JP2000093983A - オゾンによる水処理システム - Google Patents

オゾンによる水処理システム

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JP2000093983A
JP2000093983A JP10270233A JP27023398A JP2000093983A JP 2000093983 A JP2000093983 A JP 2000093983A JP 10270233 A JP10270233 A JP 10270233A JP 27023398 A JP27023398 A JP 27023398A JP 2000093983 A JP2000093983 A JP 2000093983A
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JP
Japan
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ozone
raw water
water
air
discharged
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Application number
JP10270233A
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English (en)
Inventor
Yuko Baba
優子 馬場
Itaru Takase
格 高瀬
Michihiko Inaba
道彦 稲葉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン接触池の原水中から気中に排出された
排オゾン中の水分を除去して、オゾン接触池の原水中に
戻し、これによってオゾンの再利用を促進して、原水中
のオゾン濃度を一定に制御する。 【解決手段】 オゾン接触池7に処理対象となる原水6
を導くとともに、冷却装置2、空気源ブロワ3、空気乾
燥装置4、オゾン発生装置5によって、周囲の空気を取
り込んで、オゾンを生成し、このオゾンをオゾン接触池
7内の原水6に吹き込んで、原水6をオゾン処理しなが
ら、排オゾンリサイクルプロワ12、排オゾン再生機1
1によって、オゾン接触池7の排オゾン8を取り込ん
で、水分、有機物質などを除去した後、オゾン接触池7
の原水6中に戻し、原水6を再度、オゾン処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水場などに配置
され、処理対象となっている原水にオゾンを注入して、
原水を浄化する水処理システムに係わり、特にオゾンの
利用効率を向上させて、効率良く原水を処理するオゾン
による水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】《オゾン処理の必要性》今日、水処理プ
ロセスに求められる機能が徐々に変化し、単に飲める水
からおいしい水へ、更には安全な水へと、順次、質の高
い水を求める動きが高まり、これに伴い、既存の水処理
プロセスについても、そのあり方や操作方法が見直され
つつある。
【0003】中でも飲料水を製造する際に使用される塩
素処理は、病原性細菌群の消毒に必須なものとされてき
たが、その酸化力ゆえに、天然水を塩素処理しても、ト
リハロメタン、全有機塩素化合物など、BHCやDD
T、PCBなどの毒性や蓄積性などから、かなりの毒
性、蓄積性などが類推される各種の有機塩素化合物を発
生させるという懸念があり、これらを少しでも低減する
高度処理方法として、オゾン処理が見直されている。
【0004】さらに、近年、水源の汚濁による富栄養化
の進行に伴って、水道水の味に関する問題、カビ臭など
の異臭に関する問題が全国的に発生し、安全でおいしい
水を指向する需要者のニーズを受けた各水道事業体で
は、その対策に苦慮しているところである。
【0005】現在、カビ臭の原因物質として、2−メチ
ルイソボルネオールおよびジオスミンが知られ、さらに
ある種の藍藻類が発臭に関与していることがわかってき
た。カビ臭は、おおむね水温が上昇する4月頃から夏季
を中心として発生し、通常の浄水処理である急速ろ過シ
ステムだけで、これを除臭できないため、原水に粉末活
性炭を添加して、カビ臭の原因物質を吸着処理し、除臭
している。
【0006】しかし、このような粉末活性炭だけでは、
除臭対策として限界があり、臭気が強いときには、これ
を完全に除臭できない。また、カビ臭以外の藻臭やその
他の臭気が強いときには、年間を通じて粉末活性炭を注
入しなければならないなどの不都合が生じ、臭気除去に
対する抜本的対策が必要となってきた。そこで、異臭味
除去方法等に対する種々の検討を行う中、オゾン処理シ
ステムの導入が注目され始めている。
【0007】このオゾン処理システムでは、これまで行
われてきた浄水処理である凝集・沈澱・急速ろ過処理
で、対処できなかったカビ臭にはもちろん、特に微量有
機物に対してオゾンは強力な分解除去効果を発揮する
が、新しいオゾンの機能として、有機物の生分解性の増
大、ほかの酸化剤との併用による酸化力の増大(複合酸
化)、凝集性向上といった、複合処理時の相乗効果に対
する効果も高まっている。
【0008】《オゾンの歴史》ところで、オゾンを水処
理に適用しようという試みは、1886年頃フランスに
始まるとされ、その後1906年には、ニースのBon
Voyageの1.9万t/日の浄水場で実用化され
ている。1916年には、世界中で、オゾン利用の浄水
場の数が49ヶ所(その内29ヶ所がフランスにあっ
た)になり、さらに1940年には、オゾン利用の浄水
場の数が119ヶ所になり、Riceの報告によれば、
1977年頃、1,000ヶ所程度に達したとされてい
る。
【0009】わが国での浄水操作への適用は昭和7年頃
に始まったといわれるが、オゾン利用の興味が一般化し
たのは昭和30年代中頃で、その後、昭和40年代の中
頃には関西を中心に飲料水の臭い水問題が発生し、その
