JP3980765B2 - 車両の走行安全装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダー装置等の物体検出手段を用いて自車が対向車に接触するのを防止する車両の走行安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる車両の走行安全装置は、特開平7−14100号公報により既に知られている。
【0003】
上記公報に記載されたものは、自車が対向車線に進入して対向車と衝突する可能性がある場合に、ドライバーに自発的な衝突回避操作を促すための警報を発したり、自車を自動的に制動したりした対向車との衝突を回避するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものは対向車との衝突を回避するために自車の操舵装置を自動的に操舵するものではないため、ドライバーが衝突を回避する操舵を自発的に行なわない場合や対向車が衝突回避操作を行なわない場合に、自動制動によって自車が停止しても衝突を回避できないことが考えられる。そこで、衝突を回避すべく自車の操舵装置を自動的に操舵することが考えられるが、そのとき既に自車に車両挙動の変化が発生していると、それに自動操舵による車両挙動の変化が加わって好ましくない車両挙動の変化が発生し、その後のドライバーの運転操作に影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたもので、対向車との接触を回避するために操舵装置を自動的に操舵するものにおいて、ドライバーの自発的な操舵により車両挙動を制御するための余裕を残すことにより、自動操舵および手動操舵による衝突回避効果を両立させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、自車の進行方向に存在する物体を検出する物体検出手段と、自車の車速を検出する車速検出手段と、物体検出手段による検出結果および車速検出手段で検出した自車の車速に基づいて対向車を判別するとともに、自車と対向車との相対位置、相対距離および相対速度よりなる相対関係を算出する相対関係算出手段と、相対関係算出手段により算出した前記相対関係に基づいて自車および対向車の接触の可能性を判定する接触可能性判定手段と、接触可能性判定手段により接触の可能性があると判定されたときに接触を回避すべく自車の操舵装置を自動的に操舵する操舵制御手段と、自車の車両挙動の大きさを検出する車両挙動検出手段と、ドライバーの自発的な操舵により発生させ得る車両挙動の余裕量を設定する車両挙動余裕量設定手段と、接触可能性判定手段の出力に基づいて操舵制御手段により操舵装置を自動的に操舵したときに自車の車両挙動の大きさを推定する車両挙動推定手段と、車両挙動検出手段、車両挙動余裕量設定手段および車両挙動推定手段の出力に基づいて操舵制御手段により操舵装置を操舵した場合の車両運動状態を算出する車両運動状態算出手段と、車両運動状態算出手段により算出した車両運動状態が所定の状態範囲を越えている場合に操舵制御手段による操舵装置の操舵量を補正する操舵量補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、車両挙動検出手段で検出した自車の車両挙動の大きさと、車両挙動余裕量設定手段で設定したドライバーの自発的な操舵により発生させ得る車両挙動の余裕量と、接触可能性判定手段の出力に基づいて車両挙動推定手段で推定した操舵制御手段により操舵装置を自動的に操舵したときに自車の車両挙動の大きさとに基づいて車両運動状態算出手段が車両運動状態を算出し、この車両運動状態が所定の状態範囲を越えている場合に操舵量補正手段が操舵制御手段による操舵装置の操舵量を補正するので、自動操舵の開始時に既に車両挙動が発生しており、且つ自動操舵の開始により新たな車両挙動が発生しても、ドライバーの自発的な衝突回避操作により更なる車両挙動を発生させる余裕を残すことができ、これにより対向車との接触回避時における自動操舵とドライバーの自発的な衝突回避操作とを両立させることができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、相対関係算出手段により算出した前記相対関係および予め設定された適正横距離に基づいて自車が対向車と適正にすれ違うための自車の適正進路を設定する適正進路設定手段と、自車が対向車に接触する接触予測位置を前記相対関係および自車の車速に基づいて予測する接触位置予測手段とを備えてなり、前記接触可能性判定手段は、前記接触予測位置を前記適正進路と比較して自車および対向車の接触可能性を判定することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、相対関係算出手段により算出した前記相対関係および予め設定された適正横距離に基づいて自車が対向車と適正にすれ違うための自車の適正進路を設定するとともに、前記相対関係および自車の車速に基づいて自車が対向車に接触する接触予測位置を推定し、この接触予測位置を自車の適正進路と比較して自車および対向車の接触可能性を判定するので、物体検出手段により自車と対向車との相対関係を連続的に検出することなく、物体検出手段で対向車を判別した時点で接触可能性を判定することができる。