JP2011175751A - リチウムイオン二次電池電極結着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属との接着性に優れたリチウムイオン二次電池電極結着剤を提供する。
【解決手段】(X)ポリイミド系樹脂70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂5〜30重量%とを含有するリチウムイオン二次電池電極結着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池電極用結着剤に関する。
電子技術の進歩による電子機器の小型化・ポータブル化に伴い、電源として高エネルギー密度の電池が望まれている。現在、最も高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池においても、自動車用途やより多機能化した小型電子機器向けに、さらなる高密度化が望まれている。従来のリチウムイオン二次電池は、正極にリチウムコバルト複合酸化物などのリチウム複合金属酸化物を、負極に炭素材を用いていたが、近年、負極にリチウム合金材を用いることでよりエネルギー密度を高めた電池(以下、次世代リチウムイオン二次電池)が開発されている。次世代リチウムイオン二次電池も従来のリチウムイオン二次電池と同様に、活物質と結着剤を溶媒に分散したペースト状の電極材料を集電体である金属箔上に塗布し、溶剤を乾燥した後に圧縮して正・負極板を得ている。
リチウムイオン二次電池電極において、結着剤の機能は集電体に活物質を密着させ、充放電時に膨張収縮する活物質の脱離を防ぐことである。充電時の活物質は体積膨張するため、活物質と集電体とを結びつける結着剤に引っ張り応力が生じる。このため、結着剤と集電体との密着性が低い場合には集電体から活物質が剥離・脱落する課題がある。
これまでに、結着剤として、例えば、ポリイミド樹脂(例えば、特許文献1参照)や、ダイマー酸が共重合されて成り、対数粘度が0.1dl/g以上であるポリアミドイミド樹脂(例えば、特許文献2参照)、少なくとも1種のブタジエン系ゴムが共重合されて成り、対数粘度が0.1dl/g以上であるポリアミドイミド樹脂(例えば、特許文献3参照)、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂(例えば、特許文献4参照)などのポリアミドイミド樹脂、アラミド−アミドイミド共重合体(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。しかしながら、次世代リチウムイオン二次電池に用いられるリチウム合金材は従来の炭素材に比して充放電時の膨張・収縮が著しく大きく、活物質と集電体を結着する部分の結着剤により大きな応力がかかる。これら従来公知の結着剤は集電体との接着性が不十分であり、充放電を繰り返すことによって活物質が集電体から剥離・脱落する課題があった。
これに対し、特定の構造を有し、30℃における対数粘度が0.02〜2.0dl/gであるリチウムイオン二次電池電極結着剤用樹脂が提案されている(例えば、特許文献6参照)。かかる結着剤により集電体との接着性が向上し、充放電による体積膨張・収縮の大きい活物質の保持性も向上するものの、さらなる集電体との接着性向上が求められている。
特開平6−163031号公報 特開平11−21454号公報 特開平11−21455号公報 特開2001−68115号公報 特開2007−84808号公報 国際公開第2008/105036号パンフレット
本発明はかかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は集電体である金属との接着性に優れたリチウムイオン二次電池電極結着剤を提供することにある。
本発明は、(X)ポリイミド系樹脂 70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂 5〜30重量%とを含有するリチウムイオン二次電池電極結着剤である。
本発明のリチウムイオン二次電池電極結着剤は、金属との接着性に優れる。
本発明のリチウムイオン二次電池結着剤は、(X)ポリイミド系樹脂と、(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂とを特定量含有する。硬化後の剛性の高い(X)ポリイミド系樹脂と、エステル基やアミド基などの親水性基を有する(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂とを含有することにより、金属表面の水酸基に対する親和性を高め、金属との接着性を飛躍的に向上させることができると考えられる。なお、本発明においてポリイミド系樹脂とは、イミド環を含む繰り返し単位を有する樹脂(ポリイミド樹脂)と、熱処理や化学処理によりイミド環を形成し得るポリイミド樹脂前駆体との総称である。
<ポリイミド系樹脂>
(X)ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド前駆体およびポリイミド樹脂が挙げられ、酸残基とジアミン残基を有する。ポリイミド前駆体としては、ポリアミド酸やポリアミド酸エステルなどが挙げられる。また、ポリイミド樹脂には、アミド結合を有するポリアミドイミド樹脂が含まれる。これらポリイミド系樹脂を2種以上含有してもよい。
ポリイミド系樹脂の酸残基を構成する酸としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族トリカルボン酸無水物、芳香族トリカルボン酸無水物モノクロリドなどの芳香族環を有するものが好ましい。これらを2種以上共重合してもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
