JP2000095515A - 平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

平板状シリカ分散物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JP2000095515A
JP2000095515A JP11205881A JP20588199A JP2000095515A JP 2000095515 A JP2000095515 A JP 2000095515A JP 11205881 A JP11205881 A JP 11205881A JP 20588199 A JP20588199 A JP 20588199A JP 2000095515 A JP2000095515 A JP 2000095515A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力耐性が良好で、処理時の汚れがなくかつ
迅速処理適性に優れた感光材料及びその処理方法の提
供。 【解決手段】 平板状シリカ、ゼラチン、シクロデキス
トリン及びゼラチンと架橋性を有する化合物を用いて形
成することを特徴とする平板状シリカ分散物、平板状シ
リカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤又は非感光性親
水性コロイド層を有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料及び全処理時間15〜60秒で処理するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平板状シリカ分散
物、該分散物を含有するハロゲン化銀写真感光材料(以
下、単に感光材料という)及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクスの進歩により映
像へのアクセスタイムの短縮化が飛躍的に進み、感光材
料の処理も益々迅速化が要求されている。このため、ハ
ロゲン化銀粒子も高感度であることが要求され、平板状
ハロゲン化銀粒子がしばしば用いられる。ハロゲン化銀
粒子の平板化は、投影面積の増加により単位面積当たり
の受光量を増大させるため、感光色素等を多く吸着させ
ることができ、高い分光増感が期待できるためである。
【0003】ゼラチンをバインダーとする感光材料で
は、上記平板状ハロゲン化銀粒子の使用については、米
国特許第4,386,156号、同4,399,215
号、同4,414,304号、同4,425,425号
等にその記載が見られる。
【0004】一方、迅速処理を進めるために、ハロゲン
化銀粒子を保護してきたバインダーであるゼラチンの使
用量を少なくし現像、定着、水洗及び乾燥速度を高める
技術が試みられているが、ゼラチンの使用量が少ないと
ハロゲン化銀粒子は圧力耐性が減少する。これらを克服
する手段として、ハロゲン化銀粒子の調製方法の改良が
試みられているが、高感度、低カブリであり、かつ圧力
耐性の高いハロゲン化銀粒子はいまだ見つかっていな
い。
【0005】これに対し、圧力耐性を向上させる目的
で、緩衝剤として機能するラテックスの添加が特公昭5
3−28086号、リサーチディスクロージャー(Re
search Disclosure)第195巻、1
980年7月等に記載がみられる。さらに平板状ハロゲ
ン化銀粒子とともにラテックスを使用する技術が特開平
2−135335号に記載されている。しかしこれらの
技術では、迅速処理を達成するためゼラチンの使用量を
減らすとともにラテックスを大量に使用するため、圧力
耐性の向上は見られるがクッツキなどの膜物性の劣化を
生じ、満足する結果は得られていない。
【0006】ハロゲン化銀乳剤層にコロイダルシリカを
添加して圧力耐性を向上する技術が特開平4−2145
51号、同4−340951号、同5−53230号、
同5−53237号等に記載されている。これらによれ
ば、確かに膜物性の劣化は小さいが、効果が出る量まで
添加すると、画像形成後の処理済みフィルムの保存で膜
がヒビ割れを起こす欠点を有している。これを改良する
手段として、コロイダルシリカを表面処理してゼラチン
と架橋可能な官能基を導入した技術が特開平6−953
00号に開示されている。これによれば、保存でのヒビ
割れは改良されるが、感度の低下、特に迅速処理におい
て感度の低下が著しい。感度低下を押さえる手段とし
て、天然又は合成の水溶性ポリマーを用いる方法がある
が、水溶性ポリマーは大量に添加すると処理時に感光材
料中から溶出し、処理液や自動現像機のローラーを汚染
するという問題点がある。
【0007】従って、迅速処理で現像性の良い感光材料
及びその処理方法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、圧力耐性が良好で、処理時の汚
れがなく、かつ迅速処理適性に優れた感光材料を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記手段により達成される。
【0010】1.平板状シリカ、ゼラチン、シクロデキ
ストリン及びゼラチンと架橋性を有する化合物を用いて
形成することを特徴とする平板状シリカ分散物。
【0011】2.前記ゼラチンと架橋性を有する化合物
がシランカップリング剤であることを特徴とする1に記
載の平板状シリカ分散物。
【0012】3.前記シクロデキストリンがゼラチン架
橋性基を有することを特徴とする1に記載の平板状シリ
カ分散物。
【0013】4.1〜3のいずれか1項に記載の平板状
シリカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層又は非感光
性親水性コロイド層を有することを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料。
【0014】5.平板状シリカ分散物を含有するハロゲ
ン化銀乳剤層のゼラチン量が1m2当たり0.5〜1.
