JP2000095843A - 水溶性エポキシ樹脂の固形物 - Google Patents

水溶性エポキシ樹脂の固形物

Info

Publication number
JP2000095843A
JP2000095843A JP11220856A JP22085699A JP2000095843A JP 2000095843 A JP2000095843 A JP 2000095843A JP 11220856 A JP11220856 A JP 11220856A JP 22085699 A JP22085699 A JP 22085699A JP 2000095843 A JP2000095843 A JP 2000095843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
water
epoxy
compound
amine compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11220856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3037695B2 (ja
Inventor
Yoshihisa Tomotaki
善久 友滝
Takashi Kitajima
孝志 北島
Keiichiro Ishikawa
圭一郎 石川
Akihiro Nabeshima
亮浩 鍋島
Tomohiro Furuichi
智広 古市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP11220856A priority Critical patent/JP3037695B2/ja
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to DE69919502T priority patent/DE69919502T2/de
Priority to AT99943431T priority patent/ATE274012T1/de
Priority to EP99943431A priority patent/EP1035148B1/en
Priority to US09/530,600 priority patent/US6372825B1/en
Priority to PCT/JP1999/005128 priority patent/WO2000017252A1/ja
Priority to RU2000116018/04A priority patent/RU2193573C2/ru
Priority to KR1020007005196A priority patent/KR100338789B1/ko
Priority to ES99943431T priority patent/ES2228092T3/es
Publication of JP2000095843A publication Critical patent/JP2000095843A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3037695B2 publication Critical patent/JP3037695B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水に溶解可能な全く新規な、水溶性エポキシ
樹脂の固形物、及びそれを粉砕してなる粉末を提供す
る。 【解決手段】 エポキシ系化合物もしくはその有機溶媒
溶液と式(1)で表されるアミン系化合物もしくはその
水溶液を混合して、エポキシ系化合物とアミン系化合物
を反応もしくは重合させ、得られたエポキシ樹脂溶液に
水を加えて加熱して、有機溶媒及び未反応のアミン系化
合物を除去して得られるエポキシ樹脂の水溶液、及びそ
れを粉砕してなる粉末。 NHN(R)(R) (1) [R、Rは同一又は異なって炭素数1〜6のアルキ
ル、両者が結合して炭素数2〜11のアルキレン又は−
−N(R)−R−で示される基を示す。R
は同一又は異なって炭素数1〜6のアルキレン、R
は炭素数1〜6のアルキル又はアミノ基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性エポキシ樹
脂の固形物に関する。従来、エポキシ樹脂は水には溶解
しないものと考えられており、その意味で本発明のエポ
キシ樹脂の水溶液は従来の常識に反する全く新規なもの
である。
【0002】エポキシ樹脂は、その硬化物が優れた電気
絶縁性、耐湿性、耐熱性、耐ハンダ性、耐薬品性、耐久
性、接着性、機械的強度等を有することから、例えば、
電気、電子、土木建築等の各種分野において、封止材、
塗料、接着剤等として広く用いられている。
【0003】
【従来の技術】従来から、エポキシ樹脂の硬化は、エポ
キシ樹脂に硬化剤を添加して加熱することにより行われ
る。ここで代表的な硬化剤としては、例えば、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、ポリアミド類、ジシアンジアミド、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、無水メチルナジック酸、ノボラック型フェノール樹
脂、三級アミン類、イミダゾール類、三弗化硼素のアミ
ン錯体等を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの硬化剤で硬化
されたものは有機溶媒には溶解しても水に溶解されたも
のは知られていなかった。
【0005】本発明の課題は水に溶解可能な全く新規
な、水溶性エポキシ樹脂の固形物、及びそれを粉砕して
なる粉末を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ系化
合物もしくはその有機溶媒溶液と式(1)で表されるア
ミン系化合物もしくはその水溶液を混合して、エポキシ
系化合物とアミン系化合物を反応もしくは重合させ、得
