JP2000097584A - 粉粒体冷却装置 - Google Patents

粉粒体冷却装置

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JP2000097584A
JP2000097584A JP10265521A JP26552198A JP2000097584A JP 2000097584 A JP2000097584 A JP 2000097584A JP 10265521 A JP10265521 A JP 10265521A JP 26552198 A JP26552198 A JP 26552198A JP 2000097584 A JP2000097584 A JP 2000097584A
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JP
Japan
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cooling
powder
granular material
cooling device
twin rolls
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JP10265521A
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English (en)
Inventor
Shiko Matsuda
至康 松田
Kiyoshi Nehashi
清 根橋
Shigeki Iijima
重樹 飯島
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温の粉粒体を連続的に冷却するプロセスの
生産性を向上させ、製造コストの低減化、装置全体のコ
ンパクト化を図ること等を目的とする。 【解決手段】 炉本体1で加熱処理された粉粒体を冷却
する粉粒体冷却装置であって、冷却手段16を有する回
転可能な双ロール5を備え、双ロール5は、炉本体1か
ら排出された粉粒体がロール本体5aの周面5bに当接
しかつ双ロール5の間隙11を通過するように配置され
るように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温の粉粒体を連
続的に冷却処理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】粉粒体を加熱処理する技術としては、例
えばアチソン炉等を用いた黒鉛粉末の製造技術がある。
この黒鉛粉末の製造技術では、カーボン粉末等の原料粉
末(粉粒体)を不活性雰囲気下において約3000℃以上に
加熱処理し、原料粉末を黒鉛化する。そして、黒鉛粉末
に限らず、一般に、高温で加熱処理された粉粒体は、後
工程へ受け渡す前に所定の温度に冷却処理される。従
来、高温に加熱処理された粉粒体を冷却処理するに際し
ては、例えば図4に示す手段が知られている。図4は、
黒鉛化された粉末(粉粒体)を冷却処理する装置であ
り、図中、符号30は原料粉末を加熱処理する炉本体で
ある。炉本体30の底部には粉粒体を案内しかつ冷却す
る連通管31が接続されており、連通管31は管状部材
32とこの管状部材32の内部に備えられた内側管状部
材33によって構成されている。管状部材32と内側管
状部材33の隙間にはガス供給手段34によって冷却用
のガスが供給されている。高温の粉粒体は、冷却された
内側管状部材33の内部を通過することによって所定の
温度にまで徐々に冷却され、排出口33aの下方に配置
されたロータリーテーブル(回収手段)35へと排出さ
れる。また、粉粒体の冷却は、ガス冷の他に水冷(液
冷)やガス冷と水冷とを併用することも行われている。
なお、粉粒体を取り扱う際、粉粒体を取り出すために一
般的に使われている市販のロータリーバルブ、スクリュ
ーフィーダ等は、粉粒体が1000℃以下でないと使用でき
ない。このため、粉粒体の冷却と取り出しはバッチ式に
行われることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような冷却方法では、粉粒体は内側管状部材33の内壁
の近傍から冷却されるため、通過粉粒体の中央付近にお
ける冷却処理が進みにくい。このため、内側管状部材3
3の排出口33aに至るまでに粉粒体を所定の温度以下
に冷却するには、ある程度の冷却時間を確保することが
必要となり、結果として連通管31の全長を長くせざる
を得ない。このように管状部材を冷却手段とした方法で
は、管状部材が長くなりひいては設備全体の規模(特に
設備の全高)が大きくなるなど、コストの増加を招くこ
とになる。
【0004】さらに、上記のように粉粒体の通路として
