合し、900
℃の空気中で5時間焼成して得たもの)90重量部及び
導電剤としてアセチレンブラック5重量部を混合分散さ
せて、スラリー状の正極塗工用溶液を得た。この正極塗
工用溶液を、集電体としてアルミ箔(厚さ10μm×長
さ30cm×幅10cm)に塗布し、その後オーブンで
乾燥させて約100μmの塗膜を有する正電極を作製し
た。
【0065】<電池の作製>微多孔性プロピレンフィル
ムに非水電解液〔プロピレンカーボネートと1,2−ジ
メトキシエタンとの等量混合物1モルに対して、リチウ
ム塩(LiPF6 )1モルの割合で溶解したもの〕を含
浸させてセパレーターを作製した。このセパレーターを
介して、上記負電極及び正電極を配置して試験用電池を
作製した。
【0066】上記の方法で得られたポリエステルアミド
中のポリアミド含有量、ポリエステルアミドの極限粘
度、融点、結晶融解熱量、電極活物質の分散性、電極の
塗膜接着強度、電池の放電容量及び容量維持率につい
て、下記の方法により性能を測定した。その結果を表1
に示す。
【0067】<評価方法> 1.ポリアミド含量(重量%) 生成したポリエステルアミドの重量に対する仕込み時の
ポリアミドの重量から算出した。
【0068】2.極限粘度 ウベローデ粘度管を用いて、o−クロロフェノール中、
30℃で測定した。
【0069】3.融点及び結晶融解熱量 示差走査熱量計(DSC)を用い、はじめに室温から2
40℃に昇温し、次に−100℃まで−20℃/分で降
温した後、昇温速度10℃/分で測定を行った。
【0070】4.電極活物質の分散性 負極塗工用溶液中の負極活物質の粒子の平均粒径を粒ゲ
ージを用いて測定した。
【0071】5.電極の耐電解液性 負電極を、この負電極の塗膜重量に対して100倍量の
非水電解液〔プロピレンカーボネートと1,2−ジメト
キシエタンとの等量混合物1モルに対して、リチウム塩
(LiPF6 )1モルの割合で溶解したもの〕に24時
間浸漬して、塗膜の非水電解液に対する溶解性を評価し
た。
【0072】6.塗膜接着強度 電極試験片(長さ6cm×幅2.4cm)を引張試験機
(テンシロン)を用いて、引張速度300mm/分、2
3℃、相対湿度50%の条件で、180度の剥離試験を
行った。
【0073】7.放電容量 試験用電池を定電圧4.2Vで5時間充電した後、1m
A/cm2 の定電流で終止電圧2.75Vで放電するこ
とを1サイクルとし、この充放電を繰り返して行い10
サイクル目の放電容量(Ah/kg)を測定した。
【0074】8.容量維持率(%) 上記10サイクル目の放電容量と300サイクル目の放
電容量とを測定し、300サイクル目の放電容量/10
サイクル目の放電容量との比を百分率で示した。
【0075】9.容量維持率(%) 上記10サイクル目の放電容量と300サイクル目の放
電容量とを測定し、300サイクル目の放電容量/10
サイクル目の放電容量との比を百分率で示した。
【0076】(実施例2) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸146重量
部、ブチレングリコール108重量部、ネオペンチルグ
リコール125重量部〔ブチレングリコール/ネオペン
チルグリコール=50/50(モル比)、仕込み時のア
ジピン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル
比)〕、6−ナイロンA1050(ユニチカ社製、98
%硫酸中、20℃での還元粘度6.2dl/g)18重
量部、ペンタエリスリトール0.75重量部、触媒とし
てテトラブチルチタネート0.25重量部、安定剤とし
て1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系を窒素
下、200℃に昇温した。8分後には6−ナイロンナイ
ロンが溶解し、透明な溶液となった。
【0077】上記の温度で更に7時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で4時間重縮合反応を行った結果、透明な
ポリエステルアミド225重量部を得た。
【0078】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミドに溶液濃度が6重量%となるようにN−メ
チルピロリドンを適量加えて、窒素下、150℃で溶解
してバインダー溶液(B)を得た。
【0079】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(B)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表1に示す。
【0080】(実施例3) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸292重量
部、エチレングリコール298重量部〔仕込み時のアジ
ピン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル比)〕、
6−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%硫酸中、
20℃での還元粘度3.5dl/g)516重量部、触
媒としてテトラブチルチタネート0.25重量部、安定
剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系
を窒素下、200℃に昇温した。15分後には6−ナイ
ロンが溶解し、透明な溶液となった。
【0081】上記の温度で更に8時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で1時間重縮合反応を行った結果、透明な
ポリエステルアミド860重量部を得た。
【0082】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミド50重量部にN−メチルピロリドン82.