解決策を検討する際に処理法の一つとして取り上げら
れ、パイロットプラント規模の実験を通して検討された
のが第一次頂点である。
【0010】《オゾン処理の一例》現在、オゾンを利用
した代表的な浄水場の処理フローとしては、オゾン+凝
集・沈澱+急速ろ過のような「前オゾン処理」、凝集・
沈澱+オゾン+急速ろ過または、凝集・沈澱+急速ろ過
+オゾン+粒状活性炭のような「中オゾン処理」、凝集
・沈澱・ろ過+オゾン(+粒状活性炭)のような「後オ
ゾン処理」、中オゾン処理と後オゾン処理の併用など、
処理原水の特性、除去対象物質等を考慮して処理方法の
選択がなされている。
【0011】一般的なオゾン処理設備の構成は、原料ガ
ス前処理装置、オゾン発生機、オゾン接触池、排オゾン
処理装置、制御装置等からなっている。
【0012】オゾンの大量発生には、通常、無声放電法
が使用される。原料ガス前処理装置で処理された原料ガ
スをオゾン発生機へ通し、交流電圧(7〜20kv)を
印加して放電を行い、オゾンを発生させる。その際、必
要な電力は、オゾン1kgあたり約20kWh、前処理
装置、接触池等を含め、30〜35kWhになる。ま
た、放電により熱を発生するため、オゾン発生機には冷
却設備も必要となる。
【0013】さらに、オゾン接触池では、原水中に注入
したオゾンの一部が、原水に吸収されずに、大気中に排
出されるため、大気汚染防止上、これを処理しなければ
ならない。オゾンは比較的、水に溶けにくく、水中にお
いてはヘンリーの法則に従う。すなわち、吹き込まれた
オゾンは反応物質により消費されるオゾン、水中に残留
するオゾンおよび未反応のまま大気中に放出されるオゾ
ンに分けることができる。ヘンリーの法則によれば、水
中にとけ込むオゾンはその分圧に比例するので、吹き込
みオゾン濃度やオゾン注入率に応じた、ある吸収率の値
を示し、残りが排オゾンとして大気中に放出されること
になる。大気中のオゾンは水中に比べて分解しにくく、
オキシダントとして存在し、光化学スモッグ等の原因に
なるので、適当な装置により許容値以下に処理する必要
がある。この値は労働基準法により、光化学オキシダン
トの1時間平均値を準用して0.06ppmとしてい
る。
【0014】前述のようにオゾンの気液接触において
は、排オゾンの排出はさけられないので、この処理のた
め各種の単位操作が考えられる。具体的には、熱分解
法、触媒分解法、活性炭吸着法等があげられる。
【0015】熱分解法による処理は、常温の大気中では
オゾンの分解速度が遅いものの、熱を加えることにより
極めて短時間に分解し、酸素に還元されるという特徴を
利用した方法である。オゾンの熱分解に及ぼす因子は加
熱温度、加熱時間、入り口オゾン濃度等であり、同一入
り口オゾン濃度に対して加熱温度が高いほど、除去率が
高く、また風量が少ない、すなわち滞留時間が長いほど
除去率が高くなる。さらに、加熱温度および滞留時間に
関して、入り口オゾン濃度が大きくなるにつれて、出口
オゾン濃度も大きくなる。加熱温度を高くした場合は、
入り口オゾン濃度に関係なく出口オゾン濃度を一定にす
ることができる。以上のような特性から加熱温度400
〜500℃、加熱時間1sec、入り口オゾン濃度1.
2〜2g/m3程度で考えたとき、ほぼ100%除去で
きると考えられている。しかし、このような処理を行う
ためには、多大なエネルギー消費がともない、通常この
ために灯油を使用することから消防法による規制を受
け、また周囲に対する防火上の配慮が必要で、具体的な
燃料消費量は30〜50L/hとなる。
【0016】次に、触媒分解法は、触媒として金属酸化
物を用いて気相中のオゾンの自己分解を促進させる方法
である。金属酸化物としては、VIII属金属やマンガン酸
化物が知られているが低温度で使用したとき、または反
応が進んだときに効力の低下を生じるという性質があ
る。また、排オゾン中に含まれる水蒸気が触媒毒として
作用するために、オゾン分解効率を低下させることがあ
る。オゾンの分解効率は温度が高いほど向上し、パラジ
ウム系、白金系、マンガン系の順に優れている。実装置
においてはこれらの金属酸化物の中でニッケルおよびマ
ンガンの酸化物の採用が考えられるが、ニッケルは高価
であり高温での使用が条件となるが、空気中の炭酸ガス
により次第に効力が低下する。また、マンガンは空気中
の成分による効力の低下はないが加熱して使用する必要
がある。触媒によるオゾン分解では、低温においてはオ
ゾン除去率は入り口濃度および温度の影響を受けるが、
ある温度以上では入り口濃度に関わらず温度により一定
となる。また、低温の場合は滞留時間が長いほど除去率
は大きくなるが、温度が高くなると滞留時間の影響がな
くなる。このように高温における処理が必要なことか
ら、前述の熱分解法のように高エネルギー消費が伴う処
理となる。
【0017】さらに、活性炭吸着法はオゾンに限らず、
ガス中の成分を吸着することで良く知られている。無数
の細孔による物理吸着によるものといわれているが、オ
ゾン吸着に関しては、その実験現象によれば単なる物理
吸着のみでなく、化学反応を併用していると考えたほう
が理解しやすい。つまり、活性炭層において、オゾンは
3C+3O3→2CO2+CO+O2なる分解反応による
部分が大きい。活性炭処理は装置が簡単であり維持管理
が容易である。ただし、高濃度のオゾンを連続して通す
と、前述の反応式によるオゾンの分解により活性炭の温
度が上昇し、またオゾンとともに存在する窒素酸化物が
長時間蓄積されることにより、爆発にいたる危険性もあ
る。また、活性炭はオゾンと接触することにより炭酸ガ
スとなって消費され、さらに吸着により飽和に達すると
その効力が失われるので、活性炭の再生および薪炭補充
が必要となる。活性炭処理が高オゾン処理に不向きなこ
とから単独で使用されることは少なく、前述の熱分解
法、および触媒分解法のバックアップ処理として併用さ
れる例が多い。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、オゾン
を使用した水処理システムを導入することは、大量の電
