JPH08267077A - 排水の高度処理方法 - Google Patents

排水の高度処理方法

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JPH08267077A
JPH08267077A JP7589495A JP7589495A JPH08267077A JP H08267077 A JPH08267077 A JP H08267077A JP 7589495 A JP7589495 A JP 7589495A JP 7589495 A JP7589495 A JP 7589495A JP H08267077 A JPH08267077 A JP H08267077A
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Japan
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ozone
hydrogen peroxide
water
treated
amount
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JP7589495A
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English (en)
Inventor
Junji Hirotsuji
淳二 廣辻
Yoshitaka Kaai
好孝 河相
Akira Ikeda
彰 池田
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Engineering Advancement Association of Japan
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Engineering Advancement Association of Japan
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過酸化水素併用オゾン処理法による排水の高
度処理において、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、
経済的で実用的な処理方法を提供する。 【構成】 (1)予め定められたオゾン注入率に対して、
5〜300g/Nm3の範囲で発生オゾン濃度を調節し
ながら、同時に発生オゾンガス流量も調節して、オゾン
反応器へのオゾン供給速度を予め定めた値に保つことに
より、あるいは、(2)オゾン接触段を複数として反応槽
前半のオゾン接触段への過酸化水素添加量を多くするこ
とにより、あるいは、(3)被処理水の除去される有機物
濃度のTOC濃度換算値1mg/lに対し、過酸化水素
添加濃度が5〜20mg/l、オゾン吸収消費量10〜
50mg/lとすることにより、汚濁有機物の分解除去
効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン
処理法による水の高度処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、排水を高度処理する
水処理方法、さらに詳しくは、通常のオゾン処理の際に
少量の過酸化水素を添加して処理する過酸化水素併用オ
ゾン水処理法において、TOC除去効率を低下させずに
効率的に処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素併用オゾン処理法は、添加し
た過酸化水素とオゾンとを反応させて、過酸化水素やオ
ゾンよりも酸化分解力が非常に強いヒドロキシルラジカ
ル(OHラジカル)を効率的に生成させて、これを使っ
てオゾンでも分解できない難分解性物質を分解除去する
方法である。
【0003】従来のこの種の処理方法として第11図に
示す処理装置があった。第1図において、1はオゾン反
応器、2はオゾン発生装置、3は被処理水供給ポンプ、
4は過酸化水素添加ポンプ、5はオゾン反応器1内に取
り付けられた散気装置、6は排オゾン分解装置、7は過
酸化水素貯留タンクであり、a〜eは配管である。
【0004】次に動作について説明する。汚濁有機物を
含む被処理水は被処理水供給ポンプ3により、ポンプ配
管aを介してオゾン反応器1に供給される。また、過酸
化水素は過酸化水素貯留タンク7から過酸化水素添加ポ
ンプ4により、配管bを介してオゾン反応器1に供給さ
れ、被処理水に添加される。さらに、オゾン発生装置2
では、空気または酸素、あるいは酸素富化ガスを原料と
してオゾン化ガスを生成し、配管dを介して散気装置5
に供給され、散気装置5では、オゾン化ガスを微細気泡
としてオゾン反応器1に供給することにより被処理水中
にオゾンを溶解させる。オゾン反応器1では溶解したオ
ゾンと添加された過酸化水素とが反応してOHラジカル
が生成し、被処理水中に含有する汚濁有機物を分解除去
して、水を高度処理する。オゾン反応器1内の被処理水
に溶解しきれなかったオゾンは、排オゾンとして、配管
eを介してオゾン分解触媒が充填されている排オゾン処
理装置6に導かれ、酸素に分解無害化され、大気へ放出
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の過酸化水素添加
オゾン処理法は以上のような方法であったので、たとえ
