JP2000087718A - 潤滑油供給装置 - Google Patents

潤滑油供給装置

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JP2000087718A
JP2000087718A JP10255492A JP25549298A JP2000087718A JP 2000087718 A JP2000087718 A JP 2000087718A JP 10255492 A JP10255492 A JP 10255492A JP 25549298 A JP25549298 A JP 25549298A JP 2000087718 A JP2000087718 A JP 2000087718A
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Japan
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oil
lubricating oil
oil supply
small
turbocharger
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English (en)
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Shinya Ashikari
真也 芦刈
Hideki Kano
秀樹 狩野
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械を再始動した際に、油必要部位に潤滑油を
直ちに供給して油必要部位の焼き付けを防止できる潤滑
油供給装置を提供すること。 【解決手段】機械の油必要部位に対し油供給源から油供
給路を通じて潤滑油を供給する装置であって、油供給路
は潤滑油を貯溜する油貯溜部8を備える。油貯溜部8は
互いに下部で連通された大容積部8Aと小容積部8Bと
を備え、この大容積部8Aの上部を油供給源と連通し、
小容積部8Bの上部を油必要部位と連通する。機械の運
転停止に伴なって潤滑油が油必要部位から油供給源に戻
る際に、潤滑油が油貯溜部8で貯えられることになり、
油貯留部8で貯えられた潤滑油は機械を再始動した際
に、油必要部位に直ちに供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械の摺動部等の
油必要部位に対し油供給源から潤滑油を供給する潤滑油
供給装置に関するもので、例えば、内燃機関の摺動部に
初期潤滑を行うためのプレルーブ装置に利用できる。
【0002】
【背景技術】内燃機関にはクランクシャフト、燃料噴射
ポンプ、ロッカーアーム、ターボチャージャ等の摺動部
が多く存在する。これらの摺動部は、内燃機関下部にあ
るオイルパンに収納された潤滑油が供給される油必要部
位である。オイルパンと摺動部とは油供給路で連通され
ており、この油供給路に設けられたオイルポンプによっ
て潤滑油が摺動部に強制的に送られ、摺動部が潤滑され
た後は潤滑油が油排出路を通ってオイルパンに戻され
る。
【0003】例えば、ターボチャージャでは、オイルポ
ンプから送られる潤滑油は油供給路を通じて送られ、回
転部分等の摺動部位が潤滑された後は油排出路を通じて
オイルパンに戻される。ターボチャージャは、一般に、
内燃機関の排気を利用してタービンを回転し吸気圧を上
げるという構造上、排気管及び吸気管がある内燃機関の
上部に設置されている。そのため、内燃機関の停止時に
は、オイルポンプも停止するので、油供給路内にある潤
滑油はオイルパンに落ちることになる。
【0004】一般的に、内燃機関は始動と停止とが繰り
返されるものであり、内燃機関を再始動する際には、摺
動部に潤滑油が直ちに供給されることが好ましい。従来
では、ターボチャージャ側の油供給路に潤滑油を貯える
ための油貯溜部としてU字管やループ状管を構成し、こ
のU字管等の下部に潤滑油を溜める構造が採用されてい
る。この構造の基本原理は、内燃機関の停止時に油供給
路内の潤滑油がオイルパンに戻ろうとしても、ターボチ
ャージャ近傍の潤滑油はU字管やループ管の下部に溜め
られることになり、内燃機関の再始動に際しては、U字
管等の下部に溜められた潤滑油が直ちにターボチャージ
ャに送られることを期待したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内燃機
関の停止に伴って油供給路内の潤滑油がオイルパン側に
流れると、油供給路の管径が一定であるため、基本原理
に反し、潤滑油は、そのサイホン効果(慣性力)によっ
てターボチャージャ近傍にあるものまでもU字管やルー
プ管の下部に溜まることなく、そのままオイルパンに戻