られたエポキシ樹脂溶液に水を加えて加熱して、有機溶
媒及び未反応のアミン系化合物を除去して得られるエポ
キシ樹脂の水溶液を乾燥させて得られる水溶液エポキシ
樹脂固形物、及びそれを粉砕してなる粉末に係る。 NHN(R)(R) (1) [R、Rは同一又は異なって炭素数1〜6のアルキ
ル、両者が結合して炭素数2〜11のアルキレン又は−
−N(R)−R−で示される基を示す。R
は同一又は異なって炭素数1〜6のアルキレン、R
は炭素数1〜6のアルキル又はアミノ基を示す。]
【0007】本発明のエポキシ樹脂の水溶液は、例えば
エポキシ系化合物もしくはその有機溶媒溶液と式(1)
のアミン系化合物もしくはその水溶液を混合して、エポ
キシ系化合物とアミン系化合物を反応もしくは重合さ
せ、得られたエポキシ樹脂溶液に水を加えて加熱して、
有機溶媒、水、未反応のアミン系化合物を溜出、除去す
ることにより得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で適用し得るエポキシ系化
合物としては特に制限はなく、従来から知られている分
子中に2以上のエポキシ基を有するものでよい。その一
例として、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル系樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂
等を挙げることができる。
【0009】グリシジルエーテル型エポキシ樹脂として
はビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビ
スフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェ
ノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナ
フタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック型、
クレゾールノボラック型、DPPノボラック型、3官能
型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェ
ニロールエタン型等を挙げることができる。
【0010】グリシジルエステル系樹脂としてはフタル
酸エステル型、ヘキサヒドロフタル酸エステル型等を挙
げることができる。
【0011】グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリ
シジルイソシアヌレート、ヒダントイン型、1,3−ビ
ス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサ
ン、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型等
を挙げることができる。
【0012】本発明の式(1)のアミン系化合物の
、Rにおいて炭素数1〜6のアルキルとしては例
えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イ
ソブチル、n−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、n−
ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ネオペンチ
ル、n−ヘキシル、イソヘキシル等を挙げることができ
る。R、Rの両者が結合して形成される炭素数2〜
11のアルキレンとしてはエチレン、トリメチレン、テ
トラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプ
タメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチ
レン、ウンデカメチレン等を挙げることができる。
【0013】又R、Rの両者が結合して形成される
−R−N(R)−R−で示される基としては、例
えば −(CH−N(CH)−(CH− −(CH−N(NH)−(CH− 等を挙げることができる。R、Rの炭素数1〜6の
アルキレン、Rの炭素数1〜6のアルキルとしては上
記と同様の基を挙げることができる。
【0014】本発明においてアミン系化合物は上記NH
NRタイプのものが本発明の目的に適合し、こ
のタイプ以外のアミン系化合物では水溶性のエポキシ樹
脂は得られない。上記アミン系化合物は公知の化合物で
あり、例えば1−アミノピロリジン(NR−1)、1−
アミノホモピペリジン(AHP)、1,1−ジメチルヒ
ドラジン(UDMH)、N−アミノ−N'−メチルピペ
ラジン(AMPI)等を挙げることができる。
【0015】本発明の上記エポキシ樹脂のエポキシ系化
合物とアミン系化合物の製造に際しての使用比率は、通
常、当量比(エポキシ/アミン)で0.5〜2.0、好ま
しくは1〜1.8程度とするのが良い。
【0016】本発明のエポキシ樹脂の水溶液は、例えば
上記エポキシ系化合物もしくはその有機溶媒溶液と式
(1)のアミン系化合物もしくはその水溶液を混合し
て、エポキシ系化合物とアミン系化合物を反応もしくは
重合させ、得られたエポキシ樹脂溶液に水を加えて加熱
して、有機溶媒、未反応のアミン系化合物を溜出、除去
することにより得ることができる。
【0017】ここで有機溶媒としては、例えばケトン
系、アルデヒド系、エステル系、ハロゲン系以外のエポ
キシ系化合物を溶解し得る溶媒、例えばトルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン等を挙
げることができる。中でもこれらの溶媒の1種又は2種
以上とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類との混合溶媒を使用するのが好まし
く、混合比としては混合溶媒中のアルコール類が10〜
95容積%程度、好ましくは50〜90容積%の割合と
するのがよい。エポキシ系化合物の有機溶媒中における