力消費につながることが必須であり、これにより近年、
問題視されている二酸化炭素問題にも大きな影響を与え
ることになることは容易に推測される。特に、オゾン発
生機の大容量化が図られることにより、オゾンは人体に
悪影響を及ぼすというのは紛れもない事実である以上、
排オゾン処理への関心は非常に大きなものとなることも
必須であろう。そのために確実な排オゾン処理が導入さ
れるべきであるが、前述したように排オゾン処理に伴う
電力消費は無視できないことである。また、これに伴う
二酸化炭素の発生を考えてみよう。現在もっとも確実な
排オゾン処理される熱分解法では30〜50L/hの灯
油を消費するといわれている(前述参照)。これにより
得られる熱量は360,000kcal/hとすると、
この際に発生する二酸化炭素量は約30kg/hとな
る。一方、オゾン発生に伴う電力消費は30〜35kW
hといわれているが、これにより発生する二酸化炭素量
は約60kgと計算される(二酸化炭素発生量について
は「平成9年度環境白書」参照)。
【0019】以上のことから、今後のオゾン処理施設に
おいて、電力消費量を少しでも低減すること、そして環
境にやさしい処理システムであることが必須課題である
ことは明確であると考えざるを得ない。
【0020】本発明は上記の事情に鑑み、請求項1で
は、オゾン接触池の原水中から気中に排出された排オゾ
ン中の水分を除去して、オゾン接触池の原水中に戻すこ
とができ、これによってオゾンの再利用を促進して、原
水中のオゾン濃度を一定に制御することができるオゾン
による水処理システムを提供することを目的としてい
る。
【0021】請求項2では、多大なエネルギーを使用す
ることなく、オゾン接触池から余分な排オゾンを除去し
て、大気中に排オゾンがでないようにしながら、オゾン
接触池の原水中から気中に排出された排オゾン中の水分
を除去して、オゾン接触池の原水中に戻すことができ、
これによってオゾンの再利用を促進して、原水中のオゾ
ン濃度を一定に制御することができるとともに、オゾン
発生、オゾン分解に要する電力量を大幅に減少させ、消
費電力のみなず、発電時に発生する二酸化炭素を大幅に
低減させることができるオゾンによる水処理システムを
提供することを目的としている。
【0022】請求項3では、エネルギーをほとんど使用
することなく、オゾン接触池の原水中から気中に排出さ
れた排オゾン中の水分を効率的に除去して、オゾン接触
池の原水中に戻すことができ、これによってオゾンの再
利用を促進して、原水中のオゾン濃度を一定に制御する
ことができるとともに、オゾン発生、オゾン分解に要す
る電力量を大幅に減少させ、消費電力のみなず、発電時
に発生する二酸化炭素を大幅に低減させることができる
オゾンによる水処理システムを提供することを目的とし
ている。
【0023】請求項4では、エネルギーをほとんど使用
することなく、オゾン接触池の原水中から気中に排出さ
れた排オゾン中の水分を効率的に除去して、オゾン接触
池の原水中に戻すことができ、これによってオゾンの再
利用を促進して、原水中のオゾン濃度を一定に制御し
て、原水の処理時間を低減させることができるととも
に、オゾン発生、オゾン分解に要する電力量を大幅に減
少させ、消費電力のみなず、発電時に発生する二酸化炭
素を大幅に低減させることができるオゾンによる水処理
システムを提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、請求項1では、オゾンを発生するととも
に、発生したオゾンをオゾン接触池に貯留されている原
水中に注入するオゾン発生装置と、前記オゾン接触池の
原水中に溶け込まずに気中に排出された排オゾンを取り
込むとともに、膜ドライヤによって前記排オゾン中に含
まれている水分を除去して再生オゾンを生成し、これを
前記オゾン接触池の前記原水に注入する排オゾン再生装
置とを備えたことを特徴としている。
【0025】請求項2では、請求項1に記載のオゾンに
よる水処理システムにおいて、前記オゾン接触池内にあ
る原水から気中に放出される排オゾンのうち、前記排オ
ゾン再生機で再生されない分の排オゾンを取り込み、活
性炭に吸着させる排ガス処理塔を備えたことを特徴とし
ている。
【0026】請求項3では、請求項1、2のいずれかに
記載のオゾンによる水処理システムにおいて、前記膜ド
ライヤは、再生セルロース、PMMA(ポリメチルメタ
クリレート)、PVA(ポリビニルアルコール)、PA
N(ポリアクリロニトリル)、itPP(ポリプロピレ
ン)、PE(ポリエチレン)のいずれかの材料を用いた
中空糸膜を有することを特徴としている。
【0027】請求項4では、請求項1、2、3のいずれ
かに記載のオゾンによる水処理システムにおいて、前記
膜ドライヤは、再生セルロース、PMMA(ポリメチル
メタクリレート)、PVA(ポリビニルアルコール)、
PAN(ポリアクリロニトリル)、itPP(ポリプロ
ピレン)、PE(ポリエチレン)のいずれかの材料に親
水性を持たせた中空糸膜を有することを特徴としてい
る。
【0028】上記の構成により、請求項1では、オゾン
発生装置によって、オゾンを発生し、これをオゾン接触
池に貯留されている原水中に注入するとともに、排オゾ
ン再生装置によって、オゾン接触池の原水中に溶け込ま
ずに気中に排出された排オゾンを取り込むとともに、膜
ドライヤによって排オゾン中に含まれている水分を除去
して再生オゾンを生成し、これをオゾン接触池の原水に
注入する。これにより、オゾン接触池の原水中から気中
に排出された排オゾン中の水分を除去して、オゾン接触
池の原水中に戻し、オゾンの再利用を促進して原水中の
オゾン濃度を一定に制御する。
【0029】請求項2では、排ガス処理塔によって、オ
ゾン接触池内にある原水から気中に放出される排オゾン
のうち、排オゾン再生機で再生されない分の排オゾンを
取り込み、排ガス処理塔にセットされた活性炭に吸着さ
せる。これにより、多大なエネルギーを使用することな
く、オゾン接触池から余分な排オゾンを除去して、大気
中に排オゾンがでないようにしながら、オゾン接触池の
