JP2002105175A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2002105175A
JP2002105175A JP2000299202A JP2000299202A JP2002105175A JP 2002105175 A JP2002105175 A JP 2002105175A JP 2000299202 A JP2000299202 A JP 2000299202A JP 2000299202 A JP2000299202 A JP 2000299202A JP 2002105175 A JP2002105175 A JP 2002105175A
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JP2000299202A
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Takashi Kitajima
孝志 北島
Akihiro Nabeshima
亮浩 鍋島
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温又はそれ以下の温度でも速やかに硬化
させ得ることができると共に靭性の改善されたエポキシ
樹脂硬化物を得ることのできる組成物を提供する。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂に対して、(B)ラ
クタム、ラクトン及びアルコールから選ばれる少なくと
も1種、更に硬化剤として(C)式(1)で表される化
合物又はその塩を配合することを特徴とするエポキシ樹
脂組成物。 NHN(R)(R) (1) [式中R、Rは同一又は異なって炭素数1〜8のア
ルキル、アリール、含窒素複素環基、両者が結合して炭
素数2〜11のアルキレン又は―R―R―R ―で
示される基を示す。R、Rは同一又は異なって炭素
数1〜8のアルキレン、Rは酸素原子、硫黄原子、基
=NR又は=NNHを示す。Rは水素又は炭素数
1〜8のアルキルを表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その硬化物が優れた電
気絶縁性、耐湿性、耐熱性、耐ハンダ性、耐薬品性、耐
久性、接着性、機械的強度等を有することから、例えば
電気、電子、土木建設等の各種分野において、塗料、接
着剤、封止材等として広く用いられている。中でもビス
フェノール型エポキシ樹脂は、耐薬品性、接着性、高温
特性に優れているためもっとも広く用いられている。
【0003】エポキシ樹脂の硬化は、一般的にエポキシ
樹脂に硬化剤を添加して加熱することにより行われてい
る。かかる硬化剤のうち、代表的なものとしては、例え
ばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イ
ソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、ポリアミド類、ジシアンジアミ
ド、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック
酸、ノボラック型フェノール樹脂、三級アミン類、イミ
ダゾール類、三弗化ホウ素等のアミン錯体等が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの硬化剤のう
ち、室温でエポキシ樹脂を硬化させ得るものとしては、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリ
アミド類、三級アミン類等のアミン系硬化剤が知られて
いるが、これらの硬化剤も室温以下において十分に速や
かにエポキシ樹脂を硬化させ得るものとはいえず、硬化
に4〜7日といった長時間を要していた。
【0005】本発明者等は、これまでに室温又はそれ以
下、例えば5℃程度においても十分に速やかにエポキシ
樹脂を硬化させ得る硬化剤として1−アミノピロリジン
等のN−N結合を有する化合物を提案している(特願平
11−296872号)。しかしながら、このものを用
いてビスフェノール型エポキシ樹脂を硬化させた場合、
得られる材料の靭性が不十分になるという問題点を有し
ていた。
【0006】本発明の課題は、常温又はそれ以下の温度
でも速やかに硬化させ得ることができると共に靭性の改
善されたエポキシ樹脂硬化物を得ることのできる組成物
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)エポキ
シ樹脂に対して、(B)ラクタム、ラクトン及びアルコ
ールから選ばれる少なくとも1種、更に硬化剤として
(C)式(1)で表される化合物又はその塩を配合する
ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物に係る。 NHN(R)(R) (1) [式中R、Rは同一又は異なって炭素数1〜8のア
ルキル、アリール、含窒素複素環基、両者が結合して炭
素数2〜11のアルキレン又は―R―R―R ―で
示される基を示す。R、Rは同一又は異なって炭素
数1〜8のアルキレン、Rは酸素原子、硫黄原子、基
=NR又は=NNHを示す。Rは水素又は炭素数
1〜8のアルキルを表す。]
【0008】又本発明は、(A)エポキシ樹脂に対し
て、(B)ラクタム、ラクトン、及びアルコールから選
ばれる少なくとも1種、更に硬化剤として(D)(d
1)式(1)で表される化合物又はその塩及び(d2)
アミン系化合物又はその塩の少なくとも一方がチオシア
ン酸塩である化合物を配合することを特徴とするエポキ
