JP2000086887A - プラスチックマグネット組成物 - Google Patents

プラスチックマグネット組成物

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JP2000086887A JP25974098A JP25974098A JP2000086887A JP 2000086887 A JP2000086887 A JP 2000086887A JP 25974098 A JP25974098 A JP 25974098A JP 25974098 A JP25974098 A JP 25974098A JP 2000086887 A JP2000086887 A JP 2000086887A
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Sachiko Kokuryo
佐知子 國領
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミド樹脂をベースとし、成形時の流動
性と結晶性が良好で、かつ、磁気特性と機械的強度に優
れたプラスチックマグネットを得ることのできる組成物
を提供する。 【解決手段】 (A)末端カルボキシル基濃度40me
q/kg、相対粘度2.3以下(25℃、96%濃硫酸
中、1g/dlでの値)のポリアミド樹脂、(B)層状
珪酸塩及び(C)磁性粉末からなるプラスチックマグネ
ット組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックマグ
ネットに好適に利用できるポリアミド樹脂組成物に関す
るものであり、さらに詳しくは、ポリアミド樹脂をベー
スとし、成形時の流動性と結晶性が良好で、かつ、磁気
特性と機械的強度に優れたプラスチックマグネットを得
ることのできる組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックマグネットは、従来の焼結
磁石に比較して機械的強度が強く、各種の自由な形状に
成形することが可能であり、また、生産性が高いなどの
理由により、利用範囲が拡大している。
【0003】プラスチックマグネット用のバインダー樹
脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂や、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン12などのポリアミド樹脂が主に使用されているが、中
でも耐熱性が優れている点でポリアミド樹脂を使用した
ものが増えてきている。
【0004】プラスチックマグネットは、通常、射出成
形時に型内で磁化されるが、優れた磁気特性を有するプ
ラスチックマグネットを得るためには、バインダー樹脂
の流動性が高いことが必要であり、溶融粘度の低いバイ
ンダー樹脂が求められている。
【0005】流動性を高める方法として、例えば特開昭
59-176346 号公報には、ポリアミド樹脂にポリアミドオ
リゴマ−を添加する方法が提案されている。しかし、こ
の方法ではオリゴマーが成形中に溶出し、成形品の金型
からの離型不良を引き起こしたり、オリゴマーが成形品
表面に析出し、表面外観を損なうという問題があった。
【0006】一方、流動性を高めたポリアミド樹脂組成
物としては、末端カルボキシル基濃度が5〜70meq/kgの
ポリアミド樹脂を使用した組成物(特開平2-113061号公
報)、末端カルボキシル基濃度が90meq/kg以下のポリア
ミド樹脂を使用した組成物(特開平5-51528 号公報)、
モノカルボン酸で末端封鎖したポリアミド樹脂を使用し
た組成物(特開平9-71721 号公報)などが提案されてい
る。
【0007】しかし、上記した組成物においては、いず
れもプラスチックマグネットとして利用した場合、特に
機械的強度の点で満足のいくものが得られていないのが
現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消するものであり、ポリアミド樹脂をベースとし、
成形時の流動性と結晶性に優れ、かつ、磁気特性と機械
的強度がより向上したプラスチックマグネットを得るこ
とのできる組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果,特定の末端カルボキ
シル基濃度と相対粘度を有するポリアミド樹脂、層状珪
酸塩及び磁性粉末からなるプラスチックマグネット組成
