JPH11121013A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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Publication number
JPH11121013A
JPH11121013A JP9285250A JP28525097A JPH11121013A JP H11121013 A JPH11121013 A JP H11121013A JP 9285250 A JP9285250 A JP 9285250A JP 28525097 A JP28525097 A JP 28525097A JP H11121013 A JPH11121013 A JP H11121013A
Authority
JP
Japan
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weight
polyesteramide
secondary battery
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
Prior art date
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Pending
Application number
JP9285250A
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English (en)
Inventor
Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
Juichi Fukaya
重一 深谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication of JPH11121013A publication Critical patent/JPH11121013A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯型電子機器等の移動用電源として好適に
使用することができ、高容量で充放電特性に優れ、長期
の繰り返し使用においても容量維持率の高い非水電解質
二次電池を提供する。 【解決手段】 正電極と負電極、及び非水電解質を備え
た非水電解質二次電池において、 上記正電極又は負電
極の少なくとも一方が、結合剤としてポリエステルアミ
ドを含有し、該結合剤の膨潤度(電解液に用いる有機溶
媒中の重量増加率、23℃)が5〜180重量%であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高容量で充放電特
性に優れた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型ビデオカメラや携帯型パソ
コン等の携帯型電子機器の普及に伴い、移動用電源とし
ての電池の需要が急増している。また、このような電池
に対する小型化、軽量化、高エネルギー密度化の要求は
非常に高い。
【0003】移動用電源として、アルカリマンガン電池
のような一次電池は、一回の放電のみの使用であるの
で、コスト的に不利である。また、繰り返し充放電が可
能な二次電池としては、従来、鉛電池、ニッケル・カド
ミウム電池等の水溶系電池が主流であるが、これらの水
溶系電池は、充放電特性は優れているが、電池重量やエ
ネルギー密度の点では、携帯型電子機器の移動用電源と
して充分満足できる特性を有しているとはいえない。
【0004】そこで、二次電池として、リチウム又はリ
チウム合金を負電極に用いた非水電解質二次電池の研究
開発が盛んに行われている。この電池は、高エネルギー
密度を有し、自己放電も少なく、軽量であるという優れ
た特長を有している。
【0005】しかし、このようなリチウム又はリチウム
合金を負電極に用いた非水電解質二次電池は、充電時
に、負電極においてリチウムがデンドライト状に結晶成
長し、充放電サイクルの進行に伴い、このデンドライト
状の結晶が正電極に到達し、内部短絡に至るという欠点
があり、実用化への大きな障害となっていた。
【0006】そこで、このような問題を解決するため
に、化学的、物理的方法により、正極活物質であるリチ
ウムの複合酸化物を正電極とし、負極活物質であるリチ
ウムを負極活物質担持体である炭素材料に担持させたも
のを負電極とした非水電解質二次電池が注目されてい
る。
【0007】このような非水電解質二次電池において
は、正電極のリチウムの複合酸化物の結晶構造中に含有
されているリチウム、負電極の炭素材料に担持されてい
るリチウム、及び、電解液中に溶解しているリチウムの
それぞれが、充電時には、負電極の炭素材料の炭素層間
ヘドープされ、放電時には、炭素層間から脱ドープされ
る。このため、充放電サイクルが進行しても、充電時
に、負電極におけるデンドライト状の結晶の析出は見ら
れず、内部短絡を起こしにくく、比較的良好な充放電特
性を示す。またエネルギー密度も高く、軽量である。
【0008】携帯型ビデオカメラや携帯型パソコン等の
携帯型電子機器は、比較的消費電流が大きいものが多
い。そのため、このような携帯型電子機器の移動用電源
は、重負荷に耐える必要がある。従って、その電池構造
としては、正電極と負電極とを帯状とし、帯状のセパレ
ータを介して、その長さ方向に巻回することによって構
成される渦巻式の巻回電極体構造とすることが好まし
い。このような構造によれば、電極面積を大きくし、限
られた空間内にできるだけ多くの活物質を充填すること
ができるので、重負荷による使用にも耐えることができ
る。このような構造をとるためには、正電極及び負電極
は、可撓性があり、薄膜状である必要がある。
【0009】可撓性があり、薄膜状である電極を有する
