JPH11322316A - 黒鉛化電気炉 - Google Patents

黒鉛化電気炉

Info

Publication number
JPH11322316A
JPH11322316A JP10135678A JP13567898A JPH11322316A JP H11322316 A JPH11322316 A JP H11322316A JP 10135678 A JP10135678 A JP 10135678A JP 13567898 A JP13567898 A JP 13567898A JP H11322316 A JPH11322316 A JP H11322316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
raw material
main body
material powder
furnace body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10135678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4238379B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Nehashi
清 根橋
Shiko Matsuda
至康 松田
Kenichi Nishi
賢一 西
Shigeki Iijima
重樹 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP13567898A priority Critical patent/JP4238379B2/ja
Publication of JPH11322316A publication Critical patent/JPH11322316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4238379B2 publication Critical patent/JP4238379B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料粉末の加熱効率を向上させてコストの低
下を図り、原料粉末等の棚吊りを抑制して黒鉛粉末の連
続的な製造を実施すること等を目的とする。 【解決手段】 炉本体1の上部から投入された原料粉末
を加熱して黒鉛化し、この黒鉛粉末を炉本体1の下部か
ら連続して取り出す黒鉛化電気炉であって、炉本体1の
原料粉末の投入口2は、炉本体上部の略中心部分に設け
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛粉末を製造す
るための黒鉛化電気炉に関し、特に、炉本体内部での棚
吊りを効果的に防止し、黒鉛粉末の連続的な製造を安定
して実施できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、黒鉛粉末を工業的に製造するに
は、カーボン粉末等の原料粉末を例えば不活性雰囲気下
において約3000℃〜3500℃に加熱処理し、原料
粉末を黒鉛化することにより行う。この加熱処理に用い
られる装置としては、従来、特開平7−252726号
公報、特公平3−330号公報、特許第2579561
号公報などに記載のようなアチソン炉が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アチソ
ン炉は、ケース内に原料粉末を充填した後にこれを加熱
して黒鉛化し、これを冷却した後にケースから黒鉛粉末
を取り出すといったバッチ式の製造プロセスを行うた
め、次のような問題点を有している。 電力の原単位が大きく、電源設備も大がかりとなって
コストが高い。 黒鉛粉末の冷却に長時間を要し、生産性が悪い。 少量生産に適さず、操業途中で中止すると損害が多大
となる。 ケースへの原料粉末の充填に時間、手間がかかり、作
業中に発生する粉塵等により作業環境を悪化させる。 ケースに充填した加熱材料を通電加熱してその熱伝導
で原料粉末を加熱するため、加熱効率が悪く、ケースか
ら原料粉末への汚染の問題がある。
【0004】このような問題に対処するため、炉本体の
上部から原料粉末を投入するとともに原料粉末が降下す
る間に加熱して黒鉛化させ、黒鉛粉末を炉本体の下部か
ら連続して取り出すといった黒鉛化電気炉が考えられ
る。この黒鉛化電気炉では、連続的な製造を低コストで
安定して実施できることが望まれ、原料粉末の加熱効率
