JP2000085230A - 版 胴 - Google Patents

版 胴

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JP2000085230A
JP2000085230A JP10255740A JP25574098A JP2000085230A JP 2000085230 A JP2000085230 A JP 2000085230A JP 10255740 A JP10255740 A JP 10255740A JP 25574098 A JP25574098 A JP 25574098A JP 2000085230 A JP2000085230 A JP 2000085230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッシュスクリーンの後端部をスプリングを
介して張設したり、マスタの先端部をクランパ等のマス
タ先端係止手段で挾持・係止したりせずとも、メッシュ
スクリーンが横にスキューしたり、マスタがクランパか
ら抜け出したり、さらにはこれらによってマスタの破れ
や伸びが発生してしまい、画像品質の低下や排版不良、
マスタの破れに伴うインキ飛散等による機械内部の汚損
を引き起こしてしまうことを解決する。 【解決手段】 版胴1の外周面6にマスタ61を巻き付
け内周面5側から開孔2を介してマスタ61にインキが
供給される版胴1において、開孔2の外周面6側の開孔
周縁部に、マスタ61を保持すべくハーフエッチング部
4の外周面6から外方に向って突出した開孔周縁凸部3
を形成した。開孔周縁凸部3の断面形状が山形であり、
その頂部が鋭角であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置等の
印刷装置に用いられる版胴に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷装置等の印刷装置に用いられ、
外周面に孔版印刷用マスタ(以下、単に「マスタ」とい
う)を巻き付け内周面側から多数の小さな開孔(小孔ま
たは開口と呼ばれることもある)を介してマスタにイン
キが供給される版胴の加工方法としては、生産性やコス
トなどの観点より、例えばステンレススチールのような
金属製の薄板をエッチング加工に代表される化学的腐食
加工によって多数の開孔を形成する方法や、電鋳加工に
よって母型に金属皮膜を形成する過程にて多数の開孔を
形成する方法などが一般的に広く用いられている。図8
は、従来の一般的な版胴501の一例を示している。こ
の版胴501は、例えばステンレススチール製の薄板の
素材を内周面505及び外周面506の両側からエッチ
ング処理を施すことによって、図8(b)に破線で示す
ような多数の微小な開孔502を貫通・形成したもので
ある。符号502’で示す開孔は、従来の通常のエッチ
ング処理により開孔502’の内壁にテーパ面が残って
いる状態を表しているが、現在ではエッチング処理技術
の発達によってほとんど破線で示すようなストレートの
開孔502を明けることができるようになっている。符
号tは、版胴501の素材の厚さである素材板厚を示
す。
【0003】そして、版胴は、上記した金属製の薄板か
らなる支持円筒体を基体とし、その支持円筒体の外周面
上にさらにメッシュ状のインキ通過部を有するメッシュ
スクリーンを1層または複数層巻装したものが一般的で
ある。以下、上記したような版胴の形成の仕方を前者の
技術と呼ぶこととする。
【0004】また、特開平3−67682号(特許第2
752711号)公報には、図9に簡略的に示すような
断面を有する孔版印刷用版胴601が開示されている。
孔版印刷用版胴601は、図9に示すように、版胴60
1の外周面606側だけにエッチング処理を施すいわゆ
るハーフエッチング処理により形成した凹溝部604の
中に、さらに内周面605および外周面606の両側か
らエッチング処理を施す貫通エッチング処理によって貫
通・形成した開孔602(同公報では開口部)があり、
開孔602の開孔周縁部を含む周囲部は、版胴601の
素材板厚tよりもハーフエッチング処理をされている分
薄くなっており、これにより、インキの保持性および流
動性を図ったものである。そして、ハーフエッチング処
理をされないで残った部分が台形状の凸部603になっ
ており、この凸部603によって版胴601の機械的強
度を十分確保できるようにしたものである。以下、この
技術を後者の技術と呼ぶこととする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
技術では、版胴の支持円筒体に巻装されるメッシュスク
リーンやマスタは、版胴の支持円筒体の外周表面が平滑
であり、さらに支持円筒体の外周面とメッシュスクリー
ンやマスタとの間には、インキが介在するために滑りが
発生しやすかった。これを防止するために、支持円筒体
とメッシュスクリーンの後端部との間に張設されたスプ
リング等によりメッシュスクリーンを支持円筒体に当接
する向きに引っ張ったり、マスタの先端部を版胴上に確
実に係止するために着磁したゴムシートなどを利用した
クランパ等のマスタ先端係止手段にて挾持・係止したり
する方式などが採られていた。マスタ先端係止機構に係
る技術としては、例えば特開平6−127107号およ
び特開平6−127108号公報に開示されたものを挙
げることができる。
【0006】版胴の外周面や支持円筒体上のメッシュス
クリーン上に巻装されたマスタに対して、給送されてき
た印刷用紙を、版胴内周面側に配設されたインキ供給ロ
ーラと押圧手段の一例としてのプレスローラとの間で押
圧しながら印刷を実行する行為を繰り返す場合に、メッ
シュスクリーンが横方向(版胴の回転軸線方向)にスキ
ューしたり、マスタがクランパから抜け出したり、さら
にはこれらの不具合が誘因となってマスタの破れや伸び
が発生してしまい、これにより画像品質の低下や排版不
良、マスタの破れに伴うインキ飛散等による機械内部の
汚損を引き起こしていたという問題点がある。
【0007】一方、後者の技術では、同公報の第3図か
らも明白なように、前者の技術と同様に、マスタ先端係
止手段(同公報ではクランプ片11)を必要としてお
り、凸部603によるマスタの保持性についてはマスタ
の多孔質支持体に食い込み保持するような機能を有して
おらず、マスタに接触してせいぜいインキの粘着によっ
てマスタを保持する程度であり、上記した前者の技術と
略同様の問題点がある。
【0008】したがって、本発明は、上述した事情に鑑
みてなされたものであって、メッシュスクリーンの後端
部をスプリングを介して張設したり、マスタの先端部を
クランパ等のマスタ先端係止手段で挾持・係止したりせ
ずとも、メッシュスクリーンが横にスキューしたり、マ
スタがクランパから抜け出したり、さらにはこれらによ
ってマスタの破れや伸びが発生してしまい、画像品質の
低下や排版不良、マスタの破れに伴うインキ飛散等によ
る機械内部の汚損を引き起こしてしまうことのない版胴
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために、請求項1記載の発明では、外周面に
マスタを巻き付け内周面側から開孔を介して上記マスタ
にインキが供給される版胴において、上記開孔の上記外
周面側の開孔周縁部に、上記マスタを保持すべく該外周
面から外方に向って突出した凸部を形成したことを特徴
とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の版
胴において、上記凸部の断面形状が山形であり、その頂
部が鋭角であることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の版胴において、上記版胴の外周面上に、上記凸部
とは別に上記マスタを保持すべく上記版胴の外周面から
外方に向って突出した突起部を形成したことを特徴とす
る。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の版
胴において、上記突起部の先端部が、鋭角であることを
特徴とする版胴。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の版胴において、上記突起部の軸芯を、上記版胴の
回転中心を通る半径方向の半直線に対して上記版胴の回
転方向の進み側に所定角度傾けたことを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、上記凸部の高さ
が、上記版胴を形成する素材の厚さの1/4〜1/2で
あることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項3、4また
は5記載の版胴において、上記突起部の高さが、上記版
胴を形成する素材の厚さの1/4〜1/2であることを
特徴とする。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項1ないし7
の何れか一つに記載の版胴において、上記版胴の外周面
には、インキ通過性のメッシュスクリーンが少なくとも
一層巻き付けられていることを特徴とする。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8
の何れか一つに記載の版胴において、上記開孔が、上記
外周面の略全体に亘って設けられていることを特徴とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)
を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能や形状等
を有する構成部品や部材等については、同一符号を付す
ことによりその説明をできるだけ省略する。図において
一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がな
い構成部品や部材等は、説明の簡明化を図る上から、そ
の片方を適宜記載することでその説明に代えるものとす
る。なお、各図において、開孔2、開孔周縁凸部3、側
縁領域1a、マスタ61の厚さや素材板厚t等の図示に
ついては、その形状を分かりやすくするために、誇張拡
大して示している。
【0019】(第1の実施形態)図1(a),(b)
に、本発明の第1の実施形態の版胴1を示す。この版胴
1は、図2に示すように、例えば素材がステンレススチ
ール等からなる長方形の薄い平板7を円筒状に丸めて適
宜の接合法、例えば突き当て溶接によってその両端縁部
を接合・固定して成形されたものであり、図1(a),
(b)ではその一部を破断して示している。図1
(a),(b)において、符号5は、後述するインキ供
給ローラ等によりインキが供給される側の版胴1の内周
面を示し、符号6は、マスタ61を巻き付ける側である
版胴1の外周面を示す。
【0020】この版胴1に巻装されるマスタ61として
は、図1(b)に部分的に示すように、例えばポリエス
テル等からなる1〜2μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィ
ルム61c(以下、単に「フィルム61c」という)に
和紙繊維あるいは合成繊維、もしくはこれら両材料を混
抄したものからなる厚さ100μm以下の多孔質支持体
(ベース)61bを貼り付けてラミネート構造としたも
のが用いられる。
【0021】図2において、平板7の長辺方向はマスタ
搬送方向X(もしくは用紙搬送方向)に相当し、短辺方
向はマスタ幅方向Y(もしくは用紙幅方向)に相当す
る。平板7のマスタ搬送方向Xには、その両側の側縁領
域1aを除き、インキ通過性の多数の開孔2を有するメ
ッシュ模様で示す開口領域8が形成される。この開口領
域8は、版胴1の実質的な印刷可能領域となる。つま
り、開孔2は、版胴1の外周面6の略全体に亘って設け
られている。開口領域8の外周面側に上記マスタが巻き
付けられ、内周面5側から供給されたインキは、開孔2
を吐出通過してハーフエッチング部4の外周面4a上に
巻装されたマスタ61に供給されることとなる。両側縁
領域1aは、インキ不通過性の非印刷可能領域であり、
両側縁領域1aには、後述するフランジの外周面に平板
7を丸めて取付固定するための孔1bが複数明けられ
る。
【0022】開孔2は、図1(b)に括弧を付して示す
平板7の段階で、後述するエッチング処理(エッチング
加工)を施すことにより、図1(b)に示されている平
板7において、版胴1の内周面5になる下面と版胴1の
外周面6になる上面とを貫通し、内周面5側からのイン
キを外周面6側に吐出・供給すべく多数形成される。平
板7の素材板厚tは、例えば0.1〜1.0mm程度の
ものが好ましく用いられる。開孔2は、素材板厚tに相
当する長さをもって形成される。
【0023】この版胴1の特徴は、開孔2の外周面6側
の開孔周縁部に、マスタ61を強固に保持すべく外周面
6(この実施形態では正確に言うと後述するハーフエッ
チング部4の外周面4aに相当する)から外方に向って
突出した凸部としての開孔周縁凸部3を形成した点にあ
り、また、その開孔周縁凸部3の断面形状が山形をな
し、その頂部が鋭角をなすように形成した点にある。さ
らに詳しく述べると、開孔2の外周面6側の開孔周縁部
は、断面形状が直角三角形状の山形に盛り上がって開孔
周縁凸部3が形成され、その頂部の稜線部分が鋭角をな
した先とがりエッジ状となっている。
【0024】次に、版胴1の開孔2、開孔周縁凸部3、
ハーフエッチング部4および側縁領域1aの形成の仕方
について述べる。ハーフエッチング部4は、平板7の外
周面6側だけをエッチング処理することで形成され、こ
れと同時に両側の側縁領域1aも形成される。そして、
ハーフエッチング部4での山形状の開孔周縁凸部3を形
成するためには、平板7の素材の種類、溶剤、レジスト
形状等の条件により異なってくるが、少なくともレジス
トの非マスキング部を最初小さくして、次いで徐々に大
きくしていくようなハーフエッチング処理を施せば、マ
スキングの形状の調整により、上記のような所望の稜線
をもつ山形の開孔周縁凸部3形状を得ることができる。
また、開孔2は、平板7の内周面5および外周面6の両
側からエッチング処理を施す貫通エッチング処理によっ
て素材板厚t方向に貫通し形成する。
【0025】版胴1の強度について言及すると、ハーフ
エッチング部4を形成することで、強度的低下が懸念さ
れるが、平板7に対する開孔2の開孔率や素材板厚tの
変更により版胴1の強度を確保することができる。
【0026】また、インキの保持性については、マスタ
61の多孔質支持体61bの部分で十分確保できると共
に、多孔質支持体61b内でのインキの流動性に関して