長い内側管状部材33を用いることは、管内部での粉粒
体の棚吊りを生じさせる要因となる。一般に、粉粒体の
棚吊りを抑制するには、ノッカー、エアレーション等の
市販品による対策が施されることが多い。ところが、こ
れらの対策は高温の粉粒体(3000℃近く)には適応する
ことが難しく、棚吊りが生じた際には棚吊りを解消する
ために装置全体の処理を一旦停止するなど、大変な手間
と時間を要するという課題があった。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れてものであり、粉粒体が通過する管状部材の長さを最
小限にとどめ、連続的に冷却処理しながら処理粉粒体を
取り出すことができ、装置全体がコンパクトな粉粒体冷
却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、炉本体で加熱処理された粉
粒体を冷却する粉粒体冷却装置であって、冷却手段を有
する回転可能な一組の双ロールを備え、双ロールが、炉
本体から排出された粉粒体が双ロールの周面に当接しか
つ双ロールの間隙を通過するように配置される技術が採
用される。この粉粒体冷却装置は、冷却された双ロール
に高温の粉粒体を当接させかつ熱交換させることによっ
て粉粒体を冷却させるため、高温の粉粒体を連続的に安
定して冷却処理することができる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1の粉粒体
冷却装置において、双ロールが、粉粒体の取り出し量を
設定するための取り出し量調節手段を備える技術が適用
される。この粉粒体冷却装置では、双ロールから排出さ
れる粉粒体の量を調節できるため、冷却装置から粉粒体
を必要量だけ取り出すことが可能となる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項2の粉粒体
冷却装置において、取り出し量調節手段が、双ロールの
回転制御機構および間隙量調節機構のうち少なくとも一
方である技術が適用される。この粉粒体冷却装置では、
双ロールの回転速度や回転方向を制御しかつ双ロールの
間隙量を調節することが可能なため、冷却装置から取り
出す粉粒体の量を設定することが容易となる。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか一項に記載の粉粒体冷却装置において、複数組の
双ロールが上下方向に多段に配置され、各々の双ロール
の間隙を粉粒体が通過するように配置される技術が適用
される。この粉粒体冷却装置では、冷却された双ロール
が多段に配置されているため、高温の粉粒体を各々のロ
ールに当接させかつ熱交換させることによって、高温の
粉粒体を確実に所定の温度以下に冷却することができ
る。
【0010】請求項5に係る発明は、請求項4の粉粒体
冷却装置において、複数組の双ロールが、互いの間隙を
ずらした状態で配置される技術が適用される。この粉粒
体冷却装置では、下段の双ロールの周面において粉粒体
が当接する面積を大きくさせることで、より効率的に粉
粒体を所定の温度以下に冷却することができる。
【0011】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれか一項に記載の粉粒体冷却装置において、双ロール
の周面に凹凸が形成されている技術が適用される。この
粉粒体冷却装置では、双ロールの間隙部の上方に滞留し
ている粉粒体を周面の凹凸形状によって間隙へと確実に
送り込むため、粉粒体を冷却装置から安定して取り出す
ことが可能となる。
【0012】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のい
ずれか一項に記載の粉粒体冷却装置において、双ロール
が、内部を所定の雰囲気に設定するガス供給手段を備え
た冷却および断熱用のボックスに収容される技術が適用
される。この粉粒体冷却装置では、ガス供給手段によっ
て粉粒体の冷却部であるボックス内が所定の雰囲気に設
定されるため、安定した冷却処理を実施することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明に係る
冷却装置を含む粉粒体処理設備の一例を示す概要図であ
る。この設備は、カーボン粉末等の原料粉末(粉粒体)
を加熱処理し、原料粉末を黒鉛化することを目的として
いる。炉本体1は、内部の黒鉛化領域2(加熱領域)を
加熱する加熱手段3が炉本体1の内壁に設けられ、下部
の連通管4を介して、双ロール5を内部に備えた冷却装
置6に接続されている。そして、冷却装置6の下方に
は、連通管7を介して水冷スクリューフィーダ8と回収
タンク9が順次配設されている。
【0014】加熱手段3は、黒鉛化領域2に通電するた