ば、図12に有機物濃度の1指標である全有機性炭素濃
度(TOC濃度、Total Organic Car
bon)とオゾン消費量の関係を示すように、単位有機
性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3
/ΔTOC)は178(g/g)程度で、多量のオゾン
が必要であり、処理条件の最適化はされておらず、汚濁
有機物の分解除去効率が悪くて経済的でなく実用性に乏
しいという問題点があった。また、接触段数を複数にし
て多段接触させる場合も処理条件の最適化はされておら
ず、経済的でなく実用性に乏かった。なお、図12は図
11と同形式の容積4l、水深1.4mの反応装置を用
いて、TOC濃度7mg/lの下水処理水の凝集ろ過水
を被処理水として発生オゾン濃度20g/Nm3、供給
オゾンガス流量1l/分、滞留時間5〜20分、過酸化
水素添加濃度5〜20mg/lの条件で得られた実験結
果である。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、単位有機性炭素量を分解除去す
るために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減
し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用
的な過酸化水素併用オゾン処理法による水の高度処理方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
水の高度処理方法は、オゾン反応器へのオゾン供給速度
とTOC除去効率に密接な関連があることを見いだし、
これを予め定めた値に維持するように発生オゾン濃度と
発生オゾンガス流量を調節することにより、単位有機性
炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3
ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好
で、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理法によ
る水の高度処理を実現しようとするものである。
【0008】また、請求項2の発明では、発生オゾン濃
度を5〜300g/Nm3の範囲で調節するものであ
る。
【0009】また、請求項3の発明では、オゾン接触段
数、過酸化水素添加方法とTOC除去効率に密接な関連
があることを見いだし、オゾン接触段数を複数として、
過酸化水素を第1接触段に少なくとも予め定めた量をオ
ゾン接触段数で均等割りした以上の量を添加し、残りの
過酸化水素を2段目以降に添加することにより、単位有
機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO
3/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が
良好で、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理法
による水の高度処理を実現しようとするものである。
【0010】さらに、請求項4の発明では、効率的に処
理するためのTOC除去量と過酸化水素添加量、オゾン
消費量に密接な関連があることを見いだし、被処理水の
除去される有機物濃度、すなわち、TOC濃度換算で1
mg/l相当に対し、過酸化水素添加濃度が5〜20m
g/l、オゾン吸収消費量10〜50mg/lとするこ
とにより、単位有機性炭素量を分解除去するために必要
なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物
の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素
併用オゾン処理法による水の高度処理を実現しようとす
るものである。
【0011】また、請求項5の発明では、凝集ろ過処理
を前処理として行うことにより効率的に過酸化水素併用
オゾン処理を行えることを見いだし、被処理水を予め凝
集ろ過処理してから処理することにより、単位有機性炭
素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/Δ
TOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好
で、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理法によ
る水の高度処理を実現しようとするものである。
【0012】また、請求項6の発明では、後処理として
活性炭処理を付加することにより再利用に適した水質が
得られることを見いだし、後処理として活性炭処理を付
加することにより、単位有機性炭素量を分解除去するた
めに必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減し、汚
濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過
酸化水素併用オゾン処理法による水の高度処理を実現し
ようとするものである。
【0013】
【作用】請求項1の発明における排水の高度処理方法で
は、供給オゾン濃度と供給オゾンガス流量を調節してオ
ゾン反応器へのオゾン供給速度を予め設定した値に維持
することにより、反応によって生成するOHラジカルの
