JP2000097252A - 自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents
自動調心型クラッチレリーズ軸受装置Info
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Abstract
のスリーブ1の端部外周に一体にインサート成形され
る。側板2の一方の端面2aには玉軸受3の外輪3bが
半径方向摺動自在に当接し、他方の端面側にはレリーズ
フォークが当接する当接部2bが例えば180度対向位
置にそれぞれ配設される。側板2は、冷間圧延鋼板をプ
レス加工によって所定形状に成形した後、表面硬化処理
として浸炭処理又は浸炭窒化処理を施したものである。
表面硬化層(浸炭層又は浸炭窒化層)の所定深さまでの
領域での残留オーステナイト量は、深さ方向断面におけ
る面積率で25%以下に調整されている。
Description
チレリーズ軸受装置に関する。
リーズ軸受装置Aは、マニュアルミッション自動車のエ
ンジン(出力軸39)とトランスミッション32との間
に配置され、クラッチペダル(図示省略)の操作と連動
して揺動するレリーズフォーク34に押圧されて、フロ
ントカバー33上をエンジン側に軸方向摺動し、エンジ
ンの回転力がトランスミッション32に伝達されるのを
一時遮断する機能を有する。
は、例えば、フロントカバー33上を摺動するスリーブ
と、スリーブに外挿された玉軸受と、スリーブの外周か
ら外径方向に延び、その一面に玉軸受が半径方向摺動自
在に弾性保持され、その他面にレリーズフォークが当接
する側板と、玉軸受を側板の一面に弾性的に押圧して保
持する弾性手段とを主体として構成される。
ォーク34が同図で反時計方向に揺動し、側板の他面に
当接してクラッチレリーズ軸受Aをエンジン側に軸方向
に押圧摺動させる。それによって、玉軸受(内輪又は外
輪)がクラッチ装置のダイヤフラムスプリング35に当
接し、さらに、ダイヤフラムスプリング35の撓みによ
って、クラッチディスク36をフライホイール37に押
圧しているプレシャープレート38がクラッチディスク
36から離れて、エンジンの出力軸39の回転力がトラ
ンスミッション32から一時的に切り離される。
ョン側の軸心との間にずれがあった場合、クラッチレリ
ーズ軸受装置Aの玉軸受がそのずれ量に応じて半径方向
に摺動移動することにより、その心ずれが自動的に調心
される。
装置がレリーズフォークに押圧されてエンジン側に軸方
向摺動する際、側板の他面はレリーズフォークから滑り
を伴った接触応力を受けるため、摩耗、特にかじり摩耗
が生じやすい傾向にある。側板の他面にかじり摩耗が生
じると、レリーズフォークの当接時、両者の接触部分で
振動や騒音が発生し、これが車体に伝わって乗員に不快
感を与えるという問題がある。また、側板の一面には玉
軸受が弾性保持されるが、エンジンの振動等を受けて側
板の一面上で微小変位する場合があり、その場合、側板
の一面にフレッティング摩耗が生じ易い。この場合も、
振動、騒音の発生要因になる。
振動や騒音の発生を抑制すると共に、側板の寿命、ひい
てはクラッチレリーズ軸受装置の寿命を向上させること
を目的とする。
め、本発明は、クラッチ装置の回転部材に接触する接触
部を有する玉軸受と、玉軸受の内方に挿入されるスリー
ブと、スリーブの外周から外径方向に延び、その一面に
玉軸受が半径方向摺動自在に弾性保持され、その他面に
レリーズフォークが当接する鋼板プレス製の側板とを備
え、側板が表面硬化層を有し、その表面から所定深さま
での領域での残留オーステナイト量が、深さ方向断面に
おける面積率で25%以下である構成を提供する。上記
の「所定深さ」は、例えば0.5mmである。
層である。表面硬化層の所定深さ領域での残留オーステ
ナイト量を面積率で25%以下にしたのは次の理由によ
る。従来より側板には、熱処理による表面硬化層を形成
して耐摩耗性を確保しているが、表面硬化層の残留オー
ステナイト量については管理されておらず、通常、深さ
方向断面における面積率で30%以上の残留オーステナ
イトが表面硬化層の組織中に含まれている。そのため、
側板の表面硬度が十分に高くならず(オーステナイトは
マルテンサイトに比べて硬さが著しく小さいため)、良
好な耐摩耗性が得られない場合があった。また、側板の
経年変形により(長時間使用する間に残留オーステナイ
トが徐々にマルテンサイトに変態するため)、レリーズ
フォークとの接触状態が不安定になり、クラッチフィー
リングが低下することが予想される。表面硬化層の所定
深さ領域での残留オーステナイト量を面積率で25%以
下、好ましくは15%以下に管理することにより、側板
の表面硬度を所要範囲に高めて良好な耐摩耗性を確保
し、また、側板の経年変形を低減して良好なクラッチフ
ィーリングを長期にわたって維持することができる。
範囲内とすることが好ましい。ここで、「HR C」はロ