を向上させることが必要である。また、黒鉛粉末を連続
的に製造するには、炉本体内部で原料粉末および黒鉛粉
末の流動化を確保する必要があるものの、炉本体内での
棚吊り現象によって原料粉末(または黒鉛粉末)の流動
性を阻害し、連続的な製造の支障となる場合がある。特
に、原料粉末の加熱によって生じる不純ガス(例えばC
mHnガス等)が冷却されて凝縮して液化すると原料粉
末と混ざってタール状物や固形物を形成し、これらによ
り棚吊り現象が生じやすい。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、連続的な黒鉛化電気炉を実現するに際し
て、原料粉末の加熱効率を向上させてコストの低下を図
るとともに、原料粉末または黒鉛粉末の棚吊り現象を低
減させることにより、原料粉末等の流動性を確保して黒
鉛粉末の連続的な製造を安定して実施できるようにした
黒鉛化電気炉を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、炉本体の上部から投入され
た原料粉末を降下中に加熱して黒鉛化し、この黒鉛粉末
を炉本体の下部から連続して取り出すようにした黒鉛化
電気炉であって、炉本体の原料粉末の投入口が、炉本体
上部の略中心部分に設けられる技術が採用される。この
黒鉛化電気炉では、投入口から炉本体の略中心付近に投
入された原料粉末が炉本体内で所定の安息角をもって山
形に分布し、粒径の大きなものが外側へ、また粒径の小
さなものが山の中心部分に集められて中心付近で高く堆
積し、内壁に近づくに従い低く堆積する。従って、例え
ば、炉本体に設けた電極間の通電により炉本体内部の略
中央付近で原料粉末自体を加熱する場合、この略中央付
上方の堆積高さが高いため、投入された原料粉末を効率
よく予熱することが可能となる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1の黒鉛化
電気炉において、炉本体の下部から炉本体内部に所定ガ
スを吹き込むためのガス供給手段を備える技術が適用さ
れる。この黒鉛化電気炉では、炉本体内部に下部から吹
き込まれた所定ガスが加熱された後に低く堆積した部分
を通過するため、所定ガスの温度低下が回避され、これ
により原料粉末から生じた不純ガスの温度低下を抑制し
て原料粉末の棚吊りを効果的に防止する。さらに、粒径
の大きな層を所定ガスが通過するため、微細な粉塵が所
定ガスにより排出される割合を少なくし、フィルタ等の
負荷を低減するとともに、原料粉末の歩留まりの向上を
図れる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項2の黒鉛化
電気炉において、所定ガスが、炉本体から黒鉛粉末を取
り出すための通路を介して炉本体内に吹き込まれる技術
が適用される。この黒鉛化電気炉では、所定ガスが、黒
鉛粉末を取り出すための通路を通るため、この通路内で
の黒鉛粉末の棚吊りが抑制され黒鉛粉末の流動化を確保
している。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項2または3
の黒鉛化電気炉において、所定ガスを炉本体の側壁上部
から排出する排出ノズルが設けられる技術が適用され
る。この黒鉛化電気炉では、原料粉末を通過した所定ガ
スが炉本体の側壁上部から排出されるため、粒径の小さ
な原料粉末が堆積する中心付近に所定ガスが巻き込むこ
とを防止し、粉塵等の発生を抑制する。
【0010】請求項5に係る発明は、請求項4の黒鉛化
電気炉において、排出ノズルが、炉本体上部の周囲にわ
たって複数設けられる技術が適用される。この黒鉛化電
気炉では、排出ノズルが炉本体上部の周囲にわたって複
数設けられるため、内壁付近を通過した所定ガスを効率
よく排出することが可能となり、これにより中心付近へ
の所定ガスの巻き込みを効果的に防止し、より一層粉塵
等の発生を抑制する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明に係る
黒鉛化電気炉を示す断面図である。この黒鉛化電気炉
は、堅型構造であって、炉本体1には、上部の投入口2
を介して図示しない原料粉末の供給手段が接続されると
ともに、下部に管状部材4を介して図示しない黒鉛粉末
の回収手段を収容するチャンバ3が接続され、対向する
側壁にそれぞれ縦長の電極5、6が取り付けられる。そ
して、この黒鉛化電気炉は、炉本体1の電極5、6より
上方を予熱ゾーンaとし、電極5、6間の黒鉛化領域7
を含む部分を加熱ゾーンbとし、電極5、6より下方を