原水中から気中に排出された排オゾン中の水分を除去し
て、オゾン接触池の原水中に戻し、オゾンの再利用を促
進して原水中のオゾン濃度を一定に制御するとともに、
オゾン発生、オゾン分解に要する電力量を大幅に減少さ
せ、消費電力のみなず、発電時に発生する二酸化炭素を
大幅に低減させる。
【0030】請求項3では、膜ドライヤとして、再生セ
ルロース、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、P
VA(ポリビニルアルコール)、PAN(ポリアクリロ
ニトリル)、itPP(ポリプロピレン)、PE(ポリ
エチレン)のいずれかの材料を用いた中空糸膜を使用す
る。これにより、エネルギーをほとんど使用することな
く、オゾン接触池の原水中から気中に排出された排オゾ
ン中の水分を効率的に除去して、オゾン接触池の原水中
に戻し、オゾンの再利用を促進して原水中のオゾン濃度
を一定に制御するとともに、オゾン発生、オゾン分解に
要する電力量を大幅に減少させ、消費電力のみなず、発
電時に発生する二酸化炭素を大幅に低減させる。
【0031】請求項4では、請求項1、2、3のいずれ
かに記載のオゾンによる水処理システムにおいて、膜ド
ライヤとして、再生セルロース、PMMA(ポリメチル
メタクリレート)、PVA(ポリビニルアルコール)、
PAN(ポリアクリロニトリル)、itPP(ポリプロ
ピレン)、PE(ポリエチレン)のいずれかの材料に親
水性を持たせた中空糸膜を使用する。これにより、エネ
ルギーをほとんど使用することなく、オゾン接触池の原
水中から気中に排出された排オゾン中の水分を効率的に
除去して、オゾン接触池の原水中に戻し、オゾンの再利
用を促進して原水中のオゾン濃度を一定に制御し、原水
の処理時間を低減させるとともに、オゾン発生、オゾン
分解に要する電力量を大幅に減少させ、消費電力のみな
ず、発電時に発生する二酸化炭素を大幅に低減させる。
【0032】
【発明の実施の形態】《発明の基本原理》まず、本発明
による水処理システムの具体的な説明に先だって、本発
明による水処理システムの基本原理について説明する。
【0033】まず、本発明者らは、今後の浄水処理シス
テムとして、オゾンを使用した水処理が益々導入される
と考えた。そして、このようなオゾン処理では、環境問
題をも配慮したものにしなければならないことから、
「排オゾン処理」をもっとも重視した。オゾン接触池か
ら排出される排オゾンを処理しなければならないことは
前述した通りである。しかしながら、このためのエネル
ギー消費や、二酸化炭素発生問題についても、決して無
視できない。
【0034】そこで、本発明者らは、これまで処理して
きた排オゾンを回収し、もう一度、オゾン接触池に吹き
込む「排オゾンのリサイクル」に注目した。これによ
り、排オゾン処理のためのエネルギーが低減され、さら
にオゾン接触池におけるオゾン反応の効率が増すと予想
される。この場合、特に考えなくてはならないのは、排
オゾンリサイクル設備費および運転費と、吸収効率向上
による排ガス処理設備との経済比較である。さらに、排
オゾンを回収し、そのままオゾン接触池に吹き込んで
も、十分な効果が得られない。それは、排オゾンには、
水分が飽和状態で含まれているたため、オゾン接触池で
十分な反応が起こらないからである。これまでも、排オ
ゾンリサイクルについて検討がいくつかなされてきたに
も関わらず、十分な効果が得られていないのは、この点
にあったといえる。
【0035】しかしながら、排オゾン中の水分除去を行
なう装置として、煩雑な装置を導入することは、リサイ
クル設備費の高騰につながるとともに、その処理によ
り、オゾンが還元反応を起こしてしまうこともあること
から、オゾンのリサイクルを行なう場合、処理機構が簡
素で、設備導入における費用、運転費用が安価であるこ
とが重要である。
【0036】このような観点から、本発明者らは、簡単
な操作で、かつ運転費用も安価な排オゾン再生方法とし
て、膜ドライヤを導入する方法を考案した。この場合、
膜ドライヤとしては、再生セルロース、PMMA(ポリ
メチルメタクリレート)、PVA(ポリビニルアルコー
ル)、PAN(ポリアクリロニトリル)、itPP(ポ
リプロピレン)、PE(ポリエチレン)などの材料を使
用した中空糸膜が用いられる。そして、膜ドライヤに導
入された排オゾンは、中空糸膜を構成するマカロニのよ
うな中空型の繊維の中を通過することにより、水分だけ
が除去される。
【0037】このとき、中空糸膜の材質により、紡糸法
が異なるため、繊維の分子配向に高低の差が生じる。水
分除去に中空糸膜を用いる場合、強度的に満足であれ
ば、分子配向は低い方が良い。このため、前述の材質の
中でも、PAN、再生セルロースのように、湿式紡糸法
による繊維が特に望ましい。
【0038】また、水分除去の効率を上げるため、吸水
性の良い加工も効果的である。PANのようなアクリル
繊維では、親水ポリマを添加して紡糸した後、溶剤によ
って溶かして、微細多孔化したものがあり、非常に効果
的である。
【0039】このように、本発明による水処理システム
では、以上のような性質を有した中空糸膜を膜ドライヤ
として排オゾン再生機に組み込み、排オゾンを膜ドライ
ヤに通して、排オゾン中の水分や有機物質だけを除去
し、これによってオゾンには何んら影響を与えることな
く、オゾン接触池に排オゾンを吹き込む。
【0040】この結果、処理機構を簡素化し、設備導入
における費用を安価にするとともに、オゾン中の水分を
除去して、オゾンの再利用を促進し、さらに原水中のオ
ゾン濃度を一定に制御するとともに、オゾン発生、オゾ
ン分解に要する電力量を大幅に減少させ、消費電力のみ
なず、発電時に発生する二酸化炭素を大幅に低減させ
る。
【0041】《発明の実施の形態》図1は本発明による
水処理システムの実施の形態を示すブロック図である。
【0042】この図に示す水処理システム1は、冷却水
を製造する冷却装置2と、空気を取り込む空気源ブロワ
3と、冷却装置2から供給される冷却水を使用して、空
気源ブロワ3から送り出される空気を乾燥させる空気乾