ってしまうことがある。特に、ターボチャージャは通
常、内燃機関の上部に配置されており、オイルパンは内
燃機関の下部にあるので、潤滑油はオイルパンに戻るこ
とになる。
【0006】U字管やループ管の下部に潤滑油が溜まら
ない状態で内燃機関を再始動すると、ターボチャージャ
に潤滑油が送られない状態(無給油状態)で排気圧でタ
ーボチャージャのタービンが回転することになる。ター
ボチャージャのタービンは内燃機関始動直後に高速回転
になることが多いので、潤滑油が供給されない状態が長
く続くと、故障する虞れがある。特に、低温時等、潤滑
油の粘性が高い場合には、ターボチャージャに給油され
るまでの時間がかかることになり、不具合が生じる。
【0007】本発明の目的は、機械を再始動した際に、
油必要部位に潤滑油を直ちに供給して油必要部位の焼き
付けを防止できる潤滑油供給装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は油供
給路の途中に備えられた油貯溜部を互いに下部で連通さ
れた大小容積部から構成し、機械停止時には、油必要部
位から油供給源に戻る潤滑油を容積の差を利用して油貯
溜部に貯えることで前記目的を達成しようとするもので
ある。具体的には、請求項1に記載の発明は、機械の油
必要部位に対し油供給源から油供給路を通じて潤滑油を
供給する装置において、前記油供給路は潤滑油を貯溜す
る油貯溜部を備え、この油貯溜部は互いに下部で連通さ
れた大容積部と小容積部とを備え、この大容積部の上部
を前記油供給源と連通し、前記小容積部の上部を前記油
必要部位と連通した潤滑油供給装置である。
【0009】この発明によれば、機械停止により油供給
源から摺動部などの油必要部位への潤滑油の供給が停止
されると、油必要部位の潤滑油は油供給部に戻ることに
なり、潤滑油の流れに伴って油必要部位にある空気が吸
引される。すると、油貯溜部では小容積部から大容積部
に潤滑油が流れるが、小容積部に潤滑油がなくなると、
小容積部にある空気が大容積部にある潤滑油中を気泡と
なって通過し、これにより、サイホン現象が破壊され、
大容積部の潤滑油はそれ以上、油供給源側に戻ることが
ない。このため、大容積部及び小容積部では潤滑油が貯
えられる。
【0010】機械を再始動すると、油供給源が作動して
潤滑油を油供給部位に供給するが、油供給路内に残存す
る空気が潤滑油に先立って油供給部位に送られる。する
と、油貯溜部では大容積部にある潤滑油は、その油面が
押し下げられて小容積部に送られ、小容積部から油必要
部位に供給されて初期潤滑が行なわれる。さらに、油供
給源から新しく送られる潤滑油が油貯溜部を通って油必
要部位に供給されて通常の潤滑が行なわれる。従って、
機械停止に伴なって潤滑油が油必要部位から油供給源に
戻ろうとしても、この潤滑油が油貯溜部で貯えられるこ
とになり、機械を再始動した際に、油必要部位に潤滑油
が直ちに供給されて油必要部位の焼き付けが防止され
る。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の潤滑
油供給装置において、前記油貯溜部は前記大容積部が形
成される大容器部と、前記小容積部が形成される小容器
部とを備えた容器から構成された装置である。この発明
によれば、油貯溜部が容器から構成されているので、大
容積部と小容積部との容積をU字管から油貯溜部を構成
する場合に比べて自由に設定することができる。そのた
め、大容積部と小容積部との容積比を大きくすることで
多くの潤滑油を必要とする油必要部位に初期潤滑を確実
に行うことができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項2に記載の潤滑
油供給装置において、前記大容器部と前記小容器部とを
同心状に配置した装置である。この発明によれば、大容
器部と小容器部とを同心状に配置することで、容器自体
をコンパクトな構造とすることができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1に記載の潤滑
油供給装置において、前記油貯溜部は略U字状に形成さ
れたU字管から構成され、このU字管は、前記大容積部
を構成する大径部と前記小容積部を構成する小径部と、
これらの大径部と小径部との下部を連通した連通部とを
備えた装置である。この発明によれば、油貯溜部がU字
管から構成されているので、既存の配管を組み合わせる
等して大小容積部を有するU字管からなる油貯溜部を製
造することができる。そのため、油貯溜部の構造を簡素
化してコスト低減を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。ここで、各実施形態中、同一構成要