その結果、自車および対向車の相対速度が大きいために接触までの時間的余裕がない正面衝突を効果的に回避することができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記所定の状態範囲が、自車の車速に応じて定まる目標操舵角最大値であり、前記車両運動状態算出手段により算出した操舵量が前記目標操舵角最大値を越えている場合に、前記操舵量補正手段は操舵量を前記目標操舵角最大値とすることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、車両運動状態算出手段により算出した操舵量が目標操舵角最大値を越えると操舵量を減少させるので、ドライバーがステアリングホイールを持ち替える必要がでるほどの過大な操舵量が発生するのを防止し、ステアリングの操作性を確保することができる。
【0012】
また請求項4に記載された発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記所定の状態範囲が、自車の車速に応じて定まる横加速度最大値であり、前記車両運動状態算出手段により算出した横加速度が前記横加速度最大値を越えている場合に、前記操舵量補正手段は操舵量を減少させることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、車両運動状態算出手段により算出した横加速度が横加速度最大値を越えると操舵量を減少させるので、車両に過大な横加速度を発生させることなくドライバーの操舵に応答して車両挙動を発生させることができる。
【0014】
また請求項5に記載された発明は、請求項4の構成に加えて、前記横加速度最大値は、車両旋回特性における横加速度の増加に対して操舵量の増加割合が急増する横加速度の値に基づいて設定されることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、車両旋回特性における横加速度の増加に対して操舵量の増加割合が急増する横加速度の値に基づいて横加速度最大値を設定したので、ドライバーの操舵に応じて的確な車両挙動を発生させることができる。
【0016】
また請求項6に記載された発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記所定の状態範囲が、自車の駆動輪トルクに応じて定まる横加速度最大値であり、前記車両運動状態算出手段により算出した横加速度が前記横加速度最大値を越えている場合に、前記操舵量補正手段は操舵量を減少させることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、車両運動状態算出手段により算出した横加速度が自車の駆動輪トルクに応じて定まる横加速度最大値を越えると操舵量を減少させるので、ドライバーの操舵に応答して車両挙動を発生させるためのタイヤの横力に余裕を残すことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図21は本発明の一実施例を示すもので、図1は走行安全装置を備えた車両の全体構成図、図2は走行安全装置のブロック図、図3は車両の操舵装置の斜視図、図4は電子制御ユニットの機能の説明図、図5は電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図、図6はメインルーチンのフローチャート、図7は正面衝突回避制御ルーチンのフローチャート、図8は旋回時衝突回避制御ルーチンのフローチャート、図9は正面衝突判断ルーチンのフローチャート、図10は警報制御ルーチンのフローチャート、図11は回避操舵制御ルーチンのフローチャート、図12は旋回時衝突回避制御の内容を示す図、図13は横偏差δdを算出する手法の説明図(衝突が発生する場合)、図14は横偏差δdを算出する手法の説明図(自車が対向車の左側を通過する場合)、図15は横偏差δdを算出する手法の説明図(自車が対向車の右側を通過する場合)、図16は横偏差δdの補正係数を検索するマップ、図17は衝突回避のための目標操舵角の算出手法の説明図、図18は操舵角補正値δ(θ)を検索するマップ、図19は目標操舵角を補正する手法を説明するためのマップ等を示す図、図20はアクチュエータの制御系のブロック図、図21は過剰制御判定ルーチンのフローチャートである。
【0020】
