JP2005089892A - 複合糸 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙製テープが有する軽量性を損なうことなく、編立て性に優れた複合糸を提供する。
【解決手段】(1) 紙製テープとポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸とが複合されている複合糸。(2) 前記捲縮糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維である複合糸。(3) 前記捲縮糸が仮撚加工糸である複合糸。(4) 前記仮撚加工糸がPOYの延伸仮撚加工糸である複合糸。(5) 前記仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率が70%以上である複合糸。
【選択図】なし
【解決手段】(1) 紙製テープとポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸とが複合されている複合糸。(2) 前記捲縮糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維である複合糸。(3) 前記捲縮糸が仮撚加工糸である複合糸。(4) 前記仮撚加工糸がPOYの延伸仮撚加工糸である複合糸。(5) 前記仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率が70%以上である複合糸。
【選択図】なし
Description
本発明は複合糸に関し、さらに詳しくは軽量性を損なうことなく、編立て性を向上させることができる紙製テープを有する複合糸に関する。
従来より、紙をテープ状にカットした後に撚糸して紐状の紙糸となし、これを製編織した編織物は、軽量性に優れ、張り腰があり、吸湿性等にも優れていることから広く利用されている。また紙糸を用いた編織物の引き裂きや引っ張りに対する耐久性を向上させるため、紙糸と合成繊維等を複合する方法が提案されている(例えば、特許文献1等)。
しかし、紙糸を用いた編織物は破断伸度が5%程度と殆どないため、特に編立て性に劣るという欠点があり、また紙糸と合成繊維等を複合した場合には、紙糸の特徴である軽量性が損なわれるという問題があった。
特開2002−266184号公報
しかし、紙糸を用いた編織物は破断伸度が5%程度と殆どないため、特に編立て性に劣るという欠点があり、また紙糸と合成繊維等を複合した場合には、紙糸の特徴である軽量性が損なわれるという問題があった。
本発明の課題は、上記問題を解決し、紙製テープが有する軽量性を損なうことなく、編立て性に優れた複合糸を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、数多くの繊維素材およびその形態や形状等との組み合わせについて検討した結果、 紙製テープの複合相手として、特定の繊維の捲縮糸を用いることにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)紙製テープとポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸が複合されていることを特徴とする複合糸。
(2)前記捲縮糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維であることを特徴とする(1)に記載の複合糸。
(3)前記捲縮糸が仮撚加工糸であることを特徴とする(1)または(2)に記載の複合糸。
(4)前記仮撚加工糸がPOYの延伸仮撚加工糸であることを特徴とする(3)に記載の複合糸。
(5)前記仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率が70%以上であることを特徴とする(3)または(4)に記載の複合糸。
(2)前記捲縮糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維であることを特徴とする(1)に記載の複合糸。
(3)前記捲縮糸が仮撚加工糸であることを特徴とする(1)または(2)に記載の複合糸。
(4)前記仮撚加工糸がPOYの延伸仮撚加工糸であることを特徴とする(3)に記載の複合糸。
(5)前記仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率が70%以上であることを特徴とする(3)または(4)に記載の複合糸。
本発明の複合糸は、紙製テープにポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸が複合されているため、紙製テープの有する軽量性を損なうことなく、編立て性を向上させることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の複合糸には、紙製テープが用いられる。
本発明に用いられる紙製テープとしては、例えば、パルプ製の紙をテープ状にカットしたものが挙げられる。原料パルプとしては、強度の面から繊維長の長いものが好ましく、 例えばマツ等の針葉樹、マニラ麻等の葉脈繊維、楮、三椏等の靭皮繊維等が一般的に用いられる。これらのうち、例えば、美濃紙、奉書、杉原紙、西ノ内、泉貨紙、 鳥の子紙等の和紙が特に好ましい。
本発明の複合糸には、紙製テープが用いられる。
本発明に用いられる紙製テープとしては、例えば、パルプ製の紙をテープ状にカットしたものが挙げられる。原料パルプとしては、強度の面から繊維長の長いものが好ましく、 例えばマツ等の針葉樹、マニラ麻等の葉脈繊維、楮、三椏等の靭皮繊維等が一般的に用いられる。これらのうち、例えば、美濃紙、奉書、杉原紙、西ノ内、泉貨紙、 鳥の子紙等の和紙が特に好ましい。
パルプ製の紙には、必要に応じて耐水剤により耐水処理を施してもよい。この耐水剤としては、例えば、エポキシ化ポリアミド樹脂、メラミン樹脂等の湿潤紙力増強剤、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメチルセルロース等の乾燥紙力増強剤などを用いることができ、これらは併用してもよい。耐水剤の使用量は0.01〜0.35g/m2 の範囲が好ましい。
紙製テープの幅は、1mm以上が好ましく、 より好ましくは1.5mm以上であり、30mm以下がさらに好ましく、15mm以下、10mm以下、5mm以下とするのがさらに好ましい。紙製テープの目付けは4〜55g/m2 が好ましく、特に5〜40g/m2 が好ましい。また紙製テープは、無撚でも、有撚でも、または仮撚加工糸として用いてもよく、複合形態に応じて適宜選定することができる。
紙製テープの幅は、1mm以上が好ましく、 より好ましくは1.5mm以上であり、30mm以下がさらに好ましく、15mm以下、10mm以下、5mm以下とするのがさらに好ましい。紙製テープの目付けは4〜55g/m2 が好ましく、特に5〜40g/m2 が好ましい。また紙製テープは、無撚でも、有撚でも、または仮撚加工糸として用いてもよく、複合形態に応じて適宜選定することができる。
また本発明の複合糸には、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸が用いられる。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸の捲縮伸長率は、100〜400%であることが好ましく、より好ましくは120〜400%、最も好ましくは150〜400%である。また捲縮弾性率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80〜100%、最も好ましくは90〜100%である。捲縮糸を構成する単糸の繊度は、好ましくは0.5〜10dtex、より好ましくは1〜8dtexであり、捲縮糸全体の繊度、すなわち、総繊度は、好ましくは11〜330dtex、より好ましくは22〜330dtexである。しかし、これらに限定されるものではない。
このようなポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸としては、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工糸、ニットデニット糸、押し込み加工糸等が挙げられるが、これらのうち、特に仮撚加工糸が好ましい。繊維の種類としては、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維を用いるのが好ましく、さらにこの潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸がより好ましい。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸の捲縮伸長率は、100〜400%であることが好ましく、より好ましくは120〜400%、最も好ましくは150〜400%である。また捲縮弾性率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80〜100%、最も好ましくは90〜100%である。捲縮糸を構成する単糸の繊度は、好ましくは0.5〜10dtex、より好ましくは1〜8dtexであり、捲縮糸全体の繊度、すなわち、総繊度は、好ましくは11〜330dtex、より好ましくは22〜330dtexである。しかし、これらに限定されるものではない。
このようなポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸としては、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工糸、ニットデニット糸、押し込み加工糸等が挙げられるが、これらのうち、特に仮撚加工糸が好ましい。繊維の種類としては、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維を用いるのが好ましく、さらにこの潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸がより好ましい。
本発明の捲縮糸の好ましい例である仮撚加工糸は、一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー加撚タイプ等、いかなる形式の仮撚り機を用いて製造されたものでもよいが、1ヒーター仮撚(ノンセットタイプ)したものの方が、2ヒーター仮撚(セットタイプ)のものより好ましい。
仮撚ヒーター温度は、第1ヒーターの出口直後の糸条温度が、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃、最も好ましくは130〜170℃である。第2ヒーター温度は、好ましくは100〜210℃、より好ましくは第1ヒーターの出口直後の糸条温度に対して−30℃〜+50℃の範囲である。第2ヒーター内のオーバーフィード率は+3%〜+30%が好ましい。
仮撚数(T1 )は、ポリエチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工において通常に用いられる範囲でよく、次式で計算される。この場合、仮撚数の係数(K1 )の値が18500〜37000の範囲であることが好ましい。
T1 (T/m)=K1 /[原糸の繊度(dtex)]0.5
仮撚ヒーター温度は、第1ヒーターの出口直後の糸条温度が、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃、最も好ましくは130〜170℃である。第2ヒーター温度は、好ましくは100〜210℃、より好ましくは第1ヒーターの出口直後の糸条温度に対して−30℃〜+50℃の範囲である。第2ヒーター内のオーバーフィード率は+3%〜+30%が好ましい。
仮撚数(T1 )は、ポリエチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工において通常に用いられる範囲でよく、次式で計算される。この場合、仮撚数の係数(K1 )の値が18500〜37000の範囲であることが好ましい。
T1 (T/m)=K1 /[原糸の繊度(dtex)]0.5
仮撚加工糸としては、好ましくは2000m/分以上、より好ましくは2500〜4000m/分の巻取り速度で引取って得られる部分配向未延伸糸(POY)を延伸仮撚した仮撚加工糸が好ましい。本発明において、POYとは、一般的に部分配向糸、部分配向未延伸糸、高配向未延伸糸等と呼称されているものをいう。
このPOYの延伸仮撚加工糸には、例えば、特開2001−20136号公報、特開2001−164433号公報に開示されているものを用いることができる。この場合のPOYの破断伸度は、好ましくは40%以上、特に60%以上、さらに80%以上であり、また250%以下、特に200%以下、さらに180%以下がより好ましい。
POYの延伸仮撚加工糸の単糸繊度は0.5〜5dtexが好ましく、より好ましくは1〜2.5dtexである。単糸繊度が0.5dtex未満では本発明の効果が充分に得られない場合があり、5dtexを超えると風合いが粗硬となる傾向にある。
またPOYの延伸仮撚条件としては、延伸倍率は1.05〜2.00倍が好ましく、特に1.05〜1.70倍が好ましく、仮撚数(T1 )は、仮撚数の係数(K1 )の値が23000〜36000であることが好ましく、より好ましくは27000〜34000の範囲である。
このPOYの延伸仮撚加工糸には、例えば、特開2001−20136号公報、特開2001−164433号公報に開示されているものを用いることができる。この場合のPOYの破断伸度は、好ましくは40%以上、特に60%以上、さらに80%以上であり、また250%以下、特に200%以下、さらに180%以下がより好ましい。
POYの延伸仮撚加工糸の単糸繊度は0.5〜5dtexが好ましく、より好ましくは1〜2.5dtexである。単糸繊度が0.5dtex未満では本発明の効果が充分に得られない場合があり、5dtexを超えると風合いが粗硬となる傾向にある。
またPOYの延伸仮撚条件としては、延伸倍率は1.05〜2.00倍が好ましく、特に1.05〜1.70倍が好ましく、仮撚数(T1 )は、仮撚数の係数(K1 )の値が23000〜36000であることが好ましく、より好ましくは27000〜34000の範囲である。
仮撚加工糸は、無撚で用いてもよいが、仮撚方向と逆方向に追撚を施した追撚仮撚加工糸、予め追撚した方向と異方向に仮撚加工した異方向先撚仮撚加工糸を用いてもよい。特に追撚仮撚加工糸、異方向先撚仮撚加工糸には、前述した部分配向未延伸糸(POY)を延伸仮撚した仮撚加工糸を用いると好ましい。
追撚仮撚加工糸の追撚数(T2 )は次式で計算される撚係数(K2 )が2700〜13000であることが好ましく、より好ましくは3000〜10000の範囲である。
T2 (T/m)=K2 /[仮撚加工糸の繊度(dtex)]0.5
追撚後は、スチームセット等の方法により60〜80℃の温度で30〜60分の撚止めセットを施すことが好ましい。
異方向先撚仮撚加工糸の仮撚数(T3 )は、次式で計算される仮撚数の係数(K3 )の値が21000〜33000であることが好ましく、より好ましくは25000〜32000の範囲である。
T3 (T/m)=K3 /[先撚糸の繊度(dtex)]0.5 +T4
先撚数(T4 )は、次式で計算される撚係数(K4 )が2700〜13000であることが好ましく、より好ましくは4500〜12000の範囲である。
T4 (T/m)=K4 /[原糸の繊度(dtex)]0.5
仮撚加工に先立って、予め先撚を加えた先撚糸は、スチームセット等の方法により60〜80℃の温度で30〜60分の撚止めを施すことが好ましい。
追撚仮撚加工糸の追撚数(T2 )は次式で計算される撚係数(K2 )が2700〜13000であることが好ましく、より好ましくは3000〜10000の範囲である。
T2 (T/m)=K2 /[仮撚加工糸の繊度(dtex)]0.5
追撚後は、スチームセット等の方法により60〜80℃の温度で30〜60分の撚止めセットを施すことが好ましい。