めの少なくとも一組の電極3a、3bを備えている。こ
の電極3a、3b間に通電することによって原料粉末
(粉粒体)は固有抵抗に応じたジュール熱で自ら発熱
し、これにより約3000℃以上の黒鉛化領域2を形成し、
この領域の原料粉末を黒鉛化する。投入される原料粉末
としては、粉状体および粒状体を含むものであって、高
温度で加熱すれば黒鉛化でき、加熱温度域で導電性を有
するような、例えば炭素材、炭素の前駆体等が用いられ
る。また、加熱手段3は、本実施例のような粉粒体の固
有抵抗を利用したものに限らず、例えばマイクロウェー
ブを利用した加熱手段であってもよい。
【0015】連通管4は粉粒体を案内する管状部材であ
って、黒鉛化領域(加熱領域)2の直下に配置された取
り入れ口4aと、冷却装置6に備わった双ロール5の上
部に位置した排出口4bとを有している。また、冷却装
置6の上方にゲート弁10が備えられている。取り入れ
口4aの位置は、黒鉛化領域2において適正に加熱され
た原料粉末(粉粒体)を効率よく排出することを目的と
して設定される。ただし、取り入れ口4aの位置は任意
に設定可能であり、例えば炉本体1の下端底面部分など
に配置してもよい。ゲート弁10は、冷却装置6に流入
する粉粒体の量および冷却装置6からの粉粒体の取り出
し量を任意に調節することが可能であり、必要に応じて
連通管4内での粉粒体の通過を完全に遮断する。なお、
後述するように双ロール5の間隙量を調節することによ
っても冷却装置からの粉粒体の取り出し量は調節できる
ため、ゲート弁10は取り外すことも可能である。
【0016】冷却装置6は、外壁に断熱材6aを有した
ボックス形状をなし、内部に双ロール5を備え、上部お
よび下部において連通管4、7と各々接続されている。
図2に示すように、双ロール5は、排出口4bから排出
される粉粒体が落下してロール本体5aの周面5bに当
接しかつ双ロール5の間隙11を通過するように配置さ
れている。なお、図2において双ロール5の間隙11
は、排出口4bの中心軸線x−x’に位置するように配
置されているが、左右いずれか一方にずらして配置され
てもよい。この場合、周面5b上における粉粒体が当接
する面積を大きくさせて熱交換の効率を高めることが可
能となる。また、図1において、冷却装置6は、上述し
たように断熱材6aを有しているが、さらに外壁内に冷
却媒体(水やガスなど)を流すことにより内部雰囲気に
対する耐熱効果を高めてもよい。
【0017】図2において、双ロール5は、ロール本体
5aが熱伝導性の高い素材(例えば銅など)で円筒状に
形成されかつロール本体5aの周面(表面)5bは凹凸
に加工形成されている。さらに、この双ロール5は、ロ
ール本体5a内部において回転軸に平行した複数の長孔
からなる冷媒通路12が形成されており、軸端部におい
て冷媒供給手段13と接続されている。また、各々のロ
ール本体5aは、双方の軸端部を軸受けにて回転可能に
支持され、片方の軸端部は駆動源を備えた回転制御機構
14に連結されている。同様に、双ロール5の軸受け部
において間隙量調節機構15が設けられている。
【0018】冷却手段16は、冷媒通路12と冷媒供給
手段13を備えており、冷却媒体を双ロール5内に送り
込むことによってロール本体5aを所定温度以下に設定
する。ロール本体5a内部の冷媒通路12は、冷却効率
を高めるためにロール本体5aの周面5bに近づけて形
成されており、熱応力や粉粒体の重みによるたわみを考
慮に入れた構造となっている。このほか、冷媒通路12
は螺旋状の通路としてもよい。もちろん、ロール本体5
aを冷却するための手法はこの冷媒通路12を設ける手
法に限るものではなく、ロール内部に形成された中空部
分において冷却水をスプレー噴出する手法など様々なロ
ール冷却手法が適応可能である。
【0019】冷媒供給手段13は、双ロール5の軸端部
からそれぞれ所定の冷却媒体を送り込み、冷媒通路12
を通した後、再び双ロール5の軸端部から冷却媒体を排
出する。供給する冷却媒体としては、冷却用ガスと冷却
水のうちいずれかもしくは両方が用いられ、粉粒体の温
度や熱伝達率等といった粉粒体の特性に応じて使い分け
られる。また、冷却手段16は、ロール本体5aに埋め
込まれた温度センサ16aを有している。冷却手段16
は、この温度センサ16aで検出したロール本体5aの
温度に対応して、冷媒流量等の冷却能力を調節し、ロー
ル本体5aを所定の温度以下に保つ。
【0020】ロール本体5aの周面5bは凹凸に加工形
成されているが、この凹凸形状は必ずしも必要ではな
く、削り出した状態あるいは成形された平滑な状態であ
ってもよい。ただし、この周面5bに形成された凹凸形
状は、双ロール5の間隙11の上方に滞留している粉粒
体を間隙11へ送り込み、確実に安定した粉粒体の取り