物が、優れた加工性と特性を有することを見い出し、本
発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) (A) 末端カルボキシル基濃度40〜150 meq/kg、相対
粘度 2.3以下(25℃、96%濃硫酸中、1g/dlでの値)の
ポリアミド樹脂、(B) 層状珪酸塩及び (C)磁性粉末から
なるプラスチックマグネット組成物。 (2) 層状珪酸塩(B) がポリアミド樹脂(A) 中に分子レベ
ルで分散していることを特徴とする上記(1) 記載のプラ
スチックマグネット組成物。 (3) 層状珪酸塩(B) が膨潤性フッ素雲母系鉱物であるこ
とを特徴とする上記(1)又は(2) 記載のプラスチックマ
グネット組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明におけるポリアミド樹脂としては、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、ナ
イロン11、ナイロン610 など脂肪族ナイロンや、ナイロ
ン6T、ナイロン9T、MXD6ナイロンなどの半芳香
族ナイロン、及びこれらの共重合体、あるいはこれらの
混合物を挙げることができるが、ナイロン6又はその共
重合体(ナイロン6成分が80%以上のもの)が好まし
く、ナイロン6がコストと性能のバランスにとれている
点で特に好ましい。
【0013】ポリアミド樹脂は、末端カルボキシル基濃
度が40〜150 meq/kgのものであることが必要である。末
端カルボキシル基濃度が40meq/kg未満の場合には、磁性
粉末との親和性が悪くなり、組成物の流動性が低下し、
優れた磁気特性が得られないので好ましくない。一方、
末端カルボキシル濃度が 150meq/kgを超える場合には、
磁性粉末との親和性が良好になりすぎるためか、組成物
の流動性が低下するので好ましくない。
【0014】また、ポリアミド樹脂は、溶媒として96重
量%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で求め
た値で、2.3 以下のものが必要であり、好ましくは 1.5
〜2.3 、さらに好ましくは 1.5〜2.1 のものである。相
対粘度が 1.5未満のものでは、組成物の機械的強度が低
下し好ましくない。一方、相対粘度が 2.3を超えるもの
では、組成物の流動性が低下し、高性能のプラスチック
マグネットを得ることが困難になり好ましくない。
【0015】本発明において、末端カルボキシル基濃度
や相対粘度を本発明の範囲内に制御するには、例えばモ
ノカルボン酸で末端封鎖をすることができる。モノカル
ボン酸の具体例としては、安息香酸、酢酸、ギ酸、プロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプ
タン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、
フェニル酢酸、ヒドロケイ皮酸、ケイ皮酸、トルイル
酸、クロル安息香酸、ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香
酸、トリニトロ安息香酸、アントラニル酸、ヒドロキシ
安息香酸、メトキシ安息香酸などが挙げられるが、これ
らの中で、安息香酸を用いた場合が特に好適である。
【0016】本発明における層状珪酸塩としては、モン
モリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライ
ト、ソーコナイトなどのスメクタイト系鉱物、バーミキ
ュライトなどのバーミキュライト系鉱物、白雲母、黒雲
母、パラゴナイト、レビトライト、膨潤性フッ素雲母な
どの雲母系鉱物、マーガライト、クリントナイト、アナ
ンダイトなどの脆雲母系鉱物、ドンバサイト、スドーア
イト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニ
マイトなどの緑泥石系鉱物、セピオライトなどの含水イ
ノケイ酸塩系鉱物などが挙げられるが、これらの中で
は、膨潤性フッ素雲母系鉱物(雲母の水酸基をフッ素で
置換したもの)とモンモリロナイトが、ポリアミド樹脂
中における分散性の点で特に好ましい。
【0017】層状珪酸塩の配合量としては、ポリアミド
樹脂 100重量部に対して 0.2〜15重量部の範囲とするこ
とが好ましい。この配合量が 0.2重量部未満では、機械
的強度が良好なプラスチックマグネットを得ることが難
しくなり、一方、15重量部を超えると流動性が低下する