燥装置4と、冷却装置2から供給される冷却水を使用し
て装置各部を冷却しながら、空気乾燥装置4から排出さ
れる空気を無声放電させて、オゾンを発生するオゾン発
生装置5と、処理対象となる原水6を取り込んで貯留し
ながら、オゾン発生装置5から排出されるオゾンを原水
6中に吹き込むオゾン接触池7と、このオゾン接触池7
から排出される排オゾン8を処理して無害化する排ガス
処理塔9と、膜ドライヤ10を有し、オゾン接触池7か
ら排オゾン8を吸い込むとともに、この排オゾン8中に
含まれている水分、有機物質などを除去して再生オゾン
を生成する排オゾン再生機11と、この排オゾン再生機
11に負圧を与えて、オゾン接触池7から排オゾン8を
吸い出させるとともに、この排オゾン再生機11から排
出される再生オゾンをオゾン接触池7の原水6中に戻す
排オゾンリサイクルブロワ12とを備えている。
【0043】そして、オゾン接触池7に処理対象となる
原水6を導くとともに、冷却装置2、空気源ブロワ3、
空気乾燥装置4、オゾン発生装置5によって、周囲の空
気を取り込んで、オゾンを生成し、このオゾンをオゾン
接触池7内の原水6に吹き込んで、原水6をオゾン処理
しながら、排オゾンリサイクルプロワ12、排オゾン再
生機11によって、オゾン接触池7の排オゾン8を取り
込んで、水分、有機物質などを除去した後、オゾン接触
池7の原水6中に戻し、原水6を再度、オゾン処理する
とともに、排ガス処理塔9によって、オゾン接触池7内
の余分な排オゾン8を分解処理する。
【0044】空気源ブロワ3は、1.2Kg/cm2×
110KWで、1500Nm3/hの空気を送り出す能
力を持つブロワ、例えばエバラ社製のロータリーブロワ
「200×150HERBR」などによって構成されて
おり、周囲にある空気を取り込んで、これを空気乾燥装
置4に供給する。
【0045】また、冷却装置2は、コンプレッサによっ
て冷媒ガスを圧縮し、これによって得られた冷熱によっ
て、冷却水を冷却する通常の冷却装置などによって構成
されており、空気乾燥装置4から供給される冷却水を冷
却して、これを空気乾燥装置4に戻すとともに、オゾン
発生装置5から供給される冷却水を冷却して、これをオ
ゾン発生装置5に戻す。
【0046】また、空気乾燥装置4は、冷却装置2から
供給される冷却水を利用して、空気源ブロア3から供給
される空気を冷却し、この空気中に含まれる水分を除去
するとともに、8hr毎に再加熱を繰り返す全自動加熱
再生2塔型の空気乾燥機によって構成されており、8h
r毎に再加熱を繰り返しながら、冷却装置2から供給さ
れる冷却水によって、空気源ブロア3から供給される空
気を冷却して、水分を除去し、これによって露点が“−
60℃”になるまで乾燥させた空気(乾燥空気)を生成
し、これをオゾン発生装置5に供給する。
【0047】オゾン発生装置5は、10000V〜20
000Vの印加電圧、65kW〜180kWの消費電
力、46m3/h(但し、冷却水温度20℃のとき)の
冷却水量を使用しながら、無声放電を行なって、風量が
730Nm3/hとなる、9kgO3/h〜13.5kg
3/hのオゾンを発生させるオゾン発生機を備えてお
り、冷却装置2から供給される冷却水を利用して、装置
各部を冷却しながら、空気乾燥装置4から供給される乾
燥空気を無声放電させ、これによって得られたオゾンを
オゾン接触池7に供給する。
【0048】オゾン接触池7は、その内部がオゾン接触
槽13とオゾン反応槽14とに分離され、容量が100
0m3になるように形成された池を備えており、入水路
を介して、処理対象となる原水6を取り込んで、オゾン
接触槽13に導きながら、オゾン発生装置5から供給さ
れるオゾンをオゾン接触槽13内の原水6中に吹き込ん
で、オゾンを溶存させるとともに、オゾン接触槽13内
の原水6をオゾン反応槽14に導いて20min〜30
minの間、滞留させた後、滞留済みの原水6をオゾン
処理済みの水として、出水路から排出する。
【0049】また、排オゾン再生機11は、再生セルロ
ース、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PVA
(ポリビニルアルコール)、PAN(ポリアクリロニト
リル)、itPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチ
レン)などによって構成された中空糸膜を有する膜ドラ
イヤ10を備えており、排オゾンリサイクルブロワ12
の吸引力によって、オゾン接触槽13内の原水6中に溶
存せず、気中に放出されたオゾン(排オゾン8)を吸引
するとともに、この排オゾン8中に含まれている水分、
有機物質などを除去して、再生オゾンを生成し、これを
排オゾンサイクルブロワ12に供給する。
【0050】排オゾンリサイクルブロワ12は、0.6
Kg/cm2・G×110KWで、1500Nm3/hの
排オゾンを送り出す能力を持つブロワ、例えばエバラ社
製のロータリーリーブ「200ERBEHR」などによ
って構成されており、排オゾン再生機11に吸引力(負
圧)を与えて、この排オゾン再生機11から排出される
水分、有機物質などが除去された再生オゾンを取り込
み、これをオゾン反応槽14内にある原水6中に吹き込
む。
【0051】これにより、オゾン反応槽14内で、原水
6とオゾンとが反応して溶存しているオゾンが不足し、
反応効率が低下していても、原水6中に再生オゾンが吹
き込まれて、原水6中のオゾン濃度が再度、高められ、
これによって反応効率が再度、高められる。
【0052】また、排ガス処理塔9は、オゾン反応槽1
4内にある空気(排オゾン8を含む空気)を吸引する排
ガスファンと、この排ガスファンによって吸引された空
気中の排オゾン8を吸着する活性炭とを備えており、オ
ゾン反応槽14から排オゾン8を含む空気を吸引しなが
ら、この空気中に含まれている排オゾン8を吸着して、
オゾンを含まない空気を大気中に排出する。
【0053】この際、排ガスファンによって吸引される
空気中に含まれる排オゾン8の量が微量であることか