冷却兼排出ゾーンcとしている。
【0012】炉本体1は、図1に示すように、下部にい
くに従い絞るような形状に形成されており、これにより
冷却効率を高めているが、このように下部を絞るか否か
は任意である。また、炉本体1は、水平断面が円形また
は角形のいずれであってもよく、さらに予熱ゾーンa、
加熱ゾーンb、冷却兼排出ゾーンcのいずれかに対応し
て水冷(液冷)または空冷(ガス冷)等の冷却手段を設
けてもよい。
【0013】投入口2は、図2示すように、炉本体1上
部の略中心部分に設けられており、供給手段から送られ
た原料粉末を炉本体1内の予熱ゾーンaの略中心に向け
て投入する。これにより、図4に示すように、予熱ゾー
ンaの略中心付近に投入された原料粉末は、炉本体1内
で所定の安息角をもって山形に分布し、粒径の小さなも
のが山の中心部分に残るとともに、粒径が大きくなるに
従い外側へ流れて、中心付近で原料粉末が高く堆積し、
内壁に近づくに従い低く堆積する。
【0014】原料粉末の供給手段としては、原料粉末を
所定流量で連続的に投入するスクリューコンベアやベル
トコンベア、ターンテーブル等が用いられ、これらの駆
動速度によって原料粉末の単位時間あたりの投入量が設
定される。また、投入される原料粉末としては、粉状体
および粒状体を含むものであって、高温度で加熱すれば
黒鉛化でき、加熱温度域で導電性を有するような、例え
ば炭素材、炭素の前駆体等が用いられる。
【0015】チャンバ3に収容される回収手段として
は、管状部材4から送られる黒鉛粉末を連続的に切り出
すターンテーブルやスクリューコンベア、ベルトコンベ
アが用いられ、これらの駆動速度によって黒鉛粉末の時
間あたりの取り出し量が設定され、これにより原料粉末
(黒鉛粉末)の炉本体1内部の滞留時間を調節してい
る。なお、チャンバ3に液冷またはガス冷の冷却手段を
設けるか否かは任意である。
【0016】電極5、6は、図3に示すように、加熱部
bの黒鉛化領域7に対応して炉本体1の対向する側壁に
絶縁材8、9を介して取り付けられ、直流または交流の
電源10に接続される。そして、電極5、6間に通電す
る(例えば50V,1000A)ことによって原料粉末
(黒鉛粉末)は固有抵抗に応じたジュール熱で自ら発熱
し、約2500℃〜3500℃となる楕円形状の領域が
黒鉛化領域7を形成してこの領域で黒鉛化する。ちなみ
に、予熱ゾーンaの熱源は、この加熱ゾーンbからの熱
伝導によって得られるものであるが、中心付近で原料粉
末が高く堆積し、内壁に近づくに従い低く堆積している
ため、予熱ゾーンaでの原料粉末が効率よく予熱され
る。なお、予熱ゾーンaの原料粉末は、加熱ゾーンbか
らの熱放散を制限する断熱層としても機能する。
【0017】電極5、6の配置は、図1に示すように同
一水平レベルに配置することや、図3に示すように炉本
体1の中心を挟んで対称に配置することに限定されず、
それぞれズレた状態で配置するものであってもよい。さ
らに、複数組の電極をそれぞれ対向配置させ、電極5、
6を含めてスイッチングすることにより所定の時間間隔
でいずれか一組の電極に順次通電させるような構成であ
ってもよい。なお、この構成により、黒鉛化領域7は楕
円形状から略円形に形成されることになる。
【0018】図1に戻り、管状部材4の取り入れ口4a
は、黒鉛化領域7の直下に配置される。この取り入れ口
4aの位置は、黒鉛化領域7において適正に黒鉛化され
た原料粉末、すなわち希望する温度領域で加熱処理され
た黒鉛粉末を効率よく取り出すために、図1点線で示す
炉本体1内での原料粉末(黒鉛粉末)の安息角を考慮し
て決定される。ただし、取り入れ口4aの位置は任意に
設定可能であり、例えば炉本体1の下端底面部分など冷
却兼排出ゾーンcに配置してもよい。
【0019】また、この黒鉛化電気炉には、炉本体1内
部に所定ガスを吹き込むためのガス供給手段11が設け
られ、さらに炉本体1上部の予熱ゾーンaに排出ノズル
12が設けられる。ガス供給手段11は、図1の点線矢
印に示すように、チャンバ3内に所定ガスを送り込み、
管状部材4を介して炉本体1内の黒鉛化領域7に所定の
ガスを吹き込む。供給するガスとしては、原料粉末の黒
鉛化に支障のないガス、例えば酸素を含まない窒素ガス
やアルゴンガスなどが用いられる。排出ノズル12は、
図2に示すように、炉本体1の側壁一周にわたって等間
隔で複数設けられ、それぞれ環状管13に接続される。
【0020】なお、炉本体1へのガス吹き込み手段とし
て管状部材4を用いることに限定されず、例えばガス吹
き込み用のノズルを炉本体1の下部等に設けるようにし