シ樹脂組成物に係る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用できる(A)エポキ
シ樹脂は、特に制限はなく、各種のエポキシ樹脂を用い
ることができる。例えば、グリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂等を例示できる。
【0010】グリシジルエーテル型エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化
ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフ
ェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、
ナフタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック
型、クレゾールノボラック型、DPPノボラック型、3
官能型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、テトラ
フェニルロールエタン型等を例示できる。
【0011】グリシジルエステル型エポキシ樹脂として
は、ヘキサヒドロフタル酸エステル型、フタル酸エステ
ル型等を例示できる。グリシジルアミン型エポキシ樹脂
としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、
トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型、
1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シク
ロヘキサン、アミノフェノール型、アニリン型、トルイ
ジン型等を挙げることができる。
【0012】本発明に使用できる(B)ラクタムは、特
に制限されるものではないが、一般式(2)で表される
化合物が好ましい。
【0013】
【化1】 [式中、n=2〜7の整数]
【0014】また、ε−カプロラクタムが特に好まし
い。本発明に使用できる(B)ラクトンは、特に制限さ
れるものではないが、一般式(3)で表される化合物が
好ましい。
【0015】
【化2】 [式中、n=2〜7の整数]
【0016】また、ε−カプロラクトンが特に好まし
い。本発明に使用できる(B)アルコールは、硬化剤、
エポキシ樹脂に相溶性のあるものであれば特に制限され
るものではないが、炭素数7〜10の芳香族アルコール
が好ましく、特にベンジルアルコールが好ましい。
【0017】本発明に使用される(B)成分の配合量と
しては特に制限されるものではないが、通常エポキシ樹
脂100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは5
〜10重量部が良い。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物には、硬化剤
として(C)(1)で表される化合物又はその塩を使用
する。或いは(D)(d1)式(1)で表される化合物
又はその塩及び(d2)アミン系化合物又はその塩の少
なくとも一方がチオシアン酸塩である化合物を併用す
る。 NHN(R)(R) (1) [式中R、Rは同一又は異なって炭素数1〜8のア
ルキル、アリール、含窒素複素環基、両者が結合して炭
素数2〜11のアルキレン又は―R―R―R ―で
示される基を示す。R、Rは同一又は異なって炭素
数1〜8のアルキレン、Rは酸素原子、硫黄原子、基
=NR又は=NNHを示す。Rは水素又は炭素数
1〜8のアルキルを表す。]
【0019】炭素数1〜8のアルキルとしては例えばメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、t−ブチル、s−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、n−
ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル等を挙げ
ることができる。炭素数2〜11のアルキレンとしては
例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレ
ン、オクチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン等を
挙げることができる。炭素数1〜8のアルキレンとして
は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキ
シレン、オクチレンを挙げることができる。アリールと
しては、フェニル、トリル、ナフチル等を挙げることが
できる。含窒素複素環基としてはピリジル、ピペリジニ
ル、ピラゾリル等を挙げることができる。
【0020】式(1)で表される化合物の具体例として
は、1−アミノピロリジン(1−AP)、1−アミノピ
ペリジン、1−アミノホモピペリジン(AHP)、1−
アミノピペラジン、N−アミノ−N’−メチルピペラジ
ン(AMPI)、N−アミノモルホリン(AMP)、N
−アミノチオモルホリン、1,1−ジメチルヒドラジン
(UDMH)、1,1−ジエチルヒドラジン、1,1−ジ
プロピルヒドラジン、1,1−ジブチルヒドラジン、モ
ノメチルヒドラジン、モノエチルヒドラジン、モノプロ
ピルヒドラジン、モノイソプロピルヒドラジン、モノブ
チルヒドラジン、モノ−tert−ブチルヒドラジン、
1−エチル−1−メチルヒドラジン、1−メチル−1−
プロピルヒドラジン、1−ブチル−1−メチルヒドラジ
ン、1−メチル−1−フェニルヒドラジン、1,1−ジ
