JP2000096378A - 自己伸長糸の製造方法及び異収縮混繊糸の製造方法 - Google Patents

自己伸長糸の製造方法及び異収縮混繊糸の製造方法

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JP2000096378A
JP2000096378A JP10267531A JP26753198A JP2000096378A JP 2000096378 A JP2000096378 A JP 2000096378A JP 10267531 A JP10267531 A JP 10267531A JP 26753198 A JP26753198 A JP 26753198A JP 2000096378 A JP2000096378 A JP 2000096378A
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Hideo Ueda
秀夫 上田
Shigeki Honda
繁喜 本田
Keita Katsuma
啓太 勝間
Miwako Fukuda
美和子 福田
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない工数で、簡単かつ効率よく自己伸長糸を
製造することのできる自己伸長糸の製造方法及び異収縮
混繊糸の製造方法を提供する。 【解決手段】紡糸口金1から吐出されたポリエチレンテ
レフタレートフィラメントを、2500〜4000m/
分の紡糸巻取速度でボビン3に巻き取ることにより、部
分配向性ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメン
ト未延伸糸(POY)を製造する。そして、ボビン3に
巻き取られた部分配向性ポリエチレンテレフタレートマ
ルチフィラメント未延伸糸をそのままの状態(定長下)
でスチームセッタ4にセットし、減圧した後に、製造し
た部分配向性ポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸の熱収縮応力の最高値を示す温度の前後
10℃の温度範囲内でスチームセットすると、ポリエチ
レンテレフタレートマルチフィラメント未延伸糸に自己
伸長性が付与され、自己伸長糸となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、少ない工数で効
率よく製造することのできるポリエステル系の自己伸長
糸の製造方法及びポリエステル系の自己伸長糸を用いた
異収縮混繊糸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、布帛にソフト感やふくらみ感、はりこし感を与える
ために、布帛の構成糸として沸水収縮率の異なる2種類
の糸条を交絡させた異収縮混繊糸が用いられており、特
に、2種類の糸条の沸水収縮率の差を大きくしてよりふ
くらみ感等を出すために、一方の糸条として自己伸長糸
を、他方の糸条として高収縮糸を使用した異収縮混繊糸
が用いられている。
【0003】上述した異収縮混繊糸に用いられる自己伸
長糸は、通常、紡糸巻取速度が2000〜4000m/
分の部分配向性未延伸糸をガラス転移温度以下で延伸さ
せた後、結晶化温度以下で熱リラックスさせることによ
って製造されるが、こういった方法を採用すると、自己
伸長性を付与するために延伸工程と熱リラックス工程と
が必要となるので、工数が多くなると共に熱リラックス
工程においては微妙な温度設定を行わなければならず、
簡単かつ効率よく自己伸長糸を製造することができない
といった問題がある。また、上述した方法を採用しよう
とすると、製造装置自体も大型化するといった問題があ
った。
【0004】さらに、上述したような自己伸長糸を用い
た異収縮混繊糸は、通常、一旦自己伸長性を付与した自
己伸長糸を製造した後、この自己伸長糸と高収縮糸とを
交絡させて混繊しながら巻き取っていくといった方法で
製造されるので、短時間で効率よく大量の異収縮混繊糸
を製造することができないといった問題もある。
【0005】そこで、この発明の第1の課題は、少ない
工数で、簡単かつ効率よく自己伸長糸を製造することの
できる自己伸長糸の製造方法を提供することにあり、さ
らに、第2の課題は、こういった自己伸長糸を用いた異
収縮混繊糸を短時間で効率よく製造することのできる異
収縮混繊糸の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記の第1
の課題を解決するため、この発明は、部分配向性ポリエ
ステルマルチフィラメント未延伸糸を、その乾熱収縮応
力が最高値を示す付近の温度条件下で、定長下にて湿熱
処理を行うことにより、自己伸長糸を製造するようにし
たのである。
【0007】以上のような方法によれば、一般的に製造
されているPOYと呼ばれる部分配向性ポリエステルマ
ルチフィラメント未延伸糸をボビンに巻き取った状態
で、所定の温度条件下で湿熱処理を行うだけでよいの
で、従来、自己伸長糸を製造する際に行われていた複雑
な延伸工程や熱リラックス工程を全く必要とせず、少な
い工数で簡単かつ効率よく自己伸長糸を製造することが
できる。従って、製造装置自体も小型化され、省スペー
スで効率よく自己伸長糸を製造することが可能となる。
【0008】また、上述した部分配向性ポリエステルマ
ルチフィラメント未延伸糸としては、2500〜400
0m/分の紡糸速度で紡糸されたポリエステルマルチフ
ィラメントを使用することが望ましく、複屈折率が0.