5gであることを特徴とする4に記載のハロゲン化銀写
真感光材料。
【0015】6.4又は5に記載のハロゲン化銀写真感
光材料を全処理時間15〜60秒で処理することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】7.全処理時間が15〜30秒であること
を特徴とする6に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。
【0017】以下、本発明について具体的に説明する。
【0018】まず、本発明の平板状シリカ分散物につい
て述べる。
【0019】本発明で言う平板状シリカとは、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アルミニウムなどを含有する
層状ケイ酸塩類を意味し、カオリン鉱物、雲母粘土鉱
物、スメクタイトなどが挙げられる。カオリン鉱物とし
てはカオリナイト、デイッカイト、ナクライト、ハロイ
サイト、蛇文石などが挙げられる。雲母粘土鉱物として
はパイロフィライト、タルク、白雲母、膨潤性合成フッ
素雲母、セリサイト、緑泥石など挙げられる。スメクタ
イトとしてはスメクタイト、バーミキュライト、膨潤性
合成フッ素バーミキュライトなどが挙げられる。
【0020】このなかで好ましいものとしては、膨潤性
とイオン交換性を有するスメクタイトである。スメクタ
イトには天然物と合成物の2種類があるが、天然物の例
としては、モンモリロナイトとバイデライトがあり、ベ
ントナイト、酸性白土などと呼ばれる粘土として得ら
れ、これらを帯電防止剤として非感光性親水性コロイド
層に使用する例が、特開昭60−202438号、同6
0−239747号に記載されている。
【0021】しかし透明性が優れている点で合成物が最
も好ましく用いられ、さらに耐熱性を高める目的でフッ
素を含有するものもある。
【0022】合成スメクタイトの具体例としては、例え
ば、コープケミカル(株)製のルーセンタイトSWN、
同ルーセンタイトSWFなどを挙げることができる。
【0023】これらの平板状シリカは、使用される全シ
リカの投影面積の総和の50%以上がアスペクト比2〜
100、更に好ましくは2〜50である。
【0024】ここで、アスペクト比とは、平板状シリカ
の投影面積と同一の面積を有する円の直径と2つの平行
平面間距離の比を表す。本発明において、平板状シリカ
粒子の平均粒径は2〜300nmであって、好ましくは
5〜200nmである。また、粒子の厚さは1〜150
nmであって、2.5〜100nmが好ましく、特に好
ましくは10〜50nmである。
【0025】また、平板状粒子の粒径分布において、変
動係数(投影面積を円近似した場合の標準偏差Sを平均
の円換算径Dで割った値、S/Dの100倍)は30%
以下、特に20%以下である。
【0026】本発明に用いられるゼラチンは、アルカリ
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、Bull.Soc.S
ci.Phot.Japan,No.16,30,(1
966)に記載の酵素処理ゼラチン又はフタル化ゼラチ
ンなどのゼラチン誘導体である。
【0027】超迅速処理に有利なように、親水性コロイ
ド層中のゼラチン量は片面当たり1.3から3.0g/
2が好ましく、1.5〜2.5g/m2が特に好まし
い。
【0028】また、乳剤層のゼラチン量は片面当たり
0.4〜2.0g/m2が好ましく、更に好ましくは
0.5〜1.5g/m2である。
【0029】本発明でいうシクロデキストリンとは、α
−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−
シクロデキストリン等の公知のシクロデキストリンの他
に、グルコース、マルトース、蔗糖等を分岐付加又は結
合させた分岐シクロデキストリンや分岐シクロデキスト
リンの一部をアルキル基等の置換基で置換した化合物な
ど、シクロデキストリンの環構造が保持されている化合
物であればよい。
【0030】本発明に用いられるシクロデキストリン
は、下記一般式(A)で表される化合物が好ましい。
【0031】
【化1】
【0032】本発明のゼラチン架橋性を有するシクロデ
キストリンとは、前記、一般式(A)で表されるシクロ
デキストリンのヒドロキシル基の一部と以下に示される
化合物との反応によって得られる、ゼラチン架橋性基を
有する下記一般式(B)で表される化合物である。
【0033】
【化2】
【0034】一般式(B)において、R1、R2、R3
水素原子、各々置換、無置換のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基又はゼラチン架橋性基を表
し、nは4〜10の整数を表す。但し、R1、R2、R3
のうち1分子中2個以上はゼラチン架橋性基を表す。
【0035】上記ゼラチン架橋性基は、アルコール性ヒ
ドロキシ基とゼラチン中のアミノ基やカルボキシル基と
反応する基を少なくとも一つ有するものであればよい。
例えば2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリアジ
ン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピフ
ルオロヒドリン、エピイオドヒドリン、エチルクロロホ
ルメート、フェニルクロロホルメート、3−ヒドロキシ
フェニルクロロホルメート、3−メトキシフェニルクロ
ロホルメート、2−クロロエチルクロロホルメート、4
−クロロフェニルクロロホルメート等が挙げられるが、
好ましくは2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリア
ジン、エピクロロヒドリン、エチルクロロホルメートで
あり、特に好ましくは2,4−ジクロロ−6−オキシ−
s−トリアジンである。これらの化合物と反応し、R1
〜R3に架橋性基として導入されたものである。
【0036】シクロデキストリンへの架橋性基の導入
は、架橋剤として機能させるため1分子当たり2個以上
のゼラチン架橋性基を有すればよい。
【0037】本発明のゼラチン架橋性基を有するシクロ
デキストリンのゼラチンへの添加量としてはゼラチン1
g当たり0.01〜1.0molが好ましく、より好ま
しくは0.05〜0.5molである。
【0038】以下に、ゼラチン架橋性基を有するシクロ
デキストリンの具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0039】K1 β−シクロデキストリン/2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム
塩(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.3) K2 マルトースが1分子結合したβ−シクロデキスト
リン/2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリア
ジンナトリウム塩(1分子当たりのGel架橋性基の平
均数2.3) K3 β−シクロデキストリン/エピクロロヒドリン
(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.4) K4 マルトースが1分子結合したβ−シクロデキスト
リン/エピクロロヒドリン(1分子当たりのGel架橋
性基の平均数2.4) K5 β−シクロデキストリン/エチルクロロホルメー
ト(1分子当たりのGel架橋性基の平均数2.4)
【0040】これらの化合物は、ドイツ特許公開OLS
第2,357,252号、特開昭63−83720号、
同63−168643号に記載の以下のような合成法を
参考にして容易に合成することができる。
【0041】(K1の合成)β−シクロデキストリン3
6.0gを純水500.0gに溶解させ、NaOHでp
Hを8.5に調整した。この液に2−ヒドロキシ−4,
6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム41.0gを
添加し、NaOHにてpHを8〜9、温度は15℃に保
ちながら5時間撹拌した。得られた反応混合物を精製し
た後、スプレードライ法により粉体として得た。
【0042】本発明のゼラチンと架橋性を有する化合物
とは、例えばゼラチンを硬化することのできる硬化剤を
いい、例えばアルデヒド系化合物、トリアジン系化合
物、ビニルスルホン系化合物や特開昭63−61243
号に記載のカルボキシル活性型硬化剤を挙げることがで
きる。
【0043】本発明の平板状シリカ分散物に好ましく用
いられるシランカップリング剤について述べる。
【0044】シランカップリング剤としては、特公昭4
8−3565号、特開昭58−38950号、特開昭5
9−42540号、特開昭62−209452号などに
記載されているものなどゼラチンと架橋可能な官能基を
有していればいずれでもよいが、アミノ基及び/又はエ
ポキシ基を有するものが好ましい。以下に、これらシラ
ンカップリング剤の例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】本発明に好ましく用いられるシランカップ
リング剤は単独又は複数の組み合わせのいずれで用いて
もよく、シランカップリング剤と平板状シリカとの反応
方法としては、あらかじめ水又は有機溶媒で分散された
平板状シリカとシランカップリング剤とを反応させる方
法が好ましい。
【0048】次に本発明の平板状シリカ分散物の分散方
法について述べる。
【0049】ゼラチン水溶液、平板状シリカ水分散液及
びシクロデキストリン水溶液又は架橋性を有するシクロ
デキストリンの水溶液を混合した後、30〜80℃の温
度を保ち、十分剪断力を持つ高速撹拌機(例えばホモミ
キサー、インペラー等)で撹拌しながら本発明のゼラチ
ンと架橋性を有する化合物を少量ずつ添加した後、前記
温度で1〜72時間分散することによって得られる。
尚、平板状シリカ分散物に含まれる平板状シリカ、シク
ロデキストリン、ゼラチンと架橋性を有する化合物のゼ
ラチン1gあたりの添加量は、平板状シリカが0.1〜
15g、シクロデキストリンが0.01〜1モル、ゼラ
チンと架橋性を有する化合物が0.01〜2.5ミリモ
ルである。
【0050】また、分散する際、凝集を防ぐため分散液
にピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウムなどの多リン酸塩、ソル
ビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールメタンなどの多価アルコール、ポ
リエチレングリコールアルキルエステルなどの非イオン
性重合体などの分散剤を適宜加えることができる。
【0051】以下、本発明の平板状シリカ分散物の好ま
しい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0052】分散物例1(B−1) アルカリ処理ゼラチン150gを7650mlの純水に
溶解し、これを40℃に保ち10%β−シクロデキスト
リン水溶液1100mlを加えた後、コープケミカル
(株)製ルーセンタイトSWN(30重量%水分散液;
平均粒径14nm)を1000g添加した。得られた液
をホモジナイザーで高速撹拌しながら硬化剤として3.
7%ホルマリン220mlを1分かけて少量ずつ添加し
た後、50℃で更に撹拌を5時間行った。得られた分散
液は直径3μmのフィルターで濾過して凝集物を取り除
いた。
【0053】分散物例2(B−2) アルカリ処理ゼラチン150gを7650mlの純水に
溶解し、これを40℃に保ち10%β−シクロデキスト
リン水溶液を1100ml加えた後、分散物例1(B−
1)と同じコープケミカル(株)製ルーセンタイトSW
Nを1000g、3−グリシジルオキシプロピルトリメ
トキシシラン(シランカップリング剤9)を3.0g添
加して50℃で1時間撹拌したものを添加した。得られ
た混合物をホモミキサーで高速撹拌しながら、3.7%
ホルマリン220mlを1分かけて少量ずつ添加した
後、50℃で更に10時間高速撹拌を行った。得られた
分散液は、直径3μmのフィルターで濾過して凝集物を
取り除いた。
【0054】分散物例3(B−3) 硬化剤を下記の化合物RHに代えた以外は分散物1(B
−1)と同様にして分散物B−3を得た。
【0055】
【化5】
【0056】分散物例4(B−4) アルカリ処理ゼラチンを酸処理ゼラチンに代えた以外は
分散物1(B−1)と同様にして分散物B−4を得た。
【0057】分散物例5(B−5) β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有
するシクロデキストリンK1に代えた以外は分散物1
(B−1)と同様にして分散物B−5を得た。
【0058】分散物例6(B−6) β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有
するシクロデキストリンK2に代えた以外は分散物1
(B−1)と同様にして分散物B−6を得た。
【0059】分散物例7(B−7) β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有
するシクロデキストリンK1に代えた以外は分散物2
(B−2)と同様にして分散物B−7を得た。
【0060】分散物例8(B−8) β−シクロデキストリンを本発明のゼラチン架橋性を有
するシクロデキストリンK2に代えた以外は分散物2
(B−2)と同様にして分散物B−8を得た。
【0061】本発明の平板状シリカ分散物の好ましい使
用量は、添加すべき層のバインダーとして用いられてい
るゼラチン量に対して、平板状シリカの乾燥重量比で
0.05〜1.0、特に好ましくは0.1〜0.7であ
る。
【0062】なお、ここで言う添加すべき層のバインダ
ーとして用いられているゼラチンとは、平板状シリカ分
散物を添加した際に、その分散物中に含有されるゼラチ
ンも含んでいる。
【0063】本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀粒
子としては、高感度を得るために平板粒子が用いられこ
とが好ましい。ハロゲン化銀組成としてAgBr、Ag
Cl、AgClBr、AgClBrI、AgBrI等任
意に用いることができるが、AgBr組成に富むAgB
rIが好ましい。
【0064】平板粒子は米国特許第4,439,520
号、第4,425,425号、第4,414,304号
等に記載されており、容易に目的の平板粒子を得ること
ができる。平板粒子は、特定表面部位に組成の異なるハ
ロゲン化銀をエピタキシャル成長させたり、シェリング
させたりすることができる。また感光核を制御するため
に、平板粒子の表面あるいは内部に転移線を持たせても
よい。
【0065】平板粒子は、平板粒子が使用されている乳
剤層の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の総和の50%以
上がアスペクト比2以上の平板粒子であることが好まし
い。特に平板粒子の割合が60%から70%、さらに8
0%へと増大するほど好ましい結果が得られる。
【0066】ここでいうアスペクト比とは、平板状ハロ
ゲン化銀粒子の投影面積と同一の面積を有する円の直径
と2つの平行平面間距離の比を表す。本発明においてア
スペクト比は2以上20未満、3以上16未満であるこ
とが好ましい。
【0067】平板粒子は、厚みが0.5ミクロン以下、
好ましくは0.3ミクロン以下であることが好ましい。
また、平板粒子の分布は、しばしば使用される変動係数
(投影面積を円近似した場合の標準偏差Sを直径Dで割
った値S/Dの100倍)が30%以下、特に20%以
下である単分散乳剤であることが好ましい。また平板粒
子と正常晶の非平板粒子を2種以上混合してもよい。
【0068】平板粒子の形成時に粒子の成長を制御する
ためにハロゲン化銀溶剤として例えばアンモニア、チオ
エーテル化合物、チオン化合物などを使用することがで
きる。また、物理熟成時や化学熟成時に亜鉛、鉛、タリ
ウム、イリジウム、ロジウム等の金属塩等を共存させる
ことができる。
【0069】化学増感する場合は、イオウ増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感、貴金属増感及びそれらの
組み合わせが用いられる。
【0070】本発明において適用できる硫黄増感剤とし
ては、米国特許第1,574,944号、同2,41
0,689号、同2,278,947号、同2,72
8,668号、同3,501,313号、同3,65
6,955号、西独出願公開(OLS)1,422,8
69号、特開昭56−24937号、同55−4501
6号等に記載されている硫黄増感剤を用いることが出来
る。具体例としては、1,3−ジフェニルチオ尿素、ト
リエチルチオ尿素、1−エチル−3−(2−チアゾリ
ル)チオ尿素などのチオ尿素誘導体、ローダニン誘導
体、ジチアカルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合
物、硫黄単体などが好ましい例として挙げられる。尚、
硫黄単体としては斜方晶系に属するα−硫黄が好まし
い。
【0071】化学増感に用いられるセレン増感剤は広範
な種類のセレン化合物を含む。例えば、これに関して
は、米国特許1,574,944号、同1,602,5
92号、同1,623,499号、特開昭60−150
046号、特開平4−25832号、同4−10924
0号、同4−147250号等に記載されている。有用
なセレン増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセ
レノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネー
ト等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレ
ノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿素、N,
N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロ
プロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリメ
チル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセレノ尿素
等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレ
ノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、セレ
ノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド
等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例え
ば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチ
レート等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−
p−トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類(ジ
エチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、トリフェニ
ルフォスフィンセレナイド等)が挙げられる。特に、好
ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セレノアミド
類、及びセレノケトン類である。
【0072】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記の特許明細書に開示されている。即ち米国特許
1,574,944号、同1,602,592号、同
1,623,499号、同3,297,446号、同
3,297,447号、同3,320,069号、同
3,408,196号、同3,408,197号、同
3,442,653号、同3,420,670号、同
3,591,385号、フランス特許第2693038
号、同2093209号、特公昭52−34491号、
同52−34492号、同53−295号、同57−2
2090号、特開昭59−180536号、同59−1
85330号、同59−181337号、同59−18
7338号、同59−192241号、同60−150
046号、同60−151637号、同61−2467
38号、特開平3−4221号、同3−24537号、
同3−111838号、同3−116132号、同3−
148648号、同3−237450号、同4−168
38号、同4−25832号、同4−32831号、同
4−96059号、同4−109240号、同4−14
0738号、同4−140739号、同4−14725
0号、同4−149437号、同4−184331号、
同4−190225号、同4−191729号、同4−
195035号、英国特許255846号、同8619
84号。尚、H.E.Spencer等著Journa
l of Photographic Science
誌、31巻、158〜169頁(1983)等の科学文
献にも開示されている。
【0073】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10
-4モル程度を用いる。また、添加方法は、使用するセレ
ン化合物の性質に応じて水またはメタノール、エタノー
ル、酢酸エチルなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解して添加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と予
め混合して添加する方法でも、特開平4−140739
号に開示されている方法、即ち、有機溶媒可溶性の重合
体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でも
良い。
【0074】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は、
40〜90℃の範囲が好ましい。より好ましくは45℃
以上80℃以下である。またpHは4〜9、pAgは6
〜9.5の範囲が好ましい。
【0075】化学増感に用いられるテルル増感剤及び増
感法に関しては、米国特許第1,623,499号、同
3,320,069号、同3,772,031号、同
3,531,289号、同3,655,394号、英国
特許第235,211号、同1,121,496号、同
1,295,462号、同1,396,696号、カナ
ダ特許第800,958号、特開平4−204640
号、同平4−333043号等に開示されている。有用
なテルル増感剤の例としては、テルロ尿素類(例えば、
N,N−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿
素、N−カルボキシエチル−N,N′−ジメチルテルロ
尿素、N,N′−ジメチル−N′フェニルテルロ尿
素)、ホスフィンテルリド類(例えば、トリブチルホス
フィンテルリド、トリシクロヘキシルホスフィンテルリ
ド、トリイソプロピルホスフィンテルリド、ブチル−ジ
イソプロピルホスフィンテルリド、ジブチルフェニルホ
スフィンテルリド)、テルロアミド類(例えば、テルロ
アセトアミド、N,N−ジメチルテルロベンズアミ
ド)、テルロケトン類、テルロエステル類、イソテルロ
シアナート類などが挙げられる。
【0076】テルル増感剤の使用技術は、セレン増感剤
の使用技術に準じる。
【0077】本発明に於いては、還元増感を併用するこ
とも好ましい。該還元増感は、ハロゲン化銀粒子の成長
途中に施すのが好ましい。成長途中に施す方法として
は、ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感
を施す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断
した状態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハ
ロゲン化銀粒子を成長させる方法をも含む。
【0078】本発明に使用される金増感剤としては、塩
化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿
素類、ローダニン類、その他各種化合物の金錯体を挙げ
ることができる。
【0079】硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感
剤、還元増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロゲン化銀
乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによ
って一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1モル当た
り、1×10-4モル〜1×10 -9モルであることが好ま
しい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モル
である。
【0080】本発明において硫黄増感剤、セレン増感
剤、テルル増感剤、還元増感剤及び金増感剤の添加方法
は、水或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒
に溶解し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の
溶媒或いはゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散
させて得られる分散物の形態で添加しても良い。
【0081】本発明に用いる増感色素は、ハロゲン化銀
粒子形成時ならびに形成後塗布までの任意の時期に添加
してよいが、脱塩工程終了前が好ましい。
【0082】添加するときの反応液(通常反応釜中)の
pHは、4〜10の範囲内であることが好ましい。更に
好ましくはpH6〜9の範囲内がよい。反応液(反応
釜)中のpAgは5〜11であることが好ましい。
【0083】本発明において用いる分光増感色素は任意
である。例えばシアニン色素を好ましく用いることがで
きる。その場合、特開平1−100533号に記載され
た一般式(I)〜(III)で表されるS−1〜S−12
4の化合物を好ましく使用できる。
【0084】なお、上記分光増感色素を添加する場合
は、2種以上を併用してもよい。この場合には2種以上
の分光増感色素を混合して同時に添加してもよいし、ま
た異なる時期に別々に添加してもよい。また、添加量
は、銀1モル当たり1mg〜1000mg、好ましくは
5mg〜500mgがよい。更に、これらの分光増感色
素を添加する前にヨウ化カリウムを添加しておいてその
後に添加することが好ましい。
【0085】分光増感色素は、直接乳剤中へ分散するこ
とができる。また、これらは適当な溶媒、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、メチルセロソルブ、ア
セトン、水、ピリジン、あるいはこれらの混合溶媒に溶
解し、溶液の形で添加することもできる。また、溶解に
超音波を使用することもできる。また、水不溶性分光増
感色素を水に溶解することなしに高速インペラー分散に
より微粒子分散液として添加してもよい。
【0086】本発明においては、マット剤として米国特
許第2,992,101号、同第2,701,245
号、同第4,142,894号、同第4,396,70
6号に記載のようなポリメチルメタクリレートのホモポ
リマーまたはメチルメタクリレートとメタクリル酸との
コポリマー、デンプンなどの有機化合物、シリカ、二酸
化チタン、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム等の無機
化合物の微粒子を用いることができる。粒子サイズとし
ては、0.6〜10μm、特に1〜5μmであることが
好ましい。
【0087】本発明の感光材料の表面層には滑り剤とし
て米国特許第3,489,576号、同第4,047,
958号等に記載のシリコーン化合物、特公昭56−2
3139号公報に記載のコロイダルシリカの他に、パラ
フィンワックス、高級脂肪酸エステル、デンプン誘導体
等を用いることができる。
【0088】感光材料の構成層には、トリメチロールプ
ロパン、ペンタンジオール、ブタンジオール、エチレン
グリコール、グリセリン等のポリオール類を可塑剤とし
て添加することができる。
【0089】さらに、耐圧力性向上の目的で本発明の平
板状シリカ分散物とは別に、更に、ポリマーラテックス
を感光材料中に含有させることが好ましい。ポリマーと
してはアクリル酸のアルキルエステルのホモポリマーま
たはアクリル酸、スチレン等とのコポリマー、スチレン
−ブタジエンコポリマー、活性メチレン基、水溶性基ま
たはゼラチンとの架橋性基を有するモノマーからなるポ
リマーまたはコポリマーを好ましく用いることができ
る。とくに、バインダーであるゼラチンとの親和性を高
めるために、アクリル酸のアルキルエステル、スチレン
等疎水性モノマーを主成分とした水溶性基またはゼラチ
ンとの架橋性基を有するモノマーとのコポリマーが最も
好ましく用いられる。水溶性基を有するモノマーの望ま
しい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スチレンスルホン酸等であり、ゼラチンとの架橋性
基を有するモノマーの望ましい例としてはアクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル、N−メチロールア
クリルアミド等である。ポリマーラテックスの添加量
は、固形分量で感材1m2片面当たり0.1〜1g/m2
が好ましい。
【0090】本発明の感光材料には、この他、目的に応
じて種々の添加剤を添加することができる、使用される
その他の添加剤としては、例えばリサーチ・ディスクロ
ージャー(RD)No.17643(1978年12
月)、同No.18716(1979年11月)及び同
No.308119(1989年12月)に記載された
ものが挙げられる。それらの記載箇所を以下に掲げる。
【0091】
【表1】
【0092】本発明の感光材料が医療用両面乳剤X線感
材として利用される場合は、画像鮮鋭性を向上させる目
的で、横断光遮断層を設けることが好ましい。該横断光
遮断層には横断光を吸収させる目的で染料の固体微粒子
分散体が含有される。このような染料としては、例えば
pH9以上のアルカリには可溶で、pH7以下では難溶
な構造を有する染料であれば特に制限はないが、現像処
理時の脱色性がよい点で特開平6−30870号記載の
一般式(I)の化合物が好ましく用いられる。
【0093】本発明の感光材料に用いることのできる支
持体としては、例えば前述の(RD)17643の28
頁及び(RD)308119の1009頁に記載されて
いるものが挙げられる。
【0094】本発明の感光材料は、全処理時間が15〜
60秒である自動現像機による迅速現像処理において、
すぐれた性能を示す。
【0095】本発明の迅速処理において現像、定着等の
温度及び時間は25℃〜50℃で各々25秒以下である
が、好ましくは30℃〜40℃で4秒〜15秒である。
本発明においては、感光材料は現像、定着された後水洗
される。ここで、水洗工程は、2〜3段の向流水洗方式
を用いることによって、節水処理することができる。ま
た少量の水洗水で水洗するときにはスクイズローラー洗
浄槽を設けることが好ましい。本発明では現像、定着、
水洗された感光材料はスクイズローラーを経て乾燥され
る。乾燥は40℃〜80℃で4秒〜30秒で行われる。
本発明における全処理時間とは自動現像機の挿入口にフ
ィルムの先端を挿入してから、現像槽、渡り部分、定着
槽、渡り部分、水洗槽、渡り部分、乾燥部分を通過し
て、フィルムの先端が乾燥出口からでてくるまでの全時
間である。本発明の感光材料は、圧力特性を損なうこと
なく、バインダーとして用いられるゼラチンを減量する
ことができるため、全処理時間が15〜30秒の迅速処
理においても現像速度、定着速度、乾燥速度を損なうこ
となく、現像処理をすることができる。
【0096】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0097】 実施例1 (種乳剤−1の調製) A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ml B1 2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml C1 臭化カリウム 824g 沃化カリウム 23.5g 水で 2825mlに仕上げる D1 1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 35℃で特公昭58−58288号記載の混合撹拌機を
用い溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々464.3m
lを同時混合法により1.5分を要して添加し、核形成
を行った。
【0098】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した後、
60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇さ
せ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液
1と溶液C1を同時混合法により各々55.4ml/m
inの流量で42分間添加した。この35℃から60℃
への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合の間の銀電
位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択
電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+8mV及び
+16mVになるよう制御した。
【0099】添加終了後3%KOHによってpHを6に
合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲ
ン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が
1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子
の平均厚さは0.06μm、平均粒径(円直径換算)は
0.59μmであることを電子顕微鏡にて確認した。ま
た厚さの変動係数は40%、双晶面間距離の変動係数は
42%であった。
【0100】(Em−1の調製)上記の種乳剤−1と以
下に示す4種の溶液を用い、コア/シェル型構造を有す
る平板粒子を含む乳剤を調製した。
【0101】 A2 オセインゼラチン 11.7g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 1.4ml 種乳剤−1 0.10モル相当 水で 550mlに仕上げる B2 オセインゼラチン 5.9g 臭化カリウム 6.2g 沃化カリウム 0.8g 水で 145mlに仕上げる C2 硝酸銀 10.1g 水で 145mlに仕上げる D2 オセインゼラチン 6.1g 臭化カリウム 94g 水で 304mlに仕上げる E2 硝酸銀 137g 水で 304mlに仕上げる 67℃で激しく撹拌したA2液に、ダブルジェット法に
てB2液とC2液を58分で添加した。次に同じ液中にD
2液とE2液をダブルジェット法にて48分添加した。こ
の間、pHは5.8、pAgは8.7に保った。
【0102】添加終了後、種乳剤−1と同様に脱塩、沈
澱を行い40℃にてpAg8.5、pH5.85の平均
沃化銀含有率が約0.5モル%の乳剤を得た。
【0103】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、投影面積の81%が平均粒径0.96μm、粒径
分布の広さが19%で、平均アスペクト比4.5の平板
状ハロゲン化銀粒子であった。また双晶面間距離(a)
の平均は0.019μmであり、(a)の変動係数は2
8%であった。
【0104】得られた乳剤(Em−1)を、60℃に昇
温し、分光増感色素の所定量を、固体微粒子状の分散物
として添加した後に、アデニン、チオシアン酸アンモニ
ウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及
びトリフェニルフォスフィンセレナイドを酢酸エチルと
メタノールの混合溶媒に溶かして得た溶液を加え、更に
60分後に沃化銀微粒子乳剤を加え、総計2時間の熟成
を施した。熟成終了時に安定剤として4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(T
AI)の所定量を添加した。
【0105】上記の添加剤とその添加量(AgX1モル
当たり)を下記に示す。
【0106】 分光増感色素(A) 120mg 分光増感色素(B) 2.0mg アデニン 15mg チオシアン酸カリウム 95mg 塩化金酸 2.5mg チオ硫酸ナトリウム 2.0mg トリフェニルフォスフィンセレナイド 0.4mg 沃化銀微粒子 280mg 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン (TAI) 50mg 分光増感色素の固体微粒子状分散物は、特開平5−29
7496号に記載の方法に準じて調製した。即ち分光増
感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え、高速
撹拌機(ディゾルバー)で、500rpmにて30〜1
20分間にわたって撹拌することによって得た。
【0107】分光増感色素(A);5,5′−ジクロロ
−9−エチル−3,3′−ジ−(スルホプロピル)オキ
サカルボシアニン−ナトリウム塩無水物 分光増感色素(B);5,5′−ジ−(ブトキシカルボ
ニル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−ス
ルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナトリ
ウム塩無水物 以下の塗布液を、下引き処理済のブルーに着色した厚さ
175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面
に下から横断光遮光層、乳剤層、乳剤保護層の順に同時
重層塗布した後、乾燥した。
【0108】 (試料の作成) 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 50mg/m2 ゼラチン 0.4g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンンナトリウム塩 5mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0109】 テトラクロロパラジウム(II)酸カリウム 100mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5− トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 本発明の平板状シリカ分散物 表2記載の量 ラテックス(L) 0.4g/m2 ただし、ゼラチンとしては表2記載の量になるように調
整した。
【0110】 第3層(保護層) ゼラチン 0.8g/m2 4−ヒドロキシ−6−メチルー1,3,3a,7−テトラザインデン 50mg/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 50mg/m2 本発明の平板状シリカ分散物 表2記載の量 〔CH2=CH−SO2−CH2CONHCH2−〕2 100mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 化合物(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 化合物(F−1) 3mg/m2 化合物(F−2) 2mg/m2 化合物(F−3) 1mg/m2
【化6】
【化7】
【化8】
【0111】なお、素材の付量は片面分であり、塗布銀
量は片面分として1.6g/m2になるように調整し
た。
【0112】1)感度の評価 得られた試料をX線写真用増感紙SRO−250(コニ
カ(株)製)ではさみ、ペネトロメータB型を介してX
線照射後、ローラー搬送型自動現像機(SRX−50
1:コニカ(株)製)を用い下記組成の現像液、定着液
にて下記の処理1、処理2の条件で処理を行った。
【0113】(処理1) 現像 35℃ 14.0秒 定着 34℃ 9.7秒 水洗 26℃ 9.0秒 スクイズ 2.4秒 乾燥 55℃ 8.3秒 合計(Dry To Dry)43.4秒
【0114】 現像液処方 Part−A(12リットル仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる。 Part−B(12リットル仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0リットルに仕上げる。
【0115】 定着液処方 Part−A(18リットル仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18g Part−B 硫酸アルミニウム 800g
【0116】現像液の調製は水約5リットルにPart
A、PartBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加
え12リットルに仕上げ氷酢酸でpHを10.40に調
整した。これを現像補充液とする。
【0117】この現像補充液1リットルに対して前記の
スターターを20ml/リットル添加しpHを10.2
6に調整し使用液とする。
【0118】定着液の調製は水約5リットルにPart
A、PartBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加
え18リットルに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpH
を4.4に調整した。これを定着補充液とする。
【0119】(処理2)自動現像機は、処理1で用いた
SRX−501(コニカ(株)製)を改造して搬送スピ
ードを速めたものを用い、現像液、定着液は処理1と同
様のものを使用して下記の条件で処理した。
【0120】 現像 38℃ 7秒 定着 37℃ 4秒 水洗 26℃ 7秒 スクイズ 2.4秒 乾燥 58℃ 4秒 合計(Dry to Dry)24.4秒 感度は試料1がカブリ+1.0の濃度を与えるのに要し
た露光エネルギー量の逆数を100とした相対値で表し
た。最高濃度は試料に光を爆射した時に得られる黒化濃
度を示す。
【0121】2)圧力耐性の評価 得られた試料を23℃相対湿度40%RH条件下で2時
間放置後、新東科学(株)製連続荷重引掻試験機(HE
IDON−18型)を用い、直径0.1mmのサファイ
ヤ針で0〜200gの連続荷重で試料の表面を摩擦後、
未露光のまま上記処理1と同じ現像処理を行い、黒化濃
度がカブリ+0.1になる荷重を求めた。つまり、この
値が大きい程、圧力耐性がよいことになる。
【0122】3)ローラー汚れの評価 1)の感度の評価での処理1、2の各々に対し、250
mm×300mmサイズに切り出した試料を2000枚
連続処理した後、自動現像機の、現像槽から定着槽への
渡りローラーに付着した汚れを観察し、以下の評価基準
にて評価を行い、結果を表2に示した。
【0123】評価基準 ○:汚れの付着なし △:少し汚れが付着しているが、実用上耐えうるレベル ×:汚れがひどく、実用上問題のあるレベル ××:ローラー全面に渡って汚れが付着し、完全に使用
できないレベル
【0124】
【表2】
【0125】表2から明かなように本発明の平板状シリ
カ分散物を用いた感光材料は、圧力耐性に優れた感光材
料であり、かつ迅速処理で処理時の汚れが少ない処理方
法であることが分かる。
【0126】
【発明の効果】本発明により、圧力耐性が良好で、処理
時の汚れがなく、かつ迅速処理適性に優れた感光材料及
びその処理方法が得られた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状シリカ、ゼラチン、シクロデキス
    トリン及びゼラチンと架橋性を有する化合物を用いて形
    成することを特徴とする平板状シリカ分散物。
  2. 【請求項2】 前記ゼラチンと架橋性を有する化合物が
    シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1
    に記載の平板状シリカ分散物。
  3. 【請求項3】 前記シクロデキストリンがゼラチン架橋
    性基を有することを特徴とする請求項1に記載の平板状
    シリカ分散物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の平
    板状シリカ分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層又は非
    感光性親水性コロイド層を有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 平板状シリカ分散物を含有するハロゲン
    化銀乳剤層のゼラチン量が1m2当たり0.5〜1.5
    gであることを特徴とする請求項4に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料を全処理時間15〜60秒で処理することを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 全処理時間が15〜30秒であることを
    特徴とする請求項6に記載のハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
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