非水電解質二次電池としては、例えば、特開平4−24
9860号公報には、ポリフッ化ビニリデンを結着剤と
して、炭素材料を金属箔上に設けたものを負電極とした
非水電解質二次電池が開示されている。また、特開平4
−308655号公報には、ポリグリセリンを結着剤と
して、炭素材料を金属箔上に設けたものを負電極とした
非水電解質二次電池が開示されている。
【0010】しかしながら、これらの非水電解質二次電
池は、数百回以上の充放電を繰り返した場合、炭素材料
又は複合酸化物が金属箔から剥離したり、電極表面にク
ラックが発生したりすることにより、容量が低下するの
で、長期の繰り返し使用は困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、携帯型電子機器等の移動用電源として好適に使用す
ることができ、高容量で充放電特性に優れ、長期の繰り
返し使用においても容量維持率の高い非水電解質二次電
池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の非水電解質二次
電池は、正電極と負電極、及び非水電解質を備えた非水
電解質二次電池において、上記正電極又は負電極の少な
くとも一方が、結合剤としてポリエステルアミドを含有
し、該結合剤の膨潤度(電解液に用いる有機溶媒中の重
量増加率、23℃)が5〜180重量であることを特徴
とする。
【0013】上記結着剤の膨潤度は5〜180重量に限
定され、好ましくは7〜150重量%である。上記範囲
を下回ると結着剤中のLiイオンの通過が妨げられ、電
池性能が低下する。上記範囲を上回ると膨潤により活物
質や導電化助材の接触が妨げられ、電池の容量が低下す
るからである。
【0014】上記ポリエステルアミドの融点は150℃
以上が好ましい。これを下回ると膨潤度が高くなり電池
性能が低下するからである。上限は特に限定されない
が、ポリエステルアミドの製造に用いるポリアミドの融
点までとなる。用いることのできるポリアミドとしては
特に限定されず、例えば、4−ナイロン、6−ナイロ
ン、6,6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロ
ン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪
族ナイロン;イソフタル酸、テレフタル酸、メタキシリ
レンジアミン、2,2−ビス(パラアミノシクロヘキシ
ル)プロパン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメ
タン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等
の芳香族、脂環族、側鎖置換脂肪族モノマーを重縮合し
たポリアミド等が挙げられ、好ましくは6−ナイロン、
6,6−ナイロン、12−ナイロンである。なお、これ
らの融点はそれぞれ240℃、265℃、180℃付近
である。
【0015】上記ポリエステルアミドの結晶融解熱量が
1mgあたり3mJ以上であることが好ましく、より好
ましくは1mgあたり3〜70mJである。3mJ未満
であると、膨潤度が高くなり過ぎて電池性能が低下する
からである。
【0016】上記ポリエステルアミドの極限粘度(ウベ
ローデ粘度計、オルトクロロフェノール溶液、30℃)
が0.35〜2.0dL/gであることが好ましく、よ
り好ましくは0.4〜1.9である。極限粘度が0.3
5未満であると上記ポリエステルアミドの有機電解液に
対する耐性が劣ったものとなる。2.0を越えるとN−
メチルピロリドン等の塗工溶剤への溶解性が困難になる
ため作業性が低下するからである。
【0017】本発明において、上記ポリアミド系エラス
トマーとしては、下記一般式(1)で表されるジカルボ
ン酸のうち少なくとも一種、及び、下記一般式(2)で
表されるジオールのうち少なくとも一種、並びに、還元
粘度(1g/dL98%硫酸溶液、20℃)が0.5〜
7dL/gであるポリアミドを反応させて得られるポリ
エステルアミドであることが好ましい。 HOOC−R1 −COOH (1) (式中、R1 は、炭素数2〜8のアルキレン基を表す) HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は、炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
【0018】上記一般式(1)で表されるジカルボン酸
としては特に限定されず、例えば、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ
る。
【0019】本発明においては、上記一般式(1)で表
されるジカルボン酸に加えて、ジカルボン酸成分とし
て、得られる結着剤の物性を損なわない範囲で、その他
の各種ジカルボン酸を適宜併用することができる。
【0020】上記一般式(2)で表されるジオールとし
ては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。なかで
も、得られる結着剤の柔軟性を向上させるので、1,2
−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール等の分枝
を有するジオールが好ましい。
【0021】本発明においては、上記一般式(2)で表
されるジオールに加えて、得られる結着剤の物性を損な
わない範囲で、ジオール成分として、グリコール及びポ
リアルキレンオキシド等を適宜併用することができる。
上記グリコールとしては特に限定されず、例えば、1,
7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−
1,2−ジオール、シクロへキサン−1,3−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール等が挙げられる。上記ポリア
