JP2000073724A - 車両用変速機 - Google Patents

車両用変速機

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JP2000073724A
JP2000073724A JP10248012A JP24801298A JP2000073724A JP 2000073724 A JP2000073724 A JP 2000073724A JP 10248012 A JP10248012 A JP 10248012A JP 24801298 A JP24801298 A JP 24801298A JP 2000073724 A JP2000073724 A JP 2000073724A
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transmission
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lubricating oil
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義道 津幡
Mikio Shoji
幹生 小路
Eiji Oyama
英士 大山
Eiji Suzuki
英二 鈴木
Naoki Uchiyama
直樹 内山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動プーリ、従動プーリおよび駆動ベルトか
らなる伝動装置を有する車両用変速機において、プーリ
の回転損失低減を図る。 【解決手段】 駆動プーリ8、従動プーリ9および駆動
ベルト10からなる伝動装置を収納する伝動装置収納室
R1の、駆動ベルトの最大径および従動プーリの最小径
がつくる円の外周を結ぶ接線方向部に排出油路76の入
口開口41を設ける。また、伝動装置収納室R1の駆動
プーリ8と従動プーリ9の外周上側を結ぶ接線方向部に
排出油路76の入口開口41を設ける。このように排出
油路の入口開口を設けることにより、駆動ベルト10か
ら飛散する潤滑油をこの排出開口41から直接伝動装置
収納室外へ効果的に排出する。これらの潤滑油はハウジ
ングに設けられた排出油路76を通りオイルパン26に
排出される。このため伝動装置収納室の内壁を流れる潤
滑油量を減少させて下部オイルパンの油量を確保するこ
とができ、潤滑油の撹拌による回転損失の低減を図るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用変速機に係
り、特に一対のプーリ間にベルトを巻きかけてなるベル
ト式変速機のハウジング(トランスミッションケース)
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一対のプーリ間にベルトを巻きかけて動
力を伝達する動力伝動装置は広く用いられている。この
ような伝動装置のうち、ともにプーリ溝幅が可変の一対
のプーリとこの両プーリ間に巻きかけられたベルトとか
ら構成され、これら両プーリの溝幅を変えることによっ
て巻き掛け半径を変化させ、無段変速を行うベルト式無
段変速機が車両用変速機として用いられていることは本
出願人に係る特開平4−258528号公報等により周
知である。
【0003】このような車両用無段変速機には、駆動プ
ーリや従動プーリ、駆動ベルト、前後進切換装置、発進
装置、減速装置、差動装置等がハウジング内に配設さ
れ、これらを潤滑するために強制潤滑やギアの回転によ
るかき上げ潤滑等が行われている。また駆動プーリや従
動プーリのプーリ幅制御や、クラッチ制御のための油圧
制御流体(作動油)としてこの潤滑油を利用している。
【0004】この強制潤滑あるいは油圧制御に用いられ
る潤滑油圧は、エンジンに結合した軸上に配設されたギ
アもしくはチェーン等により駆動される油圧ポンプによ
って発生され、この油圧ポンプに接続された油圧回路に
よって必要な被潤滑部及び被油圧制御部に供給されてい
る。またこのようにして潤滑および制御に使われた潤滑
油は上記被潤滑部あるいは被油圧制御部から下方に流れ
落ちるが、これらの潤滑油を受けて集積し、前記油圧ポ
ンプによって再循環させるための油溜めすなわちオイル
パンを備えている。
【0005】上記のよう各部の潤滑あるいは制御に使わ
れた潤滑油は下方に配設されたオイルパンに戻るが、前
記両プーリの収納されている伝動装置収納室(プーリ室
という。以下同じ。)の内部では、これら両プーリの回
転(遠心力)により潤滑油はプーリ外周方向に飛ばさ
れ、またベルトについては両プーリ間の直線部(弦部)
から両プーリへの巻き付き部で直線運動から回転運動へ
の運動方向の変化により潤滑油はベルト弦部の略延長線
方向に飛ばされ、これら飛散油粒のうちの多くは前記収
納室の内壁に付着する。このような潤滑油はプーリ室の
内壁面を伝って下方のオイルパンに向かい流下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、プーリを収納