02〜0.06の範囲内にあるポリエステルマルチフィ
ラメントを使用することが望ましい。
【0009】また、上述したように、湿熱処理は乾熱収
縮応力が最高値を示す付近の温度条件下で行えばよい
が、使用する部分配向性ポリエステルマルチフィラメン
ト未延伸糸の乾熱収縮応力が最高値を示す温度を中心と
した前後10℃の温度範囲内で定長下にて湿熱処理を行
うことが望ましく、乾熱収縮応力が最高値を示す温度で
定長下にて湿熱処理を行うことがさらに望ましい。な
お、通常の部分配向性ポリエステルマルチフィラメント
未延伸糸では、乾熱収縮応力が最高値を示す温度が80
℃程度であるので、概ね70〜90℃の温度範囲内で湿
熱処理を行えば、特に問題はない。
【0010】また、部分配向性ポリエステルマルチフィ
ラメント未延伸糸を構成するポリエステルとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等が挙げられるが、イソフタル酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸等のジカルボン酸や、ポリプロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール等のジオールを共重合成分とした共重合ポリエ
ステルを使用することも可能である。また、酸化チタン
等の艶消し剤、繊維表面改質剤としての微細孔形成剤、
帯電防止剤等を少量添加することもできる。
【0011】また、使用する部分配向性ポリエステルマ
ルチフィラメント未延伸糸を構成する繊維の横断面形状
は、通常の丸断面であってもよいが、多葉、多角、中
空、扁平または特殊異形断面であってもよく、異なる断
面形状のものが混在していてもよい。さらに、繊度に関
しては、特に限定するものではないが、張り、腰、風合
等を考慮すると、0.1〜5デニール程度が好ましい。
【0012】また、上記の第2の課題を解決するため、
この発明は、部分配向性ポリエステルマルチフィラメン
ト未延伸糸と収縮性を有する延伸糸とを交絡させた混繊
糸を、前記部分配向性ポリエステルマルチフィラメント
未延伸糸の乾熱収縮応力が最高値を示す付近の温度条件
下で、定長下にて湿熱処理を行うことで、異収縮混繊糸
を製造するようにしたのである。
【0013】以上のような方法によれば、一般的に製造
されているPOYと呼ばれる部分配向性ポリエステルマ
ルチフィラメント未延伸糸と収縮性を有する通常の延伸
糸とを混繊した状態でボビンに巻き取り、これを所定の
温度条件下でそのままの状態で湿熱処理を行うだけで、
部分配向性ポリエステルマルチフィラメント未延伸糸に
のみ自己伸長性が付与され、結果的に自己伸長糸と収縮
性を有する延伸糸とからなる異収縮混繊糸が出来上が
る。このように、2種類の糸条を予め混繊した状態で一
方の糸条にのみ自己伸長性を付与することができるの
で、自己伸長糸を用いた異収縮混繊糸を短時間で効率よ
く製造することができる。
【0014】特に、少なくとも一方にポリエステルマル
チフィラメントを含む、2種類の糸条を同時に紡糸しな
がら、一方のポリエステルマルチフィラメントからなる
糸条を延伸することなく、他方の糸条を延伸し、両者を
混繊した後、2500〜4000m/分の巻取速度で巻
き取り、これを、そのままの状態で、未延伸の前記ポリ
エステルマルチフィラメントの乾熱収縮応力が最高値を
示す温度を中心とした前後10℃の温度範囲内で湿熱処
理を行うようにすると、糸条の巻取回数を最小限に抑え
ることができると共に混繊糸の状態で一方の糸条にのみ
自己伸長性を付与することができるので、自己伸長糸と
収縮糸とからなる異収縮混繊糸を簡単かつ短時間で効率
よく製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態について図面を
参照して説明する。この自己伸長糸の製造方法では、ま
ず、図1(a)に示すように、紡糸口金1から吐出され
たポリエチレンテレフタレートフィラメントに、油剤付
与装置2によって油剤を付与した後、2500〜400
0m/分の紡糸巻取速度でボビン3に巻き取ることによ
り、部分配向性ポリエチレンテレフタレートマルチフィ
ラメント未延伸糸(POY)を製造する。
【0016】そして、同図(b)に示すように、ボビン
3に巻き取られた部分配向性ポリエチレンテレフタレー
トマルチフィラメント未延伸糸をそのままの状態(定長
下)でスチームセッタ4にセットし、減圧した後、製造
した部分配向性ポリエチレンテレフタレートマルチフィ
ラメント未延伸糸の熱収縮応力の最高値を示す温度の前
後10℃の温度範囲内でスチームセットすると、ポリエ
チレンテレフタレートマルチフィラメント未延伸糸に自