ら、活性炭だけで、吸引した空気中に含まれる排オゾン
8をほぼ完全に吸着して、大気中にオゾンを含まない空
気のみを排出する。これによって、従来のような熱分解
法、触媒分解処理法などを使用してオゾンを分解する場
合などに比べて、消費エネルギーを大幅に低減しなが
ら、大気中にオゾンを含まない空気のみを放出する。
【0054】《発明の実施例》次に、上述した水処理シ
ステム1を稼動させて、原水6を実際に処理したときの
一例について説明する。
【0055】<排オゾン再生機11を使用しない場合>
まず、処理対象となる原水6として、COD濃度が30
mg/L、色度が100の原水6をオゾン接触池7のオ
ゾン接触槽13に導入しながら、空気源ブロワ3、冷却
装置2、空気乾燥装置4、オゾン発生装置5を動作させ
て、13.5kgO3/hの発生速度で、オゾン濃度が
20g/Nm3のオゾンを生成させ、これをオゾン接触
槽13内にある原水6中に吹き込んだとき、図2の折れ
線15に示すように、時間の経過とともに、オゾン反応
槽14内にある原水6の色度が低下し、また図3の折れ
線16に示すように、時間の経過とともに、オゾン反応
槽14内にある原水のCODが低下した。
【0056】<膜ドライヤ10として、PANを用いた
中空糸膜を使用した場合>また、排オゾン再生機10の
効果を確認するために、膜ドライヤ10として、PAN
によって構成される中空糸膜を使用し、次に述べる手順
で、原水6の処理を行なった。
【0057】まず、処理対象となる原水6として、CO
D濃度が30mg/L、色度が100の原水6をオゾン
接触池7のオゾン接触槽13に導入し、さらに空気源ブ
ロワ3、冷却装置2、空気乾燥装置4、オゾン発生装置
5を動作させて、13.5kgO3/hの発生速度で、
オゾン濃度が20g/Nm3のオゾンを生成させ、これ
をオゾン接触槽13内にある原水6中に吹き込みなが
ら、排オゾンリサイクルブロワ12を動作させて、オゾ
ン接触槽13内にある排オゾン(原水6中から気中に排
出されたオゾンを含む空気)8を吸引させるとともに、
排オゾン再生機11内に設けられた膜ドライヤ10によ
って、排オゾン8中に含まれる水分、有機物質などを除
去させて、再生オゾンを生成させ、これをオゾン接触池
7のオゾン反応槽14内にある原水6中に吹き込んだ。
【0058】このとき、オゾン接触槽13から吸引され
る排オゾン8中に96%飽和状態の水分が含まれていた
が、膜ドライヤ10を通過させることにより、排オゾン
8中の水分を3%飽和状態まで低減させることができ、
これによって再生オゾンを原水中に効率良く溶け込ませ
て、図2の折れ線17に示すように、オゾン反応槽14
内にある原水6の色度を早期に低下させ、また図3の折
れ線18に示すように、オゾン反応槽14内にある原水
6のCODを早期に低下させることができた。
【0059】これらの折れ線15、17を比較し、さら
に各折れ線16、18を比較すれば明らかなように、排
オゾン再生機11によって、オゾン接触槽13から排オ
ゾン8を吸引して、この排オゾン8に含まれている水
分、有機物質を除去して、再生オゾンにした後、オゾン
反応槽14に注入したとき、オゾン反応槽14内におけ
る原水6の滞留時間を大幅に短縮することができた。
【0060】また、排オゾン再生機10によって、オゾ
ン接触池7の気中に放出されるオゾンを再利用している
ので、排ガス処理塔9に導入される排オゾン8の入口濃
度を1.0g/Nm3にすることができるとともに、排
ガス処理塔9内に設けられた活性炭を通過させた排オゾ
ンの出口濃度を0.05g/Nm3にすることができ、
これによって労働環境基準である0.1g/Nm3をク
リアしていることを確認した。
【0061】さらに、排オゾン再生機11を使用しない
場合、排ガス処理塔9で処理する排オゾン8が高濃度で
あり、活性炭処理だけでは排オゾン8を完全に無害化す
ることができず、熱分解処理などを併用しなければなら
ないことから、30〜50L/hの灯油を消費し、36
0,000kcal/hの熱量を発生させ、これに対応
して約30kg/hの二酸化炭素を発生させてしまう
が、この実施の形態のように、排オゾン再生機11を使
用すれば、排オゾン処理に要するエネルギーを大幅に削
減し、その分だけ、二酸化炭素の発生量を低減させるこ
とができる。
【0062】<膜ドライヤ10として、親水性中空糸膜
を使用した場合>次に、膜ドライヤ10の材質による差
異を確認するために、排オゾン再生機11の膜ドライヤ
10として、PANに親水ポリマを添加した親水性中空
糸膜を使用し、次に述べる手順で、原水6の処理を行な
った。
【0063】まず、処理対象となる原水6として、CO
D濃度が30mg/L、色度が100の原水6をオゾン
接触池7のオゾン接触槽13に導入し、さらに空気源ブ
ロワ3、冷却装置2、空気乾燥装置4、オゾン発生装置
5を動作させて、13.5kgO3/hの発生速度で、
オゾン濃度が20g/Nm3のオゾンを生成させ、これ
をオゾン接触槽13内にある原水6中に吹き込みなが
ら、排オゾンリサイクルブロワ12を動作させて、オゾ
ン接触槽13内にある排オゾン8を吸引させるととも
に、排オゾン再生機11内に設けられた膜ドライヤ10
によって、排オゾン8中に含まれる水分、有機物質など
を除去させて、再生オゾンを生成させ、これをオゾン接
触池7のオゾン反応槽14内にある原水6中に吹き込ん
だ。
【0064】このとき、オゾン接触槽13から吸引され
る排オゾン8中に96%飽和状態の水分が含まれていた
が、膜ドライヤ10を通過させることにより、排オゾン
8中の水分を3%飽和状態以下まで低減させることがで
き、これによって再生オゾンを原水6中に効率良く溶け
込ませて、図4の折れ線21に示すように、オゾン反応
槽14内にある原水6の色度を早期に低下させ、また図
5の折れ線22に示すように、オゾン反応槽14内にあ
る原水6のCODを早期に低下させることができた。
【0065】PANのみによる膜ドライヤ10を使用し
たときの折れ線19、20と、PANに親水ポリマを添
加した膜ドライヤ10を使用したときの折れ線21、2
