JP2000077070A - 水酸化ニッケル粉末およびその製造方法 - Google Patents

水酸化ニッケル粉末およびその製造方法

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JP2000077070A
JP2000077070A JP10246084A JP24608498A JP2000077070A JP 2000077070 A JP2000077070 A JP 2000077070A JP 10246084 A JP10246084 A JP 10246084A JP 24608498 A JP24608498 A JP 24608498A JP 2000077070 A JP2000077070 A JP 2000077070A
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nickel hydroxide
suspension
hydroxide powder
powder
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Atsushi Yamanaka
厚志 山中
Daizo Tomioka
大造 冨岡
Eiji Funatsu
英司 船津
Yoshinari Yamauchi
巧也 山内
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性の良い水酸化コバルトが粒子表面に均
一に被覆され、高タップ密度で、例えばぺ一スト法で製
造する非焼結式アルカリ電池の正極活物質として好適な
水酸化ニッケル粉末およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 水酸化ニッケルのコア、および水酸化コ
バルトの被覆で形成された粒子からなり、2.00g/
ml以上のタップ密度を有する水酸化ニツケル粉末であ
る。また、上記粉末は、2.05g/ml以上のタップ
密度を有する水酸化ニッケル粉末の懸濁液に、該懸濁液
のpHを10.5〜13.0の範囲の一定値に苛性アル
カリで調整しながら、該懸濁液の雰囲気を不活性に維持
しながら、該懸濁液中のアンモニウムイオン濃度が7〜
25g/lとなるように、コバルトイオンを含む水溶液
およびアンモニウムイオンを含む水溶液を、一定の供給
速度で同時に供給することによって製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、非焼結式
アルカリ電池の正極用活物質として好適な高タップ密度
を有する水酸化ニッケル粉末およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポータブルエレクトロニクス機器の小型
軽量化により、その電源である電池に高エネルギー密度
化が要求されている。このために、95%の高多孔度の
金属繊維焼結体を基板とし、水酸化ニッケル活物質粉末
をぺ一スト状にして該基板に充填するぺ一スト式ニッケ
ル極板が開発されている。このようなニッケル極板にお
いては、活物質である水酸化ニッケルを高密度に充填で
きるものの、活物質利用率が低下してしまうという問題
があった。
【0003】活物質利用率を向上させるためには、電極
基板と水酸化ニッケル粒子との間の導電性を高める必要
がある。このため、水酸化ニッケル活物質のぺ一スト作
製時に水酸化コバルトなどのコバルト化合物粉末を水酸
化ニッケル粉末に混合添加し、電極反応により該コバル
ト化合物を高導電性のオキシ水酸化コバルトとし、電極
基板と水酸化ニッケル粒子間の導電性を改善することが
一般的である。しかるに、上記混合する方法ではコバル
ト化合物粉末はタップ密度が低くて均一に混合すること
が困難であるために、少量の添加では導電性の改善は望
めない。そこで、タップ密度の低いコバルト化合物粉末
を10%を超えて混合する必要がある。しかし、このよ
うな多量の混合では、活物質である水酸化ニッケル粉末
自体の充填量を結果として低下させてしまうという問題
があらたに生じてしまう。
【0004】そのため、水酸化ニッケル粒子表面にコバ
ルトを被覆する方法が開示されている。例えば、特開平
3−93161号公報では、無電解メッキなどを用いて
水酸化ニッケル表面にコバルトを被覆し、特開平6−1
87984号公報では、メカノケミカル反応によってコ
バルトを表面に被覆する。
【0005】また、水酸化ニツケル粒子表面に水酸化コ
バルトを被覆する方法としては、例えば、特開昭62−
237667号公報に記載されている方法がある。この
方法は、水酸化ニッケル懸濁液中に硫酸コバルトなどの
コバルト塩類水溶液を添加し、苛性アルカリで中和する
