JP2005256199A - 織物の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 緯糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、少なくともその一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸である織物を流体噴射織機で製造するに際し、この仮撚加工糸が、実質的に無撚であって、かつ交絡数50個/m以上の交絡糸である織物の製造法、及びその際、潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維が下記(a)〜(b)を満足することを特徴とする請求項1記載の織物の製造法。
(a)ヤング率が10〜30cN/dtex
(b)100℃における熱収縮応力が0.1〜0.5cN/dtex
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明は下記の通りのものである。
(1)緯糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、少なくともその一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸である織物を流体噴射織機で製造するに際し、この仮撚加工糸が、実質的に無撚であって、かつ交絡数50個/m以上の交絡糸であることを特徴とする織物の製造法。
(2)潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維が下記(a)〜(b)を満足することを特徴とする請求項1の織物の製造法。
(a)ヤング率が10〜30cN/dtex
(b)100℃における熱収縮応力が0.1〜0.5cN/dtex
本発明において、潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維とは、少なくとも二種のポリエステル成分で構成されているものであって、具体的には、サイドバイサイド型又は偏芯芯鞘型に接合されたものであり、熱処理によって捲縮を発現するものであれば特に限定されない。二種のポリエステル成分の複合比は、一般的にはwt%で70/30〜30/70の範囲内のものが多く、接合面形状は、直線又は曲線形状のものが挙げられるが、これらは特に限定されない。又、総繊度は20〜300dtexが好ましく、単糸繊度は0.5〜20dtexが好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
本発明において、潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維は、少なくともその一成分がポリトリメチレンテレフタレートであることに特徴を有する。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルやナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレートとをブレンドしたりしてもよい。ブレンドする際のポリトリメチレンテレフタレートの含有率は、wt%で50%以上である。
上述のような潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の具体例としては、特開2001−40537号公報に開示されているような、ポリトリメチレンテレフタレートを一成分とするものがある。即ち、二種のポリエステルポリマーをサイドバイサイド型又は偏芯芯鞘型に接合された複合繊維であり、サイドバイサイド型の場合、二種のポリエステルポリマーの溶融粘度比は1.00〜2.00が好ましく、偏芯芯鞘型の場合は、鞘ポリマーと芯ポリマーのアルカリ減量速度比は、3倍以上鞘ポリマーが速いことが好ましい。
初期引張抵抗度は、好ましくは10〜30cN/dtex、より好ましくは20〜30cN/dtex、さらに好ましくは20〜27cN/dtexの範囲である。この範囲であると、ソフトな風合いの繊維が容易に製造できる。
100℃における熱収縮応力は、好ましくは0.1〜0.5cN/dtex、より好ましくは0.1〜0.4cN/dtex、さらに好ましくは0.1〜0.3cN/dtexの範囲である。この範囲であると、製造が容易であり、本発明の目的が十分に達成される。
顕在捲縮の伸縮弾性率は、好ましくは80〜100%、より好ましくは85〜100%、さらに好ましくは85〜97%の範囲である。この範囲であると、製造が容易であり、本発明の目的が十分に達成される。
熱水処理後の伸縮伸長率は、好ましくは100〜250%、より好ましくは150〜250%、さらに好ましくは180〜250%の範囲である。この範囲であると、製造が容易であり、本発明の目的が十分に達成される。
熱水処理後の伸縮弾性率は、好ましくは90〜100%、より好ましくは95〜100%の範囲である。この範囲であると、本発明の目的が十分に達成される。
なお、本発明でいう固有粘度の値は、使用するポリマーではなく、紡糸した糸の固有粘度を指す。この理由は、ポリトリメチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレート等と比較して熱分解が生じ易く、高い固有粘度のポリマーを使用しても、紡糸工程での熱分解によって固有粘度が低下し、複合繊維においては、ポリマーの固有粘度及び固有粘度差をそのまま維持することが困難であるためである。