はマスタ61側で十分対応できる。
【0027】例えば平板7の素材板厚tが0.2mmの
場合には、開孔2の開孔径2aは、版胴剛性確保という
点から、0.25〜0.27mm程度に形成される。開
孔周縁凸部3の山形の麓の外輪径3aは、強度確保と加
工性という点から、0.31〜0.37mm程度に形成
され、また、開孔周縁凸部3の山の高さは、マスタ61
の多孔質支持体61bの厚さ部分に食い込んでマスタ6
1を強固に保持する点から、素材板厚tの1/4t〜1
/2t程度が好ましい。
【0028】なお、開孔周縁凸部3の山の高さは、使用
するマスタ61の多孔質支持体61bの厚さや、後述す
る実施形態のように版胴1の外周面6側にメッシュスク
リーンをさらに巻装した場合等を考慮して最適なマスタ
保持性を確保すべく設定されるが、使用するインキの種
類等も副次的に考慮して設定される。
【0029】この第1の実施形態の版胴1によれば、上
述したように、版胴1の強度、インキの保持性やインキ
の流動性を基本的に確保した上で、開孔2の外周面6側
の開孔周縁部に、マスタ61を強固に保持すべくハーフ
エッチング部4の外周面4aから外方に向って突出し
た、その断面形状が山形でその頂部が鋭角をなす開孔周
縁凸部3を形成したことにより、開孔周縁凸部3がマス
タ61の多孔質支持体61bの厚さ方向に食い込んでマ
スタ61を機械的に強固に保持するので、マスタ保持性
が向上して、後述するようにクランパ等のマスタ先端係
止手段を不要とすることができる。換言すれば、版胴1
の外周面6の略全体に亘って開孔2および開孔周縁凸部
3を設けたことにより、版胴1の外周表面がマスタ保持
に適する凹凸のある形状となり、後述する設定マスタ6
1aの多孔質支持体61bに対して摩擦係数を高めた状
態となって、版胴1と設定マスタ61aとが強固に結び
つくことができるものである。
【0030】図3に、第1の実施形態の版胴1を適用し
た孔版印刷装置の一例を示す。この孔版印刷装置は、同
図に示すように、外周面の略全体に亘ってインキ通過性
の開孔2と開孔周縁凸部3とが設けられた印刷可能領域
を有し、マスタ61や設定マスタ61aを外周面6に巻
き付ける回動自在な版胴1と、この版胴1の内部に配設
され、版胴1の内周面5側から開孔2を介してインキを
版胴1上の設定マスタ61aに供給するインキ供給手段
としてのインキ供給装置108と、版胴1の図3で右側
上方に配設される製版装置(図示せず)と、版胴1上の
設定マスタ61aに用紙82を選択的に押圧する押圧手
段としてのプレスローラ103と、用紙82の先端を検
知する用紙検出センサ102とを具備している。
【0031】インキ供給装置108は、版胴1の回転方
向と同一方向に同期して回転して版胴1の内周面5にイ
ンキを供給するインキ供給ローラ105と、インキ供給
ローラ105とわずかな隙間をもって平行に配置されイ
ンキ供給ローラ105との間に断面楔状のインキ溜り1
07を形成するドクターローラ106と、インキ溜り1
07へインキを供給するインキ供給パイプを兼ねる回転
中心軸としての支持軸104とを具備している。インキ
供給ローラ105は、アルミニウム、ステンレスなどの
金属またはゴム等により形成され、図示しないギヤ列に
より版胴1と共に時計回り方向に回転する。インキ供給
ローラ105と版胴1との回転速度の比は、所定の値に
設定されている。ドクターローラ106は、鉄やステン
レスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列により反
時計回り方向に回転する。ドクターローラ106と版胴
1との回転速度の比も所定の値に設定されている。イン
キ溜り107に供給されるインキの量は、インキ検知手
段(例えば特開平5−229243号公報の図5参照)
によって検知・測定され、図示しないインキポンプによ
ってインキ圧送量をコントロールされる。
【0032】版胴1の両側縁領域1aは、フランジアー
ム21を介して支持軸104に回動自在に支持され版胴
1の両端部に配設される端板とも呼ばれる一対のフラン
ジ20の外周面にねじ等の締結手段により取付固定され
る。同図において、符号23は、3本のアーム21を結
合しているドラムボス部であり、これら一対のドラムボ
ス部23が支持軸104の両端部において図示しない軸
受を介して回動自在に支持されることで、版胴1が回動
自在になされる。一対のドラムボス部23の内側には、
上記したインキ供給ローラ105およびドクターローラ
106を回転自在に支持するインキ側板22が支持軸1
04に取り付け固定されている。
【0033】後述する設定マスタ巻装に係る新規な技術
により、設定マスタ61aの後端部がその先端部の上に
重ね合わされたマスタ重合領域69を形成するように、
版胴1の外周面6上に巻装される。このマスタ重合領域
69では、下側に位置する設定マスタ61aの先端部の
フィルム61c部分が後述するサーマルヘッドにより特
有の穿孔パターンが形成された第1次穿孔領域63(図
3では黒塗色部分で示されている)となっている。その
ため、第1次穿孔領域63から滲み出てくるインキの粘
着力により、マスタ重合領域69の上下の2枚の設定マ
スタ61a同士が密着保持されることとなる。このと
き、内周面5側から供給されたインキは、開孔2を吐出
通過して外周面6上に巻装されたマスタ61や設定マス
タ61aに供給されるが、そのように滑りやすいインキ
が版胴1の外周面6上に充填され、印刷が継続されてい
る場合でも、その断面形状が山形でその頂部が鋭角をな
す開孔周縁凸部3がマスタ61や設定マスタ61aの多
孔質支持体61bの厚さ方向に食い込んでマスタ61や
設定マスタ61aを機械的に強固に保持するので、マス
タ61や設定マスタ61aが版胴1の図中矢印回転方向
(時計回り方向)の遅れ側(回転方向の上流側でもあ
る)に引っ張られようとした場合でも、版胴1とマスタ
61や設定マスタ61aとの位相がずれることが防止さ
れている。したがって、この孔版印刷装置では、上記し
た版胴1を具備していることにより、クランパ等のマス
タ先端係止手段を配設する必要がない。
【0034】(変形例1)図4に、第1の実施形態の変
形例1を示す。この変形例1は、第1の実施形態と比較
すると、版胴1に代えて、版胴1Aを有することのみ相
違する。版胴1Aは、版胴1に対して、版胴1Aのハー
フエッチング部4の外周面4a上に、版胴1の開孔周縁
凸部3とは別に、マスタ61をより一層強固に保持すべ
く版胴1Aのハーフエッチング部4の外周面4aから外
方に向って突出した突起部としてのピン状突起9を形成
付加したことのみ相違する。
【0035】ピン状突起9は、細棒状をなしていて、開
孔周縁凸部3と開孔周縁凸部3との間のハーフエッチン
グ部4の外周面4a上に同様のエッチング処理によって
一体形成される。ピン状突起9の高さは、マスタ61の
多孔質支持体61bの厚さ部分に食い込んでマスタ61
を強固に保持する点から、素材板厚tの1/4t〜1/
2t程度が好ましい。ピン状突起9の外径9aは、強度
確保と加工性という点から0.07〜0.12mmに形
成される。
【0036】この変形例の版胴1Aによれば、開孔周縁
凸部3に加えて、これとは別にマスタ61をより一層強
固に保持すべく版胴1Aにピン状突起9を形成したこと
により、開孔周縁凸部3がマスタ61の多孔質支持体6
1bの厚さ方向に食い込むと共に、ピン状突起9もマス
タ61の多孔質支持体61bの厚さ方向に食い込んでマ
スタ61をより一層機械的に強固に保持するので、マス
タ保持性がより一層向上して、後述するようにクランパ
等のマスタ先端係止手段を不要とすることができる。
【0037】(変形例2)図5に、第1の実施形態の変
形例2を示す。この変形例2は、第1の実施形態と比較
すると、版胴1に代えて、版胴1Bを有することのみ相
違する。版胴1Bは、版胴1に対して、版胴1Bのハー
フエッチング部4の外周面4a上に、版胴1の開孔周縁
凸部3とは別に、マスタ61をさらに一層強固に保持す
べく版胴1Bのハーフエッチング部4の外周面4aから
外方に向って突出した突起部としての円錐状突起10を
形成付加したことのみ相違する。
【0038】円錐状突起10は、円錐状をなし、その先
端が鋭角にとがっていて、開孔周縁凸部3と開孔周縁凸
部3との間のハーフエッチング部4の外周面4a上にエ
ッチング処理によって一体形成される。円錐状突起10
は、円錐状突起10の中心である図6に一点鎖線で示す
軸芯11が、版胴1Bの回転中心Oを通る半径方向の半
直線HLに対して版胴1Bの回転方向の進み側に所定の
角度θ分傾けて外周面4a上に形成されている。円錐状
突起10の高さは、マスタ61の多孔質支持体61bの
厚さ部分に食い込んでマスタ61を強固に保持する点か
ら、素材板厚tの1/4t〜1/2t程度が好ましい。
円錐状突起10の基部径10aは、強度確保と加工性と
いう点から0.05〜0.2mm程度に形成される。円
錐状突起10の軸芯11の傾き角度θは、マスタ保持性
能確保と加工性という点から、5°〜30°に形成され
る。そして、円錐状突起10の先端形状は、マスタ61
の多孔質支持体61bとフィルム61cとの強度に応じ
て、適宜設計設定される。それ故に、版胴1Bが図3に
示す孔版印刷装置に適用され、プレスローラ103で押
圧された場合でも、マスタ61のフィルム61cが破れ
等の破損を生じるものではないため、その破損に伴うイ
ンキ付着・飛散等によって画像汚れなどは発生すること
はない。
【0039】この変形例の版胴1Bによれば、開孔周縁
凸部3に加えて、これとは別にマスタ61をさらに一層
機械的に強固に保持すべく版胴1Bの回転方向の進み側
に角度θ分傾いて突出した円錐状突起10を形成したこ
とにより、開孔周縁凸部3がマスタ61の多孔質支持体
61bの厚さ方向に食い込むと共に、円錐状突起10も
マスタ61の多孔質支持体61bの厚さ方向に食い込ん
でマスタ61をより一層強固に保持するので、マスタ保
持性がより一層向上して、後述するようにクランパ等の
マスタ先端係止手段を不要とすることができる。図3に
示すように、マスタ61や設定マスタ61aが版胴1の
図中矢印回転方向(時計回り方向)の遅れ側(回転方向
の上流側でもある)に引っ張られようとした場合でも、
版胴1Bの回転方向の進み側に角度θ分傾いた円錐状突
起10の先端部がマスタ61の多孔質支持体61bの移
動を押さえるので、版胴1とマスタ61や設定マスタ6
1aとの位相がずれることが防止されている。なお、説
明が遅れたが、版胴1Aや版胴1Bが図3に示す孔版印
刷装置に適用されていることを表すために、それらの版
胴の符号を同図に括弧を付して併記している。
【0040】(第2の実施形態)図7に、本発明の第2
の実施形態を示す。この図7に示されている孔版印刷装
置は、第1の実施形態の版胴1を適用した図3に示す孔
版印刷装置と比較して、版胴1に代えて、非開口領域
(非印刷可能領域)を備えた版胴1’を有すること、お
よび版胴1’の開口領域(印刷可能領域)の外周面6
に、インキ通過性のメッシュスクリーン12が少なくと
も一層巻き付けられていることが主に相違する。
【0041】版胴1’には、版胴1’の両端縁接合部の
機械的強度等を考慮して、開孔2を明けていない非開口
領域(非印刷可能領域)がフランジ20の継ぎ目20a
外周面付近のスクリーン非巻装部1cに設けられてい
る。メッシュスクリーン12は、樹脂もしくは金属製の
網体からなる。メッシュスクリーン12は、版胴1’の
外周面6の画像形成を実行される箇所に巻かれていれば
十分であるため、版胴1’の外周面6の非画像形成部に
相当するスクリーン非巻装部1cを除き、版胴1’の外
周面6に巻装されている。スクリーン非巻装部1cは、
版胴1’のマスタ幅方向に延在して設けられた平面視で
帯状領域をなす。
【0042】版胴1の外周面6に巻装されたメッシュス
クリーン12には、内周面5側から供給されたインキが
開孔2を吐出通過して外周面4aとメッシュスクリーン
12との間に供給されるが、そのように滑りやすいイン
キが版胴1の外周面4aとメッシュスクリーン12との
間に充填され、印刷が継続された場合でも、その断面形
状が山形でその頂部が鋭角をなす開孔周縁凸部3がメッ
シュスクリーン12に食い込んで、メッシュスクリーン
12を機械的に強固に保持することにより、版胴1とメ
ッシュスクリーン12とが機械的に強固に結びつき、メ
ッシュスクリーン12が版胴1の図中矢印回転方向の遅
れ側に引っ張られようとした場合でも、版胴1とメッシ
ュスクリーン12との位相がずれることが防止されてい
る。
【0043】また、メッシュスクリーン12の外周面に
巻装されている設定マスタ61aは、その先端部が版胴
1の外周面4aのスクリーン非巻装部1cにて、開孔周
縁凸部3の鋭角状の稜線部分と強固に密着して保持され
ており、後述する設定マスタ巻装に係る新規な技術によ
り、設定マスタ61aの後端部がその先端部の上に重ね
合わされたマスタ重合領域69を形成するように、版胴
1の外周面6上に巻装される。このマスタ重合領域69
では、下側に位置する設定マスタ61aの先端部のフィ
ルム61c部分が後述するサーマルヘッドにより特有の
穿孔パターンが形成された第1次穿孔領域63(図7で
は黒塗色部で示されている)となっている。そのため、
第1次穿孔領域63から滲み出てくるインキの粘着力に
より、マスタ重合領域69の上下の2枚の設定マスタ6
1a同士が密着保持されることとなる。したがって、版
胴1に対してメッシュスクリーン12のみならず、設定
マスタ61aも位相ずれが防止されている。したがっ
て、この孔版印刷装置でも、上記した版胴1’を具備し
ていることにより、クランパ等のマスタ先端係止手段を
配設する必要がない。
【0044】各版胴1,1A,1B,1’,1A’,1
B’の開孔周縁凸部3、ピン状突起9や円錐状突起10
は、エッチング処理(エッチング加工)で形成したが、
これに限らず、プレス加工や電鋳加工等によって形成す
ることもできる。各版胴1,1A,1B,1’,1
A’,1B’の開孔周縁凸部3、ピン状突起9や円錐状
突起10をプレス加工で形成した場合、そのハーフエッ
チング部4を形成しなくてもよい。
【0045】なお、各版胴1,1A,1B,1’,1
A’,1B’は、これに限らず、ピン状突起9と円錐状
突起10との両方を適当な配置パターンで開孔周縁凸部
3に付加するように構成することもできる。また、ピン
状突起9および/または円錐状突起10を具備すること
で、鋭角状の稜線部分を有する開孔周縁凸部3に代え
て、開孔周縁凸部3の強度や耐久性を向上するために、
略台形状の開孔周縁凸部とすることもできる。
【0046】次に、設定マスタ巻装に係る新規な技術に
ついて説明する。この新規な技術は、以下のような従来