2とを各々、比較すれば明らかなように、排オゾン再生
機11の膜ドライヤ10として、親水性中空糸膜を使用
したとき、PANのみを使用した場合に比べ、オゾン接
触槽13から吸引した排オゾン8に含まれている水分、
有機物質をさらに除去させて、オゾン反応槽14内にお
ける原水6の滞留時間をさらに短縮することができた。
【0066】また、排オゾン再生機11によって、オゾ
ン接触池7の気中に放出されるオゾンを再利用している
ので、排ガス処理塔9に導入される排オゾン8の入口濃
度を1.0g/Nm3にすることができるとともに、排
ガス処理塔9内に設けられた活性炭を通過させた排オゾ
ンの出口濃度を0.05g/Nm3にすることができ、
これによって労働環境基準である0.1g/Nm3をク
リアしていることを確認した。
【0067】さらに、排オゾン再生機11を使用しない
場合、排ガス処理塔9で処理する排オゾン8が高濃度で
あり、活性炭処理だけでは排オゾン8を完全に無害化す
ることができず、熱分解処理などを併用しなければなら
ないことから、30〜50L/hの灯油を消費し、36
0,000kcal/hの熱量を発生させ、これに対応
して約30kg/hの二酸化炭素を発生させてしまう
が、この実施の形態のように、排オゾン再生機11を使
用すれば、排オゾン処理に要するエネルギーを大幅に削
減し、その分だけ、二酸化炭素の発生量を低減させるこ
とができる。
【0068】《実施の形態の効果》このように、この実
施の形態では、オゾン接触池7に処理対象となる原水6
を導くとともに、冷却装置2、空気源ブロワ3、空気乾
燥装置4、オゾン発生装置5によって、周囲の空気を取
り込んで、オゾンを生成し、このオゾンをオゾン接触池
7内の原水6に吹き込んで、原水6をオゾン処理しなが
ら、排オゾンリサイクルプロワ12、排オゾン再生機1
1によって、オゾン接触池7の排オゾン8を取り込ん
で、水分、有機物質などを除去した後、オゾン接触池7
の原水6中に戻し、原水6を再度、オゾン処理するよう
にしているので、オゾン接触池7の原水6中から気中に
排出された排オゾン8中の水分を除去して、オゾン接触
池7の原水6中に戻すことができ、これによってオゾン
の再利用を促進して、原水6中のオゾン濃度を一定に制
御することができる(請求項1の効果)。
【0069】また、この実施の形態では、排オゾンリサ
イクルプロワ12、排オゾン再生機11によって、オゾ
ン接触池7の排オゾン8を取り込んで、水分、有機物質
などを除去した後、オゾン接触池7の原水6中に戻し、
原水6を再度、オゾン処理して、オゾン接触池7内の排
オゾン8の濃度を小さくしながら、排ガス処理塔9の活
性炭によって、オゾン接触池7内の余分な排オゾン8を
分解処理するようにしているので、多大なエネルギーを
使用することなく、オゾン接触池7から余分な排オゾン
8を除去して、大気中に排オゾン8がでないようにする
ことができ、これによってオゾン発生、オゾン分解に要
する電力量を大幅に減少させ、消費電力のみなず、発電
時に発生する二酸化炭素を大幅に低減させることができ
る(請求項2の効果)。
【0070】また、この実施の形態では、排オゾン再生
機11内に配置する膜ドライヤ10として、再生セルロ
ース、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PVA
(ポリビニルアルコール)、PAN(ポリアクリロニト
リル)、itPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチ
レン)などによって構成された中空糸膜を使用するよう
にしているので、エネルギーをほとんど使用することな
く、オゾン接触池7の排オゾン8中の水分のみを効率的
に除去して、オゾン反応槽14の原水6中に戻すことが
でき、これによってオゾンの再利用を促進して、原水6
中のオゾン濃度を一定に制御することができるととも
に、オゾン発生、オゾン分解に要する電力量を大幅に減
少させ、消費電力のみなず、発電時に発生する二酸化炭
素を大幅に低減させることができる(請求項3の効
果)。
【0071】さらに、この実施の形態では、排オゾン再
生機11内に配置する膜ドライヤ10として、再生セル
ロース、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PV
A(ポリビニルアルコール)、PAN(ポリアクリロニ
トリル)、itPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエ
チレン)などの材料に親水ポリマを添加した中空糸膜を
使用したとき、オゾン接触槽13内の排オゾン8中に含
まれている水分をさらに効率良く除去することができ、
これによってオゾン反応槽14内に原水6を滞留させて
いる時間を短くすることができるとともに、エネルギー
の使用量、二酸化炭素の発生量などをさらに低減させる
ことができる(請求項4の効果)。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項1のオゾンによる水処理システムでは、オゾン接触
池の原水中から気中に排出された排オゾン中の水分を除
去して、オゾン接触池の原水中に戻すことができ、これ
によってオゾンの再利用を促進して、原水中のオゾン濃
度を一定に制御することができる。
【0073】請求項2のオゾンによる水処理システムで
は、多大なエネルギーを使用することなく、オゾン接触
池から余分な排オゾンを除去して、大気中に排オゾンが
でないようにしながら、オゾン接触池の原水中から気中
に排出された排オゾン中の水分を除去して、オゾン接触
池の原水中に戻すことができ、これによってオゾンの再
利用を促進して、原水中のオゾン濃度を一定に制御する
ことができるとともに、オゾン発生、オゾン分解に要す
る電力量を大幅に減少させ、消費電力のみなず、発電時
に発生する二酸化炭素を大幅に低減させることができ
る。
【0074】請求項3のオゾンによる水処理システムで
は、エネルギーをほとんど使用することなく、オゾン接
触池の原水中から気中に排出された排オゾン中の水分を