無効消費を抑えて、単位有機性炭素量を分解除去するた
めに必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を増加させず
に効率よく処理する。
【0014】また、請求項2の発明のように、発生オゾ
ン濃度を5〜300g/Nm3の範囲で調節するとより
効率よく処理できる。
【0015】また、請求項3の発明ではオゾン接触段数
を複数として、過酸化水素を第1接触段に少なくとも予
め定めた量をオゾン接触段数で均等割りした以上の量を
添加し、残りの過酸化水素を2段目以降に添加すること
により、言い替えれば、反応槽前半のオゾン接触段への
過酸化水素添加添加量を多くすることにより、各接触段
でのOHラジカル濃度を均一化しながら、処理水中に残
留する過酸化水素を抑えて、単位有機性炭素量を分解除
去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を増
加させずに効率よく処理する。
【0016】つぎに、請求項4の発明では被処理水の除
去される有機物濃度、すなわち、TOC濃度換算で1m
g/l相当に対し、過酸化水素添加濃度が5〜20mg
/l、オゾン吸収消費量10〜50mg/lとすること
により、過剰の過酸化水素添加、オゾン供給を抑えて、
単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量
(ΔO3/ΔTOC)を増加させずに効率よく処理す
る。
【0017】さらに、請求項5の発明では被処理水を予
め凝集ろ過処理してから処理することにより、ラジカル
反応の効率を低下させる浮遊性固形物(SS)、リン酸
イオンを除去することにより、OHラジカルの無効消費
を抑えて、単位有機性炭素量を分解除去するために必要
なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を増加させずに効率よ
く処理する。
【0018】また、請求項6の発明では後処理として活
性炭処理を付加することにより、処理水中に残留する未
反応の過酸化水素を分解して、再利用に適した水質が得
られて、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理法
による水の高度処理を実現する。
【0019】
【実施例】
実施例1.以下、本発明の実施例1を図および各種実験
結果に基づいて説明する。 実験1.下水処理水を表1に示した条件で前処理し、図
1の3段オゾン接触反応器を有する実験装置を用いて実
験した。図1において、8は被処理水貯留タンクであ
り、1a〜1cはオゾン反応器の反応カラム、3a〜3
cはポンプ、5a〜5cは散気装置である。オゾン反応
器が3個の反応カラム1a〜1cから構成されて3段オ
ゾン接触式となっている点以外は、第11図の装置と同
様である。なお、前処理後の下水処理水の水質は表2に
示す通りである。実験1では表3に示すように、発生オ
ゾン濃度だけ変えてオゾン注入率、オゾン供給速度の両
者を変えて実験した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】実験結果を図2に示すように、いずれの供
給オゾン濃度の場合もTOC濃度はオゾン消費量の増加
に伴い直線的に減少しているが、供給オゾン濃度が低い
方が少ないオゾン消費量でTOCは良く減少しており、
TOC除去効率が高い。これは、過酸化水素添加オゾン
処理の反応機構の中心にはOHラジカルとO2Hラジカ
ルによる連鎖反応系があり、供給オゾン濃度の上昇によ
り溶存オゾン濃度が上昇してこの連鎖反応が高速で進
み、連鎖反応系で無効消費されるOHラジカル量が増加
するためと考えられる。
【0024】実験2.実験2では表4に示すように、供
給オゾン濃度とともに滞留時間を変え、オゾン注入率一
定の条件でオゾン供給速度を変えて実験した。なお、実
験試料は下水処理水を実験1と同様、表1に示した条件
で前処理した。前処理後の下水処理水の水質は表5に示
すとおりである。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】実験結果を図3に示すように、実験2では
実験1と同様の結果が得られている。すなわち、供給オ
ゾン濃度が低い方が、少ないオゾン消費量でTOC濃度
は良く減少しており、TOC除去効率は良好である。こ
れは、先に述べたように、オゾン供給速度の上昇により
溶存オゾン濃度が上昇してOHラジカルを中核とするラ
ジカル連鎖反応系において無効消費されるラジカル量が
増大するためと考えられる。
【0028】実験3.実験3では表6に示すように、発
生オゾン濃度とともに発生オゾンガス流量を変えてオゾ
ン注入率、オゾン供給速度の両者を一定として実験し
た。なお、実験試料は下水処理水を実験1と同様、表1
に示した条件で前処理した。前処理後の下水処理水の水
質は表7に示すとおりである。
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】実験結果を図4に示すように、実験3では
実験1、2とは異なる傾向が得られた。すなわち、発生
オゾン濃度が高い方が少ないオゾン消費量でTOC濃度
は良く減少しており、TOC除去効率は良好である。こ
のように、実験1、2の結果と異なり供給オゾン濃度が
高くなるとTOC除去効率が向上するのは、実験3では
発生オゾン濃度の上昇に合わせて発生オゾンガス流量を
絞りオゾン供給速度を一定化させたため、供給オゾン濃
度の上昇に伴って溶存オゾン濃度は上昇せず、ラジカル
連鎖反応でのOHラジカルの無効消費量が増大しなかっ
たためと推定される。
【0032】以上のことから、発生オゾン濃度を上げて
もオゾン供給速度を予め定めた値に制御することによ
り、TOC除去効率を低下させずに処理できることが判
明した。なお、発生オゾン濃度については5〜80g/
Nm3程度の範囲で変化させているが、この特性は普遍
的なものと考えられ、また、オゾン供給速度が一定の条
件では発生オゾン濃度を高濃度化すれば発生オゾンガス
量はさらに低下してオゾン吸収率が向上することから、
発生オゾン濃度はその限界といわれる300g/Nm3
に近いほど効果的と考えられる。
【0033】実施例2.つぎに、本発明の実施例2を図
および実験結果に基づいて説明する。 実験4.実験4では表8に示すように、1段オゾン接触
と3段オゾン接触とで発生オゾン濃度、滞留時間、過酸
化水素添加量を合わせて実験したが、3段オゾン接触の
場合の過酸化水素添加方法については、第1段目に過酸
化水素20mg/lを全量添加する場合と各段に7mg
/lずつ均等添加する場合の2条件で実験した。なお、
実験試料は下水処理水を実験1と同様、表1に示した条
件で前処理した。前処理後の下水処理水の水質は表9に
示すとおりである。
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】
【0036】実験結果を図5に示すように、実験4では
接触段数が3段の場合は第1段に過酸化水素の全量を添
加する場合と各段に均等に過酸化水素を添加する場合と
では処理特性が大きく異なり、各段均等添加の方がかな
りオゾン消費量に対するTOCの除去性がよい。第1段
に過酸化水素の全量を添加する場合は、接触段数が1段
の場合と同程度のTOC除去性能である。3段に均等添
加することによりTOCの除去効率が向上する理由につ
いては、各段均等添加の場合は処理段数が進むにつれて
OHラジカル濃度が上昇し、OHラジカルによるTOC
分解が効率的に行われるためと考えられる。実験4の結
果から、接触段数が3段で第1段目に過酸化水素の全量
を添加する場合は接触段数を1段とした場合とオゾン消
費量に対するTOC除去性にさしたる差異はなかった
が、接触段数3段の場合は過酸化水素の添加方法を各段
に均等添加するなど過酸化水素の添加方法を工夫するこ
とにより、TOC除去効率を向上させることができるこ
とから、接触段数を多くする方が良いことが判明した。
【0037】実験5.実験5では表10に示すように、
3段オゾン接触反応器で、その第1段目に過酸化水素の
全量を添加する方式、各接触段に均等添加する方式、第
1及び第2段目に1/2ずつ添加し第3段目には添加し
ない方式、ならびに、第1段目には添加せず第2、第3
段目に1/2ずつ添加する方式について実験した。な
お、実験試料は下水処理水を実験1と同様、表1に示し
た条件で前処理した。前処理後の下水処理水の水質は表
11に示すとおりである。
【0038】
【表10】
【0039】
【表11】
【0040】実験結果を図6に示すように、実験5では
各段に1/3づつ均等に添加する場合が最も良くTOC
は低下しており、△O3/△TOCの値も小さい。これ
は、各段に1/3ずつ均等添加することによって各段で
の過酸化水素濃度差が小さくなって均一化され、各段で
過酸化水素とオゾンの反応により効率的に生成し、OH
ラジカル濃度も接触段間で均一化されたためと考えられ
る。OHラジカル濃度の上昇には通常の条件では若干の
反応時間が必要と考えられるので、反応槽前半のオゾン
接触段への過酸化水素添加量を後半部よりも多くするこ
とにより、各接触段でのOHラジカル濃度はより均一化
されると考えられる。
【0041】一方、図7に示すように、第1接触段に過
酸化水素を添加せず、2段目、3段目に1/2ずつ過酸
化水素を添加する場合は、第1段目でのオゾン吸収が低
いため、オゾン反応槽全体で吸収・消費される全オゾン
量が少なく、反応槽前半の接触段に過酸化水素を多く添
加する方が、オゾン吸収・消費の効率は良い。
【0042】実験4、および5の結果から、オゾン接触
段数は複数段とし、過酸化水素を第1接触段に少なくと
も予め定めた量をオゾン接触段数で均等割りした以上の
量を添加し、残りの過酸化水素を2段目以降に添加する
ことにより、オゾン反応槽の前半の接触段への過酸化水
素添加量を多くする方が、TOC除去効率は良く、ま
た、オゾンの吸収・消費の観点からも効率は良好である
ことが判明した。
【0043】実施例3.つぎに、本発明の実施例3を図
および実験結果に基づいて説明する。 実験6.実験6では表12に示すように、3段オゾン接
触反応器で、発生オゾン濃度などの条件は固定し過酸化
水素添加量のみを変えて実験したが、過酸化水素は各段
に均等添加して調査した。なお、実験試料は下水処理水
を実験1と同様、表1に示した条件で前処理した。前処
理後の下水処理水の水質は表13に示すとおりである。
【0044】
【表12】
【0045】
【表13】
【0046】実験結果を図8に示すように、過酸化水素
添加量を各段0〜15mg/lの範囲で行った結果、T
OC濃度はオゾン消費量の増加に伴い直線的に減少して
おり、しかも、過酸化水素添加量によらず1本の直線上
を減少しているので、過酸化水素添加量によってTOC
除去効率にはほとんど差異はない。このように、TOC
