JP2011175751A - リチウムイオン二次電池電極結着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(X)ポリイミド系樹脂70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂5〜30重量%とを含有するリチウムイオン二次電池電極結着剤。
【選択図】なし
Description
(X)ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド前駆体およびポリイミド樹脂が挙げられ、酸残基とジアミン残基を有する。ポリイミド前駆体としては、ポリアミド酸やポリアミド酸エステルなどが挙げられる。また、ポリイミド樹脂には、アミド結合を有するポリアミドイミド樹脂が含まれる。これらポリイミド系樹脂を2種以上含有してもよい。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールの重合により得られる。これらポリエステル樹脂を2種以上含有してもよい。
ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸とジアミン重合または環状アミドの開環重合により得られる。これらポリアミド樹脂を2種以上含有してもよい。
本発明のリチウムイオン電池二次電池電極結着剤(以下結着剤とも言う)は、(X)ポリイミド系樹脂 70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂あるいはポリアミド樹脂 5〜30重量%とを含有する。ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂を含有してもよく、この場合、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂の総量が5〜30重量%であればよい。また、必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。
各実施例・比較例により得られた結着剤溶液を厚さ16μm、幅30mm、長さ160mmの銅箔(日本電解(株)社製)に膜厚が約4μmになるようにバーコーターを用いて塗工した。これを熱風乾燥機中160℃で16時間熱処理して溶媒を乾燥させた。乾燥後、結着剤が塗工された銅箔を3mm×3mmに切り出し試験片とした。試験片の厚みをマイクロメーターで5回測定し、その平均値を求めた。
上記1.に記載の方法で作製した試験片を15mm径の孔の開いた治具に挟み込み、万能試験機のロードセルに設置した。15mm径の丸棒を取り付けた可動部をロードセル側に移動させながら、試験片に荷重を加えた。結着剤が銅箔から剥離し試験片が破断するまで可動部の移動を行い、この間にロードセルにかかった荷重を測定した。ロードセルにかかった最大荷重を試験片の膜厚の平均値で割り接着性を求めた。
上記1.に記載の方法で得られた試験片面の塗工状態を目視で観察し、以下の基準により評価した。
○:良好に混合
△:塗工面に凝集あり
×:著しい凝集または塗り斑あり
<ポリイミド系樹脂の合成>
2000mlのガラス4つ口フラスコに重合溶媒DMACを0.61リットル、m−フェニレンジアミン(m−PDA)を0.28モル、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を0.42モル仕込み、撹拌してこれらのジアミンを完全に溶解させた。次いで、テレフタル酸ジクロリド(TPC)0.14モルとトリメリット酸無水物モノクロリド(TMAC)0.56モルとを、液温が30℃を超えないように徐々に添加した。添加終了後、溶液を30℃に温調し1.0時間撹拌して反応させた。得られた重合溶液をイオン交換水(以下IW)1.7リットル中に再沈殿して濾過分別し、ポリアミド酸の粉末を得た。得られたポリアミド酸の粉末を、熱風乾燥機中、130℃で5時間、次いで200℃で2時間、次いで220℃で1時間乾燥し、ポリアミドイミド樹脂の粉末を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂の粉末をNMPに溶解させ、10重量%濃度のポリアミドイミド樹脂溶液とした。一方、東レファインケミカル(株)製の非晶性ポリエステル樹脂“ケミット”K−1294(商品名)をNMPに溶解させ、10重量%濃度の非晶性ポリエステル樹脂溶液とした。
ポリアミドイミド樹脂溶液と非晶性ポリエステル樹脂溶液の混合割合を変更して非晶性ポリエステル樹脂量を表1のとおりに変更した以外は比較例1と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
非晶性ポリエステル樹脂“ケミット”K−1294にかえて東レ(株)製AQナイロンP−70(商品名)を用いた以外は実施例1〜4、比較例1〜2と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
非晶性ポリエステル樹脂“ケミット”K−1294にかえて、それぞれ東洋紡績(株)製非結晶性ポリエステル樹脂“バイロン”200(商品名)、東レ・ファインケミカル(株)製結晶性ポリエステル樹脂“ケミット”R−1159(商品名)、東洋紡績(株)製結晶性ポリエステル樹脂“バイロン”GM440(商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
東レ(株)製ポリアミド6“アラミン(登録商標)”CM1001(商品名)をフェノール/エタノール=8/2(重量比)混合液に固形分濃度が10重量%となるように溶解し、ポリアミド樹脂溶液とした。非晶性ポリエステル樹脂溶液にかえて前記ポリアミド樹脂溶液を用いた以外は実施例1と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
比較例1に記載の方法で得られた10重量%濃度のポリアミドイミド樹脂溶液を結着剤溶液とした。評価結果を表2に示す。
日本ゼオン(株)製スチレンブタジエンゴムBM−400B(商品名)の水分散液を作製し、結着剤溶液とした。試験片の作製において熱風乾燥機による乾燥条件を105℃で2分間に変更した以外は比較例6と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
エポキシ樹脂である東レファインケミカル(株)製の“ケミット(登録商標)”エポキシ(商品名)をNMPに固形分濃度が10重量%になるように溶解し、エポキシ樹脂溶液とした。非晶性ポリエステル樹脂溶液にかえて前記エポキシ樹脂溶液を用いた以外は実施例2と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
シランカップリング剤である東レダウコーニング(株)製のSH6020をNMPに固形分濃度が10重量%になるように溶解し、シランカップリング剤溶液とした。非晶性ポリエステル樹脂溶液にかえて前記シランカップリング剤溶液を用いた以外は実施例2と同様にして結着剤溶液を得た。評価結果を表2に示す。
Claims (3)
- (X)ポリイミド系樹脂 70〜95重量%と、(Y)ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂 5〜30重量%とを含有するリチウムイオン二次電池電極結着剤。
- 前記ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂を含有する請求項1記載のリチウムイオン二次電池電極結着剤。
- 前記ポリアミド樹脂が、アミノエチルピペラジンおよび/またはビスアミノプロピルポリエチレングリコールとジカルボン酸の残基で構成される構成単位、ならびに、ε−カプロラクタムの残基で構成される構成単位を有する変性ポリアミド樹脂を含有する請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池電極結着剤。
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