てもよい。さらに、吹き込み位置として黒鉛化領域7近
傍ではなく冷却兼排出ゾーンcに設定し、ガス吹き込み
による冷却兼排出ゾーンcの冷却促進を図るようにして
もよい。ただし、炉本体1内にガスを吹き込むか否かは
任意である。なお、炉本体1にガスを吹き込むことによ
り、炉本体1内部へ空気が浸入しないように所定圧力に
設定することが可能となる。
【0021】ところで、予熱ゾーンaで原料粉末を予熱
する過程で、熱分解等により原料粉末から不純ガス(例
えばCmHnガス等)が発生し、このCmHnガスは、
温度が低下すると凝縮して液化し、予熱部aでの原料粉
末の棚吊りを生じさせる原因となる。また、予熱ゾーン
aにおいて山形に分布する原料粉末は、粒径の大きなも
のが外側へ、また粒径の小さなものが山の中心部分に集
められることから、ここを通過するガスは、図4に示す
ように、中心付近で圧損が大きく流れにくくなってお
り、この中心付近を避けた内壁近くを選択的に通過す
る。しかも、中心付近で原料粉末が高く堆積し、内壁に
近づくに従い低く堆積しているため、加熱ゾーンbを通
過して加熱されたガスは、層厚の短い(堆積が低い)部
分を通過してそれほど冷却されずに高温を維持したまま
内壁近くの原料粉末の層を通過することになる。
【0022】従って、管状部材4から炉本体1に吹き込
んだガスは、高温のまま予熱ゾーンaを通過することに
より、不純ガスを凝縮させることなくキャリアガスとな
って不純ガスを排出ノズル12に送り込むようにしてい
る。これにより、不純ガスの凝縮によるタール状物や固
形物の形成を防止し、棚吊りを効果的に抑制して加熱ゾ
ーンbへの原料粉末の降下をスムーズにできる。なお、
排出ノズル12から環状管13に排出されたガスは、燃
焼等により処理される。
【0023】また、排出ノズル12が炉本体1の側壁上
部に配置されることにより、内壁近くを通過したガスを
効率よく捕集することが可能となり、しかも、予熱ゾー
ンaを通過したガスが粒径の小さな中心付近に巻き込ま
ないことに加えて、予熱ゾーンaを通過するガスが粒径
の大きな層を通過することから粉塵等の発生が少なく、
環状管13から排出されたガスの処理においてフィルタ
等の負担を軽減し、排気装置や処理装置のランニングコ
ストを低減し、さらには原料粉末の歩留まりを向上させ
る。なお、炉本体1へ供給されるガスが管状部材4を通
過することにより、管状部材4を通過する黒鉛粉末の冷
却と、管状部材4内での棚吊りとを抑制し、管状部材4
内の黒鉛粉末の流動化を促進している。
【0024】続いて、以上のように構成された黒鉛化電
気炉の動作について説明する。本発明に係る黒鉛化電気
炉では、前工程で準備される原料粉末を多量に貯留する
ことなく、連続的に黒鉛化処理する。先ず、供給手段か
ら所定流量で送られる原料粉末を投入口2から炉本体1
の予熱ゾーンaに投入し、合わせて回収手段を駆動して
管状部材4から黒鉛粉末を所定流量切り出すことにより
炉本体1内で原料粉末を降下させる。なお、投入時の原
料粉末の温度は室温であるが、これに限定されず、供給
手段において原料粉末を加熱してもよい。
【0025】そして、電極5、6間を所定電流および電
圧で通電することにより、加熱ゾーンbにおいて原料粉
末の固有抵抗に応じたジュール熱により原料粉末自体が
加熱される。なお、投入された原料粉末は予熱ゾーンa
において加熱ゾーンbからの熱伝導により予熱されるた
め、投入段階で非導電性であっても、予熱により導電性
となるものが使用可能である。
【0026】また、粉粒体は一般的に熱伝導率が小さ
い。従って、原料粉末自体が断熱機能を果たすため、外
部の熱は炉本体1外側に放散する一方、内部の熱は逃げ
にくくなり、その結果、黒鉛化領域7が2500℃〜3
500℃の温度に保持されることになる。ただし、黒鉛
化領域7の温度は、炉本体1の寸法、電極5、6間の電
流や電圧変化、炉本体1内での原料粉末の移動速度によ
って適宜設定可能であり、さらに黒鉛化領域7の範囲も
同様に設定できる。
【0027】予熱ゾーンaに投入された原料粉末は、山
形分布を形成することにより予熱ゾーンaで効率よく予
熱されながら、回収手段による黒鉛粉末の切り出し量に
応じて時間経過とともに降下し、加熱ゾーンbの黒鉛化
領域7を通過する間に加熱処理されて黒鉛化する。その
後、黒鉛粉末は、取り入れ口4aから管状部材4に取り
込まれ、この管状部材4を通過する間に冷却されるとと
もにチャンバ3内の回収手段により切り出されて他の装
置等へ送られる。
【0028】以上のように、供給手段によって原料粉末
を投入口2から炉本体1に連続的に投入しつつ、黒鉛化