芳香族トリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物、3’,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3’,4,4’−ジフェニルメタントリカルボン酸無水物、3’,4,4’−ジフェニルイソプロパントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物などが挙げられ、芳香族トリカルボン酸無水物モノクロリドとしては、これらのモノクロリドが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
また、上記酸とジカルボン酸やジカルボン酸ジクロリドなどを共重合してもよく、溶媒溶解性を向上させることができる。ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられ、ジカルボン酸ジクロリドとしては、これらのジクロリドなどが挙げられる。
ポリイミド系樹脂のジアミン残基を構成するジアミンとしては、芳香族ジアミンが好ましい。
芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明に用いられるポリイミド系樹脂は、例えば、ポリイミド前駆体の場合、(i)低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させる方法、(ii)テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得て、その後ジアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、(iii)テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得て、その後残りのカルボキシル基を酸クロリド化し、ジアミンと反応させる方法や、(iv)芳香族ジアミンとトリメリット酸無水物モノクロリドを用いる酸クロリド法などにより得ることができる。また、例えば、ポリイミド樹脂の場合、(i)前記方法によりポリイミド前駆体を得て、公知の方法により完全にイミド化する方法、または、途中でイミド化反応を停止して部分的にイミド化する方法などにより得ることができる。イミド化する方法としては、例えば、温度150〜250℃、圧力4kPa未満で加熱する方法が挙げられる。また、例えば、(ii)芳香族ジアミンから誘導された芳香族ジイソシアネートとトリメリット酸無水物を反応させるイソシアネート法、(iii)芳香族ジアミンとトリメリット酸無水物を脱水触媒の存在下に高温に加熱して反応させる直接重合法などにより、アミド結合を有するポリアミドイミド樹脂を得ることができる。
<ポリエステル樹脂>
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールの重合により得られる。これらポリエステル樹脂を2種以上含有してもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−フタル酸などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ジオールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ダイマージオール、ビスフェノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキシド付加体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、日本合成化学(株)製の“ニチゴーポリエスター(登録商標)”、東洋紡績(株)製の“バイロン(登録商標)”、東レ・ファインケミカル(株)製の“ケミット(登録商標)”、東亜合成(株)製の“アロンメルト(登録商標)”などが挙げられる。
本発明において、(X)ポリイミド系樹脂とポリエステル樹脂とを溶媒中で混合してリチウムイオン二次電池電極結着剤を得る場合、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)やN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAC)に溶解性の高い非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。ここで、非晶性ポリエステル樹脂とは、分子鎖の規則的な配列がほとんどなく結晶化度が低いため、結晶性樹脂に見られる明確な融点を持たないポリエステル樹脂である。
非晶性ポリエステル樹脂の市販品としては、東洋紡績(株)製の“バイロン”200、日本合成工業(株)製の“ニチゴーポリエスター”LP033、東レファインケミカル(株)製の“ケミット”K−1294などが挙げられる。
<ポリアミド樹脂>
ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸とジアミン重合または環状アミドの開環重合により得られる。これらポリアミド樹脂を2種以上含有してもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ジアミンとしては、例えば、アミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジンやヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ポリエチレングリコールの末端をジアミン変性したビスアミノプロピルポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、得られるポリアミド樹脂のNMPやDMACに対する溶解性の観点から、アミノエチルピペラジンやビスアミノプロピルポリエチレングリコールが好ましい。