図1および図2に示すように、左右の前輪Wf,Wfおよび左右の後輪Wr,Wrを備えた車両は、操舵輪である左右の前輪Wf,Wfを操舵するためのステアリングホイール1と、ドライバーによるステアリングホイール1の操作をアシストする操舵力および衝突回避のための操舵力を発生する電動パワーステアリング装置2とを備える。電動パワーステアリング装置2の作動を制御する電子制御ユニットUには、物体検出手段としてのレーダー装置3と、ステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角センサS1 と、ステアリングホイール1に入力される操舵トルクを検出する操舵トクルセンサS2 と、車体の横加速度を検出する横加速度センサS3 と、車体のヨーレートを検出する自車ヨーレートセンサS4 と、各車輪Wf,Wf;Wr,Wrの回転数を検出する車速センサS5 …とからの信号が入力される。正面衝突防止ECUを構成する電子制御ユニットUは、レーダー装置3、各センサS1 〜S5 …、エンジンECU6およびオートマチックトランスミッションECU7からの信号に基づいて電動パワーステアリング装置2の作動を制御するとともに、液晶ディスプレイよりなる表示器4およびブザーやランプよりなる警報器5の作動を制御する。
【0021】
レーダー装置3は、自車前方の左右方向所定範囲に向けて電磁波を送信し、その電磁波が物体に反射された反射波を受信することにより、自車と物体との相対距離、自車と物体との相対速度、物体の方向を検出する。本実施例では、1回の送受信で自車と物体との上記相対関係を検出することができるミリ波レーダーが用いられる。
【0022】
図3は操舵装置11の構造を示すもので、ステアリングホイール1の回転はステアリングシャフト12、連結軸13およびピニオン14を介してラック15に伝達され、更にラック15の往復動が左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達される。操舵装置11に設けられた前記電動パワーステアリング装置2は、アクチュエータ17の出力軸に設けた駆動ギヤ18と、この駆動ギヤ18に噛み合う従動ギヤ19と、この従動ギヤ19と一体のスクリューシャフト20と、このスクリューシャフト20に噛み合うとともに前記ラック15に連結されたナット21とを備える。従って、アクチュエータ17を駆動すれば、その駆動力を駆動ギヤ18、従動ギヤ19、スクリューシャフト20、ナット21、ラック15および左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達することができる。
【0023】
図4に示すように、電子制御ユニットUは電動パワーステアリング制御手段22と、正面衝突回避制御手段23と、切換手段24と、出力電流決定手段25とを備える。通常時は切換手段24が電動パワーステアリング制御手段22側に接続されており、電動パワーステアリング装置2は通常のパワーステアリング機能を発揮する。すなわち、操舵トルクセンサS2 の出力に基づいて算出される操舵トルクが車速センサS5 …の出力に基づいて算出される車速に応じた所定の値になるように出力電流決定手段25がアクチュエータ17への出力電流を決定し、この出力電流を駆動回路26を介してアクチュエータ17に出力することにより、ドライバーによるステアリングホイール1の操作がアシストされる。一方、自車が対向車と正面衝突する可能性がある場合には切換手段24が正面衝突回避制御手段23側に接続され、正面衝突回避制御手段23でアクチュエータ17の駆動を制御することにより、対向車との正面衝突を回避するための自動操舵が実行される。この自動操舵の内容は後から詳述する。
【0024】
次に、クレーム対応図である図5に基づいて正面衝突回避制御手段23の構成と、その機能の概要を説明する。
【0025】
正面衝突回避制御手段23は、相対関係算出手段M1と、接触可能性判定手段M2と、操舵制御手段M3と、車両挙動余裕量設定手段M4と、車両挙動推定手段M5と、車両運動状態算出手段M6と、操舵量補正手段M7と、適正進路設定手段M8と、接触位置予測手段M9とから構成される。
【0026】
相対関係算出手段M1は、物体検出手段(レーダー装置3)および車速検出手段(車速センサS5 …)の出力に基づいて、自車Aiと対向車Aoとの相対角度(相対位置)θ、相対距離Lおよび相対速度Vsを算出する。適正進路設定手段M8は、自車Aiが対向車Aoと適正にすれ違うための自車Aiの本来の適正進路Rを設定する。接触位置予測手段M9は、自車Aiが対向車Aoとすれ違う接触時刻において自車Aiが対向車Aoに接触する接触位置Pを予測する。そして接触可能性判定手段M2は、前記接触位置Pを前記適正進路Rと比較して自車Aiと対向車Aoとの接触可能性を判定する。操舵制御手段M3は、接触可能性判定手段M2により自車Aiが対向車Aoに接触する可能性があると判定されたとき、接触を回避すべく自車Aiの操舵装置11を作動させる。
