JP2000068946A - 光送信器 - Google Patents

光送信器

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JP2000068946A JP10236791A JP23679198A JP2000068946A JP 2000068946 A JP2000068946 A JP 2000068946A JP 10236791 A JP10236791 A JP 10236791A JP 23679198 A JP23679198 A JP 23679198A JP 2000068946 A JP2000068946 A JP 2000068946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光信号の遷移時間(立ち上がり/立ち下がり時
間)の温度依存性を抑制し、広温度範囲において遷移時
間が安定な光送信器を提供することを目的とする。 【解決手段】駆動電流を生成する電流源3と、該駆動電
流に導通/遮断の制御を行う変調器2と、変調器の出力
電流を受けて光信号を生成する発光素子1を有する光送
信器において、温度検出器6と、該温度検出器6の出力
信号に応じて変調器2に与える変調制御信号のスルーレ
イトを制御可能な増幅器4とを、備えたことを特徴とす
る光送信器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号を光信号
に変換する光送信器に係り、特に光信号の遷移時間(立
ち上がり時間/立ち下がり時間)の安定化を実現する波
形整形方式を有する光送信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に、特開平2−215239に記載
されている従来の光送信器の構成を示す。この光送信器
は、増幅器4と、変調器2と、電流源3と、発光素子1
とにより構成されている。端子N1,N2に、それぞれ
データ信号の正相,逆相を入力する。データ信号は、ト
ランジスタQ3〜Q8と電流源I1と抵抗R1〜R4で
構成する増幅器4にて増幅され、変調器2のトランジス
タQ1,Q2のベースに入力される。変調器2は、ベー
ス入力信号に応じて、電流源3で生成した駆動電流の導
通/遮断の制御を行う。この結果、トランジスタQ1の
コレクタに接続された発光素子1に変調電流信号が出力
され、発光素子1より光信号が生成される。
【0003】しかしながら、この光送信器は、動作温度
によって光信号の立ち上がり/立ち下がり時間が異なる
という現象が発生する。これは、変調器を構成するバイ
ポーラトランジスタもしくは電界効果型トランジスタの
温度特性に起因するものである。
【0004】(数1)および(数2)は、それぞれ、バ
イポーラトランジスタおよび電界効果型トランジスタに
よる変調器の入出力特性(変調電流−差動入力電圧特
性)を示すものである。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】但し、
【0008】
【数3】
【0009】であり、Imは変調電流、△Vは差動入力電
圧、Isは電流源電流、qは電荷、KBはボルツマン定
数、Tは絶対温度、Wはゲート幅、Lはゲート長、Coは単
位面積あたりのゲート容量、Dは拡散定数である。
【0010】(数1),(数2)は、それぞれ、「△V/
T」という項を含む。従って、変調器の入出力特性は、
動作温度により変化する。
【0011】図2は、従来の変調制御信号を使って得ら
れる変調電流信号波形の温度依存性を説明する図であ
る。図2aに示す変調器は、動作温度がT1からT2に
上昇した場合、図2cに示すように入出力特性(差動入
力電圧に対する変調電流)の傾きが減少する特性とな
る。一方、入出力特性の傾きの減少に伴って、差動入力
電圧の線形入力範囲が拡大する。
【0012】従来の光送信器は、このような温度特性を
持つ変調器に対して、図2bに示す動作温度に対して一
定の電圧振幅で入力信号を与えていた。一方、変調電流
信号の立ち上がり/立ち下がり時間は、線形入力電圧範
囲における変調制御信号の遷移時間で決定される。この
温度依存性のため、動作温度によって入出力特性の傾き
が変化した場合には、図2dに示したように変調電流信
号の立ち上がり/立ち下がり時間が変化する。したがっ
て、変調電流信号より生成される光信号は、立ち上がり
/立ち下がり時間に温度特性を有するものとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
光送信器では、動作温度によって光信号の立ち上がり/
立ち下がり時間が変化するため、広動作温度範囲におい
て安定した光信号波形を得ることが困難であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、光信号の立
ち上がり/立ち下がり時間の温度依存性を抑制し、広温
度範囲において立ち上がり/立ち下がり時間が安定な光
送信器を提供することを目的とする。上記目的を達成す
るため、本発明は、駆動電流を生成する電流源と、該駆
動電流に導通/遮断の制御を行う変調器と、変調器の出
力電流を受けて光信号を生成する発光素子を有する光送
信器において、温度検出器と、該温度検出器の出力信号
に応じて変調器に与える変調制御信号のスルーレイトを
制御可能な増幅器とを、備えた光送信器を提供する。
【0015】本発明に係る光送信器では、増幅器が、変
調器の入出力特性を補償するように変調制御信号のスル
ーレイトを制御する。このため変調制御信号の遷移時間
が変調器の線形入力電圧範囲においてがほぼ一定とな
り、変調電流信号の立ち上がり/立ち下がり時間の温度
依存性が抑制される。したがって、変調電流信号より生
成する光信号も、動作温度の変化に対して、立ち上がり
/立ち下がり時間がほぼ一定に保たれる。
【0016】
【発明の実施の形態】図3に、本発明に係る光送信器の
実施例を示す。この光送信器は、増幅器4と、変調器2
と、電流源3と、発光素子1と、温度検出器6とにより
構成されている。端子N1,N2に、それぞれ、光送信
器の外部より正相,逆相のデータ信号を入力する。トラ
ンジスタQ3〜Q6,抵抗R1〜R3,電流源I0〜I
4により構成する増幅器4は、データ信号の増幅および
レベルシフトを行う。トランジスタQ1,Q2にて構成
する変調器2は、増幅器4の出力信号に応じて、電流源
3が出力する駆動電流を導通/遮断し、トランジスタQ
1のコレクタに変調電流信号を生成する。光信号は、発
光素子1に変調電流信号を与えて生成される。温度検出
器6は、変調器2の温度を測定すること望ましいが、変
調器2と発光素子1との温度差が少ない場合には、発光
素子1の制御用に用いる温度検出器と兼用しても構わな
い。
【0017】ここで、温度検出器6と接続する電流源I
0は、温度検出器6の温度検出信号に応じて出力電流を
制御するものである。電流源I0は、動作温度の上昇に
伴って出力電流が増加するように設定する。電流源I0
に温度特性を持たせたことで、増幅器4の出力信号の電
圧振幅に温度依存性を与えている。この電圧振幅に温度
依存性を与えた結果、単位時間当たりの電圧変化量であ
るスルーレイト(V/s)にも、温度依存性が与えられ
ている。
【0018】図4は、この実施例の変調制御信号を使っ
て得られる変調電流信号波形の温度依存性を説明する図
である。図4aに示す変調器は、動作温度がT1からT
2に上昇した場合、図4cに示すように入出力特性(差
動入力電圧に対する変調電流)の傾きが減少する特性と
なる。一方、温度検出器6によって検出された温度によ
って、電流源3の差動電圧を制御し、温度がT2に上昇
したときには、図4cに示すようにスルーレイトを増加
させる。これによって、図4cに示す変調器の入出力特
性であっても、それを補償し、図4dに示すように、変
調電流信号の立ち上がり/立ち下がり時間の温度特性を
抑制する。
【0019】なお、本実施例では、電圧振幅に温度依存
性を与えることによって、間接的にスルーレイトに温度
依存性を付与しているが、直接スルーレイトに温度依存
性を付与しても構わない。
【0020】温度検出器6と接続する電流源3は、動作
温度の上昇に伴って駆動電流を増加するように設定す
る。電流源3に温度特性を持たせることで、発光素子1
の電流に対する発光特性であるスロープ効率の温度特性
をも補償し、光信号のパワー変動を抑制することができ
る。
【0021】本実施例では、温度検出器6によって検出
された温度を電流源3以外の増幅器2内部の電源I2,
I3,I4にも温度特性を持たせることで、特性が改善
される。
【0022】この時、変調器2が電流源3の駆動電流に
応じて入力電流が変化する特性であるため、増幅器4の
出力段エミッタホロワの電流源I2,I3の出力電流
を、電流源3と同じ温度検出信号を用いて制御するもの
とした。増幅器4より出力される電流信号の電流駆動能
力を温度検出信号に応じて変化させることで、変調器2
に広温度範囲において安定した電流切換特性が与えられ
る。
【0023】さらに温度検出器6と接続する電流源I4
は、増幅器4の出力信号の直流レベルを変化するもので
ある。変調器2は、変調器2を構成するトランジスタQ
1のベース−コレクタ間電圧が変化した際に、ベース−
コレクタ間の寄生容量が変化してしまい、光信号波形を
変化させてしまうことが知られている(特開平9−83
456号公報)。特にレーザダイオードあるいは発光ダ
イオードなどの発光素子1を変調器2に接続した際に
は、温度に応じて発光素子1の順方向電圧が変動するた
め、トランジスタQ1のコレクタ電位が変化してしま
う。そのため変調器2の入力信号の直流レベルを一定と
した場合には、動作温度に応じてトランジスタQ1のベ
ース−コレクタ間電圧が変動し、寄生容量を変化させて
しまう。そこで、本実施例では電流源I4に温度特性を
持たせることにより、増幅器4の出力信号の直流レベル
を変化させる構成とした。発光素子1の順方向電圧が変
化した場合でも、トランジスタQ1のベース−コレクタ
間電圧がほぼ一定となるように制御されるため、寄生容
量の温度依存性を抑制することができる。
【0024】以上の特徴により、本実施例に示す光送信
器は、光信号パワーと光信号波形が温度変化に対してほ
とんど影響されないため、広い温度範囲において安定し
た光送信特性を実現する。
【0025】図5に、本発明に係る光送信器の他の実施
例を示す。この光送信器は、フリップフロップ回路8
と、パルス幅制御回路7と、増幅器4と、変調器2と、
電流源3と、発光素子1と、温度検出回路6と、APC
(Automatic Power Control)
回路とにより構成されている。端子N3,N4に、それ
ぞれデータ信号,クロック信号を入力する。フリップフ
ロップ回路8は、クロック信号に同期してデータ信号を
取り込み、デューティ比が50%のパルス信号を生成す
る。パルス幅制御回路7および増幅器4では、温度検出
器6の出力信号に応じて、それぞれパルス信号のデュー
ティおよび信号振幅を補正する。この電圧振幅に温度依
存性を与えた結果、単位時間当たりの電圧変化量である
スルーレイト(V/s)にも、温度依存性が与えられて
いる。上記構成により、発光素子1にて生成する光信号
は、デューティおよび立ち上がり/立ち下がり時間の温
度依存性が抑制されたものとなる。
【0026】電流源3A,3Bは、温度検出器6および
光出力制御回路10の出力信号に応じて、それぞれ、駆
動電流の制御を行うものである。電流源3Aは、発光素
子1のスロープ効率の温度特性を補償するように駆動電
流の制御を行う。また電流源3Bは、電流源3B,変調
器2,発光素子1,受光素子9,リファレンス生成回路
5,光出力制御回路10にて構成する負帰還ループをも
ちいて、発光素子1が一定の光量を、保つ様制御する。
このAPC回路によって、発光素子1のスロープ効率の
経年劣化を補償することができる。
【0027】本実施例では、光信号波形のデューティお
よび立ち上がり/立ち下がり時間の温度依存性が抑制さ
れ、さらに、発光素子1におけるスロープ効率の温度特
性および経年劣化が補償され、安定した光パワーが得ら
れる。
【0028】以上説明した各種の光伝送器は、図示しな
い光受信器と組み合わせることで光伝送システムとな
る。上述の光伝送器を用いることにより、光送信器より
出力される光信号は広温度範囲においても、光パワーお
よび立ち上がり/立ち下がり時間の変動が抑制されたも
のとなる。温度依存性を抑制した光信号を光受信器に与
えるので、光信号から電気信号に変換する際の誤り率
(ビットエラーレイト)も温度による変動を抑制したも
のとなり、広温度範囲において安定な光伝送システムを
実現できる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、光信号の立ち上がり/
立ち下がり時間の温度依存性を抑制できるので、広温度
範囲において遷移時間が安定な光送信器を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光送信器の構成を示す図である。
【図2】従来の光送信器の変調制御信号と変調電流信号
の波形の温度依存性を示す図である。
【図3】本発明の実施例の光送信器の構成を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施例の光送信器の変調制御信号と変
調電流信号の波形の温度依存性を示す図である。
【図5】本発明の実施例の光送信器の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】 1…発光素子、2…変調器、3…電流源、 4…増幅
器、5…リファレンス生成回路、6…温度検出器、7…
パルス幅制御回路、8…フリップフロップ、 9…受
光素子、10…光出力制御回路、 R1〜
R4…抵抗、Q1〜Q8…トランジスタ、I0〜I4…
電流源、N1,N2…データ信号の入力端子(正相,逆
相)、N3…クロック信号の入力端子、N4…データ信
号の入力端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03F 1/30 3/08 Fターム(参考) 5J090 AA01 AA24 AA26 AA42 AA66 CA02 CA65 CN02 FA08 FA09 FN07 FN09 HA02 HA25 HA43 HA44 HN13 HN20 KA02 KA05 KA07 KA09 KA12 KA47 KA53 MA01 MA08 MA10 MA21 SA14 TA01 TA06 5J092 AA01 AA24 AA26 AA42 AA66 CA02 CA65 FA08 FA09 HA02 HA25 HA43 HA44 KA02 KA05 KA07 KA09 KA12 KA47 KA53 MA01 MA08 MA10 MA21 SA14 TA01 TA06 UL07 UM00 VM06 VM16 5K002 AA02 BA31 CA08 CA11 DA07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子と、前記発光素子を駆動する変調
    電流を生成する変調器と、前記変調器の電流源と、温度
    検出器と、データ信号を入力され前記変調電流に変調制
    御信号を与える増幅器とからなる光送信器であって、 前記増幅器は、前記温度検出器の出力に応じて前記変調
    制御信号のスルーレイトを制御することを特徴とする光
    送信器。
  2. 【請求項2】発光素子と、前記発光素子を駆動する変調
    電流と生成する変調器と、前記変調器の電流源と、温度
    検出器と、データ信号とクロック信号とを入力され前記
    データ信号を波形整形するフリップフロップ回路と、前
    記フリップフロップ回路からの波形整形されたデータ信
    号を入力され前記変調電流に変調制御信号を与える増幅
    器とからなる光送信器であって、 前記増幅器は、前記温度検出器の出力に応じて前記変調
    制御信号のスルーレイトを制御することを特徴とする光
    送信器。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の光送信器
    であって、 前記スルーレイトの制御として、前記変調制御信号の振
    幅を制御することを特徴とする光送信器。
  4. 【請求項4】請求項2記載の光送信器であって、 前記フリップフロップ回路と前記増幅器との間にパルス
    幅制御回路とを含む光送信器。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2に記載の光送信器
    であって、 前記温度検出器の出力に応じて前記電流源の電流出力能
    力を制御することを特徴とする光送信器。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項2に記載の光送信器
    であって、 前記温度検出器の出力に応じて、前記増幅器の出力段の
    電流を制御する第2の電流源を備えたことを特徴とする
    光送信器。
  7. 【請求項7】請求項1または請求項2に記載の光送信器
    であって、 前記温度検出器の出力に応じて、前記発光素子に与える
    バイアス電流を変化させる第3の電流源を備えたことを
    特徴とする光送信器。
  8. 【請求項8】請求項1または請求項2に記載の光送信器
    であって、 前記温度検出器の信号に応じて、前記変調制御信号の直
    流レベルを制御することを特徴とする光送信器。
  9. 【請求項9】請求項1または請求項2に記載の光送信器
    であって、 前記発光素子の出力をモニターし、電気信号を出力する
    受光素子と、基準レベルを出力するリファレンス生成回
    路と、前記電気信号の振幅レベルまたは平均レベルと前
    記基準レベルとの関係に応じて光出力制御信号を出力す
    る光出力制御回路と、該光出力制御信号に応じて前記変
    調器に与える駆動電流を変化させる第4の電流源を備え
    たことを特徴とする光送信器。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の光送信器であって、 前記光出力制御信号に応じて前記発光素子に与えるバイ
    アス電流を変化させる第5の電流源を備えたことを特徴
    とする光送信器。
  11. 【請求項11】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9または10に記載の光送信器と、光送信器より出
    力される光信号を電気信号に交換する光受信器とを備え
    ることを特徴とする光伝送システム。
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