環状アミドとしては、例えば、ε−カプロラクタムやα−ジメチルアミノε−カプロラクタムなどが挙げられる。
さらにNMPやDMACへの高い溶解性を保ちながら接着性を高める観点から、アミノエチルピペラジンおよび/またはビスアミノプロピルポリエチレングリコールとジカルボン酸の残基で構成される構成単位、ならびに、ε−カプロラクタムの残基で構成される構成単位を有する変性ポリアミド樹脂が好ましい。かかる変性ポリアミド樹脂は、アミノエチルピペラジンやビスアミノプロピルポリエチレングリコールとジカルボン酸の重合時にε−カプロラクタムを共重合することにより得ることができる。アミノエチルピペラジンおよびビスアミノプロピルポリエチレングリコールとジカルボン酸の残基で構成される構成単位、ならびに、ε−カプロラクタムの残基で構成される構成単位を有する変性ポリアミド樹脂の市販品としては、例えば、東レ(株)製のAQナイロンなどが挙げられる。
<リチウムイオン電池二次電池電極結着剤>
本発明のリチウムイオン電池二次電池電極結着剤(以下結着剤とも言う)は、(X)ポリイミド系樹脂 70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂 5〜30重量%とを含有する。ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂を含有してもよく、この場合、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂の総量が5〜30重量%であればよい。また、必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。
(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂の含有量が5重量%未満であると、金属との接着性向上効果を十分に得ることができない。一方、(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂の含有量が30重量%を超えると、相対的に(X)ポリイミド系樹脂の含有量が低下し、結着剤の強度が低下するため、金属との接着性向上効果を十分に得ることができない。15重量%以下が好ましい。また、(X)ポリイミド系樹脂の含有量が70重量%未満であると、結着剤の強度が低下するため、金属との接着性向上効果を十分に得ることができない。85重量%以上が好ましい。一方、(X)ポリイミド系樹脂の含有量が95重量%を超えると、相対的に(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂の含有量が低下し、金属との接着性向上効果を十分に得ることができない。
本発明の結着剤は、例えば、(X)ポリイミド系樹脂と(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂をそれぞれ溶媒に溶解した溶液を混合することにより結着剤溶液を得て、その後溶媒を除去することにより得ることができる。
溶媒としては、(X)ポリイミド系樹脂と(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂を均一に混合できれば特に制限されないが、非プロトン性溶媒が好ましく、NMPやDMACなどが好ましく用いられる。
結着剤溶液における溶媒含有量は、(X)ポリイミド系樹脂と(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂を均一に混合できれば特に限定されないが、70〜95重量%が好ましい。
(X)ポリイミド系樹脂を溶媒に溶解する方法、(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂を溶媒に溶解する方法、これらの溶液を混合する方法は特に限定されず、例えば、公知の撹拌方法を挙げることができる。溶媒や溶液の粘度や固形分濃度に合わせて、デイゾルバーなどのエンペラー型分散機や3本ロール、サンドミル、ボールミルなどを適宜組み合わることができる。また、撹拌しながら加熱してもよい。
本発明の結着剤は、結着剤溶液とすることで金属への塗工を容易に行うことができる。塗工後、溶媒を除去することにより、金属との強い接着性を発現する。溶媒を除去する手段としては、オーブン、ホットプレート、赤外線などを挙げることができる。ポリイミド系樹脂の劣化なく溶媒を乾燥できれば特に温度範囲は限定されないが、50〜180℃の範囲が好ましい。乾燥時間は塗工厚みにより異なるが、数時間〜数十時間が好ましい。
以下に、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各実施例・比較例における評価は以下の方法で行った。
1.試験片の作製
各実施例・比較例により得られた結着剤溶液を厚さ16μm、幅30mm、長さ160mmの銅箔(日本電解(株)社製)に膜厚が約4μmになるようにバーコーターを用いて塗工した。これを熱風乾燥機中160℃で16時間熱処理して溶媒を乾燥させた。乾燥後、結着剤が塗工された銅箔を3mm×3mmに切り出し試験片とした。試験片の厚みをマイクロメーターで5回測定し、その平均値を求めた。
2.接着性
上記1.に記載の方法で作製した試験片を15mm径の孔の開いた治具に挟み込み、万能試験機のロードセルに設置した。15mm径の丸棒を取り付けた可動部をロードセル側に移動させながら、試験片に荷重を加えた。結着剤が銅箔から剥離し試験片が破断するまで可動部の移動を行い、この間にロードセルにかかった荷重を測定した。ロードセルにかかった最大荷重を試験片の膜厚の平均値で割り接着性を求めた。