5重量部を加え、反応系を窒素下、180℃に昇温し
た。30分後にはポリエステルアミドが溶解し、透明な
溶液となった。このポリエステルアミド溶液に、N−メ
チルピロリドン100重量部にトリレン−2,4−ジイ
ソシアネート(MDI)5重量部を溶解させた溶液65
重量部を1時間かけてゆっくりと添加して、鎖延長反応
を行った。その後、溶液濃度が5重量%となるようにN
−メチルピロリドンを適量加えて、バインダー溶液
(C)を得た。
【0083】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(C)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表1に示す。
【0084】(実施例4) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸146重量
部、ブチレングリコール63重量部〔仕込み時のアジピ
ン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル比)〕、6
−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%硫酸中、2
0℃での還元粘度3.5dl/g)207重量部、触媒
としてテトラブチルチタネート0.25重量部、安定剤
として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系
を窒素下、200℃に昇温した。20分後には6−ナイ
ロンが溶解し、透明な溶液となった。
【0085】上記の温度で更に8時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で2時間重縮合反応を行った結果、透明な
ポリエステルアミド414重量部を得た。
【0086】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミド50重量部にN−メチルピロリドン82.
5重量部を加え、反応系を窒素下、180℃に昇温し
た。30分後にはポリエステルアミドが溶解し、透明な
溶液となった。このポリエステルアミド溶液に、N−メ
チルピロリドン100重量部にトリレン−2,4−ジイ
ソシアネート(MDI)5重量部を溶解させた溶液73
重量部を1時間かけてゆっくりと添加して、この状態で
1.5時間鎖延長反応を行った。その後、溶液濃度が5
重量%となるようにN−メチルピロリドンを適量加え
て、バインダー溶液(D)を得た。
【0087】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(C)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表1に示す。
【0088】(比較例1) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸146重量
部、ブチレングリコール63重量部、ネオペンチルグリ
コール73重量部〔ブチレングリコール/ネオペンチル
グリコール=50/50(モル比)、仕込み時のアジピ
ン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル比)〕、6
−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%硫酸中、2
0℃での還元粘度3.5dl/g)8.8重量部、触媒
としてテトラブチルチタネート0.15重量部、安定剤
として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系
を窒素下、200℃に昇温した。8分後には6−ナイロ
ンが溶解し、透明な溶液となった。
【0089】上記の温度で更に7時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は15分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で30分間重縮合反応を行った結果、透明
なポリエステルアミド247重量部を得た。
【0090】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミドに溶液濃度が6重量%となるようにN−メ
チルピロリドンを適量加えて、窒素下、150℃で溶解
してバインダー溶液(E)を得た。
【0091】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(E)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表1に示す。
【0092】(比較例2) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸146重量
部、ブチレングリコール63重量部、ネオペンチルグリ
コール73重量部〔ブチレングリコール/ネオペンチル
グリコール=50/50(モル比)、仕込み時のアジピ
ン酸成分/ジオール成分=1/1.4(モル比)〕、6
−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%硫酸中、2
0℃での還元粘度3.5dl/g)207重量部、触媒
としてテトラブトキシチタン0.6重量部、安定剤とし
て1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系を窒素
下、200℃に昇温した。20分後には6−ナイロンが
溶解し、透明な溶液となった。
【0093】上記の温度で更に8時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で30分間重縮合反応を行った結果、透明