フェニルヒドラジン、モノフェニルヒドラジン、2−ヒ
ドラジノピリジン等を挙げることができる。これらの化
合物の中でも、下記式で表される1−アミノピロリジン
(1−AP)、1−アミノホモピペリジン(AHP)、
N−アミノ−N’−メチルピペラジン(AMPI)、N
−アミノモルホリン(AMP)が特に好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】また、これらの化合物の塩類としては、チ
オシアン酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩等が挙げられ
るが、チオシアン酸の場合は、後述の(d2)アミン系
化合物又はその塩と併用することが必要である。
【0023】本発明で用いられる上記式(1)で表され
る化合物及びその塩は、そのまま粉末若しくは液状の形
態で用いることができるが、水溶液又は有機溶媒溶液若
しくは分散液の形態で使用することもできる。ここで、
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール等の低級アルコール類、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、エーテル類、極性溶媒、ハロゲン化炭化水素類
等を挙げることができる。また、水と適当な有機溶媒と
の溶液又は分散液でもよい。
【0024】これらの種々の形態の中でも本発明のエポ
キシ樹脂組成物は水の添加により硬化速度が向上すると
いう特徴を有しているため、水溶液の形態で用いるのが
特に好ましく、水溶液として用いる場合の濃度として
は、水の配合量として一般式(1)で表される化合物1
モルに対して0.3〜1.2モルとするのが良い。0.3
モル未満の添加量では硬化速度の促進効果が顕著に得ら
れない。また、1.2モルを超えて配合すると、硬化物
中に水が残存して硬化物の白濁や強度の低下等を惹き起
こす恐れがあるため好ましくない。
【0025】硬化剤として(D)(d1)一般式(1)
で表される化合物又はその塩及び(d2)アミン系化合
物又はその塩の少なくとも一方がチオシアン酸塩である
化合物を用いる場合の、アミン系化合物又はその塩とし
ては、アルキルアミン、鎖状脂肪族アミン、環状アミ
ン、芳香族アミン、脂肪族芳香族アミン及びこれらのエ
ポキシ変性物、マンニッヒ変性物、マイケル付加変性物
等を例示できる。
【0026】アルキルアミンとしては、一般式NH
(R)(式中Rは、炭素数1〜12の直鎖又は分
岐のアルキル基を示す)で表される化合物、例えば、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t
−ブチルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキ
シルアミン等、一般式NH(R)(R)(式中
、Rは同一又は異なって炭素数1〜12の直鎖又
は分岐のアルキル基を示す)で表される化合物、例え
ば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−se
c−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−オ
クチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン等、一般
式N(R10)(R 11)(R12)(式中R10、R
11、R12は同一又は異なって炭素数1〜12の直鎖
又は分岐のアルキル基を示す)で表される化合物、例え
ば、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソ
プロピルアミン、トリブチルアミン、トリ−sec−ブ
チルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−n−オク
チルアミン等を例示できる。
【0027】鎖状脂肪族アミンとしては、式(R13
(R14)N(CH)nN(R )(R16)(式
中、R13、R14、R15、R16は同一又は異なっ
て水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル
基を示す。nは1〜5の数を示す。)で表される化合
物、例えば、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、
3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチル
アミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロ
ピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等、式N
(R17)(R18)(CH)nNH(式中
17、R18は同一又は異なって水素原子又は炭素数
1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を示す。nは1〜5
の数を示す。)で表される化合物、例えばエチレンジア
ミン等、式N(R )[(CH)nNH(式
中、R19は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐
のアルキル基を示す。nは1〜5の数を示す。)で表さ
れる化合物、例えば、3,3’−イミノビス(プロピル
アミン)、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピ
ルアミン)等、式N[(CH)nNH(式中、
