JP2000067398A - 車両の走行安全装置 - Google Patents

車両の走行安全装置

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JP2000067398A
JP2000067398A JP10238543A JP23854398A JP2000067398A JP 2000067398 A JP2000067398 A JP 2000067398A JP 10238543 A JP10238543 A JP 10238543A JP 23854398 A JP23854398 A JP 23854398A JP 2000067398 A JP2000067398 A JP 2000067398A
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賢二 小▲高▼
Tomoyuki Niimura
智之 新村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーブの出口部分において自車および対向車
の衝突可能性の誤判定が行なわれるのを未然に防止す
る。 【解決手段】 物体検出手段4で検出した対向車の状態
と、移動軌跡推定手段M1で推定した自車の将来の移動
軌跡とに基づいて、相対横偏差算出手段M2が自車と対
向車との相対横偏差を算出し、前記相対横偏差が所定範
囲内にある場合に、接触可能性判定手段M3が自車と対
向車とが接触する可能性が有ると判定すると、接触を未
然に防止すべく接触回避手段M6が接触回避操舵を行な
う。カーブ出口検出手段M4が自車がカーブの出口部分
に接近したことを検出すると、補正手段M5が前記相対
横偏差を減少方向に補正するので、カーブの出口部分に
おいて自車と対向車との接触可能性が高めに誤判定され
るのを確実に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダー装置等の
物体検出手段を用いて自車が対向車に接触するのを防止
する車両の走行安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる車両の走行安全装置は、特開平7
−14100号公報により既に知られている。
【0003】上記公報に記載されたものは、自車が対向
車線に進入して対向車と衝突する可能性がある場合に、
ドライバーに自発的な衝突回避操作を促すための警報を
発したり、自車を自動的に制動したりした対向車との衝
突を回避するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3に示す
ように、車速Viおよびヨーレートγiに基づいて推定
した自車Aiの将来の移動軌跡から、自車Aiの車体軸
線を基準とした横移動量Y1 を算出するとともに、レー
ダー装置により自車Aiの車体軸線を基準とした対向車
Aoの相対横距離Y2 を算出し、前記横移動量Y1 およ
び前記相対横距離Y2 を比較することにより自車Aiお
よび対向車Aoの衝突可能性を判定することが考えられ
る。このような手法を採用した場合、図8に示すよう
に、左側通行の道路で自車Aiが右カーブの出口に差し
掛かかるとドライバーがカーブ路から直線路に移行すべ
くステアリングホイールを左方向に操舵するため、実際
に発生する横移動量は推定した横移動量Y1 よりも小さ
くなる。その結果、実際には衝突の可能性が無いにも拘
わらず、衝突の可能性が有ると誤判定されてしまい、不
必要な衝突回避制御が実行されてドライバーに違和感を
与える可能性がある。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、カーブの出口部分において自車および対向車の衝突
可能性の誤判定が行なわれるのを未然に防止することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、自車の進行方向に存
在する物体を検出する物体検出手段と、自車の将来の移
動軌跡を推定する移動軌跡推定手段と、物体検出手段に
よる検出結果および前記自車の将来の移動軌跡に基づい
て自車と対向車との相対横偏差を算出する相対横偏差算
出手段と、相対横偏差算出手段で算出した相対横偏差が
所定範囲内にあるときに自車と対向車とが接触する可能
性が有ると判定する接触可能性判定手段と、自車がカー
ブの出口部分に接近したことを検出するカーブ出口検出
手段と、カーブ出口検出手段による検出結果に基づいて
前記相対横偏差を補正する補正手段とを備えたことを特
徴とする。