濃度は溶媒とエポキシ系化合物の種類及び反応させるア
ミン系化合物の濃度等により適宜設定できるが、通常、
固形分換算で5〜100重量%、好ましくは30〜80
重量%程度が好ましい。濃度が高すぎると不可逆的な硬
化反応が起こり水溶性樹脂を得られない虞があり、濃度
が低すぎると製造効率が低下するためそれぞれ好ましく
ない。
【0018】アミン系化合物の水溶液におけるアミン系
化合物の濃度は、通常10〜100重量%程度、好まし
くは30〜90重量%とするのがよい。エポキシ系化合
物とアミン系化合物の濃度は、いずれかを高濃度とする
と他方の濃度は制約され、反応液中の目的物の固型分換
算量が30〜80重量%となるように設定するのがよ
い。
【0019】エポキシ系化合物とアミン系化合物の反応
もしくは重合は、通常10℃〜40℃までの温度で進行
させるのが好ましく、室温〜30℃程度で反応させるの
が特に好ましい。反応は、通常、30分〜10時間程度
で完了するが、熟成のために1時間以上かけるのが望ま
しい。反応生成物中には、有機溶媒や未反応のアミン系
化合物等が含まれるが、アミン系化合物は本発明の水溶
性エポキシ樹脂の経時安定性を損なうので、精製してこ
れらを除去するのが好ましい。
【0020】精製方法としては、水を添加しながらエバ
ポレーションすることにより有機溶媒や残存アミン系化
合物を留去する方法が例示できる。その際の水の添加量
は、エポキシ樹脂溶液中のエポキシ樹脂濃度が固形分換
算で概ね60%未満に保たれるように適宜添加するのが
よい。本発明の水溶性エポキシ樹脂は、固形分換算10
〜60%の水溶液として用いることができる。また、一
旦、乾燥脱水した固形物を粉砕し、粉末状として用いて
もよい。
【0021】本発明において、原料のエポキシ系化合物
を例えば式(2)で表すと、得られる水溶性エポキシ樹
脂の構造は下記式(3)で示される。尚、Epはエポキ
シ系化合物残基を示す。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】 (式中、R、Rは前記に同じ、nは平均繰り返し数
で1<n<30、好ましくは2<n<20である。)
【0024】本発明のエポキシ樹脂の水溶液には、その
好ましい特性を損なわない範囲で、必要に応じて、従来
から用いられている硬化剤や硬化促進剤を配合すること
もできる。硬化剤としては、従来技術に記載のジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、ポリアミド類、ジシアンジアミド、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、無水メチルナジック酸、ノボラック型フェノール樹
脂、三級アミン類、イミダゾール類、三弗化硼素のアミ
ン錯体及びメラミン、メチロールメラミン、レゾール型
化合物等を挙げることができる。
【0025】また、硬化促進剤としては、例えば、トリ
−n−ブチルアミン、ベンジルメチルアミン、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三
級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−
フェニルイミダゾール等のイミダゾール類等を挙げるこ
とができる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂水溶液には、必要に
応じて、従来からエポキシ樹脂に添加されている無機充
填材や補強材等を添加することもできる。無機充填材と
しては公知のものを使用でき、例えば、シリカ、溶融石
英、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水
和アルミナ、アルミナ、水和マグネシア、ジルコン、コ
ージライト、窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム等
を挙げることができる。補強材としても公知のものを使
用でき、例えば、ガラスチョップ、アスベスト、タル
ク、マイカ等の無機材料やガラス繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、二酸化チタン繊維、ワラストナイト、ゾノトラ
イト、珪酸亜鉛繊維等の無機繊維等を挙げることができ
る。尚、充填材、及び補強材の種類、純度、添加量等を
適宜変更することにより、得られる硬化物の熱伝導率、
耐クラック性、電気特性、耐トラッキング性等を調整し
得ることは公知であるが、通常は、エポキシ樹脂100
重量部に対して充填材及び補強材を20〜160重量部
程度、好ましくは50〜120重量部程度添加するのが
よい。充填材及び補強材は、それぞれ1種を単独で或い
は2種以上を併用できる。
【0027】更に、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を適
用するエポキシ樹脂には、必要に応じて、従来からエポ
キシ樹脂の添加剤として常用されている添加剤を配合し
てもよい。このような添加剤としては、例えば、無機顔
料(粒子状二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、黄
色酸化鉄等)、有機顔料、粘度調整剤、レベリング剤、
消泡剤、カップリング剤、可塑剤、希釈剤、難燃剤、有
機溶媒等を挙げることができる。
【0028】本発明のエポキシ樹脂水溶液は、例えば、
金属、合成樹脂、セメント、セラミックス、繊維類、紙
類等の各種素材の少なくとも1種で構成された各種形状
の物品に適用できる。具体的には、各種形状の物品を本
発明エポキシ樹脂組成物に浸漬するか又は該物品表面に
本発明エポキシ樹脂組成物を塗布又は被覆した後、その
まま放置し、硬化させればよい。加熱する場合には、温
度等の条件は、エポキシ樹脂の種類、硬化剤の種類、他
の添加剤を配合する場合はその種類や配合量、得られる
エポキシ樹脂硬化物の用途等の各種条件に応じて適宜選
択すればよいが、通常20〜250℃程度とすればよ