出しを行うことを目的としている。また、この目的に対
応する表面の加工状態には様々な形成方法が適応可能で
あり、例えばローレット加工による凹凸の形成や、ネジ
溝の形成、あるいは化学処理による表面を荒らす手法等
でもよい。なお、この周面5bの加工形状を、例えば深
い凹部を多数形成するといった形状の工夫によって、放
熱効果を高め、ロール本体5aの冷却効率をさらに高め
ることも可能である。
【0021】上述したように、双ロール5は、ロール本
体5aの回転方向および回転速度を調整するための回転
制御機構14がロール本体5aごとに各々備えられてい
る。回転制御機構14は、ロール本体5aを回転駆動す
るための電動モータ等の回転駆動源を有し、コントロー
ラ17からの指示によりロール本体5aの回転方向と所
定の回転速度とを設定する。通常、ロール本体5aの回
転方向は図2の矢印で示すように、粉粒体が双ロール5
の間隙11を通過する(上から下)方向と同方向(正方
向)であり、また回転速度は粉粒体の冷却速度と取り出
し量から所定の値に設定される。ロール本体5aは、冷
却手段16によって常に冷却されており、高温の粉粒体
と当接して上昇したロール本体5aの温度は、回転する
ことで粉粒体と離れるとともに温度も下降する。よっ
て、3000℃に近いもしくはこれを超える高温の粉粒体で
あっても、上述した冷却手段16の駆動状態とロール本
体5aの回転制御を適正に行うことで、ロール本体5a
の温度上昇による破損を回避しかつ当接した粉粒体と熱
交換を行うことによって粉粒体を冷却することができ
る。なお、粉粒体の特性によっては、ロール本体5aを
逆方向に回転させることにより粉粒体を間隙11に長い
時間滞留させることも可能である。また、ここでは各ロ
ール本体5aにそれぞれ回転制御機構14が備えられて
いるが、これはもちろん各ロール本体5aに共通する一
つの機構に統一してしまってもよい。
【0022】また、双ロール5は、間隙11の量を調整
するための間隙量調節機構15が軸受け部において設け
られている。間隙量調節機構15は、間隙11量を変化
させる方向に双ロール5を直動させる各機構が適応さ
れ、例えば駆動用サーボモータとボールネジおよびリニ
アガイドとで構成され、コントローラ17にて双ロール
5の間隙11を所定の量に設定する。この設定により間
隙11からの粉粒体の取り出し量を調節することが可能
となる。
【0023】上述した冷却手段16と回転制御機構14
および間隙量調節機構15は、コントローラ17にて統
一して制御される。このコントローラ17は、各機構に
備えられている検出手段や動作状態等の信号を受け取
り、粉粒体の冷却条件に対応した制御信号を各機構に受
け渡す。これによって、粉粒体の特性に対応して取り出
し量の設定や各種インターロツク等の諸条件の制御を行
うことが可能となる。特に、粉粒体の持つ熱によって冷
却装置6が破損することを防止するため、ロール本体5
aが所定の温度以下になるように常に各機構をコントロ
ーラ17にて制御している。
【0024】図1に戻り、冷却装置6には、所定のガス
を吹き込んで冷却装置6内部を所定の雰囲気に設定する
ためのガス供給手段18が設けられている。ガス供給手
段18は、冷却装置6および連通管7から連通管4を介
して炉本体1内の黒鉛化領域2に所定のガスを吹き込
む。供給するガスとしては、原料粉末の黒鉛化に支障の
ないガス、例えば酸素を含まない窒素ガスやアルゴンガ
スが用いられる。冷却装置6内へのガスの吹き込み量を
調節することにより、冷却装置6内部を空気を侵入させ
ないような所定圧力に設定することが可能となり、また
冷却用の双ロール5の結露を防止することもできる。同
時に、このガスは連通管4および連通管7の内部を通過
する粉粒体の冷却の促進や棚吊り現象の予防として働
く。
【0025】水冷スクリューフィーダ8は、冷却装置6
から連通管7を通過して排出された粉粒体をさらに低い
温度にまで下げることを目的として冷却装置6の下方に
配設されている。また、この水冷スクリューフィーダ8
の排出口8aには、ゲート弁19が備えられ、さらにボ
ールバルブ20を介して回収タンク9に接続されてい
る。なお、冷却装置6から排出される粉粒体の温度が取
り扱い可能な程度にまで低い場合には、水冷スクリュー
フィーダ8は必ずしも必要ではなく、連通管7の下部に
回収手段を直接備えることにより装置のコンパクト化を
図ること等も可能である。
【0026】図3は、冷却装置6の他の実施形態を示し
ている。図3において、双ロール5および5’は、双ロ
ール5の間隙11から排出された粉粒体がロール本体5
a’の周面5b’に当接しかつ間隙11’を通過するよ
うに、上下2段に配置されている。双ロール5’におい
ても双ロール5と同様に冷却手段16’と回転制御機構