【0007】上記構成によれば、物体検出手段で検出し
た対向車の状態と、移動軌跡推定手段で推定した自車の
将来の移動軌跡とに基づいて、相対横偏差算出手段が自
車と対向車との相対横偏差を算出し、接触可能性判定手
段が前記相対横偏差が所定範囲内にある場合に自車と対
向車とが接触する可能性が有ると判定する。カーブ出口
検出手段が自車がカーブの出口部分に接近したことを検
出すると、補正手段が前記相対横偏差を補正するので、
カーブの出口部分において自車と対向車との接触可能性
が高めに誤判定されるのを確実に防止することができ
る。
【0008】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、接触可能性判定手段が自車と対向車
とが接触する可能性が有ると判定したときに接触回避操
舵を行なう接触回避手段を備えたことを特徴とする。
【0009】上記構成によれば、自車と対向車とが接触
する可能性が有る場合に接触回避手段が接触回避操舵を
行なうので、自車と対向車との接触を未然に防止するこ
とができる。
【0010】また請求項3に記載された発明は、請求項
1または2の構成に加えて、カーブ出口検出手段は、撮
像手段で撮像した自車の進行方向の道路状況に基づい
て、自車がカーブの出口部分に接近したことを検出する
ことを特徴とする。
【0011】上記構成によれば、カーブの出口部分を撮
像手段で撮像した自車の進行方向の道路状況に基づいて
検出するので、確実な検出が可能になる。
【0012】また請求項4に記載された発明は、請求項
1または2の構成に加えて、カーブ出口検出手段は、操
舵角検出手段で検出したドライバーによる旋回状態から
直進状態へのステアリング戻し操作に基づいて、自車が
カーブの出口部分に接近したことを検出することを特徴
とする。
【0013】上記構成によれば、カーブの出口部分を操
舵角検出手段で検出したドライバーによる旋回状態から
直進状態へのステアリング戻し操作に基づいて検出する
ので、確実な検出が可能になる。
【0014】また請求項5に記載された発明は、請求項
1〜4の何れかの構成に加えて、移動軌跡推定手段で推
定した移動軌跡に基づいて自車の将来の横移動量を算出
する横移動量算出手段を備えてなり、補正手段は前記横
移動量を減少させるように補正することを特徴とする。
【0015】上記構成によれば、横移動量算出手段で算
出した自車の将来の横移動量を補正手段が減少させる方
向に補正するので、カーブの出口部分で前記横移動量が
実際よりも多めに算出されるのを防止することができ
る。
【0016】また請求項6に記載された発明は、請求項
5の構成に加えて、補正手段は、ドライバーによるステ
アリング戻し速度が大きいほど前記横移動量が小さくな
るように補正することを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、ドライバーによるステ
アリング戻し速度が大きいほど前記横移動量が小さくな
るように補正するので、カーブの出口部分における横移
動量の誤差を的確に補正することができる。
【0018】また請求項7に記載された発明は、請求項
5の構成に加えて、補正手段は、カーブにおける旋回半
径が小さいほど前記横移動量が小さくなるように補正す
ることを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、カーブにおける旋回半
径が小さいほど前記横移動量が小さくなるように補正す
るので、カーブの出口部分における横移動量の誤差を的
確に補正することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0021】図1〜図8は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は走行安全装置を備えた車両の全体構成図、図
2は走行安全装置のブロック図、図3は自車Aiおよび
対向車Aoの相対関係を示す図、図4は電子制御ユニッ
トの機能の説明図、図5は正面衝突回避制御手段の回路
を説明するブロック図、図6は衝突回避制御ルーチンの
フローチャート、図7は操舵速度dθ/dtおよび旋回
半径Rに基づいて補正係数K1 を検索するマップ、図8
はカーブの出口における横移動量Y1 および補正横移動
量Y1 ′を説明する図である。
【0022】図1および図2に示すように、左右の前輪
Wf,Wfおよび左右の後輪Wr,Wrを備えた車両
は、操舵輪である左右の前輪Wf,Wfを操舵するため
のステアリングホイール1と、ドライバーによるステア