するプーリ室の内壁を伝わって流下する潤滑油は、この
収納室の下方に設けられ、前記オイルパンに連通する排
出油路の入口開口からオイルパンに戻るよう構成されて
いるが、例えばエンジンの高速回転に伴い潤滑油量の多
いときなどには、この流下する潤滑量も増大し、プーリ
室の壁面は多量の潤滑油が流れるようになり、またプー
リ室下部にはこの潤滑油がたまるようになる。このよう
な状況では、前記両プーリ(駆動プーリ及び従動プー
リ)のうち鉛直方向下方のプーリは、このように流れ落
ちる潤滑油やプーリ室下方にたまった潤滑油によってプ
ーリの(及びレシオによってはベルトについても)回転
に対するフリクション(回転抵抗)が増加することとな
る。
【0007】このためこのような従来の問題点を解決す
べく、プーリ室の下部をオイルパンと直接連通する大き
な開口としたものや、両プーリの外径を結ぶ接線の略中
央部に上方の壁面を伝って流れてくる潤滑油をオイルパ
ンに戻すための排出油路の入口開口を設けたものなど
が、例えば特開平8−285023号公報等で提案され
てきた。
【0008】しかし、例えばプーリ室下部をオイルパン
と連通する大きな開口としたものについては、このプー
リ室を含めた変速機ハウジング全体の強度上から、開口
径を拡大する限度があるうえ、オイルパンの潤滑油面は
車両の運転によって変化するため、逆に下方のプーリが
潤滑油中に浸漬され、かえってフリクションが増大する
場合が生じる等の問題があった。
【0009】また、両プーリの外径を結ぶ接線の略中央
部に上方の壁面を伝って流れてくる潤滑油をオイルパン
に戻すための排出油路の入口開口を設けたものについて
は、効果が見られるが、従来例では開口幅が小さいため
に潤滑油量が増大したときにこの開口の周囲を伝って潤
滑油が下方のプーリ部に流れるなど効果が低かった。
【0010】本発明は上記のような課題に鑑みてなされ
たものであり、潤滑油量が増大したときであってもプー
リ室(伝動装置収納室)内壁を流下する潤滑油を効果的
に排出し、下方に位置するプーリのフリクションの増大
を抑えた車両用変速機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る車両用変速機では、駆動プーリ(例え
ば実施の形態における駆動プーリ8)と従動プーリ(例
えば実施の形態における従動プーリ9)と両プーリに巻
きかけられトルクを伝達する駆動ベルト(例えば実施の
形態におけるベルト10)とからなる伝動装置と、この
伝動装置を収納するプーリ室(特許請求範囲の伝動装置
収納室に相当し、実施の形態における第1室R1に該当
する。以下同じ。)と、伝動装置の作動油あるいは潤滑
油を溜めるオイルパン(例えば実施形態におけるオイル
パン26)とを備えた車両用変速機において、駆動プー
リに巻き掛けられた駆動ベルトの巻き掛け径の最大径
(特許請求の範囲における駆動プーリの最大径)と、従
動プーリに巻き掛けられた駆動ベルトの巻き掛け径の最
小径(特許請求の範囲における駆動プーリの最小径)が
それぞれ作る円の外周上側を結ぶ接線方向部のプーリ室
内壁面に、プーリ室内の作動油あるいは潤滑油をオイル
パンへ排出するための排出油路の入口開口(例えば実施
形態における排出油路の入口開口41)を設けることに
より構成される。
【0012】ここで、駆動プーリが最大径となり、従動
プーリ径が最小径となるのは変速比がTopの状態であ
る。従って駆動プーリの最大径および従動プーリの最小
径がつくる円の外周上側を結ぶ接線方向とは、変速比が
Topの状態における両プーリ間上側でのベルトの進行方
向の部位を意味する。
【0013】このような構成によれば、駆動ベルトに付
着した潤滑油あるいは作動油は両プーリの直線部(ベル
ト弦部)から両プーリへの巻き付き部での運動方向の変
化により駆動プーリの最大径および従動プーリの最小径
がつくる円の外周上側を結ぶ接線方向へ飛ばされ、プー
リ室内に形成された排出油路の入口開口に直接飛び込み
下部のドレンパンへ排出されることとなる。このように
して変速比がTopの状態、すなわち潤滑油量を最も必要
とする状態における作動油あるいは潤滑油のドレンパン
への戻り効率を高める。なお変速比がTopの状態では駆
動ベルトの周速は最大となるためプーリ室内壁に飛ばさ
れる油量も多くなり、これを直接排出油路の入口開口へ
取り入れることで作動油あるいは潤滑油のドレンパンへ
の戻り効率を格段に高めることができる。
【0014】また、本発明に係る他の車両用変速機にお
いては、駆動プーリ(例えば実施の形態における駆動プ
ーリ8)と従動プーリ(例えば実施の形態における従動
プーリ9)と両プーリに巻きかけられトルクを伝達する
駆動ベルト(例えば実施の形態におけるベルト10)と
からなる伝動装置と、この伝動装置を収納するプーリ室
(特許請求範囲の伝動装置収納室に相当し、実施の形態
における第1室R1に該当する。以下同じ。)と、伝動
装置の作動油あるいは潤滑油を溜めるオイルパン(例え
ば実施形態におけるオイルパン26)とを備えた車両用
変速機において、プーリ室内壁の前記両プーリ外周上側
を結ぶ接線方向部に、プーリ室内の作動油あるいは潤滑
油を前記オイルパンへ排出する排出油路の入口開口(例
えば実施形態における排出油路の入口開口45)を設け
て構成される。
【0015】駆動プーリに供給され遠心力によって駆動
プーリ外周へ伝わった駆動プーリの作動油あるいはプー
リ潤滑油と、ベルトに供給されて付着し駆動プーリに接
して伝達する潤滑油とは、ともに駆動プーリから遠心力
でプーリ外周へ飛ばされるが、このようにして飛散する
潤滑油は両プーリの外周を結ぶ接線方向へ飛ばされる油
量が最も多いことが実験的に確認されている。従って、
上記のように、両プーリ外周を結ぶ接線方向のプーリ室
内壁にプーリ室内の作動油あるいは潤滑油をオイルパン
へ排出する排出油路の入口開口を設けて構成することに
より、比較的小型の入口開口で作動油あるいは潤滑油を
効率よくオイルパンへ戻すことができる。
【0016】以上のようにして形成される排出油路の入
口開口のプーリ軸方向の幅は、この入口開口の設けられ
る近傍のプーリの外周における最大溝幅と同一もしくは
最大幅以上とすることによって各々の排出効率を最大化
することができる。ただし、実際的には溝幅増加に対す
る排出特性,エンジン全体のコンパクト性等を比較考量
したときには、プーリV溝最大幅の 3/2程度に納める方
がよい。また、以上説明したのように、ベルトから飛散
する潤滑油が直接排出されることとあわせ、このような
排出油路の入口開口は従来のドレンパン開口部(プーリ
室下端領域)より上方に存在することとなるため、回転
するプーリ近傍のプーリ室壁面を流下する潤滑油量を減
少させることができる。
【0017】また、駆動プーリと従動プーリと両プーリ
に巻きかけられトルクを伝達する駆動ベルトとからなる
伝動装置を収納するプーリ室について、両プーリの外径
を結ぶ接線の略中間部に、プーリ室内の流体をオイルパ
ンへ排出する排出油路の入口開口を設けるとともに、こ
の入口開口近傍にプーリ室内部に突出し前記プーリ軸方
向に伸びる壁面を設けて構成することが好ましい。
【0018】このような構成によれば、両プーリが相対
的に斜め方向を含む上下方向の位置関係にあるときに、
上方のプーリや駆動ベルトから飛散した潤滑油はプーリ
室の内壁面を伝って流下し、両プーリの中間部に設けら
れたこの排出油路の入口開口からプーリ室外に排出さ
れ、下部のドレンパンに通ずる油路を通って排出され
る。この入口開口近傍にはプーリ室内部に突出しプーリ
軸方向に伸びる壁面が設けられており、上方から流れ落
ちてきた潤滑油はこの壁によりより下方に流れることを
抑制され、排出油路の入口開口内に流れるように導かれ
る。
【0019】この排出油路の入口開口のプーリ軸方向の
幅は、この入口開口より上方に位置するプーリの外周に
おける最大溝幅と同一もしくは最大幅以上とすることに
より、効率的に排出することが可能となる。従って、相
対的に下方にあるプーリにまで流れ落ちる潤滑油をこの
排出油路の入口開口から排出することによって減少さ
せ、下方に位置するプーリ近傍のプーリ室壁面を流下す
る潤滑油量を減少させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施の形態
について図面を参照して説明する。図5及び図6は本発
明に係る変速機を有するベルト式無段変速機1の構成を
示す。このベルト式無段変速機1は変速機ハウジング2
内に前後進切換装置3、伝動装置及び変速装置(図にお
けるベルト式無段階変速装置)4、発進装置を含む駆動
力伝達装置(発進装置(スタートクラッチ)5、減速装
置6(図中31〜34で示すギア列)、差動装置(ディ
ファレンシャル機構)7、オイルポンプへの動力伝達装
置(スプロケット91,92,チェーン93等))を備
えて構成され、この変速機ハウジングの左端の接合面2
aはエンジンと接合される。エンジンのクランクシャフ
トKsはフライホイールのドライブプレートと接合さ
れ、本発明に係る変速機のインプットシャフト11を駆
動する。
【0021】そしてこの駆動力はベルト式無段変速機の
第1軸(無段変速装置の入力軸)S1から第2軸(無段
変速装置の出力軸)S2および上記各駆動力伝達装置を
経て第4軸S4に伝達されアクスルシャフト15a,1
5bを駆動する。また、この変速機のハウジングはベル
ト式無段変速装置4を収納する第1室(プーリ室)R
1、発進装置5,減速装置6,差動装置7を収納する第
2室R2、前後進切換装置3を収納する第3室R3によ
って構成されている。なお以降の説明において変速機の
プーリ軸、ギアの軸等を第1軸S1〜第4軸S4として
示すが、これらは回転中心軸線を意味するものである。
【0022】このベルト式無段変速機において、変速機
ハウジング2内における第1軸S1には前記第1室R1
内にベルト式無段階変速装置4の駆動プーリ8が、そし
て前記第3室R3内に前後進切換装置3が同軸上に回転
自在に配設されている。この軸上で、エンジン出力であ
るクランクシャフトKsはインプットシャフト11に接
続されており、このインプットシャフト11は中空に形
成された駆動プーリ8の軸心を貫通して前後進切換装置
3に接続される。
【0023】前後進切換装置3は、ダブルピニオンタイ
プのプラネタリギヤ23を有しており、この装置におけ
る入出力部材(インプットシャフト11と駆動プーリ
8)とを直結可能な前進クラッチ24と、リングギヤを
固定保持可能な後進ブレーキ25とを備える。これら前
進クラッチ24及び後進ブレーキ25を選択的に作動さ
せて、インプットシャフト11に対して駆動プーリ8を
正転もしくは逆転させることが可能となっている。
【0024】駆動プーリ8は、その軸心S1を貫通する
インプットシャフト11を回転自在に支持する固定プー
リ半体8aと、この固定プーリ半体8aに対向し固定プ
ーリ半体の軸上を軸方向に移動自在に配設された可動プ
ーリ半体8b、そしてこの可動プーリ半体の側方に設け
られ可動プーリ半体を油圧によってプーリ軸方向に移動
させるためのシリンダ室8cとによって構成されてい
る。
【0025】この可動プーリ半体を駆動する油圧は、駆
動プーリの軸心を貫通するインプットシャフト11に穿
孔された油路及び固定プーリ半体に設けられた油路を通
してシリンダ室8cに供給され、この供給される油圧
(プーリ推力圧)を制御することによって可動プーリの
位置、すなわち駆動プーリ8のV溝幅を制御している。
なおインプットシャフトの軸心を通る油路からは、互い
に回転するインプットシャフトと固定プーリ半体の間,
固定プーリ半体8aと移動プーリ半体8bの間,プラネ
タリギア23,前進用クラッチ24に対しても前記油圧
を供給する油路が構成されており、これら回転体の潤滑
をあわせて行うよう構成されている。
【0026】第1軸S1から所定距離だけ離れて平行に
伸びる第2軸S2(12)には前記第1室R1内にベルト
式無段変速装置4の従動プーリ9が、そして第2室R2
内に発進クラッチ5及び減速装置6の第2ギア32と噛
合する第1ギア31が同軸上に回転自在に配設されてい
る。この第2軸S2上の第2シャフト12は従動プーリ
9の固定プーリ半体9aと一体的に構成されており、こ
の固定プーリ半体9aと、この固定プーリ半体9aに対
向し固定プーリ半体の軸上を軸方向に移動自在に配設さ
れた可動プーリ半体9b、そしてこの可動プーリ半体の
側方に設けられ可動プーリ半体を油圧によってプーリ軸
方向に移動させるためのシリンダ室9cとによって構成
されている。
【0027】この可動プーリ半体を駆動する油圧は、従
動プーリの固定半体である第2シャフト12に穿孔され
た油路を通してシリンダ室9cに供給されている。この
従動側プーリのシリンダ室9cに供給される油圧は、伝
達トルクなどの基本特性に合わせて予め設定されている
ライン圧で一定となるよう油圧回路が構成されている。
なお第2シャフト12の軸心を通る油路からは、固定プ
ーリ半体9aと移動プーリ半体9bの間,発進クラッチ
5,セカンダリドライブギア31及び第2シャフト12
を回転自在に支持するベアリング部等に対しても前記油
圧を供給する油路が構成されており、これら回転体の潤
滑をあわせて行うよう構成されている。
【0028】駆動プーリ8と従動プーリ9とにはベルト
が巻き掛けられてベルト式無段変速機構が構成されてお
り、駆動プーリ8の回転がベルト10を介して従動プー
リ9に伝達される。このベルト式無段変速機の速度比の
コントロールは、一定圧(ライン圧)に保たれている従
動側プーリ9のシリンダ室内圧に対し、駆動側プーリ8
の推力圧を変化させることにより行う。
【0029】すなわち、駆動側プーリ8のシリンダ室8
cに作用する油圧を高くすると駆動側プーリ8のプーリ
溝幅が狭くなりベルトを巻き付ける有効半径が大きくな
る。このときベルト10の長さが一定であることから、
ベルト張力によって従動側プーリ9のプーリ幅が広げら
れて有効半径が小さくなる。そして駆動側プーリ8の推
力圧を相対的に低くするとこの逆の作用となる。このよ
うに、両プーリ8,9の可動プーリに作用する油圧の相
対圧力差を利用して両可動プーリ8b,9bを移動させ
てプーリ幅を調整することにより、両プーリ8,9にお
けるベルトの巻き掛け半径を任意に調整することがで
き、両プーリ間での回転速度比を無段階に調整する。
【0030】なお第2室R2には油圧ポンプ21が取り
付けられており、インプットシャフト11に設けられた
スプロケット91,オイルポンプ21に設けられたスプ
ロケット92とこの両スプロケット間に掛け渡されたチ
ェーン93により駆動される。油圧ポンプ21は、変速
機下部のオイルパンにたまった潤滑油を、内蔵されたサ
クションストレーナやフィルタ等を通して浄化した後、
ジョイントパイプ等のサクション油路を経て吸引する。
そして油圧ポンプ21により吸引され吐出された潤滑油
は、変速機の潤滑,冷却に使用される。
【0031】第2シャフト12上の従動プーリ9の左側
には、発進クラッチ5を介して第1ギヤ31が配設さ
れ、このクラッチの操作により駆動力が以降の減速装置
に伝達または切り離しされる。第2軸S2から所定距離
離れて平行に延びる第3軸S3上には第3シャフト13
が回転自在に配設され、この第3シャフト13には第2
ギヤ32及び第3ギヤ33が一体に形成されている。こ
の第二ギア32は第1ギヤ31と噛合する。又、第3軸
S3から所定距離離れて平行に延びる第4軸S4上には
ディファレンシャル機構7が配設されており、このディ
ファレンシャル機構7に結合配設された第4ギヤ34が
第3ギヤ33と噛合する。
【0032】このように、第1ギア〜第4ギヤ(31,
32,33,34)により動力伝達ギヤ列が構成されて
おり、従動プーリ9の回転はこの動力伝達ギヤ列を介し
てディファレンシャル機構7に伝達される。ディファレ
ンシャル機構7には左右のアクスルシャフト15a,1
5bが繋がっており、ディファレンシャル機構7に伝達
された動力はここで分割されて左右のアクスルシャフト
15a,15bを介して左右の車輪(図示せず)に伝達
される。
【0033】このようにして構成される車両用のベルト
式無段変速機のハウジングの下部には、図1に示すよう
にこの変速機の潤滑及び冷却に使われた潤滑油を集め、
フィルタやサクションストレーナ等を通して油圧ポンプ
21で再循環させるための油溜め、すなわちオイルパン
26が配設されている。また、ポンプから吐出された潤
滑油の一部はオイルクーラによって冷却されリターンラ
イン81,フィルタ82を通して側方からオイルパン2
6に戻るよう構成されている。
【0034】図1は本発明に係る車両用変速機を備えた
無段変速装置部分の正面図(図6における矢視図I−I)
を示し、図6における駆動プーリ8、従動プーリ9、及
びベルト10を収納する第1室(プーリ室)R1の内部
を示す。また、図1中S1〜S4が図6のS1〜S4に
該当し、図1中右下方の駆動プーリ8(S1軸)から中
央上方の従動プーリ9(S2軸)に伝達された動力はこ
のS2軸上でプーリ室R1の壁面を介して第2室R2内
の発進装置に伝達され、以降第2室内で減速装置(S3
軸)、差動装置(S4軸)へと伝達される。
【0035】これら第1室及び第2室の下方にはオイル
パン26が取り付けられている。なお、以降各図では、
図5あるいは図6で説明したものについては同一番号を
付し重複する説明は省略するものとし、特記しない限り
車載時の搭載姿勢で示す。また、駆動プーリ8及び従動
プーリ9、ベルト10の回転方向は図1中に矢印を付し
て示す方向に回転する。
【0036】なお、本実施形態においては無段変速装置
の入出力軸に直交する水平方向が車両の前後方向となる
例(いわゆるエンジン横置きの実施例)について示す
が、本発明はこの配置方向に限定されるものではなく、
無段変速装置の入出力軸をはじめとする変速機を構成す
る各軸に直交する方向すなわちこれらの軸の回転により
潤滑油が飛散する方向におけるオイルパン両側部近傍の
上方に排出油路およびこの油路に連通する入口開口を少
なくとも一つづつ設けることで達成される。
【0037】以上の前提の上、本実施例の説明では説明
の簡潔化のため適宜車両の前方もしくは後方なる表現を
用いて説明を行うが、これらは無段変速装置の入出力軸
に直交する水平方向のオイルパン両側端方向を意味し、
無段変速装置の入出力軸に直交する方向が車両の左右方
向に該当するときには左方もしくは右方(またはこの逆
方向)をさすものである。なお、本実施例において図1
における図面右方向が車両の前方(車両進行方向前方)
である。
【0038】無段変速装置の入力軸S1に軸支された駆
動プーリ8及び同装置の出力軸S2に軸支された従動プ
ーリ9に対する潤滑は、既に図5を用いて説明したよう
に両プーリの軸心を通る油路から供給され、プーリの回
転により遠心力で両軸に直交する円周方向に飛ばされプ
ーリ室R1の内壁に衝突する。図中左上方に位置する従
動プーリ9ではプーリV溝底部からも多量の潤滑油が供
給され、ベルト10の内周面に吹き付けられる。
【0039】この潤滑油の一部は回転するプーリのV面
を経て遠心力により従動プーリ9の円周方向に飛ばさ
れ、出力軸S2に直交するプーリ室R1の内壁に衝突
し、またベルト10に付着した潤滑油はベルトとともに
回転し、その大部分はベルトの運動方向が急激に変化す
るプーリ間ベルト弦部からプーリ巻き付き部への変曲点
近傍で潤滑油自身の持つ慣性によりベルトから離脱し、
プーリ室R1内壁に飛ばされる。
【0040】ところで、ベルト弦部(両プーリ間の直線
部)の方向は、この変速機の変速比すなわち駆動プーリ
と従動プーリのベルトの巻き掛け半径により変化する。
図1中に示すB線は駆動プーリが最大径で従動プーリが
最小径(つまり変速比がTopのとき)の両プーリがつく
る円の外周上側を結ぶ接線方向を示し、C線は駆動プー
リ径が最小径で従動プーリ径が最大径のとき(つまり変
速比がLoのとき)の両プーリ径の外周上側を結ぶ接線方
向を示す。また、同図中のA線は、両プーリの外周上側
を結ぶ接線方向を示す。なお、図中に示すαは駆動プー
リの最大径を、βは従動プーリの最小径を示す。
【0041】駆動プーリ8近傍のプーリ室内壁には、駆
動プーリが最大径で従動プーリが最小径のときの両プー
リがつくる円の外周上側を結ぶ接線方向(線Bとプーリ
室内壁の交点部分)に、ベルトから離脱する潤滑油を直
接プーリ室外に排出する排出油路76の入口開口41が
設けられている。また、この入口開口41は両プーリの
外周上側を結ぶ接線方向(線Aとプーリ室内壁の交点部
分)に位置する。
【0042】本実施例では、駆動プーリが最大径で従動
プーリが最小径のときの両プーリがつくる円の外周上側
を結ぶ接線方向のプーリ室内壁に設けられた入口開口
と、両プーリの外周上側を結ぶ接線方向に設けられた入
口開口とは同一の開口となっているが、それぞれの位置
が異なる場合には別の開口を設ければよい。また、プー
リ室で上方を向く内壁面の両プーリ中間部には、この壁
面を伝って流れ落ちる潤滑油をプーリ室外へ排出する排
出油路77の入口開口42が設けられている。
【0043】この状況をより詳細に説明するため、以下
図2及び図3を交えてさらに説明を続ける。このうち、
図2は図1中に矢視図II−IIで示す、ハウジングを下方
から見た図である。この図中では明確化のため排出油路
の開口部に対してハッチングを付し、排出油路の入口開
口の番号を付番し排出油路をカッコ付きの番号で表示し
ている。
【0044】図3は図2中に断面III−IIIで示すハウジ
ングの断面図を示しており、プーリの固定プーリ半体と
移動プーリ半体の中間位置でプーリ軸に垂直に切断した
ときの車両前方の排出油路76,車両後方の排出油路7
7およびこれらの排出油路の入口開口41,42の状態
を示している。また、両図はこのプーリ室R1に対して
排出油路およびこの排出油路に連通する入口開口が、車
両前後のオイルパン側部近傍の上方に配設されているこ
とを示している。
【0045】ところで、ベルト弦部からプーリ巻き付き
部のベルトの運動方向変化部でベルトから離脱する潤滑
油の運動方向は、正確にはベルト弦部の延長線方向では
なく、この延長線方向から幾分プーリ内径側に傾いて放
出される。そしてこの傾き角は潤滑油の粘性、ベルトの
回転速度、巻き付き径等によって異なる。
【0046】このため、このベルト弦部の延長線方向に
設けられる排出油路の入口開口41の上端位置は、Top
側の巻き掛け状態(駆動プーリ側巻き掛け半径が最大で
従動プーリ径が最小)において、これらの条件を加味し
て設定されている。またこの下端位置については、逆の
巻き付き状態で前記条件を加味して決定される。なお、
この開口長さが大となるときには中間に適宜リブを配設
することができる。
【0047】このような構成によれば、駆動プーリに供
給され遠心力によって駆動プーリ外周へ伝わった駆動プ
ーリの作動油あるいはプーリ潤滑油と、ベルトに供給さ
れた潤滑油のうち駆動プーリに接して駆動プーリに伝達
された潤滑油とは、ともに駆動プーリから回転による遠
心力でプーリ外周へ飛ばされるが、このようにして駆動
プーリから飛散する潤滑油は両プーリの外周を結ぶ接線
方向へ飛ばされる油量が最も多いことが実験的に確認さ
れている。従って、上記のように構成することにより、
作動油あるいは潤滑油を効率よくオイルパンへ戻すこと
ができる。
【0048】なお、これらの排出油路の入口開口41の
プーリ軸方向の幅は駆動プーリ8の最外周におけるプー
リV溝幅の最大幅と同一としている。駆動プーリの最大
幅とは駆動プーリ8の固定プーリ半体8aに対し、移動
プーリ半体8bが最も開いたときにとり得る幅をいう。
ここで、プーリV溝幅≧ベルト幅の関係から、ベルト1
0から放出される潤滑油の幅は入口開口41の幅以下で
あり、このような幅と長さの入口開口を設けることによ
りベルトから放出される潤滑油の大部分はこの入口開口
を通して排出油路に排出することができる。なお、この
入口開口の幅は、そのコンパクト性・排出性能を考慮
し、プーリV溝最大幅の 3/2程度に納めることが好まし
い。
【0049】駆動プーリ8及び従動プーリ9のV溝面か
ら遠心力でプーリの円周方向に飛ばされた潤滑油はプー
リ室R1の内壁面に衝突した後、重力に従いこの内壁面
を伝って下方に流れ落ちる。このうち、図1中駆動プー
リ8の直上部から右側の下向き内壁面に衝突した潤滑油
は、この内壁面を図中右下方向に流れ、先の排出油路の
入口開口41を通りオイルパン26に排出される。ま
た、従動プーリ9の直上部から左側のプーリ室R1内壁
面に衝突した潤滑油は、この円周部左側の内壁面を伝っ
て流れる。そこで両プーリの中間部にはこの潤滑油を排
出するために排出油路の入口開口開口42が設けられて
いる。
【0050】この排出油路の入口開口42の潤滑油流れ
方向下流側端部には、プーリ室R1内に向けて突出しプ
ーリ軸方向に伸びる壁面43が形成されている。このた
め、この壁面を伝って流れ落ちる多量の潤滑油を確実に
この排出油路の入口開口42から排出できるよう構成さ
れている。そしてこの入口開口の幅(プーリ軸方向の開
口幅)は従動プーリ9の最外周におけるプーリV溝の最
大幅と同一もしくは最大幅以上とすることが望ましく、
本実施形態では可動プーリ半体9b方向に排出油路の入
口開口を拡大した例について示す。
【0051】また、このプーリ室R1内の駆動プーリ8
の下部外周には、駆動プーリ8の回転数を検出するため
に駆動プーリの固定プーリ半体8aに設けられた矩形状
突起部52を覆うカバー部材載51が取り付けられてい
る。このカバー部材51は、例えば図4に示すように、
鉄板等の板金を駆動プーリ8及びプーリ室R1の形状に
合わせてプレス成形したものをハウジングにボルト等を
用いて締結することによって構成することができる。
【0052】本実施形態におけるカバー部材51におい
ては固定プーリ半体外周を覆うカバー部材の一つの端部
51aを排出油路の入口開口41の開口端までとし、他
方の端部51bはプーリ室R1内壁面から離れて配設さ
れるされるように形成している。またこのカバー部材5
1の取り付け姿勢における最底部にはこのカバー内の潤
滑油をオイルパンに排出する排出油路の入口開口51c
が設けられている。なお駆動プーリ8の回転数検出用突
起部52、回転数検出器53,カバー部材51の相対位
置関係を図5中に示す。
【0053】このように構成された無段変速装置では、
プーリ室内壁面を伝って流下する潤滑油量が増加し、プ
ーリ室内壁の下向き面から直接滴下する潤滑油や、回転
する駆動プーリ8,従動プーリ9,ベルト10から飛ば
され、前記排出油路76,77の入口開口41,42よ
り下方のプーリ室内壁面に衝突する潤滑油等が増加し、
プーリ室下部にたまるような状況になった場合でもカバ
ー部材51が一つの壁面を構成しているためこの壁面に
よって仕切られ潤滑油を撹拌するような状況が起こらな
い。
【0054】またこのカバー内にはプーリの回転により
衝突する潤滑油が流れることになるが、前記のようにカ
バー部材51によりカバー部材内部に侵入する潤滑油量
が減少し、しかもプーリの回転方向は車両が後退すると
き(前後進切換装置3により無段変速装置の入力軸の回
転方向が逆となったとき)を除き一定方向(図中の矢印
方向)であることからカバー部材51内部での潤滑油の
流れ方向も一定方向となり、プーリに対するフリクショ
ン(回転抵抗)の増加を抑制することができる。
【0055】またこのカバー部材51の端部51bは、
図1に示すようにプーリ室R1内壁面から離れて配設さ
れる。このような構成により、この壁面を流れ落ちる潤
滑油がカバー部材51の内部に流入することがない。こ
の方向からの潤滑油の流入はプーリの回転方向と逆方向
であり、駆動プーリと流れ落ちる潤滑油とが接触する場
合には駆動プーリに対して大きな抵抗損失となるが、こ
のように壁面から離してカバー部材51を構成すること
により、カバー部材内部に流入する潤滑油量を低減化す
ることができるとともに、この抵抗損失を低減すること
ができる。
【0056】このようにして、プーリ室R1内で駆動プ
ーリ8従動プーリ9ベルト10等を潤滑し、また両プー
リのプーリ幅制御のため用いられた潤滑油および作動油
は、車両の進行方向の前方に位置する排出油路76の入
口開口41及び後方に位置する排出油路77の入口開口
42及びプーリ室R1底部に設けられた排出油路の入口
開口44等を通して無段変速装置の入出力軸に直交する
水平方向におけるオイルパン26の両側部(車両の前方
側部および後方側部)近傍に排出される。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用変速機では、駆動プーリと従動プーリとこれら両プー
リに巻き掛けられてトルクを伝達する駆動ベルトとから
なる伝動装置と、この伝動装置を収納する伝動装置収納
室と、この伝動装置の作動油あるいは潤滑油を溜めるオ
イルパンとを備える車両用変速機において、前記伝動装
置収納室内壁の、駆動プーリの最大径と従動プーリの最
小径とがつくる円の外周上側を結ぶ接線方向部に伝動装
置収納室内の作動油あるいは潤滑油をオイルパンに排出
する排出油路の入口開口を設けて構成する。このように
構成することにより駆動ベルトから飛散する潤滑油をこ
の排出油路の入口開口を通して効果的にオイルパンに排
出することができる。従って、伝動装置収納室の内壁面
を流れ落ちる潤滑油や、伝動装置収納室の下部にたまる
潤滑油量を減少させることができ、下部オイルパンの油
量を確保することが容易となり、またプーリによる潤滑
油の撹拌を防止することができる。そしてこの結果、伝
動装置の回転損失の低減を図り、潤滑油の寿命延長を図
ることができる。
【0058】また、本発明に係る他の車両用変速機で
は、駆動プーリと従動プーリとこれら両プーリに巻き掛
けられてトルクを伝達する駆動ベルトとからなる伝動装
置と、この伝動装置を収納する伝動装置収納室と、この
伝動装置の作動油あるいは潤滑油を溜めるオイルパンと
を備える車両用変速機において、前記伝動装置収納室内
壁の前記両プーリの外周上側を結ぶ接線方向部に伝動装
置収納室内の作動油あるいは潤滑油をオイルパンに排出
する排出油路の入口開口を設けて構成する。このように
構成することにより駆動プーリを伝達して駆動プーリ外
周から飛散する作動油あるいは潤滑油を排出油路を通し
て効率的にオイルパンに戻してやることができる。従っ
て、伝動装置収納室の内壁面を流れ落ちる潤滑油や、伝
動装置収納室の下部にたまる潤滑油量を減少させること
ができ、プーリによる潤滑油の撹拌を防止することがで
きる。そしてこの結果、伝動装置の回転損失の低減を図
り、潤滑油の寿命延長を図ることができる。
【0059】また、このような伝動装置収納室には、駆
動プーリと従動プーリの外周を結ぶ接線の略中間部に、
伝動装置の潤滑油をオイルパンに排出する排出油路の入
口開口を設けるとともに、この排出油路の入口開口の近
傍に収納室の内部方向に突出し、プーリ軸方向に伸びる
壁面を構成することが望ましい。このような構成によれ
ば、エンジンの回転数が高回転となり、伝動装置内壁面
を流れ落ちる潤滑油量が増加したときでも、この突出す
る壁面により潤滑油を排出油路の入口開口に導くことが
でき、この排出油路の入口開口より下方に流れる潤滑油
を減少させることができる。従って、伝動装置収納室の
下部にたまる潤滑油量を減少させることができ、ひいて
は、伝動装置の回転損失の低減、潤滑油の寿命延長を図
ることができる。
【0060】そして、以上のような排出油路の入口開口
の幅、あるいは突出する壁面の長さは、駆動プーリある
いは従動プーリの外周における最大幅と同一もしくは最
大幅以上とすることが望ましい。このような構成によれ
ば、飛散する潤滑油や内壁面を伝って流れる潤滑油を効
果的に伝動室外へ排出することができ、伝動装置収納室
の下部にたまる潤滑油量を効果的に減少させることがで
きる。そしてこれらの結果、伝動装置の回転損失の低
減、潤滑油の寿命延長を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用変速機の第1室(プーリ
室)内部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る車両用変速機のハウジングを下方
より見た断面図である。
【図3】前記プーリ室の部分断面図である。
【図4】プーリ室内に取り付けられるカバー部材であ
る。このうち図(a)は正面図を、図(b)は側面図を示
す。
【図5】本発明に係る車両用変速機の構成を示す説明図
である。
【図6】本発明に係る車両用変速機の構成を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 車両用変速機 2 ハウジング 4 無段変速装置(ベルト式無段変速装置) 5 発進装置(スタートクラッチ) 6 減速装置(ギア列31〜34) 7 差動装置(ディファレンシャル機構) 8 駆動プーリ 9 従動プーリ 10 駆動ベルト(ベルト) 26 オイルパン 41 排出油路の入口開口(第1室、プーリ室) 51 カバー部材 52 突起部(駆動プーリ回転数検出用突起) 72 排出油路 R1 伝動装置収納室(第1室、プーリ室) R2 第2室
フロントページの続き (72)発明者 大山 英士 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鈴木 英二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 内山 直樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D039 AA04 AA14 AA15 AB00 AC34 AC65 AC67 AD48 AD53 3G013 BB14 BC06 BD41 BD47 CA14 3J063 AA01 AB22 AC04 BB42 BB50 CA01 CD41 XD47 XE17 XE22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動プーリと従動プーリと両プーリに巻
    きかけられてトルクを伝達する駆動ベルトとからなる伝
    動装置と、 前記伝動装置を収納する伝動装置収納室と、 前記伝動装置の作動油あるいは潤滑油を溜めるオイルパ
    ンとを備えた車両用変速機において、 前記伝動装置収納室内壁の、前記駆動プーリの最大径お
    よび前記従動プーリの最小径がつくる円の外周を結ぶ接
    線方向部に、前記収納室内の作動油あるいは潤滑油を前
    記オイルパンへ排出する排出油路の入口開口を設けたこ
    とを特徴とする車両用変速機。
  2. 【請求項2】駆動プーリと従動プーリと両プーリに巻き
    かけられてトルクを伝達する駆動ベルトとからなる伝動
    装置と、 前記伝動装置を収納する伝動装置収納室と、 前記伝動装置の作動油あるいは潤滑油を溜めるオイルパ
    ンとを備えた車両用変速機において、 前記伝動装置収納室内壁の、前記両プーリ外周上側を結
    ぶ接線方向部に、前記収納室内の作動油あるいは潤滑油
    を前記オイルパンへ排出する排出油路の入口開口を設け
    たことを特徴とする車両用変速機。
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