ルキレンオキシドとしては特に限定されず、例えば、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテ
トラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオキシド等
が挙げられる。
【0022】また、本発明において、上記のジカルボン
酸やジオールの他に、得られる結着剤の物性を損なわな
い範囲で、3官能以上のカルボン酸や3官能以上のポリ
オールを適宜併用することができる。3官能以上のカル
ボン酸としてトリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン
酸等が好ましく、3官能以上のポリオールとしてトリメ
チロールプロパンやペンタエリスリトール等が好まし
い。これらの化合物は上記のジカルボン酸とジオールの
合計量に対し、0.01〜2重量%であることが好まし
い。
【0023】上記ポリアミドは、ポリマー主鎖にアミド
結合を有するものであって、ポリエステルの構成成分で
あるジカルボン酸及びジオールに溶解し、かつ、加熱溶
融できるものである。上記ポリアミドの還元粘度は、
0.5〜7.0dL/g(1g/dL98%硫酸溶液、
20℃)が好ましい。0.5dL/g未満であると、得
られるポリエステルアミドの高温での機械的強度が不足
し、7.0dL/gを超えると、溶解性が低下して合成
が困難となる。
【0024】上記ポリアミドは、分子量約1000〜6
0000であるものが好ましく、より好ましくは200
0〜50000であるものである。
【0025】上記ポリアミドとしては特に限定されず、
例えば、4−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロ
ン、11−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイ
ロン、6,12−ナイロン等の脂肪族ナイロン;イソフ
タル酸、テレフタル酸、メタキシリレンジアミン、2,
2−ビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパン、4,
4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン等の芳香族、脂環族、側
鎖置換脂肪族モノマーを重縮合したポリアミド等が挙げ
られる。
【0026】上記ポリエステルアミドにおいて、反応前
のポリアミドの重量が、反応して得られるポリエステル
アミドの重量に対して5〜90%であることが好まし
く、より好ましくは10〜85重量%である。ポリアミ
ドの量が少なすぎると得られる結着剤の機械的強度が不
足し、多すぎるとハードセグメント含量が増大するので
硬くなり、良好なゴム弾性を有する結着剤を得ることが
できないからである。
【0027】上記ポリエステルアミドは、任意の方法で
合成することができ、例えば、ポリアミド存在下でのジ
カルボン酸とジオールとの重合によって行うことができ
る。上記重合は、通常、エステル化反応と重縮合反応の
二段階の反応からなる。
【0028】第一段階として、エステル化反応を進行さ
せる。エステル化反応は、上記ポリアミドをポリエステ
ル成分に溶解させて、透明均質な溶液の状態で行うこと
が必要である。不均一な状態では、反応が効率よく進行
しない。溶解温度は、150〜230℃が好ましい。1
50℃未満では、溶解が困難であり、230℃を超える
と、分解反応が生じる可能性があるからである。
【0029】第二段階として、重縮合反応を進行させ
る。重縮合反応は、減圧下、好ましくは10mmHg以
下で、180〜260℃にて行うことが好ましい。18
0℃未満であると、反応速度が小さく、また、重合粘度
が高くなるので、効率的な重合が困難となり、260℃
を超えると、分解反応、着色が起こるからである。
【0030】上記重縮合反応においては、上記ジカルボ
ン酸1モルに対して、上記ジオール1.2〜3モルを仕
込むのが好ましい。上記ジカルボン酸1モルに対して、
上記ジオールが1.2モル未満であると、エステル化反
応が効率よく進行せず、3モルを超えると、過剰のジオ
ール成分を用いることからコスト面で不利であり、ま
た、過剰なジオール成分によりポリアミドの切断反応が
起こりやすくなるのでブロック性の低下が起こり、耐熱
性が低下するからである。
【0031】上記重縮合反応には、ポリエステルの製造
時に一般に使用される触媒を使用してもよい。上記触媒
としては特に限定されず、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、
バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタ
ン、コバルト、ゲルマニウム、タングステン、錫、鉛、
アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マ
ンガン、ジルコニウム等の金属;これらの有機金属化合
物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等が挙げ
られる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。なかでも、酢酸カルシウム、ジアシル
第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイド、
ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、錫ジオ
クタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブチルア
ルミニウム、テトラブチルチタネート、テトラプロポキ
シチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセテート、
二酸化ゲルマニウム、タングステン酸、三酸化アンチモ
ン等が好適に用いられる。
【0032】本発明においては、上記ポリエステルアミ
ドに、その他の熱可塑性樹脂、ゴム成分等を混合して混
合結着剤として使用することができる。この場合、混合
結着剤の膨潤度が5〜180重量%であればよい。上記
熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリメ
タクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリオレフィン、
変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリ
エステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂等が挙
げられる。
【0033】上記ゴム成分としては特に限定されず、例
えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)、水添SBR、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプ
レン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレ
タンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレ
ン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレ
ン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、水添S
BS、水添SIS等のスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性
エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素
系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0034】上記混合結着剤としては、ポリエステルア
ミドとポリフッ化ビニリデンとの混合物からなり、上記
ポリエステルアミドとポリフッ化ビニリデンの重量比が
5:95〜40:60であるものが好ましい。ポリエス
テルアミドとポリフッ化ビニリデンの重量比が上記重量
比からなる混合結着剤は、ポリエステルアミドによる接
着性、柔軟性と、ポリフッ化ビニリデンによる電解質に
対する耐久性をバランスよく発現し、ポリエステルアミ
ドとポリフッ化ビニリデンのいずれが多すぎても、それ
ぞれの特性を維持することが難しくなるからである。
【0035】本発明において、正電極又は負電極のいず
れか一方が、上記ポリエステルアミドを含有する結着剤
であればよい。一方の電極のみがポリエステルアミドを
含有する場合、他方の電極の結着剤としては、上記した
ポリエステルアミドに混合されるものと同様の熱可塑性
樹脂、ゴム成分などが使用されてもよく、又、結着剤が
使用されないものであってもよい。
【0036】上記正電極は、通常、上記結着剤及び正極
用活物質とから形成される。上記正極用活物質として
は、例えば、一般式LiMO2 (式中、Mは、Co、N
i、Mn及びVからなる群から選択された少なくとも1
種を表す)や、Lixy Mn2-y 4 ( 式中、Mは、
Cr、Co、Ni、Mn及びVからなる群から選択され
た少なくとも1種を表す。0 <x ≦1 、0 <y ≦2)で表
される複合酸化が使用される。
【0037】上記LiMO2 で表される複合酸化物とし
ては特に限定されず、例えば、リチウム・コバルト複合
酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物、リチウム・コ
バルト・ニッケル複合酸化物、リチウム・マンガン複合
酸化物、リチウム・バナジウム複合酸化物等が挙げられ
る。
【0038】Lix y Mn2-y 4 で表される複合酸
化物としては特に限定されず、例えば、リチウム・マン
ガン・クロム複合酸化物、リチウム・マンガン・コバル
ト複合酸化物、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化
物等が挙げられる。これらのうち、本発明においては、
リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複
合酸化物、リチウム・コバルト・ニッケル複合酸化物、
リチウム・マンガン複合酸化物が好適に用いられる。こ
れらは単独または混合物あるいは固溶体を用いることが
できる。また、これらの複合酸化物に、黒鉛、カーボン
ブラック、炭素繊維等の導電剤を混合してもよい。
【0039】本発明において正電極を作製するには、通
常、上記結着剤及び正極用活物質とを、有機溶剤に分散
させてスラリー状にしたものを金属箔上に塗布、乾燥さ
せて本発明の二次電池用の正電極を作製することができ
る。上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、N
−メチルピロリドン等が挙げられる。上記金属箔の材料
としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、ニッケ
ル、SUS、アルミニウム等が挙げられる。上記金属箔
としては、厚さが、数μm〜数百μmのものが好適に用
いられる。
【0040】上記正極用活物質と、結着剤中のポリエス
テルアミドとの配合比率は、正極用活物質複合酸化物1
00重量部に対して、ポリエステルアミド1〜20重量
部が好ましい。1重量部未満であると、上記複合酸化物
を金属箔に塗布することが困難であり、20重量部を超