除去効率は過酸化水素添加量に影響されず、TOCの低
下はオゾン消費量の1次で整理できるが、過酸化水素添
加量によってオゾン吸収・消費量が決まるため、過酸化
水素添加量は目標とする処理水質を達成するためには非
常に重要である。すなわち、過酸化水素添加量が少ない
とオゾン消費量は増加せず良好な処理水質は得られな
い。図9に示すように、過酸化水素添加量の増加に伴い
オゾン消費量は緩やかに増加している。また、図9では
過酸化水素添加量20mg/l程度から全オゾン消費量
は飽和する傾向が認められる。また、図9の特性から過
酸化水素添加量は10〜40mg/l程度が適当と考え
られる。図8に示したように、実験6におけるTOC除
去濃度はオゾン吸収消費量が約60mg/lでおよそ2
mg/lであり、TOC除去量1mg/lあたりの過酸
化水素添加量は5〜20mg/l程度が適当である。ま
た、図8よりTOC除去量1mg/lあたりのオゾン吸
収消費量は概ね30mg/lであり、被処理水の水質、
性状変化を考慮すればオゾン吸収消費量は10〜50m
g/lが適当であることが分かる。
【0047】以上のように実験6により、TOC除去量
1mg/lあたりの過酸化水素添加量は5〜20mg/
l程度が、また、オゾン吸収消費量は10〜50mg/
lが適当であることが判明した。
【0048】実施例4.つぎに、本発明の実施例4を図
および実験結果に基づいて説明する。 実験7.実験1〜6はいずれも予めポリ塩化アルミニウ
ム(PAC)を5mg/l添加して凝集ろ過した下水処
理水を実験試料として用いたが、実験7ではPAC添加
量を0〜10mg/lの範囲で変えて凝集ろ過処理し、
それをさらに過酸化水素併用オゾン処理して前処理効果
を調べた。図10に示すように、PACを添加し凝集処
理を行って、浮遊性固形物(SS)、濁度成分、ならび
に、ラジカルスカベンジャーであるリン酸イオンを除去
する方が、過酸化水素添加オゾン処理後のTOC除去率
は良好である。このことから、予めろ過処理を行ってか
ら、実験1〜6から判明した条件で過酸化水素併用オゾ
ン処理を行えば処理水質はさらに向上することが判明し
た。
【0049】実施例5.つぎに、本発明の実施例5につ
いて説明する。実験6おいて、過酸化水素添加量が多い
とTOCは良好に除去されるが、処理水中に過酸化水素
が残留するが、過酸化水素添加量が30mg/l以上で
残留過酸化水素濃度が高くなった。このため、残留過酸
化水素量が問題となる場合は後処理として活性炭処理と
組み合わせることが効果的であることが判明した。
【0050】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
被処理水に過酸化水素とオゾンとを供給し、上記被処理
水中の有機物を分解除去する方法において、予め定めら
れたオゾン注入率に対して、発生オゾン濃度と発生オゾ
ンガス流量を調節して、上記被処理水に供給するオゾン
の供給速度を予め定めた値に保つので、単位有機性炭素
量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔT
OC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、
経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理法による水
の高度処理を実現できるという効果がある。
【0051】また、請求項2の発明によれば、発生オゾ
ン濃度を5〜300g/Nm3の範囲で調節するので、
より効率よく処理できる。
【0052】また、請求項3の発明によれば、オゾン反
応器において被処理水に過酸化水素とオゾンとを供給
し、上記被処理水中の有機物を分解除去する方法におい
て、上記オゾン反応器は複数のオゾン接触段を有し、上
記過酸化水素の供給予定量を上記オゾン接触段の段数で
割った量以上の過酸化水素を第1段目の上記オゾン接触
段に供給し、残りの過酸化水素を2段目以降のオゾン接
触段に供給するので、各接触段でのOHラジカル濃度を
均一化しながら、処理水中に残留する過酸化水素を抑え
て、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾ
ン量(ΔO3/ΔTOC)を増加させずに効率よく処理
できる。
【0053】また、請求項4の発明によれば、被処理水
に過酸化水素とオゾンとを供給し、上記被処理水中の有
機物を分解除去する方法において、上記被処理水の除去
される有機物濃度のTOC濃度換算値1mg/lに対
し、過酸化水素添加濃度が5〜20mg/l、オゾン吸
収消費量10〜50mg/lとするので、過剰の過酸化
水素添加、オゾン供給を抑えて、単位有機性炭素量を分
解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)
を増加させずに効率よく処理できる。
【0054】また、請求項5の発明によれば、被処理水
を予め凝集ろ過処理してから過酸化水素とオゾンとを供
給するので、ラジカル反応の効率を低下させる浮遊性固
形物(SS)、リン酸イオンを除去することにより、O
Hラジカルの無効消費を抑えて、単位有機性炭素量を分
解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)
を増加させずに効率よく処理できる。
【0055】また、請求項6の発明によれば、後処理と