異方向先撚仮撚加工糸の仮撚数(T3 )は、次式で計算される仮撚数の係数(K3 )の値が21000〜33000であることが好ましく、より好ましくは25000〜32000の範囲である。
T3 (T/m)=K3 /[先撚糸の繊度(dtex)]0.5 +T4
先撚数(T4 )は、次式で計算される撚係数(K4 )が2700〜13000であることが好ましく、より好ましくは4500〜12000の範囲である。
T4 (T/m)=K4 /[原糸の繊度(dtex)]0.5
仮撚加工に先立って、予め先撚を加えた先撚糸は、スチームセット等の方法により60〜80℃の温度で30〜60分の撚止めを施すことが好ましい。
次に、捲縮糸の好ましい例である潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維について説明する。
潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維とは、少なくとも二種のポリエステル成分で構成され、具体的には、サイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に接合されたもので、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、熱処理によって捲縮を発現するものをいう。
二種のポリエステル成分の複合比は、一般的には質量%で70/30〜30/70の範囲のものが多く、接合面形状も直線または曲線形状のものが挙げられるが、これらは限定されるものではない。
このような潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維には、具体的には特開2001−40537号公報に開示されているようなポリトリメチレンテレフタレートを一成分とするものが挙げられる。
この繊維は、二種のポリエステルポリマーが、サイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に接合された複合繊維であり、サイドバイサイド型の場合、二種のポリエステルポリマーの溶融粘度比は、好ましくは1.00〜2.00であり、偏芯鞘芯型の場合は、鞘ポリマーと芯ポリマーのアルカリ減量速度比は、3倍以上鞘ポリマーが速いことが好ましい。
潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維とは、少なくとも二種のポリエステル成分で構成され、具体的には、サイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に接合されたもので、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、熱処理によって捲縮を発現するものをいう。
二種のポリエステル成分の複合比は、一般的には質量%で70/30〜30/70の範囲のものが多く、接合面形状も直線または曲線形状のものが挙げられるが、これらは限定されるものではない。
このような潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維には、具体的には特開2001−40537号公報に開示されているようなポリトリメチレンテレフタレートを一成分とするものが挙げられる。
この繊維は、二種のポリエステルポリマーが、サイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に接合された複合繊維であり、サイドバイサイド型の場合、二種のポリエステルポリマーの溶融粘度比は、好ましくは1.00〜2.00であり、偏芯鞘芯型の場合は、鞘ポリマーと芯ポリマーのアルカリ減量速度比は、3倍以上鞘ポリマーが速いことが好ましい。
具体的なポリマーの組み合わせとしては、ポリトリメチレンテレフタレート(テレフタル酸を主たるジカルボン酸とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、エチレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類やイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸等を共重合してもよい。他ポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。)とポリエチレンテレフタレート(テレフタル酸を主たるジカルボン酸とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、ブタンジオール等のグリコール類やイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸等を共重合してもよい。他のポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。)との組み合わせ、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート(テレフタル酸を主たるジカルボン酸とし、1,4−ブタンジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、エチレングリコール等のグリコール類やイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸等を共重合してもよい。他のポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。)との組み合わせが好ましく、特に捲縮の内側にポリトリメチレンテレフタレートが配置されたものが好ましい。
また特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報、特開2000−328382号公報、特開2001−81640号公報等に開示された、第一成分がポリトリメチレンテレフタレート、第二成分がポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルで、これらを並列的または偏芯的に配置したサイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に複合紡糸して用いてもよい。特にポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせや、固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせが好ましい。
本発明の目的達成上、好適な潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維は、初期引張抵抗度が、好ましくは10〜30cN/dtex、より好ましくは20〜30cN/dtex、最も好ましくは20〜27cN/dtexの範囲である。初期引張抵抗度が30cN/dtexを超えると、ソフトな風合いが得られにくい場合があり、10cN/dtex未満では製造が困難である。顕在捲縮の伸縮伸長率は、好ましくは10〜100%、より好ましくは10〜80%、最も好ましくは10〜60%の範囲である。顕在捲縮の伸縮伸長率が10%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合があり、100%を超えると繊維の製造は困難である。顕在捲縮の伸縮弾性率は、好ましくは80〜100%、より好ましくは85〜100%、最も好ましくは85〜97%の範囲である。顕在捲縮の伸縮弾性率が80%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合があり、100%を超える繊維の製造は困難である。
また100℃における熱収縮応力は0.1〜0.5cN/dtexであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4cN/dtex、最も好ましくは0.1〜0.3cN/dtexの範囲である。100℃における熱収縮応力が0.1cN/dtex未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合があり、0.5cN/dtexを越える繊維の製造は困難である。