えると、二次電池としての容量が低下するからである。
【0041】上記負電極は、通常、上記結着剤と、負極
用活物質又は活物質担持体とから形成される。上記負極
用活物質としては通常リチウム及びその合金が、活物質
担持体としては、結晶性又は低結晶性の炭素材料が挙げ
られる。
【0042】上記結晶性炭素材料としては、X線回折に
おける(002)面の面間隔が、3.7オングストロー
ム以上のものが好ましい。3.7オングストローム未満
であると、リチウムのドープ量が少なく、炭素の単位重
量あたりの電流容量が小さくなる。上記結晶性炭素材料
としては特に限定されず、例えば、ピッチコークス、ニ
ードルコークス等のコークス;カーボンファイバー、人
造黒鉛、天然黒鉛等が挙げられる。
【0043】上記人造黒鉛は、例えば、700〜150
0℃程度の温度による焼成等の方法により、有機材料を
炭素化することにより製造することができる。上記有機
材料としては特に限定されず、例えば、フルフリルアル
コール又はフルフラールのホモポリマーよりなるフラン
樹脂、フルフリルアルコール及びフルフラールのコポリ
マーよりなるフラン樹脂、セルロース、フェノール樹
脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル樹脂、ポリ塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレン、ポリパラフェニ
レン等の有機高分子化合物等が挙げられる。これらのう
ち、本発明においては、フルフリルアルコール又はフル
フラールのホモポリマーよりなるフラン樹脂、フルフリ
ルアルコール及びフルフラールのコポリマーよりなるフ
ラン樹脂が好適に用いられる。
【0044】また、上記有機材料として、水素原子/炭
素原子比が、0.6〜0.8である石油ピッチを用い、
これに酸素を含む官能基を導入するための酸素架橋を施
すことによって、酸素含有量10〜20重量%の前駆体
を得た後、この前駆体を焼成することによって得られる
結晶性炭素材料も好適に用いられる。
【0045】更に、上記有機材料として、例えば、ナフ
タレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレ
ン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ピリレ
ン、ペンタフェン、ペンタセン等の3員環以上の単環炭
化水素化合物が互いに2個以上縮合してなる縮合環式炭
化水素化合物、これらの誘導体;インドール、イソイン
ドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタ
ラジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェ
ナントリジン等の3員環以上の複素単環化合物が互いに
少なくとも2個以上結合するか、又は、3員環以上の複
素単環化合物が1個以上の3員環以上の単環炭化水素化
合物と縮合してなる縮合複素環式化合物、これらの誘導
体等を用いることもできる。
【0046】上記低結晶性炭素材料としては、易黒鉛化
炭素材と難黒鉛化炭素材が挙げられる。易黒鉛化炭素材
は、石油・石炭から得られるタールピッチを原料として
500〜1000℃で熱処理をすると得られる。また、
難黒鉛化性材料はフェノール樹脂等の有機化合物を焼成
して炭化して得られるもので、炭素網面がランダムに積
層した乱層構造を有する。これは熱処理温度を高くして
も黒鉛化が進むことはなく、その層間距離は天然黒鉛よ
りかなり広いものである。
【0047】本発明において負電極を作製するには、上
記結着剤と、負極用活物質又は活物質担持体とを、有機
溶剤に分散させてスラリー状にしたものを金属箔上に塗
布、乾燥させて本発明の二次電池用の負電極を作製する
ことができる。上記有機溶剤としては特に限定されず、
例えば、N−メチルピロリドン等が挙げられる。上記金
属箔の材料としては特に限定されず、例えば、金、銀、
銅、ニッケル、SUS、アルミニウム等が挙げられる。
上記金属箔としては、厚さが、数μm〜数百μmのもの
が好適に用いられる。
【0048】上記活物質担持体として炭素材料を、結着
剤として上記ポリエステルアミドを使用する場合、炭素
材料100重量部に対して、ポリエステルアミド1〜2
0重量部が好ましい。1重量部未満であると、上記炭素
材料を金属箔に塗布することが困難であり、20重量部
を超えると、二次電池としての容量が低下するからであ
る。
【0049】上記正電極及び負電極は、シート形、角
形、円筒形等の形状とし、本発明の二次電池の電極とす
ることができる。この場合において、負電極は、セパレ
ーターを介して正電極と対峙させる。
【0050】上記セパレーターは、保液性に優れた材料
が用いられる。このようなものとしては特に限定され
ず、例えば、ポリオレフィン系樹脂の不織布等が挙げら
れる。これらは、電解液を含浸させて用いるのが好まし
い。
【0051】また、本発明の非水電解質二次電池の電解
液としては、有機溶媒に電解質を溶解したものが用いら
れる。上記有機溶媒としては特に限定されず、例えば、
カーボネート類、スルホラン類、塩素化炭化水素類、エ
ーテル類、エステル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリ
ル類等が挙げられる。具体例としては、例えば、プロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエ
トキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ギ酸メチ
ル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ジメチルカーボ
ネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトリル、等が挙げられ
る。これらは単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0052】上記電解質としては特に限定されず、例え
ば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiBP
4 、LiCl、LiBr、MeSO3 Li、CF3
3Li、LiAsF6 、Li(CF3 SO)2 N、L
iC4 9 SO3 等が挙げられる。式中、Phは、フェ
ニル基を表し、Meは、メチル基を表す。
【0053】(作用)本発明の非水電解質二次電池は、
正電極と負電極、及び非水電解質を備えた非水電解質二
次電池において、 上記正電極又は負電極の少なくとも
一方が、結合剤としてポリエステルアミドを含有し、該
結合剤の膨潤度(電解液に用いる有機溶媒中の重量増加
率、23℃)が5〜180重量結着剤を構成成分として
含有する正電極と負電極、及び非水電解質を備えた非水
電解質二次電池において、 上記正電極又は負電極は構
成する結着剤の少なくとも一方が、実質的にポリエステ
ルアミドからなり、該ポリエステルアミドの膨潤度(電
解液に用いる有機溶媒中の重量増加率、23℃)が5〜
180重量%されているから、上記ポリエステルアミド
が、二次電池の電解液に対する耐溶剤性に優れると同時
に、正極活物質、負極活物質、活物質担持体、及び、電
極に用いられる金属箔への接着性が優れている。このた
めに、上記ポリエステルアミドを用いた電極を使用した
二次電池は、充放電を繰り返した場合においても、正極
活物質、負極活物質等が金属箔から剥離することがな
く、また、電極表面のクラックの発生がないので、高い
容量の維持が可能となる。更に、上記ポリエステルアミ
ドは、低い弾性率を有し、柔軟性に優れているので、得
られる電極は、可撓性があり、形状を自在に設定するこ
とができるものとなる。そのために、電極の取扱が容易
であり、限られた空間にできるだけ多くの負極活物質を
充填することができるので、高いエネルギー密度と高容
量の二次電池の作製が可能となる。
【0054】さらに、本発明の非水電解質二次電池は、
結着剤がポリエステルアミドとポリフッ化ビニリデンと
の混合物からなり、上記ポリエステルアミドとポリフッ
化ビニリデンの重量比が5:95〜40:60とされて
いる混合結着剤からなる場合、上記接着性、柔軟性に優
れているだけでなく、電解質に対する耐久性を両立させ
るのに有利である。
【0055】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0056】ポリエステルアミドAの合成 アジピン酸146重量部、ブチレングリコール108重
量部、ネオペンチルグリコール125重量部〔ブチレン
グリコール/ネオペンチルグリコール=50/50(モ
ル比)、仕込み時のアジピン酸成分/ジオール成分=1
/2.4(モル比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社製、
品番「T850」;1g/dL98%硫酸中、20℃で
の還元粘度3.5dL/g)120重量部、触媒として
テトラブチルチタネート0.25重量部、安定剤として
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
0.4重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト0.4重量部を加え、反応系を窒素
下、200℃に昇温した。10分後にはナイロンが溶解
し、透明な溶液となった。この温度で更に1時間保ち、
エステル化反応を行った。エステル化反応の進行は、留
出する水分量を計量することにより確認した。エステル
化反応進行後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操
作を行った。重合系は10分間で1mmHg以下の減圧
度に達した。この状態で1時間重縮合反応を行った結
果、透明のポリエステルアミド(以下、「ポリエステル
アミドA」という)327重量部を得た。
【0057】ポリエステルアミドBの合成 6−ナイロン(東洋紡績社製、品番「T850」)12
0重量部の代わりに、6−ナイロン(ユニチカ社製、品
番「A1050」;1g/dL98%硫酸中、20℃で
の還元粘度6.2dL/g)400重量部を用いたこと
以外は、ポリエステルアミドAと同様にしてポリエステ
ルアミド(以下、「ポリエステルアミドB」という)6
07重量部を得た。
【0058】ポリエステルアミドCの合成 6−ナイロン(東洋紡績杜製、品番「T850」)12
0重量部の代わりに、6−ナイロン(ユニチカ社製、品
番「A1050」)180重量部を用いたこと以外は、
ポリエステルアミドAと同様にしてポリエステルアミド
(以下、「ポリエステルアミドC」という)387重量
部を得た。
【0059】ポリエステルアミドDの合成 6−ナイロン(東洋紡績杜製、品番「T850」)12
0重量部の代わりに、6−ナイロン(ユニチカ社製、品
番「A1050」)50重量部を用いたこと以外は、ポ
リエステルアミドAと同様にしてポリエステルアミド
(以下、「ポリエステルアミドD」という)256重量
部を得た。
【0060】ポリエステルアミドEの合成 アジピン酸161重量部、ブチレングリコール119重
量部、ネオペンチルグリコール137重量部〔ブチレン
グリコール/ネオペンチルグリコール=50/50(モ
ル比)、仕込み時のアジピン酸成分/ジオール成分=1
/2.4(モル比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社製、
品番「T850」)20重量部、ペンタエリスリトール
0.75重量部、触媒としてテトラブトキシチタン0.