効率的に除去して、オゾン接触池の原水中に戻すことが
でき、これによってオゾンの再利用を促進して、原水中
のオゾン濃度を一定に制御することができるとともに、
オゾン発生、オゾン分解に要する電力量を大幅に減少さ
せ、消費電力のみなず、発電時に発生する二酸化炭素を
大幅に低減させることができる。
【0075】請求項4のオゾンによる水処理システムで
は、エネルギーをほとんど使用することなく、オゾン接
触池の原水中から気中に排出された排オゾン中の水分を
効率的に除去して、オゾン接触池の原水中に戻すことが
でき、これによってオゾンの再利用を促進して、原水中
のオゾン濃度を一定に制御して、原水の処理時間を低減
させることができるとともに、オゾン発生、オゾン分解
に要する電力量を大幅に減少させ、消費電力のみなず、
発電時に発生する二酸化炭素を大幅に低減させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水処理システムの実施の形態を示
すブロック図である。
【図2】図1に示す水処理システムの排オゾン再生機を
非動作状態にして、原水を処理したときの色度と、排オ
ゾン再生機を動作させて、原水を処理したときの色度と
を示すグラフである。
【図3】図1に示す水処理システムの排オゾン再生機を
非動作状態にして、原水を処理したときのCODと、排
オゾン再生機を動作させて、原水を処理したときのCO
Dとを示すグラフである。
【図4】図1に示す水処理システムの膜ドライヤとし
て、PANによって構成される中空糸膜を使用して、原
水を処理したときの色度と、膜ドライヤとして、PAN
に親水ポリマを添加した中空糸膜を使用して、原水を処
理したときの色度とを示すグラフである。
【図5】図1に示す水処理システムの膜ドライヤとし
て、PANによって構成される中空糸膜を使用して、原
水を処理したときのCODと、膜ドライヤとして、PA
Nに親水ポリマを添加した中空糸膜を使用して、原水を
処理したときのCODとを示すグラフである。
【符号の説明】
1:水処理システム 2:冷却装置 3:空気源ブロワ 4:空気乾燥装置 5:オゾン発生装置 6:原水 7:オゾン接触池 8:排オゾン 9:排ガス処理塔 10:膜ドライヤ 11:排オゾン再生機 12:排オゾンリサイクルブロワ 13:オゾン接触槽 14:オゾン反応槽 15、16、、17、18、19、20、21、22:
折れ線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/40 B01D 71/40 71/42 71/42 (72)発明者 稲葉 道彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA01 JA53Z KA12 KB12 KB30 MA01 MB09 MC12 MC22 MC23 MC33 MC35 MC39 PB65 PB70 PC54 4D050 AA03 AB03 AB04 AB06 AB07 BB02 BD02 BD04 BD06 BD08 CA06 CA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンを発生するとともに、発生したオ
    ゾンをオゾン接触池に貯留されている原水中に注入する
    オゾン発生装置と、 前記オゾン接触池の原水中に溶け込まずに気中に排出さ
    れた排オゾンを取り込むとともに、膜ドライヤによって
    前記排オゾン中に含まれている水分を除去して再生オゾ
    ンを生成し、これを前記オゾン接触池の前記原水に注入
    する排オゾン再生装置と、 を備えたことを特徴とするオゾンによる水処理システ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のオゾンによる水処理シ
    ステムにおいて、 前記オゾン接触池内にある原水から気中に放出される排
    オゾンのうち、前記排オゾン再生機で再生されない分の
    排オゾンを取り込み、活性炭に吸着させる排ガス処理
    塔、 を備えたことを特徴とするオゾンによる水処理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載のオゾン
    による水処理システムにおいて、 前記膜ドライヤは、再生セルロース、PMMA(ポリメ
    チルメタクリレート)、PVA(ポリビニルアルコー
    ル)、PAN(ポリアクリロニトリル)、itPP(ポ
    リプロピレン)、PE(ポリエチレン)のいずれかの材
    料を用いた中空糸膜を有する、 ことを特徴とするオゾンによる水処理システム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載のオ
    ゾンによる水処理システムにおいて、 前記膜ドライヤは、再生セルロース、PMMA(ポリメ
    チルメタクリレート)、PVA(ポリビニルアルコー
    ル)、PAN(ポリアクリロニトリル)、itPP(ポ
    リプロピレン)、PE(ポリエチレン)のいずれかの材
    料に親水性を持たせた中空糸膜を有する、 ことを特徴とするオゾンによる水処理システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003251365A (ja) * 2002-02-27 2003-09-09 Japan Organo Co Ltd アオコ含有水処理装置および処理方法
CN1318317C (zh) * 2003-11-28 2007-05-30 硅电子股份公司 供应恒浓度臭氧化水的方法

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JP2003251365A (ja) * 2002-02-27 2003-09-09 Japan Organo Co Ltd アオコ含有水処理装置および処理方法
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