領域7において形成された黒鉛粉末を管状部材4を介し
て回収手段により連続的に取り出している。このような
プロセスにおいて、管状部材4から炉本体1に吹き込ま
れた所定のガスは、黒鉛化領域7で加熱された後、予熱
ゾーンaにおいて内壁近くの原料粉末の層を通過し、高
温のまま不純ガスのキャリアガスとなって排出ノズル1
2に取り込まれる、といった連続性が維持されており、
不純ガスの凝縮を継続して抑制し、さらに粉塵等の発生
を抑制している。
【0029】なお、この黒鉛化電気炉にあっては、原料
粉末が炉本体1内部を降下する間に黒鉛化領域7で黒鉛
粉末となって炉本体から取り出されるため、供給手段に
より原料粉末を連続的に投入しながら回収手段によって
良質な黒鉛粉末を効率よく連続的に取り出すことがで
き、原料粉末を長期間貯留させることなく生産性の高い
黒鉛粉末の連続式の製造プロセスを実現できる。さら
に、連続式の製造プロセスのため電力の原単位が小さく
(従来炉の約3分の1程度)、電源設備も小型となりコ
ストを低減できる。
【0030】また、装置全体がコンパクトであり、少量
生産にも容易に適応でき、仮に操業途中の不具合により
操業を中止しても損害は少なく、操業再開も早くでき
る。アチソン炉のように原料粉末を充填するケースが不
要となり、ケースからの汚染の問題がないだけでなく、
ケースへの充填および排出時の粉塵の発生も少なくなっ
て良好な作業環境を維持できる。炉本体1への原料粉末
の投入および黒鉛粉末の取り出しを機械化することがで
き、装置の自動化を容易に実施できる。
【0031】さらに、黒鉛化領域7における原料粉末の
滞留時間が原料粉末供給量および黒鉛粉末回収量の調整
により設定されるので、黒鉛化に必要な滞留時間を原料
粉末供給量等で容易に設定でき、連続式製造プロセスに
おける生産効率の最適化を簡単な制御で確実に行うこと
ができる。
【0032】また、管状部材4の取り入れ口4aが黒鉛
化領域7の近傍に配置されるため、黒鉛化領域7、すな
わち希望する温度領域で加熱処理された黒鉛粉末を効率
よく管状部材4に取り込んで炉本体1の外側に取り出す
ことにより品質の均一化を図ることができ、しかも黒鉛
粉末が管状部材4を通過する間に適宜冷却され、炉本体
1から取り出された黒鉛粉末のその後の処理が容易とな
る。
【0033】ところで、図1に示す炉本体1では、管状
部材4の外側にある黒鉛粉末はそのまま排出されずに滞
留することになるが、この滞留する黒鉛粉末によって、
黒鉛粉末の異材との汚染を防止するとともに断熱材とし
ても機能する。また、前記実施の形態において示した各
構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発
明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づ
き種々変更可能である。図示のものでは原料粉末を炉本
体1の上部から投入し、かつ炉本体1の下部から取り出
しているが、例えば原料粉末(黒鉛粉末)をガス圧等に
よって強制的に移動させること場合には、炉本体1の左
方から原料粉末を投入し、炉本体1の右方に黒鉛粉末を
取り出すような構成であってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る黒
鉛化電気炉は、投入口から炉本体の略中心付近に投入さ
れた原料粉末が炉本体内で所定の安息角をもって山形に
分布し、粒径の大きなものが外側へ、また粒径の小さな
ものが山の中心部分に集められて中心付近で高く堆積
し、内壁に近づくに従い低く堆積するため、例えば、炉
本体に設けた電極間の通電により炉本体内部の略中央付
近で原料粉末自体を加熱する場合、この略中央付上方の
堆積高さが高いため、投入された原料粉末を効率よく予
熱することができる。
【0035】請求項2に係る黒鉛化電気炉は、炉本体内
部に下部から吹き込まれた所定ガスが加熱された後に低
く堆積した部分を通過するため、所定ガスの温度低下が
回避され、これにより原料粉末から生じた不純ガスの温
度低下を抑制して凝縮を抑制し、原料粉末の棚吊りを効
果的に防止して原料粉末の降下をスムーズに行うことが
できる。従って、黒鉛粉末の連続的な製造を容易に実現
できる。さらに、粒径の大きな層を所定ガスが通過する
ため、微細な粉塵が所定ガスにより排出される割合を少
なくし、フィルタ等の負荷を低減するとともに、原料粉
末の歩留まりの向上を図ることができる。
【0036】請求項3に係る黒鉛化電気炉は、所定ガス
が、黒鉛粉末を取り出すための通路を通るため、この通