ックウェル硬さのCスケールを表している。58≦HR
C≦64としたのは次の理由による。即ち、側板の表面
硬度がHR C58未満であると、レリーズフォークの当
接によって側板の他面にかじり摩耗が生じやすくなり、
また、玉軸受の微小変位によって側板の一面にフレッテ
ィング摩耗が生じやすくなる。逆に、側板の表面硬度が
HR C64を超えると、摩耗低減には効果があるもの
の、鋼板プレス成形品の場合、肉厚に対する表面硬化層
の深さが大きくなりすぎ、靭性が低下する。そのため、
特にレリーズフォークから圧縮荷重や引張り荷重を直接
受ける部分に割れや欠けが生じる懸念がある。側板の表
面硬度を58≦HR C≦64の範囲内にすることによ
り、側板の接触面の摩耗を低減すると同時に、適度の靭
性を確保し、割れや欠けの発生を防止することができ
る。特に、摩耗を効果的に低減する観点から、側板の表
面硬度は61≦HR C≦64の範囲にするのが好まし
い。また、側板の芯部(表面硬化層を除く部分)の硬度
は、材料の適度の靭性を確保する点からHR C50未
満、好ましくは30≦HR C<45とするのが良い。
ことができる。冷間圧延鋼板は、浸炭鋼等に比べて安価
であり、また、側板に要求される機械的特性も満足でき
る。冷間圧延鋼板には、SPCC、SPCD、SPCE
等があるが、側板の材質としてSPCC鋼板が好まし
い。
ーブに一体結合される。結合方法として、接着、嵌合、
係合、一体成形(インサート成形)等を採用することが
できる。量産性、構造の簡略化、組立作業の簡略化を考
慮した場合、結合方法として一体成形(インサート成
形)を採用するのが好ましい。尚、スリーブは樹脂製に
限らず、金属製スリーブを採用しても良い。
説明する。
機構に組み込まれる自動調心型クラッチレリーズ軸受装
置Aを示している。クラッチレリーズ軸受装置Aは、マ
ニュアルミッション自動車のエンジン(出力軸39)と
トランスミッション(32)との間に配置され、レリー
ズフォーク(34)の作動によってフロントカバー(3
3)上をエンジン側に軸方向摺動して、エンジンの回転
力がトランスミッション(32)に伝達されるのを一時
遮断するものである。
Aは、フロントカバー(33)に摺動隙間をもって外挿
される樹脂製のスリーブ1と、スリーブ1と一体成形
(インサート成形)された側板2と、ダイヤフラムスプ
リング(35)に接触する接触部3a1を内輪3aの端
部に設けた密封型の玉軸受3と、玉軸受3の外輪3bを
側板2に対して弾性保持するためのカバー4及び弾性部
材例えば波座金5とを主要な要素として構成されてい
る。
は半径方向すきまS1があり、外輪3bとカバー4との
間には半径方向すきまS2がある。半径方向すきまS2
は、半径方向すきまS1よりも小さい(S1〉S2)。
玉軸受3は、半径方向すきまS1およびS2の存在によ
って、スリーブ1および側板2に対して半径方向に調心
移動が可能であり、その調心移動量は小さい方の半径方
向すきまS2によって規制される。フロントカバー(3
3)の軸心と出力軸(39)の軸心との間に組み込み上
の誤差等があり、ダイヤフラムスプリング(35)の回
転中心とクラッチレリーズ軸受装置の回転中心とで心ず
れが生じても、玉軸受3がそのずれ量に応じて調心移動
することによって、心ずれが自動的に調心される。ま
た、玉軸受3は所要量調心移動した後、波座金5の弾性
力によって、その位置に弾性保持され、エンジンの振
動、衝撃等を受けても位置ずれしない(いわゆる調心抗
力を有する)。
の環体で、樹脂製のスリーブ1の端部外周に一体にイン
サート成形される。側板2の一方の端面2aには玉軸受
3の外輪3bが半径方向摺動自在に当接し、他方の端面
側にはレリーズフォーク(34)が当接する当接部2b
が例えば180度対向位置にそれぞれ配設される。加締
め領域2cには、カバー4の一端部が加締め固定され
る。この実施形態の側板2は、冷間圧延鋼板例えばSP
CC鋼板をプレス加工によって所定形状に成形した後、
表面硬化処理として浸炭処理又は浸炭窒化処理を施した
ものである。表面硬化層(浸炭層又は浸炭窒化層)の表
面から所定深さまでの領域、例えば表面から深さ0.5
mmまでの領域での残留オーステナイト量は、深さ方向
断面における面積率で25%以下、好ましくは15%以
下に調整されている。また、表面硬化層の表面硬度は5
8≦HR C≦64、好ましくは61≦HR C≦64に調
整されている。
加工によって所定形状に成形した後、種々の条件で浸炭
窒化処理を施して、表面硬化層(浸炭窒化層)の残留オ
ーステナイト量が異なる数種類のテスト品(側板2:図
2に示す形態)を製作した。各テスト品の表面硬化層の
Hv550(ビッカース硬さ)の深さは約0.3mmで
ある。そして、各テスト品を用いて図1に示す形態のク
ラッチレリーズ軸受装置を製作し、それぞれに対して1
00万回レリーズ耐久試験を行った。耐久試験は、レリ
ーズフォークの作動によりクラッチレリーズ軸受装置を