素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図1から図5には、本発明の第1実施形態が示されてい
る。図2は第1実施形態にかかる潤滑油供給装置1が適
用される内燃機関の一部を示す斜視図であり、図3は潤
滑油供給装置1の概略構成図である。
【0015】図2及び図3において、図示しない内燃機
関の上部にはターボチャージャ2が設けられ、このター
ボチャージャ2には油供給源であるオイルパン3に収納
された潤滑油が油供給路4を通じてオイルポンプ5から
供給されるとともに、ターボチャージャ2を潤滑した潤
滑油が油排出路6を通じてオイルパン3に戻される潤滑
油供給装置1を有する。ターボチャージャ2は、回転部
分等の摺動部を構成するものであって、潤滑油の供給が
必要な油必要部位とされる。同様に、内燃機関の図示し
ないクランクシャフト、燃料噴射ポンプ、ロッカーアー
ム等の内燃機関各部はそれぞれ摺動部を構成するもので
あって、これらの摺動部は潤滑油の供給が必要な油必要
部位とされる。図では潤滑油供給装置1はターボチャー
ジャ2のみ示されるが、他の摺動部には図示しない潤滑
油供給装置が設けられており、これらの潤滑油供給装置
はターボチャージャ2の潤滑油供給装置1と同様に、オ
イルパン3に収納された潤滑油がオイルポンプ5で供給
されてオイルパン3に戻される構造である。
【0016】油供給路4の途中には、オイルポンプ5か
ら供給される潤滑油を濾過するフィルタ7と、このフィ
ルタ7で濾過された潤滑油を貯溜する油貯溜部8とがそ
れぞれ設けられている。この油貯溜部8はターボチャー
ジャ2の上部にボルト9で取り付けられている。油貯溜
部8の詳細な構造が図1に示されている。図1におい
て、油貯溜部8は、ターボチャージャ2に下部が取り付
けられ上部が上方に開口されてカップ状に形成された本
体10と、この本体10の上部開口を塞ぐとともに開口
端縁部にボルト11で取り付けられる蓋体12とから構
成される。本体10と蓋体12とはアルミニウム、鋳鉄
等の金属からダイカスト成形、その他の成形法で成形さ
れる。
【0017】本体10は、その下部にボルト9が挿通さ
れる孔部10Aが形成され、その上部側面にオイルポン
プ5と連通する孔部10Bが形成されている。本体10
のカップ状に形成された上部は、オイルポンプ5から送
られる潤滑油が収納される大容器部10Cとされ、その
中心部には上方に延びる略円筒状の突出部10Dが一体
形成されている。蓋体12は、その下面中央に筒状の小
容器部12Aが一体形成され、この小容器部12Aと大
容器部10Cとは突出部10Dを中心として同心状に配
置されている。
【0018】大容器部10Cの内周面と小容器部12A
の外周面との間の空間から大容積部8Aが形成され、小
容器部12Aの内周面と突出部10Dとの外周面とから
大容積部8Aより潤滑油の収容体積が少ない小容積部8
Bが形成される。つまり、小容器部12Aは大容積部8
Aと小容積部8Bとを仕切る仕切壁である。小容器部1
2Aの先端(下端)は大容器部10Cの底面から所定寸
法離れており、大容積部8Aと小容積部8Bとの下部同
士が互いに連通された構造とされる。本体10の下部及
び突出部10Dの中心部には上下に延びる連通孔10E
が形成され、この連通孔10Eは、その上部が小容器部
12Aの上部と連通され、その下部がターボチャージャ
2と連通されている。連通孔10Eの上部開口位置は孔
部10Bの開口下端より上方である。
【0019】次に、第1実施形態にかかる潤滑油供給装
置1の作用を、図4をも参照して説明する。内燃機関が
通常の運転状態にある場合では、オイルポンプ5が作動
されており、オイルパン3に収納された潤滑油は油供給
路4を通じてターボチャージャ2に供給され、このター
ボチャージャ2が潤滑された後、油排出路6を通じてオ
イルパン3に戻される。クランクシャフト等の摺動部も
同様に、オイルパン3に収納された潤滑油が供給され、
潤滑された後にオイルパン3に戻される。この状態で
は、オイルポンプ5から供給される潤滑油はフィルタ7
で濾過された後に油貯溜部8に送られるが、この油貯溜
部8では、図4(A)に示される通り、大容積部8Aに
導入された潤滑油は小容積部8Bから連通孔10Eを通
った後にターボチャージャ2に送られる。
【0020】内燃機関が停止されると、オイルポンプ5
の作動が停止され、油供給路4内にある潤滑油はサイホ
ン効果(慣性力)によってオイルパン3に戻ることにな
る。すると、油貯溜部8では、図4(B)に示される通
り、小容積部8Bにある潤滑油は大容積部8Aを通って
オイルパン3に戻されることになり、この潤滑油の流れ
に伴ってターボチャージャ2にある空気が吸引されて油