6重量部、安定剤として1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン0.4重量部、トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.4重量部
を加え、反応系を窒素下、200℃に昇温した。10分
後にはナイロンが溶解し、透明な溶液となった。この温
度で更に1時間保ち、エステル化反応を行った。エステ
ル化反応の進行は、留出する水分量を計量することによ
り確認した。エステル化反応進行後、20分間で240
℃まで昇温し、減圧操作を行った。重合系は10分間で
1mmHg以下の減圧度に達した。この状態で60分間
重縮合反応を行った結果、透明なポリエステルアミド
(以下、「ポリエステルアミドE」という)248重量
部を得た。
【0061】ポリエステルアミドFの合成 6−ナイロン(東洋紡績杜製、品番「T850」)の添
加量を40重量部としたこと以外は、ポリエステルアミ
ドAと同様にしてポリエステルアミド(以下、「ポリエ
ステルアミドF」という)268重量部を得た。
【0062】ポリエステルアミドGの合成 6−ナイロン(東洋紡績杜製、品番「T850」)の添
加量を120重量部としたこと以外は、ポリエステルア
ミドEと同様にしてポリエステルアミド(以下、「ポリ
エステルアミドG」という)348重量部を得た。
【0063】ポリエステルアミドHの合成 ポリエステルアミドAの合成における、アジピン酸14
6重量部、ブチレングリコール108重量部、ネオペン
チルグリコール125重量部、6−ナイロン(東洋紡績
社製、品番「T850」)120重量部の代わりに、ア
ジピン酸146重量部、エチレングリコール47重量
部、プロピレングリコール57重量部〔エチレングリコ
ール/プロピレングリコール=50/50(モル比)、
仕込み時のアジピン酸成分/ジオール成分=1/1.5
(モル比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社製、品番「T
850」)77重量部を用いて同様に行い、ポリエステ
ルアミド(以下、「ポリエステルアミドH」という)2
56重量部を得た。
【0064】ポリエステルアミドIの合成 ポリエステルアミドAの合成における、アジピン酸14
6重量部、ブチレングリコール108重量部、ネオペン
チルグリコール125重量部、6−ナイロン(東洋紡績
社製、品番「T850」)120重量部の代わりに、ア
ジピン酸146重量部、1,4−ブタンジオール126
重量部、ネオペンチルグリコール146重量部〔1,4
−ブタンジオール/プロピレングリコール=50/50
(モル比)、仕込み時のアジピン酸成分/ジオール成分
=1/2.8(モル比)〕、6−ナイロン(東洋紡績社
製、品番「T850」)207重量部を用いて同様に行
い、ポリエステルアミド(以下、「ポリエステルアミド
I」という)414重量部を得た。
【0065】ポリエステルアミドaの調製 6−ナイロン(東洋紡績杜製、品番「T850」)を1
0重量部を用いたこと以外は、ポリエステルアミドAと
同様にしてポリエステルアミド(以下、「ポリエステル
アミドa」という)217重量部を得た。このポリマー
は弾性のないものであり、ポリアミド系エラストマーは
得られなかった。
【0066】得られたポリエステルアミドA〜I、aを
粉砕し、下記方法により評価した。結果を表1に示し
た。なお、ポリアミド含量は、生成ポリエステルアミド
の重量に対する仕込み時のポリアミドの重量から算出し
た。
【0067】(評価方法) 1.ポリエステルアミドの膨潤度 23℃のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート
=1/2(重量比)に10mm×40mm×0.5mm
に圧縮成型したポリエステルアミドを浸漬し、7時間後
の重量増加率を測定し、これを膨潤度とした。 2.ポリエステルアミドの極限粘度 ウベローデ粘度管を用い、o−クロロフェノール中、3
0℃で測定した。 3.融点及び結晶融解熱量 示差走査熱量計(DSC)を用い、はじめに室温から2
40℃に昇温し、次に−100℃まで−20℃/分で降
温した後、昇温速度10℃/分で測定を行った。
【0068】
【表1】
【0069】(実施例1〜13、比較例1〜4)
【0070】(結着剤の作製)表2に示した所定量のポ
リエステルアミドA〜I、a、ポリフッ化ビニリデン
(呉羽化学社製、品番「KF−1300」)、6−ナイ
ロン(東洋紡績社製、品番「T850」)を混合し、結
着剤を得た。
【0071】正電極の作製 炭素リチウム0.5モルと炭素コバルト1モルとを混合
し、900℃の空気中で5時間焼成することによって、
LiCoO2 を得た。
【0072】得られたLiCoO2 95重量部、導電剤
としてグラファイト5重量部、及び、結着剤5重量部
を、N−メチルピロリドン100重量部に分散させ、ス
ラリー状塗工液にした。この塗工液を1cm×5cm×
15μmのアルミ箔に塗布、乾燥させ、正電極を作製し
た。
【0073】負極炭素材料の作製 出発原料としての石油ピッチに、酸素を含む官能基を導
入するための酸素架橋を施し、酸素10〜20重量%の
前駆体を、不活性ガスの気流中にて1000℃で焼成す
ることによって、炭素材料を得た。この炭素材料を粉砕
し、平均粒径10μmの炭素材料の粉末(以下、「炭素
材料A」という)を得た。得られた炭素材料Aについて
X線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は
3.76オングストロームであった。以下、負電極用炭
素材料として、市販の天然黒鉛の粉末(以下、「炭素材
料B」という)、フルフリルアルコール樹脂を不活性ガ