リングホイール1の操作をアシストする操舵力および衝
突回避のための操舵力を発生する電動パワーステアリン
グ装置2とを備える。電動パワーステアリング装置2の
作動を制御する電子制御ユニットUには、レーダー3に
連なるレーダー情報処理装置4と、カメラ5に連なる画
像処理装置6と、各車輪Wf,Wf;Wr,Wrの回転
数を検出する車速センサS1 …と、車体のヨーレートを
検出するヨーレートセンサS2 と、ステアリングホイー
ル1の操舵角を検出する操舵角センサS3 と、ドライバ
ーによりステアリングホイール1に加えられる操舵トル
クを検出する操舵トルクセンサS4とからの信号が入力
される。電子制御ユニットUは、レーダー情報処理装置
4、画像処理装置6および各センサS1 …,S2
3 ,S4 からの信号に基づいて電動パワーステアリン
グ装置2の作動を制御するとともに、液晶ディスプレイ
よりなる表示器7およびブザーやランプよりなる警報器
8の作動を制御する。
【0023】レーダー3は自車前方の左右方向所定範囲
に向けて電磁波を送信し、その電磁波が物体に反射され
た反射波を受信するもので、本発明の物体検出手段を構
成するレーダー情報処理装置4は、レーダー3からの信
号に基づいて自車Aiおよび対向車Aoの相対的な位置
関係を算出する。図3に示すように、自車Aiおよび対
向車Aoの相対的な位置関係とは、自車Aiと対向車A
oとの相対距離ΔLと、自車Aiと対向車Aoとの相対
速度ΔV(すなわち、自車Aiの車速Viと対向車Ao
の車速Voとの差)と、自車Aiの車体軸線に対する対
向車Aoの相対横距離Y2 とである。相対横距離Y
2 は、自車Aiの車体軸線に対する対向車Aoの成す角
度βと、自車Aiおよび対向車Aoの相対距離ΔLとに
基づいて算出可能である。レーダー3は対向車Ao以外
に先行車や道路の静止物を検出するが、相対速度ΔVの
大きさに基づいて先行車や静止物から対向車Aoを判別
することができる。尚、本実施例では、1回の送受信で
自車Aiと対向車Aoとの上記相対関係(ΔL,ΔV,
β)を検出することができるミリ波レーダーが用いられ
る。
【0024】画像処理装置6は、本発明の撮像手段を構
成するカメラ5で撮像した自車前方の画像に基づいて道
路のセンターラインを検出し、検出したセンターライン
の曲がり具合によりカーブの出口部分(カーブ路から直
線路への移行部分)を判定する。
【0025】図4に示すように、電子制御ユニットUは
電動パワーステアリング制御手段11と、正面衝突回避
制御手段12と、切換手段13と、出力電流決定手段1
4とを備える。通常時は切換手段13が電動パワーステ
アリング制御手段11側に接続されており、電動パワー
ステアリング装置2は通常のパワーステアリング機能を
発揮する。すなわち、ステアリングホイール1に入力さ
れる操舵トルクと車速とに応じて出力電流決定手段14
がアクチュエータ15への出力電流を決定し、この出力
電流を駆動回路16を介してアクチュエータ15に出力
することにより、ドライバーによるステアリングホイー
ル1の操作がアシストされる。一方、自車Aiが対向車
Aoと正面衝突する可能性がある場合には切換手段13
が正面衝突回避制御手段12側に接続され、正面衝突回
避制御手段12でアクチュエータ15の駆動を制御する
ことにより、対向車Aoとの正面衝突を回避するための
自動操舵が実行される。この自動操舵の内容は後から詳
述する。
【0026】図5に示すように、電子制御ユニットUの
正面衝突回避制御手段12の内部には、移動軌跡推定手
段M1と、相対横偏差算出手段M2と、接触可能性判定
手段M3と、カーブ出口検出手段M4と、補正手段M5
と、接触回避手段M6と、横移動量算出手段M7とが設
けられる。
【0027】移動軌跡推定手段M1は、自車Aiの車速
Viおよび自車Aiのヨーレートγiに基づいて自車A
iの将来の移動軌跡を推定する。横移動量算出手段M7
は、移動軌跡推定手段M1で推定した移動軌跡に基づい
て、自車Aiの将来の横移動量Y1 を算出する。相対横
偏差算出手段M2は、自車Aiの将来の移動軌跡(すな
わち横移動量Y1 )と、物体検出手段4(レーダー情報
処理装置4)で検出した自車Aiと対向車Aoとの間の
相対距離ΔL、相対速度ΔVおよび角度βとに基づい
て、自車Aiと対向車Aoとの相対横偏差ΔYを算出す
る。
【0028】接触可能性判定手段M3は、前記相対横偏
差ΔYが−ε≦ΔY≦εの状態にあるとき、自車Aiお
よび対向車Aoが接触する可能性が有ると判定する。こ
のとき、カーブ出口検出手段M4が撮像手段5(カメラ
5)あるいは操舵角検出手段S3 (操舵角センサS3