傾向となる。
【0018】上記した膨潤性フッ素雲母系鉱物は、次式
で示されるもので、容易に合成できるものである。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (式中、Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α、
β、γ、a及びbは各々計数を表し、0.1 ≦a≦2、2
≦β≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a
+b=1である)。
【0019】このようなフッ素雲母の製造法としては、
例えば、酸化珪素と酸化マグネシウムと各種フッ化物と
を混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中で1400
〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反
応容器内にフッ素雲母を結晶成長させる、いわゆる溶融
法がある。
【0020】また、タルクを出発物質として用い、これ
にアルカリ金属イオンをインターカレーションしてフッ
素雲母を得る方法がある(特開平2-149415号公報)。こ
の方法では、タルクに珪フッ化物アルカリあるいはフッ
化アルカリを混合し、磁製ルツボ内で 700〜1200℃で短
時間加熱処理することによってフッ素雲母を得ることが
できる。
【0021】また、上記したモンモリロナイトは、天然
品でも合成品でもよいが、ナトリウムモンモリロナイト
が特に好ましい。これらは、水ひ処理やイオン交換処理
(層間イオンをナトリウムに変換する処理)を行って、
純度を高めておいてもよい。
【0022】本発明において、層状珪酸塩(B) がポリア
ミド樹脂(A) に分子レベルで分散している場合には、特
に好ましい流動性、結晶化挙動を与える。分子レベルの
分散状態については、具体的には広角X線測定を行うこ
とにより確認できる。すなわち、原料の状態では、層状
珪酸塩のc軸方向の層間距離(通常湿熱下において8〜
20Å)に由来する回折が観測されるが、層状珪酸塩がポ
リアミド樹脂中に分子レベルで分散した状態では、層状
珪酸塩の各シリケート層が剥離し、ランダムな方向をと
り、結果として、層状珪酸塩の結晶構造に由来するピー
クが観測されなくなることで確認できる。
【0023】また、ポリアミド樹脂中での層状珪酸塩の
分散性を高めるために、予め原料の層状珪酸塩の層間を
拡げる、いわゆる膨潤化処理を行ってもよい。電気的陽
性の膨潤化剤の例としては、12−アミノドデカン酸、11
−アミノウンデカン酸、6−アミノカプロン酸などのア
ミノカルボン酸がプロトン化したカチオン、ジメチルジ
ステアリルアンモニウムなどの4級アンモニウムカチオ
ン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラ
クタムがプロトン化したカチオンなどが挙げられる。ま
た、電気的中性の膨潤化剤の例としては、ε−カプロラ
クタム、ω−ラウロラクタム、エチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリビニルピリジン、ドデシル
ピロリドン、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0024】ポリアミド樹脂中に層状珪酸塩を分散させ
る手段は特に限定されず、通常の押出機にてポリアミド
樹脂と予め膨潤化処理した層状珪酸塩を溶融混練する方
法や、層状珪酸塩の存在下にポリアミドを形成するモノ
マーを重合させて得ることができるが、特に後者の手法
が好ましい。
【0025】本発明における磁性粉末としては、フェラ
イト系のバリウムフェライトやストロンチウムフェライ
ト、サマリウムコバルト系の 1/5系や2/17系、ネオジウ
ム鉄ボロン系のMQパウダー(GM社製)などが挙げら
れる。粒子経は 0.5〜10μmのものが好ましく、1.0 〜
5.0μm のものが特に好ましい。
【0026】また、磁性粉末の配合量としては、組成物
全体に対して、通常、60〜95重量%の範囲で用いられ
る。この配合量が60重量%未満では磁気特性が低下し、
一方、95重量%を超えると成形が困難となる。
【0027】なお、本発明の組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲で、ポリアミド樹脂以外の他の熱可塑