い。
【0029】また、本発明エポキシ樹脂組成物を、注型
成形等の通常の成形方法に従って任意の形状の成形物と
し、これを各種素材の少なくとも1種で構成された各種
形状の物品に、接着、嵌装等の通常の方法に従って取り
付けることもできる。成形時の硬化条件は、塗布又は含
浸の場合と同程度でよい。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に
説明する。 実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート
828」、エポキシ当量190、油化シェルエポキシ株
式会社製)38gをメタノール20mlとテトラヒドロフ
ラン5mlの混合溶媒に溶解させ、60%の1−アミノピ
ロリジン(NR−1)水溶液14.3gに添加し反応させ
た。添加時の系内温度を20〜30℃に保ち、引き続き
反応系内の温度を20〜30℃に保ちながら1時間反応
させ、本発明の水溶性エポキシ樹脂を得た。得られた水
溶性エポキシ樹脂はエバポレーターを用いて水を加えな
がら未反応のアミン系化合物、有機溶媒等を留去し、淡
黄色粘稠な水溶性エポキシ樹脂水溶液(固形分含量40
%)を得た。得られたエポキシ樹脂の分子量をMALD
I−TOF/MS(matrix-assisted laser desorption
ionization-time of flight mass analyzer)を用いて
測定(測定機種;TOF/MS MALDI−IV、株式
会社島津製作所製)した。その結果、分子量分布は3,
000〜3,400でユニットが6〜7個の樹脂が生成
していることが判った。このものをガラス板上にドクタ
ーブレードを用いて薄くコートし、室温で12時間放置
したところ、固化してエポキシ樹脂被膜を形成した。
【0031】実施例2 フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂(商品名「エピ
コート152」、エポキシ当量175、油化シェルエポ
キシ株式会社製)30.6gをメタノール20ml、テトラ
ヒドロフラン10mlの混合溶媒に溶解させ、60%の1
−アミノピロリジン水溶液4.3g添加し反応させた。添
加時の系内温度を20〜30℃に保ち、引き続き反応系
内の温度を20〜30℃に保ちながら1時間反応させ、
本発明の水溶性エポキシ樹脂を得た。得られた水溶性エ
ポキシ樹脂はエバポレーターを用いて水を加えながら未
反応のアミン系化合物、有機溶媒等を留去し、淡黄色粘
稠な水溶性エポキシ樹脂水溶液(固形分含量40%)を
得た。このものをガラス板上にドクターブレードを用い
て薄くコートし、室温で12時間放置したところ、固化
してエポキシ樹脂被膜を形成した。
【0032】実施例3 1−アミノピロリジン(NR−1)に代えて1−アミノ
ホモピペリジン(AHP)、1,1−ジメチルヒドラジ
ン(UDMH)及びN−アミノ−N'−メチルピペラジ
ン(AMPI)を用いた他は実施例1と同様にして水溶
性エポキシ樹脂を製造した。このものをデシケーター中
で真空乾燥させた後、残渣を粉砕し粉末を得た。このも
のを水中に投じて水溶性を目視により確認した。その結
果、いずれも水溶性が認められた。また、該水溶液をガ
ラス板上にドクターブレードを用いて薄くコートし、室
温で12時間放置したところ、固化してエポキシ樹脂被
膜を形成した。
【0033】参考例1 以下のモデルを用いて、本発明の水溶性エポキシ樹脂固
形物の構造を検討した。 1,1−ジメチルヒドラジン
2.98gをメタノール 4.37gとHO0.90
gに溶解し、10℃下、60%フェニルグリシジルエー
テルのメタノール溶液25.04gを1時間かけて滴下
した。滴下終了後室温(29℃)に戻し、2日間攪拌し
た。1,1−ジメチルヒドラジンの反応率はHPLC分
析から99%以上であった。また同分析で主成分として
2成分検出され、その面積百分率からの生成率は成分1
が40%,成分2が50%であった。原料のフェニルグ
リシジルエーテルは式(4)、1,1−ジメチルヒドラ
ジンは式(5)で示される。Phはフェニル基、Meは
メチル基を示す。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】反応生成物から5gを取り、濃縮、カラム
クロマトグラフィー(シリカゲル:溶媒メタノール、H
O)を施し、他成分を除いた。シリカゲルに吸着した
目的物は熱水1000mlにて抽出し、濃縮した。更に
熱エタノール200mlにて5回抽出し、濃縮、式
(6)の成分1を微黄色粘稠液体として単離した。
【0037】
【化5】
【0038】H−NMR(DO):δ3.20pp
m(NH,1H)、3.28,3.32ppm(N−M
e,6H)、3.64ppm(CH,2H)、3.96
ppm(CH,2H)、4.55ppm(CH,1
H)、6.8〜7.0ppm(ArH,3H)、7.1〜
7.3ppm(ArH,2H) IR(NaCl):3250cm−1(OH or N
H)、1600cm−1(C=C)、1050cm−1
(COC) MS(FD):211(M+1)
【0039】反応生成物から5gを取り、濃縮、カラム
クロマトグラフィー(シリカゲル:溶媒メタノール/C
Cl=1/1、CHCl)で精製し、式
(7)の成分2を無色粘稠液体として単離した。
【0040】
【化6】
【0041】H−NMR(CDCl):δ2.6p
pm(OH,2H)、3.41ppm(N−Me,6
H)、3.6ppm(CH,4H)、4.0ppm(C
,4H)、4.05〜4.15ppm(CH,2
H)、6.9〜7.0ppm(ArH,6H)、7.1〜
7.2ppm(ArH,4H) IR(NaCl):3430cm−1(OH or N
H)、1600cm−1(C=C)、1120,105
0cm−1(COC)
【0042】実施例4 1,1−ジメチルヒドラジン 3.09gをメタノール
11.41gとHO0.93gに溶解し、10℃下、8
7%ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル品:
エピコート828)のテトラヒドロフラン溶液22.3
7gを1時間かけて滴下した。滴下終了後室温(29
℃)に戻し、2日間攪拌した。1,1−ジメチルヒドラ
ジンの反応率はHPLC分析から99%以上であった。
濃縮、乾燥して白色固体を得た。構造の確認はH−N
MR測定により行った。 H−NMR(DO) アミンイミン構造により大きく低磁場シフトしたN−C
プロトンシグナル(δ3.1〜3.3ppm)を検出
した。原料のビスフェノールA型エポキシ樹脂は式
(8)で示され、生成物のエポキシ樹脂は式(9)で示
される。
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】 (nは1〜30)
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、水に溶解可能な全く新
規な、水溶性エポキシ樹脂の固形物を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 圭一郎 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 鍋島 亮浩 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 古市 智広 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ系化合物もしくはその有機溶媒
    溶液と式(1)で表されるアミン系化合物もしくはその
    水溶液を混合して、エポキシ系化合物とアミン系化合物
    を反応もしくは重合させ、得られたエポキシ樹脂溶液に
    水を加えて加熱して、有機溶媒及び未反応のアミン系化
    合物を除去して得られるエポキシ樹脂の水溶液を乾燥さ
    せて得られる水溶液エポキシ樹脂固形物。 NHN(R)(R) (1) [R、Rは同一又は異なって炭素数1〜6のアルキ
    ル、両者が結合して炭素数2〜11のアルキレン又は−
    −N(R)−R−で示される基を示す。R
    は同一又は異なって炭素数1〜6のアルキレン、R
    は炭素数1〜6のアルキル又はアミノ基を示す。]
  2. 【請求項2】 請求項1の水溶性エポキシ樹脂固形物を
    粉砕してなる水溶性エポキシ樹脂固形物の粉末。
JP11220856A 1998-09-22 1999-08-04 水溶性エポキシ樹脂の固形物 Expired - Fee Related JP3037695B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220856A JP3037695B2 (ja) 1999-08-04 1999-08-04 水溶性エポキシ樹脂の固形物
AT99943431T ATE274012T1 (de) 1998-09-22 1999-09-21 Wässrige lösung von wasserlöslichem epoxy-harz, daraus erhaltener fester körper und verfahren zu seiner herstellung
EP99943431A EP1035148B1 (en) 1998-09-22 1999-09-21 Aqueous solution of water-soluble epoxy resin, solid obtained therefrom, and processes for producing these
US09/530,600 US6372825B1 (en) 1998-09-22 1999-09-21 Aqueous solution of water-soluble epoxy resin, solid obtained therefrom, and processes for producing these
DE69919502T DE69919502T2 (de) 1998-09-22 1999-09-21 Wässrige lösung von wasserlöslichem epoxy-harz, daraus erhaltener fester körper und verfahren zu seiner herstellung
PCT/JP1999/005128 WO2000017252A1 (fr) 1998-09-22 1999-09-21 Solution aqueuse de resine epoxyde hydrosoluble, solide obtenu a partir de celle-ci et leurs procedes de production
RU2000116018/04A RU2193573C2 (ru) 1998-09-22 1999-09-21 Водный раствор водорастворимой эпоксисмолы, твердое вещество, получаемое из нее, и способы их получения
KR1020007005196A KR100338789B1 (ko) 1998-09-22 1999-09-21 수용성 에폭시수지 수용액, 그것의 고형물 및 그것들의제조방법
ES99943431T ES2228092T3 (es) 1998-09-22 1999-09-21 Solucion acuosa de resina epoxi soluble en agua, solido obtenido a partir de esta y sus procedimientos de produccion.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220856A JP3037695B2 (ja) 1999-08-04 1999-08-04 水溶性エポキシ樹脂の固形物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28593298A Division JP2993605B1 (ja) 1998-09-22 1998-09-22 エポキシ樹脂の水溶液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000095843A true JP2000095843A (ja) 2000-04-04