の出力に基づいて自車Aiが右カーブの出口(左側通行
の場合)あるいは左カーブの出口(右側通行の場合)に
あることを判定すると、補正手段M5が自車Aiおよび
対向車Aoのの相対横偏差ΔYを補正する。そして接触
回避手段M6が、補正後の相対横偏差ΔYに基づいて、
自車Aiおよび対向車Aoの接触を回避すべく電動パワ
ーステアリング装置2を介して接触回避操舵を実行す
る。
【0029】次に、本発明の実施例の作用を図6のフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0030】先ず、図6のフローチャートのステップS
1で、レーダー情報処理装置4から電子制御ユニットU
に自車Aiと対向車Aoとの相対距離ΔLと、自車Ai
と対向車Aoとの相対速度ΔVと、自車Aiの車体軸線
に対する対向車Aoの相対横距離Y2 とを読み込む。続
くステップS2で、車速センサS1 …で検出した自車A
iの車速Viと、ヨーレートセンサS2 で検出した自車
Aiのヨーレートγiとに基づいて横移動量Y1 を算出
する。図3に示すように、横移動量Y1 は、自車Aiが
現在の対向車Aoの位置まで進行したときに発生する横
方向の移動量であって、次のようにして算出される。す
なわち、自車Aiが現在の対向車Aoの位置に達するま
での時間t1 は、相対距離ΔLを自車Aiの車速Viで
除算したΔL/Viで与えられるので、時間t1 =ΔL
/Viが経過したときの自車Aiの横移動量Y1 は、自
車Aiの車速Viおよび自車Aiのヨーレートγiを用
いると、 Y1 =(1/2)・Vi・γi・(ΔL/Vi)2 …(1) で与えられる。
【0031】続くステップS3で、画像処理装置6で検
出した道路のセンターラインの曲がり具合に基づいて、
自車Aiが左側通行の道路における右カーブの出口に差
し掛かっているか否かを判定する。ステップS3の答え
がYESで自車Aiが左側通行の道路における右カーブ
の出口に差し掛かっていると一応判定された場合には、
更にステップS4で、操舵角センサS3 で検出した操舵
角θに基づいてドライバーによるステアリングホイール
1の戻し操作があるか否かを判定する。すなわち、ステ
アリングホイール1を右方向に操舵したときの操舵速度
dθ/dtを正値とすると、前記操舵速度角dθ/dt
が負値であれば、右カーブの出口部分でドライバーがス
テアリングホイール1を左方向に戻し操作したことが確
認される。
【0032】而して、ステップS3およびステップS4
の何れかの答えがNOである場合には、自車Aiが右カ
ーブの出口に差し掛かっていないと最終的に判定し、ス
テップS7に移行する。ステップS7では、相対横距離
2 から横移動量Y1 を減算することにより、相対横偏
差ΔYを算出する。
【0033】 ΔY=Y2 −Y1 …(2) 図3から明らかなように、相対横偏差ΔYは、自車Ai
が現在の対向車Aoの位置まで進行したときに、現在の
対向車Aoの位置と、自車Aiの推定位置との間の横方
向の偏差に相当する。相対横偏差ΔYは正負の値を持
ち、本実施例の左側通行の場合には、Y2 >Y1 で相対
横偏差ΔYが正であれば自車Aiの推定移動軌跡は現在
の対向車Aoの位置の左側を通過し、Y2 <Y1 で相対
横偏差ΔYが負であれば自車Aiの推定移動軌跡は現在
の対向車Aoの位置の右側を通過する。そして、この相
対横偏差ΔYの絶対値が小さいほど、自車Aiが対向車
Aoに接触する可能性が高いことになる。
【0034】続くステップS8で、前記相対横偏差ΔY
が予め設定した範囲にあるか否かを判定する。すなわ
ち、自動車の車体の横幅に基づいて予め設定した所定値
ε(例えば2m)に基づく所定範囲に相対横偏差ΔYが
入っており、従って、 −ε≦ΔY≦ε …(3) が成立する場合には、自車Aiが対向車Aoに衝突する
可能性があると判定する。一方、前記(3)式が成立し
ないときには、自車Aiが対向車Aoの左側あるいは右
側をすり抜けて衝突が発生しないと判定して、衝突回避
のための自動操舵を実行せずにステップS1に復帰す
る。
【0035】続くステップS9で、衝突回避制御の開始
タイミングを決定すべく、自車Aiが衝突予測地点に達
するまでの時間t0 を算出し、この時間t0 を予め設定
した閾値τ0 とを比較する。自車Aiが衝突予測地点に
達するまでの時間t0 は、自車Aiおよび対向車Aoの
相対距離ΔLを相対速度ΔVで除算することにより算出
される。
【0036】 t0 =ΔL/ΔV …(4) また前記閾値τ0 は、ドライバーが自発的な衝突回避操
舵を開始するタイミングに相当するもので、実験的に求
められる。而して、ステップS9でt0 がτ0以下にな
ると、ステップS10で表示器7および警報器8を作動
させてドライバーに警報を発するとともに、衝突回避の
ための自動操舵を実行する。
【0037】一方、ステップS3およびステップS4の
両方の答えがYESである場合には、自車Aiが右カー
ブの出口に差し掛かっていると最終的に判定し、続くス
テップS5で前記横移動量Y1 に補正係数K1 を乗算し
たものを補正横移動量Y1 ′とする。
【0038】 Y1 ′=Y1 ・K1 …(5) 図7に示すマップは、カーブにおける自車Aiの旋回半
径Rと、操舵速度の絶対値|dθ/dt|とに基づいて
補正係数K1 を検索するためのものである。旋回半径R
は、画像処理装置6で検出したセンターラインの形状か
ら算出される。このマップから明らかなように、補正係
数K1 は旋回半径Rが小さいほど、また操舵速度の絶対
値|dθ/dt|が大きいほど小さくなり、それに伴っ
て補正横移動量Y1 ′の値も小さくなる。
【0039】図8は自車Aiが右カーブの出口に差し掛
かった状態を示しており、その横移動量Y1 は現在の車
速Viおよび現在のヨーレートγiに基づいて推定され
たものである。しかしながら、カーブ路から直線路に移
行する部分ではドライバーがステアリングホイール1を
左方向に操舵するため、実際に発生する横移動量は前記
横移動量Y1 よりも小さくなる。すなわち、横移動量Y
1 に1以下の補正係数K1 を乗算して減少方向に補正し
た補正横移動量Y1 ′が、カーブ路から直線路に移行す
る際に発生する実際の横移動量に近いものとなる。
【0040】而して、ステップS6で、相対横距離Y2
から補正横移動量Y1 ′を減算することにより、補正さ
れた相対横偏差ΔYを算出する。
【0041】 ΔY=Y2 −Y1 ′ …(6) そしてステップS8で、前記(3)式に基づいて衝突可
能性の判定を行なうことにより、カーブの出口において
も的確な判定を行なうことができる。
【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0043】例えば、実施例では横移動量Y1 を補正す
ることにより相対横偏差ΔYを補正しているが、将来の
自車Aiの移動軌跡をカーブ半径Rや操舵速度の絶対値
|dθ/dt|で補正することにより相対横偏差ΔYを
補正することもできる。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、カーブ出口検出手段が自車がカーブの出口部
分に接近したことを検出すると、補正手段が自車と対向
車との相対横偏差を補正するので、カーブの出口部分に
おいて自車と対向車との接触可能性が高めに誤判定され
るのを確実に防止することができる。
【0045】また請求項2に記載された発明によれば、
自車と対向車とが接触する可能性が有る場合に接触回避
手段が接触回避操舵を行なうので、自車と対向車との接
触を未然に防止することができる。
【0046】また請求項3に記載された発明によれば、
カーブの出口部分を撮像手段で撮像した自車の進行方向
の道路状況に基づいて検出するので、確実な検出が可能
になる。
【0047】また請求項4に記載された発明によれば、
カーブの出口部分を操舵角検出手段で検出したドライバ
ーによる旋回状態から直進状態へのステアリング戻し操
作に基づいて検出するので、確実な検出が可能になる。
【0048】また請求項5に記載された発明によれば、
横移動量算出手段で算出した自車の将来の横移動量を補
正手段が減少させる方向に補正するので、カーブの出口
部分で前記横移動量が実際よりも多めに算出されるのを
防止することができる。
【0049】また請求項6に記載された発明によれば、
ドライバーによるステアリング戻し速度が大きいほど前
記横移動量が小さくなるように補正するので、カーブの
出口部分における横移動量の誤差を的確に補正すること
ができる。
【0050】また請求項7に記載された発明によれば、
カーブにおける旋回半径が小さいほど前記横移動量が小
さくなるように補正するので、カーブの出口部分におけ
る横移動量の誤差を的確に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行安全装置を備えた車両の全体構成図
【図2】走行安全装置のブロック図
【図3】自車Aiおよび対向車Aoの相対関係を示す図
【図4】電子制御ユニットの機能の説明図
【図5】正面衝突回避制御手段の回路を説明するブロッ
ク図
【図6】衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図7】操舵速度dθ/dtおよび旋回半径Rから補正
係数K1 を検索するマップ
【図8】カーブの出口における横移動量Y1 および補正
横移動量Y1 ′を説明する図
【符号の説明】
4 レーダー情報処理装置(物体検出手段) 5 カメラ(撮像手段) Ai 自車 Ao 対向車 M1 移動軌跡推定手段 M2 相対横偏差算出手段 M3 接触可能性判定手段 M4 カーブ出口検出手段 M5 補正手段 M6 接触回避手段 M7 横移動量算出手段 R 旋回半径 S3 操舵角センサ(操舵角検出手段) Y1 横移動量 dθ/dt 操舵速度 −ε〜ε 所定範囲 ΔY 相対横偏差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 137:00 Fターム(参考) 3D032 CC08 CC20 CC21 CC26 CC30 DA03 DA09 DA15 DA22 DA24 DA27 DA33 DA76 DA77 DA81 DA88 DB14 DC03 DC08 DC09 DC33 DC34 DC35 DC38 EA01 EB04 EB11 EC22 GG01 5H180 AA01 CC04 CC12 CC14 LL01 LL02 LL04 LL15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車(Ai)の進行方向に存在する物体
    を検出する物体検出手段(4)と、 自車(Ai)の将来の移動軌跡を推定する移動軌跡推定
    手段(M1)と、 物体検出手段(4)による検出結果および前記自車(A
    i)の将来の移動軌跡に基づいて自車(Ai)と対向車
    (Ao)との相対横偏差(ΔY)を算出する相対横偏差
    算出手段(M2)と、 相対横偏差算出手段(M2)で算出した相対横偏差(Δ
    Y)が所定範囲(−ε〜ε)内にあるときに自車(A
    i)と対向車(Ao)とが接触する可能性が有ると判定
    する接触可能性判定手段(M3)と、 自車(Ai)がカーブの出口部分に接近したことを検出
    するカーブ出口検出手段(M4)と、 カーブ出口検出手段(M4)による検出結果に基づいて
    前記相対横偏差(ΔY)を補正する補正手段(M5)
    と、を備えたことを特徴とする車両の走行安全装置。
  2. 【請求項2】 接触可能性判定手段(M3)が自車(A
    i)と対向車(Ao)とが接触する可能性が有ると判定
    したときに接触回避操舵を行なう接触回避手段(M6)
    を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の車両の走
    行安全装置。
  3. 【請求項3】 カーブ出口検出手段(M4)は、撮像手
    段(5)で撮像した自車(Ai)の進行方向の道路状況
    に基づいて、自車(Ai)がカーブの出口部分に接近し
    たことを検出することを特徴とする、請求項1または2
    に記載の車両の走行安全装置。
  4. 【請求項4】 カーブ出口検出手段(M4)は、操舵角
    検出手段(S3 )で検出したドライバーによる旋回状態
    から直進状態へのステアリング戻し操作に基づいて、自
    車(Ai)がカーブの出口部分に接近したことを検出す
    ることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両の
    走行安全装置。
  5. 【請求項5】 移動軌跡推定手段(M1)で推定した移
    動軌跡に基づいて自車(Ai)の将来の横移動量
    (Y1 )を算出する横移動量算出手段(M7)を備えて
    なり、補正手段(M5)は前記横移動量(Y1 )を減少
    させるように補正することを特徴とする、請求項1〜4
    の何れかに記載の車両の走行安全装置。
  6. 【請求項6】 補正手段(M5)は、ドライバーによる
    ステアリング戻し速度(dθ/dt)が大きいほど前記
    横移動量(Y1 )が小さくなるように補正することを特
    徴とする、請求項5に記載の車両の走行安全装置。
  7. 【請求項7】 補正手段(M5)は、カーブにおける旋
    回半径(R)が小さいほど前記横移動量(Y1 )が小さ
    くなるように補正することを特徴とする、請求項5に記
    載の車両の走行安全装置。
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