また、繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面形状においても、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型、雪だるま型、松茸型等がある。)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
この仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率は、好ましくは70%以上、特に70〜300%、より好ましくは100〜300%、更に好ましくは120〜300%の範囲である。この範囲であると、本発明の目的が十分に達成される。顕在捲縮弾性率は、好ましくは80〜100%、より好ましくは82〜100%、さらに好ましくは85〜100%の範囲である。この範囲であると、本発明の目的が十分に達成される。
この仮撚加工糸の捲縮伸長率は100〜400%であることが好ましく、より好ましくは120〜400%の範囲である。また、捲縮弾性率は80〜100%であることが好ましく、より好ましくは90〜100%の範囲である。捲縮伸長率や捲縮弾性率がこの範囲であると、本発明の目的が十分に達成される。
仮撚ヒーター出口の糸条温度は100〜200℃が好ましい。仮撚数(T1)は次式で計算される仮撚数の係数K1値が21000〜36000であることが好ましく、更に好ましくは25000〜34000の範囲である。
T1(T/m)=K1×(原糸の繊度:dtex)0.5
このPOYの延伸仮撚加工糸は、例えば、特開2001−20136号公報、特開2001−164433号公報に開示されているものであり、好ましくは60%以上特に70%以上、さらに80%以上、250%以下特に200%以下、さらに180%以下の破断伸度を有するPOYが好ましい。
又、POYの延伸仮撚加工糸の単糸繊度は0.5〜5dtexが好ましく、更に好ましくは1〜2.5dtexである。0.5dtex未満では伸縮性が不足する傾向にあり、5dtexを超えると風合いが粗硬となる傾向にある。
又、延伸仮撚条件としては、延伸倍率は好ましくは1.05〜2.00倍、特に1.05〜1.70倍が好ましく、仮撚数T1は仮撚数の係数K1の値が23000〜36000であることが好ましく、更に好ましくは27000〜34000の範囲である。
仮撚ヒーター出口の糸条温度は100〜200℃が好ましい。又、1ヒーター仮撚加工糸(ノンセットタイプ)の方が、2ヒーター仮撚加工糸(ノンセットタイプ)より好ましい。
仮撚方法としてはピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー加撚タイプ等、いかなる方法による仮撚加工糸でもよい。
この交絡糸は、実質的に無撚であり、かつ交絡数が50個/m以上、好ましくは60個/m以上、特に70個/m以上、さらに80個/m以上、200個/m以下、190個/m以下、180個/m以下の交絡糸であることに特徴があり、交絡数が50個/m未満では、本発明の目的が達成できない。
ここで、実質的に無撚とは、ここでは撚数が70T/m以下のものをいい、好ましくは50T/m以下、特に30T/m以下のものをいう。
交絡を付与する方法としては、仮撚加工工程において仮撚後巻取り前に付与しても良いし、巻き取った仮撚加工糸に交絡を別途付与しても良い。
織組織としては平、タテ並び平、ツイル、羽二重、サテンなどの一重織、重ね組織、パイル組織、からみ織など何れでも良いが、経糸と緯糸の交錯数が少ない組織の方が高ストレッチ性を発現しやすいものとなる。逆に交錯数が多い平組織などは一般に高ストレッチ性が出にくいものであるが、本発明の糸使いとすれば、表面は平滑でかつ高ストレッチを発現させることが可能である。従って本発明では、平組織、経並び平組織、ツイル組織とした時が平滑な表面を保持したまま高ストレッチ性を発現するという効果をより発揮しやすい。
経糸CF=経糸密度(本/2.54cm)×Da0.5
緯糸CF=緯糸密度(本/2.54cm)×Db0.5
Da:経糸の総繊度(dtex)
Db:緯糸の総繊度(dtex)
流体噴射織機としては、WJLやエアジェットルーム(AJL)があるが、WJLに効果的である。又、その製織条件としては、特に制限されるものではなく、通常の製織条件がそのまま適用できるが、一般的に織機回転数が高速になるにつれて織物欠点が発生しやすくなるが、本発明では織機回転数が400rpm以上、さらに450rpm以上、特に500rpm以上、900rpm以下、特に850rpm以下、さらに800rpm以下の高速回転においても織物品位に優れたものが得られるという特徴がある。
染色装置も特に限定されず、液流染色機、ジッガー染色機、ウインス染色機等を用いることができる。仕上げ処理剤は特に限定されない。通常用いられる柔軟剤、撥水剤、制電剤などの使用が可能である。ファイナルセット温度は、中間セット温度と同じく150℃〜170℃が好ましい。
本発明に用いられる測定法及び評価法は以下のとおりである。
(1)固有粘度
固有粘度[η](dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
定義中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリトリメチレンテレフタレート糸又はポリエチレンテレフタレート糸の稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cは、g/100mlで表されるポリマー濃度である。
なお、固有粘度の異なるポリマーを用いた複合マルチフィラメントは、マルチフィラメントを構成するそれぞれの固有粘度を測定することは困難であるので、複合マルチフィラメントの紡糸条件と同じ条件で2種類のポリマーをそれぞれ単独で紡糸し、得られた糸を用いて測定した固有粘度を、複合マルチフィラメントを構成する固有粘度とした。
