JPH07144196A - 上水浄化方法及びその装置 - Google Patents

上水浄化方法及びその装置

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JPH07144196A
JPH07144196A JP29625493A JP29625493A JPH07144196A JP H07144196 A JPH07144196 A JP H07144196A JP 29625493 A JP29625493 A JP 29625493A JP 29625493 A JP29625493 A JP 29625493A JP H07144196 A JPH07144196 A JP H07144196A
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JP
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water
ozone
alkaline
acidic
electrophoresis
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JP29625493A
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English (en)
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Masahiko Ishida
昌彦 石田
Kenji Baba
研二 馬場
Yoshio Senoo
良夫 妹尾
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Hitachi Ltd
Tokico Ltd
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Hitachi Ltd
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薬剤等で水を汚さず高速でオゾン酸化分解を行
うことができる上水浄化方法を提供する。 【構成】電気泳動によりアルカリ性水と酸性水とを生成
し、アルカリ性水にオゾン酸化処理を施してから酸性水
と混合して中性の処理水を得る。 【効果】オゾン酸化反応を極めて加速でき、反応槽容積
を削減でき、薬剤添加等による新たな残留成分の溶存な
しに高品質の浄化水を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上水用の原水に含まれ
る汚濁成分をオゾンにより酸化分解して浄化する方法及
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾンの酸化反応を利用した水の
浄化方法が注目され、上水や排水の処理に応用されはじ
めている。
【0003】オゾン酸化反応により水中に含まれる有機
物成分の大部分を分解除去するには、1)オゾン・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング,第2巻,第105
頁から第122頁(1980年),パーガモン社出版
(米国)、2)オゾン・サイエンス・アンド・エンジニ
アリング,第12巻,第1頁から第17頁(1990
年),パーガモン社出版(米国)に記載のように、オゾ
ン酸化速度が小さいためオゾンを過剰に存在させた条件
下でも実質的に20分以上1時間の滞留時間が必要とな
る。このため、反応槽容積が大きくなり、大きな設置面
積を要し、装置コストが上昇する。このことから反応系
のコンパクト化が重要課題である。
【0004】オゾン酸化反応の促進には、紫外線照射,
触媒接触,過酸化水素添加,アルカリ性化等の方法が有
効であることが知られており、特開昭52−22366 号公
報,特開昭55−149688号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】紫外線照射及び触媒接
触によるオゾン酸化反応促進方法は、大きな接触面積を
確保する必要があり、また過酸化水素を添加する方法は
薬品コストが上昇しかつ処理水中の残留過酸化水素を除
く必要性があり、上水の浄化方法として適さない。
【0006】本発明の目的は、原水をアルカリ性化して
オゾン酸化反応を促進する方法を上水浄化に取り入れ、
紫外線照射や触媒接触のみに比べて設置面積をとらず、
添加剤等で水を汚さずに高効率でオゾンによる酸化分解
を行うことができるようにした上水浄化方法を提供する
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上水用原水に
含まれる汚濁成分をオゾンにより酸化分解して浄化する
上水浄化方法において、前記原水に電気泳動処理を施し
てアルカリ性水を生成し、該アルカリ性水をオゾンと接
触させたのち酸性水と混合して中性の浄化水となすこと
にある。
【0008】本発明は、電気泳動によりアルカリ性化し
た水がオゾンによりきわめて酸化されやすいこと、オゾ
ン処理したアルカリ性水を酸性水と混合して中性に戻す
ことで高い水質の上水を容易に製造できることを明らか
にしたことにある。電気泳動処理によれば、薬剤を必要
とせずに容易にアルカリ性水と酸性水とを生成すること
ができる。設置面積も、紫外線照射や触媒接触のみでオ
ゾン酸化反応を促進する場合に比べて、著しく小さくす
ることができる。
【0009】本発明において、オゾン処理したアルカリ
性水を酸性水と混合する際には、電気泳動により得られ
たもう一方の酸性水と混合することが望ましい。このよ
うにすれば、中性の浄化水となす際に新たにpH調整を
しなくてよいという利点がある。
【0010】電気泳動により生成した酸性水にオゾン処
理を施し、オゾン処理したアルカリ性水とオゾン処理し
た酸性水とを混合することは極めて望ましく、これによ
り浄水の水質を更に改善することができる。オゾン処理
は、電気泳動処理中或いは処理後のいずれの段階で施し
てもよい。
【0011】原水を電気泳動処理することによりアルカ
リ性水化することは知られており、特開昭59−92090 号
公報に示されている。しかし、ここでは得られたアルカ
リ性水をオゾンにより酸化することまでは言及していな
い。
【0012】本発明の上水浄化処理に適用できる原水
は、上水の原水に足る水質或いは上水に浄化する際の処
理不足の水すなわち比較的低い生物学的酸素要求量(B
OD濃度,Biological oxygen demand)でかつ低いけん
濁物質濃度(SS濃度,Suspendedsolid)の水であれば特
に限定されない。具体的に例示すれば、河川,湖沼池,
地下水,雨水等からなる天然水、もしくはこれらを沈
殿,濾過,吸着等で部分的に前処理した水及びカビ臭等
が残存する市水が含まれる。
【0013】本発明による上水浄化方法の第1の特徴
は、電気泳動によって陰極側から得られるアルカリ性水
とオゾンとを接触させて水中の汚濁成分を高速で酸化分
解することである。このとき、酸性水にくらべてアルカ
リ性水の生成比を大きく取ることが望ましい。オゾン処
理したアルカリ性水は未処理の酸性水と混合し中性の水
となす。なおオゾン処理時に紫外線照射処理や加熱を併
用しても良く、特に紫外線処理の効果が大きい。
【0014】本発明による上水浄化方法の第2の特徴
は、アルカリ性水のみならず酸性水をもオゾンにより処
理して汚濁成分を酸化分解し、両処理水を混合すること
である。
【0015】本発明による浄化方法の第3の特徴は、電
気泳動によってアルカリ性水と酸性水とを生成してアル
カリ性水のみをオゾン処理し、オゾン処理したアルカリ
性水と前記酸性水とを混合したのち、再度電気泳動によ
ってアルカリ性水と酸性水とを生成し、アルカリ性水を
オゾン処理してから酸性水と混合することである。
【0016】電気泳動処理は、直流電源に接続した陰極
と陽極とを多孔質隔壁を間に介して対向させて配置し、
陰極側に陰極室を設け、陽極側に陽極室を設け、両室に
原水を供給し直流電流を通じて電気泳動作用を起こさ
せ、陰極室にアルカリ性水を生成させ陽極室に酸性水を
生成させることである。これと似た方法に電気分解方法
があるが、電気分解は分子状の塩素が生じること及び水
素イオンが酸化されて水素が生じ危険であることから上
水浄化に適用するには不適当である。
【0017】本発明による上水浄化方法の第4の特徴
は、電気泳動処理をバッチ方式で行い、陰極で得られた
アルカリ性水をオゾンにより酸化してから、印加を陰陽
極切り換えて電気泳動処理を施し得られたアルカリ性水
をオゾンにより酸化するという工程を複数回繰り返し
て、最終的にアルカリ性水と酸性水とを混合することで
ある。
【0018】電気泳動の性能は水の泳動槽への供給速
度,水中の電解濃度,印加電圧,電極面積などにより変
化するが、実質的に電気分解すなわち電極面での化学反
応(酸化還元反応)が起こらないように、印加電圧,水
供給速度を適宜選択して行われる。具体的には塩素イオ
ンから塩素単体,水素イオンから水素単体等の発生が実
質的にないように、イオンの電極側への泳動を行う。電
圧については実用的には直流150V以下で行われる。
電気泳動により得られるアルカリ性水,酸性水の必要p
Hは少なくとも前者が9以上好ましくは10以上、後者
は5以下好ましくは4以下である。泳動時の温度は常温
もしくは常温付近であるが実用的には40℃以下で行わ
れる。
【0019】原水中のオゾン分解の対象となる汚濁成分
は特に限定されていないが、高分子及び低分子の有機成
分の他にアンモニウムイオン及びシアンイオン等の還元
性無機成分や微生物も含まれる。オゾンは電気泳動中に
供給してもよいし、泳動後に供給してもよい。供給する
オゾンはオゾン溶解水でもよいしオゾン含有気体でもよ
い。オゾン含有気体の場合には水中に散気して直接気液
接触させてもよいし、オゾンに不活性な多孔質膜を介し
て接触させてもよい。オゾンの供給量は水質,pH,温
度変化等により変化するが、少なくとも重量基準で対象
成分の2〜10倍量の溶存オゾンが必要である。
【0020】原水をアルカリ化する場合に、電気泳動に
加えて、更に少量の薬剤を加えてもよい。これによりp
Hを上昇させることができ、オゾンによる酸化速度を更
に早めることができる。薬剤の添加によりpHを11以
上に高めることが望ましい。アルカリ性水をオゾン処理
を施さない酸性水と混合する領域は、オゾンが残留して
いるエリアですることが望ましく、これにより酸性水中
に残留している汚濁成分の一部をも酸化分解することが
できる。
【0021】原水を電気泳動処理する際に原水の一部を
分取してオゾン処理後のアルカリ性水或いはアルカリ性
水と酸性水との混合水に混合してもよい。これは原水の
水質が有る程度良好な場合に適する。これにより電気泳
動処理に要するコストを低減できる。
【0022】本発明による上水浄化装置の特徴は、直流
電源に接続された陽極と陰極とを多孔質隔壁を介して対
向して設け、該多孔質隔壁により陽極室と陰極室とを仕
切った電気泳動槽,該電気泳動槽の陰極室に設けられた
オゾン供給手段,該電気泳動槽の陽極室と陰極室とに原
水を分配供給する手段,該陰極室で生成したアルカリ性
水と該陽極室で生成した酸性水とを混合する混合手段、
及び前記オゾン供給手段に接続されたオゾン発生手段と
を具備したことにある。
【0023】オゾン供給手段は、陰極室だけでなく、陽
極室にも備えることが望ましい。また、オゾン供給手段
を有する陰極室或いは陽極室には、使用ずみオゾン含有
ガスの排出手段を備えることが望ましい。
【0024】前述の上水浄化装置を複数個備え、前段の
上水浄化装置で得られたアルカリ性水と酸性水との混合
水を後段の原水分配供給手段に導くようにしてもよく、
これにより本発明の上水浄化処理を複数回繰返し実施し
て、浄水の水質を高めることができる。
【0025】また、オゾンが供給される陰極室及び陽極
室に紫外線照射灯を備えてもよく、これによりオゾンに
よる酸化をさらに促進することができる。
【0026】本発明による上水浄化装置の他の特徴は、
電気泳動槽を複数個備え、陰極及び陽極に接続した直流
電源の印加状態の切り替え手段を備えることに有る。ま
た陰極側で得られたアルカリ性水にオゾンを供給する手
段を備えることに有る。これにより、酸性水をアルカリ
化してオゾン処理することが可能になる。
【0027】電気泳動槽の陰極室或いは陽極室を形成す
る材質及び隔壁の材質は、原水を泳動後にオゾン処理す
る場合には特に制約を受けない。泳動後にオゾンを供給
する場合にはオゾンに不活性な材質、例えばセラミック
が適している。両電極区画への原水の分配手段も特に限
定されるものでない。陰極室及び陽極室への原水流入排
出口の断面積及び両区画の水充填容積を好ましくは3:
1より大きい分配比に固定しておくと、実用的な範囲で
流量を変化してもアルカリ性水を高い収率で得ることが
できる。泳動槽内の電極と隔壁との間を通る水流層の厚
さは大きな圧損が生じない範囲で小さい方が泳動の効率
上好ましく、実用上は2〜5mmの範囲が望ましい。電気
泳動中にオゾン処理する場合には白金等の不活性金属を
電極材料に用いることが望ましい。電気泳動槽にオゾン
を供給する際には、あらかじめ調整したオゾン水を供給
することが好ましいが、オゾン含有ガスを通じる際には
微細気泡好ましくは平均径2mm以下の気泡を供給するこ
とが好ましい。泳動後の処理水にオゾンを供給する際に
は供給方法は特に限定されず、従来の公知の供給方式、
例えば水中への散気や多孔質膜を介しての拡散溶解によ
ってもよい。オゾン処理後の液の混合も特に限定される
ものでなく、酸管を結合しただけでも充分な混合結果が
得られる。
【0028】
【作用】原水を電気泳動槽の両区画(陰極室と陽極室)
に陰極側に高い分配比で通水しつつ電気泳動することに
より、陰極側にはNa,K,Mg,Ca,NH4 ,有機
含窒素化合物などのイオンが移動し、これらに富むアル
カリ性水が収率良く得られる。一方、陽極側にはC
2 ,SO4 ,有機酸根,微生物,粘土鉱物微粒子が移
動し、少量の酸性水が得られる。例えば4L/min で通
水しながら泳動するとpHが10のアルカリ性水とpH
が4の酸性水が3:1の流量比で生成される。その間オ
ゾンを泳動槽中に供給すると、アルカリ性水で中性水に
比べ少なくとも数倍以上の反応速度で汚濁成分の分解反
応が進行し、臭気成分を初めとするBOD成分が消失す
る。一方、酸性水側には酸根の他,細菌,ウィルスなど
が濃縮されるが、酸性条件下でオゾンによる不活性化が
促進される。酸性側を処理せずにアルカリ性水のみをオ
ゾン処理しても、原水中の大部分が分解されるため、実
質的な浄化が達成される。さらに酸性水もオゾン処理す
れば、アルカリ性水よりは効果が劣るが、BOD成分が
酸化される他、特に細菌,ウィルスの不活性化を行うこ
とができる。両処理水を合わせれば原水の全量が浄化し
た中性水に転換でき、使用後の放流時のpH規制にも合
致する。オゾン処理の際、紫外線照射を併用すると紫外
線のエネルギーにより汚濁成分のオゾンによる分解速度
を更に加速できる。
【0029】電気泳動において、電気泳動槽のボイド容
積を大きくとれる場合には電気泳動槽中にオゾンを供給
することが有効となる。特に供給オゾンがオゾン水であ
る場合には効果的である。オゾン含有気体の場合には電
極面の水を排除せず有効な電極面を減少させない様に、
好ましくは平均粒計2mm以下の小径気泡に分散して導入
する必要がある。泳動槽の容積が小さい場合や処理スケ
ールの大きい場合には、電気泳動後に別槽でオゾン処理
する方が効率上好ましい。上述の方法で一度浄化した
後、両性水を混合して再度電気泳動を行いアルカリ性水
をオゾン処理することにより、より高度の浄化水が得ら
れる。
【0030】
【実施例】
実施例1 本発明なる一実施例を図1に示す。
【0031】BOD濃度が3ppm,臭気濃度TOが10
00,一般細菌濃度が1×105個/mlの河川原水1
を原水供給用分岐管2及びバルブ3を経て電気泳動槽4
に4L/min の速度で連続的に通水した。電気泳動槽4
の内部はセラミックス製多孔質隔壁6により容積比が
3:1になるように陰極室8と陽極室10とに分割さ
れ、直流電源13から配線11,12により接続した白
金製の陰極7と陽極9が配置されている。さらに電気泳
動槽底部には空気29を除湿機28で乾燥してからPS
A酸素濃縮装置27で濃縮した酸素ガスを無声放電式オ
ゾン発生機26に導入して得られるオゾン含有ガスを水
中散気するための散気ノズル5が設けられている。25
はバルブである。電気泳動槽4への通水により陰極室8
からpH10±0.1 のアルカリ性水が3L/minで、
陽極室10からpH4±0.1の酸性水が1L/minで排
出する。オゾンガスは泳動槽内の溶存オゾン濃度が3pp
mになるように通気した。陰極室と陽極室で生成する水
は、仕切り板23で液相部分が分割されるオゾン接触槽
18に接続する配管14及び16によりそれぞれアルカ
リ性水酸化槽19と酸性水酸化槽21に導入される。両
接触槽は3段に配置した気泡分散板24を内部に配置
し、泳動槽の各区画から排出するオゾンガスを導入する
ための配管と接続されている。電気泳動槽4から導入さ
れるオゾンガスは気液分散板24で微細化される。両酸
化槽19,21へ流入する水は滞留時間3minで酸化さ
れる。オゾン処理アルカリ性水20とオゾン処理酸性水
22が得られる。両酸化槽19,21から排出するオゾ
ン処理アルカリ性水20,オゾン処理酸性水22は配管
33及び34により混合して中和され、中性の浄化水3
5として用途に供される。一方、電気泳動槽4を通過し
た余剰のオゾン含有ガスは配管15及び17を経て接触
槽18を通過し、配管32,バルブ38,廃オゾン処理
接触充填カラム36を経てオゾンフリー廃ガス37とし
て系外に排出される。配管32を通るオゾン含有ガスは
必要に応じてバルブ39を開き、配管40,除湿機31
を経てポンプ30でPSA酸素濃縮装置27に返送され
る。
【0032】生成する浄化水35のBOD濃度は0.1p
pm以下、臭気濃度TOは50以下、一般細菌濃度は1×
102個/ml 以下であった。本実験により、BODの
97%,TO濃度の95%が分解除去され、一般細菌の
99.9% が不活性化し、効果的に汚濁成分が除去され
ると同時に実質的な殺菌が行われることが明らかになっ
た。
【0033】実施例2 実施例1では電気泳動と同時にオゾンガスと接触させ、
さらに接触槽で再度オゾンガスと接触させるのに対し、
本実施例は電気泳動槽ではオゾンと接触させず、生成し
たアルカリ性水のみオゾンと接触させた後、無処理の酸
性水と合わせて浄化水とする例である。フローを図2に
示す。実施例1で用いた原水と同質の原水1を用い、か
つ電気泳動槽4にはオゾン供給系統がない以外は実施例
1と同じ構造及び容量のものを用いた。アルカリ性水酸
化槽19は実施例1での気液分散板24の代わりにオゾ
ンガス供給系統を付加する以外は同じ構造及び同容量の
ものを用いた。泳動槽4への通水速度及びアルカリ性水
酸化槽19での滞留時間,印加電圧,オゾン含有ガス通
気速度も実施例1と同一にした。オゾン処理後のアルカ
リ性水酸化槽19から排出する排出ガス42は配管32
により系外に排出した。オゾン処理アルカリ性水は配管
33を経て、酸性水は配管34を経て合流し、浄化水3
5を生成するようにした。
【0034】浄化水35の水質は、BOD濃度が0.3p
pm以下,臭気濃度TOが150以下,一般細菌が5×1
2個/ml 以下であった。本実験により、BODの9
0%,臭気濃度の85%が除去され、一般細菌の99.
5% が不活性化された。本実施例は実施例1にくらべ
れば水質は低下しているが、汚濁成分及び一般細菌を実
用に供しうる水質に十分浄化できることを示している。
【0035】実施例3 本実施例のフローを図3に示す。実施例1と同じ構造の
電気泳動槽4−1に混合槽43を挾んで電気泳動槽4−
1を半転したもう一つの電気泳動槽4−2を結合した。
【0036】実施例1で用いたものと同じ原水1を用
い、原水供給用分岐管2及びバルブ3を経て電気泳動槽
4−1に4L/min の速度で連続的に通水した。原水を
陰極室8−1と陽極室10−1に3L/minと1L/min
とに分配し、35Vの直流電圧を陰極7−1及び陽極9
−1間に印加して電気泳動を行うと同時に、オゾン含有
ガス29−1を散気ノズル5を通気して両室に散気して
オゾンを溶存オゾン濃度が2ppm になるように通気し
た。陽極室10−1から配管16を経てpH9.8±0.
1のアルカリ性水を、陰極室8−1からpH3.9±0.
1 の酸性水を配管14を経て、混合槽43に導入して
混合した。混合水をバルブ3−2により多孔質隔壁6−
2で仕切った陰極室10−2と陰極室8−2にバルブ3
−2で流量を調節してそれぞれ1L/min,3L/minと
に分配し、陰極7−2と陽極9−2間に直流電圧を印加
するとともに再度オゾン含有ガス29−2を散気ノズル
5−2から散気してオゾン酸化した。処理水はそれぞれ
配管34−2及び33−2から抜き出し混合して中和さ
れた浄化水35を得た。
【0037】浄化水35の水質はBOD濃度は0.1ppm
以下であり、かつ臭気濃度TOは40以下、一般細菌は
1×102個/ml 以下であった。本実験により、BO
Dの97%以上,TO濃度の99.7%が分解除去さ
れ、一般細菌の99.9%が不活性化された。
【0038】実施例4 図4に示すように、実施例1で用いた装置の接触層内に
交流110V,15ワットの紫外線ランプ41を付設
し、更にリ−ド線42,紫外線灯電源43を付設して紫
外線ランプ41を点灯する以外は実施例1と同一条件下
で処理した。
【0039】生成する浄化水35の水質はBOD濃度は
0.05ppm以下、臭気濃度TOは30以下,一般細菌濃
度は10個/ml以下であった。本実験により、BOD
の98%以上,臭気TO濃度の97%が分解除去され、
一般細菌の99.9% が不活性化して効果的に汚濁成分
が除去されると同時に実質的に殺菌が行われること明ら
かになった。
【0040】比較例1 実施例1で用いた原水1を用い、かつ同じ実験装置を用
いるが、電極に印加しない他は同一条件で処理した。そ
の結果、浄化水のBOD濃度は0.8ppmであり、かつ臭
気濃度TOは400以下で、一般細菌は1×104個/
ml 以下であった。
【0041】本実験によりBODの73%、臭気濃度の
60%を分解除去し、一般細菌の90%が不活性化され
た。
【0042】同じ処理速度で処理した場合、電気泳動で
前処理する本発明は本比較例のようにオゾン処理単独よ
りも高度に浄化と殺菌が可能であり、それだけ小容積の
反応槽で浄化できることを示している。
【0043】
【発明の効果】本発明により、オゾン酸化反応を従来に
くらべ数倍加速することにより反応槽容積を実用性の高
い水準まで削減すると同時に、薬品添加等の水への新た
な残留成分を溶存させることなしに高品質の浄水を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施例を示す概略構成図。
【図2】本発明の装置の他の実施例を示す概略構成図。
【図3】本発明の装置の更に他の実施例を示す概略構成
図。
【図4】本発明の装置の更に他の実施例を示す概略構成
図。
【符号の説明】
1…原水、4…電気泳動槽、5…オゾン含有ガス散気ノ
ズル、6…多孔質隔壁、7…陰極、8…陰極室、9…陽
極、10…陽極室、13…直流電源、18…オゾン接触
槽、35…浄化水、41…紫外線ランプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 研二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 妹尾 良夫 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上水用原水に含まれる汚濁成分をオゾンで
    酸化分解して浄化する上水浄化方法において、前記原水
    に電気泳動処理を施してアルカリ性水と酸性水を生成
    し、該アルカリ性水にオゾンを接触させたのち該酸性水
    と混合して中性の浄化水となすことを特徴とする上水浄
    化方法。
  2. 【請求項2】上水用原水にオゾンを接触させて該原水に
    含まれる汚濁成分を酸化分解する上水浄化方法におい
    て、前記原水の電気泳動によりアルカリ性水と酸性水と
    を生成し、該アルカリ性水と該酸性水とをそれぞれオゾ
    ンで処理したのち混合して中性の浄化水となすことを特
    徴とする上水浄化方法。
  3. 【請求項3】上水用原水をオゾンで処理して該原水に含
    まれる汚濁成分を酸化分解して浄化する上水浄化方法に
    おいて、前記原水を陰極室と陽極室とを多孔質隔壁でも
    って仕切った両室に供給し直流電圧を通じて電気泳動に
    より陰極室にアルカリ性水を生成し陽極室に酸性水を生
    成し、該電気泳動中に陰極室のアルカリ性水にオゾンを
    供給して汚濁成分を酸化分解し、その後オゾン処理した
    アルカリ性水を前記陽極室で生成した酸性水と混合して
    中性の浄化水となすことを特徴とする上水浄化方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記陽極室の酸性水に
    オゾンを供給することを特徴とする上水浄化方法。
  5. 【請求項5】上水用原水をオゾンで処理して該原水に含
    まれる汚濁成分を酸化分解して浄化する上水浄化方法に
    於て、前記原水を陰極室と陽極室とに多孔質隔壁でもっ
    て仕切った両室に供給し直流電圧を通じて電気泳動によ
    り陰極室にアルカリ性水を生成し陽極室に酸性水を生成
    し、該電気泳動中に陰極室のアルカリ性水にオゾンを供
    給して汚濁成分を酸化分解し陰極室を出た該オゾン処理
    アルカリ性水にさらにオゾンを供給して汚濁成分を酸化
    分解し、その後オゾン処理したアルカリ性水を前記陽極
    室で生成する酸性水と混合して中性の浄化水となすこと
    を特徴とする上水浄化方法。
  6. 【請求項6】上水用原水をオゾンで処理して該原水に含
    まれる汚濁成分を酸化分解して浄化する上水浄化方法に
    於て、前記原水を陰極室と陽極室とに多孔質隔壁でもっ
    て仕切った両室に供給し直流電圧を通じて電気泳動によ
    り陰極室にアルカリ性水を生成し陽極室に酸性水を生成
    し、該電気泳動中に陰極室のアルカリ性水にオゾンを供
    給して汚濁成分を酸化分解し陰極室を出た該オゾン処理
    アルカリ性水にさらにオゾンを供給して汚濁成分を酸化
    分解する一方、該電気泳動中に陽極室の酸性水にオゾン
    を供給して汚濁成分を酸化分解し陽極室を出た該オゾン
    処理アルカリ性水にさらにオゾンを供給して汚濁成分を
    酸化分解した後、該両オゾン処理水を混合して中性の浄
    化水となすことを特徴とする上水浄化方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6において、前記電気泳動処理
    時に陽極側に比べて陰極側に原水を多量に分配してアル
    カリ性水を酸性水よりも過剰に生成させることを特徴と
    する上水浄化方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7において、前記アルカリ性水
    と前記酸性水とを混合したのち再び電気泳動によりアル
    カリ性水と酸性水とを生成し、少なくとも該アルカリ性
    水をオゾン処理して酸性水と混合する工程を複数回繰り
    返すことを特徴とする上水浄化方法。
  9. 【請求項9】多孔質隔壁で仕切った陰極室と陽極室とに
    上水用原水を入れ陰陽極間に直流電圧を通じて電気泳動
    により陰極側にアルカリ性水を生成し陽極側に酸性水を
    生成する工程と得られたアルカリ性水をオゾンで処理す
    る工程とを、陰陽極を切り替えて複数回行つたのち、ア
    ルカリ性水と酸性水とを混合することを特徴とする上水
    浄化方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9において、前記オゾン処理
    中に紫外線照射或いは加熱を行うことを特徴とする上水
    浄化方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10において、前記電気泳動
    処理時に薬剤を注入しアルカリ性水のpHを11以上に
    高めてオゾン処理することを特徴とする上水浄化方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜11において、前記アルカリ
    性水と前記酸性水とをオゾンが残留しているエリアで混
    合することを特徴とする上水浄化方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜12において、前記原水を電
    気泳動処理する際に該原水の一部を分取してオゾン処理
    後のアルカリ性水或いはアルカリ性水と酸性水との混合
    水に混合することを特徴とする上水浄化方法。
  14. 【請求項14】直流電源に接続された陽極と陰極とを備
    え多孔質隔壁により陽極室と陰極室とに仕切った電気泳
    動槽,該陰極室から排出するアルカリ性水にオゾンを供
    給する手段とアルカリ性水通過オゾンを排出する手段,
    オゾン処理アルカリ性水と該陽極室から排出する酸性水
    とを混合する手段、及び前記オゾン供給手段に接続され
    たオゾン発生手段とを具備したことを特徴とする上水浄
    化装置。
  15. 【請求項15】直流電源に接続された陽極と陰極とを備
    え多孔質隔膜を介して陽極室と陰極室とに仕切り該陰極
    室にオゾンを供給及び排出する手段を有する電気泳動
    槽、両室から排出する水を混合する手段、及び前記オゾ
    ン供給手段に接続されたオゾン発生手段とを具備したこ
    とを特徴とする上水浄化装置。
  16. 【請求項16】直流電源に接続された陽極と陰極とを備
    え多孔質隔膜により陽極室と陰極室とに仕切り該陰極室
    にオゾンを供給及び排出する手段を有する電気泳動槽、
    該陰極室から排出するアルカリ性水にオゾンを供給し水
    中を通過する使用ずみオゾンを該陰極室内に導く手段,
    オゾン処理アルカリ性水と該陽極室から排出する酸性水
    とを混合する手段、及び前記オゾン供給手段に接続され
    たオゾン発生手段とを具備したことを特徴とする上水浄
    化装置。
  17. 【請求項17】直流電源に接続された陽極と陰極とを備
    え多孔質膜を介して陽極室と陰極室とに仕切り両室にオ
    ゾンを供給及び排出する手段を有する電気泳動槽、該陰
    極室から排出する水にオゾンを供給しかつ水中を通過す
    る廃オゾンを該陰極室内に導く手段,該陽極室から排出
    する水にオゾンを供給しかつ水中を通過する使用ずみオ
    ゾンを該陽極室内に導く手段,該両処理水を混合する手
    段、及び前記オゾン供給手段に接続されたオゾン発生手
    段とを具備したことを特徴とする上水浄化装置。
  18. 【請求項18】請求項14〜17の上水浄化装置を複数
    個備え、前段の上水浄化装置で得られたアルカリ性水と
    酸性水との混合水を後段の原水分配供給手段に導く手段
    を備えたことを特徴とする上水浄化装置。
  19. 【請求項19】請求項14〜18において、前記オゾン
    が供給される手段を有する場に紫外線照射灯を備えたこ
    とを特徴とする上水浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100439431B1 (ko) * 2001-07-31 2004-07-15 한국정수공업 주식회사 전기영동용 전극셀의 제조 방법 및 측정 장치
JP2009034625A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Mhi Environment Engineering Co Ltd 排水処理装置及び方法
JP2009034624A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Mhi Environment Engineering Co Ltd 排水処理方法及び装置

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