JP2000079621A - シート状物の製造装置および製造方法 - Google Patents

シート状物の製造装置および製造方法

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JP2000079621A
JP2000079621A JP25291198A JP25291198A JP2000079621A JP 2000079621 A JP2000079621 A JP 2000079621A JP 25291198 A JP25291198 A JP 25291198A JP 25291198 A JP25291198 A JP 25291198A JP 2000079621 A JP2000079621 A JP 2000079621A
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coating film
region
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Takanori Nishida
貴則 西田
Katsushi Yamakawa
勝史 山川
Hidetoshi Okashiro
英敏 岡城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液膜等の樹脂膜のキャスト性を向上すると
ともに、安定製膜、製膜速度向上のための最適な条件を
容易に設定できるようにする。 【解決手段】 口金から吐出された樹脂膜を、移動する
キャスト面に密着させてシート状物に成形するシート状
物の製造装置において、樹脂膜のキャスト面への着地点
よりもキャスト面移動方向上流側に、樹脂膜との接触部
分を有する台1の負圧領域と、樹脂膜との接触部分を有
さない、前記第1の負圧領域よりも減圧度の低い第2の
負圧領域と、樹脂膜との接触部分を有さない、前記第1
の負圧領域よりも減圧度の高い第3の負圧領域を設けた
ことを特徴とするシート状物の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状物の製造
装置および製造方法に関し、とくに溶融された樹脂ある
いは溶媒に溶解された樹脂を口金からキャスト面にシー
ト状に吐出してシート状物を製造する装置および方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶融樹脂又は溶液樹脂をスリ
ット状の口金からシート状に押し出してキャスト面に密
着させた後、冷却あるいは乾燥工程を経て樹脂フィルム
にする製造方法が知られている。この様な樹脂フィルム
の製造方法において、口金から吐出されたフィルムのキ
ャスト面への密着点が安定しているか否かは、その後の
工程に基本的な影響をおよぼし、製品品質を左右する重
要な因子になっている。
【0003】すなわち、この密着点が不安定であると、
密着点が最も遅れた箇所からフィルムとキャスト面との
間にエアが噛み込むという現象が生じる(以後、これを
“エア噛み”と称する)。このエア噛みが発生すると、
フィルム面に厚みむらを生じたり、その後の延伸過程で
エア噛み部分に応力集中が生じてフィルムが破れるなど
の問題があった。このエア噛み現象は、製膜速度が高速
になるほど顕著になるため、生産性向上の支障になって
いた。
【0004】従来、このエア噛みの対策としては、静電
気力利用や空気による強制押しつけ、あるいは吸引ノズ
ルによるエア吸引等のいくつかの密着方式が提案されて
いる。しかし、これらの密着方式のうち、空気による強
制押しつけ法は、過剰な空気を吹き付けるためキャスト
面のフィルムを乱し、特に製膜速度が高速になったり、
フィルムが薄物になると密着点が不安定になるという欠
点がある。
【0005】また、静電気力利用による密着方式は、製
膜速度の高速化に伴って静電気的印加力を増大させる
と、金属キャスト面への放電現象により密着点が不安定
になるため、低速度の製膜に制限されるという欠点があ
る。また、静電気を利用する方法は、製膜する樹脂が不
導体である場合には十分な効果が得にくいという本質的
な問題点もある。
【0006】これらに対して、吸引ノズルによる吸引方
式は、過剰な空気の供給を必要とせず、また樹脂が不導
体であっても適用できるという利点があり、広く利用さ
れている。
【0007】このような吸引ノズルを用いたフィルム密
着装置として、特公昭62−38133号公報に記載さ
れたものが知られている。このフィルム密着装置におい
ては、図7、8に示すように、溶液膜106は、口金1
01を通って、矢印113の方向に回転するキャストド
ラム104上に押し出される。口金101には、隔離壁
109により分離された第一の負圧領域108と第二の
負圧領域110を有する吸引ボックス107が固定され
ている。ただし第一の負圧領域108のエアーは隔離壁
109の下を通って第二の負圧領域110に吸引され
る。吸引ボックス107はキャストドラム(ベルト)1
04との間で接触シールまたはラビリンスシールするシ
ール面111を有する。第二の負圧領域110にのみ負
圧源112が接続されている。
【0008】また、実公平8−4275号公報に記載さ
れたものも知られている。このフィルム密着装置におい
ては、図9、10に示すように、溶融膜203は、口金
201を通ってキャストドラム202に押し出される。
口金201には、吸引口204が固定されておりキャス
トドラム202と吸引口204との間にはキャストドラ
ム202に接触させてフェルト205を設け、更に口金
201と吸引口204との間はシリコーンゴム206を
用いて隙間をふさぎ、外気の侵入を遮断している。そし
て吸引口204は、吸引ブロワと複数の配管208で接
続されている。配管208には、調整弁207が設けて
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7、8に
示したフィルム密着装置においては、第一の負圧領域1
08に負圧源112が接続されていないために必要な負
圧を得ることができず、溶液膜の密着時に問題となる微
少なエアーの噛み込みを防止することができないという
問題があった。また、強引にエアーの噛み込みを防止し
たとしても密着点が安定せず厚み斑を引き起こすという
問題があった。
【0010】また、図9、10に示したフィルム密着装
置においては、吸引ブロワが一台であるため、ひとつの
調整弁207を絞ると他の配管208の流量が増加する
という現象が発生し、実質的に個別調整ができないとい
う問題があった。
【0011】また、溶融製膜で使用されるキャストドラ
ム202とフェルト205との接触シールは、接触→
(伝熱)シール材冷却→シール材収縮→接圧減少→(伝
熱減少)膨張のサイクル繰り返すことで適正な接圧を維
持し使用可能であるが、これを溶液製膜に適用した場
合、接触→(伝熱)シール材加熱→シール材膨張→接圧
過大となり、短時間で接圧過大となって、キャスト面を
傷つけたり、キャスト面がベルトである場合には、ベル
トの撓みが発生するので根本的に使用できないという問
題があった。
【0012】本発明の課題は、溶液膜等の樹脂膜がキャ
スト面に密着する際に発生する不都合を防止することに
より、製品の品質を向上し、かつ高速製膜を可能にする
とともに、安定製膜のための最適な条件を容易に設定す
ることが可能なシート状物の製造装置および製造方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のシート状物の製造装置は、口金から吐出さ
れた樹脂膜を、移動するキャスト面に密着させてシート
状物に成形するシート状物の製造装置において、樹脂膜
のキャスト面への着地点よりもキャスト面移動方向上流
側に、樹脂膜との接触部分を有する台1の負圧領域と、
樹脂膜との接触部分を有さない、前記第1の負圧領域よ
りも減圧度の低い第2の負圧領域と、樹脂膜との接触部
分を有さない、前記第1の負圧領域よりも減圧度の高い
第3の負圧領域を設けたことを特徴とするものからな
る。
【0014】上記装置においては、第1〜第3の負圧領
域がそれぞれ、独立に制御可能な減圧手段に接続されて
いることが好ましい。これによって各負圧領域が所望の
減圧度に容易に調整される。
【0015】第3の負圧領域は、好ましくは少なくとも
2つの負圧領域A、Bからなり、これら負圧領域A、B
が、それぞれ第1の負圧領域の両側に配置されているこ
とが望ましい。
【0016】つまり、望ましい態様の一つのとして、前
記第1の負圧領域が、前記樹脂膜の実質的に全幅にわた
って樹脂膜との接触部分を有し、前記第2の負圧領域が
第1の負圧領域と並行に配置され、前記第3の負圧領域
が、樹脂膜の幅方向に前記第1の負圧領域の端部に配置
されている、とくに第3の負圧領域の負圧領域A、Bが
第1の負圧領域の両端部に配置されている構成がある。
【0017】各負圧領域の圧力関係についてみれば、前
記第1の負圧領域の大気圧に対する減圧度をP1、第2
の負圧領域の減圧度をP2、第3の負圧領域の減圧度を
P3としたとき、次の関係を満足することが好ましい。 0.4P1 ≦ P2 ≦ 0.8P1 1.2P1 ≦ P3 ≦ 2.2P1
【0018】また、各負圧領域の面積についてみれば、
前記キャスト面への投影面積にて、前記第1の負圧領域
の面積をM1、第2の負圧領域の面積をM2、第3の負
圧領域の面積をM3としたとき、次の関係を満足するこ
とが好ましい。 0.1M1 ≦ M2 ≦ 3M1 0.005M1 ≦ M3 ≦ 0.1M1
【0019】このような装置は、とくに、前記樹脂膜が
樹脂成分を含む溶液膜である場合、つまり溶液製膜に好
適なものである。
【0020】本発明に係るシート状物の製造方法は、上
記のような装置を用いてシート状物、とくに樹脂フィル
ムを製造することを特徴とする方法からなる。
【0021】上記のような本発明に係るシート状物の製
造装置および製造方法においては、口金から吐出された
樹脂膜がキャスト面に密着される際、樹脂膜の中央部が
主として第1の負圧領域によって吸引されて良好にキャ
スト面に密着され、第1の負圧領域と第2の負圧領域と
の最適な圧力バランスによって、この樹脂膜中央部の密
着状態が安定して最適な状態に保たれる。そして、樹脂
膜の端部(両端部)に接する部分が、主として第1の負
圧領域および第3の負圧領域による安定した最適な減圧
状態に保たれ、それによって樹脂膜の端部が安定して最
適な密着状態に保たれる。その結果、キャスト面に対
し、樹脂膜全体が、エア噛みが防止されつつ、かつ、着
地点が安定した状態で、しわや成形不良を発生させるこ
となく安定製膜される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。まず、本発明のシー
ト状物の製造装置を用いて製造されるフィルムの原料で
ある樹脂は、溶融するかあるいは溶液として流動性を有
し、製膜可能なものであれば特に限定されない。例え
ば、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレ
フィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
などに代表される熱可塑性樹脂、メタ系アラミド、パラ
系アラミドなどの耐熱性樹脂が挙げられる。勿論、使用
される樹脂には、安定剤、帯電防止剤などの添加剤が配
合されていてもよい。
【0023】図1は、本発明の一実施態様に係るシート
状物の製造装置としての樹脂フィルムの製造装置を示し
ており、とくに溶液製膜に本発明を適用した場合を示し
ている。図1は、この装置の概略側面断面図であり、図
2は、図1に示した装置の吸引ボックス部の概略平面図
である。
【0024】図1において、押出機(図示せず)で溶液
は口金1により溶液膜3(樹脂膜)として押し出され
る。このとき溶液膜3のベルト14への密着は、口金1
の、溶液膜がキャスト面14aに密着する地点より、ベ
ルト14移動方向の上流側(矢印17の逆方向側)に配
設された吸引ボックス2内の第1の負圧領域4と第2の
負圧領域5とにより作り出される減圧状態により制御さ
れる。第1の負圧領域4には、第1の減圧系15が接続
され、第1の減圧系15には、第1のブロワ8と、第1
のブロワ8の吸気側に第1の吸気弁7と、第1のブロワ
8の排気側に第1の排気弁9と、これらを繋ぐ第1の配
管6とが設置してある。まだ第2の負圧領域5には、第
2の減圧系16が接続され、第2の減圧系16には、第
2のブロワ12と、第2のブロワ12の吸気側に第2の
吸気弁11と、第2のブロワ12の排気側に第2の排気
弁11と、これらを繋ぐ第2の配管10とが設置してあ
る。18、19は圧力計、20、21は流量計を示して
いる。
【0025】図2に示すように、第1の負圧領域4は、
溶液膜3とほぼ同等の幅方向長さを有している。幅方向
長さの詳細は製膜条件等により任意に選択してよい。例
えば、溶液膜3の端部の厚みが、中央部の厚みより薄い
場合は、第1の負圧領域4の幅方向長さを溶液膜3より
数ミリ程度短くした方が良く、また、溶液膜3の端部の
厚みが、中央部の厚みより厚い場合は、第1の負圧領域
4の幅方向長さを溶液膜3より数ミリ程度長くした方が
良い。第1の負圧領域4のA寸法も製膜条件等により任
意に選択してよく、10〜200mmが最適である。
【0026】また、図2に示すように、第2の負圧領域
5は、第1の負圧領域4に対し並行に、とくに本実施態
様では、平行に配置されている。第1の負圧領域4の、
溶液膜3の幅方向端部(本実施態様では両端部)には、
第3の負圧領域が配置されている。本実施態様では、第
3の負圧領域は、2つの負圧領域A24と負圧領域B2
5からなっている。この第3の負圧領域24、25も、
第1の負圧領域4と第2の負圧領域5とともに、溶液膜
3に対して減圧された領域を形成し、キャスト面14a
への密着に寄与する。
【0027】第3の負圧領域24、25は、第3の配管
26により接続され、また第3の減圧系(図示せず)に
接続されている。第3の減圧系には第3のブロワ(図示
せず)と、第3のブロワの吸気側に圧力計(図示せず)
および第3の吸気弁27と、第3のブロワの排気側に第
3の排気弁(図示せず)と第3の流量計(図示せず)
と、これらを繋ぐ第3の配管26とが設置してある。第
3の負圧領域24、25は同じ減圧度となるようになっ
ている。
【0028】上記第1、第2、第3の減圧系は、それぞ
れ独立に制御可能になっており、後述の実施例に示す如
く、第1の負圧領域4、第2の負圧領域5、第3の負圧
領域24、25がそれぞれ最適な減圧度に調整される。
【0029】第2の負圧領域5は、第1の負圧領域4の
ベルト14移動方向の上流側(矢印17の逆方向側)に
第1の負圧領域4と平行配設してある。第2の負圧領域
5のC寸法は製膜条件等により任意に選択してよく、C
寸法は、10〜200mmが最適である。第2の負圧領
域5のH寸法も製膜条件等により任意に選択してよい
が、溶液膜3の幅方向長さより長くした方が望ましく、
溶液膜3の幅方向長さに両端部にE寸法とF寸法を加え
たものが最も望ましい。第3の負圧領域24、25のF
寸法も製膜条件等により任意に選択してよく、5〜10
0mmが最適である。
【0030】吸引ボックス2のB・D・E・I及びG寸
法は、必要強度、有効スペース及び製膜条件等により任
意に選択してよく、B寸法及びD寸法は10〜100m
mが最適であり、E寸法及びG寸法及びI寸法は1〜5
0mmが最適である。
【0031】各負圧領域4、5、24、25の望ましい
面積割合、さらには望ましい圧力関係は前述した通りで
ある。
【0032】このように構成された装置を用いて、第2
の負圧領域5の減圧度が第1の負圧領域4の減圧度より
も低くなるように、第3の負圧領域24、25の減圧度
が第1の負圧領域4の減圧度よりも高くなるように、か
つ、各負圧領域4、5、24、25の減圧度を最適な範
囲内に制御して最適な圧力バランスに制御することによ
り、しわやエア噛みを発生させることなく、安定した製
膜が可能となる。
【0033】とくに本実施態様では、第2の負圧領域5
を、第1の負圧領域4と平行に配設し、第1の負圧領域
4の両端部に第3の負圧領域24、25を配設し、第2
の負圧領域5と第3の負圧領域24、25により第1の
負圧領域4を取り囲むことにより、すべての方向からの
第1の負圧領域4へのエアの侵入を排除し、特に側面か
らの侵入を第3の負圧領域24、25により積極的に排
除することができる。その結果、望ましくないエアの流
入を防止して、一層良好にエア噛みを防止し、安定製膜
をはかることができる。
【0034】なお、キャスト面はドラム状、ベルト状等
任意形状でよいが、ベルトである場合は、吸引ボックス
2の形状が最も単純となるので望ましい。
【0035】また第1の減圧系15は第1の負圧領域4
を微妙に調整するため、第1の吸気弁7により粗調整を
実施し、第1の排気弁9により微調整を実施することが
最も望ましいが、弁を使用せずブロワの回転数をインバ
ータにより制御してもよい。
【0036】また、第2の減圧系16は第2の負圧領域
5を微妙に調整するため、第2の吸気弁11により粗調
整を実施し、第2の排気弁13により微調整を実施する
ことが最も望ましいが、弁を使用せずブロワの回転数を
インバータにより制御してもよい。
【0037】上記のような本発明に係る装置の性能を確
認するため、および、該装置における最適条件を探索す
るために、以下の実験を行った。
【0038】N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に
芳香族ジアミン成分として80モル%に相当する2−ク
ロルパラフェニレンジアミンと、20モル%に相当する
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、
これに100モル%に相当する2−クロルテレフタル酸
クロリドを添加し、2時間攪拌して重合を完了した。こ
れを水酸化リチウムで中和して、ポリマ濃度11重量
%、粘度2000ポイズの芳香族ポリアミド溶液を得
た。この溶液を幅2mの口金より2kg/分で押出し溶
液膜を得た。
【0039】吸引ボックス2の詳細寸法は次の通りとし
た。第1の負圧領域4のA寸法は100mmとした。第
2の負圧領域5は、第1の負圧領域4に平行に配設し
た。第2の負圧領域5のC寸法は80mmとし、H寸法
は2090mmとした。第3の負圧領域24、25のF
寸法は20mmとした。吸引ボックス2のB寸法及びD
寸法は60mmとし、E寸法及びG寸法は25mmとし
I寸法は5mmとした。
【0040】この吸引ボックス2により、表面温度が9
0℃で矢印17方向に移動するベルト14に密着させ
た。その後熱風による乾燥、水洗工程における延伸及び
水洗、熱処理工程における延伸及び熱処理工程を経た
後、巻取厚さ6μmのポリアミドフィルムを得た。
【0041】ベルト14の移動速度を5m/分としたと
ころから密着を開始し、第1の負圧領域4と第2の負圧
領域5と第3の負圧領域24、25の減圧度を、第1の
圧力計18と第2の圧力計19と第3の圧力計とにより
確認しながら第1の排気弁9と第2の排気弁13と第3
の排気弁により微調整し、移動速度を増速した。安定製
膜が可能な上限のベルト速度は表1に示した通りであっ
た。表1に示すように、各負圧領域の減圧度を本発明で
規定した大小関係に制御することが可能であり、かつ、
その大小関係を維持しつつ、各負圧領域の減圧度には最
適な範囲が存在することが判る。
【0042】
【表1】
【0043】図2〜図6における22は、溶液膜3のキ
ャスト面への着地線(密着開始線)を示しており、図3
は、表1に示した実験No.5における突発エア噛み2
3が発生している様子を、図4は実験No.6における
端部エア噛み31が発生している様子を、図5は実験N
o.8におけるしわ32が発生している様子を、図6は
実験No.9における端部しわ33が発生している様子
を、それぞれ示している。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシート状
物の製造装置および製造方法によれば、第1〜第3の負
圧領域を設けて口金から吐出された樹脂膜をキャスト面
に密着させるとともに、各負圧領域の減圧度の大小関係
を特定したので、樹脂膜に作用する負圧領域の圧力バラ
ンスを容易に最適な状態に制御できるようになり、それ
によって、エア噛み、しわの発生を防止して安定製膜を
達成できるとともに、製膜速度の向上を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るシート状物の製造装
置の概略構成図である。
【図2】図1の装置の吸引ボックス部の概略平面図であ
る。
【図3】実験No.5における製膜状態を示す概略平面
図である。
【図4】実験No.6における製膜状態を示す概略平面
図である。
【図5】実験No.8における製膜状態を示す概略平面
図である。
【図6】実験No.9における製膜状態を示す概略平面
図である。
【図7】従来装置の概略平面図である。
【図8】図7の装置の概略断面図である。
【図9】別の従来装置の概略平面図である。
【図10】図9の装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 口金 2 吸引ボックス 3 溶液膜 4 第1の負圧領域 5 第2の負圧領域 6 第1の配管 7 第1の吸気弁 8 第1のブロワ 9 第1の排気弁 10 第2の配管 11 第2の吸気弁 12 第2のブロワ 13 第2の排気弁 14 ベルト 14a キャスト面 15 第1の減圧系 16 第2の減圧系 17 第1の圧力計 19 第2の圧力計 20 第1の流量計 21 第2の流量計 22 着地線 24、25 第3の負圧領域 26 第3の配管 27 第3の流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡城 英敏 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F205 AA30 AC05 AG01 AM32 AR02 GA07 GB02 GC06 GF01 GF23 GF24 GF30 GN24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口金から吐出された樹脂膜を、移動する
    キャスト面に密着させてシート状物に成形するシート状
    物の製造装置において、樹脂膜のキャスト面への着地点
    よりもキャスト面移動方向上流側に、樹脂膜との接触部
    分を有する第1の負圧領域と、樹脂膜との接触部分を有
    さない、前記第1の負圧領域よりも減圧度の低い第2の
    負圧領域と、樹脂膜との接触部分を有さない、前記第1
    の負圧領域よりも減圧度の高い第3の負圧領域を設けた
    ことを特徴とするシート状物の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記第1〜第3の負圧領域が、それぞ
    れ、独立に制御可能な減圧手段に接続されている、請求
    項1に記載のシート状物の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第3の負圧領域が少なくとも2つの
    負圧領域A、Bからなる、請求項1または2に記載のシ
    ート状物の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の負圧領域が、前記樹脂膜の実
    質的に全幅にわたって樹脂膜との接触部分を有し、前記
    第2の負圧領域が第1の負圧領域と並行に配置され、前
    記第3の負圧領域が、樹脂膜の幅方向に前記第1の負圧
    領域の端部に配置されている、請求項1〜3のいずれか
    に記載のシート状物の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の負圧領域の大気圧に対する減
    圧度をP1、第2の負圧領域の減圧度をP2、第3の負
    圧領域の減圧度をP3としたとき、次の関係を満足す
    る、請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物の製造
    装置。 0.4P1 ≦ P2 ≦ 0.8P1 1.2P1 ≦ P3 ≦ 2.2P1
  6. 【請求項6】 前記キャスト面への投影面積にて、前記
    第1の負圧領域の面積をM1、第2の負圧領域の面積を
    M2、第3の負圧領域の面積をM3としたとき、次の関
    係を満足する、請求項1〜5のいずれかに記載のシート
    状物の製造装置。 0.1M1 ≦ M2 ≦ 3M1 0.005M1 ≦ M3 ≦ 0.1M1
  7. 【請求項7】 前記樹脂膜が樹脂成分を含む溶液膜であ
    る、請求項1〜6のいずれかに記載のシート状物の製造
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の装置を
    用いてシート状物を製造することを特徴とするシート状
    物の製造方法。
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