のポリエステルアミド414重量部を得た。
【0094】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミドに溶液濃度が6重量%となるようにN−メ
チルピロリドンを適量加えて、窒素下、150℃で溶解
してバインダー溶液(F)を得た。
【0095】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(F)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表1に示す。
【0096】(比較例3) <ポリエステルアミドの合成>アジピン酸146重量
部、ブチレングリコール63重量部、ネオペンチルグリ
コール73重量部〔ブチレングリコール/ネオペンチル
グリコール=50/50(モル比)、仕込み時のアジピ
ン酸成分/ジオール成分=1/1.4(モル比)〕、6
−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%硫酸中、2
0℃での還元粘度3.5dl/g)207重量部、触媒
としてテトラブトキシチタン0.6重量部、安定剤とし
て1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系を窒素
下、200℃に昇温した。20分後には6−ナイロンが
溶解し、透明な溶液となった。
【0097】上記の温度で更に8時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で50分間重縮合反応を行った結果、透明
なポリエステルアミド414重量部を得た。
【0098】<バインダー溶液の作製>得られたポリエ
ステルアミドに溶液濃度が6重量%となるようにN−メ
チルピロリドンを適量加えて、窒素下、150℃で溶解
してバインダー溶液(G)を得た。
【0099】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(G)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】〔請求項4〜6及び請求項7、8に係る発
明の実施例及び比較例〕 (実施例5) <熱可塑性樹脂エラストマーの合成>アジピン酸146
重量部、ブチレングリコール108重量部、ネオペンチ
ルグリコール125重量部〔ブチレングリコール/ネオ
ペンチルグリコール=50/50(モル比)、仕込み時
のアジピン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル
比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%
硫酸中、20℃での還元粘度3.5dl/g)138重
量部、触媒としてテトラブチルチタネート0.25重量
部、安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト0.4重量部を加
え、反応系を窒素下、200℃に昇温した。10分後に
は6−ナイロンが溶解し、透明な溶液となった。
【0102】上記の温度で更に7時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で2時間重縮合反応を行った結果、透明な
熱可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミド)34
5重量部を得た。
【0103】<熱可塑性樹脂エラストマー溶液の作製>
得られた熱可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミ
ド)50重量部にN−メチルピロリドン82.5重量部
を加え、反応系を窒素下、180℃に昇温した。30分
後にはポリエステルアミドが溶解し、透明な溶液となっ
た。このポリエステルアミド溶液に、N−メチルピロリ
ドン100重量部にトリレン−2,4−ジイソシアネー
ト(MDI)5重量部を溶解させた溶液70重量部を1
時間かけてゆっくりと添加して、鎖延長反応を行った。
その後、溶液濃度が5重量%となるようにN−メチルピ
ロリドンを適量加えて、熱可塑性樹脂エラストマー溶液
を得た。
【0104】<ゲル粒子用ポリエステルアミドの作製>
アジピン酸146重量部、ブチレングリコール108重
量部、ネオペンチルグリコール125重量部〔ブチレン
グリコール/ネオペンチルグリコール=50/50(モ
ル比)、仕込み時のアジピン酸成分/ジオール成分=1
/2.4(モル比)〕、6−ナイロン(ユニチカ社製A
1050、98%硫酸中、20℃での還元粘度6.2d
l/g)400重量部、触媒としてテトラブチルチタネ
ート0.25重量部、安定剤として1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.4重量部、トリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
0.4重量部を加え、反応系を窒素下、200℃に昇温
した。10分後には6−ナイロンが溶解し、透明な溶液
となった。
【0105】上記の温度で更に1時間保ち、エステル化
反応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分
量を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で1時間重縮合反応を行った結果、透明な
ポリエステルアミド(ゲル粒子用ポリエステルアミド)
607重量部を得た。
【0106】<ゲル粒子の作製>得られたポリエステル
アミド(ゲル粒子用ポリエステルアミド)6重量部とN
−メチルピロリドン94重量部とを、還流塔と攪拌装置
の付いたフラスコに仕込み、窒素気流下、180℃で
1.5時間攪拌して、上記ポリエステルアミドのN−メ
チルピロリドン溶液を調製した。さらに、攪拌を続けな
がら30℃/分の降温速度で室温まで冷却した。100
℃〜60℃の範囲で溶液が濁り、ゲル粒子が析出した。
こうして、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.2
μmのゲル粒子(N−メチルピロリドンを含む)を得
た。
【0107】<バインダー溶液の作製>上記熱可塑性樹
脂エラストマー溶液50重量部とゲル粒子50重量部と
を、遊星式攪拌機を用いて混合分散させ、均一なバイン
ダー溶液(H)を得た。
【0108】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(H)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表2に示す。
【0109】(実施例6) <熱可塑性樹脂エラストマーの合成>アジピン酸146
重量部、ブチレングリコール108重量部、ネオペンチ
ルグリコール125重量部〔ブチレングリコール/ネオ
ペンチルグリコール=50/50(モル比)、仕込み時
のアジピン酸成分/ジオール成分=1/2.4(モル
比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社製T850、98%
硫酸中、20℃での還元粘度3.5dl/g)51.8
重量部、触媒としてテトラブチルチタネート0.25重
量部、安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.4重量部を加
え、反応系を窒素下、200℃に昇温した。10分後に
は6−ナイロンが溶解し、透明な溶液となった。
【0110】上記温度で更に7時間保ち、エステル化反
応を行った。エステル化反応の進行は、留出する水分量
を計量することにより確認した。エステル化反応進行
後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作を行っ
た。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧度に達し
た。この状態で45分間重縮合反応を行った結果、透明
な熱可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミド)2
58.8重量部を得た。
【0111】<熱可塑性樹脂エラストマー溶液の作製>
得られた熱可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミ
ド)に溶液濃度が6重量%となるようにN−メチルピロ
リドンを適量加えて、窒素下、150℃で溶解して熱可
塑性樹脂エラストマー溶液を得た。
【0112】<ゲル粒子用ポリエステルアミドの作製>
6−ナイロン(ユニチカ社製A1050、98%硫酸
中、20℃での還元粘度6.2dl/g)400重量部
に代えて、6−ナイロン(東洋紡績社製T850、98
%硫酸中、20℃での還元粘度3.5dl/g)207
重量部を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、透
明なポリエステルアミド(ゲル粒子用ポリエステルアミ
ド)414重量部を得た。
【0113】<ゲル粒子の作製>得られたポリエステル
アミド(ゲル粒子用ポリエステルアミド)6重量部とN
−メチルピロリドン94重量部とを、還流塔と攪拌装置
の付いたフラスコに仕込み、窒素気流下、180℃で
1.5時間攪拌して、上記ポリエステルアミドのN−メ
チルピロリドン溶液を調製した。さらに、攪拌を続けな
がら30℃/分の降温速度で室温まで冷却した。100
℃〜60℃の範囲で溶液が濁り、ゲル粒子が析出した。
こうして、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.2
μmのゲル粒子(N−メチルピロリドンを含む)を得
た。
【0114】<バインダー溶液の作製>上記熱可塑性樹
脂エラストマー溶液50重量部とゲル粒子50重量部と
を、遊星式攪拌機を用いて混合分散させ、均一なバイン
ダー溶液(I)を得た。
【0115】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(I)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表2に示す。
【0116】(比較例4) <熱可塑性樹脂エラストマーの合成>重縮合反応時間を
45分としたこと以外は、実施例5と同様に行って、熱
可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミド)を得
た。
【0117】<熱可塑性樹脂エラストマー溶液の作製>
実施例5と同様に行って、熱可塑性樹脂エラストマー溶
液を得た。
【0118】<ゲル粒子用ポリエステルアミドの作製>
6−ナイロン(ユニチカ社製A1050、98%硫酸
中、20℃での還元粘度6.2dl/g)400重量部
に代えて、6−ナイロン(東洋紡績社製T850、98
%硫酸中、20℃での還元粘度3.5dl/g)51.
8重量部を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、
透明なポリエステルアミド(ゲル粒子用ポリエステルア
ミド)258.8重量部を得た。
【0119】<ゲル粒子の作製>得られたポリエステル
アミド(ゲル粒子用ポリエステルアミド)6重量部とN
−メチルピロリドン94重量部とを、還流塔と攪拌装置
の付いたフラスコに仕込み、窒素気流下、180℃で
1.5時間攪拌して、上記ポリエステルアミドのN−メ
チルピロリドン溶液を調製した。さらに、攪拌を続けな