性樹脂、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ABS、PPO(ポリフェニレンオキサ
イド)などをブレンドしてもよい。
【0028】また、プラスチックマグネット用組成物と
して一般的に用いられる、ジエチルフタレート,ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート、脂肪酸エステル
などの可塑剤や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などの滑剤
を添加してもよい。
【0029】さらに、ポリアミド樹脂と磁性粉末との親
和性を高める目的で、アミノシラン、エポキシシラン、
ビニルシラン、チタニウム系などのカップリング剤を用
いることができる。
【0030】それ以外にも、本発明の組成物には、本発
明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、結晶核剤、
難燃剤などを適宜配合することもできる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。
【0032】〔測定方法〕 (1) 相対粘度 ポリアミド樹脂を1g/dlの濃度となるよう96%濃硫酸に
溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて25℃にて流下時間
の測定を行った。試料溶液流下時間を溶媒流下時間で割
った値を試料の相対粘度とした。なお、ポリアミド樹脂
の試料溶液濃度を1g/dlに調整する際には、あらかじめ
含まれる層状珪酸塩の濃度を考慮して、層状珪酸塩を除
いたポリアミド樹脂の濃度が1g/dlとなるようにした。 (2) 末端カルボキシル基濃度 層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂(又はポリアミド樹
脂)を、ベンジルアルコールに溶解し、0.01N−KOH
ベンジルアルコール溶液を用いた中和滴定により定量し
た。 (3) 末端アミノ基濃度 層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂(又はポリアミド樹
脂)を、フェノール/メタノール(体積比10/1)の混
合溶媒に溶解し、0.01N−塩酸を用いた中和滴定により
定量した。 (4) 層状珪酸塩の層間距離(ポリアミド樹脂中での分散
性) 広角X線回折装置(リガク社製、RAD-rB型)を用い、層
状珪酸塩のc軸方向の厚みに由来する回折ピークの2θ
値より、相当する層間距離を算出した。c軸方向由来の
ピークが確認されない場合に、層状珪酸塩の各珪酸塩シ
ートが分子レベルでランダムに分散していると見なし
た。 (5) メルトフローレート(MFR) 層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂(又はポリアミド樹
脂)を、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用い
て、270 ℃、10kgf の条件で測定した。 (6) 結晶化温度及び結晶化速度 層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂(又はポリアミド樹
脂)を、DSC測定装置(パーキンエルマー社製、DSC-
7 )を用いて測定した。室温より 280℃まで20℃/分で
昇温し、20℃/分で降温した時の結晶化ピークの極大値
を結晶化温度とした。また、このときの結晶化開始温度
と結晶化終了温度の差ΔTを結晶化速度の指標とした。
ΔTの値が小さいほど結晶化速度が大きいことを示す。 (7) 曲げ強度 ASTM D790に基づいて、プラスチックマグネット成形片
の曲げ強度を測定した。
【0033】実施例1 ε−カプロラクタム10kg、膨潤性合成フッ素雲母(コー
プケミカル社製「ME-100」、組成式:Na0.6Mg2.7Si4O10
F2、広角X線で測定したシリケート層の層間距離は 9.6
Å及び12.5Å)400g及び純水500gに、末端封止剤として
安息香酸 82gを加え、30リットルのオートクレーブ中
で、260 ℃で6時間重合した。その後、口径3mmのノズ
ルからストランド状に水浴中へ払い出しを行って、冷却
した樹脂ストランドをカッターで引き取りながらペレッ
ト化をおこなった。次いで、このペレットを95℃の熱水
で精練を行った後、乾燥した。得られたポリアミド樹脂
の相対粘度は1.98、末端カルボキシル基濃度は126meq/k