3.混合性
上記1.に記載の方法で得られた試験片面の塗工状態を目視で観察し、以下の基準により評価した。
○:良好に混合
△:塗工面に凝集あり
×:著しい凝集または塗り斑あり
比較例1
<ポリイミド系樹脂の合成>
2000mlのガラス4つ口フラスコに重合溶媒DMACを0.61リットル、m−フェニレンジアミン(m−PDA)を0.28モル、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を0.42モル仕込み、撹拌してこれらのジアミンを完全に溶解させた。次いで、テレフタル酸ジクロリド(TPC)0.14モルとトリメリット酸無水物モノクロリド(TMAC)0.56モルとを、液温が30℃を超えないように徐々に添加した。添加終了後、溶液を30℃に温調し1.0時間撹拌して反応させた。得られた重合溶液をイオン交換水(以下IW)1.7リットル中に再沈殿して濾過分別し、ポリアミド酸の粉末を得た。得られたポリアミド酸の粉末を、熱風乾燥機中、130℃で5時間、次いで200℃で2時間、次いで220℃で1時間乾燥し、ポリアミドイミド樹脂の粉末を得た。
<結着剤溶液の作製>
得られたポリアミドイミド樹脂の粉末をNMPに溶解させ、10重量%濃度のポリアミドイミド樹脂溶液とした。一方、東レファインケミカル(株)製の非晶性ポリエステル樹脂“ケミット”K−1294(商品名)をNMPに溶解させ、10重量%濃度の非晶性ポリエステル樹脂溶液とした。
前記ポリアミドイミド樹脂溶液と前記非晶性ポリエステル樹脂溶液を重量比1:99の割合で混合し、室温中で完全に均一になるまで撹拌し、結着剤溶液を得た。得られた結着剤溶液を用い、前記方法で接着性と混合性を評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1〜4、比較例2
ポリアミドイミド樹脂溶液と非晶性ポリエステル樹脂溶液の混合割合を変更して非晶性ポリエステル樹脂量を表1のとおりに変更した以外は比較例1と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
実施例5〜8、比較例3〜4
非晶性ポリエステル樹脂“ケミット”K−1294にかえて東レ(株)製AQナイロンP−70(商品名)を用いた以外は実施例1〜4、比較例1〜2と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
実施例9〜11
非晶性ポリエステル樹脂“ケミット”K−1294にかえて、それぞれ東洋紡績(株)製非結晶性ポリエステル樹脂“バイロン”200(商品名)、東レ・ファインケミカル(株)製結晶性ポリエステル樹脂“ケミット”R−1159(商品名)、東洋紡績(株)製結晶性ポリエステル樹脂“バイロン”GM440(商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
実施例12
東レ(株)製ポリアミド6“アラミン(登録商標)”CM1001(商品名)をフェノール/エタノール=8/2(重量比)混合液に固形分濃度が10重量%となるように溶解し、ポリアミド樹脂溶液とした。非晶性ポリエステル樹脂溶液にかえて前記ポリアミド樹脂溶液を用いた以外は実施例1と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
比較例5
比較例1に記載の方法で得られた10重量%濃度のポリアミドイミド樹脂溶液を結着剤溶液とした。評価結果を表2に示す。
比較例6
日本ゼオン(株)製スチレンブタジエンゴムBM−400B(商品名)の水分散液を作製し、結着剤溶液とした。試験片の作製において熱風乾燥機による乾燥条件を105℃で2分間に変更した以外は比較例6と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
比較例7
エポキシ樹脂である東レファインケミカル(株)製の“ケミット(登録商標)”エポキシ(商品名)をNMPに固形分濃度が10重量%になるように溶解し、エポキシ樹脂溶液とした。非晶性ポリエステル樹脂溶液にかえて前記エポキシ樹脂溶液を用いた以外は実施例2と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
比較例8
シランカップリング剤である東レダウコーニング(株)製のSH6020をNMPに固形分濃度が10重量%になるように溶解し、シランカップリング剤溶液とした。非晶性ポリエステル樹脂溶液にかえて前記シランカップリング剤溶液を用いた以外は実施例2と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2011175751
Figure 2011175751

Claims (3)

  1. (X)ポリイミド系樹脂 70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂 5〜30重量%とを含有するリチウムイオン二次電池電極結着剤。
  2. 前記ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂を含有する請求項1記載のリチウムイオン二次電池電極結着剤。
  3. 前記ポリアミド樹脂が、アミノエチルピペラジンおよび/またはビスアミノプロピルポリエチレングリコールとジカルボン酸の残基で構成される構成単位、ならびに、ε−カプロラクタムの残基で構成される構成単位を有する変性ポリアミド樹脂を含有する請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池電極結着剤。
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