技術の事情に鑑みてなされたものである。例えば、特開
平5−162429号公報に開示されているような用紙
の片面に印刷を行なう片面印刷方式の孔版印刷装置が知
られている。この孔版印刷装置では、その外周面全体に
わたって多数の小孔が設けられた印刷ドラムとも呼ばれ
ている円筒状版胴と、この円筒状版胴の内周面にインキ
を供給するインキ供給手段と、プレスローラによる用紙
の押圧点より上流側における孔版原紙の移動経路の円筒
状版胴に対向した位置に設けられ、円筒状版胴上の孔版
原紙に接離可能な押えローラとを有していることによっ
て、円筒状版胴とプレスローラとの離間距離を著しく狭
くして、給紙中においては連続してプレスローラによる
円筒状版胴への押圧動作を継続して印刷を行なうもので
ある。
【0047】そして、上記片面印刷方式を用いた技術に
よれば、版胴上にクランパを設ける必要がないので、版
胴の構造が簡単になって安価であり、プレスローラが間
欠的に版胴に押圧することがないので衝撃音を発生する
ことがなく、これに加えてプレスローラがバウンドして
用紙の画像先端部に濃度ムラを発生することがなく、ま
た特開平3−136890号公報に開示されている技術
のように、版胴の外周面に衝撃吸収部材を設ける必要が
ないので段差が生じることもなく、プレスローラによる
押圧力のムラによって画像ムラを発生させることがない
という作用効果を奏する。
【0048】しかしながら、上記技術では、上記作用効
果を奏する反面、版胴上にクランパが設けられていない
ため、第1に、用紙が円筒状版胴の外周面から離れると
きに、用紙に働いているインキの粘着力によって、円筒
状版胴の外周面に巻装されている孔版原紙(以下、「マ
スタ」という)を円筒状版胴の回転遅れ側(回転方向の
上流側)に引っ張る力が発生し、印刷を繰り返す度に円
筒状版胴に巻装されているマスタの位置がズレる現象が
発生してしまい、結果的に用紙に印字・転写される位置
が後退したり、マスタにシワが発生したりするという問
題点がある。第2に、円筒状版胴とプレスローラとの離
間距離が著しく狭く設定されているので、円筒状版胴の
印刷装置本体からの着脱が容易に行なえないという不具
合点がある。第3に、給紙中においてはプレスローラが
連続押圧動作を実行するので、用紙がジャムした場合に
はプレスローラがインキ等で汚れて、次に供給される用
紙をプレスローラに付着したインキ等で汚してしまうと
いう不具合点もある。第4に、円筒状版胴に巻装された
製版済みのマスタの後端部に滲み出てきたインキが円筒
状版胴の内部に戻ることができないため、いわゆるイン
キの尻漏れが発生し、そのインキが円筒状版胴の外部に
飛び散りその周りの装置や用紙等を汚損したり、インキ
の無駄遣いをしたりするという不具合点もある。
【0049】なお、上記技術を、例えば特開平6−71
996号および特開平6−135111号公報、あるい
は本願出願人が特願平9−154937号で提案したよ
うな、用紙の両面に同時的に印刷を行ない1工程で両面
印刷物を得る両面同時印刷方式の孔版印刷装置に適用し
た場合においては、上記した第1および第4と同様の不
具合点を生じてしまうことは明らかである。
【0050】したがって、この新規な技術の目的は、片
面印刷方式の印刷装置および製版装置において、上記技
術を改良することにより、上記した第1ないし第4の不
具合点を解決することにある。第2の目的は、両面同時
印刷方式の印刷装置および製版装置において、上記技術
を改良することにより、上記した第1および第4の不具
合点を解決することにある。
【0051】そして、上記新規な技術は、次のような技
術構成を採っている。第1の技術構成では、版胴の外周
面に巻き付けるマスタを製版する製版手段とマスタを所
定の長さに切断する切断手段とを有する製版装置におい
て、上記切断手段は、上記版胴の外周面に巻装するマス
タの供給長さを、上記版胴の外周面の外周長よりも長
く、かつ、上記版胴の外周面へのマスタ巻装後のマスタ
の後端が、上記製版手段によりマスタの先端部側に形成
された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長
さに切断・設定した設定マスタを形成し、上記製版手段
は、上記設定マスタの上記版胴の外周面への巻装終了時
に形成されるマスタ重合領域に対応した上記設定マスタ
の先端部分を穿孔して、第1次穿孔領域を少なくとも1
箇所形成することを特徴とする。
【0052】第2の技術構成は、外周面の略全体に亘っ
てインキ通過性の開孔が設けられ、上記外周面にマスタ
を巻き付ける少なくとも一つの版胴と、この版胴の内部
からインキを該版胴上のマスタに供給するインキ供給手
段と、上記版胴を回転する版胴駆動手段と、用紙を介し
て上記版胴上のマスタに相対的に押し付けられる押圧手
段と、上記押圧手段および/または上記版胴による押圧
動作を行なわせる押圧駆動手段と、上記版胴に対向して
配設され、上記マスタを介して上記版胴に接離自在なマ
スタ押え手段と、このマスタ押え手段を接離自在に駆動
する押え駆動手段とを具備する印刷装置において、上記
外周面に巻装するマスタの供給長さは、上記外周面の外
周長よりも長く、かつ、上記外周面へのマスタ巻装後の
マスタの後端が、マスタの先端部側に形成された穿孔画
像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さに設定され
ており、上記供給長さに設定された設定マスタの上記外
周面への設定マスタ巻装終了時に形成されるマスタ重合
領域に対応した該設定マスタの先端部分に第1次穿孔領
域が少なくとも1箇所形成されていると共に、上記設定
マスタの先端と第1次穿孔領域の開始位置との間に第1
未製版領域が、および第1次穿孔領域の終了位置と上記
穿孔画像開始位置との間に第2未製版領域がそれぞれ形
成されており、上記設定マスタ巻装開始時、上記マスタ
押え手段が第1および第2未製版領域を押圧し、上記マ
スタ押え手段が第1次穿孔領域および上記穿孔画像領域
の上記設定マスタの押圧をそれぞれ回避するように上記
押え駆動手段を制御する制御手段を有することを特徴と
する。
【0053】第3の技術構成では、第2の技術構成にお
いて、上記制御手段は、上記設定マスタ巻装終了時、上
記マスタ押え手段が上記マスタ重合領域における第1次
穿孔領域を押圧するように上記押え駆動手段を制御する
ことを特徴とする。
【0054】第4の技術構成は、第3の技術構成におい
て、上記押圧手段および/または上記版胴による押圧動
作は、給紙中連続して継続可能であり、連続給紙中に用
紙の給送が途絶えたことを検知する用紙検知手段と、上
記用紙検知手段からの信号に基づき、上記押圧動作を回
避するように上記押圧駆動手段を制御する押圧制御手段
とを有することを特徴とする。
【0055】ここで、「押圧手段」としては、装置の小
型化および静音化を図れる度合いがそれぞれ後述する圧
胴よりも大きいという点からは版胴よりも小さなプレス
ローラが用いられ、さほど装置の小型化を望まなくても
よいのであれば版胴の外径と略同径の圧胴を用いて印刷
レジスト精度の向上を図ってもよい。「用紙を介して上
記版胴に対して押圧手段を相対的に押し付けて上記用紙
に印刷を行なう印刷方法」には、「押圧手段」として圧
胴を用いた場合では、版胴に対して圧胴を押し付けて印
刷を行う圧胴接離方式と、圧胴に対して版胴を押し付け
て印刷を行う版胴接離方式と、それらの併用方式とがあ
る。圧胴接離方式の具体例としては、例えば特開平9−
216448号公報の図1ないし図5等に示されている
圧胴およびその接離手段が挙げられる。一方、版胴接離
方式には、版胴が圧胴側へ移動(版胴内部のインキロー
ラが圧胴側へ突出するタイプも含む)して印刷を行う周
知のものが挙げられる。
【0056】第5の技術構成は、外周面の略全体に亘っ
てインキ通過性の開孔が設けられた第1の版胴と、外周
面の略全体に亘ってインキ通過性の開孔が設けられ、第
1の版胴に該外周面を近接させて配設された第2の版胴
とからなる版胴対を少なくとも一つ有し、第1の版胴の
内部からインキを第1の版胴上のマスタに供給する第1
のインキ供給手段と、第2の版胴の内部からインキを第
2の版胴上のマスタに供給する第2のインキ供給手段
と、第1の版胴を回転する第1の版胴駆動手段と、第2
の版胴を回転する第2の版胴駆動手段と、第1の版胴お
よび/または第2の版胴による押圧動作を行なわせる版
胴押圧駆動手段と、第1の版胴に対向して配設され、マ
スタを介して第1の版胴に接離自在な第1のマスタ押え
手段と、第2の版胴に対向して配設され、マスタを介し
て第2の版胴に接離自在な第2のマスタ押え手段と、第
1のマスタ押え手段を接離自在に駆動する第1の押え駆
動手段と、第2のマスタ押え手段を接離自在に駆動する
第2の押え駆動手段とを具備し、用紙を介して第1の版
胴に対して第2の版胴を相対的に押し付けて用紙の両面
または片面に印刷を行なう印刷装置であって、上記各外
周面に巻装するマスタの供給長さは、上記各外周面の外
周長よりも長く、かつ、上記各外周面へのマスタ巻装後
のマスタの後端が、マスタの先端部側に形成された穿孔
画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さに設定さ
れており、上記供給長さにそれぞれ設定された各設定マ
スタの上記各外周面への設定マスタ巻装終了時にそれぞ
れ形成されるマスタ重合領域に対応した上記各設定マス
タの先端部分に第1次穿孔領域が少なくとも1箇所それ
ぞれ形成されていると共に、上記各設定マスタの先端と
第1次穿孔領域の開始位置との間に第1未製版領域が、
および第1次穿孔領域の終了位置と上記穿孔画像開始位
置との間に第2未製版領域がそれぞれ形成されており、
上記各設定マスタ巻装開始時、第1のマスタ押え手段が
第1および第2未製版領域を押圧すると共に、第2のマ
スタ押え手段が第1および第2未製版領域を押圧し、第
1のマスタ押え手段が第1次穿孔領域および上記穿孔画
像領域の押圧を回避すると共に、第2のマスタ押え手段
が第1次穿孔領域および上記穿孔画像領域の押圧を回避
するように、第1および第2の押え駆動手段、第1およ
び第2の版胴駆動手段をそれぞれ制御する制御手段を有
することを特徴とする。
【0057】ここで、第2、第5の技術構成等に記載さ
れている「外周面の略全体に亘ってインキ通過性の開孔
が設けられた版胴」とは、インキ通過性の開孔がその外
周面の全体に亘って設けられた版胴を含む他、インキ通
過性の開孔が版胴の少なくとも一方の端縁部を除きその
外周面の全体に亘って設けられた版胴を含むことを意味
する。
【0058】第6の技術構成では、第5の技術構成にお
いて、上記制御手段は、上記各設定マスタ巻装終了時、
第1のマスタ押え手段が上記マスタ重合領域における第
1次穿孔領域を、第2のマスタ押え手段が上記マスタ重
合領域における第1次穿孔領域をそれぞれ押圧するよう
に第1および第2の押え駆動手段、第1および第2の版
胴駆動手段を制御することを特徴とする。
【0059】第7の技術構成は、第6の技術構成におい
て、第1の版胴および/または第2の版胴による押圧動
作は、給紙中連続して継続可能であり、連続給紙中に用
紙の給送が途絶えたことを検知する用紙検知手段と、上
記用紙検知手段からの信号に基づき、上記押圧動作を回
避するように上記版胴押圧駆動手段を制御する押圧制御
手段とを有することを特徴とする。
【0060】上記した各マスタ押え手段の具体例として
は、後述するようなマスタ押えローラを用いることが設
定マスタの被押圧部の均一性およびそのローラの耐久性
上から好ましいが、これに限らず、例えば特開平7−1
01135号公報の図7に示されているようなスポンジ
部材57を備えた張力付与機構50Aであってもよく、
これを用いた場合にはスポンジ部材57により設定マス
タを版胴の外周面に押し付けると共に、圧接バネ52A
によって適度な張力を付与しつつ押圧力を与えることが
できる。また、上記した押え駆動手段の具体例として
は、後述するようなソレノイドが用いられるが、これに
限らず、電動モータであってもよい。
【0061】(第3の実施形態)図10は、上記新規な
技術に係る第3の実施形態を適用した印刷装置の一例と
しての孔版印刷装置の概要を表している。この孔版印刷
装置は、図3に示されている孔版印刷装置の版胴1に対
して、上記新規な技術に係る技術構成を具体的に適用し
たものである。なお、図10ないし図16では、図の簡
明化を図るため、フランジ20、フランジアーム21、
インキ側板22およびドラムボス部23等の図示を省略
している。図10に示す孔版印刷装置は、図3に示した
孔版印刷装置と比較すると、版胴1を回転する版胴駆動
手段としての版胴駆動モータ110と、版胴1の右側上
方に配設され、版胴1の外周面6に巻き付けるマスタ6
1を所定の供給長さに切断して設定マスタ61aを形成
する切断手段としてのカッタ95および設定マスタ61
aを穿孔製版する製版手段を有する製版装置90と、プ
レスローラ103による版胴1への押圧動作を行なわせ
る押圧駆動手段としてのプレスローラ駆動モータ167
と、設定マスタ61aの移動経路のプレスローラ103
による用紙82の押圧点より版胴1の回転方向(時計回
り方向)の上流側における版胴1の外周面6に対向して
配設され、設定マスタ61aを介して版胴1の外周面6
に接離自在なマスタ押え手段としてのマスタ押えローラ
121と、このマスタ押えローラ121を接離自在に駆
動する押え駆動手段としてのソレノイド125と、この
孔版印刷装置の主な制御を行なう制御装置170(図1
0には図示せず図17に示す)とを具備している点が異
なる。この孔版印刷装置は、製版装置90を内蔵した感
熱デジタル製版印刷一体型の構成を採っている。
【0062】以下、説明の便宜上からマスタ61および
設定マスタ61aの用語の使い分け方を次のようにす
る。すなわち、上記製版手段により穿孔製版される前の
マスタを単にマスタ61とし、上記製版手段により穿孔
製版されたり、上記切断手段によって所定の供給長さに
切断・設定されたりするマスタを設定マスタ61aとし
て使い分けるものとする。
【0063】また、製版装置90に対向する版胴1の左
側上方には版胴1の外周面6に巻装されている使用済み
の設定マスタ61aを剥離し排版する排版装置(図示せ
ず)が、版胴1、上記排版装置および製版装置90の上
方には原稿の画像を読み取るための原稿読取装置(図示
せず)が、版胴1の右側の製版装置90の下方には版胴
1とプレスローラ103との間に給紙台(図示せず)上
に積載された用紙82を給送する給紙装置(図示せず)
が、この給紙装置に対向する版胴1の左側には印刷済み
の用紙82を版胴1の外周面6から剥離し排紙する排紙
装置(図示せず)がそれぞれ配置されている。上記原稿