g 、末端アミノ基濃度は25meq/kgであった。また、この
樹脂ペレットの広角X線測定を行ったところ、樹脂中に
存在する膨潤性合成フッ素雲母の層状構造のc軸方向の
回折ピークは認められず、層構造が完全に消失している
ことが確認された。さらに、このペレットのMFR、結
晶化温度及び結晶化速度を表1に示す。次に、このペレ
ットを粉砕して 150メッシュのふるいに通した後、この
粉砕物12重量部、平均粒子径 1.2μm のストロンチウム
フェライト88重量部、γ−アミノプロピル・トリエトキ
シシラン 0.5重量部及びステアリン酸亜鉛 0.1重量部を
ヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機(池貝鉄工社
製,PCM-30)を用いて 250℃で押出してペレットを製造
した。そして、このペレットを射出成形機(東芝機械社
製、IS80G-3A)を用いて、シリンダー温度 300℃、金型
温度 120℃、射出圧力80MPa の条件で、10,000 Oe (エ
ルステッド)の磁場中で射出成形し、肉厚3mm、幅12m
m、長さ 127mmの矩形のプラスチックマグネット成形片
を得た。この成形片の曲げ強度及び磁気特性としての最
大磁気エネルギー積(BHmax )の測定結果を表1に示
す。
【0034】実施例2 ε−カプロラクタム9kg、12−アミノドデカン酸1kg、
膨潤性合成フッ素雲母(コープケミカル社製「ME-10
0」)300g、純水 500g 及び安息香酸 70gを実施例1と
同様の条件で重合した。得られたポリアミド樹脂の相対
粘度は2.04、末端カルボキシル基濃度は100meq/kg 、末
端アミノ基濃度は30meq/kgであった。次に、実施例1と
同様にして磁性粉末を配合し、実施例1と同様の方法で
成形してプラスチックマグネット成形片を得た。樹脂ペ
レットの層状珪酸塩の層間距離、MFR、結晶化温度及
び結晶化速度、並びにプラスチックマグネット成形片の
曲げ強度と BHmaxの測定結果を表1に示す。
【0035】実施例3 ε−カプロラクタム10kg、膨潤性合成フッ素雲母(コー
プケミカル社製「ME-100」)300g、純水 500g 及び安息
香酸 52gを実施例1と同様の条件で重合した。得られた
ポリアミド樹脂の相対粘度は2.10、末端カルボキシル基
濃度は 70meq/kg 、末端アミノ基濃度は32meq/kgであっ
た。次に、実施例1と同様にして磁性粉末を配合し、実
施例1と同様の方法で成形してプラスチックマグネット
成形片を得た。樹脂ペレットの層状珪酸塩の層間距離、
MFR、結晶化温度及び結晶化速度、並びにプラスチッ
クマグネット成形片の曲げ強度と BHmaxの測定結果を表
1に示す。
【0036】実施例4 膨潤性合成フッ素雲母の代わりに、水ひ処理した天然モ
ンモリロナイト(クニミネ工業社製「kunipia F」、山
形産、広角X線で測定したシリケート層の層間距離は1
2.5Å)を用いた他は、実施例1と同様の条件で重合し
た。得られたポリアミド樹脂の相対粘度は2.10、末端カ
ルボキシル基濃度は 93meq/kg 、末端アミノ基濃度は27
meq/kgであった。次に、実施例1と同様にして磁性粉末
を配合し、実施例1と同様の方法で成形してプラスチッ
クマグネット成形片を得た。樹脂ペレットの層状珪酸塩
の層間距離、MFR、結晶化温度及び結晶化速度、並び
にプラスチックマグネット成形片の曲げ強度と BHmaxの
測定結果を表1に示す。
【0037】実施例5 膨潤性合成フッ素雲母の代わりに、天然モンモリロナイ
ト(クニミネ工業社製「kunipia F」、山形産)を用い
た他は、実施例1と同様の条件で重合した。得られたポ
リアミド樹脂の相対粘度は1.99、末端カルボキシル基濃
度は 91meq/kg 、末端アミノ基濃度は32meq/kgであっ
た。次に、実施例1と同様にして磁性粉末を配合し、実
施例1と同様の方法で成形してプラスチックマグネット
成形片を得た。樹脂ペレットの層状珪酸塩の層間距離、
MFR、結晶化温度及び結晶化速度、並びにプラスチッ
クマグネット成形片の曲げ強度と BHmaxの測定結果を表
1に示す。
【0038】比較例1 膨潤性合成フッ素雲母を添加せず、その他は、実施例1
と同様の条件で重合した。得られたポリアミド樹脂の相
対粘度は2.02、末端カルボキシル基濃度は 99meq/kg 、
末端アミノ基濃度は28meq/kgであった。次に、実施例1
と同様にして磁性粉末を配合し、実施例1と同様の方法
で成形してプラスチックマグネット成形片を得た。樹脂