路内での黒鉛粉末の棚吊りが抑制され黒鉛粉末の流動化
を確保して黒鉛粉末の連続的な取り出しを行うことがで
きる。
【0037】請求項4に係る黒鉛化電気炉は、原料粉末
を通過した所定ガスが炉本体の側壁上部から排出される
ため、内壁近くを通過した所定ガスを適宜捕集すること
により、粒径の小さな原料粉末が堆積する中心付近に所
定ガスが巻き込むことを防止し、粉塵等の発生を抑制す
ることができる。
【0038】請求項5に係る黒鉛化電気炉は、排出ノズ
ルが炉本体上部の周囲にわたって複数設けられるため、
内壁付近を通過した所定ガスを効率よく捕集することが
でき、これにより中心付近への所定ガスの巻き込みを効
果的に防止し、より一層粉塵等の発生を抑制することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る黒鉛化電気炉の実施形態を示す
断面図である。
【図2】 図1に示す黒鉛化電気炉の平面図である。
【図3】 図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】 図1に示す黒鉛化電気炉においてガスの流れ
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 炉本体 2 投入口 4 管状部材 5,6 電極 7 黒鉛化領域 11 ガス供給手段 12 排出ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 賢一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 飯島 重樹 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉本体の上部から投入された原料粉末を
    降下中に加熱して黒鉛化し、この黒鉛粉末を前記炉本体
    の下部から連続して取り出すようにした黒鉛化電気炉で
    あって、 前記炉本体の原料粉末の投入口が当該炉本体上部の略中
    心部分に設けられることを特徴とする黒鉛化電気炉。
  2. 【請求項2】 前記炉本体の下部から当該炉本体内部に
    所定ガスを吹き込むためのガス供給手段を備えることを
    特徴とする請求項1記載の黒鉛化電気炉。
  3. 【請求項3】 前記所定ガスは、前記炉本体から黒鉛粉
    末を取り出すための通路を介して当該炉本体内に吹き込
    まれることを特徴とする請求項2記載の黒鉛化電気炉。
  4. 【請求項4】 前記所定ガスを前記炉本体の側壁上部か
    ら排出する排出ノズルが設けられることを特徴とする請
    求項2または3記載の黒鉛化電気炉。
  5. 【請求項5】 前記排出ノズルは、前記炉本体上部の周
    囲にわたって複数設けられることを特徴とする請求項4
    記載の黒鉛化電気炉。
JP13567898A 1998-05-18 1998-05-18 黒鉛化電気炉 Expired - Fee Related JP4238379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13567898A JP4238379B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 黒鉛化電気炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13567898A JP4238379B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 黒鉛化電気炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11322316A true JPH11322316A (ja) 1999-11-24
JP4238379B2 JP4238379B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=15157378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13567898A Expired - Fee Related JP4238379B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 黒鉛化電気炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4238379B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108178155A (zh) * 2018-01-29 2018-06-19 山西沁新能源集团股份有限公司 一种多联体并列式高温石墨化炉