スの気流中にて1000℃で焼成したもの(以下、「炭
素材料C」という)と共に、負電極の作製に供した。
【0074】得られた炭素材料100重量部、及び、結
着剤5重量部を、N−メチルピロリドン100重量部に
分散させ、スラリー状塗工液にした。この塗工液を1c
m×5cm×15μmの銅箔に塗布、乾燥させ、負電極
を作製した。
【0075】電池の作製 上記負電極、及び、上記正電極を用い、試験用電池を作
製した。このとき、電解液として、エチレンカーボネー
ト/ジメチルカーボネート= 1/2(重量比)の混合溶
媒1リットルに対しLiPF6 を1モル溶解した非水電
解液を用いた。またセパレーターとしては、微多孔性プ
ロピレンフィルムを用いた。
【0076】得られた電池の放電容量及び容量維持率に
ついて、下記方法により評価した。結果を表2に示し
た。
【0077】評価方法 1.結着剤の膨潤度 ポリエステルアミドを含有する結着剤について、23℃
のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=1/
2(重量比)に10mm×40mm×0.5mmに圧縮
成型した結着剤を浸漬し、7時間後の重量増加率を測定
し、これを膨潤度とした。 2.放電容量(Ah/kg) 得られた電池を、定電圧4.2Vで5時間充電をした
後、1.0mA/cm2の定電流で終止電圧2.75V
で放電した。この充放電サイクルを繰り返し、10サイ
クル目の放電容量を測定した。
【0078】3.容量維持率(%) 得られた電池を、定電圧4.2Vで5時間充電をした
後、1.0mA/cm2の定電流で終止電圧2.75V
で放電した。この充放電サイクルを繰り返し、10サイ
クル目の放電容量と300サイクル目の放電容量を測定
し、200サイクル目の放電容量の10サイクル目の放
電容量に対する割合を容量維持率とした。
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】本発明の非水電解質二次電池、上述の如
き構成とされているから、高容量で充放電特性に優れ、
長期の繰り返し使用においても数百回以上の充放電サイ
クルにおいても、容量維持率が高いので、携帯型ビデオ
カメラ、携帯型パソコン、携帯電話、トランシーバー、
カメラ、ヘッドホンステレオ、携帯型テレビ等の電子機
器の移動用電源として好適に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01M 10/40 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正電極と負電極、及び非水電解質を備え
    た非水電解質二次電池において、 上記正電極又は負電極の少なくとも一方が、結合剤とし
    てポリエステルアミドを含有し、該結合剤の膨潤度(電
    解液に用いる有機溶媒中の重量増加率、23℃)が5〜
    180重量%であることを特徴とする非水電解質二次電
    池。
  2. 【請求項2】 上記結着剤が、ポリエステルアミドとポ
    リフッ化ビニリデンとの混合物からなり、上記ポリエス
    テルアミドとポリフッ化ビニリデンの重量比が5:95
    〜40:60であることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 上記ポリエステルアミドが、融点が15
    0℃以上、結晶融解熱量が1mgあたり3mJ以上、且
    つ、極限粘度(ウベローデ粘度計、オルトクロロフェノ
    ール溶液、30℃)が0.35〜2dL/gであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質二次電
    池。
  4. 【請求項4】 上記ポリエステルアミドが、下記一般式
    (1)で表されるジカルボン酸のうち少なくとも一種、
    及び、下記一般式(2)で表されるジオールのうち少な
    くとも一種、並びに、還元粘度(1g/dL98%硫酸
    溶液、20℃)が0.5〜7dL/gであるポリアミド
    を反応して得られるポリエステルアミドであり、 反応前のポリアミドの重量が、反応して得られるポリエ
    ステルアミドの重量に対して5〜90%であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。 HOOC−R1 −COOH (1) (式中、R1 は、炭素数2〜8のアルキレン基を表す) HO−R2 −OH (2) (式中、R2 は、炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG103316A1 (en) * 2000-09-19 2004-04-29 Nisshin Spinning Ion-conductive composition, gel electrolyte, non-aqueous electrolyte battery, and electrical double-layer capacitor
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WO2011161863A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池
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CN114096604A (zh) * 2019-06-27 2022-02-25 阿科玛法国公司 热塑性弹性体和含氟聚合物的组合

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