ペレットの層状珪酸塩の層間距離、MFR、結晶化温度
及び結晶化速度、並びにプラスチックマグネット成形片
の曲げ強度と BHmaxの測定結果を表1に示す。
【0039】比較例2 安息香酸を10gとした他は、実施例1と同様の条件で重
合した。得られたポリアミド樹脂の相対粘度は 2.50 、
末端カルボキシル基濃度は 55meq/kg、末端アミノ基濃
度は28meq/kgであった。次に、実施例1と同様にして磁
性粉末を配合し、実施例1と同様の方法で成形してプラ
スチックマグネット成形片を得た。樹脂ペレットの層状
珪酸塩の層間距離、MFR、結晶化温度及び結晶化速
度、並びにプラスチックマグネット成形片の曲げ強度と
BHmaxの測定結果を表1に示す。
【0040】比較例3 安息香酸を 110gとした他は、実施例1と同様の条件で
重合した。得られたポリアミド樹脂の相対粘度は1.50、
末端カルボキシル基濃度は 55meq/kg 、末端アミノ基濃
度は28meq/kgであった。次に、実施例1と同様にして磁
性粉末を配合し、実施例1と同様の方法で成形してプラ
スチックマグネット成形片を得た。樹脂ペレットの層状
珪酸塩の層間距離、MFR、結晶化温度及び結晶化速
度、並びにプラスチックマグネット成形片の曲げ強度と
BHmaxの測定結果を表1に示す。
【0041】比較例4 膨潤性合成フッ素雲母を添加せず、安息香酸量を 110g
とした他は、実施例1と同様の条件で重合した。得られ
たポリアミド樹脂の相対粘度は1.50、末端カルボキシル
基濃度は180meq/kg 、末端アミノ基濃度は29meq/kgであ
った。次に、実施例1と同様にして磁性粉末を配合し、
実施例1と同様の方法で成形してプラスチックマグネッ
ト成形片を得た。樹脂ペレットの層状珪酸塩の層間距
離、MFR、結晶化温度及び結晶化速度、並びにプラス
チックマグネット成形片の曲げ強度と BHmaxの測定結果
を表1に示す。
【0042】比較例5 膨潤性合成フッ素雲母及び安息香酸を添加せず、その他
は、実施例1と同様の条件で重合した。得られたポリア
ミド樹脂の相対粘度は2.60、末端カルボキシル基濃度は
30meq/kg 、末端アミノ基濃度は35meq/kgであった。次
に、実施例1と同様にして磁性粉末を配合し、実施例1
と同様の方法で成形してプラスチックマグネット成形片
を得た。樹脂ペレットの層状珪酸塩の層間距離、MF
R、結晶化温度及び結晶化速度、並びにプラスチックマ
グネット成形片の曲げ強度と BHmaxの測定結果を表1に
示す。
【0043】なお、比較例1及びと比較例4において
は、層状珪酸塩を添加しなかったため、オートクレーブ
からの払い出しの際に樹脂の固化が遅く、ストランドカ
ッターでのペレット化時に樹脂の融着現象が生じ、操業
状況はきわめて不調であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、優れた流動性ととも
に、結晶化速度が大きくそのために操業性が改良される
と同時に,従来品より優れた磁気特性と機械的強度を有
するプラスチックマグネットを得ることのできる組成物
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 康治 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 國領 佐知子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 CL011 CL031 CL051 DA067 DE097 DE117 DJ006 DJ056 FD206 FD207

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 末端カルボキシル基濃度40〜150 me
    q/kg、相対粘度 2.3以下(25℃、96%濃硫酸中、1g/dl
    での値)のポリアミド樹脂、(B) 層状珪酸塩及び (C)磁
    性粉末からなるプラスチックマグネット組成物。
  2. 【請求項2】 層状珪酸塩(B) がポリアミド樹脂(A) 中
    に分子レベルで分散していることを特徴とする請求項1
    記載のプラスチックマグネット組成物。
  3. 【請求項3】 層状珪酸塩(B) が膨潤性フッ素雲母系鉱
    物であることを特徴とする請求項1又は2記載のプラス
    チックマグネット組成物。
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