供給路4内を通り、連通孔10Eを通って小容積部8B
に送られる。この小容積部8Bに送られた空気は、小容
積部8B内の潤滑油の油面を押し下げ、小容積部8B内
の潤滑油を大容積部8Aに送り込む。
【0021】小容積部8Bに潤滑油がなくなると、図4
(C)に示される通り、小容積部8Bにある空気が大容
積部8Aにある潤滑油中を気泡となって通過し、これに
より、サイホン現象が破壊される。大容積部8Aの潤滑
油はそれ以上、オイルパン3側に戻ることがない。この
ため、大容積部8A及び小容積部8Bでは潤滑油が空気
と置き換わって貯えられることになる。内燃機関が停止
されて所定時間経過すると、油供給路4内にある潤滑油
がオイルパン3に戻されることになり、この状態では、
図4(D)に示される通り、油貯溜部8に貯えられた潤
滑油は安定した状態となる。
【0022】その後、内燃機関を再始動すると、オイル
ポンプ5が再始動してオイルパン3に収納された潤滑油
をターボチャージャ2に供給するが、油供給路4内に残
存する空気が潤滑油に先立ってターボチャージャ2に送
られる。すると、図4(E)に示される通り、油貯溜部
8では大容積部8Aにある潤滑油は、その油面が押し下
げられて小容積部8Bに送られる。大容積部8Aは小容
積部8Bに比べて容積が大きいため、大容積部8Aにあ
る潤滑油の油面が大容積部8Aと小容積部8Bとの連通
部分に到達する前に小容積部8Bにある潤滑油は、その
油面が連通孔10Eの上端縁を越えることになり、連通
孔10Eを通ってターボチャージャ2に送られる。これ
により、ターボチャージャ2では、初期潤滑が行なわれ
る。
【0023】ついで、オイルポンプ5から新しく送られ
る潤滑油は油貯溜部8を通ってターボチャージャ2に送
られて通常の潤滑が行なわれる。油貯溜部8では、図4
(F)に示される通り、大容積部8Aに導入された潤滑
油は小容積部8Bから連通孔10Eを通った後にターボ
チャージャ2に送られる。
【0024】上述のような第1実施形態によれば、次の
ような効果がある。すなわち、油供給路4に備えられ
た油貯溜部8は、互いに下部で連通された大容積部8A
と小容積部8Bとから構成され、この大容積部8Aの上
部をオイルポンプ5と連通し、小容積部8Bの上部をタ
ーボチャージャ2と連通したから、内燃機関の運転停止
に伴なって潤滑油がターボチャージャ2からオイルポン
プ5に戻る際に、ターボチャージャ2から送られる空気
が油貯溜部8を通過して潤滑油が油貯溜部8で貯えられ
ることになり、この貯えられた潤滑油は内燃機械を再始
動した際に、ターボチャージャ2に直ちに供給される。
従って、ターボチャージャ2の初期潤滑を十分に行うこ
とができることになり、無給油状態に伴う焼き付けを防
止することができる。特に、ターボチャージャ2は、通
常、始動直後から高速回転駆動されるものであるから、
低温時等、潤滑油の粘性が高い場合においても、油貯溜
部8で初期潤滑をすることで焼き付け等に伴う不具合が
解消される。
【0025】さらに、油貯溜部8はターボチャージャ
2の直上に設けられているため、内燃機関の再始動に際
して油貯溜部8で貯えられた潤滑油が直ちにターボチャ
ージャ2に供給されることになり、この点からも、ター
ボチャージャ2の初期潤滑を十分に行うことができる。
また、油貯溜部8は大容積部8Aが形成される大容器
部10Cと、小容積部8Bが形成された小容器部12A
とを備えた容器から構成されているため、大容積部8A
と小容積部8Bとの容積比を大きくすることで、ターボ
チャージャ2が大型化されて多くの潤滑油を必要とする
場合に、初期潤滑を確実に行うことができる。
【0026】さらに、油貯溜部8は本体10に蓋体1
2がボルト11を介して着脱自在に取り付けられ、この
蓋体12の裏面に小容器部12Aを形成したから、小容
器部12Aの大きさの異なる蓋体12を取り替えること
で、大容積部8Aと小容積部8Bとの容積比を簡単に変
更することができる。また、大容器部10Cと小容器
部12Aとを同心状に配置したから、容器自体をコンパ
クトな構造とすることができる。
【0027】第1実施形態の効果を確認するために行っ
た実験について説明する。図5に、低温時アクセル全開
状態でのエンジン回転速度Ne、ターボチャージャ2の回
転速度Nt及びターボチャージャ2の入口油圧Pと時間と
の関係を示す。油圧の上昇開始は、潤滑油の供給開始を
意味する。低温時は一般にエンジンの始動性が悪いた
め、アクセル全開状態での始動は、よく行われる。図5
において、(A)は第1実施形態の場合であり、(B)
は従来例(油貯溜部8がない)の場合である。図5
(A)に示される通り、ターボチャージャ2の回転は、
エンジンクランキング開始時点(時間0)からエンジン
回転上昇開始までは0又はごく少ない回転速度で回転し