己伸長性が付与され、自己伸長糸となる。
【0017】以上のように、この方法では、一般的に製
造されているPOYと呼ばれる部分配向性ポリエステル
マルチフィラメント未延伸糸をボビンに巻き取った状態
で、所定の温度条件下で湿熱処理を行うだけでよいの
で、従来、自己伸長糸を製造する際に行われていた複雑
な多段延伸工程や熱リラックス工程を全く必要とせず、
少ない工数で簡単かつ効率よく自己伸長糸を製造するこ
とができる。これによって、製造装置自体も小型化さ
れ、省スペースで効率よく自己伸長糸を製造することが
可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明するが、本発明は、以下に示す実施例に限定されるも
のではない。
【0019】(実施例1)紡糸巻取速度が2500m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.021、最高熱収縮応力温度が
84.3℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をボビンに巻き取った状態で、80℃の
温度条件で10分間スチームセットした。
【0020】(実施例2)紡糸巻取速度が3000m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.032、最高熱収縮応力温度が
83.5℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をそのままの状態で、実施例1と同様の
方法でスチームセットした。
【0021】(実施例3)紡糸巻取速度が3250m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.043、最高熱収縮応力温度が
80.0℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をそのままの状態で、実施例1と同様の
条件下でスチームセットした。
【0022】(実施例4)紡糸巻取速度が3500m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.054、最高熱収縮応力温度が
80.1℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をそのままの状態で、実施例1と同様の
条件下でスチームセットした。
【0023】(実施例5)紡糸巻取速度が4000m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.060、最高熱収縮応力温度が
83.3℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をそのままの状態で、実施例1と同様の
条件下でスチームセットした。
【0024】(実施例6)実施例3で使用したポリエチ
レンテレフタレートマルチフィラメント未延伸糸をボビ
ンに巻き取った状態で、70℃の温度条件で10分間ス
チームセットした。
【0025】(実施例7)実施例3で使用したポリエチ
レンテレフタレートマルチフィラメント未延伸糸をボビ
ンに巻き取った状態で、90℃の温度条件で10分間ス
チームセットした。
【0026】(比較例1)紡糸巻取速度が2000m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.013、最高熱収縮応力温度が
84.7℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をボビンに巻き取った状態で、実施例1
と同様の条件下でスチームセットした。
【0027】(比較例2)紡糸巻取速度が4200m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.065、最高熱収縮応力温度が
84.0℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をボビンに巻き取った状態で、実施例1
と同様の条件下でスチームセットした。
【0028】(比較例3)紡糸巻取速度が3250m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.043、最高熱収縮応力温度が
80.0℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をボビンに巻き取った状態で、60℃の
温度条件で10分間スチームセットした。
【0029】(比較例4)紡糸巻取速度が3250m/
分、マルチフィラメント繊度が75d、フィラメント数