【0027】
車両挙動余裕量設定手段M4は、ドライバーが自車Aiおよび対向車Aoの接触を回避すべく自発的な接触回避操作を行なった場合に必要となる車両挙動の余裕量を設定する。車両挙動推定手段M5は、操舵制御手段M3により操舵装置11を操舵したときの自車の車両挙動の大きさを推定する。車両運動状態算出手段M6は、自車Aiに既に発生している車両挙動と、車両挙動余裕量設定手段M4により設定された車両挙動と、車両挙動推定手段M5により推定された車両挙動とに基づいて、操舵制御手段M3により操舵装置11を操舵した場合のトータルの車両挙動として車両運動状態を算出する。そして操舵量補正手段M7は、前記車両運動状態が所定の状態範囲を越えている場合に、前記必要な車両挙動の余裕量を確保すべく操舵装置11に出力する操舵量δhを補正する
次に、本実施例の作用を図6〜図11のフローチャートおよび図21のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0028】
先ず、図6のメインルーチンのステップS11で操舵角センサS1 、操舵トクルセンサS2 、横加速度センサS3 、自車ヨーレートセンサS4 および車速センサS5 …の出力に基づいて自車の状態を検出する。続くステップS12で、レーダー装置3で対向車の状態を検出する。レーダー装置3は対向車以外にも前走車、歩道橋、標識、キャッツアイ等を検出するが、自車との相対速度に基づいて対向車を他の物体から識別することができる。続くステップS13で、自車の状態および対向車の状態を表示器4に表示する。
【0029】
続くステップS14で、レーダー装置3および各センサS1 〜S5 …の検出結果に基づいて正面衝突回避制御が適切に行われているか否かをチェックする。正面衝突回避制御はドライバーが過度な走行を行っていない場合だけ実行されるもので、例えばオーバースピードでの走行時には、ステップS15でシステムの作動を中止するとともに、その旨を表示器4でドライバーに報知して適切な運転を促す。また前記ステップS14のシステムチェックの結果、ドライバーが対向車との正面衝突を回避すべく自発的なステアリング操作を行ったことが検出された場合には、ステップS16で正面衝突回避制御を中止して通常の電動パワーステアリング制御に復帰するとともに、その旨を表示器4でドライバーに報知する。これにより、ドライバーによる自発的なステアリング操作と正面衝突回避制御の自動操舵制御とが干渉するのを回避することができる。
【0030】
前記ステップS14のシステムチェックの結果が正常であれば、ステップS17で自車の走行状態を判定する。自車が直進に近い走行状態にあり、レーダー装置3および各センサS1 〜S5 …の検出結果に基づいて対向車とすれ違う(衝突する)時刻と、そのときの自車および対向車の位置関係とが的確に推定可能な場合であれば、ステップS18に移行して正面衝突回避制御を実行する。一方、過度な走行ではないが自車の旋回の度合いが強く、対向車とすれ違う(衝突する)時刻と、そのときの自車および対向車の位置関係が的確に推定できない場合であれば、ステップS19に移行して旋回時衝突回避制御を実行する。そしてステップS20で、自車と対向車との衝突を回避すべく、正面衝突回避制御あるいは旋回時衝突回避制御に基いて電動パワーステアリング装置2のアクチュエータ17を作動させる。
【0031】
次に、前記ステップS18の「正面衝突回避制御」の内容を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
先ずステップS21で、自車および対向車が衝突する可能性の程度を表す衝突判断パラメータを、すなわち自車および対向車がすれ違う時刻(あるいは衝突する時刻)における自車および対向車の横偏差δdを算出する。そしてステップS22で、前記横偏差δdを後述する閾値と比較することにより衝突の可能性の有無を判定し、衝突の可能性があり且つその可能性が小さい場合には、ステップS23で警報器5を作動させてドライバーに警報を発する。また衝突の可能性があり且つその可能性が大きい場合には、警報を発するとともに、ステップS24でアクチュエータ17を駆動して対向車を回避するための自動操舵を実行する。前記ステップS22の「衝突判断」、前記ステップS23の「警報制御」および前記ステップS24の「回避操舵制御」の具体的な内容は、図9、図10および図11に基づいて後から詳述する。
【0033】
次に、前記ステップS19の「旋回時衝突回避制御」の内容を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