読取装置、上記排版装置、上記給紙装置および上記排紙
装置は、例えば特開平5−229243号公報に記載の
孔版印刷機のものと同様の構成を具備する。
【0064】以下、図10ないし図23を参照して、図
7に示した孔版印刷装置で説明しなかった構成部品周り
を詳述する。版胴1は、インキ供給管を兼ねる回転中心
軸としての支持軸104の周りに回転可能に支持されて
いて、版胴駆動モータ110によって図中矢印で示す時
計回り方向および反時計回り方向に回転される。支持軸
104には、インキ供給装置108にインキを供給する
インキ供給孔104aが開けられている。この第3の実
施形態における版胴1は、従来の版胴のようにマスタの
先端部を挾持・係止するマスタクランパ等のマスタ先端
係止手段がその外周面6に設けられていない上述した特
有の版胴1の構造を有することにより、その外周面6の
如何なる位置であってもその内周面5側からインキを供
給して、設定マスタ61aの先端部を含め設定マスタ6
1aの略全体の長さに亘って設定マスタ61aを強固に
保持させることができる。
【0065】プレスローラ103は、インキ供給ローラ
105に対向する版胴1の外周面6の下方近傍に上下に
揺動自在に設けられている。プレスローラ103は、図
示しない装置本体側に設けられた支持軸162を中心に
揺動可能なブラケット161の一方の揺動端において回
転自在に支持されている。版胴1に対するプレスローラ
103の押圧力は、ブラケット161の他方の揺動端側
に張設されたスプリング163(引張バネ)の付勢力に
よって発生するようになされており、また同スプリング
163の付勢力によってブラケット161の他方の揺動
端部にはプレスローラカム164の輪郭周面が選択的に
圧接するようになっている。プレスローラカム164の
軸には、ギア165が一体的に取り付けられている。
【0066】一方、プレスローラカム164近傍の装置
本体側には、その出力軸にギア165と噛合するギア1
66を有するプレスローラ駆動モータ167が配設され
ている。プレスローラ駆動モータ167の回転駆動によ
り、プレスローラ103は、用紙82を介して版胴1の
外周面6に圧接する印刷位置と、この印刷位置から離間
する離間位置との間で揺動・昇降自在となっている。こ
のように、プレスローラ103はプレスローラカム16
4を介してプレスローラ駆動モータ167によって回転
されることから、従来装置のような版胴駆動系のメイン
モータに連結されて回転される方式とは相違している。
プレスローラカム164は、上記給紙装置から用紙82
が給送されないときには、図10等に示すようにその大
径部をブラケット161の他方の揺動端部に圧接し、図
3および図10等に示す用紙検知手段としての用紙検出
センサ102により上記給紙装置から給送された用紙8
2の先端が検知された時に、図15に示すように回転し
て、その小径部をブラケット161の他方の揺動端に非
接触で対向させ、プレスローラ103を図において反時
計回り方向に揺動・上昇させるようになっている。
【0067】プレスローラ103が図10に示すような
離間位置を占めている状態では、版胴1の外周面6とプ
レスローラ103の外周面との間の距離は、特開平5−
162429号公報に開示されているように著しく狭い
ものではなく、実施例的にいえば7〜10mm位の距離
を保持するようになされている。したがって、従来のよ
うに版胴の印刷装置本体からの着脱が容易に行なえない
という不具合点を生じることはない。
【0068】製版装置90は、マスタ61を芯管60a
の周りに巻き付けてロール状に形成したマスタロール6
0からマスタ61を繰り出し可能に支持する支持部材6
0bと、マスタロール60から繰り出されたマスタ61
を選択的に穿孔製版するサーマルヘッド91と、マスタ
ロール60からマスタ61を引き出しながらこれをサー
マルヘッド91に押圧しつつマスタ搬送方向Xの下流側
に搬送するプラテンローラ92と、設定マスタ61aを
形成する切断手段としてのカッタ95と、設定マスタ6
1aを搬送するマスタ送りローラ対93a,93bと、
設定マスタ61aを版胴1の外周面6に搬送する給版ロ
ーラ対94a,94bとから主に構成されている。上記
のとおり、上記製版手段は、サーマルヘッド91とプラ
テンローラ92とから構成される。
【0069】マスタ61は、上記したものに限らず、上
記したマスタ61(その厚さが100μm以下であって
通常使用される範囲が約40〜50μm程度)よりも厚
さが薄く(厚さ20〜30μm)、かつ、ベースにおけ
る合成繊維の混抄率が高いマスタ、例えば極端に合成繊
維の混抄率が高いポリエチレンテレフタレート(PE
T)100%からなるベースを有する合成繊維ベースマ
スタ等を用いることも勿論可能である。このように、通
常のマスタ61よりも薄くいわゆる腰のないマスタ61
等を使用する場合には、プラテンローラ92等への静電
吸着による貼り付き・巻き上り対策や、サーマルヘッド
91へのスティック対策、あるいは版胴1の外周面6へ
の巻装時のシワ対策等を施した構成部品を装置に組み入
れたり、該対策構成を付加したりすることが好ましい。
【0070】プラテンローラ92は、その軸92aと一
体的に取り付けられていて、軸92a方向に延在して設
けられている。プラテンローラ92の軸92aは、図示
しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されてい
る。プラテンローラ92は、軸92aの一端に取り付け
られたプラテンローラプーリとモータプーリとの間に掛
け渡された無端ベルト等の回転伝達部材(共に図示せ
ず)を介してマスタ搬送モータ96に連結され、マスタ
搬送モータ96により図示矢印方向に回転される。マス
タ搬送モータ96は、ステッピングモータからなる。
【0071】サーマルヘッド91は、プラテンローラ9
2の下方に位置し、プラテンローラ92の軸92aと平
行に延在して設けられている。サーマルヘッド91は、
上記した制御装置170からの指令により、プラテンロ
ーラ92による設定マスタ61aの搬送と協働して、版
胴1の外周面6への設定マスタ61aの巻装終了時に形
成される、設定マスタ61aの先端部の上に設定マスタ
61aの後端部が重ね合わさるマスタ重合領域69(図
23に示す)に対応した設定マスタ61aの先端部分を
穿孔して、図14等に示す第1次穿孔領域63を少なく
とも1箇所形成する機能を有する。また、サーマルヘッ
ド91は、図示しないA/D変換部および製版制御部で
処理されて送出される原稿画像に対応したデジタル画像
信号に応じて、その発熱素子が選択的に発熱することに
より設定マスタ61aの所定位置を加熱溶融し穿孔製版
する周知の機能を有する。
【0072】カッタ95は、図10に示すような可動刃
としての回転刃95aが固定刃95bに対してマスタ搬
送方向Xと直交するマスタ幅方向に回転移動するタイプ
のものが用いられている。すなわち、カッタ95として
は、後述するカッタホルダを上記マスタ幅方向の一端か
ら他端まで往復動自在に案内する上記マスタ幅方向に延
在したレール(図示せず)と、このレールに転動可能な
コロを介して回動するように設けられ、設定マスタ61
aを切断する回転刃95aを備えたカッタホルダ(図示
せず)と、上記マスタ幅方向の一端側の装置本体に設け
られたカッタモータ98と、このカッタモータ98の出
力軸に回転伝達部材を介して連結されたプーリおよび上
記マスタ幅方向の他端側の装置本体に設けられたプーリ
(共に図示せず)と、これらのプーリ間に掛け渡され上
記カッタホルダを連結・固定しているタイミングベルト
(図示せず)と、上記カッタホルダの位置を検出するた
めの2個の位置センサ(図示せず)とを具備しているも
のが挙げられる。カッタ95は、例えば特開平7−17
2009号公報(特許第2718612号)の図1およ
び図3に開示されているものと略同様の構造を具備して
いる。
【0073】カッタ95は、上記した制御装置170か
らの指令により、版胴1の外周面6の外周長よりも長
く、かつ、版胴1の外周面6への設定マスタ61a巻装
後の設定マスタ61aの後端が、上記製版手段により原
稿画像に応じて設定マスタ61aの先端部側に形成され
た穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さで
ある所定の供給長さに切断する機能を有する。切断手段
は、上記したカッタ95に限らず、可動刃が固定刃95
bに対して上下動するいわゆるギロチンタイプのもの、
例えば特公平6−408号公報の図1ないし図4に示さ
れているものでもよい。
【0074】マスタ送りローラ対93a,93bおよび
給版ローラ対94a,94bの各上側ローラは、駆動ロ
ーラとしてそれぞれ構成されており、複数のギアあるい
はプーリおよびベルト等の回転伝達部材(図示せず)を
介して上記したマスタ搬送モータ96に連結されてい
る。給版ローラ対94a,94bの出口には、設定マス
タ61aの搬送の向きを鉛直下向きに変えるガイド板9
7が設けられている。また、カッタ95とマスタ送りロ
ーラ対93a,93bとの間、マスタ送りローラ対93
a,93bと給版ローラ対94a,94bとの間の各マ
スタ搬送路上にも図示を省略したマスタガイド板が適宜
配設される。なお、プラテンローラ92とカッタ95と
の間の距離、カッタ95とマスタ送りローラ対93a,
93bとの間の距離、マスタ送りローラ対93a,93
bと給版ローラ対94a,94bとの間の距離は、それ
ぞれ図の簡明化を図るため適宜誇張されて描かれてお
り、実際の距離寸法を示すものではないことを付言して
おく。
【0075】マスタ押えローラ121は、例えば低硬度
のニトリルゴムや発泡材でできている。マスタ押えロー
ラ121は、装置本体側の側板に設けられた軸124の
周りに揺動自在に支持されていて、紙面手前側および奥
側に設けられた支持アーム対126,126の一端に回
転可能に取り付けられている。支持アーム対126,1
26の他端は、ピンを介してソレノイド125のプラン
ジャ125aに連結されている。上記装置本体における
支持アーム対126,126の他端寄りの部位には、図
10に示すように、支持アーム対126,126の他端
が版胴1の外周面6から離間するときの揺動を規制する
ストッパピン122が設けられている。また、支持アー
ム対126,126の他端側中央部には、図10に示す
ように、上記装置本体側の側板にその一端が係止された
スプリング123(引張バネ)の他端が係止されてい
て、支持アーム対126,126の他端はスプリング1
23の付勢力によって常に版胴1の外周面6から離間す
る向きの揺動習性が与えられている。ソレノイド125
は、プル型のものを用いており、装置本体側の側板に固
設されている。上記の構成により、マスタ押えローラ1
21は、ソレノイド125が印加・励磁されてオンされ
ることによって、図10の仮想線で示す待機位置から実
線で示す押圧位置へ変位することができ、待機位置と押
圧位置との間で揺動自在になされている。
【0076】上記給紙装置は、用紙82の先端を版胴1
の外周面6とプレスローラ103との間へ所定のタイミ
ングで送るレジストローラ対112a,112bと、用
紙82の先端をレジストローラ対112a,112bの
ニップ部および版胴1の外周面6とプレスローラ103
の外周面との間へ案内する一対のガイド板対83a,8
3bと、上記給紙台上に積載された最上位の用紙82を
1枚ずつ分離してレジストローラ対112a,112b
に向けて用紙82の先端を給送する給紙手段(図示せ
ず)と、レジストローラ対112a,112bの用紙搬
送方向の下流側に配置され、連続給紙中に用紙82の給
送が途絶えたことを検知する用紙検知手段としての用紙
検出センサ102とを具備している。
【0077】用紙検出センサ102は、用紙82の先端
を検知することにより、上記給紙手段を含む用紙搬送方
向の上流側で発生した用紙82のジャムを検知するジャ
ム検知機能を有する。用紙検出センサ102は、発光部
および受光部を具備した反射型の光学センサからなる。
上側のガイド板83aには上記発光部からの出射光およ
び用紙82の先端表面からの反射光を通す開口部(図示
せず)が開けられている。上記給紙手段は、例えば特開
平5−229243号公報の図8等に示されているよう
な呼出しローラとも呼ばれている給紙コロ、上下一対の
上分離ローラおよび下分離ローラから構成されている。
なお、用紙検出センサ102は、反射型の光学センサに
限らず、用紙82の先端に当接することにより揺動自在
なフィラーと呼ばれている遮光片を備えた透過型の光学
センサ等であってもよい。
【0078】次に、図17を参照して、制御装置170
周りの主要な制御構成について説明する。なお、後述す
るように、設定マスタ61aにそれぞれ形成される第1
次穿孔領域63、第1および第2未製版領域65,6
6、穿孔画像領域68およびマスタ重合領域69、なら
びに前記した各位置を示す第1次穿孔開始位置62、第
1次穿孔終了位置64、穿孔画像開始位置67および穿
孔画像終了位置70の詳細は、図の簡明化を図るため図
23にまとめて拡大して示してあるので、以下、適宜そ
れらを引用して説明するときがある。なお、図23で
は、図の簡明化を図るため開孔周縁凸部3と各設定マス
タ61a、(後述する第4の実施形態等における161
a,261a)の多孔質支持体部分の図示を省略してい
る。
【0079】制御装置170は、図17に示すように、
駆動回路や適宜の電子回路を介して、図示を省略した操
作パネルに配置されている製版スタートキー71、テン
キー(図示せず)および印刷スタートキー72と、用紙
検出センサ102と、製版装置90のマスタ搬送モータ
96、サーマルヘッド91およびカッタモータ98と、
ソレノイド125と、版胴駆動モータ110と、プレス
ローラ駆動モータ167との間で、指令信号やオン/オ
フ信号あるいはデータ信号を送受信し、本孔版印刷装置
の主要な各装置部における制御対象駆動部分の起動、停
止およびタイミング等の動作全体に係るシステムを制御
している。
【0080】製版スタートキー71は、原稿画像の画像
読み取りから給版に至る各動作の起動を設定・入力する
機能を、上記テンキーは、印刷枚数等を設定・入力する
機能を、印刷スタートキー72は、上記テンキーで設定
・入力された印刷枚数の印刷動作の起動を行う機能をそ
れぞれ有する。制御装置170は、図示を省略したCP
U(中央処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM
(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記
憶装置)および内部タイマ(図示せず)等を備え、図示
しない信号バスによって接続された構成を有するマイク
ロコンピュータを具備している。
【0081】上記CPUは、版胴1の外周面6に巻装す
る設定マスタ61aを、版胴1の外周面6の外周長より
も長く、かつ、版胴1の外周面6への設定マスタ巻装後
の設定マスタ61aの後端が、設定マスタ61aの先端
部側に形成された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで
達しない長さに設定すべく、マスタ搬送モータ96およ
びカッタモータ98を制御すると共に、図23に示すよ
うに、設定マスタ巻装終了時に形成されるマスタ重合領
域69に対応した該設定マスタ61aの先端部分に第1
次穿孔領域63を少なくとも1箇所形成すべくサーマル
ヘッド91を制御する制御手段としての機能を有する。
これにより、図23に示すように、設定マスタ61aに
は、設定マスタ61aの先端と第1次穿孔開始位置62
との間に第1未製版領域65が、および第1次穿孔終了
位置64と穿孔画像開始位置67との間に第2未製版領
域66がそれぞれ形成される。そして、上記CPUは、
設定マスタ61a巻装開始時、マスタ押えローラ121
(図10参照)が第1および第2未製版領域65,66
を押圧し、第1次穿孔領域63および穿孔画像領域68
の設定マスタ61aの押圧をそれぞれ回避するようにソ
レノイド125(図10参照)を制御する制御手段とし
ての機能を有する。なお、第1次穿孔領域63の形成
数、その長さおよび面積、第1および第2未製版領域6
5,66の各長さおよび各面積、ならびにマスタ重合領
域69の長さおよび面積等は、インキの種類や温・湿度
等の環境条件をも考慮に入れながら本実施形態の効果を
最適に奏するように実験等により決められる事項である
ため、その一々の実施例の説明については省略する。
【0082】また、上記CPUは、設定マスタ61a巻
装終了時、マスタ押えローラ121がマスタ重合領域6
9における第1次穿孔領域63を押圧するようにソレノ
イド125を制御する制御手段としての機能を有する。
また、上記CPUは、プレスローラ103による版胴1
に対する押圧動作が給紙中連続して継続可能である場合
において、用紙検出センサ102から送信される、連続
給紙中に用紙82の給送が途絶えた(例えば、所定時間
経過しても用紙82が検出されない)ことを検知する信
号に基づき、プレスローラ103による上記押圧動作を
回避するようにプレスローラ駆動モータ167を制御す
る押圧制御手段としての機能を有する。
【0083】上記RAMは、上記CPUの演算結果を一
時記憶したり、上記各キーおよび上記センサから入力さ
れたオン/オフ信号やデータ信号を随時記憶する。上記
ROMには、後述する本孔版印刷装置の動作を実行する
ためのプログラムやデータ等が予め記憶されている。上
述したように、本孔版印刷装置の動作は、上記CPU
(以下、説明の便宜上から制御装置170というときが
ある)からの指令によりなされる、いわゆる一部条件制
御を含むシーケンス制御の下に実行されるようになって
いる。
【0084】次に、本孔版印刷装置の動作について以下
に記す。製版スタートキー71を押すと、そのスタート
信号が制御装置170に送信されて、先ず、排版動作が
行なわれる。すなわち、使用済みの設定マスタ61aが
巻装された版胴1が、図10において反時計回り方向に
回転しつつ、上記排版装置内の図示しない排版手段によ
って使用済みの設定マスタ61aが剥離され、上記排版
装置内の図示しない排版ボックスに廃棄・排版されて、
版胴1は所定の位置に停止する。
【0085】上記排版動作と並行して画像読み取り動作
および特有の製版動作が行なわれる。制御装置170か
らの製版指令がマスタ搬送モータ96に送信されること
により、プラテンローラ92が矢印方向に回転を始め、
上記ROMに記憶されている、マスタ搬送モータ96を
所定ステップ数回転駆動すると共に、第1次穿孔領域6
3に関する穿孔データに基づきサーマルヘッド91の発
熱素子が選択的に駆動されることで、プラテンローラ9
2を介してサーマルヘッド91により押圧されるマスタ
61の先端部が加熱溶融・穿孔されて所定範囲の第1次
穿孔領域63が形成される。
【0086】次いで、マスタ搬送モータ96の所定ステ
ップ数回転駆動後、原稿画像の読み取り信号に応じてサ
ーマルヘッド91の発熱素子が選択的に発熱され、プラ
テンローラ92を介してサーマルヘッド91により押圧
されるマスタ61の部分が選択的に加熱溶融・穿孔され
て穿孔画像領域68が形成される。そして、このように
穿孔製版された設定マスタ61aの先端部は、プラテン
ローラ92により送り出され、これと同時に、マスタ送
りローラ対93a,93bおよび給版ローラ対94a,
94bも設定マスタ61aをマスタ搬送方向Xに搬送す
べくそれぞれ回転されることにより、設定マスタ61a
にはその先端と第1次穿孔開始位置62との間に第1未
製版領域65が、および第1次穿孔終了位置64と穿孔
画像開始位置67との間に第2未製版領域66がそれぞ
れ形成される。
【0087】次いで、マスタ搬送モータ96の所定ステ
ップ数の回転駆動により、設定マスタ61aの先端が版
胴1の外周面6とマスタ押えローラ121との間の部分
に到達したと制御装置170により判断されると、ソレ
ノイド125がオンされることにより、図10に示すよ
うに、支持アーム対126,126がスプリング123
の付勢力に抗して軸124を中心にして時計回り方向に
揺動・変位して、マスタ押えローラ121が実線で示さ
れている押圧位置を占める。これにより、設定マスタ6
1aの先端から第1次穿孔開始位置62との間の第1未
製版領域65が版胴1の外周面6に押圧され、これと同
時に、版胴駆動モータ110がオンされ回転駆動される
ことにより、版胴1が設定マスタ61aの送り速度と同
じ周速度で時計回り方向に回転することで、版胴1の開
孔周縁凸部3が設定マスタ61aの多孔質支持体61b
の厚さ方向に食い込んで設定マスタ61aの第1未製版
領域65を機械的に強固に保持するので、クランパ等の
マスタ先端係止手段を不要とすることができる。換言す
れば、版胴1の外周面6の略全周に亘って開孔2および
開孔周縁凸部3を設けたことにより、版胴1の外周表面
がマスタ保持に適する凹凸のある形状となり、設定マス
タ61aの多孔質支持体61bに対して摩擦係数を高め
た状態となって、版胴1と設定マスタ61aとが強固に
結びつくことができると共に、版胴1の内周面5側から
外周面6上に供給されるインキの粘着力も加わって、設
定マスタ61aの第1未製版領域65は版胴1の外周面
6に強固に保持され貼り付けられながら、設定マスタ6
1aの巻装が開始される。このような特有の構造を有す
る版胴1を使用した設定マスタ巻装では、版胴1が如何
なる回転位置であっても設定マスタ61aを巻き付け始
めることができるものである。
【0088】そして、マスタ搬送モータ96のさらなる
所定ステップ数の回転駆動により、設定マスタ61aが
搬送されて、その第1次穿孔開始位置62が版胴1の外
周面6とマスタ押えローラ121との間の部分に到達す
る直前まで搬送されたと制御装置170で判断される
と、ソレノイド125がオフされることにより、図10
に示すように、スプリング123の付勢力によって支持
アーム対126,126が軸124を中心にして反時計
回り方向に揺動・変位して、マスタ押えローラ121が
仮想線で示されている待機位置に復帰する。待機位置に
復帰したマスタ押えローラ121は、図11に示すよう
に、版胴1の外周面6とマスタ押えローラ121との間
の部分に第1次穿孔終了位置64が到達するまで、その
待機状態を継続する。
【0089】待機状態を継続しているマスタ押えローラ
121は、マスタ搬送モータ96のさらなる所定ステッ
プ数の回転駆動により設定マスタ61aがさらに搬送さ
れて、その第1次穿孔終了位置64が版胴1の外周面6
とマスタ押えローラ121との間の部分に到達したと制
御装置170により判断されると、再びソレノイド12
5に通電されてソレノイド125がオンされることによ
り、上記したと同様の動作でマスタ押えローラ121が
押圧位置を占める。これにより、第2未製版領域66が
図12に示すように、版胴1の外周面6に押圧され、こ
の状態のまま版胴1が設定マスタ61aの送り速度と同
じ周速度で時計回り方向に回転することで、上記したと
同様に、版胴1の開孔周縁凸部3が設定マスタ61aの
多孔質支持体61bの厚さ方向に食い込んで設定マスタ
61aの第2未製版領域66を機械的に強固に保持する
と共に、設定マスタ61aの第2未製版領域66が版胴
1の内周面5側から外周面6上に供給されるインキの粘
着力も加わりつつ版胴1の外周面6に貼り付けられなが
ら、設定マスタ61aの巻装が継続される。
【0090】マスタ搬送モータ96のさらなる所定ステ
ップ数の回転駆動により、設定マスタ61aがさらに搬
送されて、その穿孔画像開始位置67が版胴1の外周面
6とマスタ押えローラ121との間の部分に到達する直
前まで搬送されたと制御装置170で判断されると、ソ
レノイド125がオフされ、上記したと同様の動作によ
って、マスタ押えローラ121は図12に仮想線で示さ
れている待機位置に復帰する。
【0091】待機位置に復帰したマスタ押えローラ12
1は、版胴1の外周面6とマスタ押えローラ121との
間の部分に穿孔画像終了位置70(図23に示す)が到
達するまで、図13に示すように、その待機状態を継続
する。版胴1がさらに回転され、版胴1の外周面6に巻
装される設定マスタ61aが所定の供給長さになったこ
とがマスタ搬送モータ96のステップ数に基づいて、制
御装置170によって判断されると、制御装置170か
らカッタモータ98に切断信号が送信され、カッタモー
タ98がオンすることで、回転刃95a(図10参照)
が回転しながらマスタ幅方向に移動して設定マスタ61
aの後端部分が切断される。
【0092】この設定マスタ61aの切断後に、マスタ
ロール60からマスタ61がマスタ搬送モータ96によ
り所定長搬送され、図14に示す状態で次の製版に備え
た後、マスタ搬送モータ96の回転駆動が停止されるこ
とにより、プラテンローラ92の回転が停止され、上記
したような特有の製版動作が完了する。この後も、版胴
1は版胴駆動モータ110により上記したと同じ周速度
で回転されている。そして、版胴1のさらなる回転によ
り設定マスタ61aがさらに巻装・搬送されて、その穿
孔画像終了位置70が版胴1の外周面6とマスタ押えロ
ーラ121との間の部分に到達したと制御装置170に
より判断されると、待機状態を継続しているマスタ押え
ローラ121は、図14に示すように、再びソレノイド
125に通電されてソレノイド125がオンされること
によって、マスタ重合領域69における第1次穿孔領域
63の部分を押圧する。そして、マスタ押えローラ12
1によるマスタ重合領域69における第1次穿孔領域6
3の押圧が終了したと制御装置170で判断される、穿
孔画像開始位置67がマスタ押えローラ121に到達す
る直前に、マスタ押えローラ121は再び待機位置に復
帰する。この後、版胴1がさらに回転し、マスタ重合領
域69における第1次穿孔領域63の部分がプレスロー
ラ103に対向する略真下の位置に到ると、版胴1の回
転が停止される。
【0093】これまでの一連の動作により、マスタ重合
領域69における第1次穿孔開始位置62から第1次穿
孔終了位置64までに亘る図14の黒塗色部で示す第1
次穿孔領域63には、版胴1の内周面5側から供給され
たインキが滲み出される。したがって、マスタ重合領域
69における設定マスタ61aの先端部の上にその後端
部が重ね合わさっている第1次穿孔領域63の周囲部分
は、インキの粘性による粘着力によって密着保持され、
版胴1の外周面6上の適宜の位置にあたかも無端シート
の状態が形成されることとなる。版胴1の外周面6への
設定マスタ61aの巻装完了後、以下の給紙、印刷およ
び排紙の各工程が順次行なわれる。
【0094】上記給紙手段の作動により、最上位の1枚
の用紙82だけがレジストローラ対112a,112b
に向けて送られる。この時、レジストローラ対112
a,112bは停止したままであり、用紙82の先端は
レジストローラ対112a,112bのニップ部に衝突
して所定範囲量の湾曲たわみが形成される(図15参
照)。次いで、所定時間経過後、版胴駆動モータ110
がオン(回転駆動)される。これと同時に、用紙82の
先端は、版胴1の外周面6とプレスローラ103との間
に向けて、版胴1上の設定マスタ61aの穿孔画像開始
位置67に対して用紙82の先端部が押圧されるような
所定のタイミングをもってレジストローラ対112a,
112bが回転される。このようなタイミングで精度の
高い給紙制御を行なうためには、従来のような版胴側の
メインモータと連動するような給紙駆動系ではなく、こ
れとは独立したレジストローラ対112a,112bを
回転する駆動手段が好ましく、このような駆動手段とし
てはステッピングモータを用いるとよい。
【0095】そして、用紙検出センサ102により、用
紙82の先端が検知されたときには、プレスローラ10
3による上記押圧動作が実行される。すなわち、プレス
ローラ駆動モータ167に通電が行なわれ、同モータ1
67が回転駆動されることにより、ギア166とギア1
65との回転力伝達を介してカム164が時計回り方向
に回転されることで、スプリング163の付勢力によっ
てブラケット161の反時計回り方向の揺動が許され、
スプリング163の付勢力によってプレスローラ103
は版胴1の外周面6に対向するインキ供給ローラ105
に向かって押圧する印刷位置を占めるようになる。ここ
へ所定のタイミングで用紙82の先端が給送され、回転
する版胴1上の設定マスタ61aに用紙82がプレスロ
ーラ103で連続的に押圧されることにより、設定マス
タ61aが版胴1の外周面6に密着すると共に、版胴1
の開孔2部分から設定マスタ61aの穿孔画像部分へと
インキが滲み出てきて用紙82の表面に転移され、孔版
印刷が行なわれる。これと同時的に、第1、第2未製版
領域65,66を含む設定マスタ61aの全領域におい
ても、マスタ押えローラ121による第1、第2未製版
領域65,66の設定マスタ61aの押圧保持動作と略
同様の動作、すなわち、プレスローラ103による設定
マスタ61aの連続的な押圧保持動作が行なわれる。こ
の時、内周面5側から供給されたインキは、開孔2を吐
出通過して外周面6上に巻装された設定マスタ61aに
供給されるが、そのように滑りやすいインキが版胴1の
外周面6上に充填され、印刷が継続されている場合で
も、その断面形状が山形でその頂部が鋭角をなす開孔周
縁凸部3が設定マスタ61aの多孔質支持体61bの厚
さ方向に食い込んで設定マスタ61aの略全領域を機械
的に強固に保持するので、設定マスタ61aが版胴1の
図中矢印回転方向(時計回り方向)の遅れ側に引っ張ら
れようとした場合でも、版胴1と設定マスタ61aとの
位相がずれることが防止されている。
【0096】この時、インキ供給ローラ105も版胴1
の回転方向と同一方向に回転する。インキ溜り107の
インキは、インキ供給ローラ105の回転によりインキ
供給ローラ105の表面に付着され、インキ供給ローラ
105とドクターローラ106との間隙を通過する際に
その量を規制され、版胴1の内周面5側に供給される。
次いで、印刷された用紙82の先端部は上記排紙装置の
剥離爪(図示せず)により版胴1の外周面6から剥離さ
れ、排紙搬送装置(図示せず)によって搬送されて、図
示しない排紙台上に排出積載される。こうして、設定マ
スタ61aにインキを充填するいわゆる版付けが行なわ
れると共に、プレスローラ103が版胴1から離間して
初期状態に復帰し、印刷待機状態となる。
【0097】印刷終了後、オペレーターは排出された印
刷物を目視して、印刷画像品質の確認や印刷画像位置の
確認等を行ない、これらがオーケーであれば、上記テン
キーで印刷枚数を設定し、印刷スタートキー72を押す
ことにより、給紙、印刷および排紙の各工程が設定した
印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終
了する。
【0098】上記したように、用紙82の供給が連続的
に継続される場合には、プレスローラ103は版胴1の
外周面6から離れることなく印刷位置を維持するもので
ある。ところが、図16に示すように、用紙82のジャ
ムが用紙検出センサ102の配置位置よりも用紙搬送方
向の上流側で生じて、用紙82の給送が停止した場合に
は、用紙検出センサ102が用紙82の先端を検知する
ことができなくなるため、用紙82の存在を確認するこ
とができない。したがって、このような場合には、用紙
検出センサ102から用紙82の先端の検知信号が送信
されないので、連続給紙中に用紙82の給送が途絶えた
と判断して、制御装置170はプレスローラ103によ
る上記押圧動作を回避するようにプレスローラ駆動モー
タ167を制御する。すなわち、制御装置170からの
指令により、プレスローラ駆動モータ167に通電が行
なわれ、同モータ167が逆転駆動されることによって
ギア166とギア165との回転力伝達を介してカム1
64が反時計回り方向に回転されることで、スプリング
163の付勢力に抗してブラケット161が軸162の
周りに時計回り方向に揺動され、プレスローラ103が
版胴1の外周面6より離間する離間位置を占めることと
なる。これにより、用紙82のジャム時にプレスローラ
103が設定マスタ61aを押圧することによるプレス
ローラ103の表面の汚損が防止されることはもちろ
ん、プレスローラ103に付着したインキによる設定マ
スタ61aを介して再転写されるプレスローラ103の
表面の汚損およびこの汚損されたプレスローラ103が
設定マスタ61aを押圧することによる設定マスタ61
a表面の未製版部分の汚損も防止することができる。
【0099】図14ないし図16では、マスタ重合領域
69の部分にかなりの段差が認められるが、これは設定
マスタ61aの厚さを誇張して描いているためであり、
マスタ61や設定マスタ61aの厚さは上述したように
0.1mm(100μm)以下であるので、プレスロー
ラ103が該マスタ重合領域69の段差部分に乗り上げ
るときでもその衝撃音および振動は全く無視できる程度
のものである。
【0100】上述したことから、第3の実施形態により
得られる利点をまとめると以下のとおりである。第1
に、設定マスタ61aの版胴1の外周面6に対する位相
・位置ずれを防止できると共に、これにより設定マスタ
61aのシワ発生を防止できる。第2に、版胴1の印刷
装置本体からの着脱が容易に行なえるようになる。第3
に、用紙82のジャム時にプレスローラ103が設定マ
スタ61aを押圧することによるプレスローラ103の
表面の汚損が防止されることはもちろん、プレスローラ
103に付着したインキによる設定マスタ61aを介し
て再転写されるプレスローラ103の表面の汚損および
この汚損されたプレスローラ103が設定マスタ61a
を押圧することによる設定マスタ61a表面の未製版部
分の汚損も防止することができる。第4に、版胴1の外
周面6に巻装されている設定マスタ61aの後端部に溜
った印刷に供されない余剰インキは、第1次穿孔領域6
3の穿孔部分より版胴1の開孔2の部分を通って版胴1
の内部に回収されるため、いわゆるインキの尻漏れ現象
が回避され、これにより周りの装置や用紙等を汚損した
り、インキの無駄遣いをしたりするということもなくな
る。当然、インキの尻漏れによるプレスローラ103の
表面の汚損も防止できる。
【0101】また、上述したように、押圧手段としてプ
レスローラ103を用いたことによる特有の利点、すな
わち版胴1上にクランパ等のマスタ先端係止手段を設け
る必要がないので、版胴1の構造が簡単になって安価で
あり、プレスローラ103が間欠的に版胴1に押圧する
ことがないので衝撃音を発生することがなく、これに加
えてプレスローラ103がバウンドして用紙82の画像
先端部に濃度ムラを発生することがなく、また特開平3
−136890号公報に開示されている技術のように、
版胴1の外周面6に衝撃吸収部材を設ける必要がないの
で段差が生じることもなく、プレスローラ103による
押圧力のムラによって画像ムラを発生させることがない
という利点が得られることはいうまでもない。
【0102】また、従来の制御の仕方と同じになるよう
に、仮りに給紙毎にプレスローラ103を間欠的に版胴
1に押圧するようにしたとしても、クランパを回避する
ために必要な移動距離よりは小さい移動距離に設定でき
るので、それでも従来よりは衝撃音を小さくすることが
できる。
【0103】上述したように、マスタロール60はその
内側にフィルム側を、外側に多孔質支持体側を向けた状
態で巻成したものであるため、例えば図10において
は、マスタロール60から繰り出されるマスタ61およ
び設定マスタ61aのフィルム側がサーマルヘッド91
面に対向接触し、その多孔質支持体側がプラテンローラ
92に対向接触し、また版胴1のメッシュスクリーン1
2側に設定マスタ61aの多孔質支持体側が対向接触す
る状態で巻き付けられることとなる。このようなことか
ら、製版装置90を図10における右側上方に配置する
と共に、マスタ押えローラ121を設定マスタ61aの
移動経路のプレスローラ103による用紙82の押圧点
より版胴1の回転方向(時計回り方向)の上流側におけ
る版胴1の外周面に対向して配設したのであるが、マス
タロールにおけるマスタのフィルムおよび多孔質支持体
が上記したものと内外側逆向きに巻き付けられているよ
うな場合、あるいはマスタの先端を版胴の外周面近傍に
搬送する手段を有しているような装置にあっては、マス
タ押えローラ121の配設位置は上記位置に限定する必
要はない。したがって、マスタ押え手段としてのマスタ
押えローラ121は、設定マスタ61aを介して版胴1
に接離自在に配設されていればよいといえる(第2、第
5の技術構成等参照)。
【0104】なお、版胴1を使用した設定マスタ巻装に
係る第3の実施形態は、版胴1に限らず、版胴1Aや版
胴1Bを使用しても勿論構成できるものであり、それら
の版胴1Aや1Bを使用した場合には、第3の実施形態
の上記した各利点に版胴1Aや1Bを使用した場合の利
点が加わることとなる。版胴1Aや版胴1Bが図10な
いし図16に示す孔版印刷装置に適用されていることを
表すために、それらの版胴の符号を上記各図に括弧を付
して併記している。
【0105】図7に示した第2の実施形態の孔版印刷装
置の版胴1’とその外周面6上に巻装されたメッシュス
クリーン12とに対しても、図10ないし図17に示し
た第3の実施形態と同様の設定マスタ巻装方式を適用す
ることができる。このような版胴1’,1A’,1B’
にあっては、その非開口領域が版胴の外周面の非画像形
成部となるため、例えば図10に示すような孔版印刷装
置において、上記版胴にメッシュスクリーン12を巻装
したものを使用する場合には、図10において上記版胴
の非開口領域が略右真横に位置して設定マスタ61aの
先端部を保持・係止する給版位置を占めるように、上記
版胴の回転位置を検出するセンサ構成等を追加し、上記
版胴の回転位置を制御することが望ましいと言える。
【0106】また、各版胴1’,1A’,1B’の外周
面6に対するメッシュスクリーン12の巻装範囲は、上
述したスクリーン非巻装部1cを有するものに限らず、
各版胴1,1A,1Bの外周面6の全周に亘って巻装さ
れているものでもよい。
【0107】(第4の実施形態)図18、図19および
図23を参照して第4の実施形態を説明する。図18は
第4の実施形態を適用した両面同時印刷方式の孔版印刷
装置の主要部の概要を、図19は同孔版印刷装置の主要
な制御構成をそれぞれ表している。この孔版印刷装置
は、特開平6−71996号公報に開示された両面同時
印刷方式の孔版印刷装置に本発明の版胴および設定マス
タ巻装方式を適用したものである。
【0108】この孔版印刷装置は、両図に示すように、
第1の実施形態の版胴1と同様の構成を有する第1の版
胴としての版胴101と、第1の実施形態の版胴1と略
同様の構成を有し、版胴101にその外周面を近接させ
て配設された第2の版胴としての版胴201と、版胴1
01の内部からインキを版胴101上の設定マスタ16
1aに供給する第1のインキ供給手段としてのインキ供
給装置208と、版胴201の内部からインキを版胴2
01上の設定マスタ261aに供給する第2のインキ供
給手段としてのインキ供給装置308と、版胴101を
回転する第1の版胴駆動手段としての版胴駆動モータ2
10と、版胴201を回転する第2の版胴駆動手段とし
ての版胴駆動モータ310と、版胴201に対する版胴
101の押圧動作を行なわせる版胴押圧駆動手段500
と、版胴101の図18で右側に配設され、版胴101
の外周面に巻き付けるマスタを所定の供給長さに切断し
て設定マスタ161aを形成する切断手段および設定マ
スタ161aを穿孔製版する製版手段を有する製版装置
190と、版胴201の図18で左側に配設され、版胴
201の外周面に巻き付けるマスタを所定の供給長さに
切断して設定マスタ261aを形成する切断手段および
設定マスタ261aを穿孔製版する製版手段を有する製
版装置290と、版胴101に対向して配設され、設定
マスタ161aを介して版胴101に接離自在な第1の
マスタ押え手段(図示せず)と、第2の版胴201に対
向して配設され、設定マスタ261aを介して版胴20
1に接離自在な第2のマスタ押え手段(図示せず)と、
第1のマスタ押え手段を接離自在に駆動する第1の押え
駆動手段としてのソレノイド225と、第2のマスタ押
え手段を接離自在に駆動する第2の押え駆動手段として
のソレノイド325と、各設定マスタ161a,261
aの巻装開始時、第1のマスタ押え手段が設定マスタ1
61aの第1および第2未製版領域165,166を押
圧すると共に、第2のマスタ押え手段が設定マスタ26
1aの第1および第2未製版領域265,266を押圧
し、第1のマスタ押え手段が第1次穿孔領域163およ
び穿孔画像領域168の押圧を回避すると共に、第2の
マスタ押え手段が第1次穿孔領域263および穿孔画像
領域268の押圧を回避するように、各ソレノイド22
5,325および各版胴駆動モータ210,310をそ
れぞれ制御する制御手段としての制御装置270とを具
備している。
【0109】この孔版印刷装置が、上記特開平6−71
996号公報に開示された孔版印刷装置と主に相違する
点は、第3の実施形態の版胴1とそれぞれ同様の構成を
有する第1の版胴101と第2の版胴201とを近接し
た状態で有すること、2つの製版装置190,290を
有すること、版胴101の外周面に巻装される設定マス
タ161aおよび版胴201の外周面に巻装される設定
マスタ261aを有すること、第3の実施形態と同様の
マスタ押えローラ121からなる第1のマスタ押え手段
(図示せず)および第2のマスタ押え手段(図示せず)
をそれぞれ有すること、ソレノイド225およびソレノ
イド325を有すること、ならびに制御装置270を有
することにある。
【0110】上記した各構成部品中、第3の実施形態の
孔版印刷装置の各構成部品と基本的に同様の構造および
機能を有し、その形状や配設位置等が異なる構成部品に
ついては、次のように符号を設定することでその具体的
内容の説明を省略する。すなわち、版胴101周りおよ
び製版装置190の各構成部品の符号は、第3の実施形
態における孔版印刷装置の版胴1周りおよび製版装置9
0の各構成部品の符号に数字100を加えた符号をもっ
て、版胴201周りおよび製版装置290の各構成部品
の符号は、第3の実施形態における孔版印刷装置の版胴
1周りおよび製版装置90の各構成部品の符号に数字2
00を加えた符号をもって表すものとする。また、サプ
ライであるマスタおよび設定マスタについても上記と同
様の符号を用いるものとする。
【0111】インキ供給装置308には、インキ供給管
を兼ねている支持軸304からのインキをインキ溜り3
07に供給する供給パイプ309が配設されている。版
胴201に対する版胴101の押圧動作を行なわせる版
胴押圧駆動手段500としては、特開平6−71996
号公報の図2に示されている離接駆動手段と同様の構成
のものを具備する。
【0112】制御装置270は、各設定マスタ161
a,261aの巻装終了時、第1のマスタ押え手段がマ
スタ重合領域169における第1次穿孔領域163を、
第2のマスタ押え手段がマスタ重合領域269における
第1次穿孔領域263をそれぞれ押圧するように第1お
よび第2のソレノイド225,325および各版胴駆動
モータ210,310をそれぞれ制御する機能を有す
る。制御装置270は、版胴201に対する版胴101
の押圧動作が給紙中連続して継続可能である場合、用紙
検出センサ102から用紙82の先端の検知信号が送信
されないので、連続給紙中に用紙82の給送が途絶えた
と判断して、版胴201に対する押圧動作を回避するよ
うに版胴押圧駆動手段500を制御する押圧制御手段と
しての機能を有する。
【0113】図18に示すように、制御装置270から
の指令により、版胴押圧駆動手段500が作動されるこ
とによって版胴101が版胴201に向けて変位され、
接近し押圧状態にあるインキ供給ローラ205とインキ