36本、複屈折率が0.043、最高熱収縮応力温度が
80.0℃のポリエチレンテレフタレートマルチフィラ
メント未延伸糸をボビンに巻き取った状態で、100℃
の温度条件で10分間スチームセットした。
【0030】上述した各実施例及び各比較例について、
沸水収縮率を測定して表1に示した。なお、上述した各
実施例及び各比較例における沸水収縮率は、一重の試料
に200mgの荷重をかけた試料長250mmの糸を沸
騰水中に15分間浸漬し、次いで5分間風乾した後、次
式により求めた。 沸水収縮率(%)=(初期試料長−収縮後の試料長)/
初期試料長×100
【0031】また、上述した各実施例及び各比較例にお
ける複屈折率は、α−ブロモナフタリンを浸漬液とし、
オリンパス製偏光顕微鏡BH2を用いてベレックコンペ
ンセータ法にて測定した。さらに、上述した各実施例及
び各比較例における最高熱収縮応力温度は、以下の方法
によって測定した。即ち、カネボウエンジニアリング社
製の熱応力測定器KE−2Sを用い、試料長を50mm
一定で、初期荷重として1/30dの荷重をかけ、室温
から220℃まで2.5℃/秒の昇温速度で昇温してい
った場合の収縮応力の最大値をとる時の温度を最高収縮
応力温度とした。
【0032】
【表1】
【0033】表1から分かるように、2500〜400
0m/分の範囲内の紡糸巻取速度で巻き取られ、最高熱
収縮応力温度付近の温度条件(80℃)下でスチームセ
ットされた実施例1〜実施例5は、沸水収縮率が−0.
2〜−3.0%となり、自己伸長性が付与されている。
【0034】一方、2000m/分、4200m/分と
いった紡糸巻取速度でそれぞれ巻き取られ、最高熱収縮
応力温度付近の温度条件(80℃)下でスチームセット
された比較例1及び比較例2は、沸水収縮率がそれぞれ
+0.5%、+2.0%となり、自己伸長性が全く付与
されなかった。
【0035】また、3250m/分で巻き取られ、70
℃、90℃といった最高熱収縮応力温度の前後10℃の
範囲内の温度でスチームセットされた実施例6及び実施
例7は、沸水収縮率がそれぞれ−0.3%、−0.4%
となり、自己伸長性が付与されているが、同一の紡糸巻
取速度で巻き取られているが、60℃、100℃といっ
た最高熱収縮応力温度の前後10℃の範囲外の温度でス
チームセットされた比較例3及び比較例4は、沸水収縮
率がそれぞれ+22.6%、0%となり、自己伸長性が
全く付与されなかった。
【0036】図2は、上述した自己伸長糸の製造方法を
応用した異収縮混繊糸の製造方法を示している。この方
法では、まず、同図(a)に示すように、紡糸口金1b
から吐出され、油剤付与装置2bによって油剤が付与さ
れた未延伸のポリエチレンテレフタレートフィラメント
Bと、紡糸口金1aから吐出され、油剤付与装置2aに
よって油剤が付与された後、複数のゴデットローラ5
a、5bにより延伸されたポリエチレンテレフタレート
フィラメントAとを、交絡装置6によって交絡させるこ
とで混繊糸とし、この混繊糸を、2500〜4000m
/分の巻取速度でボビン3に巻き取る。
【0037】従って、ボビン3に巻き取られた状態で
は、混繊糸を構成する一方のポリエチレンテレフタレー
トフィラメントBが、部分配向性未延伸糸(POY)に
なっており、他方のポリエチレンテレフタレートフィラ
メントAが、収縮性を有する延伸糸であるスピンドロー
糸(SPD)になっている。
【0038】そして、同図(b)に示すように、ボビン
3に巻き取られた混繊糸をそのままの状態(定長下)で
スチームセッタ4にセットし、減圧した後に、混繊糸を
構成する一方のポリエチレンテレフタレートマルチフィ
ラメント(POY)Bの熱収縮応力の最高値を示す温度
の前後10℃の温度範囲内で約10分間スチームセット
すると、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメン
トBにのみ自己伸長性が付与され、自己伸長糸と収縮糸
とからなる異収縮混繊糸が出来上がる。
【0039】以上のように、この方法では、ポリエチレ
ンテレフタレートマルチフィラメントA、Bを同時に紡
糸しながら、一方を延伸すると共に他方を未延伸の状態
で両者を交絡させて混繊糸とした後、所定の巻取速度で
巻き取り、これをそのままの状態で、所定の温度条件下
で湿熱処理を行うだけでよいので、糸条の巻取回数を最
小限に抑えることができると共に混繊糸の状態で一方の
糸条にのみ自己伸長性を付与することができるので、自
己伸長糸と収縮糸とからなる異収縮混繊糸を簡単かつ短
時間で効率よく製造することができる。
【0040】なお、この実施形態における異収縮混繊糸
では、収縮糸としてポリエチレンテレフタレートマルチ