JIS−L−1013化学繊維フィラメント糸試験方法;初期引張抵抗度の試験方法に準じ、試料の単位繊度当たり0.0882cN/dtexの初荷重を掛けて引張試験を行い、得られた荷重−伸長曲線から初期引張抵抗度(cN/dtex)を算出する。試料10点を採取して測定し、その平均値を求める。
(3)伸縮伸長率及び伸縮弾性率
JIS−L−1090合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法の伸縮性試験方法A法に準じて測定を行い、伸縮伸長率(%)及び伸縮弾性率(%)を算出する。試料10点を採取して測定しその平均値を求める。
顕在捲縮の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、巻取りパッケージから解舒した試料を、温度20±2℃、相対湿度65±2%の環境下で24時間放置後に測定を行う。熱水処理後の伸縮伸長率および伸縮弾性率は、無荷重で98℃の熱水中に30分間浸漬した後、無荷重で24時間自然乾燥乾燥した試料を用いる。
(4)熱収縮応力
熱応力測定装置(カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2)を用い、試料を20cmの長さに切り取り、両端を結んで輪を作り測定装置に装填し、初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で収縮応力を測定し、得られた温度に対する熱収縮応力の変化曲線から100℃における熱収縮応力を読み取る。
島津製作所(株)製の引張試験機を用いて、つかみ間隔10cmにて仮撚加工糸を初荷重0.9×10-3cN/dtexで取り付けた後、引張速度10cm/分で伸長し、0.0882cN/dtexの応力に達したときの伸び(%)を顕在捲縮伸長率とした。
その後、再び同じ速度で、つかみ間隔10cmまで収縮させた後、再度、応力−歪み曲線を描き、初荷重の応力が発現するまでの伸度を残留伸度(B)とする。顕在捲縮弾性率は以下の式によって求めた。
顕在捲縮弾性率(%)=〔(10−B)/10〕×100
(6)仮撚加工糸の捲縮伸長率、捲縮弾性率
巻き取りパッケージから解舒した仮撚加工糸を、無荷重下で98℃の熱水中に20分浸漬した後、無荷重下で24時間乾燥した試料を用いた以外は、上記(5)顕在捲縮伸度及び顕在捲縮弾性率の測定と同様の方法にて測定し、それぞれを捲縮伸長率、捲縮弾性率とした。
JIS−L−1096一般織物試験法;伸長率A法(定速伸長法)、伸長回復率(繰り返し定速伸長法)に準拠した。但し、伸長回復率は、伸長率A法で求めた伸びの100%まで試料を伸長した。
ORIENTEC(株)製の引張試験機(型式:RTC−1210A)を用いて、試料(幅5cm×長さ1m)にかかる重力に相当する荷重を初荷重としてかけ、把持間隔20cm(L0)、引張速度20cm/分で試料を所望の方向に伸長させ、14.71N(1.5kgf、300gf/cm)の荷重がかかるまで伸長し、長さ(L1)を読みとる。その後、1分間放置後、同速度で元の位置に戻し、3分間放置する。再び同速度で伸長し、初荷重と同じ荷重がかかった時点の長さ(L2)を読みとる。
ストレッチ率及びストレッチバック率は以下の式によって求める。
ストレッチ率(%)={(L1−L0)/L0}×100
ストレッチバック率(%)={(L1−L2)/(L1−L0)}×100
米国特許第2985995号明細書に記載されている測定方法に準拠して求める。試料長約1mの交絡点下端に0.18cN/dtex(0.2g/d)の荷重を吊るして試料を垂下し、試料上方の糸束中央部に直径約0.7mmのクロムメッキを施したフックを挿入して虫ピン等で支えながら、挿入位置より上方の交絡部で止められるまで一旦静かに下降させて、その下降長L(cm)を測定する。これを繰り返し50回測定し、平均L(バー)から100/L(バー)によって得られた値である。フックの下降速度は1cm/secである。
(9)織物品位の評価
熟練の加工技術者10人による評価を行い、その平均点で示す。
5級;緯段が無く、極めて目面の美麗な織物である
3級;緯段が発生している織物である
1級;緯段が多い織物である
潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の製造
固有粘度の異なるサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを以下の製造例1〜3により製造した。
[製造例1]
サイドバイサイド型複合紡糸用紡口を用いて、固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを、質量比率1:1でサイドバイサイド型に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で未延伸糸を得た。次いで、ホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延伸倍率は延伸後の繊度が84dtexとなるように設定して延撚し、84dtex/36fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得た。 得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は、高粘度側が0.90、低粘度側が0.70であった。初期引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率/伸縮弾性率、熱水処理後の伸縮伸長率/伸縮弾性率、及び100℃における熱収縮応力を表1に示す。