熱水処理後の伸縮伸長率は、好ましくは100〜250%、より好ましくは150〜250%、最も好ましくは180〜250%の範囲である。熱水処理後の伸縮伸長率が100%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合があり、250%を超えると繊維の製造は困難である。熱水処理後の伸縮弾性率は、好ましくは90〜100%、より好ましくは95〜100%の範囲である。熱水処理後の伸縮弾性率が90%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合がある。
熱水処理後の伸縮伸長率は、好ましくは100〜250%、より好ましくは150〜250%、最も好ましくは180〜250%の範囲である。熱水処理後の伸縮伸長率が100%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合があり、250%を超えると繊維の製造は困難である。熱水処理後の伸縮弾性率は、好ましくは90〜100%、より好ましくは95〜100%の範囲である。熱水処理後の伸縮弾性率が90%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合がある。
このような特性を有する潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維としては、固有粘度の異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレートが互いにサイドバイサイド型に複合された単糸から構成された複合繊維が挙げられる。
2種類のポリトリメチレンテレフタレートの固有粘度差は0.05〜0.40(dl/g)であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.35(dl/g)、最も好ましくは0.15〜0.35(dl/g)である。例えば、高粘度側の固有粘度を0.70〜1.30(dl/g)から選択した場合には、低粘度側の固有粘度は0.50〜1.10(dl/g)から選択するのが好ましい。低粘度側の固有粘度は0.80(dl/g)以上が好ましく、より好ましくは0.85〜1.00(dl/g)、最も好ましくは0.90〜1.00(dl/g)である。
この複合繊維自体の固有粘度、すなわち、平均固有粘度は0.70〜1.20(dl/g)が好ましく、0.80〜1.20(dl/g)がより好ましい。0.85〜1.15(dl/g)がさらに好ましく、0.90〜1.10(dl/g)が最も好ましい。
2種類のポリトリメチレンテレフタレートの固有粘度差は0.05〜0.40(dl/g)であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.35(dl/g)、最も好ましくは0.15〜0.35(dl/g)である。例えば、高粘度側の固有粘度を0.70〜1.30(dl/g)から選択した場合には、低粘度側の固有粘度は0.50〜1.10(dl/g)から選択するのが好ましい。低粘度側の固有粘度は0.80(dl/g)以上が好ましく、より好ましくは0.85〜1.00(dl/g)、最も好ましくは0.90〜1.00(dl/g)である。
この複合繊維自体の固有粘度、すなわち、平均固有粘度は0.70〜1.20(dl/g)が好ましく、0.80〜1.20(dl/g)がより好ましい。0.85〜1.15(dl/g)がさらに好ましく、0.90〜1.10(dl/g)が最も好ましい。
本発明でいう固有粘度の値は、使用するポリマーではなく、紡糸した糸の粘度を指す。この理由は、ポリトリメチレンテレフタレート特有の欠点としてポリエチレンテレフタレート等と比較して熱分解が生じ易く、高い固有粘度のポリマーを使用しても熱分解によって固有粘度が著しく低下し、複合マルチフィラメントにおいては両者の固有粘度差を大きく維持することが困難であるためである。
本発明において、ポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、トリメチレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含むものをいう。従って、第三成分として、他の酸成分および/またはグリコール成分の合計量が50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはその機能的誘導体と、トリメチレングリコールまたはその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種または二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に製造した後、ブレンドしたりしてもよい。ブレンドする際のポリトリメチレンテレフタレートの含有率は、質量%で50%以上である。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはその機能的誘導体と、トリメチレングリコールまたはその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種または二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に製造した後、ブレンドしたりしてもよい。ブレンドする際のポリトリメチレンテレフタレートの含有率は、質量%で50%以上である。
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。また、1個または3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等またはグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の製造法の例は、上記した各種文献に開示されており、例えば、3000m/分以下の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法が好ましいが、紡糸−延伸工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)を採用してもよい。
繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、 ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、 ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
本発明において、上記潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸が最適なものであり、以下にかかる仮撚加工糸について詳述する。
この仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率は、好ましくは70〜300%、より好ましくは100〜300%、最も好ましくは120〜300%の範囲である。顕在捲縮伸長率が70%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合がある。その顕在捲縮弾性率は、好ましくは80〜100%、より好ましくは82〜100%、最も好ましくは85〜100%の範囲である。顕在捲縮弾性率が80%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合がある。
この仮撚加工糸の捲縮伸長率は100〜400%であることが好ましく、より好ましくは120〜400%の範囲である。その捲縮弾性率は80〜100%であることが好ましく、より好ましくは90〜100%の範囲である。捲縮伸長率および捲縮弾性率がこの値未満では本発明の目的達成が不十分となりやすい。
この仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率は、好ましくは70〜300%、より好ましくは100〜300%、最も好ましくは120〜300%の範囲である。顕在捲縮伸長率が70%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合がある。その顕在捲縮弾性率は、好ましくは80〜100%、より好ましくは82〜100%、最も好ましくは85〜100%の範囲である。顕在捲縮弾性率が80%未満では、本発明の目的達成が不充分となる場合がある。
この仮撚加工糸の捲縮伸長率は100〜400%であることが好ましく、より好ましくは120〜400%の範囲である。その捲縮弾性率は80〜100%であることが好ましく、より好ましくは90〜100%の範囲である。捲縮伸長率および捲縮弾性率がこの値未満では本発明の目的達成が不十分となりやすい。
潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工には、ピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー加撚タイプ等、任意の方法を用いることができるが、好ましくはピンタイプおよびニップベルトタイプである。仮撚加工糸は、いわゆる2ヒーターの仮撚加工糸(セットタイプ)よりも、いわゆる1ヒーターの仮撚加工糸(ノンセットタイプ)を用いる方が、本発明の目的達成上好ましい。
仮撚ヒーター温度は、第1ヒーターの出口直後の糸条温度が、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃、最も好ましくは130〜170℃である。第2ヒーター温度は、好ましくは100〜210℃、より好ましくは第1ヒーターの出口直後の糸条温度に対して−30℃〜+50℃の範囲である。第2ヒーター内のオーバーフィード率は+3%〜+30%が好ましい。
仮撚数(T5 )は、次式で計算される仮撚数の係数(K5 )の値が21000〜33000であることが好ましく、より好ましくは25000〜32000の範囲である。
T5 (T/m)=K5 / [(原糸の繊度(dtex)] 0.5
仮撚ヒーター温度は、第1ヒーターの出口直後の糸条温度が、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃、最も好ましくは130〜170℃である。第2ヒーター温度は、好ましくは100〜210℃、より好ましくは第1ヒーターの出口直後の糸条温度に対して−30℃〜+50℃の範囲である。第2ヒーター内のオーバーフィード率は+3%〜+30%が好ましい。
仮撚数(T5 )は、次式で計算される仮撚数の係数(K5 )の値が21000〜33000であることが好ましく、より好ましくは25000〜32000の範囲である。
T5 (T/m)=K5 / [(原糸の繊度(dtex)] 0.5
かかる潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸においても、好ましくは2000m/分以上、より好ましくは2500〜4000m/分の巻取り速度で引取って得られる部分配向未延伸糸(POY)を延伸仮撚した仮撚加工糸が好ましい。
本発明でPOYとは、一般的に部分配向糸、部分配向未延伸糸、高配向未延伸糸等と呼称されているものである。
このPOYの延伸仮撚加工糸は、例えば、特開2001−20136号公報、特開2001−164433号公報、特開2003−147649号公報に開示されているものである。ここで、POYの破断伸度は、好ましくは40%以上、特に60%以上、さらに80%以上で、250%以下、特に200%以下、180%以下の破断伸度を有するPOYが好ましい。
また、POYの延伸仮撚加工糸の単糸繊度は、0.5〜5dtexが好ましく、さらに好ましくは1〜2.5dtexである。0.5dtex未満では本発明の目的達成が不充分となる場合があり、5dtexを超えると風合いが粗硬となる傾向にある。
また、POYの延伸仮撚条件としては、延伸倍率は好ましくは1.05〜2.00倍特に1.05〜1.70倍が好ましく、仮撚数(T1 )は、仮撚数の係数(K1 )の値が23000〜36000であることが好ましく、さらに好ましくは27000〜34000の範囲であることが好ましい。
本発明でPOYとは、一般的に部分配向糸、部分配向未延伸糸、高配向未延伸糸等と呼称されているものである。
このPOYの延伸仮撚加工糸は、例えば、特開2001−20136号公報、特開2001−164433号公報、特開2003−147649号公報に開示されているものである。ここで、POYの破断伸度は、好ましくは40%以上、特に60%以上、さらに80%以上で、250%以下、特に200%以下、180%以下の破断伸度を有するPOYが好ましい。
また、POYの延伸仮撚加工糸の単糸繊度は、0.5〜5dtexが好ましく、さらに好ましくは1〜2.5dtexである。0.5dtex未満では本発明の目的達成が不充分となる場合があり、5dtexを超えると風合いが粗硬となる傾向にある。
また、POYの延伸仮撚条件としては、延伸倍率は好ましくは1.05〜2.00倍特に1.05〜1.70倍が好ましく、仮撚数(T1 )は、仮撚数の係数(K1 )の値が23000〜36000であることが好ましく、さらに好ましくは27000〜34000の範囲であることが好ましい。
仮撚加工糸は、無撚でもよいが、必要に応じて仮撚方向と同方向または異方向に追撚したり、仮撚加工糸を双糸または三子以上で合撚されたものでもよい。特に追撚したり、合撚する場合、仮撚加工糸には、前述した部分配向未延伸糸(POY)を延伸仮撚した仮撚加工糸を用いると好ましい。
追撚や合撚における撚数(T6 )は、次式で計算される撚係数(K6 )が、例えば20000以下、より好ましくは1000〜13000の範囲内で選定すればよい。仮撚加工糸の合計繊度とは、追撚または合撚する仮撚加工糸の合計の繊度をいう。
T6 (T/m)=K6 /[仮撚加工糸の合計繊度(dtex)]0.5
追撚や合撚における撚数(T6 )は、次式で計算される撚係数(K6 )が、例えば20000以下、より好ましくは1000〜13000の範囲内で選定すればよい。仮撚加工糸の合計繊度とは、追撚または合撚する仮撚加工糸の合計の繊度をいう。
T6 (T/m)=K6 /[仮撚加工糸の合計繊度(dtex)]0.5
このようなポリトリメチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工糸、特に潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸は、必要に応じて、質量%で50%以下の範囲内で他の繊維と併用してもよい。他の繊維としては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維の仮撚加工糸が挙げられるが、この他にも、各種繊維の仮撚加工糸を用いることができる。
これらのポリトリメチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工糸は、熱リラックス等の手段により潜在捲縮を顕在化させて用いることが、ストレッチバック性を高めるためには好ましく、例えば、先染め糸(チーズ染め、かせ染め、プレバルキー後にチーズ染め、かせ染め等)として用いる方法が挙げられる。
これらのポリトリメチレンテレフタレート系繊維の仮撚加工糸は、熱リラックス等の手段により潜在捲縮を顕在化させて用いることが、ストレッチバック性を高めるためには好ましく、例えば、先染め糸(チーズ染め、かせ染め、プレバルキー後にチーズ染め、かせ染め等)として用いる方法が挙げられる。
本発明における複合糸は、上記したポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸と紙製テープとを複合することにより得られる。両者の複合比率(捲縮糸/紙製テープ)は、質量%で10/90〜90/10が好ましく、特に15/85〜85/15、さらには20/80〜80/20の範囲内のものが好ましい。