先ずステップS31で旋回時における衝突危険度を算出する。衝突危険度は、図12に示すように、自車の旋回半径および対向車の旋回半径の差に基づいて判断されるもので、その差が大きくなるに伴って危険度が高いと判断される。そしてステップS32で、前記衝突危険度に応じた警報制御および車線逸脱防止制御を実行する。旋回時には、対向車とすれ違う(衝突する)時刻や、そのときの自車および対向車の位置関係を的確に推定することが難しいため、その衝突回避制御は直進時のそれに比べて弱いものとなる。
【0035】
図12に示すように、旋回時における衝突危険度はレベル1、レベル2およびレベル3の3段階に設定されており、それらのレベルは、例えば左側通行の場合、自車が右旋回中であれば対向車旋回半径−自車旋回半径に基づいて判定され、自車が左旋回中であれば自車旋回半径−対向車旋回半径に基づいて判定される。危険度が低いレベル1では警報器4による警報だけを実行し、危険度が中程度のレベル2では警報器4による警報およびアクチュエータ17による弱い車線逸脱防止制御を実行し、危険度が高いレベル3では警報器4による警報およびアクチュエータ17による強い車線逸脱防止制御を実行する。車線逸脱防止制御は、ドライバーが車線を逸脱する方向への操舵を行ったとき、電動パワーステアリング装置2のアクチュエータ17を駆動して前記操舵を妨げるような操舵反力を発生させて車線逸脱を防止するものである。
【0036】
尚、「旋回時衝突回避制御」における警報は、「正面衝突回避制御」における警報と区別すべく、警報器5のブザーの音色やランプの色を異ならせている。
【0037】
次に、前記ステップS22の「衝突判断」の内容を、図9のフローチャートおよび図13〜図15の説明図に基づいて説明する。
【0038】
先ず、ステップS41で車速センサS5 …の出力に基づいて自車Aiの車速Viを算出し、ステップS42で自車ヨーレートセンサS4 の出力に基づいて自車Aiのヨーレートγiを算出し、ステップS43でレーダー装置3の出力に基づいて自車Aiと対向車Aoとの相対距離Lを算出し、ステップS44でレーダー装置3の出力に基づいて自車Aiと対向車Aoとの相対速度Vsを算出し、ステップS45でレーダー装置3の出力に基づいて自車Aiと対向車Aoとの相対角度θを算出する。続くステップS46で、対向車と衝突せずにすれ違うための自車Aiの本来の適正進路Rを、現在の対向車Aoの位置から測った適正横距離daに基づいて設定する。この適正横距離daは予め設定されており、その値は例えば3mとされる。続くステップS47で、自車Aiの車速Viおよびヨーレートγiと、自車Aiに対する対向車Aoの相対位置関係から、対向車Aoのヨーレートγoを算出する。そしてステップS48で、自車Aiが対向車Aoとすれ違う位置(接触位置P)における自車Aiと適正進路Rとの間の横偏差δdを算出する。以下、この横偏差δdを算出する過程を、図13に基づいて詳細に説明する。
【0039】
図13は、左側通行の道路で自車Aiが誤って対向車Ao側の車線に進入しようとする状態を示している。ここで、適正横位置Ai′は、自車Aiの適正進路R上であって、現在の対向車Aoの位置の横方向に対応する位置であり、その適正横位置Ai′と対向車Aoとの間の距離は適正横距離da(例えば3m)である。Lは自車Aiと対向車Aoとの相対距離であってレーダー装置3の出力に基づいて算出される。θは自車Aiと対向車Aoとの相対角度であってレーダー装置3の出力に基づいて算出される。εは自車Aiの適正進路Rの方向と対向車Aoの方向との成す角度であって、相対距離Lおよび適正横距離daに基づいて幾何学的に求められる。Viは自車Aiの車速であって、車速センサS5 …の出力に基づいて算出される。Vsは自車Aiの車速Viと対向車Aoの車速Voとの差に相当する相対車速であって、レーダー装置3の出力に基づいて算出される。
【0040】
図13において、斜線を施した三角形において、
X cos(θ+ε)=L sinθ …(1)
が成立し、これをXについて解くと、
X=L sinθ/ cos(θ+ε) …(2)
が得られる。また現在を基準として計った接触時間tc(すれ違い時刻あるいは衝突時刻までの経過時間)は、相対距離Lを相対速度Vsで除算した値として得られる。
【0041】
tc=L/Vs …(3)
また自車Aiから接触位置P(すれ違い位置あるいは衝突位置)までの距離Lcは、車速Viと接触時間tcとの積として得られる。
【0042】
Lc=Vi・tc=L(Vi/Vs) …(4)
図13から明らかなように、自車Aiの位置において角度θ+εの頂点を共有する2つの直角三角形の相似関係から、
Lc′:L=δd:da+X …(5)
が成立し、更にLc′ cosε=Lc cos(θ+ε)の関係と、前記(2)式、(4)式および(5)式とから、横偏差δdが次式のように得られる。
【0043】
【数1】
Figure 0003980765
【0044】
(6)式の右辺における5つの変数のうち、Viは常に算出可能であり、且つVs,L,θ,εはレーダー装置3の1回の送受信で算出可能であるため、レーダー装置3で最初に対向車Aoを判別した時点で速やかに横偏差δdを算出することができる。従って、自車Aiおよび対向車Aoが相互に接近するために接触時間tcに余裕がない場合でも、速やかに接触可能性の判定を行なって衝突回避制御を開始することができる。
【0045】
而して、図9のフローチャートのステップS49で、前記横偏差δdを予め設定した接触判定基準値と比較し、横偏差δdが第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxの間にあれば、すなわちδdn<δd<δdxが成立すれば、ステップS50で自車Aiが対向車Aoに衝突する可能性があると判定する(図13参照)。一方、図14に示すようにδd≦δdnであれば、あるいは図15に示すようにδd≧δdxであれば、ステップS51で自車Aiが対向車Aoに衝突する可能性がないと判定する。図15の状態は、例えば自車Aiが分岐路に進入するために対向車Aoの車線を斜めに横切るような場合に相当する。
【0046】
尚、前記第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxは自車Aiの車幅等に応じて適宜設定されるもので、例えば第1接触判定基準値δdn=1.5m、第2接触判定基準値δdx=4.5mとされる。
【0047】
以上の説明では横偏差δdを算出する際に自車Aiのヨーレートγiおよび対向車Aoのヨーレートγoを考慮していないが、それらヨーレートγi,γoを考慮することにより、更に精度の高い衝突回避が行われる。
【0048】
自車Aiが車速Vi、ヨーレートγiで走行するとViγiの横加速度が発生するため、このViγiを2回積分することにより自車Aiの横方向移動量yiが算出される。従って、接触時間tc=L/Vsにおける自車Aiの横方向移動量yiは、
yi=(Vi・γi/2)・(L/Vs)2 …(7)
で与えられる。
【0049】
同様に、対向車Aoが車速Vo、ヨーレートγoで走行するとVoγoの横加速度が発生するため、このVoγoを2回積分することにより対向車Aoの横方向移動量yoが算出される。従って、接触時間tc=L/Vsにおける対向車Aoの横方向移動量yoは、
yo=(Vo・γo/2)・(L/Vs)2 …(8)
で与えられる。
【0050】
而して、前記(6)式の横偏差δdを自車Aiの横方向移動量yiおよび対向車Aoの横方向移動量yoで補正した次式を用いることにより、横偏差δdの精度を一層高めることができる。
【0051】
【数2】
Figure 0003980765
【0052】
対向車Aoのヨーレートγoは、レーダー装置3の出力に基づいて対向車Aoの位置を複数回検出して該対向車Aoの旋回軌跡を推定すれば、その旋回半径と対向車Aoの車速Voとに基づいて算出される。従って、対向車Aoのヨーレートγoはレーザー装置3の1回の送受信では検出することができず、(9)式における対向車Aoのヨーレートγoを用いた補正を行うには若干の演算時間が必要になる。但し、図6のフローチャートのステップS17で説明したように、この正面衝突回避制御は自車Aiが実質的に直線走行しているとき(直線路を走行しているとき)に行われるもので、このとき対向車Aoのヨーレートγoが大きな値を持つことは稀である。このことから、対向車Aoのヨーレートγoを用いた補正を行わなくても充分な精度を確保することができる。
【0053】
ところで、前記第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxを固定値とする代わりに、第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxを横偏差δdを算出した時点における自車Aiおよび対向車Aoの走行状態で補正すれば、正面衝突回避制御を更に精度良く行うことができる。すなわち、第1接触判定基準値δdnの補正は、3つの補正係数k1n,k2n,k3nを用いて、
δdn←k1n・k2n・k3n・δdn …(10)
のように行われ、第2接触判定基準値δdxの補正は3つの補正係数k1x,k2x,k3xを用いて、
δdx←k1x・k2x・k3x・δdx …(11)
のように行われる。
【0054】
補正係数k1n,k1xは、図16(A)に示すマップから衝突までの時間(接触時間tc)に基づいて検索される。接触時間tcが小さいために横偏差δdの算出誤差が小さいと推定される領域では、補正係数k1n,k1xは1に保持される。接触時間tcが大きいために横偏差δdの算出誤差が大きいと推定される領域では、補正係数k1nは接触時間tcの増加に伴って1から増加するとともに、補正係数k1xは接触時間tcの増加に伴って1から減少する。これにより、横偏差δdの算出誤差が大きい領域で第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxの間の幅を小さくし、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避することができる。