100万回レリーズ動作(往復運動)させて、レリーズ
フォークが当接するテスト品(側板2)の当接部(2
b)の摩耗深さを測定することにより行った。
面硬化層(浸炭窒化層)の残留オーステナイト量が減少
するに従って小さくなり、残留オーステナイト量が面積
率で25%以下のテスト品では、100万回のレリーズ
動作にも十分耐え得ることが確認された。特に、残留オ
ーステナイト量が15%以下のテスト品では、150万
回のレリーズ動作に耐えることができ、長寿命化の傾向
が顕著に認められた。
自在に当接する一面と、レリーズフォークが当接する他
面とを有する鋼板プレス製の側板に表面硬化層を形成
し、その表面から所定深さまでの領域での残留オーステ
ナイト量を、深さ方向断面における面積率で25%以下
に調整したので、側板の他面のかじり摩耗や一面のフレ
ッティング摩耗が生じにくく、低振動、低騒音で、か
つ、耐久性に優れた自動調心型クラッチレリーズ軸受装
置を提供することができる。また、側板の経年変形が少
なく、レリーズフォークとの接触状態の変動が少ないた
め、良好なクラッチフィーリングを長期にわたって維持
することができる。さらに、側板の材質として、冷間圧
延鋼板、特にSPCC鋼板を用いることにより、側板に
要求される機械的特性を確保しつつ、コスト低減を図る
ことができる。
示す断面図である。
図)、正面図(図b)である。
図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 クラッチ装置の回転部材に接触する接触
部を有する玉軸受と、玉軸受の内方に挿入されるスリー
ブと、スリーブの外周から外径方向に延び、その一面に
玉軸受が半径方向摺動自在に弾性保持され、その他面に
レリーズフォークが当接する鋼板プレス製の側板とを備
え、 上記側板に表面硬化層が形成され、その表面から所定深
さまでの領域での残留オーステナイト量が、深さ方向断
面における面積率で25%以下である自動調心型クラッ
チレリーズ軸受装置。 - 【請求項2】 上記表面硬化層の表面硬度が58≦HR
C≦64である請求項1記載の自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置。 - 【請求項3】 上記側板が冷間圧延鋼板のプレス成形品
である請求項1記載の自動調心型クラッチレリーズ軸受
装置。 - 【請求項4】 上記冷間圧延鋼板がSPCC鋼板である
請求項3記載の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置。 - 【請求項5】 上記側板が樹脂製のスリーブに一体結合
されている請求項1記載の自動調心型クラッチレリーズ
軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10269968A JP2000097252A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10269968A JP2000097252A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000097252A true JP2000097252A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17479743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10269968A Pending JP2000097252A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000097252A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10233449A1 (de) * | 2002-07-24 | 2004-01-29 | Ina-Schaeffler Kg | Kupplungsausrücklager |
-
1998
- 1998-09-24 JP JP10269968A patent/JP2000097252A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10233449A1 (de) * | 2002-07-24 | 2004-01-29 | Ina-Schaeffler Kg | Kupplungsausrücklager |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A521 | Written amendment |
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|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060719 |