両者の複合形態について特に制限はなく、例えば、合撚糸、精紡交撚糸、混繊糸、カバリング糸(シングル、ダブル)、諸撚糸などが挙げられるが、特に芯成分がポリトリメチレンテレフタレート系繊維の捲縮糸、鞘成分が紙製テープで構成された鞘芯構造糸や諸撚糸が、本発明の目的達成上好ましい。
両者の複合形態について特に制限はなく、例えば、合撚糸、精紡交撚糸、混繊糸、カバリング糸(シングル、ダブル)、諸撚糸などが挙げられるが、特に芯成分がポリトリメチレンテレフタレート系繊維の捲縮糸、鞘成分が紙製テープで構成された鞘芯構造糸や諸撚糸が、本発明の目的達成上好ましい。
本発明の複合糸を用いて製編織する場合、該複合糸を100%で用いるのが好ましいが、 所望に応じて、該複合糸以外の他の繊維を質量%で50%以下、好ましくは30%以下の範囲内で、糸段階および/または機上で混用してもよい。混用する他の繊維としては、例えば、羊毛、絹、綿、麻等の天然繊維、キュプラ、ビスコース、ポリノジック、精製セルロース等のセルロース系繊維、アセテート繊維、ポリエチレンテレフタレート系繊維やポリブチレンテレフタレート系繊維、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維等のポリエステル系繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等の各種人造繊維、さらにはこれらの共重合タイプの繊維や、同種または異種ポリマー使いの複合繊維(サイドバイサイド型、偏芯鞘芯型等)等の原糸、嵩高加工糸、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸、サイロスパンやサイロフィル、ホロースピンドル等の複合紡績糸、低収縮糸や高収縮糸との混紡や交撚等により複合したものが挙げられる。
本発明の複合糸の染色仕上げについては、常法に従って実施すればよく、例えば、かせ染め、チーズ染め、マフ染め、ニットデニット染め(ニットして染色してからデニット)等の方法により先染めして用いても良く、製編織後に染色する後染めでもよい。
特にチーズ染めの場合は、巻糸体の巻き密度は0.25〜0.7g/cm3 にするのが好ましく、チーズに巻く糸管につぶれ糸管を用いて、適性巻き密度でソフトワインドを行い、チーズ染色時に糸収縮により巻糸体の巻き密度が高くなるのを糸管がつぶれることにより防ぐ方法や、糸管に形成した所定の巻き密度の巻糸体を差し替え率が5〜30%、好ましくは15〜30%、特に20〜25%の多数の通液孔が設けられた通液処理ボビンと差し替えて染色する方法が好適な方法である。ここで、差し替え率(%)は、巻き取り機の巻き取り紙管などの巻き取りボビンの外径をAとし、通液処理ボビンの外径をBとした場合、(1−〔B/A〕)×100で求められる値である。
染色は、捲縮糸を分散染料にて染色後、還元洗浄、次いで、直接または反応染料により紙製テープを染色すればよい。
本発明の複合糸は、特に先染め糸として、横編(ホールガーメント、24〜36ゲージのフルファッションニット)、丸編(後染めも多い)に有用である。また、靴下や帽子としても有用である。さらには、例えば綿、精製セルロース繊維(先染め糸や双糸使い)を経糸に用いたジーンズ織物の緯糸に用いてもよい。
特にチーズ染めの場合は、巻糸体の巻き密度は0.25〜0.7g/cm3 にするのが好ましく、チーズに巻く糸管につぶれ糸管を用いて、適性巻き密度でソフトワインドを行い、チーズ染色時に糸収縮により巻糸体の巻き密度が高くなるのを糸管がつぶれることにより防ぐ方法や、糸管に形成した所定の巻き密度の巻糸体を差し替え率が5〜30%、好ましくは15〜30%、特に20〜25%の多数の通液孔が設けられた通液処理ボビンと差し替えて染色する方法が好適な方法である。ここで、差し替え率(%)は、巻き取り機の巻き取り紙管などの巻き取りボビンの外径をAとし、通液処理ボビンの外径をBとした場合、(1−〔B/A〕)×100で求められる値である。
染色は、捲縮糸を分散染料にて染色後、還元洗浄、次いで、直接または反応染料により紙製テープを染色すればよい。
本発明の複合糸は、特に先染め糸として、横編(ホールガーメント、24〜36ゲージのフルファッションニット)、丸編(後染めも多い)に有用である。また、靴下や帽子としても有用である。さらには、例えば綿、精製セルロース繊維(先染め糸や双糸使い)を経糸に用いたジーンズ織物の緯糸に用いてもよい。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。なお、例中の測定および評価は以下の方法で行った。
1)固有粘度[η](dl/g)
次式の定義に基づいて求められる。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
ただし、式中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒に溶解したポリトリメチレンテレフタレート糸またはポリエチレンテレフタレート糸の稀釈溶液の35 ℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。またCは、g/100mlで表されるポリマー濃度である。
2)初期引張抵抗度
JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法初期引張抵抗度の試験方法に準じ、試料の単位繊度当たり0.0882cN/dtexの初荷重を掛けて引張試験を行い、得られた荷重−伸長曲線から初期引張抵抗度(cN/dtex)を算出する。試料10点を採取して測定し、その平均値を求める。
3)伸縮伸長率および伸縮弾性率
JIS L 1090 合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法の伸縮性試験方法A法に準じて測定を行い、伸縮伸長率(%)および伸縮弾性率(%)を算出する。試料10点を採取して測定しその平均値を求める。
顕在捲縮の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、巻き取りパッケージから解舒した試料を、温度20±2℃、相対湿度65±2%の環境下で24時間放置後に測定を行う。熱水処理後の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、無荷重で98℃の熱水中に30分間浸漬した後、無荷重で24時間自然乾燥した試料を用いる。
1)固有粘度[η](dl/g)
次式の定義に基づいて求められる。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
ただし、式中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒に溶解したポリトリメチレンテレフタレート糸またはポリエチレンテレフタレート糸の稀釈溶液の35 ℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。またCは、g/100mlで表されるポリマー濃度である。
2)初期引張抵抗度
JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法初期引張抵抗度の試験方法に準じ、試料の単位繊度当たり0.0882cN/dtexの初荷重を掛けて引張試験を行い、得られた荷重−伸長曲線から初期引張抵抗度(cN/dtex)を算出する。試料10点を採取して測定し、その平均値を求める。
3)伸縮伸長率および伸縮弾性率
JIS L 1090 合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法の伸縮性試験方法A法に準じて測定を行い、伸縮伸長率(%)および伸縮弾性率(%)を算出する。試料10点を採取して測定しその平均値を求める。
顕在捲縮の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、巻き取りパッケージから解舒した試料を、温度20±2℃、相対湿度65±2%の環境下で24時間放置後に測定を行う。熱水処理後の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、無荷重で98℃の熱水中に30分間浸漬した後、無荷重で24時間自然乾燥した試料を用いる。