JP3037695B2 JP3037695B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=16757625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11220856A Expired - Fee Related JP3037695B2 (ja) 1998-09-22 1999-08-04 水溶性エポキシ樹脂の固形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3037695B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002105175A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Otsuka Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JP2010222196A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Aquafairy Kk 水素発生剤、その製造方法及び水素発生方法
JP4718078B2 (ja) * 1999-10-19 2011-07-06 大塚化学株式会社 エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4718078B2 (ja) * 1999-10-19 2011-07-06 大塚化学株式会社 エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂組成物
JP2002105175A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Otsuka Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JP2010222196A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Aquafairy Kk 水素発生剤、その製造方法及び水素発生方法
JP4588792B2 (ja) * 2009-03-24 2010-12-01 アクアフェアリー株式会社 水素発生剤、その製造方法及び水素発生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3037695B2 (ja) 2000-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4153621A (en) Glycidyl ethers derived from 3,3',5,5'-tetraalkyl-4,4'-dihydroxybiphenyl
US4894431A (en) Accelerated curing systems for epoxy resins
JP2001055425A (ja) レゾルシンノボラック樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3037695B2 (ja) 水溶性エポキシ樹脂の固形物
JP6620981B2 (ja) 熱硬化性成形材料、その製造方法および半導体封止材
JP6240940B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3312872B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤
US3620983A (en) {11 -methylglycidyl-isocyanurates
JP3584419B2 (ja) エポキシ樹脂を硬化させるための触媒としての1−イミダゾリルメチル−2−ナフトール
EP1035148B1 (en) Aqueous solution of water-soluble epoxy resin, solid obtained therefrom, and processes for producing these
JPH04356523A (ja) 潜在性エポキシ樹脂硬化剤
JP2993605B1 (ja) エポキシ樹脂の水溶液
JP3017184B1 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤
JPH02117913A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3733608B2 (ja) 粉体塗料
JP2000230036A (ja) エポキシ樹脂用硬化剤
JPH0593046A (ja) 可撓性エポキシ系樹脂組成物
JPH09302072A (ja) エポキシ樹脂用充填剤及びエポキシ樹脂組成物
JPH11349667A (ja) エポキシ樹脂用硬化剤
JP2003128882A (ja) 液状エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH03221516A (ja) エポキシ樹脂の製造方法とエポキシ樹脂組成物
JPH01240514A (ja) 耐熱性エポキシ樹脂組成物
JP3413371B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH0122847B2 (ja)
JPH10245474A (ja) エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees