JP2000079666A - フッ素樹脂フィルム - Google Patents

フッ素樹脂フィルム

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JP2000079666A
JP2000079666A JP10250991A JP25099198A JP2000079666A JP 2000079666 A JP2000079666 A JP 2000079666A JP 10250991 A JP10250991 A JP 10250991A JP 25099198 A JP25099198 A JP 25099198A JP 2000079666 A JP2000079666 A JP 2000079666A
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titanium oxide
fluororesin
coating
primer layer
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JP10250991A
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Kei Mizutani
圭 水谷
Takashi Saigo
孝 西郷
Kinji Hasegawa
欣治 長谷川
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタン酸化物からなる光触媒機能層と基材と
なるフッ素樹脂フィルムとの接着性に優れ、かつ光触媒
作用(例えば、表面の防汚効果、抗菌効果、起親水化効
果よりなる防曇性、流滴性)を奏し、延伸したフッ素フ
ィルムを適用することで高い透明性と雹の落下や鳥のつ
つきなどによるフィルムの穴空きの無いフッ素樹脂フィ
ルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも1軸延伸されたフッ素フィル
ムの少なくとも片面にシランカップリング剤からなる架
橋プライマー層を設け、該架橋プライマー層の上に平均
粒径0.001〜0.5μmのチタン酸化物および式
(1)で表わされる加水分解性ケイ素化合物の加水分解
物から構成される組成物からなる光触媒機能層を設けた
フッ素樹脂フィルム。 (式(1)中、nは0〜8の整数、X1、X2、X3、X4
は、それぞれハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコ
キシ基を表わす。ただし、X1、X2、X3、X4は互いに
同一あるいは異なっていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光酸化触媒として
使用されるチタン酸化物含有層を設けたフッ素樹脂フィ
ルムに関し、さらに詳しくは該チタン酸化物含有層とフ
ッ素樹脂フィルムの接着性、透明性に優れ、屋外展張用
として使用したとき、雹の落下や鳥のつつきなどにも耐
え得るフッ素樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸化物は、それ自体が光半導体で
あり、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光、
例えば紫外線を照射されると伝導帯に電子が集積し、価
電子帯には正孔(ホール)が生じる。この集積電子およ
び正孔によって生じる電子移動に基づく酸化還元作用に
より大気中の有機物を分解し、殺菌効果を示すという光
触媒活性が知られており、この殺菌効果を工業的に利用
する試みが種々行われている。
【0003】しかし、光活性触媒の高いチタン酸化物層
を例えばフッ素樹脂フィルムやポリエステルフィルムな
どの有機高分子成形フィルムなどの基材の表面に形成さ
せることは困難である。
【0004】従来行われている方法は、1つには純チタ
ン板状体の表面を空気酸化または陽極酸化してチタン酸
化物膜を形成するものであるが、この方法は酸化方法が
難しい割に良好な機能が得られにくい欠点がある。
【0005】別の方法として基材表面にチタン酸化物を
CVD法で蒸着させたりプラズマ照射を行う方法(特開
平6−210170号公報)も知られているが、いずれ
もコストの高い方法であり、また基材の種類によって適
用することができない欠点がある。
【0006】さらに、チタン酸化物粉末をバインダーと
呼ばれる接着剤を介して基材に付着させる方法も試みら
れているが、チタン酸化物の光触媒作用によりバインダ
ー自体が酸化分解され、数ヶ月の後には基材から脱落し
てしまい工業用途の使用に耐えられない問題がある。
【0007】近年、チタンのアルコキシドからゾルゲル
法によってガラス管表面にチタン酸化物薄膜を形成させ
る方法が発表されている。この方法は、アルコキシドの
アルコール溶液にある種の有機ポリマーを添加した溶液
を基材に塗布し、加熱処理によって有機ポリマーを熱分
解除去し、かつチタン酸化物の結晶化を行うというもの
であるが、出発原料が高価なものであることや高温での
加熱処理が必須となっていることが問題点として残る。
【0008】これらの問題に対し、チタン酸化物粉末を
加水分解性ケイ素化合物の加水分解物からなる組成物を
バインダーとして用いた方法(特開平8−164334
号公報)が有効な方法として知られている。しかし、こ
の方法で用いるバインダーは無機質(ガラス質)であ
り、前述の有機バインダーのようにバインダー自体の酸
化分解の問題はないものの、プラスチック基材、特にフ
ッ素樹脂フィルムやポリエステルフィルムとの接着性が
悪いという問題がある。
【0009】近年、農家人口の急激な減少により、ハウ
スのフィルム張り替えの手間がとりにくくなっており、
その10年以上もの耐候性を持つ素材としてフッ素樹脂
フィルムがハウス用として採用されてきている。しか
し、ハウス内の結露水による遮光や、滴の落下による作
物の腐敗、疫病の防止のために塗布されている防曇剤、
結露防止剤の寿命が数年しか効かないという問題があ
る。例えば特開昭62−179938号公報では珪酸塩
とシランカップリング剤、特開平3−23470号公報
ではコロイダルシリカ及び/又はアルミナゾルとバイン
ダーをフィルムの片面(ハウス内面)防曇層として設け
る(フィルム表面にガラス膜を形成して水の接触角を下
げて防曇性を発現させる。)が長期耐久性は無い。又特
開平1−123737号公報にはフッ素樹脂フィルムに
微粒子シリカ、アルミナ、酸化チタンの少なくとも1種
以上含む防曇層を設ける方法が開示されているが、フィ
ルムが未延伸フィルムのため、透明性や雹の落下、鳥の
つつきなどに耐えられなく、実質的に屋外で使用するに
は強度に問題が残る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題を解消し、チタン酸化物からなる光触媒機能層と
基材となるフッ素樹脂フィルムとの接着性に優れ、かつ
光触媒作用(例えば、表面の防汚効果、抗菌効果、超親
水化効果よりなる防曇性、流滴性)を奏し、延伸したフ
ッ素フィルムを適用することで高い透明性と雹の落下や
鳥のつつきなどによるフィルムの穴空きの無いフッ素樹
脂フィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
軸延伸されたフッ素樹脂フィルムの少なくとも片面にシ
ランカップリング剤からなる架橋プライマー層を設け、
該架橋プライマー層の上に平均粒径0.001〜0.5
μmのチタン酸化物および式(1)で表わされる加水分
解性ケイ素化合物の加水分解物から構成される組成物か
らなる光触媒機能層を設けたフッ素樹脂フィルムであ
る。
【0012】
【化2】
【0013】(式(1)中、nは0〜8の整数、X1
2、X3、X4は、それぞれハロゲン原子または炭素数
1〜8のアルコキシ基を表わす。ただし、X1、X2、X
3、X4は互いに同一あるいは異なっていてもよい。)以
下、本発明を詳細に説明する。
【0014】[フッ素樹脂フィルム]本発明のフッ素樹
脂フィルムを構成するフッ素樹脂は、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル系共重合体(PFA)、エチレン−テト
ラフルオロエチレン系共重合体(ETFE)、エチレン
−モノクロルトリフルオロエチレン系共重合体(ECT
FE)ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化
ビニル(PVF)などが挙げられる。フィルムの強度や
光線透過率の点でETFE、ECTFE、PVdFおよ
びPVFが望ましい。また耐久性、耐酸雨水性、取扱い
易さ等の点から特にETFEが望ましい。以下、本発明
のフッ素樹脂系フィルムの構成材料の代表例として、E
TFEを取り上げて説明する。
【0015】ETFEは、エチレンとテトラフルオロエ
チレンとが20/80〜80/20(モル比)の割合で
共重合されたもので、さらに1種またはそれ以上のフッ
素含有のオレフィンや炭化水素系のオレフィンなどの追
加成分を共重合せしめたものでもよい。この追加成分と
しては、プロピレン、ブテン等のα−オレフィン、ヘキ
サフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、パーフルオ
ロブチルエチレン、トリフルオロクロロチレン等の含フ
ッ素オレフィン、エチルビニルエーテル、パーフルオロ
メチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類、含フッ素アクリレート類
等が挙げられる。これらの追加成分を共重合する際に
は、ETFE中に50モル%以下の範囲内で共重合させ
ることが好ましい。用途により、10モル%以下の少量
で共重合せしめて、ETFEを改質せしめたものも用い
ることができる。
【0016】ETFEの分子量は、特には限定されない
が、その目安となる容量流速として10〜300mm3
/sec程度が好適である。ここで容量流速とは、高化
式フローテスターを使用して、300℃、30kg/c
2荷重下で、直径1mm、長さ2mmのノズルから単
位時間に流出するETFEの容量で表される値(単位は
mm3/sec)で定義される。なお、ETFEの製造
に際しては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合
等の従来公知の各種重合方法を用いることができる。
【0017】フッ素樹脂延伸フィルムの製膜は公知の技
術により作成できる。溶融押出しした未延伸フッ素樹脂
シートを延伸する1軸延伸、同時2軸延伸、逐次2軸延
伸が代表的であり、1軸延伸においては縦1軸(フィル
ムの流れ方向)の延伸、横1軸(フィルムの流れ方向と
直角の方向)の延伸のいずれでもよく、農業用延伸フィ
ルムとするときにハウスに少ない枚数で展張できること
を考慮すると横1軸延伸が好ましい。また逐次2軸延伸
としては縦→横、横→縦の2段延伸、縦→横→縦、横→
縦→横、縦→縦→横、横→横→縦の3段延伸が挙げられ
るがフィルムの製造コストとフィルム強度の観点から2
段逐次延伸が好ましい。
【0018】フッ素樹脂フィルムの延伸倍率としては、
1軸延伸の場合はその強度や透明性の面で2倍〜6倍が
好ましく、透明性をより優先させるには3倍〜5倍が好
ましい。2軸延伸の場合は面積倍率(縦倍×横倍)で8
倍〜20倍が好ましく、同様に透明性を優先させるには
9倍〜16倍が好ましい。
【0019】さらに、上記フッ素樹脂フィルムには種々
の添加剤を配合することもできる。例えば、帯電防止剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどを含
有させることができる。
【0020】本発明におけるフッ素樹脂フィルムは、透
明性が要求される用途、例えば、包装用や農業用ハウス
には透明性の良好なフッ素樹脂フィルムを用いることが
好ましく、透明配向フッ素樹脂フィルムが特に好まし
い。また、遮光性が要求される用途には顔料を配合した
フッ素樹脂フィルムを用いることが好ましく、酸化チタ
ンやSiO2、硫酸バリウムの如き顔料を配合した白色配
向フッ素樹脂フィルムが特に好ましい。
【0021】本発明におけるフッ素樹脂フィルムは、従
来から知られている方法で製造できる。例えば二軸配向
フッ素樹脂フィルムの場合、上記フッ素樹脂を乾燥後溶
融し、ダイ(例えばTダイ、Iダイ等)から冷却ドラム
上に押出し冷却して未延伸フィルムとし、該未延伸フィ
ルムを二軸方向に延伸し、更に熱固定することによって
製造することができる。フィルムの厚みは、特に制限が
ないが、5〜250μmが好ましい。フィルム製造時や
屋外で使用する時のハンドリングを考慮すると30〜1
50μm、特に50〜120μmが好ましい。
【0022】フッ素樹脂フィルムとしては滑剤を含まな
いフィルムが表面平坦性や透明性の点で好ましいが、表
面粗さ制御のため滑剤、例えば炭酸カルシウム、カオリ
ン、シリカ等の如き無機微粒子及び/又は触媒残渣の析
出微粒子等を含有させたフィルムであっても良い。透明
性を確保する為には、多孔質シリカ粒子が最も好まし
い。
【0023】[架橋プライマー層]本発明の架橋プライ
マー層を構成するシランカップリング剤は、一般式YR
SiX3で表わされる化合物である。ここで、Yはビニ
ル基、エポシキ基、アミノ基、メルカプト基等の如き有
機官能基、Rはメチレン、エチレン、プロピレン等の如
きアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキシ基等の如き
加水分解基及びアルキル基である。具体的化合物として
は、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、N―β(アミノエチル)―γ―アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N―β(アミノエチル)―γ―アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ―メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ま
しいシランカップリング剤としては、水溶性又は水分散
性を有するシランカップリング剤である。
【0024】前記シランカップリング剤と共に架橋プラ
イマー層を構成することが好ましいアルカリ性無機微粒
子としては、例えば酸化鉄ゾル、アルミナゾル、酸化ス
ズゾル、酸化ジルコニウムゾル、シリカゾル等を挙げる
ことができるが、特にアルミナゾル、シリカゾルが好ま
しい。就中シランカップリング剤の初期反応性(ダイマ
ー化、トリマー化等)を促進する点から、シリカゾルが
好ましい。
【0025】アルカリ性無機微粒子は表面積の大きい小
粒径のものが良く、平均粒径が1〜150nm、さらに
は2〜100nm、特に3〜50nmであるものが好ま
しい。平均粒径が150nmより大きくなると、表面積
が小さくなりすぎ、シランカップリング剤の反応促進作
用が低下し、かつ架橋プライマー層の表面が粗れるので
好ましくない。他方、平均粒径が1nmより小さくなる
と、表面積が大きすぎ、シランカップリング剤の反応制
御が困難となることがある。
【0026】アルカリ性無機微粒子の量は、シランカッ
プリング剤の量に対して、1〜50重量%、さらには2
〜20重量%であることが好ましい。この量が1重量%
未満であると、架橋反応が進まず、他方50重量%を超
えると塗布液の安定性に欠け、例えば無機微粒子の添加
後短時間で塗布液中に沈澱が発生することがある。
【0027】シランカップリング剤及びアルカリ性無機
微粒子を含有するプライマー塗布液、特に水性塗布液
は、そのpHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜
6.7に調整する。このpが4.0未満になると、無機
微粒子の触媒活性が失われ、他方7.0を超えると塗液
が不安定となり、沈澱が生じることがある。
【0028】このpHを調整する酸としては塩酸、硝
酸、硫酸等の無機酸や蓚酸、蟻酸、クエン酸、酢酸等の
有機酸が用いられるが、特に有機酸が好ましい。
【0029】かかる塗布後、特に水性液には、アニオン
界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活
性等の界面活性剤を必要量添加して用いることができ
る。
【0030】かかる界面活性剤としては塗布液の表面張
力を50dyne/cm以下、好ましくは40dyne
/cm以下に降下でき、フッ素樹脂フィルムへの濡れを
促進するものが好ましく、例えばポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸
エステルソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸
エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキル
スルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アン
モニウムクロライド塩、アルキルアミン塩酸等を挙げる
ことができる。更に本発明の効果を消失させない範囲に
おいて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機
フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の他の添加剤
を混合することができる。
【0031】かかる架橋プライマー塗布液をフッ素樹脂
フィルムの少なくとも片面に塗布し、次いで乾燥、熱架
橋させることで、架橋プライマー層を設けることができ
る。塗布は、通常のプライマー塗布工程、すなわち二軸
延伸熱固定したフッ素樹脂フィルムに、該フィルムの製
造工程と切離して塗布する工程で行ってもよい。しか
し、この工程では、芥、塵埃などを巻込み易いから、ク
リーンな雰囲気での塗工が望ましい。かかる観点よりフ
ッ素樹脂フィルム製造工程での塗工が好ましい。特に、
この工程中で結晶配向が完了する前のフッ素樹脂フィル
ムの片面又は両面に水性塗布液として塗布することが好
ましい。
【0032】上記塗布液の固形分濃度は、通常30重量
%以下であり、10重量%以下が更に好ましい。塗布量
は走行しているフィルム1m2当り0.5〜20g、さ
らに1〜10gが好ましい。
【0033】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えば、キスコート法、バースコート法、
ダイコート法、フレキソコート法、リバースコート法、
オフセットグラビアコート法、マイヤバーコート法、グ
ラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート
法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテンコート
法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。
【0034】塗液を塗布した、結晶配向完了する前のフ
ッ素樹脂フィルムは、乾燥され、延伸、熱固定等の工程
に導かれる。例えば水性液を塗布した縦1軸延伸フッ素
樹脂フィルムは、ステンターに導かれて横延伸及び熱固
定される。この間、塗布液は乾燥され熱架橋される。
【0035】フッ素樹脂フィルムの配向結晶化条件、例
えば延伸、熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄積さ
れた条件で行うことができる。
【0036】本発明における架橋プライマー層は、フッ
素樹脂フィルムに対して優れた接着性を奏し、かつチタ
ン酸化物と前述の式(1)で表わされる化合物の加水分
解物から構成される組成物からなる層に対して優れた接
着性を有する。
【0037】[光触媒機能層(防曇層)]本発明に用い
られるチタン酸化物とは、特定エネルギーを持つ光の照
射で有機物の酸化還元に対して触媒作用を示すものであ
り、純粋なチタン酸化物の他、含水酸化チタン、水和酸
化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタ
ンと呼ばれているものを含む。二酸化チタンまたはこれ
より低次酸化状態にあるものが特に好ましく用いられ
る。二酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、
フルッカイト型のいずれでもよくまたこれらの混合体で
も良い。
【0038】これらのチタン酸化物は微粉末状であり、
その粒径は光触媒活性の強さから見て0.001〜0.
5μmである必要がある。この微粉末は乾燥状態の粉末
として用いても良いが、後述の加水分解性ケイ素化合物
から誘導されるシリカバインダーと均一分散させるため
に予め分散体としておく事が望ましい。本発明の組成物
中においてチタン酸化物が良好に分散されているか否か
は塗膜を形成したときの光触媒機能に大きく影響してく
る。
【0039】チタン酸化物は種々の公知の方法で製造さ
れる。例えば1.硫酸チタニル、塩化チタン、有機チタ
ン化合物などのチタン化合物を必要に応じて核形成種の
存在下に加水分解する方法、2.硫酸チタニル、塩化チ
タン、有機チタン化合物などのチタン化合物に、必要に
応じて核成形種の存在下にアルカリを添加し、中和する
方法、3.塩化チタン、有機チタン化合物などを気相酸
化する方法、4.上記1,2の方法で得られたチタン酸
化物を焼成する方法などが挙げられる。特に、前記1,
2の方法で得られたチタン酸化物は光触媒機能が高いた
め好ましい。光触媒機能を更に向上させるためにチタン
酸化物表面に白金、金、銀、銅、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウムなどの金属、酸化ルテニウム、酸化ニッ
ケル等の金属酸化物を被覆しても良い。
【0040】これらのチタン酸化物は水などの溶媒に高
度に分散させて使用される。超微粒子となっているチタ
ン酸化物を二次凝集させずに水などの溶媒と均一分散さ
せておくためには、酸性またはアルカリ性として保存し
ておくことが好ましい。酸性下に置くときはpH0.5
〜4、特に1〜3.5とするのが好ましい。分散媒体と
しては水の他、水とアルコールの混合物を用いても良
い。
【0041】本発明で用いられる前記式(1)で表わさ
れる加水分解性ケイ素化合物としては、アルキルシリケ
ート、ハロゲン化ケイ素及びこれらの部分加水分解物で
ある。アルキルシリケートとしてはメチル、エチル、イ
ソプロピルシリケートなどが用いられる。これらのシリ
ケートはいずれも単量体もしくは部分加水分解によって
生成するオリゴマーの形で用いられ、オリゴマーとして
は一般式Sinn-1(OR)2n+2(ただしnは2〜6,
Rは炭素数1〜4のアルキル基)で表わされるアルキル
シリケート縮合物が特に好ましい。これらのオリゴマー
は混合物でも用いられる。
【0042】部分加水分解するときの触媒としては酸、
アルカリのいずれもが使用できる。チタン酸化物分散体
が酸性のときは酸で加水分解したアルキルシリケートが
好ましい。加水分解液の分散溶媒は水または炭素数が1
〜4のアルコールが用いられる。酢酸エチルなどのエス
テル類は、組成物液を不安定にするので好ましくない。
本発明において用いられるケイ素化合物及びその部分加
水分解物は、チタン酸化物を結合させる目的で用いられ
るものであるので以下においてシリカバインダーと呼
ぶ。
【0043】チタン酸化物とシリカバインダーとの混合
は、適宜に出来るが、一例を示すと酸性下にある所定量
の二酸化チタン水性分散液を10〜50℃の液温に保持
し、これに秤量したアルキルシリケートもしくは部分加
水分解物を一定時間かけて滴下添加する。滴下終了後、
1〜5時間撹拌下に反応させて組成物液を調製する。ア
ルキルシリケートもしくは部分加水分解物添加の際にこ
れの加水分解触媒を同時に加えても良いし、二酸化チタ
ン分散液中に存在する酸分を利用して加水分解を進めて
も良い。分散媒体としてアルコール系の媒体を用いる場
合は、二酸化チタンの水/アルコール混合媒体分散液
と、アルコール媒体中でアルキルシリケートもしくは部
分加水分解物を50〜1500%加水分解した液とを撹
拌下に混合して本組成物を得ることもできる。
【0044】本発明において加水分解率とは、アルキル
シリケート1モルに対し水2モルの割合で使用した場合
を加水分解率100%として水の使用量によって算出し
たものである。一般式Sinn-1(OR)2n+2の形の部
分加水分解物を用いた場合は、この縮合体1モルに対し
水n+1モルの割合で使用した場合を加水分解率100
%として算出する。
【0045】本発明の組成物中のチタンとシリカとの割
合は、各々二酸化チタンと二酸化ケイ素に換算した重量
比(TiO2/SiO2)で96/4〜30/70とする
ことが好ましい。シリカの割合が70%を超えるとチタ
ン酸化物の光触媒機能が小さくなってしまい、実用性が
乏しくなる。これはチタン酸化物粒子表面を覆うシリカ
の割合が大きくなり、チタン酸化物と酸化分解されるべ
き物質との接触を妨害することになるからと思われる。
一方、シリカの混合割合が4%以下であると基材及びチ
タン酸化物同士の接着強度が充分でなく指触や振動で容
易に脱落してしまい、塗膜として工業的に使用しにくい
ものになる。シリカのさらに好ましい割合は10〜50
%である。
【0046】本発明の組成物中の固形分濃度は重量で3
0%以下である。ここで固形分とは全組成物中における
チタン酸化物とシリカの合計量を言い、チタン酸化物は
二酸化チタンに、シリカは組成物中のアルキルシリケー
トもしくはそのオリゴマー中のケイ素(Si)分をSi
2に換算した値を用いる。その他の成分は水分及び/
または有機溶媒が主体であり、組成物を基材面上へ塗布
後、乾燥により実質的に除去されるべきものである。好
ましい固形分濃度は5〜20%であり、5%以下になる
と基材との接着性は強固になるが塗膜の厚さ、つまり二
酸化チタン量が不十分で光触媒機能を充分発揮できる塗
膜を形成できない。二層塗り、三層塗りで塗膜厚さを厚
くする事は可能であるが、固形分濃度を低くして二層塗
りをする効果が低い。しかし、光触媒機能を犠牲にして
も強固な薄い塗膜を必要とする場合など特殊な用途には
用いることができる。
【0047】一方、固形分濃度が30%を超えると組成
物中の固形物の分散性が悪くなり、組成物の保存安定性
が著しく低下し、僅かな日数でゲル化が生じ易くなる。
また、このような高濃度になると成膜性も悪く、形成さ
れた被膜の基材との接着性が大きく低下し、指で擦ると
剥離してしまうようになるので好ましくない。
【0048】本発明の組成物には少量のチタンアルコキ
シド、四塩化チタンを加えても良い。又チタンカップリ
ング剤、或いはシランカップリング剤などを加えても良
い。更に、組成物の安定性確保及び濡れ特性を改善する
ために各種界面活性剤を加えても良い。また、アルコキ
シ基を2個以上含むアルキシランもしくはハイドロシラ
ンを少量添加しても良いがこれらチタン、シランの化合
物は固形分算出の際の合計量に加えるものとする。
【0049】かかる組成物は、フッ素樹脂フィルムの架
橋プライマー層を設けた面に設けられ、その方法として
はかかる組成物を含む塗液を塗布する方法が好ましい。
【0050】すなわち、本発明の組成物は、基材フィル
ムの架橋プライマー層を設けた面に塗布され、乾燥、場
合によって低温焼成されて塗膜化される方法が好まし
い。塗布方法は塗布すべき基材の形状によってスピンコ
ーティング、スプレーコーティング、バーコート、ディ
ップ法などが適宜に使用される。塗膜の厚さは0.1〜
3μm、特に0.3〜2μmが適当である。チタン酸化
物の光触媒活性は、表面に露光し酸化分解されるべき化
合物と接触可能なチタン酸化物の量に関係するので本来
は塗膜の厚さは関係ないが、現実には塗膜厚さに不均一
があり、又粒子の分散は必ずしも理想とする均一性が得
られず、余り薄くすると塗膜表面上のチタン酸化物量が
少なく光触媒活性が充分でないので前記程度の厚さにす
ることが好ましい。このような厚さであると塗膜を透明
にすることも可能であり、基材の持つ透明性や色などを
損なうことなく、その表面に光活性を持つ被膜を形成す
ることが出来る。
【0051】上記の方法で設けられた塗膜は100〜1
80℃の乾燥によって、爪でこすっても容易に剥離しな
い強固な被膜を形成することができる。
【0052】これに対し、フッ素樹脂フィルム上に直接
塗設した場合、得られた塗膜はセロテープなどを貼り付
け、剥離すると容易にフッ素樹脂フィルムから剥離して
しまい、その後の加工、さらには製品として使用される
ことを考えると被膜の脱落による光触媒活性機能が損な
われる可能性が高い。
【0053】さらに、本発明において、架橋プライマー
層と光機能触媒層との間に前述の式(1)で表わされる
加水分解性ケイ素化合物の加水分解物からなる層を設け
ることにより、光触媒作用による架橋プライマー層の酸
化分解を完全に防止することができ、積層フィルムの長
期耐久性が向上するので好ましい。
【0054】かかる加水分解性ケイ素化合物は、前述の
光触媒機能層を構成する加水分解性ケイ素化合物と同一
または同種のものであり、また層を設ける方法も同じ方
法で実施することができる。
【0055】かかる加水分解性ケイ素化合物の加水分解
物からなる層を設けることにより、架橋プライマー層と
光触媒機能層との接着性はさらに向上する効果がある。
【0056】本発明の積層フィルムは、その光触媒活性
と各層間の接着性、および耐久性により極めて広い種々
の用途に利用できる。例えば、表面に付着した有機物や
微生物を分解除去する目的でガラスや金属表面を保護す
るフィルムとして使用できる。また、壁材などに貼合せ
ると、壁面を自動浄化できるため病院などの壁面の殺菌
効果が期待できる。さらには、鏡や窓ガラスに貼り合せ
るだけで水滴による曇り防止にも適用できる。特に展張
期間が10年を超す農業用硬質ハウス用として最適であ
る。
【0057】これらの用途のために、ガラス、金属、プ
ラスチックなどの種々の対象物との貼合せや接着には、
公知の粘着剤や接着剤を使用することができ、光触媒活
性機能を持つ保護フィルムとして、すでに設置されてい
る構造物に対する適用に特に有用である。
【0058】
【実施例】以下、実施例、及び比較例を掲げて本発明を
更に詳細に説明する。なお、例中の「部」は「重量部」
を意味する。また、積層フィルムの特性は以下の方法で
測定、評価した。
【0059】(1)接着性 フィルムの光触媒機能層面に、セロテープを貼り付け、
ゴムロールで圧着した後、フィルム面を垂直にかつすば
やくセロテープを剥離した。この操作を5回繰り返し、
下記の基準で評価した。 ○ :5回とも塗膜の脱落がない。 ○〜△:1回塗膜の脱落がある。 △ :2回塗膜の脱落がある。 ×〜△:3回塗膜の脱落がある。 × :4回塗膜の脱落がある。 ×× :5回とも塗膜の脱落がある。 なお、1mW/cm2の紫外線を1ヶ月間照射した後の
フィルムについても上記と同じ評価をした結果、5回と
も塗膜の脱落がなかったものに対しては、◎を付した。
【0060】(2)アルデヒド分解性 サンプルを0.8リットルのガラス容器に入れ、悪臭成
分であるアセトアルデヒドを100ppmの濃度となる
量をガラス容器に導入し密封した。次に30分間紫外線
を照射せずに30分間維持した後、サンプル表面での紫
外線強度が1mW/cm2となる量ブラックライト光を
照射した。60分間照射後、ガラス容器中のアセトアル
デヒドの濃度を測定し、下記の基準で評価した。 ◎:25ppm未満 ○:25ppm以上50ppm未満 △:50ppm以上75ppm未満 ×:75ppm以上
【0061】(3)防曇性 500mlビーカーに300mlの水を入れ、5℃/分
で20〜70℃の範囲内で昇温、降温が繰り返される様
に保持した状態で、サンプルフィルムを、光触媒機能層
が内側になるようにしてビーカーを密閉させ、室内の温
度を3℃以下に保ち、30Wの蛍光灯をフィルムから5
0cmのところへ設けて、ビーカー(フィルム表面)を
30度傾けた状態でフィルム表面についた水滴がフィル
ム内面を流れるようにして、2年間観察し下記の基準で
評価した。(この評価での1年は、実際の屋外での自然
結露の約5年に相当する。) ○:フィルム表面に曇りがなく、水滴の流れも良好であ
った。 ×:フィルム表面に曇りが発生し、水滴の流れも不良で
あった。
【0062】(4)耐穴あき性(雹の落下、鳥のつつき
などによるフィルムの破損の代替評価) フィルムを弛まない程度に30cmφの金属枠に固定し
たものを9個用意し、温度25℃、湿度60%の環境で
100gの球状の分銅を高さ2mの上方よりフィルムの
中央付近に落下するように3回自然落下させ、これを3
回実施し、分銅の当たった部分の破損状況を観察し、下
記評価基準で評価した。 ◎:フィルムは凹みも、穴も空かない。 ○:若干凹みはあるが、穴は空かない。 △:強い凹みができるが、穴は空かない。 ×:分銅がフィルムを貫通し穴が空いた。
【0063】(5)フィルムの透明性 光源として10V、7.5A特殊タングステンランプ、
受光器としてシリコンフォトダイオードを装備したヘー
ズメーター(三菱化成工業株式会社製 ポイック積分球
式光線透過率計)にて厚みをあらかじめ測定したフィル
ムの光線透過率(%)を測定した。測定方法詳細はJI
S K7105(1981)の測定法Aに準ずる。得ら
れたデータを下記評価基準で評価した。 ◎:2%未満 ○:3%以上5%未満 △:5%以上7%未満 ×:7%以上
【0064】[実施例1〜9及び比較例1〜2] (a)エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の製
造 内容積400部のステンレス製高圧反応器に、酸素を含
まない窒素ガスを導入したのち、25重量部の水、17
5重量部のターシャリーブチルアルコール及び0.15
重量部の過硫酸アンモニウムを仕込んだ。ついで反応器
を密閉し、脱気し、そしてテトラフルオロエチレンとエ
チレンのモル比1:0.79の混合物を仕込んだ。50
℃に加熱し、攪拌しながら1.5時間反応させた。この
間、反応器の内圧を、該混合物の定量的な補充注入によ
って、20〜24気圧に調整した。反応終了後冷却し、
除圧し、スチーム蒸留でエチレン/テトラフルオロエチ
レン共重合体(ETFE)をスラリー状態で取り出し
た。得られた共重合体の量は洗浄・乾燥後で52重量部
であった。この共重合体のテトラフルオロエチレンとエ
チレンのモル比は1:0.815であった。
【0065】(b)フィルムの製造 上記(a)で製造されたエチレン/テトラフルオロエチ
レン共重合体をペレット状にし、押出機に供給した。該
押出機の先端に取り付けたダイスから、該共重合体をシ
ート状に押出し、表面温度15℃に維持した回転冷却ド
ラム上に溶融押出して冷却固化して未延伸フィルムを
得、次に機械軸方向に4倍延伸したのち、1軸延伸フィ
ルムの片面に表1に示すシランカップリング剤、無機微
粒子及びノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル)を含み、かつクエン酸でpH6.
3に調整した固形分濃度4重量%の水性塗布液をキスコ
ート法にて塗布した。引続き150℃で横方向に3.2
倍延伸し、さらに130℃で熱処理し、厚み65μmの
プライマー層被覆フッ素樹脂フィルムを得た。
【0066】(c)酸化チタン層の製造と塗布 一方、平均粒径0.07〜0.1μmのアナターゼ型二
酸化チタンとエチルシリケートの組成物として、TiO
2/SiO2に換算して50部/50部となる割合の組成
物を溶媒に溶解し、固形分濃度10%の溶液とした塗布
液(ST−K03、コルコート株式会社製)を、前述の
フィルムのプライマー層上に、塗布量5g/m2となる
量コーティングし、150℃2分間乾燥し、積層フィル
ムを得た。これらの積層フィルムの特性を表2に示す。
【0067】[実施例10〜14]表1に示すプライマ
ー塗布液を塗布したプライマー被覆フッ素樹脂フィルム
を作成し、そのプライマー層の上に、加水分解性ケイ素
化合物の加水分解物としてエチルシリケートを部分加水
分解した塗布液(コルコート103X,コルコート株式
会社製)を塗布量5g/m2でコーティングし、150
℃1分間乾燥した。さらにこの層の上に、前述の(c)
の方法で光触媒機能層を設け、積層フィルムを得た。な
お、上記以外の条件は実施例1と同じ条件で行った。こ
れらの積層フィルムの特性を表2に示す。
【0068】[実施例15〜18]表1に示すプライマ
ー塗布液を塗布し、フィルムの延伸を縦延伸は行なわず
横方向に4倍に延伸して厚み65μmのフッ素樹脂フィ
ルムを作成する以外は実施例10と同じ方法で積層フィ
ルムを作成した。これらの積層フィルムの特性を表2に
示す。
【0069】[比較例3〜4]表1に示すプライマー塗
布液を塗布し、延伸を行なわない以外は実施例10と同
じ方法で積層フィルムを作成した。これらの積層フィル
ムの特性を表2に示す。
【0070】[比較例5]光触媒機能層に酸化チタン膜
を適用せず、ポリビニールアルコール”デンカポバー
ル”K−24E(電気化学工業(株)製)とコロイダル
シリカ(触媒化成工業(株)製)、非イオン系界面活性
剤”ノニオン”NS−210(日本油脂工業(株)製)
を固形分重量比が80:19.6:0.4の組成で均一
分散させた濃度7重量%の塗液をフレキソコーティング
で塗布し、塗布層を120℃×1分で乾燥させ、塗布厚
み0.4μmの防曇層を形成させる以外は実施例1と同
じ方法で積層フィルムを作成した。この積層フィルムの
特性を表2に示す。
【0071】
【表1】
【0072】なお、表1中のプライマー組成欄の記号は
それぞれ以下の化合物を表わす。シランカッフ゜リンク゛ 剤(A); Si−1:γ−グリシドプロピルトリメトキシシラン Si−2:γ−グリシドプロピルトリエトキシシラン Si−3:ビニルトリエトキシシラン 無機微粒子(B); F−1:シリカゾル20%分散液(平均粒径6nm、p
H9.5) F−2:シリカゾル20%分散液(平均粒径40nm、
pH10.0) 界面活性剤(C);
【0073】
【化3】
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、チタン酸化物からなる
光触媒機能層と基材となるフッ素樹脂フィルムとの接着
性に優れ、かつ光触媒作用(例えば、表面の防汚効果、
抗菌効果、起親水化効果よりなる防曇性、流滴性)を奏
し、延伸したフッ素フィルムを適用することで高い透明
性と雹の落下や鳥のつつきによるフィルムの穴空きの無
いフッ素樹脂フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 欣治 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4D075 AC02 AC14 AC25 AC27 BB07Y BB24Y CA04 DA06 DB39 DC50 EA06 EA41 EB02 EB55 EC02 EC35 EC45 4F100 AA01B AA21C AH06C AH06D AK01B AK04A AK04J AK17A AK18A AK18J AK41B AK52C AK52D AL01A AR00C BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C DE01B DE01C EH46B EJ05B EJ37A EJ65B EJ86B GB01 GB07 JC00 JK14 JL06 JL08C YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1軸延伸されたフッ素フィル
    ムの少なくとも片面にシランカップリング剤からなる架
    橋プライマー層を設け、該架橋プライマー層の上に平均
    粒径0.001〜0.5μmのチタン酸化物および式
    (1)で表わされる加水分解性ケイ素化合物の加水分解
    物から構成される組成物からなる光触媒機能層を設けた
    フッ素樹脂フィルム。 【化1】 (式(1)中、nは0〜8の整数、X1、X2、X3、X4
    は、それぞれハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコ
    キシ基を表わす。ただし、X1、X2、X3、X4は互いに
    同一あるいは異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 架橋プライマー層と光触媒機能層との間
    に式(1)で表わされる加水分解性ケイ素化合物の加水
    分解物からなる層を設けた請求項1記載のフッ素樹脂フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 架橋プライマー層がアルカリ性無機微粒
    子を含有する請求項1または2記載のフッ素樹脂フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 架橋プライマー層が、結晶配向が完了す
    る前のポリエステルフィルムにシランカップリング剤か
    らなる塗液を塗布、乾燥して設けた層である請求項1〜
    3のいずれかに記載のフッ素樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂がエチレン−テトラフルオロ
    エチレン共重合樹脂、エチレン−モノクロルトリフルオ
    ロエチレン共重合樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹
    脂の何れかよりなる請求項1〜4のいずれかに記載のフ
    ッ素樹脂フィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301976A (ja) * 2006-04-12 2007-11-22 Asahi Glass Co Ltd 膜構造物用フィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007301976A (ja) * 2006-04-12 2007-11-22 Asahi Glass Co Ltd 膜構造物用フィルム

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