4)熱収縮応力
熱応力測定装置(カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2)を用い、試料を20cmの長さに切り取り、両端を結んで輪を作り測定装置に装填し、初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で収縮応力を測定し、得られた温度に対する熱収縮応力の変化曲線から100℃における熱収縮応力を読み取る。
5)仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率および顕在捲縮弾性率
島津製作所製の引張試験機を用いて、つかみ間隔10cmにて仮撚加工糸を初荷重0.0009cN/dtexで取り付けたのち、引張速度10cm/minで伸長し、0.0882cN/dtexの応力に達したときの伸び(%)を顕在捲縮伸長率とする。その後、再び同じ速度でつかみ間隔10cmまで収縮させたのち、再度応力−歪み曲線を描き、初荷重の応力が発現するまでの伸度を残留伸度(B)とする。顕在捲縮弾性率は以下の式によって求める。
顕在捲縮弾性率(%)=〔(10−B)/10〕×100
6)仮撚加工糸の捲縮伸長率および捲縮弾性率
巻き取りパッケージから解舒した仮撚加工糸を無荷重下で98℃の熱水中に20分浸漬した後、無荷重下で24時間乾燥した試料を用いた以外は、顕在捲縮伸長率および顕在捲縮弾性率の測定と同様の方法にて測定し、それぞれを捲縮伸長率、捲縮弾性率とする。
7)風合い評価
得られた複合糸を、枠周1m×30回巻きの小カセとなし、次いで、フリーの状態で98℃の熱水中に30分間浸漬処理、自然乾燥した。
紙製テープの有撚糸(綿番手13.4/1)を用いて同様に処理したものを基準品にして官能評価(一口編地で評価)により5段階で判定した。
5級:基準品と同様、軽量性に優れ、張り腰がある。
3級:基準品対比、軽量性、張り腰ともに劣っている。
1級:基準品よりも軽量性、張り腰ともに大きく劣っている。
熱応力測定装置(カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2)を用い、試料を20cmの長さに切り取り、両端を結んで輪を作り測定装置に装填し、初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で収縮応力を測定し、得られた温度に対する熱収縮応力の変化曲線から100℃における熱収縮応力を読み取る。
5)仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率および顕在捲縮弾性率
島津製作所製の引張試験機を用いて、つかみ間隔10cmにて仮撚加工糸を初荷重0.0009cN/dtexで取り付けたのち、引張速度10cm/minで伸長し、0.0882cN/dtexの応力に達したときの伸び(%)を顕在捲縮伸長率とする。その後、再び同じ速度でつかみ間隔10cmまで収縮させたのち、再度応力−歪み曲線を描き、初荷重の応力が発現するまでの伸度を残留伸度(B)とする。顕在捲縮弾性率は以下の式によって求める。
顕在捲縮弾性率(%)=〔(10−B)/10〕×100
6)仮撚加工糸の捲縮伸長率および捲縮弾性率
巻き取りパッケージから解舒した仮撚加工糸を無荷重下で98℃の熱水中に20分浸漬した後、無荷重下で24時間乾燥した試料を用いた以外は、顕在捲縮伸長率および顕在捲縮弾性率の測定と同様の方法にて測定し、それぞれを捲縮伸長率、捲縮弾性率とする。
7)風合い評価
得られた複合糸を、枠周1m×30回巻きの小カセとなし、次いで、フリーの状態で98℃の熱水中に30分間浸漬処理、自然乾燥した。
紙製テープの有撚糸(綿番手13.4/1)を用いて同様に処理したものを基準品にして官能評価(一口編地で評価)により5段階で判定した。
5級:基準品と同様、軽量性に優れ、張り腰がある。
3級:基準品対比、軽量性、張り腰ともに劣っている。
1級:基準品よりも軽量性、張り腰ともに大きく劣っている。
[実施例1]
固有粘度[η]0.9のポリトリメチレンテレフタレートを用い、3000m/minの紡糸速度で紡糸して破断伸度105%のPOYを得た。次いで、仮撚加工機(村田機械製作所製の33H仮撚機)を用いて、仮撚加工糸の破断伸度が35%となるように延伸倍率を設定し、仮撚ヒーター出口の糸条温度160℃、仮撚数3200T/mで延伸仮撚加工を行い、110dtex/48fの1ヒーターの延伸仮撚糸(仮撚方向SおよびZの二種)を得た。
得られた延伸仮撚糸の顕在捲縮伸長率65%、顕在捲縮弾性率55%、捲縮伸長率180%、捲縮弾性率80%であった。
次いで、300dtexの紙製テープ(商品名:抄繊糸OJO+;王子ファイバー社製)と延伸仮撚糸(仮撚方向Z)を引き揃えてS方向に700t/m下撚し、次いで、 この下撚糸と延伸仮撚糸(仮撚方向S)を合引き揃えてZ方向に500t/m上撚して諸撚糸を得た。諸撚糸の風合いは、4.5級と極めて良好であり、また、一口編地の編立性にも優れたものであった。
固有粘度[η]0.9のポリトリメチレンテレフタレートを用い、3000m/minの紡糸速度で紡糸して破断伸度105%のPOYを得た。次いで、仮撚加工機(村田機械製作所製の33H仮撚機)を用いて、仮撚加工糸の破断伸度が35%となるように延伸倍率を設定し、仮撚ヒーター出口の糸条温度160℃、仮撚数3200T/mで延伸仮撚加工を行い、110dtex/48fの1ヒーターの延伸仮撚糸(仮撚方向SおよびZの二種)を得た。
得られた延伸仮撚糸の顕在捲縮伸長率65%、顕在捲縮弾性率55%、捲縮伸長率180%、捲縮弾性率80%であった。
次いで、300dtexの紙製テープ(商品名:抄繊糸OJO+;王子ファイバー社製)と延伸仮撚糸(仮撚方向Z)を引き揃えてS方向に700t/m下撚し、次いで、 この下撚糸と延伸仮撚糸(仮撚方向S)を合引き揃えてZ方向に500t/m上撚して諸撚糸を得た。諸撚糸の風合いは、4.5級と極めて良好であり、また、一口編地の編立性にも優れたものであった。
[比較例1]
固有粘度[η]0.9のポリトリメチレンテレフタレートを用い、紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、110dtex/48fの延伸糸を得た。
この延伸糸を用いて実施例1同様にして得られた諸撚糸は、実施例1対比風合いは3級、また、一口編地の編立性も糸切れが発生し、風合いおよび編立性ともに劣ったものであった。
固有粘度[η]0.9のポリトリメチレンテレフタレートを用い、紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、110dtex/48fの延伸糸を得た。
この延伸糸を用いて実施例1同様にして得られた諸撚糸は、実施例1対比風合いは3級、また、一口編地の編立性も糸切れが発生し、風合いおよび編立性ともに劣ったものであった。
[実施例2]
固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを比率1:1でサイドバイサイド型に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で未延伸糸を得た。
次いで、得られた未延伸糸を、ホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延伸倍率は延伸後の繊度が110dtexとなるように設定して延撚し、110dtex/48fのサイドバイサイド型の複合繊維を得た。
得られた複合繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=0.90、低粘度側が[η]=0.70であった。また、初期引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率および伸縮弾性率、熱水処理後の伸縮伸長率および伸縮弾性率、100℃における熱収縮応力は、各々23cN/dtex、25%および89%、204%および99%、0.21cN/dtexであった。