nは1〜5の数を示す。)で表される化合物、例えば、
トリス(2−アミノエチル)アミン等、式NH(CH
)m[(CH)nNH]xNH(式中、m、n、
xはそれぞれ1〜5の数を示す。)で表される化合物、
例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、及びその他の鎖状脂肪
族アミン、例えば3−(2−エチルヘキシルオキシ)プ
ロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−メト
キシプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、
トリアリルアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポ
リオキシプロピレントリアミン等を例示できる。
【0028】又、環状アミンとしては、例えば、ビス
(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、
ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピラジン、3,
9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、m−キシレン
ジアミン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、
1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペ
ラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピ
コリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウ
ンデセン、ベンジルメチルアミン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−(ジメチル
アミノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール等を例示できる。
【0029】又、芳香族アミンとしては、例えば、メタ
フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジア
ミノジフェニルスルフィン、ジアミノジエチルジメチル
ジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニ
ル)−p−ジイソプロピルベンゼン等を例示できる。
【0030】又、脂肪族芳香族アミンとしては、例え
ば、α−(m/p−アミノフェニル)エチルアミン等を
例示できる。これらのアミン系化合物の塩としては、チ
オシアン酸塩、ホウ酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩等
が挙げられる。このうち、チオシアン酸塩の好ましい具
体例としては、ジエチレントリアミンチオシアン酸塩
(DATA・SCN)、2,4,6−トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノールチオシアン酸塩(DMP−30
・SCN)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7
−ウンデセンチオシアン酸塩(DBU・SCN)、m−
キシレンジアミンチオシアン酸塩(MXDA・SC
N)、イソホロンジアミンチオシアン酸塩(IPDA・
SCN)等が例示できる。
【0031】硬化剤(D)を構成する少なくとも一方が
チオシアン酸塩である、式(1)で表される化合物又は
その塩及びアミン系化合物又はその塩は、そのまま混合
して用いることもできるが、水溶液又は有機溶媒溶液若
しくは分散液の形状で使用することもできる。ここで、
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール等の低級アルコール類、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、エーテル類、極性溶媒、ハロゲン化炭化水素類
等を挙げることができる。また、水と適当な有機溶媒と
の溶液又は分散液でもよい。
【0032】また、上記硬化剤(D)における(d1)
式(1)で表される化合物又はその塩と、(d2)アミ
ン系化合物又はその塩の配合割合としては、前者と後者
のモル比で、1:10〜10:1程度の割合を例示でき
る。
【0033】これらの種々の形態の中でも本発明のエポ
キシ樹脂組成物は水の添加により硬化速度が向上すると
いう特徴を有しているため、水溶液の形態で用いるのが
特に好ましく、水溶液として用いる場合の濃度として
は、水の配合量として一般式(1)で表される化合物1
モルに対して0.3〜1.2モルとするのが良い。0.3
モル未満の添加量では硬化速度の促進効果が顕著に得ら
れない。また、1.2モルを超えて配合すると、硬化物
中に水が残存して硬化物の白濁や強度の低下等を惹き起
こす恐れがあるため好ましくない。
【0034】本発明のエポキシ樹脂硬化剤のエポキシ樹
脂に対する使用割合としては、特に制限されず、エポキ
シ樹脂の種類、その他の添加剤の種類や配合量、得られ
るエポキシ樹脂硬化物の用途、硬化条件(設計された硬
化時間や硬化温度、硬化場所等)等の各種条件に応じて
広い範囲から適宜選択すればよいが、通常、エポキシ樹
脂のエポキシ基(複数種類用いる場合にはその合計量)
と硬化剤化合物のアミン基(複数種類用いる場合にはそ
の合計量)との当量比(エポキシ/アミン)で0.1〜
2程度、好ましくは0.7〜1.2程度とするのがよい。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物には、その好
ましい特性を損なわない範囲で従来から用いられている
硬化剤や反応促進剤を配合することが好ましい。硬化剤
としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ポリアミド
類、ジシアンジアミド、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水メチルナジック酸、ノボラック型フェノール樹脂、三
級アミン類、イミダゾール類、三フッ化ホウ素等のアミ
ン錯体等、メラミン、メチロールメラミン、レゾール型
化合物等を例示できる。また、硬化促進剤としては、例
えば、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルメチルアミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール等の第三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2
−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデ
セン等を挙げることができる。これらの硬化剤及び硬化
促進剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を併用で
きる。
【0036】通常、エポキシ樹脂100重量部に対して
硬化促進剤を0.1〜1重量部程度、好ましくは0.2〜
0.6重量部程度添加するのがよい。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて、従来から添加されている充填材や補強材等を添
加することもできる。充填材としては、例えば、シリ
カ、溶融石英、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バ
リウム、水和アルミナ、アルミナ、水和マグネシウム、
ジルコン、コージライト、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化
アルミニウム等が挙げられる。補強材としては、例え
ば、タルク、マイカ、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊
維、二酸化チタン繊維、ワラストナイト、ゾノトライ
ト、珪酸亜鉛繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、ボロ
ン繊維等を挙げることができる。エポキシ樹脂硬化物が
所望の物性を発現するように充填材及び補強材の種類、
添加量等を適宜調整することができるが、通常、エポキ
シ樹脂100重量部に対して充填材及び補強材を20〜
160重量部程度、好ましくは50〜120重量部程度
添加するのがよい。充填材及び補強材は、それぞれ1種
を単独で、或いは2種以上を併用できる。
【0038】更に、エポキシ樹脂組成物には、必要に応
じて各種の添加剤を添加してもよい。かかる添加剤とし
ては、例えば、顔料(粒子状二酸化チタン、カーボンブ
ラック、弁柄、黄色酸化鉄等)、粘度調整剤、レベリン
グ剤、消泡剤、カップリング剤、可塑剤、稀釈剤、難燃
剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化ア
ンチモン、アルキルホスフェート類、ホスファゼン
類)、有機溶媒等が挙げられる。
【0039】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、
金属、合成樹脂、セメント、セラミックス、無機又は有
機繊維による編物若しくは織物(ガラスクロス等)、紙
等の被覆、接着、補修及びこれらを基材とした成形体の
製造等に適用できる。具体的には、各種形状の物品を本
発明のエポキシ樹脂組成物に含浸させるか又は該物品表
面や物品内若しくは物品間の隙間等に上記のエポキシ樹
脂組成物を塗布、被覆又は注入した後、そのまま放置
し、硬化させればよい。硬化に際しては通常、特に加熱
を必要としないが、組成によっては40〜120℃程度
で加熱してもよい。また、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、注型成形や射出成形等の通常の成形方法に従って成
形し任意の形状の成形物とすることもできる。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更
に詳細に説明するが、何らこれらに限定されるものでは
ない。
【0041】実施例1〜6 表1に示すように(A)エポキシ樹脂としてエピコート
828、(B)ラクタム、ラクトン及びアルコールから
選ばれる少なくとも1種、(D)硬化剤として(d1)
1−アミノピロリジン及び(d2)キシレンジアミンチ
オシアン酸塩(MXDA・SCN)の94%水溶液を併
用して配合し、混合した後、鋼板(厚さ0.8mm)に
1.0mm厚になるように塗布し試験片を得た。JIS
K5400に準じて室温(20℃)で、硬化速度試験
を行った。その結果を表1に示す。また、室温で一日養
生した後、JIS K5400に準じて屈曲試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0042】比較例1 表1に示すように(B)ラクタム、ラクトン及びアルコ
ールから選ばれる少なくとも1種を配合しない以外は実
