JP2000081648A - ストロボ発光シンクロシャッタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確なストロボ発光タイミングを得ることに
より高速シャッタにシンクロさせることができると同時
に、より長いシンクロ時間も得ることができるストロボ
発光シンクロシャッタ装置を提供する。 【解決手段】 光学素子２は先幕が全開される前の所定
位置に設置されている。先幕がこの位置を通過すると、
これを検知し、時間カウント部６により所定時間のカウ
ントをする。所定時間になると、ストロボオンのための
信号が出力されストロボ発光制御部７は電子スイッチ８
をオン制御する。ストロボ発光部９はトリガーがかけら
れ発光を開始する。先幕全開到達時点でチャタリングな
く正確にストロボ発光でき、高速シャッタに対応するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フォーカルプレー
ンシャッタ装置、さらに詳しくいえば、ストロボ発光の
同期精度を上げることを考慮したストロボ発光シンクロ
シャッタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、フォーカルプレーンシャッタ装置
におけるストロボ発光は、シャッタ内に組み込まれたメ
カニカル接点で発光させていた。そのため、接点のチャ
タリング等による誤発光あるいは接点タイミング遅れに
よるシンクロ時間のロスが発生していた。フォーカルプ
レーンシャッタでストロボを使用するためにはシャッタ
が全開することが必要であり、この位置にタイミングよ
く発光するように設定することは、チャタリングおよび
遅延を含むため必ずしも正確にできず、全開のタイミン
グに合わせることは困難である。全開したときに精度よ
くストロボ発光できれば、高速のシャッタ速度に対応す
ることが可能である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図３は、従来のシャッ
タ装置のシャッタ動作とストロボ発光同期のタイミング
の一例を示す波形図である。
シャッタ動作は、先幕が走行
し、さらに後幕が走行して先幕，後幕走行終了により完
了し、先幕が走行を終了してから後幕が走行を開始する
までがシャッタ全開期間である。メカニカル接点は先幕
が走行を終了した時点で動作させられ、該接点は先幕に
連動する部材により物理的に動き出しチャタリングを起
こした後、電気的にオンとなる。そのため物理的に動い
ている期間がロスタイムＴ_D となり、このロスタイムを
経てストロボが発光する。シャッタ動作の全開期間は少
なくともＴ’（ロスタイムＴ_D + ストロボ全発光期間）
の期間を確保しなければならず、これ以上シンクロシャ
ッタ速度を上げることはできないとともにチャタリング
時間が一定しないため最大ロスタイムを考慮したシャッ
タ速度にしなければならない。

【０００４】本発明の目的は、正確なストロボ発光タイ
ミングを得ることにより高速シャッタにシンクロさせる
ことができると同時に、より長いシンクロ時間も得るこ
とができるストロボ発光シンクロシャッタ装置を提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明によるストロボ発光シンクロシャッタ装置は、
フォーカルプレーンシャッタ装置において、シャッタ先
幕の全開前の所定位置に配置され、この位置をシャッタ
先幕が通過したとき、これを検知する光学素子と、前記
光学素子の検知出力により計測を開始する時間計測手段
と、電子的にストロボを発光させる電子スイッチ手段
と、前記時間計測手段が所定の時間を計測したとき、前
記電子スイッチ手段をオン制御するストロボ発光制御手
段とを含み、先幕が全開したタイミングでストロボの発
光を開始するように構成してある。本発明は上記構成に
おいて、シャッタの動きを監視するシャッタ動作監視部
を設けてある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳しく説明する。図１は、本発明によるスト
ロボ発光シンクロシャッタ装置の実施の形態を示すブロ
ック図である。シャッタユニット１は、シャッタ部３，
シャッタ制御部４および光学素子２により構成されてい
る。光学素子２は先幕が全開する前の所定位置に設置さ
れている。先幕がこの位置を通過すると、光学素子２へ
の光入力は遮られ、先幕の通過を検知することができ
る。

【０００７】光学素子２の出力にはシャッタ動作をモニ
タするため先幕と後幕の走行をそれぞれ監視するシャッ
タ動作監視部５が接続されている。先幕と後幕が同時に
走行したり、後幕が走行した状態になってしまって常に
先幕のみが走行したりしてシャッタが開かないというよ
うな故障が発生した場合、それを知らせる信号を送出す
るためのものである。さらに光学素子２の出力により時
間の計測を開始する時間カウント部６が設けられてい
る。時間カウント部６は、先幕が全開する時点で出力す
るように、カウントすべき時間が設定されている。

【０００８】時間カウント部６の出力はストロボ発光制
御部７に入力され、ストロボ発光制御部７は時間カウン
ト部６からの出力により電子スイッチ８をオン制御す
る。ストロボ発光部９は電子スイッチ８のオンによりト
リガーがかけられ発光を開始する。電子スイッチ８は例
えばＳＣＲ，バイポーラトランジスタなどの半導体スイ
ッチング素子が用いられる。

【０００９】図２は、本発明におけるシャッタ動作とス
トロボ発光同期のタイミングを説明するための波形図で
ある。（ａ）において、先幕が走行を開始しＰ₀ の位置
を通過すると、光学素子２への光入力は遮蔽され、光学
素子２から（ｂ）に示すような波形が出力される。この
出力により時間カウント部６はカウントを開始する。先
幕がＰ₀ を通過してから全開位置Ｐ₁ まで達する時間が
Ｔ₁ であるとすると、時間カウント部６はＴ₁ の時間を
カウントしたとき、ストロボオンのための信号を出力す
るように設定されている。ストロボ発光制御部７は時間
カウント部６からストロボオンのための信号を受ける
と、電子スイッチ８を導通させる。先幕が全開位置に達
すると同時に（ｃ）に示すような矩形信号が出力されス
トロボが発光する（ｄ）。

【００１０】先幕がＰ₁ の位置で精度よく発光するため
全開期間Ｔ₂ を小さくしてシャッタ速度を高速シンクロ
スピードにすることができる。

【００１１】

【発明の効果】以上、説明したように本発明は、シャッ
タ幕の通過を検出する光学素子を備え、シャッタ動作を
監視すると同時に、その素子の先幕走行を検出した信号
から一定時間後にストロボ発光用の電子スイッチをオン
させるように構成されているので、チャタリングのな
い、正確なタイミングで先幕全開位置到達時にストロボ
を発光させることができる。したがって、高速シャッタ
スピードにストロボ発光をシンクロさせることが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるストロボ発光シンクロシャッタ装
置の実施の形態を示すブロック図である。

【図２】本発明におけるシャッタ動作とストロボ発光同
期のタイミングを説明するための波形図である。

【図３】従来のシャッタ装置のシャッタ動作とストロボ
発光同期のタイミングの一例を示す波形図である。

【符号の説明】

１…シャッタユニット ２…光学素子 ３…シャッタ部 ４…シャッタ制御部 ５…シャッタ動作監視部 ６…時間カウント部 ７…ストロボ発光制御部 ８…電子スイッチ ９…ストロボ発光部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォーカルプレーンシャッタ装置におい
   て、シャッタ先幕の全開前の所定位置に配置され、この
   位置をシャッタ先幕が通過したとき、これを検知する光
   学素子と、前記光学素子の検知出力により計測を開始す
   る時間計測手段と、電子的にストロボを発光させる電子
   スイッチ手段と、前記時間計測手段が所定の時間を計測
   したとき、前記電子スイッチ手段をオン制御するストロ
   ボ発光制御手段とを含み、先幕が全開したタイミングで
   ストロボの発光を開始するように構成したことを特徴と
   するストロボ発光シンクロシャッタ装置。
2. 【請求項２】 シャッタの動きを監視するシャッタ動作
   監視部を設けたことを特徴とする請求項１記載のストロ
   ボ発光シンクロシャッタ装置。