【0055】
補正係数k2n,k2xは、図16(B)に示すマップから自車Aiと対向車Aoとの相対距離Lに基づいて検索される。相対距離Lが小さいために横偏差δdの算出誤差が小さいと推定される領域では、補正係数k2n,k2xは1に保持される。相対距離Lが大きいために横偏差δdの算出誤差が大きいと推定される領域では、補正係数k2nは相対距離Lの増加に伴って1から増加するとともに、補正係数k2xは相対距離Lの増加に伴って1から減少する。これにより、横偏差δdの算出誤差が大きい領域で第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxの間の幅を小さくし、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避することができる。
【0056】
補正係数k3n,k3xは、図16(C)に示すマップから自車Aiのヨーレートγiに基づいて検索される。自車Aiのヨーレートγiが0であって横偏差δdの算出誤差が小さいと推定されるときには、補正係数k3n,k3xは1に設定される。自車Aiのヨーレートγiの増加に伴って横偏差δdの算出誤差が増加すると補正係数k3nは1から増加するとともに、補正係数k3xは1から減少する。これにより、横偏差δdの算出誤差が大きい領域で第1接触判定基準値δdnおよび第2接触判定基準値δdxの間の幅を小さくし、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避することができる。
【0057】
次に、前記ステップS23の「警報制御」の内容を、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0058】
先ず、ステップS61で衝突情報を受信する。衝突情報とは、接触時間tc(衝突までの時間)、接触位置Pでの自車Aiおよび対向車Aoの走行状態、横偏差δd等である。続くステップS62で一次警報の判断を行い、接触時間tcが例えば4秒未満になると、ステップS63で警報器5を作動させて一次警報を開始する。続いてステップS64で二次警報の判断を行い、接触時間tcが例えば3秒未満になると、ステップS65で警報器5を作動させて二次警報を開始する。一次警報は衝突までの時間的余裕が比較的に大きい場合に実行され、また二次警報は衝突までの時間的余裕が比較的に小さい場合に実行されるもので、その差異をドライバーに認識させるべくブザーの音色等やランプの色を変化させる。ドライバーは警報器5による警報により衝突の危険を認識して自発的な回避操作を行うことができる。
【0059】
次に、前記ステップS24の「回避操舵制御」の内容を、図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0060】
先ず、ステップS71で、前記ステップS61と同様に衝突情報を受信した後に、続くステップS72で操舵開始の判断を行い、接触時間tcが前記二次警報の閾値である3秒よりも短い閾値τ0 (例えば2.2秒)未満になると、ステップS73で衝突回避のための横移動量を算出する。この横移動量は、基本的に前記ステップS48で算出した横偏差δdの今回値が充てられるが、誤差を除去するために前回値を用いて平均化処理を行う。
【0061】
先ずステップS74で、自車Aiの車速Viに基づいてドライバーに違和感を与えない目標操舵角δhを求める。図17(A),(B)に示すように、回避運動は自車Aiが対向車Aoを回避した後に自車Aiの元の進路上に復帰するように行われるもので、接触時間tc(閾値τ0 )が経過した時点での横移動量の基準値を、衝突回避の効果と最終的に車線を逸脱しないこととを考慮して例えば2mに設定する。また回避操舵により発生する最大横加速度YGが大き過ぎたり、操舵速度が速過ぎたりしてドライバーに違和感を与えないようにし、且つ操舵開始よりτ0 が経過したときに2mの横移動を行うようにしなければならない。以上のことから本実施例では、例えば最大横加速度YGを0.15G程度に設定し、操舵周期を4秒(0.25Hz)程度に設定する。
【0062】
而して、衝突回避のための目標操舵角δhは、Nをステアリングギア比とし、Ksをスタビリティファクターとして、次式により与えられる。
【0063】
【数3】
Figure 0003980765
【0064】