がら30℃/分の降温速度で室温まで冷却した。100
℃〜60℃の範囲で溶液が濁り、ゲル粒子が析出した。
こうして、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.2
μmのゲル粒子(N−メチルピロリドンを含む)を得
た。
【0120】<バインダー溶液の作製>上記熱可塑性樹
脂エラストマー溶液50重量部とゲル粒子50重量部と
を、遊星式攪拌機を用いて混合分散させ、均一なバイン
ダー溶液(J)を得た。
【0121】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(J)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表2に示す。
【0122】(比較例5) <熱可塑性樹脂エラストマーの合成>実施例6と同様に
行って、熱可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミ
ド)を得た。
【0123】<熱可塑性樹脂エラストマー溶液の作製>
実施例6と同様に行って、熱可塑性樹脂エラストマー溶
液を得た。
【0124】<ゲル粒子用ポリエステルアミドの作製>
実施例5と同様に行って、透明なポリエステルアミド
(ゲル粒子用ポリエステルアミド)を得た。
【0125】<ゲル粒子の作製>得られたポリエステル
アミド(ゲル粒子用ポリエステルアミド)6重量部とN
−メチルピロリドン94重量部とを、還流塔と攪拌装置
の付いたフラスコに仕込み、窒素気流下、180℃で
1.5時間攪拌して、上記ポリエステルアミドのN−メ
チルピロリドン溶液を調製した。さらに、攪拌を続けな
がら30℃/分の降温速度で室温まで冷却した。100
℃〜60℃の範囲で溶液が濁り、ゲル粒子が析出した。
こうして、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.2
μmのゲル粒子(N−メチルピロリドンを含む)を得
た。
【0126】<バインダー溶液の作製>上記熱可塑性樹
脂エラストマー溶液50重量部とゲル粒子50重量部と
を、遊星式攪拌機を用いて混合分散させ、均一なバイン
ダー溶液(K)を得た。
【0127】<負電極、正電極及び電池の作製>上記バ
インダー溶液(K)を使用すること以外は、実施例1と
同様に行って、負電極、正電極及び電池を作製した。性
能の測定結果を表2に示す。
【0128】(比較例6) <ゲル粒子用ポリエステルアミドの作製>実施例6と同
様に行って、透明なポリエステルアミド(ゲル粒子用ポ
リエステルアミド)を得た。
【0129】<ゲル粒子の作製>得られたポリエステル
アミド(ゲル粒子用ポリエステルアミド)6重量部とN
−メチルピロリドン94重量部とを、還流塔と攪拌装置
の付いたフラスコに仕込み、窒素気流下、180℃で
1.5時間攪拌して、上記ポリエステルアミドのN−メ
チルピロリドン溶液を調製した。さらに、攪拌を続けな
がら30℃/分の降温速度で室温まで冷却した。100
℃〜60℃の範囲で溶液が濁り、ゲル粒子が析出した。
こうして、ポリエステルアミドからなる平均粒径0.2
μmのゲル粒子(N−メチルピロリドンを含む)を得
た。
【0130】<負電極、正電極及び電池の作製>上記ゲ
ル粒子100重量部に、負極活物質として天然黒鉛の粉
末(日本黒鉛社製のLB−CG)95重量部を混合分散
させて、スラリー状の負極塗工用溶液を得た。この負極
塗工用溶液を、集電体として銅箔(厚さ10μm×長さ
30cm×幅10cm)に塗布し、その後オーブンで乾
燥させて負電極を作製した。
【0131】また、上記ゲル粒子100重量部に、正極
活物質としてLiCoO2 の粉末(炭素リチウム0.5
モルと炭素コバルト1モルとを混合し、900℃の空気
中で5時間焼成して得たもの)90重量部及び導電剤と
してアセチレンブラック5重量部を混合分散させて、ス
ラリー状の正極塗工用溶液を得た。この正極塗工用溶液
を、集電体としてアルミ箔(厚さ10μm×長さ30c
m×幅10cm)に塗布し、その後オーブンで乾燥させ
て正電極を作製した。
【0132】<電池の作製>上記負電極及び正電極を使
用すること以外は、実施例1と同様にして試験用電池を
作製した。性能の測定結果を表2に示す。
【0133】(比較例7)この比較例は、請求項1〜3
及び請求項7、8の発明に係る実施例に含まれるもので
あるが、比較のためにここに比較例7として示す。 <熱可塑性樹脂エラストマーの合成>実施例5と同様に
行って、熱可塑性樹脂エラストマー(ポリエステルアミ
ド)を得た。
【0134】<熱可塑性樹脂エラストマー溶液の作製>
実施例5と同様に行って、熱可塑性樹脂エラストマー溶
液を得た。
【0135】<負電極、正電極及び電池の作製>上記熱
可塑性樹脂エラストマー溶液100重量部に、負極活物
質として天然黒鉛の粉末(日本黒鉛社製のLB−CG)
95重量部を混合分散させて、スラリー状の負極塗工用
溶液を得た。この負極塗工用溶液を、集電体として銅箔
(厚さ10μm×長さ30cm×幅10cm)に塗布
し、その後オーブンで乾燥させて負電極を作製した。
【0136】また、上記ゲル粒子100重量部に、正極
活物質としてLiCoO2 の粉末(炭素リチウム0.5
モルと炭素コバルト1モルとを混合し、900℃の空気
中で5時間焼成して得たもの)90重量部及び導電剤と
してアセチレンブラック5重量部を混合分散させて、ス
ラリー状の正極塗工用溶液を得た。この正極塗工用溶液
を、集電体としてアルミ箔(厚さ10μm×長さ30c
m×幅10cm)に塗布し、その後オーブンで乾燥させ
て正電極を作製した。
【0137】<電池の作製>上記負電極及び正電極を使
用すること以外は、実施例1と同様にして試験用電池を
作製した。性能の測定結果を表2に示す。