た後、エンジンの回転上昇直後(時間ta)に急激に上昇
する。第1実施形態では、エンジンクランキングにより
生じた潤滑油配管内の空気圧力の上昇で、油貯留部内の
潤滑油がターボチャージャ2にエンジンクランキング開
始から時間t1で供給される。この時間t1は、ターボチャ
ージャ2の回転速度が急激に上昇し始める時間taより前
である。つまり、第1実施形態では、ターボチャージャ
2が作動する前に油圧が上昇しており、適切な潤滑が行
われていることがわかる。
【0028】これに対して、図5(B)に示される通
り、従来例では、ターボチャージャ2に潤滑油が供給さ
れるまでに、エンジンクランキング開始から時間t2かか
る。この時間t2の時点は、ターボチャージャ2の回転速
度が急激に上昇し始める時間taのかなり後である。従来
例では、ターボチャージャ2が作動した後に油圧が上昇
しており、時間taから時間t2の間、無給油状態でターボ
チャージャ2が作動していることがわかる。
【0029】次に、本発明の2実施形態を図6に基づい
て説明する。第2実施形態は、油貯溜部8の容器の構造
が第1実施形態と異なるもので、他の構造は第1実施形
態と同じである。第2実施形態にかかる潤滑油供給装置
21の概略構成が示される図6において、第2実施形態
の油貯溜部28は、ターボチャージャ2の近傍において
油供給路4の一部を構成する連通管24を介してターボ
チャージャ2に連通されている。
【0030】油貯溜部28は、大容積部8Aが形成され
る大容器部28Aと小容積部8Bが形成される小容器部
28Bとが仕切壁28Cを介して隣り合わせに一体に形
成された構造とされる。これらの容器部28A,28B
はそれぞれ密閉容器から形成されており、その下部は開
口されて大容積部8Aと小容積部8Bとの下部が互いに
連通されている。大容器部28Aの上部側面がオイルパ
ン3と連通されており、小容器部28Bの上端側側面が
ターボチャージャ2と連通されている。
【0031】第2実施形態は第1実施形態と同様の手順
でターボチャージャ2の潤滑が行なわれる。さらに、第
2実施形態では、第1実施形態の〜と同じ作用効果
を奏することができる。
【0032】次に、本発明の3実施形態を図7に基づい
て説明する。第3実施形態は、油貯溜部8の構造が第1
実施形態と異なるもので、他の構造は第1実施形態と同
じである。第3実施形態にかかる潤滑油供給装置31の
概略構成が示される図7において、第3実施形態の油貯
溜部38は、ターボチャージャ2の近傍に配置され略U
字状に形成されたU字管から構成され、このU字管38
は、上端がオイルパン3に連通された大容積部38A
と、小径円筒状に形成され上端がターボチャージャ2と
連通された小容積部38Bと、大容積部38Aと小容積
部38Bとの下部を連通するとともに小容積部38Bと
同じ径のU字管から形成された連通部38Cとから構成
されている。大容積部38Aは、大きな径の短寸円筒状
部材38Dとこの円筒状部材38Dの上端面に一体形成
された小径部38Eとから構成されている。連通部38
Cは、大容積部38Aの下面中央部に開口されている。
【0033】第3実施形態は第1実施形態と同様の手順
でターボチャージャ2の潤滑が行なわれる。さらに、第
3実施形態では、第1実施形態のと同じ作用効果を
奏することができる他に、次の作用効果を奏することが
できる。すなわち、第3実施形態では、油貯溜部38
が略U字状に形成されたU字管から構成され、このU字
管38は、大容積部38Aと小容積部38Bとの下部を
連通部38Cで連通した構成としたので、既存の配管等
を組み合わせて大小の容積部38A,38Bを有する油
貯溜部38を製造することができる。そのため、油貯溜
部38の構造を簡素化してコスト低減を図ることができ
る。
【0034】次に、本発明の4実施形態を図8に基づい
て説明する。第4実施形態は、大容積部と連通部との形
状が相違する点を除いては、第3実施形態と同じ構造で
ある。第4実施形態にかかる潤滑油供給装置41の概略
構成が示される図8において、第4実施形態の油貯溜部
48は、大径の円筒状とされるとともにオイルパン3と
連通される大容積部48Aと、前記小容積部38Bと、
大容積部48Aと小容積部38Bとの下部を連通すると
ともに小容積部38Bから大容積部48Aにかけて径が
次第に大きく形成された連通部48Cとから構成される
U字管48である。大容積部48Aは、その上端部が略
円錐状とされている。
【0035】油貯留部48は、板金加工によりそれぞれ
半割もなか状に形成された2つの部材同士を接合するこ
とで製造される。第4実施形態は第3実施形態と同じ作
用効果を奏することができる他に、次の作用効果を奏す
ることができる。すなわち、半割もなか状に形成され
た2つの部材同士を接合することで、油貯留部48を安
価に製造することができる。
【0036】なお、本発明は前述の各実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、
前記各実施形態では、潤滑油供給装置1,21,31,
41が適用される油必要部位をターボチャージャ2とし
て説明したが、本発明では、他の油必要部位、例えば、
クランクシャフト、燃料噴射ポンプ、ロッカーアーム等
の摺動部に適用するものでもよい。
【0037】さらに、油供給源をオイルポンプ5とした
が、本発明の油供給源は内燃機関等の機械において、摺
動部等に油を供給する構造のものであれば全てのものが
含まれる。また、本発明が適用される機械は、内燃機関
に限定されるものではなく、潤滑が必要な機械全てに適
用することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、油供給路に油貯溜部を
備え、この油貯溜部を、互いに下部で連通された大容積
部と小容積部とを備えて構成し、この大容積部の上部を
油供給源と連通し、小容積部の上部を油必要部位に連通
したから、機械の運転停止に伴なって潤滑油が油必要部
位から油供給源に戻る際に、油必要部位から送られる潤
滑油は油貯溜部で確実に貯えられることになり、この貯
えられた潤滑油は機械を再始動した際に油必要部位に直
ちに供給されるので、油必要部位の初期潤滑を十分に行
うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる潤滑油
供給装置1を構成する油貯溜部の詳細な構造が示される
断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかる潤滑油
供給装置1が適用される内燃機関の一部を示す斜視図で
ある。
【図3】図3は、前記潤滑油供給装置1の概略構成図で
ある。
【図4】図4(A)〜(F)は第1実施形態の作用を説
明するための油貯溜部の概略構成図である。
【図5】図5(A)(B)は第1実施形態の効果を確認
するためのグラフである。
【図6】図6は本発明の第2実施形態にかかる潤滑油供
給装置21の概略構成図である。
【図7】図7は本発明の第3実施形態にかかる潤滑油供
給装置31の概略構成図である。
【図8】図8は本発明の第4実施形態にかかる潤滑油供
給装置41の概略構成図である。
【符号の説明】
1,21,31,41 潤滑油供給装置 2 油必要部位としてのターボチャージ
ャ 3 油供給源としてのオイルパン 4 油供給路 5 オイルポンプ 8,28,38,48 油貯溜部 8A,38A,48A 大容積部 8B,38B 小容積部 10 本体 10C,28A 大容器部 12A,28B 小容器部 38,48 U字管(油貯溜部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機械の油必要部位に対し油供給源から油供
    給路を通じて潤滑油を供給する潤滑油供給装置におい
    て、前記油供給路は潤滑油を貯溜する油貯溜部を備え、
    この油貯溜部は互いに下部で連通された大容積部と小容
    積部とを備え、この大容積部の上部を前記油供給源と連
    通し、前記小容積部の上部を前記油必要部位と連通した
    ことを特徴とする潤滑油供給装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の潤滑油供給装置におい
    て、前記油貯溜部は前記大容積部が形成される大容器部
    と、前記小容積部が形成される小容器部とを備えた容器
    から構成されたことを特徴とする潤滑油供給装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の潤滑油供給装置におい
    て、前記大容器部と前記小容器部とを同心状に配置した
    ことを特徴とする潤滑油供給装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の潤滑油供給装置におい
    て、前記油貯溜部は略U字状に形成されたU字管から構
    成され、このU字管は、前記大容積部を構成する大径部
    と前記小容積部を構成する小径部と、これらの大径部と
    小径部との下部を連通した連通部とを備えたことを特徴
    とする潤滑油供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019027390A (ja) * 2017-08-01 2019-02-21 いすゞ自動車株式会社 内燃機関の油路構造

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