施例1〜6と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】(A)エポキシ樹脂(ビスフェノールA型
エポキシ樹脂):油化シェルエポキシ株式会社製、商品
名「エピコート828」、エポキシ当量190 (B)ラクタム:ε−カプロラクタム:和光純薬工業株
式会社 ラクトン:ε−カプロラクトン:和光純薬工業株式会社 アルコール:ベンジルアルコール:和光純薬工業株式会
社 (D)硬化剤:1−AP及びm−キシレンジアミンチオ
シアン酸塩(MXDA・SCN)
【0045】実施例7〜8 表2に示すように(A)エポキシ樹脂としてエピコート
828、(B)ラクタム及びアルコール、(C)硬化剤
として1−アミノピロリジンの83%水溶液を配合し、
混合した後、鋼板(厚さ0.8mm)に1.0mm厚にな
るように塗布し試験片を得た。JIS K5400に準
じて室温(20℃)で、硬化速度試験を行った。その結
果を表2に示す。また、室温で一日養生した後、JIS
K5400に準じて屈曲試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0046】比較例2 表2に示すように(B)ラクタム及びアルコールを配合
しない以外は実施例7〜8と同様に行った。その結果を
表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】(A)エポキシ樹脂「エピコート82
8」、エポキシ当量190 (B)ラクタム:ε−カプロラクタム、 アルコール:ベンジルアルコール (C)硬化剤:1−AP
【0049】実施例9〜12及び比較例3 表3に示すように(C)の硬化剤の代わりに(D)の硬化
剤を使用した以外は実施例7〜8及び比較例2と同様に
行った。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】(A)エポキシ樹脂「エピコート82
8」、エポキシ当量190 (B)ラクタム:ε−カプロラクタム、 アルコール:ベンジルアルコール (D)硬化剤:1−AP及びMXDA・SCN
【0052】実施例13〜21 表4に示すように更に硬化促進剤を配合した以外は実施
例9〜12と同様に行った。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】(A)エポキシ樹脂「エピコート82
8」、エポキシ当量190 (B)ラクタム:ε−カプロラクタム、 アルコール:ベンジルアルコール (D)硬化剤:1−AP及びMXDA・SCN、 硬化促進剤:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7
−ウンデセン(DBU)
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、特定の硬化剤を使用
し、更にラクタム、ラクトン及びアルコールから選ばれ
る少なくとも1種を併用することにより、常温又はそれ
以下の温度でも速やかに硬化させ得ることができると共
に靭性の改善されたエポキシ樹脂硬化物を得ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AA01 AD01 AD07 AD08 AF01 AF05 AF06 AF07 AG03 AH01 CA01 CA06 CA29 CB24 DC34 DC35 DC38 JA01 JA06 JA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂に対して、(B)ラ
    クタム、ラクトン及びアルコールから選ばれる少なくと
    も1種、更に硬化剤として(C)式(1)で表される化
    合物又はその塩を配合することを特徴とするエポキシ樹
    脂組成物。 NHN(R)(R) (1) [式中R、Rは同一又は異なって炭素数1〜8のア
    ルキル、アリール、含窒素複素環基、両者が結合して炭
    素数2〜11のアルキレン又は―R―R―R ―で
    示される基を示す。R、Rは同一又は異なって炭素
    数1〜8のアルキレン、Rは酸素原子、硫黄原子、基
    =NR又は=NNHを示す。Rは水素又は炭素数
    1〜8のアルキルを表す。]
  2. 【請求項2】 (A)エポキシ樹脂に対して、(B)ラ
    クタム、ラクトン、及びアルコールから選ばれる少なく
    とも1種、更に硬化剤として(D)(d1)(1)で表
    される化合物又はその塩及び(d2)アミン系化合物又
    はその塩の少なくとも一方がチオシアン酸塩である化合
    物を配合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分がε−カプロラクタム及びベ
    ンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種である請
    求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分がε−カプロラクタム及びベ
    ンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種である請
    求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 式(1)で表される化合物が1−アミノ
    ピロリジンである請求項1乃至4記載のエポキシ樹脂組
    成物。
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