フィラメントを使用したが、これに限定されるものでは
なく、第3成分を共重合した高収縮性ポリエステル、熱
セット性の低いポリエステル等の種々の素材からなる糸
条を使用することができる。
【0041】また、この実施形態では、2種類の糸条を
同時に紡糸しながら混繊して巻き取るようにしている
が、予めボビンに巻き取られたいずれか一方または双方
の糸条をボビンから繰り出しながら混繊して巻き取るよ
うにしてもよい。但し、2種類の糸条を同時に紡糸しな
がら混繊して巻き取ると、上述したように、巻取回数を
最小限に抑えることができるので、より効率的であるこ
とはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる一実施形態である自己伸長糸
の製造方法を示す概略図である。
【図2】この発明にかかる一実施形態である異収縮混繊
糸の製造方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 紡糸口金 2、2a、2b 油剤付与装置 3 ボビン 4 スチームセッタ 5a、5b ゴデットローラ 6 交絡装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 繁喜 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 (72)発明者 勝間 啓太 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 (72)発明者 福田 美和子 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA24 MA26 MA33 MA39 PA19 UA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分配向性ポリエステルマルチフィラメ
    ント未延伸糸を、その乾熱収縮応力が最高値を示す付近
    の温度条件下で、定長下にて湿熱処理を行うようにした
    自己伸長糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記部分配向性ポリエステルマルチフィ
    ラメント未延伸糸として、2500〜4000m/分の
    紡糸速度で紡糸されたポリエステルマルチフィラメント
    を使用した請求項1に記載の自己伸長糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記部分配向性ポリエステルマルチフィ
    ラメント未延伸糸として、複屈折率が0.02〜0.0
    6の範囲内にあるポリエステルマルチフィラメントを使
    用した請求項1に記載の自己伸長糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記部分配向性ポリエステルマルチフィ
    ラメント未延伸糸の乾熱収縮応力が最高値を示す温度を
    中心とした前後10℃の温度範囲内で湿熱処理を行うよ
    うにした請求項1、2または3に記載の自己伸長糸の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 70〜90℃の温度範囲内で湿熱処理を
    行うようにした請求項1、2または3に記載の自己伸長
    糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 部分配向性ポリエステルマルチフィラメ
    ント未延伸糸と収縮性を有する延伸糸とを交絡させた混
    繊糸を、前記部分配向性ポリエステルマルチフィラメン
    ト未延伸糸の乾熱収縮応力が最高値を示す付近の温度条
    件下で、定長下にて湿熱処理を行うようにした異収縮混
    繊糸の製造方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも一方にポリエステルマルチフ
    ィラメントを含む、2種類の糸条を同時に紡糸しなが
    ら、一方のポリエステルマルチフィラメントからなる糸
    条を延伸することなく、他方の糸条を延伸し、両者を混
    繊した後、2500〜4000m/分の巻取速度で巻き
    取り、これを、そのままの状態で、未延伸の前記ポリエ
    ステルマルチフィラメントの乾熱収縮応力が最高値を示
    す温度を中心とした前後10℃の温度範囲内で定長下に
    て湿熱処理を行うようにした異収縮混繊糸の製造方法。
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