14’および間隙量調節手段15’が備わっている。よ
って、ロール本体5aの周面5bに当接することにより
冷却された粉粒体は、周面5b’に当接することでさら
に低い温度にまで冷却処理される。また、双ロール5、
5’の制御機能を各々個別に設定することによって、取
り出し量と冷却能力の制御を無理なく確実に行うことが
可能となる。なお、図3においては、周面5b’におけ
る粉粒体が当接する面積を大きくし冷却効率を高めるこ
とを目的として、双ロール5と5’は互いの間隙11と
11’をずらして配置されているが、これはもちろん双
ロール5、5’の間隙11と11’が鉛直方向の同一直
線状に位置するように配置されても構わない。また、双
ロールの多段配置は、この2段配置に限ったものではな
く冷却能力に応じて3段以上設けてもよい。
【0027】続いて、以上のように構成された冷却装置
を含む粉粒体処理設備の動作について図1と図2を用い
て説明する。本発明に係る粉粒体冷却装置では、炉本体
にて加熱処理された粉粒体を、連続的に冷却処理する。
まず、図1において、炉本体1に原料粉末(粉粒体)を
投入し、電極3a、3b間を所定電流および電圧で通電
すると、黒鉛化領域2(加熱領域)において原料粉末の
固有抵抗に応じたジュール熱により原料粉末自体が加熱
処理され黒鉛化する。その後、黒鉛粉末(粉粒体)は連
通管4を介して冷却装置6内に排出され、図2におい
て、冷却されたロール本体5aの周面5bに当接するこ
とによって熱交換を行い黒鉛粉末は所定の温度にまで冷
却処理される。
【0028】このとき、ロール本体5aの周面5bに当
接される時間当たりの黒鉛粉末の量は、排出開始直後か
ら次第に増加しその後の連続処理の過程において一定と
なる。そこで、冷却処理後の黒鉛粉末を常に所定の温度
にするために、双ロール5の冷却手段16、回転制御機
構14および間隙量調節機構15の制御をコントローラ
17にて適正に行うことにより対応する。図1に戻り、
冷却装置6から排出された黒鉛粉末は、水冷スクリュー
フィーダ8へ取り込まれ、取り扱い可能な温度にまで冷
却されるとともに回収タンク9へ送り込まれて他の装置
等へ受け渡される。なお、冷却装置からの黒鉛粉末の排
出(取り出し)を一時停止したい場合は、ゲート弁10を
閉じるかあるいは双ロール5の間隙量を小さくもしくは
0とすることによって対応する。
【0029】以上のように、炉本体1にて加熱処理され
た黒鉛粉末(粉粒体)を、冷却装置6にて連続的に冷却
処理を行い、連続的あるいは必要に応じて断続的にも取
り出すことができるといった、高温の粉粒体を冷却処理
する製造プロセスを実現している。
【0030】なお、前記実施の形態において示した各構
成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明
の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき
種々変更可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る粉
粒体冷却装置は、冷却手段を持つ双ロールの周面に粉粒
体を連続的に当接させるので、粉粒体はむらなく効率よ
く冷却され、約3000℃以上の高温の粉粒体であっても連
続的に冷却処理しながら処理粉粒体を取り出すことがで
きる。また、粉粒体が通過する管状部材を短く構成でき
るので、管状部材内の棚吊り現象を予防し安定した製造
プロセスを実施できる。そのため、棚吊り防止対策用の
設備が不要となり、さらに管状部材が短くなることでこ
の冷却装置を含む設備全体がコンパクトに構成され建造
コストおよび専有スペースを低減できる。
【0032】請求項2に係る粉粒体冷却装置では、双ロ
ールから排出される粉粒体の量を調節できるため、後工
程に応じて無駄なく冷却装置から粉粒体を取り出すこと
ができる。
【0033】請求項3に係る粉粒体冷却装置では、双ロ
ールの回転速度や回転方向を制御しあるいは双ロールの
間隙量を調節するため、冷却装置から取り出す粉粒体の
量を簡単な制御で設定できる。
【0034】請求項4に係る粉粒体冷却装置では、高温
の粉粒体を複数段に渡って双ロールに当接させ熱交換を
行わさせるため、高温の粉粒体であっても確実に所定の
温度以下に冷却処理できる。
【0035】請求項5に係る粉粒体冷却装置では、上下
方向に複数段に配置された双ロールが、互いの間隙をず
らした状態で配置されているため、冷却されたロール本
体に粉粒体が当接する面積が大きくなり、効率的に粉粒
体を冷却処理することができる。
【0036】請求項6に係る粉粒体冷却装置では、双ロ
ールの間隙部の上方に滞留している粉粒体を周面の凹凸
形状によって間隙へと確実に送り込むため、粉粒体を冷
却装置から安定して取り出すことができる。