引き続き、この延伸糸を石川製作所製IVF−338にて第1ヒーター温度160℃、仮撚数3200T/mで仮撚加工を行い仮撚加工糸(仮撚方向SおよびZ)を得た。
得られた仮撚加工糸は、顕在捲縮伸長率190%、顕在捲縮弾性率88%、捲縮伸長率220%、捲縮弾性率87%であった。
この仮撚加工糸を用いて実施例1同様にして得られた諸撚糸は、実施例1同様風合いは5級、また、一口編地の編立性も優れており、風合いおよび編立性ともに優れたものであった。
固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを比率1:1でサイドバイサイド型に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で未延伸糸を得た。
次いで、得られた未延伸糸を、ホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延伸倍率は延伸後の繊度が110dtexとなるように設定して延撚し、110dtex/48fのサイドバイサイド型の複合繊維を得た。
得られた複合繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=0.90、低粘度側が[η]=0.70であった。また、初期引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率および伸縮弾性率、熱水処理後の伸縮伸長率および伸縮弾性率、100℃における熱収縮応力は、各々23cN/dtex、25%および89%、204%および99%、0.21cN/dtexであった。
引き続き、この延伸糸を石川製作所製IVF−338にて第1ヒーター温度160℃、仮撚数3200T/mで仮撚加工を行い仮撚加工糸(仮撚方向SおよびZ)を得た。
得られた仮撚加工糸は、顕在捲縮伸長率190%、顕在捲縮弾性率88%、捲縮伸長率220%、捲縮弾性率87%であった。
この仮撚加工糸を用いて実施例1同様にして得られた諸撚糸は、実施例1同様風合いは5級、また、一口編地の編立性も優れており、風合いおよび編立性ともに優れたものであった。
[実施例3]
実施例2において、紡糸速度を変化させて破断伸度100%の複合繊維のPOYを得た。次いで、仮撚加工機(村田機械製作所製の33H仮撚機)を用いて、仮撚加工糸の破断伸度が35%となるように延伸倍率を設定し、仮撚ヒーター出口の糸条温度160℃、仮撚数3200T/mで延伸仮撚加工を行い、110dtex/48fの1ヒーターの延伸仮撚糸(仮撚方向SおよびZ)を得た。
得られた延伸仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率200%、顕在捲縮弾性率90%、捲縮伸長率240%、捲縮弾性率91%であった。この延伸仮撚加工糸を用いて実施例2同様にして得られた諸撚糸は、実施例1同様風合いは5級、また、一口編地の編立性も優れており、風合いおよび編立性ともに優れたものであった。
実施例2において、紡糸速度を変化させて破断伸度100%の複合繊維のPOYを得た。次いで、仮撚加工機(村田機械製作所製の33H仮撚機)を用いて、仮撚加工糸の破断伸度が35%となるように延伸倍率を設定し、仮撚ヒーター出口の糸条温度160℃、仮撚数3200T/mで延伸仮撚加工を行い、110dtex/48fの1ヒーターの延伸仮撚糸(仮撚方向SおよびZ)を得た。
得られた延伸仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率200%、顕在捲縮弾性率90%、捲縮伸長率240%、捲縮弾性率91%であった。この延伸仮撚加工糸を用いて実施例2同様にして得られた諸撚糸は、実施例1同様風合いは5級、また、一口編地の編立性も優れており、風合いおよび編立性ともに優れたものであった。
[実施例4]
実施例2において、仮撚加工せずに原糸で用いた以外は、実施例2同様に得られた諸撚糸は、実施例1同様風合いは4.5級、また、一口編地の編立性も優れており、風合いおよび編立性ともに優れたものであった。
実施例2において、仮撚加工せずに原糸で用いた以外は、実施例2同様に得られた諸撚糸は、実施例1同様風合いは4.5級、また、一口編地の編立性も優れており、風合いおよび編立性ともに優れたものであった。
本発明の複合糸は、特に先染め糸として、横編(ホールガーメント、24〜36ゲージのフルファッションニット)、丸編(後染めも多い)に有用である。また、靴下や帽子用の糸としても有用である。さらには、例えば経糸に綿、精製セルロース繊維(先染め糸や双糸使い)を用いたジーンズ織物の緯糸に用いることもできる。
Claims (5)
- 紙製テープとポリトリメチレンテレフタレート系繊維マルチフィラメント糸の捲縮糸が複合されていることを特徴とする複合糸。
- 前記捲縮糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、その少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1に記載の複合糸。
- 前記捲縮糸が仮撚加工糸であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合糸。
- 前記仮撚加工糸がPOYの延伸仮撚加工糸であることを特徴とする請求項3に記載の複合糸。
- 前記仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率が70%以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の複合糸。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003322958A JP2005089892A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 複合糸 |
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JP2003322958A JP2005089892A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 複合糸 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144311A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Korea Inst For Knit Industry | 複合糸およびその製造方法 |
JP2009287132A (ja) * | 2008-05-28 | 2009-12-10 | Toray Opelontex Co Ltd | 仮ヨリ糸 |
US8844255B2 (en) | 2011-03-17 | 2014-09-30 | Hyundai Motor Company | Composite yarn, fabric, and automotive interior material made from paper |
JP2015140488A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | 林撚糸株式会社 | 伸縮性紙糸、これを用いた織編物及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003322958A patent/JP2005089892A/ja active Pending
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US9273416B2 (en) | 2011-03-17 | 2016-03-01 | Hyundai Motor Company | Composite yarn, fabric, and automotive interior material made from paper |
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