【0138】
【表2】
【0139】
【発明の効果】上述の通り、本発明の非水系二次電池の
電極用バインダー溶液を用いて得られる非水系二次電池
の電極は、電極活物質同士及び電極活物質と集電体との
接着強度が十分に確保されるとともに電極強度が十分に
確保される。また、可撓性に優れ、非水電解質(液)に
対する耐性も優れている。
【0140】このために、本発明の非水系二次電池の電
極を用いて得られる非水系二次電池は、充放電を繰り返
した場合においても、電極活物質が集電体から剥離する
ことがなく、また電極表面のクラックの発生しなくな
り、高い容量の維持が可能となり、優れたサイクル特性
を有し、長期間の繰り返し使用も可能となる。
【0141】したがって、本発明の非水系二次電池は、
携帯電話、携帯ビデオカメラ、携帯パソコン等の電子機
器の電源として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA01 AA04 BA01 BA03 BB11 BD00 BD01 BD04 BD06 5H014 AA02 BB01 BB06 BB08 EE01 HH01 HH08 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL07 AM05 AM07 BJ01 BJ04 CJ02 CJ08 CJ22 DJ08 EJ11 HJ01 HJ02 HJ10 HJ14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルアミドの溶液からなり、溶
    液濃度が1〜10重量%、溶液粘度(B型粘度計、10
    rpm、ローターNo. 1、23℃)が100〜500
    cpsであることを特徴とする非水系二次電池の電極用
    バインダー溶液。
  2. 【請求項2】 ポリエステルアミドの融点が130℃以
    上であり、極限粘度(ウベローデ粘度計、オルトクロロ
    フェノール溶液、30℃)が0.8〜8.0dl/gで
    ある請求項1に記載の非水系二次電池の電極用バインダ
    ー溶液。
  3. 【請求項3】 ポリエステルアミドが、下記一般式
    (1)で表されるジカルボン酸のうち少なくとも一種
    と、下記一般式(2)で表されるジオールのうち少なく
    とも一種と、還元粘度(濃度1g/dlの98%硫酸溶
    液、20℃)が0.5〜7dl/gであるポリアミドと
    を反応させてなるポリエステルアミドであり、ポリアミ
    ド成分の含有量が5〜90重量%である請求項1又は2
    に記載の非水系二次電池の電極用バインダー溶液。 HOOC−R1 −COOH (1) (式中、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基である) HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基である)
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマーの溶液からなり、
    溶液濃度が1〜10重量%、溶液粘度(B型粘度計、1
    0rpm、ローターNo. 1、23℃)が100〜50
    0cpsである溶液中に、ポリエステルアミドからなる
    平均粒径0.05〜100μmのゲル粒子が分散されて
    いることを特徴とする非水系二次電池の電極用バインダ
    ー溶液。
  5. 【請求項5】 ポリエステルアミドの融点が140℃以
    上であり、極限粘度(ウベローデ粘度計、オルトクロロ
    フェノール溶液、30℃)が0.4〜3.0dl/gで
    ある請求項4に記載の非水系二次電池の電極用バインダ
    ー溶液。
  6. 【請求項6】 ポリエステルアミドが、下記一般式
    (1)で表されるジカルボン酸のうち少なくとも一種
    と、下記一般式(2)で表されるジオールのうち少なく
    とも一種と、還元粘度(濃度1g/dlの98%硫酸溶
    液、20℃)が0.5〜7dl/gであるポリアミドと
    を反応させてなるポリエステルアミドであり、ポリアミ
    ド成分の含有量が40〜90重量%である請求項4又は
    5に記載の非水系二次電池の電極用バインダー溶液。 HOOC−R1 −COOH (1) (式中、R1 は炭素数2〜8のアルキレン基を表す) HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電
    極用バインダー溶液に電極活物質を混合分散させ、これ
    を電極上に塗布し乾燥させて得られる非水系二次電池の
    電極。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電極を用いて得られる
    非水系二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004178879A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Hitachi Maxell Ltd リチウム二次電池
JP2004273424A (ja) * 2003-02-20 2004-09-30 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池負極及びリチウム二次電池
JP2011175751A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Toray Ind Inc リチウムイオン二次電池電極結着剤

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