して活性炭処理を施すので、処理水中に残留する未反応
の過酸化水素を分解して、再利用に適した水質が得られ
て、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理法によ
る水の高度処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実験検討に用いた実験装置を示す
構成図である。
【図2】 オゾン注入率、オゾン供給速度の両者を変え
る場合のTOC濃度とオゾン消費量の関係を示す処理特
性図である。
【図3】 オゾン注入率は一定で、オゾン供給速度のみ
を変える場合のTOC濃度とオゾン消費量の関係を示す
処理特性図である。
【図4】 オゾン注入率、オゾン供給速度の両者を一定
にした場合のTOC濃度とオゾン消費量の関係を示す処
理特性図である。
【図5】 オゾン接触段数が1段の場合と3段の場合の
TOC濃度とオゾン消費量の関係を示す処理特性図であ
る。
【図6】 過酸化水素添加方法を変えた場合のTOC濃
度とオゾン消費量の関係を示す処理特性図である。
【図7】 過酸化水素添加方法とオゾン吸収消費量の関
係を示す特性図である。
【図8】 過酸化水素添加量を変えた場合のTOC濃度
とオゾン消費量の関係を示す処理特性図である。
【図9】 過酸化水素添加量とオゾン消費量の関係を示
す特性図である。
【図10】 PAC添加量と過酸化水素併用オゾン処理
におけるTOC除去率の関係を示す処理特性図である。
【図11】 従来の過酸化水素併用オゾン処理装置の構
成図である。
【図12】 従来の過酸化水素併用オゾン処理装置によ
るTOC濃度とオゾン消費量の関係を示す処理特性図で
ある。
【符号の説明】
1 オゾン反応器、 1a〜1c 反応カラム、 2
オゾン発生装置、 3,3a〜3c 被処理水供給ポン
プ、 4 過酸化水素添加ポンプ、 5 散気装置、
6 排オゾン分解装置、 7 過酸化水素貯留タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河相 好孝 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 池田 彰 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水に過酸化水素とオゾンとを供給
    し、上記被処理水中の有機物を分解除去する方法におい
    て、予め定められたオゾン注入率に対して、発生オゾン
    濃度と発生オゾンガス流量を調節して、上記被処理水に
    供給するオゾンの供給速度を予め定めた値に保つことを
    特徴とする排水の高度処理方法。
  2. 【請求項2】 発生オゾン濃度を5〜300g/Nm3
    の範囲で調節することを特徴とする請求項1記載の排水
    の高度処理方法。
  3. 【請求項3】 オゾン反応器において被処理水に過酸化
    水素とオゾンとを供給し、上記被処理水中の有機物を分
    解除去する方法において、上記オゾン反応器は複数のオ
    ゾン接触段を有し、上記過酸化水素の供給予定量を上記
    オゾン接触段の段数で割った量以上の過酸化水素を第1
    段目の上記オゾン接触段に供給し、残りの過酸化水素を
    2段目以降のオゾン接触段に供給することを特徴とする
    排水の高度処理方法。
  4. 【請求項4】 被処理水に過酸化水素とオゾンとを供給
    し、上記被処理水中の有機物を分解除去する方法におい
    て、上記被処理水の除去される有機物濃度のTOC濃度
    換算値1mg/lに対し、過酸化水素添加濃度が5〜2
    0mg/l、オゾン吸収消費量10〜50mg/lとす
    ることを特徴とする排水の高度処理方法。
  5. 【請求項5】 被処理水を予め凝集ろ過処理してから過
    酸化水素とオゾンとを供給することを特徴とする請求項
    1ないし4の何れかに記載の排水の高度処理方法。
  6. 【請求項6】 後処理として活性炭処理を施すことを特
    徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の排水の高度
    処理方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11123390A (ja) * 1997-10-22 1999-05-11 Japan Organo Co Ltd 脱塩装置
JP2000279974A (ja) * 1999-03-31 2000-10-10 Takuma Co Ltd オゾン及び過酸化水素を用いる廃水処理方法
JP2002011485A (ja) * 2000-04-26 2002-01-15 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 水処理方法及び装置
JP2005329312A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Toshiba Corp 水処理システム
JP2011078914A (ja) * 2009-10-07 2011-04-21 Nano Science:Kk 安定化したオゾンナノバブル核を含有する生体用水の製造方法及び生体用水

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