CN108529614A (zh) * 2018-06-01 2018-09-14 凯盛石墨碳材料有限公司 一种连续型石墨高温提纯装置
CN111362262A (zh) * 2020-05-07 2020-07-03 辽宁金田储能科技有限公司 一种高纯石墨化炉
CN114608308A (zh) * 2021-11-19 2022-06-10 四川金汇能新材料股份有限公司 石墨化炉

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108178155A (zh) * 2018-01-29 2018-06-19 山西沁新能源集团股份有限公司 一种多联体并列式高温石墨化炉
CN108529614A (zh) * 2018-06-01 2018-09-14 凯盛石墨碳材料有限公司 一种连续型石墨高温提纯装置
CN111362262A (zh) * 2020-05-07 2020-07-03 辽宁金田储能科技有限公司 一种高纯石墨化炉
CN111362262B (zh) * 2020-05-07 2023-06-13 辽宁金田储能科技有限公司 一种高纯石墨化炉
CN114608308A (zh) * 2021-11-19 2022-06-10 四川金汇能新材料股份有限公司 石墨化炉

Also Published As

Publication number Publication date
JP4238379B2 (ja) 2009-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100533370B1 (ko) 플러렌 제조 방법 및 장치
KR20010099622A (ko) 미세 분말 및 초미세 분말의 제조 방법과 그를 위한이송형 아크 플라스마 시스템
KR100310073B1 (ko) 탄소질 재료의 전기 하소 방법 및 하소노
US20050230240A1 (en) Method and apparatus for carbon allotropes synthesis
CN1203948C (zh) 生产纳米金属粉装置
US20050019245A1 (en) Continuous production of carbon nanotubes and fullerenes
EP0887133B1 (en) Process for the production of metal powder and equipment therefor
US6038247A (en) Graphitizing electric furnace
US3380904A (en) Confining the reaction zone in a plasma arc by solidifying a confining shell around the zone
JPH11322316A (ja) 黒鉛化電気炉
JP2017170402A (ja) 微粒子製造装置及び製造方法
CN202350525U (zh) 电子束冷床炉加料装置
JPH11322318A (ja) 電気炉
JP4604342B2 (ja) カーボンナノ構造体の合成用のアーク電極
JPS61291907A (ja) 微粒子製造装置
JP4147617B2 (ja) 黒鉛化電気炉
WO2005075718A1 (ja) 炭素繊維の加熱処理装置
JP4135213B2 (ja) 黒鉛化電気炉
JP3787241B2 (ja) 黒鉛製造装置
JP4281123B2 (ja) 電気炉
RU2341451C1 (ru) Способ производства фуллеренсодержащей сажи и устройство для его осуществления
JPH11322320A (ja) 電気炉
JP2002167208A (ja) 連続式黒鉛化炉
US2801156A (en) Process and apparatus for the production of metallic carbides and metallic silicides
JPH08198612A (ja) 黒鉛粉末製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees