JP2000094578A - 金属蒸着フイルムとその製造方法、およびそれを用いた製品 - Google Patents

金属蒸着フイルムとその製造方法、およびそれを用いた製品

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JP2000094578A
JP2000094578A JP11163552A JP16355299A JP2000094578A JP 2000094578 A JP2000094578 A JP 2000094578A JP 11163552 A JP11163552 A JP 11163552A JP 16355299 A JP16355299 A JP 16355299A JP 2000094578 A JP2000094578 A JP 2000094578A
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Kenji Hatada
研司 畑田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定した製造が可能になり、かつラミネ−ト加
工性、及び優れたガスバリア性などの品質の優れた金属
蒸着フイルムを提供する。 【解決手段】金属蒸着フイルムにおいて、不飽和結合を
もつ天然有機化合物を高分子化した高分子樹脂を積層す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスバリア性を有す
る包装用金属蒸着フイルム、あるいはコンデンサ用の金
属蒸着フイルムなどとして用いられる金属蒸着フイルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニュム金属、あるいはSiOxな
どの金属酸化物を蒸着したポリエチレンテレフタレート
フイルムなどの金属蒸着フイルムは酸素バリア性、水蒸
気バリア性に優れており食品包装用フイルムとして広く
用いられている。一方これらの欠点として製袋の際に金
属蒸着フイルムが製袋機のセーラで折り曲げられながら
引っぱられるため、金属蒸着膜や金属酸化物膜に亀裂が
入る場合があり、バリア性能が低下することが問題にな
っている。又金属酸化膜の場合金属酸化膜上に印刷をす
ると印刷インクによって金属酸化物が化学変化によって
変質し、バリア性能が低下することも問題になってい
る。
【0003】これらの対策として金属又は金属酸化物を
蒸着した金属蒸着フイルムに樹脂をコーテイングする方
法が実用化されているが、蒸着とコーテイングの2つの
加工工程が必要なため製造価格が高くなり、価格的に使
用される用途が限定される大きな問題を抱えている。
【0004】一方米国特許第4,842,893号では
金属を蒸着する蒸着機内において蒸着金属膜上にアクリ
ル(メタクリル)酸エステルからなる有機単量体を蒸着
後、次いで電子線にて該有機単量体を電子線重合し、樹
脂層を形成する方法が提案されている。本技術は多層積
層チップコンデンサを製造するために提案された方法で
あるが、上記品質上の問題と製造価格の問題を解決する
手段となりうる可能性がある。
【0005】しかしながら米国特許第4,842,89
3号で提案された方法には次のような問題がある。
【0006】(1)有機単量体が蒸発器内の該有機単量
体を霧状化する装置に重合付着し、長時間の稼働中に該
装置が動かなくなる。こうなると該有機単量体を霧状化
できず、該有機単量体が液滴として加熱した蒸発器内に
送られるため、熱供給の不足により蒸発しきれなかった
一部の有機単量体が熱重合を起こし、蒸発器内が該有機
単量体の重合物で詰まってしまう。霧状化する装置に該
有機単量体が付着する理由は、該装置の稼働に伴う発
熱、および蒸発器からの輻射熱による温度上昇を防ぐた
めに冷却されており、蒸発器内の該有機単量体の蒸気の
一部が該霧状か装置に凝縮すると共に熱によって活性化
した一部の該有機単量体によってラジカル重合が開始さ
れるためと考えられる。
【0007】(2)アクリル系の有機単量体からなる樹
脂層(高分子樹脂)は下部の金属蒸着膜、及び袋にする
ために行われる他のフイルムとの張り合わせ(ラミネ−
ト)において該高分子樹脂上に接着剤として積層される
溶融押し出しオレフィン系樹脂(例えばLLDPEな
ど)、あるいは接着剤との接着力が不足し、容易に剥離
してしまう。
【0008】(3)アクリル系の有機単量体からなる高
分子樹脂を持った金属蒸着フイルムは摩擦係数が高くな
りラミネ−トの際、金属蒸着フイルムにしわが入り、ラ
ミネートができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記(2)の
ような品質上の問題、及び(3)のような加工性の問題
がなく、かつ上記(1)のような製造上の問題のない、
安定して生産できる、高分子樹脂を有する蒸着フイルム
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、「不飽和結合
をもつ天然有機化合物を高分子化した高分子、または該
高分子を含む高分子樹脂が積層されていることを特徴と
する金属蒸着フイルム」であり、より具体的には基材、
金属蒸着膜および/または金属酸化物膜、ならびに不飽
和結合を持つ天然有機化合物を高分子化した高分子、ま
たは該高分子を含む高分子樹脂(以下両方を含め高分子
樹脂と称す)が積層された金属蒸着フイルムである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の基材は、金属が蒸着する
ことができるものであれば特に限定されないが、ポリエ
チレン、無延伸、あるいは延伸ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアミドなどの有機高分子樹脂からなるフイルム、ある
いはアルミニュウム、銅などの金属からなる箔がより好
ましい。なお、基材表面は接着性改良などのためにコロ
ナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理などの表面処理、
あるいは樹脂コーテイング層、又は溶融押し出しによる
樹脂層などの積層が行われていても良い。
【0012】また金属蒸着膜とは一般に良く知られてい
るAl、Cu、Sn、In、Znなどの金属、あるいは
これら同士、又はの金属との合金の蒸着膜で特に限定さ
れるものではない。金属酸化物蒸着膜とはSiOx、A
2Ox、InOx、SnOxなどの金属酸化物、ある
いはこれらの化合物、又は混合物、からなる蒸着膜で特
に限定されるものではない。さらに、本発明の金属酸化
物蒸着膜とは、不完全酸化物蒸着膜をも含むものであ
る。
【0013】本発明の特徴は不飽和結合を持つ天然有機
化合物を高分子化した高分子樹脂が積層されていること
であり、ここで天然有機化合物は天然有機化合物から抽
出あるいは合成された有機化合物であってもよい。
【0014】不飽和結合をもつ天然有機化合物は特に限
定されないが、エチレン結合および/またはアセチレン
結合からなる不飽和結合をもつ天然有機化合物が好まし
い。エチレン結合および/またはアセチレン結合をもつ
天然有機化合物は真空中において熱によって容易に重
合、硬化することがなく、結果として天然有機化合物が
蒸発器内で詰まることなく、さらに放射線にて容易に重
合および/または架橋する特質も有していた結果、安定
して金属蒸着フイルムを製造することができる。なお、
天然有機化合物は単独で用いても良く、又他の天然有機
化合物との混合物として用いても良い。
【0015】不飽和結合をもつ天然有機化合物のなかで
も不飽和脂肪酸又そのエステル化合物、あるいは不飽和
基を有するテルペン、またはこれらの混合物が重合性、
高分子樹脂品質からより優れている。少なくとも1種類
以上の不飽和脂肪酸あるいはそのエステル化合物、また
は不飽和基を有するテルペンを含む天然油脂類が好まし
い一例としてあげられる。テルペンとしてはシトラー
ル、ミトロネラール、ミトロネロール、ネロリドール、
ゲラニオール、ミルセン、リナロール、リモネンなどを
代表例として好ましく挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。また、不飽和脂肪酸又はその
エステル化合物としてはリノール酸、リノレン酸、リシ
ノール酸、エレオステアリン酸、トリリノール酸グリセ
リド、トリリノレン酸グリセリドなどをその代表例とし
て好ましく挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。さらにこれらを含む天然油脂類としては
ヒマシ油、ヤシ油、大豆油、アマニ油、パーム核油、サ
フラワー油、キリ油、トール油脂肪酸等が好ましいが、
これらに限定されるものではない。特にヨウ素価が10
0以上の半乾性油、乾性油がより好ましい。
【0016】不飽和脂肪酸を用いた場合、金属蒸着膜及
び溶融押し出し積層された接着剤樹脂、あるいはラミネ
ート用接着剤との接着も良好で、さらに摩擦係数も低
く、金属蒸着フイルムにしわを発生させることなくラミ
ネート加工ができる。
【0017】なお、飽和結合をもつ天然有機化合物に少
量のラジカル重合可能な有機単量体を加えても良い。こ
の場合、少量が故にペンタエリスリトールトリアクリレ
ートなどのアクリロイル基を有する有機単量体を加えて
も良い。
【0018】本発明の金属蒸着フイルムの構成はその用
途に応じ、基材/金属蒸着膜および/または金属酸化物
蒸着膜/高分子樹脂、もしくは基材/高分子樹脂/金属
蒸着膜および/または金属酸化物蒸着膜の順に積層され
た構成、あるいはこれらの構成が多層に積層された構成
をとることができる。例えば包装用蒸着フイルムの製袋
におけるバリア低下を抑える目的では基材/金属蒸着膜
および/または金属酸化物蒸着膜/高分子樹脂の順に積
層された構成を、バリア性を向上する目的には基材/高
分子樹脂/金属蒸着膜または/および金属酸化物蒸着
膜、またコンデンサ用蒸着フイルムにおいて基材透過し
てくる湿度による金属蒸着膜の水酸化反応を防止する場
合、あるいはセルフヒ−リング性を改良する目的の場合
は基材/高分子樹脂/金属蒸着膜および/または金属酸
化蒸着膜の順に積層された構成をとることができる。ま
た金属蒸着膜および/または金属酸化物蒸着膜/高分子
樹脂の層を多層設けることにより小型のコンデンサを作
ることができる。
【0019】なお、高分子樹脂上に金属蒸着膜、または
金属酸化物蒸着膜を設ける場合は該高分子樹脂表面をプ
ラズマ処理することにより密着性を上げることができ
る。
【0020】もちろん、本発明の構成はこれらに限定さ
れるものではなく、基材の上に金属蒸着膜、金属酸化物
蒸着膜、高分子樹脂がどのような順序で積層されてもよ
く、何層であってもよい。
【0021】本発明の高分子樹脂の厚さは特に限定され
ないが0.02μm以上1μm以下であることが好まし
い。0.02μm未満では品質改良の効果が少なく、ま
た1μmを越すと金属蒸着フイルムがべとついたり、コ
ンデンサ用蒸着フイルムでは界面分極により誘電正接が
高くなる問題が生じてくる。より好ましい厚みは0.0
5μm以上0.1μm以下である。
【0022】本発明の金属蒸着フイルムを製造する方法
は特に限定されないが、真空蒸着機内にて、基材上もし
くは金属蒸着膜および/または金属酸化物蒸着膜上に天
然有機化合物、または天然有機化合物を含む化合物層
(以下両者をあわせ天然有機化合物層と称す)を設け、
次いで放射線を照射し、天然有機化合物層を重合および
/または架橋させることにより高分子樹脂を積層する製
造方法が好ましい。より、具体的には真空蒸着機内に
て、基材表面のプラズマ処理し、次いで該基材上に金属
蒸着膜および/または金属酸化物を設けた後天然有機化
合物による層を設け、次いで放射線を照射することによ
り高分子層を形成する方法、ならびに真空蒸着機内に
て、基材上に直接、あるいはプラズマ処理した上に天然
有機化合物による層を設け、次いで放射線を照射するこ
とにより高分子層を形成した後、該高分子層に直接、あ
るいは該高分子層にプラズマ処理した上に金属蒸着膜お
よび/または金属酸化物膜を形成する方法があげられ
る。
【0023】ここで言う放射線とは紫外線、電子線、イ
オン粒子、α線、β線、γ線、励起原子、励起分子、プ
ラズマなどを指す。特に放射線が、電子線、不活性原子
イオン、酸素イオン、又は励起酸素(分子又原子)から
なる群から選ばれた少なくとも1種以上であることが好
ましい。不活性原子イオン、酸素イオン、励起酸素(分
子又は原子)は不活性ガス、または/及び酸素原子を含
む分子からなるガス、あるいは他のガスとの混合ガスを
用いたプラズマ中に存在し、よって天然有機物層をプラ
ズマにさらすことによっても天然有機物を重合および/
または架橋させることができる。通常プラズマ中のイオ
ン、励起ガス粒子は天然有機化合物層深くには進入でき
ないが、本発明では天然有機化合物層の厚みが薄く、天
然有機化合物層全てを重合および/または架橋できる。
【0024】通常酸素はラジカルの捕獲剤になりアクリ
ル(メタクリル)系の有機単量体の重合を阻害すること
が知られているが、本発明の天然有機化合物の一部は酸
素によって重合および/または架橋でき、よって酸素ガ
スプラズマを用いることができる。
【0025】本発明において、天然有機化合物を蒸着す
る方法は特に限定されないが、天然有機化合物、または
該天然有機化合物を含む化合物を霧状にして加熱容器壁
に衝突させることによって天然有機化合物、または天然
有機化合物を含む化合物を蒸発させ、基材上もしくは金
属蒸着フイルムおよび/または金属酸化物蒸着膜上に蒸
着、積層する方法が好ましい。本発明の天然有機化合物
は真空中では熱重合しにくいので天然有機化合物、また
は天然有機化合物を含む化合物を霧状にする装置、例え
ば超音波振動子など用いても霧状化する装置上で本発明
の天然有機化合物が重合、あるいは架橋することは少な
い。
【0026】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳述するが、本発
明は本実施例に限定されるものではない。
【0027】(実施例1及び比較例1、2)厚み18μ
mの表面処理を行った二軸延伸ポリプロピレンフイルム
ロール(東レ(株)製:製品名:「トレファン」)に5
*10-3Paに排気した真空蒸着機内で、まずアルミニ
ュウムを吸光度OD2.3になるよう蒸着し、次いで2
00℃に加熱した有機化合物蒸発器の中に超音波振動子
にて霧状化した表1の有機化合物を供給し、蒸発した有
機化合物を、有機化合物蒸発器に設けれれたスリットを
通し、アルミニュウム蒸着膜上に蒸着した。蒸着された
有機化合物層の膜厚は0.06μmになるように超音波
振動子に供給する有機化合物量を制御した。
【0028】次いで内部にArガスと酸素の混合ガス
(酸素ガス濃度:30mol/mol%)を供給した箱形のア
ノード電極の内部にアノード電極から絶縁し、設置され
たカソード電極に、−10KVの高電圧を印加してアノ
ード電極内にグロ−放電(プラズマ)を形成し、アノー
ド電極に設けたスリットを通して、電界によって加速さ
れた高エネルギ−電子の一部とArイオンと酸素ガスの
一部を導きだし、アルミニュウム蒸着フイルム上の有機
化合物層を照射した。本操作は長さ21000mのフイ
ルムを用い、蒸着速度500m/minで連続的におこ
なわれた。
【0029】また、比較例1では蒸着開始後10分後超
音波振動子の動きがとまり、蒸着を中止した。真空蒸着
機を開放し、有機化合物蒸発器を開けたところ、内部に
重合物が蓄積していた。実施例1では約45分間安定し
て蒸着でき、ほぼフイルムロール全長においてサンプル
がとれた。なお、比較例2は高分子樹脂を設けていな
い、従来のアルミニュウム蒸着フイルムである。
【0030】各々のフイルムにLLDPE樹脂(線状低
密度ポリエチレン)を溶融押し出し積層すると共にCP
Pフイルム(未延伸ポリプロピレンフイルム)とラミネ
ートした。ラミネート加工性、該ラミネートフイルムの
接着性、及び各々のフイルムの酸素バリア性、及び引っ
張り試験機で6%引っ張った後の各々のフイルム酸素バ
リア性を調べた。その結果を表1に示す。
【0031】なお、ラミネート加工性、接着性および酸
素バリア性の測定、評価方法は以下のとおりである。
【0032】(1)ラミネート加工性 Tダイを用い290℃の温度で溶融押出したLLDPE
にて金属蒸着フイルムとフイルムをラミネートした。構
成はフイルム/金属蒸着層/LLDPE/CPPフイル
ムとなる。
【0033】(2)接着性 15mm幅に切ったラミネート加工フイルムの金属蒸着
フイルムとLLDPE積層CPPフイルムの間の接着力
をT剥離法で測定した。接着力が1.18N(120g
f)以上ある場合を接着力良好とした。
【0034】(3)酸素バリア性 MOCON−Oxygen Transmission
AnalysisSystem社のOX−TRAN
2/20を用い、22.8℃、0%RHの条件で酸素透
過率を測定した。また金属蒸着フイルムを引っ張り試験
機にて6%または10%引き延ばした後の酸素透過率を
測定し、フイルムが引き延ばされた際の酸素バリア性の
悪化性を調べた。
【0035】
【表1】 比較例2の高分子樹脂のない従来の蒸着フイルムは製造
性、ラミネート加工性も問題なく、初期の酸素バリア性
も良好であるが、延伸後酸素バリア性が大きく悪化し
た。また、比較例1のアクリル酸エステルを有機化合物
とする高分子樹脂を有する金属蒸着フイルムは酸素バリ
ア性は優れているものの製造性、ラミネート加工性が悪
く実用化が困難である。これに対し、本発明の実施例1
は製造性、ラミネート加工性、初期酸素バリア性、及び
改良目的である延伸後の酸素バリア性も良好であった。
【0036】(実施例2)厚み12μmの表面処理を行
った二軸延伸ポリエステルフイルムロ−ル(東レ(株)
製:製品名:ルミラー)に5*10-3Paに排気した真
空蒸着機内で、まずアルミニュウムを吸光度OD2.3
になるよう蒸着し、次いで200℃に加熱した有機化合
物蒸発器の中に超音波振動子にて霧状化した大豆油(ヨ
ウ素価:134)を供給し、蒸発した該大豆油を該有機
化合物蒸発器に設けれれたスリットを通し、該アルミニ
ュウム蒸着膜上に蒸着した。蒸着された大豆油層の膜厚
は0.06μmになるように超音波振動子に供給する有
機化合物量を制御した。次いで内部にArガスと酸素ガ
スの混合ガス(酸素ガス濃度:30mol/mol%)を供給した
箱形の接地電極の内部に該接地電極から絶縁し、設置さ
れた高電圧印加電極に、ピーク電圧600Vの高周波電
圧を印加して該接地電極内にグロ−放電(プラズマ)を
形成し、該接地電極に設けたスリットを通して、プラズ
マの一部を導きだし、該アルミニュウム蒸着フイルム上
の該有機化合物層を照射した。本操作は長さ21000
mのフイルムを用い、蒸着速度500m/minで連続
的におこなわれた。
【0037】このようにして作られた蒸着フイルムはラ
ミネート性、加工性共に良好であり酸素バリア性 (初
期:0.2cc/m2・day、 6%延伸後:0.2cc/m2・day)
とも良好であった。
【0038】(実施例3)実施例1で用いたフイルムを
蒸着機内でCO2とArからなる混合ガス(CO2ガス含
有量60mol/mol%)を用いてプラズマ処理した。次いで
実施例1同様にアルミニュウムを蒸着した(OD:2.
4)後、アマニ油(ヨウ素価:182)とリノール酸の
混合物(リノール酸含有量:30w/w%)の高分子から
なる0.1μmの高分子樹脂層を設けた。該金属蒸着フ
イルムはラミネート性、加工性共に良好であり、酸素バ
リア1.6cc/m2・day(初期値)と高いバリア性を示し
た。また10%延伸後も5.0cc/m2・dayと耐久性も良
好であった。
【0039】(実施例4)実施例3と同様にプラズマ処
理したポリプロピレンフイルム上に実施例1同様にして
キリ油(ヨウ素価:170)とリノール酸の混合物(リ
ノール酸含有量:35w/w%)の高分子からなる0.0
8μmの高分子樹脂層を設けた。次いで該高分子樹脂層
上に0.01μmの酸化アルミニュームの金属酸化物膜
を蒸着した。該金属蒸着フイルムはラミネート性、加工
性共に良好であり、酸素バリアは6%延伸前後共に5cc
/m2・dayと良好なバリア性を示し、かつ透明性もすぐれ
ていた。
【0040】
【発明の効果】金属蒸着フイルムの品質改良のため、真
空蒸着機内において金属および/または金属酸化物、な
らびに有機化合物を蒸着し、次いで放射線にて該有機化
合物を重合して高分子膜を積層する方法において、該有
機化合物として天然物より分離した、不飽和結合をもつ
天然有機化合物を用いることにより、安定した製造が可
能になり、かつラミネ−ト加工性、及び優れたガスバリ
ア性などの品質の優れた金属蒸着フイルムを提供でき
る。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和結合をもつ天然有機化合物を高分子
    化した高分子、または該高分子を含む高分子樹脂が積層
    されていることを特徴とする金属蒸着フイルム。
  2. 【請求項2】金属蒸着膜および/または金属酸化物膜上
    に天然有機化合物からなる高分子、または該高分子を含
    む高分子樹脂が積層されていることを特徴とする請求項
    1記載の金属蒸着フイルム。
  3. 【請求項3】基材上に天然有機化合物からなる高分子ま
    たは該高分子を含む高分子樹脂が積層されていることを
    特徴とする請求項1記載の金属蒸着フイルム。
  4. 【請求項4】天然有機化合物からなる高分子、または該
    高分子を含む高分子樹脂の厚みが0.02μm以上1μ
    m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の金属蒸着フイルム。
  5. 【請求項5】天然有機化合物からなる高分子、または該
    高分子を含む高分子樹脂の厚みが0.05μm以上0.
    1μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の金属蒸着フイルム。
  6. 【請求項6】天然有機化合物がエチレン結合および/ま
    たはアセチレン結合をもつことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の金属蒸着フイルム。
  7. 【請求項7】天然有機化合物が、不飽和脂肪酸あるいは
    そのエステル化合物、不飽和基を有するテルペン、また
    はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の金属蒸着フイルム。
  8. 【請求項8】天然有機化合物が、少なくとも1種類以上
    の不飽和脂肪酸あるいはそのエステル化合物、または不
    飽和基を有するテルペンを含む天然油脂類であることを
    特徴とする請求項7に記載の金属蒸着フイルム。
  9. 【請求項9】包装用蒸着フイルム、またはコンデンサ用
    蒸着フイルムとして使用されることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の金属蒸着フイルム。
  10. 【請求項10】真空蒸着機内にて、基材上もしくは金属
    蒸着膜および/または金属酸化物膜上に天然有機化合物
    による層を設け、次いで放射線を照射することにより高
    分子層を形成することを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の金属蒸着フイルムの製造方法。
  11. 【請求項11】真空蒸着機内にて、基材表面のプラズマ
    処理し、次いで該基材上に金属蒸着膜および/または金
    属酸化物を設けた後天然有機化合物による層を設け、次
    いで放射線を照射することにより高分子層を形成するこ
    とを特徴とする請求項10に記載の金属蒸着フイルム。
  12. 【請求項12】真空蒸着機内にて、基材上に直接、ある
    いはプラズマ処理した上に天然有機化合物による層を設
    け、次いで放射線を照射することにより高分子層を形成
    した後、該高分子層に直接、あるいは該高分子層にプラ
    ズマ処理した上に金属蒸着膜および/または金属酸化物
    を形成することを特徴とする請求項10に記載の金属蒸
    着フイルムの製造方法。
  13. 【請求項13】放射線が、紫外線、電子線、不活性原子
    イオン、酸素イオン、又は励起酸素(分子又原子)から
    なる群から選ばれた少なくとも1種以上であることを特
    徴とする請求項10から12のいずれかに記載の金属蒸
    着フイルムの製造方法。
  14. 【請求項14】天然有機化合物を霧状にして加熱容器壁
    に衝突させることにより、天然有機化合物を蒸発させ、
    天然有機化合物による層を設けることを特徴とする請求
    項10〜13のいずれかに記載の金属蒸着フイルムの製
    造方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜8記載の金属蒸着フイルムを
    用いてなるコンデンサ。
  16. 【請求項16】請求項1〜8記載の金属蒸着フイルムを
    用いてなる包装用袋。
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