方法である。この方法により水酸化ニッケル粒子表面に
生成する水酸化コバルトは、該表面に被覆されていると
いう状態ではなく、ゲル状で密度が非常に低い。そのた
め、製造される水酸化ニッケル粉末は、タップ密度が著
しく低下してしまう。
【0006】これを改善するものとして特開平7−13
3115号公報があるが、該公報に記載されている方法
は、高タップ密度の水酸化ニツケル粉末を水に分散さ
せ、これに硫酸コバルト水溶液とアンモニア水とを同時
に添加して、その反応系を水酸化ナトリウム水溶液でp
H11〜13の範囲にコントロールしながら水酸化ニッ
ケル粒子表面に水酸化コバルト被覆層を形成させる方法
である。この方法では、アンモニウムイオンを反応系に
存在させてコバルト塩の溶解度を高めるため、水酸化コ
バルト層を均一に形成することができる。しかしなが
ら、上記公報の実施例に示されるように、水酸化コバル
トで粒子が被覆された水酸化ニッケル粉末のタップ密度
が、被覆される前の水酸化ニッケル粉末のタップ密度に
比べて0.2g/ml以上も低下しており、高密度充填
に対して十分とはいえない。なお、本明細書では、粉末
という用語を粒子の集合体の意味に用いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶性の良
い水酸化コバルトが粒子表面に均一に被覆され、高タッ
プ密度で、例えばぺ一スト法で製造する非焼結式アルカ
リ電池の正極活物質として好適な水酸化ニッケル粉末お
よびその製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の水酸化ニッケル粉末は、水酸化ニッケルのコア、お
よび水酸化コバルトの被覆で形成された粒子からなり、
2.00g/ml(ミリリットル)以上のタップ密度を
有する。
【0009】上記水酸化ニッケル粉末において、水酸化
コバルトは、コバルト換算で1〜10重量%被覆されて
いるのが好ましく、3〜5重量%がより好ましい。そし
て、上記コアは、実質的に水酸化コバルト単味からなる
ものでよいが、他元素、例えば亜鉛、コバルトおよびカ
ドミウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を適宜
含むものであってもよい。
【0010】また、本発明の水酸化ニッケル粉末の製造
方法は、2.05g/ml以上のタップ密度を有する水
酸化ニッケル粉末の懸濁液に、該懸濁液のpHを10.
5〜13.0の範囲の一定値に苛性アルカリで調整しな
がら、該懸濁液の雰囲気を不活性に維持しながら、該懸
濁液中のアンモニウムイオン濃度が7〜25g/l(リ
ットル)となるように、コバルトイオンを含む水溶液お
よびアンモニウムイオン供給体を同時に、またはコバル
トイオンおよびアンモニウムイオンを含む水溶液を、一
定の供給速度で供給することからなる。
【0011】上記製造方法において、懸濁液中のニッケ
ルイオン濃度は10〜350mg/lであり、コバルト
イオン濃度は5〜400mg/lであるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明の水酸化ニッケル粉
末について説明する。
【0013】(1)タップ密度 本発明の水酸化ニッケル粉末は、水酸化ニッケルのコ
ア、および水酸化コバルトの被覆で形成された粒子から
なり、2.00g/ml以上のタップ密度を有する。そ
のためには、粒子がコアとなる水酸化ニッケル粉末が
2.05g/ml以上のタップ密度を有することが必要
である。
【0014】(2)水酸化コバルト被覆 水酸化ニッケル粉末が2.00g/ml以上のタップ密
度を有するためには、結晶性のよい水酸化コバルトがコ
アに均一に被覆されていることも必要であると考えられ
る。コバルト換算で1〜10重量%の被覆量が、活物質
利用率を向上させることおよび活物質充填量を低下させ
ないことの観点から好ましい。すなわち、被覆量が10
重量%を超えると、活物質である水酸化ニッケル量が減
少しすぎて電池容量を極度に低下させ、従来のぺ一スト
式電極の電池に比べて高容量のものが製造できるという
利点を生かせなくなる。多量のCoで被覆するというこ
とは、少量のCo化合物を均一に電極中に分散させるこ
とにより該Co化合物に導電パスを形成させるという本
来の目的に結果的に反することになる。被覆量が1重量
%未満では、被覆する利点がなくなり、固溶体化により
コバルトを含有させる方法と効果が変わらない上にコス
トが上昇して不経済である。
【0015】(3)コア コアは、実質的に水酸化ニッケル単味からなるものでよ
いが、他元素が適宜添加されたものでもよい。例えばア
ルカリ蓄電池の非焼結式ニッケル正極の放電特性および
寿命特性を改善するために、1〜6重量%の亜鉛、0.
5〜3重量%のコバルトや1.5〜5重量%のカドミウ
ムを添加することができる。上記他元素については、特
開平9−17429号公報や、特願平9−64919
号、特願平9−161097号および特願平10−19
7118号の明細書に開示した。
【0016】次に、本発明の水酸化ニッケル粉末の製造
方法について説明する。
【0017】(1)懸濁液の原料となる水酸化ニッケル
粉末 懸濁液の原料となる水酸化ニッケル粉末(原料水酸化ニ
ッケル粉末)粒子は、本発明の水酸化ニッケル粉末粒子
のコアとなる。原料水酸化ニッケル粉末は、2.05g
/ml以上のタップ密度を有する必要がある。2.05
g/ml未満のタップ密度を有するものでは、2.00
g/ml以上のタップ密度を有する本発明の水酸化ニッ
ケル粉末を製造することができない。
【0018】2.05g/ml以上のタップ密度を有す
る原料水酸化ニッケル粉末は、例えば本出願人が提案し
た次の方法を用いて調製することができるが、詳しく
は、上記公報や明細書で開示した。すなわち、ニッケル
を含む水溶液と水酸化アルカリとアンモニア水とを、撹
拌機を備えた反応槽に同時に、連続的に供給し、(a)
反応液中のニッケルイオン濃度を1〜50mg/l、
(b)反応温度を40〜70℃、(c)該反応温度の変
動幅を±1℃、(d)該撹拌機の撹拌羽根の吐出ヘッド
を14〜70m2 /sec2 および(e)生成水酸化ニ
ッケルの該反応槽での滞留時間を6時間以上として反応
させる方法である。
【0019】原料水酸化ニッケル粉末は、前述した通
り、実質的に水酸化ニッケル単味からなるものでも、他
元素が適宜添加されたものでもよい。特に、膨化を防止
するために、亜鉛を1〜6重量%、またコバルトを3重
量%以下固溶するのが好ましい。
【0020】(2)原料水酸化ニッケル粉末粒子への水
酸化コバルトの被覆 (a)懸濁液 本発明の製造方法において、懸濁液中でコバルトのアン
ミン錯塩から中和反応により水酸化コバルトを生成さ
せ、懸濁している原料水酸化ニッケル粉末粒子に被覆す
る。
【0021】(b)懸濁液のpH:10.5〜13.0
の範囲の一定値 被覆時、懸濁液のpHを10.5〜13.0の範囲の一
定値に苛性アルカリで調整する。
【0022】反応溶液が高pH領域にあるので、導入し
たアンモニウムイオンによりコバルトはアンミン錯塩と
なって存在する。そのため、高pH領域でもコバルトの
溶解度が高く、コバルトイオン濃度を一定かつ高い状態
に保てるので結晶核発生を抑え、結果的に結晶成長を促
すことが可能となる(結晶性向上)。pHが10.5未
満では、高pH領域から外れて上記作用が薄れるばかり
でなく、使用したコバルト塩の陰イオンが完全に取れず
塩基性塩が生成し、これを含有する不純な水酸化コバル
トが生成してしまう。そのため、11以上のpHが好ま
しい。一方、pHが13を超えると、アンモニアの揮散
が激しくなり、コバルトイオンの溶解度が極度に低下す
るばかりでなく、コバルトイオン濃度を所望の値に調整
できにくくなる。そのため、中和時に水酸化コバルトの
結晶核生成が瞬時に起こり、均一な被覆ができなくなる
(結晶性低下)ばかりか、水酸化コバルトの単独粒子が
生成してしまう。そのため、12.5以下のpHが好ま
しい。
【0023】pHを一定に保たない場合は、水酸化コバ
ルトの結晶核発生速度などが不規則となるため、生成す
る水酸化コバルトの1次粒子径が不均一となる。従っ
て、水酸化コバルトの被覆が不均一なものとなるばかり
か、製造される水酸化ニッケル粉末のタップ密度が低下
する。
【0024】(c)懸濁液の雰囲気:不活性 反応時の雰囲気は不活性雰囲気であることが必要であ
り、この不活性雰囲気により、11.5〜13程度のp
H領域においては水酸化コバルト被覆層中のCoの3価
イオンの生成を主に防止し、10.5〜12程度のpH
領域では反応系におけるCoイオン濃度の上昇を主に抑
制し、被覆層を効率よく形成することができる。
【0025】不活性雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不
活性ガスを用いて調製することが可能である。反応系を
不活性雰囲気にするために、不活性ガスの流量は特に制
限がない。
【0026】(d)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 懸濁液中のアンモニウムイオン濃度が7〜25g/lの
範囲の一定値となるように、コバルトイオンを含む水溶
液およびアンモニウムイオン供給体を同時に、またはコ
バルトイオンおよびアンモニウムイオンを含む水溶液
を、一定の供給速度で供給する。
【0027】アンモニウムイオン濃度が7g/l未満で
は、水酸化コバルトの被覆が不均一になり、25g/l
を超えると、添加するアンモニアの揮散が激しくなり、
アンモニウムイオン供給体を多量に消費するため実際的
でない。
【0028】アンモニウムイオン濃度を一定に保たない
場合は、上記pHを一定に保たない場合と同様に、水酸
化コバルトの被覆が不均一なものとなるばかりか、製造
される水酸化ニッケル粉末のタップ密度が低下する。
【0029】アンモニウムイオン供給体としては、アン
モニア水、アンモニアガスなどを用いる。アンモニア水
は、通常10〜28重量%程度のものを用いることが生
産性の上からも望ましい。
【0030】コバルトイオンを含む水溶液、アンモニウ
ムイオン供給体、並びにコバルトイオンおよびアンモニ
ウムイオンを含む水溶液を一定の供給速度で供給しない
と、水酸化コバルトの結晶核発生速度、発生量、結晶核
成長速度を一定に保ち難くなる。コバルトイオンおよび
アンモニウムイオンを同時に含む原料溶液を使用する場
合に比較して、コバルトイオンを含む水溶液およびアン
モニウムイオン供給体を個別に用意し同時に添加すれ
ば、pH、アンモニアイオン濃度は攪拌混合により一定
に保つことがより可能となり、反応槽内のコバルト濃度
がより安定する。そのため、水酸化コバルトの結晶核発
生速度、発生量、結晶核成長速度をより一定に保つこと
ができる。
【0031】コバルト塩水溶液の添加速度、すなわちコ
バルトを含む水溶液を反応液中に添加する時間はゆっく
りした添加が望ましい。添加速度を速くすると、コバル
トイオン濃度が反応槽内で不均一となり、被覆が不均一
となる。また、添加速度は、生産性に直接影響をおよぼ
すため、過度の低下は好ましくない。具体的には、40
分以上の時間を掛けて添加するのが好ましい。
【0032】(e)反応温度 反応温度は、80℃を超えると溶液中からのアンモニア
の揮散が激しくなり、アンモニウムイオン濃度を一定に
保つことが困難となる。好ましい温度範囲は30〜80
℃である。
【0033】(f)ニッケルイオン濃度およびコバルト
イオン濃度 被覆時における反応溶液中のニッケルイオンは、添加さ
れるアンモニウムイオンで原料水酸化ニッケル粉末が溶
解しニッケルがアンミン錯塩となって存在することによ
る。ニッケルイオン濃度は10〜350mg/lである
ことが望ましい。10mg/l未満ではタップ密度が低
下する。上限は特にないが、過大な場合は水酸化ニッケ
ルの再結晶の進行による細孔径分布の変化が生じ粉体特
性が悪化する。また、ニツケルが系外へ流失し不経済で
ある。タッブ密度の向上のためには、350mg/l程
度で十分である。
【0034】また、反応溶液中のコバルトイオン濃度は
5〜400mg/lであることが望ましい。5mg/l
未満では均一な被覆ができないばかりか、水酸化コバル
トの単独粒子が生成する。400mg/lを超えるとタ
ップ密度が低下してしまう。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0036】[実施例1] (1)各使用溶液の調製 まず、使用するコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶液
を下記のように調製した。
【0037】(a)コバルト塩水溶液 和光純薬製特級硫酸コバルトを純水に溶解し、コバルト
濃度1.6mol/lの溶液を作製した。
【0038】(b)苛性アルカリ溶液 和光純薬製試薬1級苛性ソーダを純水に溶解し、3.2
mol/lの溶液を調製した。
【0039】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、次の方法で調製した。すな
わち、邪魔板を4枚取り付けた500リットルの反応槽
にニッケル、亜鉛およびコバルトを含む水溶液を460
ml/分の割合で、25重量%アンモニア水を33ml
/分の割合で定量ポンプを用いて給液し、反応液中のニ
ッケルイオン濃度が10mg/lになるように22重量
%苛性ソーダを加えた。なお、上記ニッケル、亜鉛およ
びコバルトを含む水溶液は、420g/lの硫酸ニッケ
ル(6水塩)、29.4g/lの硫酸亜鉛(7水塩)お
よび4.6g/lの硫酸コバルト(7水塩)を含む。ま
た、反応槽には、撹拌羽根の径が30cmのタービンタ
イプの撹拌機を用意した。次に、上記反応槽を密閉した
後、上記反応液の温度を50±1℃に、上記反応液中の
ニッケルイオン濃度を10±2mg/lに維持しなが
ら、反応槽に備えた上記撹拌機を次の条件で作動させ
た。すなわち、撹拌機回転数は300rpm、撹拌動力
は1.65kw、吐出流量は0.11m3 /sec、吐
出ヘッドは14.5m2 /sec2 であった。生成した
水酸化ニッケルを反応槽内での滞留時間11時間で連続
的に取り出した。この間、反応液のpHは12.4であ
った。取り出した水酸化ニッケルの固液分離、水洗およ
び乾燥を行った。このようにして原料水酸化ニッケル粉
末を調製した。
【0040】この粉末は、添加元素としてCoを0.6
重量%、Znを4.2重量%含み、2.17g/mlの
タップ密度を有していた。
【0041】(3)懸濁液の作製 原料水酸化ニッケル粉末5kgを50℃に保持した20
リットルの純水中に懸濁させた。
【0042】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また7リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
とアンモニア水を同時添加した。コバルト塩水溶液の添
加速度は32ml/分、アンモニア水の添加速度は4.
2ml/分とした。添加中、懸濁液のpHを苛性アルカ
リ溶液で12.0にコントロールした。添加は、原料水
酸化ニッケル粉末に対してコバルト換算で計算上3重量
%となる時間(50分)行った。
【0043】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、10リットルの純水で2回レパルブ水
洗後、濾過乾燥した。
【0044】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は9.3g/l、ニッケルイオン濃度は
18mg/lおよびコバルトイオン濃度は13mg/l
であった。
【0045】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を2.99重量%含有していた。
【0046】(b)タップ密度は2.14g/m1であ
った。
【0047】(c)平均粒径は10.9μmであった。
【0048】(d)乾燥物をエポキシ樹脂に埋包し、埋
包した樹脂表面を研磨後、JXA−8900EPMA装
置(日本電子製)を用いて粉末粒子断面を面分析した。
すなわち、上記断面上のニッケル、亜鉛およびコバルト
のX線強度を定性的に測定した。
【0049】測定した粉末の電子顕微鏡写真(倍率:2
000倍)を図2に示す。そして、面分析結果を図1
(コバルト)、図3(ニッケル)および図4(亜鉛)に
示す(倍率はいずれも2000倍)。
【0050】図1によれば、水酸化ニッケル粒子表面に
水酸化コバルトが均一に被覆されていることが分かる。
なお、コア中にもコバルトが存在しているがそれは明き
らかでない。また、図3によればニッケルが、図4によ
れば亜鉛が粒子全体に均一に分布していることが分か
る。
【0051】[実施例2] (1)各使用溶液の調製 実施例1と同様のコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶
液を使用した。
【0052】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、撹拌条件を若干変えた以外
は実施例1と同様の方法で調製した。この粉末は、2.
19g/mlのタップ密度を有していた。
【0053】(3)懸濁液の作製 アンモニア水1.1リットルと純水19リットルとを混
合し50℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末3.
5kgを懸濁させた。
【0054】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また7リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
とアンモニア水を同時添加した。コバルト塩水溶液の添
加速度は32ml/分、アンモニア水の添加速度は4.
7ml/分とした。添加中、懸濁液のpHを苛性アルカ
リ溶液で11.0にコントロールした。添加は、原料水
酸化ニッケル粉末に対してコバルト換算で計算上5重量
%となる時間(58分)行った。
【0055】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、7リットルの純水で2回レパルブ水洗
後、濾過乾燥した。
【0056】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は11.0g/l、ニッケルイオン濃度
は115mg/lおよびコバルトイオン濃度は145m
g/lであった。
【0057】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を4.83重量%含有していた。
【0058】(b)タップ密度は2.03g/m1であ
った。
【0059】(c)平均粒径は10.1μmであった。
【0060】(d)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが実施例1と同様に均一に被覆され
ていることが分かった。
【0061】[実施例3] (1)各使用溶液の調製 (a)アンモニウムイオン供給体 和光純薬製1級硫酸アンモニウムを純水に溶解し、アン
モニウムイオン濃度で100g/lの溶液を調製した。
【0062】なお、コバルト塩水溶液および苛性アルカ
リ溶液は、実施例1と同様のものを使用した。
【0063】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、撹拌条件を若干変えた以外
は実施例1と同様の方法で調製した。この粉末は、2.
11g/mlのタップ密度を有していた。
【0064】(3)懸濁液の作製 アンモニア水1.1リットルと純水19リットルとを混
合し40℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末5k
gを懸濁させた。
【0065】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また7リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
と硫酸アンモニウム溶液を同時添加した。コバルト塩水
溶液の添加速度は32ml/分、硫酸アンモニウム溶液
の添加速度は4.7ml/分とした。添加中、懸濁液の
pHを苛性アルカリ溶液で11.0にコントロールし
た。添加は、原料水酸化ニッケル粉末に対してコバルト
換算で計算上4.5重量%となる時間(75分)行っ
た。
【0066】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、1リットルの純水で2回レパルブ水洗
後、濾過乾燥した。
【0067】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は11.5g/l、ニッケルイオン濃度
は139mg/lおよびコバルトイオン濃度は70mg
/lであった。
【0068】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を4.41重量%含有していた。
【0069】(b)タップ密度は2.07g/m1であ
った。
【0070】(c)平均粒径は9.8μmであった。
【0071】(d)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが実施例1と同様に均一に被覆され
ていることが分かった。
【0072】[実施例4] (1)各使用溶液の調製 実施例1と同様のコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶
液を使用した。
【0073】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、撹拌条件を若干変えた以外
は実施例1と同様の方法で調製した。この粉末は、2.
24g/mlのタップ密度を有していた。
【0074】(3)懸濁液の作製 アンモニア水0.34リットルと純水6リットルとを混
合し50℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末1.
2kgを懸濁させた。
【0075】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また3リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
とアンモニア水を同時添加した。コバルト塩水溶液の添
加速度は10ml/分、アンモニア水の添加速度は1.
5ml/分とした。添加中、懸濁液のpHを苛性アルカ
リ溶液で11.5にコントロールした。添加は、原料水
酸化ニッケル粉末に対してコバルト換算で計算上3.5
重量%となる時間(45分)行った。
【0076】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、3リットルの純水で2回レパルブ水洗
後、濾過乾燥した。
【0077】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は8.9g/l、ニッケルイオン濃度は
338mg/lおよびコバルトイオン濃度は113mg
/lであった。
【0078】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を3.31重量%含有していた。
【0079】(b)タップ密度は2.19g/m1であ
った。
【0080】(c)平均粒径は10.33μmであっ
た。
【0081】(d)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが実施例1と同様に均一に被覆され
ていることが分かった。
【0082】[実施例5] (1)各使用溶液の調製 実施例1と同様のコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶
液を使用した。
【0083】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、撹拌条件を若干変えた以外
は実施例1と同様の方法で調製した。この粉末は、2.
20g/mlのタップ密度を有していた。
【0084】(3)懸濁液の作製 アンモニア水1.1リットルと純水19リットルとを混
合し50℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末3.
5kgを懸濁させた。
【0085】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また7リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
とアンモニア水を同時添加した。コバルト塩水溶液の添
加速度は32ml/分、アンモニア水の添加速度は4.
7ml/分とした。添加中、懸濁液のpHを苛性アルカ
リ溶液で11.2にコントロールした。添加は、原料水
酸化ニッケル粉末に対してコバルト換算で計算上4重量
%となる時間(46分)行った。
【0086】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、7リットルの純水で2回レパルブ水洗
後、濾過乾燥した。
【0087】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は9.1g/l、ニッケルイオン濃度は
175mg/lおよびコバルトイオン濃度は59mg/
lであった。
【0088】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を3.94重量%含有していた。
【0089】(b)タップ密度は2.16g/m1であ
った。
【0090】(c)平均粒径は10.3μmであった。
【0091】(d)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが実施例1と同様に均一に被覆され
ていることが分かった。
【0092】[比較例1] (1)各使用溶液の調製 実施例1と同様のコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶
液を使用した。
【0093】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、実施例3で調製したタップ
密度2.11g/mlの粉末を用いた。
【0094】(3)懸濁液の作製 アンモニア水1.1リットルと純水19リットルとを混
合し50℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末5k
gを懸濁させた。
【0095】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また7リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
とアンモニア水を同時添加した。コバルト塩水溶液の添
加速度は32ml/分、アンモニア水の添加速度は4.
7ml/分とした。添加中、懸濁液のpHを苛性アルカ
リ溶液で10.0にコントロールした。添加は、原料水
酸化ニッケル粉末に対してコバルト換算で計算上4重量
%となる時間(67分)行った。
【0096】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、10リットルの純水で2回レパルブ水
洗後、濾過乾燥した。
【0097】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は11.3g/l、ニッケルイオン濃度
は291mg/lおよびコバルトイオン濃度は1051
mg/lであった。
【0098】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を3.91重量%含有していた。
【0099】(b)タップ密度は1.87g/m1であ
った。
【0100】(c)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが若干量被覆されているのが観察さ
れたが、大部分の水酸化コバルトは単独粒子として存在
していた。
【0101】[比較例2] (1)各使用溶液の調製 実施例1と同様のコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶
液を使用した。
【0102】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、実施例2で調製したタップ
密度2.19g/mlの粉末を用いた。
【0103】(3)懸濁液の作製 アンモニア水1.1リットルと純水19リットルとを混
合し50℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末3.
5kgを懸濁させた。
【0104】(4)コバルトイオンおよびアンモニウム
イオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、コバルト塩水溶液
とアンモニア水を同時添加した。コバルト塩水溶液の添
加速度は32ml/分、アンモニア水の添加速度は4.
7ml/分とした。添加中、懸濁液のpHを苛性アルカ
リ溶液で11.0にコントロールした。なお、懸濁液の
雰囲気は特に調製せず、成り行きのままとした。添加
は、原料水酸化ニッケル粉末に対してコバルト換算で計
算上5重量%となる時間(58分)行った。
【0105】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、7リットルの純水で2回レパルブ水洗
後、濾過乾燥した。
【0106】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のアンモニ
ウムイオン濃度は11.1g/l、ニッケルイオン濃度
は128mg/lおよびコバルトイオン濃度は1230
mg/lであった。
【0107】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を4.12重量%含有していた。
【0108】(b)タップ密度は1.71g/m1であ
った。
【0109】(c)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが若干量被覆されているのが観察さ
れたが、大部分の水酸化コバルトは単独粒子として存在
していた。
【0110】[比較例3] (1)各使用溶液の調製 実施例1と同様のコバルト塩溶液および苛性アルカリ溶
液を使用した。
【0111】(2)原料水酸化ニッケル粉末 原料水酸化ニッケル粉末は、実施例2で調製したタップ
密度2.19g/mlの粉末を用いた。
【0112】(3)懸濁液の作製 アンモニア水1.1リットルと純水19リットルとを混
合し50℃に保持した後、原料水酸化ニッケル粉末3.
5kgを懸濁させた。
【0113】(4)コバルトイオンの供給 水酸化ニッケル懸濁液を攪拌しつつ、また7リットル/
分の窒素ガスでバブリングさせつつ、コバルト塩水溶液
を添加した。添加速度は32ml/分とした。添加中、
懸濁液のpHを苛性アルカリ溶液で9.5にコントロー
ルした。添加は、原料水酸化ニッケルに対してコバルト
換算で計算上5重量%となる時間(58分)行った。
【0114】(5)後処理 反応終了後直ちに、懸濁液をブフナーロートで吸引濾過
した。固形物は、7リットルの純水で2回レパルブ水洗
後、濾過乾燥した。
【0115】(6)濾液の分析 濾液をサンプリングして分析した結果、液中のニッケル
イオン濃度は3mg/l未満およびコバルトイオン濃度
は2mg/l未満であった。
【0116】(7)乾燥物(水酸化ニッケル粉末)の分
析・調査 (a)乾燥物を硝酸に溶解し原子吸光分析したところ、
コバルト(被覆分)を4.98重量%含有していた。
【0117】(b)タップ密度は1.93g/m1であ
った。
【0118】(c)乾燥粉末の粒子断面を実施例1と同
様にして面分析した。その結果、水酸化ニッケル粒子表
面に水酸化コバルトが被覆されてはいた。しかし、その
被覆は結晶性の悪いものであると考えられる。
【0119】上記実施例1〜5および比較例1〜3の反
応条件および結果の一部を表1に示す。
【0120】
【表1】 (注)「被覆量」はコバルト換算値であり、そのうち「目標」は原料水酸化 ニッケル粉末に対する値である。
【0121】
【発明の効果】本発明により、ぺ一スト式電極の製造に
適した、タップ密度の大きい水酸化ニッケル粉末および
その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で製造した水酸化ニッケル粉末粒子
中に分布するコバルトの面分析結果を示すEPMA写真
である。
【図2】 実施例1で製造した水酸化ニッケル粉末の電
子顕微鏡写真である。
【図3】 実施例1で製造した水酸化ニッケル粉末粒子
中に分布するニッケルの面分析結果を示すEPMA写真
である。
【図4】 実施例1で製造した水酸化ニッケル粉末粒子
中に分布する亜鉛の面分析結果を示すEPMA写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船津 英司 愛媛県新居浜市西原町3−5−3住友金属 鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 山内 巧也 愛媛県新居浜市西原町3−5−3住友金属 鉱山株式会社別子事業所内 Fターム(参考) 4G048 AA03 AB02 AC06 AD03 AE05 AE07 5H003 AA02 BA07 BB02 BB04 BC01 BC05 BD04 BD05 BD06 5H016 AA02 BB11 BB18 CC04 CC09 HH01 HH08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルのコア、および水酸化コ
    バルトの被覆で形成された粒子からなり、2.00g/
    ml以上のタップ密度を有する水酸化ニッケル粉末。
  2. 【請求項2】 水酸化コバルトは、コバルト換算で1〜
    10重量%被覆されている請求項1に記載の水酸化ニッ
    ケル粉末。
  3. 【請求項3】 水酸化コバルトは、コバルト換算で3〜
    5重量%被覆されている請求項1に記載の水酸化ニッケ
    ル粉末。
  4. 【請求項4】 コアは、亜鉛、コバルトおよびカドミウ
    ムからなる群から選ばれた少なくとも1種を含む請求項
    1に記載の水酸化ニッケル粉末。
  5. 【請求項5】 2.05g/ml以上のタップ密度を有
    する水酸化ニッケル粉末の懸濁液に、該懸濁液のpHを
    10.5〜13.0の範囲の一定値に苛性アルカリで調
    整しながら、該懸濁液の雰囲気を不活性に維持しなが
    ら、該懸濁液中のアンモニウムイオン濃度が7〜25g
    /lの範囲の一定値となるように、コバルトイオンを含
    む水溶液およびアンモニウムイオン供給体を、一定の供
    給速度で同時に供給することからなる水酸化ニッケル粉
    末の製造方法。
  6. 【請求項6】 アンモニウムイオン供給体は、アンモニ
    ウムイオンを含む水溶液またはアンモニアガスである請
    求項5に記載の水酸化ニッケル粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 2.05g/ml以上のタップ密度を有
    する水酸化ニッケル粉末の懸濁液に、該懸濁液のpHを
    10.5〜13.0の範囲の一定値に苛性アルカリで調
    整しながら、該懸濁液の雰囲気を不活性に維持しなが
    ら、該懸濁液中のアンモニウムイオン濃度が7〜25g
    /lの範囲の一定値となるように、コバルトイオンおよ
    びアンモニウムイオンを含む水溶液を、一定の供給速度
    で供給することからなる水酸化ニッケル粉末の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 懸濁液中のニッケルイオン濃度が10〜
    350mg/lであり、コバルトイオン濃度が5〜40
    0mg/lである請求項5または7に記載の水酸化ニッ
    ケル粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 懸濁液の原料となる水酸化ニッケル粉末
    は、亜鉛、コバルトおよびカドミウムからなる群から選
    ばれた少なくとも1種を含む請求項5または7に記載の
    水酸化ニッケル粉末の製造方法。
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