製造例1と同様の方法で84dtex/36fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は、高粘度側が0.88、低粘度側が0.70であった。初期引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率/伸縮弾性率、熱水処理後の伸縮伸長率/伸縮弾性率、及び100℃おける熱収縮応力を表1に示す。
[製造例3]
製造例1において、固有粘度の異なるポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを用いた以外は製造例1と同様の方法で84dtex/36fのサイドバイサイド型複合マルチフィラメントを得た。得られた複合マルチフィラメントの固有粘度は、ポリトリメチレンテレフタレート側が0.98、ポリエチレンテレフタレート側が0.60であった。初期引張抵抗度、顕在捲縮の伸縮伸長率/伸縮弾性率、熱水処理後の伸縮伸長率/伸縮弾性率、及び100℃における熱収縮応力を表1に示す。
製造例1〜3で得られた複合繊維を用いて、石川製作所製IVF−338にて第1ヒーター温度170℃、撚方向はZ撚、仮撚数3200T/mで仮撚加工を行い仮撚加工糸を得た。実施例1〜3の仮撚加工糸は、顕在捲縮伸長率180〜200%、顕在捲縮弾性率85〜90%、捲縮伸長率200〜250%、捲縮弾性率85〜93%であった。
なお、製造例1で得た繊維を実施例1に用い、製造例2で得た繊維を実施例2に用い、製造例3で得た繊維を実施例3に用いた。
得られた仮撚加工糸に、インターレース加工(空気圧0.2MPa)により86個/mの交絡を付与した。
この交絡糸を緯糸として、経糸には56dtex/24fのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(仮撚方向;Z撚)のサイジング糸を用いて、平織物をWJL(回転数500rpm)で製織した後、精練・リラックスし、テンターを用い170℃で中間セットした後、液流染色機にて130℃の分散染料による染色を行い、160℃でファイナルセットした(経糸CF=1466、緯糸CF=852)。
実施例1〜3で織物は、織物品位が4.5級以上であり、ストレッチ率及びストレッチバック率は、実施例1は30%/93%、実施例2は27%/92%、実施例3は32%/93%と優れたストレッチ性を有するものであった。
実施例1において、仮撚加工糸に交絡を付与せずに用いた以外は、実施例1同様に製織、染色仕上げして得られた織物は、ストレッチ率及びストレッチバック率は29%及び92%と実施例1同様に優れたストレッチ性を有するものであったが、織物品位は2級と劣ったものであった。
[実施例4]
製造例1において、紡糸速度を変化させて破断伸度100%のPOYを得た。 次いで、仮撚加工機;村田機械製作所(株)製の33H仮撚機を用いて、仮撚加工糸の破断伸度が35%となるように延伸倍率を設定し、仮撚ヒーター出口の糸条温度160℃、仮撚数3200T/mで延伸仮撚加工を行い、84dtex/36fの1ヒーターの延伸仮撚糸を得た。
得られた延伸仮撚加工糸の顕在捲縮伸長率200%、顕在捲縮弾性率90%、捲縮伸長率240%、捲縮弾性率91%であった。
この仮撚加工糸を用いた以外は実施例1同様に交絡、製織、染色仕上げして得られた織物は、織物品位が5級であり、ストレッチ率及びストレッチバック率は29%及び92%と優れたストレッチ性を有するものであった。
実施例1において、交絡数を変化させた交絡糸を用いた以外は実施例1同様に製織、染色仕上げして得られた実施例5〜8の織物は、ストレッチ率及びストレッチバック率は28〜30%及び91〜93%と実施例1同様に優れたストレッチ性を有するものであったが、織物品位は交絡数80(実施例6)、180(実施例7)は4.5級以上と優れていたが、交絡数40(比較例2)のものは3級と劣ったものであった。
[実施例9]
綿番手で50/−(118dtex)の綿紡績糸を経糸に用い、実施例1で用いた仮撚加工糸の交絡糸を緯糸に用いてAJL(回転数520rpm)にて製織を行い、2/2綾組織の生機を得た。
本生機を連続精練・漂白・リラックス後、テンターを用い170℃で中間セットした後、液流染色機にて130℃分散染料染色、還元洗浄後、100℃反応染料による染色を行い、160℃でファイナルセットを行い、(経糸CF=1097、緯糸CF=733)の織物を得た。
織物品位は、4.5級以上であり、緯糸方向のストレッチ率/ストレッチバック率は、26%/94%であり、ストレッチ性及びストレッチバック性が、共に優れたものであった。
Claims (2)
- 緯糸が、二種以上のポリエステル成分からなり、少なくともその一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維の仮撚加工糸である織物を流体噴射織機で製造するに際し、この仮撚加工糸が、実質的に無撚であって、かつ交絡数50個/m以上の交絡糸であることを特徴とする織物の製造法。
- 潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維が下記(a)〜(b)を満足することを特徴とする請求項1記載の織物の製造法。
(a)ヤング率が10〜30cN/dtex
(b)100℃における熱収縮応力が0.1〜0.5cN/dtex
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CN1316085C (zh) * | 2005-09-30 | 2007-05-16 | 马玉成 | 无捻纱织物 |
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