供給ローラ305とを介して、版胴101上の設定マス
タ161aと版胴201上の設定マスタ261aとの間
に用紙82を互いに押し付け合って、その用紙82の表
面と裏面とに同時に印刷画像が形成されることとなる。
片面印刷時において、例えば版胴101上の設定マスタ
161aにより表面印刷を行なう場合には、版胴201
上での設定マスタ261aの位置ズレは印刷品質上は全
然問題とならないため、製版装置290のサーマルヘッ
ド291を全く駆動させず無穿孔の設定マスタ261a
を作製し、カッタモータ298による所定の供給長さの
設定マスタ261aの形成だけで設定マスタ巻装を行な
い印刷を実行してもよい。上記以外の本孔版印刷装置の
主要な動作は、上記構成・動作および第3の実施形態か
ら容易に類推可能であるため、その説明を省略する。
【0114】なお、第1の版胴や第2の版胴は、版胴1
と同様の構成を有する版胴101,201に限らず、版
胴1Aや版胴1Bを使用しても勿論構成できるものであ
り、それらの版胴1Aや1Bを使用した場合には、第4
の実施形態の上記利点に版胴1Aや1Bを使用した場合
の利点が加わることとなる。また、第1の版胴や第2の
版胴は、版胴1と同様の構成を有する版胴101,20
1または版胴1Aや版胴1Bと同様の構成を有する版胴
に限らず、図7に示した第2の実施形態の孔版印刷装置
の版胴1’,1A’,1B’とその外周面6上に巻装さ
れたメッシュスクリーン12とを使用しても、上記した
第4の実施形態と同様の設定マスタ巻装方式を適用する
ことができる。
【0115】(第5の実施形態)図20、図21および
図23を参照して第5の実施形態を説明する。図20は
第5の実施形態を適用した両面同時印刷方式の孔版印刷
装置の主要部の概要を、図21は同孔版印刷装置の主要
な制御構成をそれぞれ表している。この孔版印刷装置
は、特願平9−154937号で提案した両面同時印刷
方式の孔版印刷装置に本発明の版胴および設定マスタ巻
装方式を適用したものである。
【0116】この孔版印刷装置は、図20、図21およ
び図23に示すように、支持軸82Aの周りに回動自在
に配設され、外周面の略全体に亘ってインキ通過性の開
孔2および開孔周縁凸部3が設けられた第1の版胴とし
ての版胴79Aと、支持軸105Aの周りに回動自在に
配設され、外周面の略全体に亘ってインキ通過性の開孔
2および開孔周縁凸部3が設けられ、版胴79Aにその
外周面を近接させて配設された第2の版胴としての版胴
80Aと、版胴79Aの内部からインキを版胴79A上
の設定マスタ161aに供給する第1のインキ供給手段
としてのインキ供給装置84Aと、版胴80Aの内部か
らインキを版胴80A上の設定マスタ261aに供給す
る第2のインキ供給手段としてのインキ供給装置107
Aと、版胴79Aを回転する第1の版胴駆動手段として
の版胴駆動モータ146Aと、版胴80Aを回転する第
2の版胴駆動手段としての版胴駆動モータ147Aと、
支持軸82Aと支持軸105Aとの間の距離を変化させ
ることなく、かつ、版胴79Aおよび版胴80Aを互い
に膨出させて押し付け合うことにより押圧動作を行なわ
せる後述する版胴押圧駆動手段と、版胴79Aの図20
で右側上方に配設され、版胴79Aの外周面に巻き付け
るマスタを所定の供給長さに切断して設定マスタ161
aを形成する切断手段および設定マスタ161aを穿孔
製版する製版手段を有する製版装置190と、版胴80
Aの図20で左側下方に配設され、版胴80Aの外周面
に巻き付けるマスタを所定の供給長さに切断して設定マ
スタ261aを形成する切断手段および設定マスタ26
1aを穿孔製版する製版手段を有する製版装置290
と、版胴79Aに対向して配設され、設定マスタ161
aを介して版胴79Aに接離自在な第1のマスタ押え手
段(図示せず)と、第2の版胴80Aに対向して配設さ
れ、設定マスタ261aを介して版胴80Aに接離自在
な第2のマスタ押え手段(図示せず)と、第1のマスタ
押え手段を接離自在に駆動する第1の押え駆動手段とし
てのソレノイド225と、第2のマスタ押え手段を接離
自在に駆動する第2の押え駆動手段としてのソレノイド
325と、各設定マスタ161a,261aの巻装開始
時、第1のマスタ押え手段が設定マスタ161aの第1
および第2未製版領域165,166を押圧すると共
に、第2のマスタ押え手段が設定マスタ261aの第1
および第2未製版領域265,266を押圧し、第1の
マスタ押え手段が第1次穿孔領域163および穿孔画像
領域168の押圧を回避すると共に、第2のマスタ押え
手段が第1次穿孔領域263および穿孔画像領域268
の押圧を回避するように、各ソレノイド225,325
および各版胴駆動モータ146A,147Aをそれぞれ
制御する制御手段としての制御装置370とを具備して
いる。
【0117】この孔版印刷装置が、上記特願平9−15
4937号で提案した孔版印刷装置と主に相違する点
は、各外周面の略全体に亘ってインキ通過性の開孔2お
よび開孔周縁凸部3が設けられていて、かつ、メッシュ
スクリーンを除去した構造を有し、各外周面にクランパ
(上記特願平9−154937号では原紙クランパ1
2,22)を具備していない第1の版胴79Aと第2の
版胴80Aとを近接した状態で有すること、2つの製版
装置190,290を有すること、版胴79Aの外周面
に巻装される設定マスタ161aおよび版胴80Aの外
周面に巻装される設定マスタ261aを有すること、第
3の実施形態と同様のマスタ押えローラ121からなる
第1のマスタ押え手段(図示せず)および第2のマスタ
押え手段(図示せず)をそれぞれ有すること、ソレノイ
ド225およびソレノイド325を有すること、ならび
に制御装置370を有することにある。
【0118】上記した各構成部品中、上記特願平9−1
54937号の図10に示されている各構成部品と略同
様の構造および機能を有し、その形状や配設位置等が異
なる構成部品については、次のように符号を設定するこ
とでその具体的内容の説明を省略する。すなわち、版胴
79Aおよび版胴80A周りの各構成部品の符号は、上
記特願平9−154937号の図10に示されている各
構成部品の符号末尾に英字Aを加えた符号をもって表す
ものとする。また、製版装置190,290およびサプ
ライであるマスタおよび設定マスタについては、第2の
実施形態と同様の符号を用いるものとする。
【0119】インキ供給装置107Aには、インキ供給
管を兼ねている支持軸105Aからのインキをインキ溜
り118aAに供給する供給パイプ132Aが配設され
ている。版胴押圧駆動手段は、インキ供給ローラ95A
を図20に示す作動位置に移動させるソレノイド98
A、およびインキ供給ローラ117Aを図20に示す作
動位置に移動させるソレノイド120Aからなる。
【0120】制御装置370は、各設定マスタ161
a,261aの巻装終了時、第1のマスタ押え手段がマ
スタ重合領域169における第1次穿孔領域163を、
第2のマスタ押え手段がマスタ重合領域269における
第1次穿孔領域263をそれぞれ押圧するように各ソレ
ノイド225,325および各版胴駆動モータ146
A,147Aをそれぞれ制御する機能を有する。制御装
置370は、各インキ供給ローラ95A,117A同士
の作動位置への移動動作が給紙中連続して継続可能であ
る場合、用紙検出センサ102から用紙82の先端の検
知信号が送信されないので、連続給紙中に用紙82の給
送が途絶えたと判断して、各インキ供給ローラ95A,
117A同士の作動位置への移動動作を回避するように
各ソレノイド98A、120Aをそれぞれ制御する押圧
制御手段としての機能を有する。
【0121】図20に示すように、制御装置370から
の指令により、各ソレノイド98A、120Aが作動さ
れることによって各インキ供給ローラ95A,117A
同士が作動位置へ移動され、これにより各インキ供給ロ
ーラ95A,117Aがそれぞれ各版胴79A,80A
の内周面を押圧し各版胴79A,80Aをそれぞれ膨出
させ、押圧状態にあるインキ供給ローラ95Aとインキ
供給ローラ117Aとを介して、版胴79A上の設定マ
スタ161aと版胴80A上の設定マスタ261aとの
間に用紙82を互いに押し付け合って、その用紙82の
表面と裏面とに同時に印刷画像が形成されることとな
る。片面印刷時において、例えば版胴79A上の設定マ
スタ161aにより表面印刷を行なう場合には、第4の
実施形態と同様にしてもよい。上記以外の本孔版印刷装
置の主要な動作は、上記構成・動作および第3の実施形
態から容易に類推可能であるため、その説明を省略す
る。
【0122】なお、第1の版胴や第2の版胴は、版胴1
と同様の構成を有する版胴79A,80Aに限らず、版
胴1Aや版胴1Bを使用しても勿論構成できるものであ
り、それらの版胴1Aや1Bを使用した場合には、第5
の実施形態の上記利点に版胴1Aや1Bを使用した場合
の利点が加わることとなる。また、第1の版胴や第2の
版胴は、版胴1と同様の構成を有する版胴79A,80
Aまたは版胴1Aや版胴1Bと同様の構成を有する版胴
に限らず、図7に示した第2の実施形態の孔版印刷装置
の版胴1’,1A’,1B’とその外周面6上に巻装さ
れたメッシュスクリーン12とを使用しても、上記した
第5の実施形態と同様の設定マスタ巻装方式を適用する
ことができる。
【0123】(第5の実施形態の変形例)図22および
図23を参照して第5の実施形態の変形例を説明する。
図22は上記変形例を適用した両面同時印刷方式の孔版
印刷装置の主要部の概要を表している。この変形例の孔
版印刷装置は、図20および図21に示した孔版印刷装
置に対して次の諸点が主に相違する。すなわち、版胴8
0Aの上方に近接して配設された版胴79Aに代えて、
2胴式のインキ供給ドラム400と従動ドラム410と
の間に掛け渡された第1の版胴としてのベルト状版胴4
20を有すること、インキ供給装置84Aに代えて、ベ
ルト状版胴420の内部からインキをベルト状版胴42
0上の設定マスタ161aに供給する第1のインキ供給
手段としてのインキ供給装置405を有すること、版胴
駆動モータ146Aに代えて、インキ供給ドラム400
に回転伝達部材を介して連結され、ベルト状版胴420
を回転する版胴駆動モータ430を有すること、ソレノ
イド98Aを除去して、インキ供給ドラム400を装置
本体側に回転可能に固定支持させたこと、製版装置19
0をベルト状版胴420の図22で右側上方に配設した
こと、第1のマスタ押え手段(図示せず)を設定マスタ
161aを介してベルト版胴420に接離自在にすべく
ベルト状版胴420の図22で右側近傍に配設したこ
と、制御装置370に代えて、各設定マスタ161a,
261aの巻装開始時、第1のマスタ押え手段が設定マ
スタ161aの第1および第2未製版領域165,16
6を押圧すると共に、第2のマスタ押え手段が設定マス
タ261aの第1および第2未製版領域265,266
を押圧し、第1のマスタ押え手段が第1次穿孔領域16
3および穿孔画像領域168の押圧を回避すると共に、
第2のマスタ押え手段が第1次穿孔領域263および穿
孔画像領域268の押圧を回避するように、各ソレノイ
ド225,325および各版胴駆動モータ430,14
7Aをそれぞれ制御する制御手段としての制御装置47
0(図21参照)とを有するものである。
【0124】インキ供給ドラム400は、例えばアルミ
ニウム製の引抜管からできていて、装置本体側に支持さ
れている支持軸401の周りに回動自在に配設されてい
る。従動ドラム410は、例えばアルミニウム製の引抜
管からできていて、装置本体側に支持されていて、支持
軸409の周りに回動自在に配設されている。ベルト状
版胴420は、例えば薄板のステンレス板を張設したも
のからできていて、その外周面にはその略全体に亘って
インキ通過性の開孔2および開孔周縁凸部3が設けられ
ている。インキ供給装置405は、ベルト状版胴420
の内周面にインキを供給するインキ供給ドラム400
と、インキ供給ドラム400とわずかな隙間をもって平
行に配置されインキ供給ドラム400との間に断面楔状
のインキ溜り403を形成するドクターローラ402
と、インキ供給ドラム400と従動ドラム410との間
の本体側板側に配設され、インキ溜り403へインキを
供給する供給パイプ408とから主に構成される。
【0125】ベルト状版胴420の外周長は、版胴80
Aのそれと同じとなるように、インキ供給ドラム400
と従動ドラム410との外径が決められるため、これら
の各外径を同じとした場合には必ずインキ供給ドラム4
00と従動ドラム410との外径は、版胴80Aのそれ
よりも小さいものとなる。したがって、印刷画像が形成
された用紙82をベルト状版胴420および版胴80A
の外周面から剥離爪やエアーナイフ等の剥離手段で剥離
する場合、その曲率の小さい上側のベルト状版胴420
の方が容易に離れやすい傾向にある。この変形例では、
この性質を利用し、用紙82の片面が比較的画像面積率
の少ない文字物と反対に画像面積率の多いベタ物とを同
時に用紙82の両面に印刷する場合には、用紙82が離
れやすい曲率の小さい上側のベルト状版胴420でベタ
物を、下側の版胴80Aで文字物を印刷するように各設
定マスタ161a,261aを製版し巻装すると、版胴
に用紙82がインキの付着力で巻き上がる不具合を防止
できる利点がある。
【0126】制御装置470は、各設定マスタ161
a,261aの巻装終了時、第1のマスタ押え手段がマ
スタ重合領域169における第1次穿孔領域163を、
第2のマスタ押え手段がマスタ重合領域269における
第1次穿孔領域263をそれぞれ押圧するように各ソレ
ノイド225,325および各版胴駆動モータ430,
147Aをそれぞれ制御する機能を有する。制御装置4
70は、インキ供給ローラ117Aの作動位置への移動
動作が給紙中連続して継続可能である場合、用紙検出セ
ンサ102から用紙82の先端の検知信号が送信されな
いので、連続給紙中に用紙82の給送が途絶えたと判断
して、インキ供給ローラ117Aの作動位置への移動動
作を回避するようにソレノイド120Aを制御する押圧
制御手段としての機能を有する。なお、本孔版印刷装置
の制御構成の主なる制御対象構成部品については、図2
1を借用して括弧を付して示している。
【0127】この変形例においては、支持軸401と支
持軸105Aとの間の距離を変化させることなく、か
つ、版胴80Aのみを膨出させてインキ供給ドラム40
0に対向してベルト状版胴420に接触し押圧動作を行
なわせるものである。図21および図22に示すよう
に、制御装置470からの指令により、ソレノイド12
0Aが作動されることによって、インキ供給ローラ11
7Aのみが作動位置へ移動され、これによりインキ供給
ローラ117Aが版胴80Aの内周面を押圧して膨出さ
せ、押圧状態にあるインキ供給ドラム400とインキ供
給ローラ117Aとを介して、ベルト状版胴420上の
設定マスタ161aと版胴80A上の設定マスタ261
aとの間に用紙82を互いに押し付け合って、その用紙
82の表面と裏面とに同時に印刷画像が形成されること
となる。片面印刷時において、例えばベルト状版胴42
0上の設定マスタ161aにより表面印刷を行なう場合
には、第5の実施形態と同様にしてもよい。上記以外の
本孔版印刷装置の主要な動作は、上記構成・動作および
第5の実施形態から容易に類推可能であるため、その説
明を省略する。
【0128】なお、ベルト状版胴420は、これに限ら
ず、版胴1Aのピン状突起9や版胴1Bの円錐状突起1
0を利用して薄板ベルト状に構成することも勿論可能で
あり、それらの版胴1Aのピン状突起9や版胴1Bの円
錐状突起10を利用した場合には、第5の実施形態の変
形例の上記利点に版胴1Aのピン状突起9や版胴1Bの
円錐状突起10を利用した場合の利点が加わることとな
る。
【0129】上述した第4および第5の実施形態および
その変形例によれば、騒音を低減した状態で両面同時印
刷が行なえると共に、第3の実施形態と同様の第1およ
び第4の各利点が得られる。
【0130】なお、各製版装置90,190,290の
マスタ送りローラ対93a,93bと給版ローラ対94
a,94bとの間で、設定マスタ61a,161a,2
61aに撓みを形成して製版・給版を行なえる装置にあ
っては、例えばマスタ押え手段としてのマスタ押えロー
ラ121を支持アーム対126,126の揺動端部に2
個設けて、設定マスタ61a,161a,261aの巻
装開始時、マスタ押えローラ121が設定マスタ61
a,161a,261aの第1および第2未製版領域6
5,165,265,66,166,266を張力を付
与しながら略同時的に押圧するものでもよい。この場
合、2個のマスタ押えローラ121の間隔は各設定マス
タ61a,161a,261aにおける各第1次穿孔領
域63,163,263の搬送方向の長さと同等以上と
し、1回の押圧動作で各第1次穿孔領域63,163,
263にインキを滲み出させることが可能となる。
【0131】本発明の実施形態は、上述した各実施形態
等に限らず、例えば製版装置90,190,290の何
れかを備えている製版装置であってもよく、このような
装置構成にあっては設定マスタのみを製作するものとし
て利用できる。(第1の技術構成参照)。また、これに
限らず、上述した各実施形態等の構成から上記給紙装
置、上記印刷装置および上記排紙装置を除去した装置構
成であってもよく、このような装置構成にあっては、版
胴が用紙搬送方向に複数並設された多色もしくは多版孔
版印刷装置から各版胴を取り外して設定マスタを自動的
に排版したり巻装したりするのに利用することができ
る。
【0132】また、上述した各実施形態等では感熱デジ
タル製版印刷一体型の孔版印刷装置について述べたが、
本発明の実施形態は、これらに限定されず、穿孔製版さ
れ予め所定の供給長さに切断された設定マスタを自動的
に巻装して印刷を行なう装置、あるいは予め穿孔製版だ
け施された設定マスタを連続ロール状に巻成したものを
所定の供給長さに切断しながら自動的に巻装するような
装置構成であってもよいといえる。
【0133】上述したとおり、外周面にインキ通過性の
開孔およびマスタや設定マスタを保持すべく外周面から
外方に向かって突出した凸部を形成された少なくとも一
つの版胴を有し、版胴の外周面にマスタを巻き付け、版
胴の内部からインキを該版胴上のマスタに供給し、版胴
上のマスタに用紙を押し付けて用紙に印刷を行なう印刷
方法において、版胴の外周面に巻装するマスタの供給長
さは、版胴の外周面の外周長よりも長く、かつ、版胴の
外周面へのマスタ巻装後のマスタの後端が、マスタの先
端部側に形成された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置ま
で達しない長さに設定されており、上記供給長さに設定
された設定マスタを版胴の外周面に巻装し、該設定マス
タ巻装終了時に、該設定マスタの先端部の上に該設定マ
スタの後端部を重ね合わせたマスタ重合領域を形成した
後、印刷を行なう、という構成を有していればよく、従
来装置の版胴構造においてマスタ巻装を行ない得るもの
ならば、どのような装置にも適用することができるもの
である。
【0134】したがって、例えば上記した装置適用例以
外に、例えば特開平8−192564号公報に記載され
ているように、用紙搬送面を挟んだ片面印刷の版胴を搬
送方向にずらして複数並べた両面印刷装置、あるいは特
開平8−118774号公報に記載されている両面印刷
装置等にも適用することができる。
【0135】以上述べたとおり、本発明を実施例を含む
特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成
は、上述した各実施形態等に限定されるものではなく、
それらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲
内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施
形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかで
ある。
【0136】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、版胴に形成された開孔の版胴の外周面側の開
孔周縁部に、マスタを保持すべく版胴の外周面から外方
に向って突出した凸部を形成したことにより、凸部がマ
スタの多孔質支持体部分に食い込みマスタを機械的に強
固に保持するので、マスタの先端部をクランパ等のマス
タ先端係止手段で係止したりせずとも、マスタがクラン
パから抜け出したり、さらにはこれによってマスタの破
れや伸びが発生してしまい、画像品質の低下や排版不
良、マスタの破れに伴うインキの付着・飛散等による機
械内部の汚損等の発生を防止することができる。また、
クランパ等のマスタ先端係止手段を不要とすることがで
きたので、押圧手段として例えばプレスローラを用いた
場合では、版胴の外周面からの一々の接離動作をするこ
となく、印刷中は常に版胴の外周面を押圧し続けること
が可能となり、プレスローラの接離動作に伴う振動や騒
音の低減にも大いに役立つようになった。
【0137】請求項2記載の発明によれば、凸部の断面
形状が山形であり、その頂部が鋭角であることにより、
凸部がマスタの多孔質支持体部分に食い込みマスタを機
械的にさらに強固に保持するので、請求項1記載の発明
の効果をさらに確実に奏することができる。
【0138】請求項3記載の発明によれば、版胴の外周
面上に、凸部とは別にマスタを保持すべく版胴の外周面
から外方に向って突出した突起部を形成したことによ
り、上記各発明の効果をより一層確実に奏することがで
きる。
【0139】請求項4記載の発明によれば、突起部の先
端部が鋭角であることにより、突起部の鋭角状の先端部
がマスタの多孔質支持体部分に確実に食い込みマスタを
機械的にさらに一層強固に保持するので、上記各発明の
効果をさらに一層確実に奏することができる。
【0140】請求項5記載の発明によれば、請求項3ま
たは4記載の版胴において、突起部の軸芯を、版胴の回
転中心を通る半径方向の半直線に対して版胴の回転方向
の進み側に所定角度傾けたことにより、マスタが版胴の
回転方向の遅れ側に引っ張られようとした場合でも、版
胴の回転方向の進み側に所定角度傾傾いている突起部の
先端部がマスタの多孔質支持体部分の移動を押さえるの
で、版胴とマスタとの位相がずれることが防止され、上
記各発明の効果をさらに一層確実に奏することができ
る。
【0141】請求項6記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の版胴において、凸部の高さが版胴を形成す
る素材の厚さの1/4〜1/2であることにより、凸部
がマスタの多孔質支持体の厚さ部分に食い込んでマスタ
を機械的に強固に保持することができる。
【0142】請求項7記載の発明によれば、請求項3、
4または5記載の版胴において、突起部の高さが版胴を
形成する素材の厚さの1/4〜1/2であることによ
り、突起部がマスタの多孔質支持体の厚さ部分に食い込
んでマスタを機械的に強固に保持することができる。
【0143】請求項8記載の発明によれば、版胴の外周
面にはインキ通過性のメッシュスクリーンが少なくとも
一層巻き付けられていることにより、上記各発明の効果
に加えて、メッシュスクリーンの後端部をスプリングを
介して張設せずとも、メッシュスクリーンが横にスキュ
ーしたりするのを防止することができる。
【0144】請求項9記載の発明によれば、開孔が外周
面の略全体に亘って設けられていることにより、上記各
発明の効果に加えて、版胴の外周面の如何なる位置にお
いてもマスタの先端部から巻装し始めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態を示す版胴の
要部の斜視図であり、(b)は同版胴の要部の断面図で
ある。
【図2】第1の実施形態における版胴の組み付け前の平
板状態の平面図である。
【図3】第1の実施形態における版胴が適用された孔版
印刷装置を一部破断して示す要部の正面図である。
【図4】第1の実施形態の変形例1の版胴の要部の斜視
図である。
【図5】第1の実施形態の変形例2の版胴の要部の斜視
図である。
【図6】変形例2の版胴の円錐状突起の傾きを説明する
説明図である。
【図7】第2の実施形態における版胴が適用された孔版
印刷装置を一部破断して示す要部の正面図である。
【図8】(a)は従来の版胴の要部の斜視図であり、
(b)は同版胴の要部の断面図である。
【図9】従来の他の版胴の要部の断面図である。
【図10】第3の実施形態を示す孔版印刷装置の要部の
概略正断面図である。
【図11】第3の実施形態における孔版印刷装置の設定
マスタ巻装初期時の動作を表す概略正断面図である。
【図12】第3の実施形態における孔版印刷装置の設定
マスタ巻装時の動作を表す概略正断面図である。
【図13】第3の実施形態における孔版印刷装置の設定
マスタ巻装時の動作を表す概略正断面図である。
【図14】第3の実施形態における孔版印刷装置の設定
マスタ巻装終了時の動作を表す概略正断面図である。
【図15】第3の実施形態における孔版印刷装置の印刷
直前の動作を表す概略正断面図である。
【図16】第3の実施形態における孔版印刷装置の印刷
動作中に給紙ジャムを生じた状態を表す概略正断面図で
ある。
【図17】第3の実施形態における孔版印刷装置の主要
な制御構成を示す制御ブロック図である。
【図18】第4の実施形態を示す両面同時印刷方式の孔
版印刷装置の要部の概略正断面図である。
【図19】第4の実施形態における孔版印刷装置の主要
な制御構成を示す制御ブロック図である。
【図20】第5の実施形態を示す両面同時印刷方式の孔
版印刷装置の要部の概略正断面図である。
【図21】第5の実施形態およびその変形例における孔
版印刷装置の主要な制御構成を示す制御ブロック図であ
る。
【図22】第5の実施形態の変形例における両面同時印
刷方式の孔版印刷装置の要部の概略正断面図である。
【図23】第3ないし第5の実施形態等における設定マ
スタの版胴の外周面への巻装状態を示す要部の拡大正断
面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,79A,80A,101,201
版胴 2 開孔 3 凸部としての開孔周縁凸部 5 版胴の内周面 6 版胴の外周面 9 突起部としてのピン状突起 10 突起部としての円錐状突起 11 軸芯 12 メッシュスクリーン 61 マスタ 61a,161a,261a 設定マスタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面にマスタを巻き付け内周面側から開
    孔を介して上記マスタにインキが供給される版胴におい
    て、 上記開孔の上記外周面側の開孔周縁部に、上記マスタを
    保持すべく該外周面から外方に向って突出した凸部を形
    成したことを特徴とする版胴。
  2. 【請求項2】請求項1記載の版胴において、 上記凸部の断面形状が山形であり、その頂部が鋭角であ
    ることを特徴とする版胴。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の版胴において、 上記外周面上に、上記凸部とは別に上記マスタを保持す
    べく上記外周面から外方に向って突出した突起部を形成
    したことを特徴とする版胴。
  4. 【請求項4】請求項3記載の版胴において、 上記突起部の先端部が、鋭角であることを特徴とする版
    胴。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の版胴において、 上記突起部の軸芯を、上記版胴の回転中心を通る半径方
    向の半直線に対して上記版胴の回転方向の進み側に所定
    角度傾けたことを特徴とする版胴。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の版胴において、 上記凸部の高さが、上記版胴を形成する素材の厚さの1
    /4〜1/2であることを特徴とする版胴。
  7. 【請求項7】請求項3、4または5記載の版胴におい
    て、 上記突起部の高さが、上記版胴を形成する素材の厚さの
    1/4〜1/2であることを特徴とする版胴。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7の何れか一つに記載の版
    胴において、 上記外周面には、インキ通過性のメッシュスクリーンが
    少なくとも一層巻き付けられていることを特徴とする版
    胴。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8の何れか一つに記載の版
    胴において、 上記開孔が、上記外周面の略全体に亘って設けられてい
    ることを特徴とする版胴。
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JP2009056654A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置

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