【0037】請求項7に係る粉粒体冷却装置では、ガス
供給手段によって冷却装置のボックス内が所定の雰囲気
に設定されるため、連続的な運転に限らず断続的に粉粒
体の取り出しを行う際にもボックス内の雰囲気の変動を
抑制しつつ、安定した粉粒体の冷却処理が実施でき、さ
らには冷却装置内の粉粒体の冷却を促進させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る冷却装置を含む粉粒体処理設備
の一例を示す概要図である。
【図2】 双ロールによる冷却処理の実施形態を示す断
面図である。
【図3】 多段に配置された双ロールによる冷却処理の
実施形態を示す断面図である。
【図4】 管状部材を用いた従来の冷却装置を示す概要
図である。
【符号の説明】
1 炉本体 2 黒鉛化領域(加熱領域) 3 加熱手段 4、7 連通管 4a 取り入れ口 4b 排出口 5、5’ 双ロール 5a、5a’ ロール本体 5b、5b’ ロール周面 6 冷却装置 8 水冷スクリューフィーダ 9 回収タンク 11、11’ 間隙 12、12’ 冷媒通路 13、13’ 冷媒供給手段 14、14’ 回転制御機構(取り出し量調節手段) 15、15’ 間隙量調節機構(取り出し量調節手段) 16、16’ 冷却手段 17 コントローラ 18 ガス供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 重樹 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 Fターム(参考) 3F075 AA08 BA02 BB01 CA02 CA09 CB12 CC03 CC19 CD03 CD11 DA24 3L103 AA05 BB25 CC35 DD27 DD62 4G046 EA05 EB04 EB09 EB12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉本体で加熱処理された粉粒体を冷却す
    る粉粒体冷却装置であって、 冷却手段を有する回転可能な一組の双ロールを備え、 該双ロールは、前記炉本体から排出された粉粒体が該双
    ロールの周面に当接しかつ該双ロールの間隙を通過する
    ように配置されていることを特徴とする粉粒体冷却装
    置。
  2. 【請求項2】 前記双ロールは、粉粒体の取り出し量を
    設定するための取り出し量調節手段を備えていることを
    特徴とする請求項1記載の粉粒体冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記取り出し量調節手段は、前記双ロー
    ルの回転制御機構および間隙量調節機構のうち少なくと
    も一方であることを特徴とする請求項2記載の粉粒体冷
    却装置。
  4. 【請求項4】 前記双ロールは、複数組が上下方向に多
    段に配置され、各々の双ロールの間隙を粉粒体が通過す
    るように配置されていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の粉粒体冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記複数組の双ロールは、互いの間隙を
    ずらした状態で配置されることを特徴とする請求項4記
    載の粉粒体冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記双ロールは、周面に凹凸が形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に
    記載の粉粒体冷却装置。
  7. 【請求項7】 前記双ロールは、内部を所定の雰囲気に
    設定するガス供給手段を備えた冷却および断熱用のボッ
    クスに収容されることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか一項に記載の粉粒体冷却装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114953244A (zh) * 2022-03-30 2022-08-30 大伟机械设备(启东)有限公司 一种双辊轮水冷却造粒生产方法及其装置
KR102577347B1 (ko) * 2023-06-06 2023-09-12 에스아이에스 주식회사 다단식 수직 흑연화로 시스템
KR102595314B1 (ko) * 2023-06-06 2023-10-26 에스아이에스 주식회사 분리형 수직 흑연화로 시스템

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