前記(12)式で与えられる目標操舵角δhでは、自車Aiおよび対向車Aoの相対角度θの方向が自車Aiから対向車Ao側を向いていると、衝突回避を行なうために不足する場合が考えられる。そこで、前記相対角度θに基づく目標操舵角補正値δ(θ)(図18参照)で前記(12)式の目標操舵角δhを補正する。
【0065】
【数4】
Figure 0003980765
【0066】
続くステップS75で前記目標操舵角δhが過剰であるか否かを判定する。その結果、目標操舵角δhが過剰である場合には、ステップS76で目標操舵角δhを適正な値に補正するとともに、目標操舵角δhの補正に応じて、操舵で与える横移動量を目標操舵角δhの減少割合だけ減少させる補正を行う。そしてステップS77で、対向車Aoとの衝突を回避すべく、前記目標操舵角δhに応じて操舵装置11のアクチュエータ17の駆動を制御する。すなわち、図20に示すように、目標操舵角δhおよびステアリング装置11の実操舵角の偏差が入力されたPIコントローラは、前記偏差をゼロに収束させるべくステアリング装置11のアクチュエータ17をフィードバック制御する。
【0067】
次に、図21のフローチャートに基づいて、前記ステップS75の「過剰制御判定」の内容を具体的に説明する。
【0068】
本実施例では、衝突防止のために操舵装置11が過剰制御されるのを防止することにより、ドライバーのステアリング操作性を維持することと、制御の実行中および実行後でもドライバーのステアリング操作に対して車両が意思どおりに反応するための車両挙動の余裕量を確保することとを狙っている。具体的には、操舵角と、車両挙動の大きさと、タイヤの性能とをパラメータとして選択する。操舵角に関しては、ステアリングホイール1の回転位置が操作し難い位置に変化しないように調整する。車両挙動の大きさに関しては、ドライバーに違和感を与えるような横加速度YGが発生するのを防止するとともに、横加速度YGの大きさを操舵応答性に充分な余裕が残る大きさに制限する。タイヤの性能に関しては、そのタイヤのグリップ力が車両全体として余裕を残すだけでなく、タイヤの各輪についてもグリップ力に余裕を残すようにする。
【0069】
そのために、車両挙動検出手段S3 (横加速度センサS3 )で検出した、制御開始前に既に発生している車両挙動(横加速度YG)と、車両挙動余裕量設定手段M4で設定した車両挙動の余裕量と、車両挙動推定手段M5で推定した、接触回避のための自動操舵により発生すると推定される車両挙動との総和が、予め設定した値を越えないように自動操舵の操舵量を制限して、ドライバーに違和感を与えずに操舵応答性に余裕を残す車両挙動とする。これによりドライバーは安心して自発的に有効な接触回避操作を行うことができる。
【0070】
図21のフローチャートのステップS81で、図19(A)に示す車速Viに応じて設定されたマップに基づいて目標操舵角最大値δh1 を算出し、この目標操舵角最大値δh1 と前記目標操舵角δhとを比較する。その結果、目標操舵角δhが過大であって目標操舵角最大値δh1 を越えていれば、ステップS82に移行して前記最大値δh1 を新たな目標操舵角δhとして更新する補正を行なう。目標操舵角δhは横加速度を基準にして設定されているので、車速Viが低い場合には目標操舵角δhが大きくなり、そのためにドライバーがステアリングホイール1を持ち替えなければならない場合がある。しかしながら、目標操舵角δhを最大値δh1 で規制することにより、自動操舵によってドライバーがステアリングホイール1を持ち替えるような大きな操舵角が発生するのを防止し、ドライバーの違和感を解消することができる。
【0071】
続くステップS83で、本発明の車両挙動検出手段を構成する横加速度センサS3 の出力に基づいて横加速度YGを検出し、この横加速度YGを車両挙動を代表するパラメータとして目標操舵角δhの適否を判断する。これにより、衝突回避制御の開始時に既に車両挙動が発生している場合でも、自動操舵によって過剰な車両挙動が発生するのを防止することができる。すなわち、制御後のトータルの横加速度をYGo、制御によって発生する横加速度をYGs、制御前の横加速度をYGiとすると、次式が成立する。
【0072】
YGo=YGs+YGi …(14)
【0073】
【数5】
Figure 0003980765
【0074】
そして、図19(B)に示すマップから、車速Viに応じて設定されたトータルの横加速度YGoの最大値YGMAX を検索する。この最大値YGMAX は車両が発生し得る限界値ではなく、正面衝突回避装置が作動したときに発生させる最大値として設定する値である。
【0075】
図19(C)は一般的な車両が一定半径の円上を走行しながら車速を変化させた場合の横加速度および操舵角の関係を示すものである。横加速度がある程度小さい領域(線型領域)では横加速度が増加しても操舵角の増加は少しずつであるが、横加速度が前記線型領域を越えて増加すると操舵角が急激に増加し始め(操舵の効きが鈍くなり)、ついには車両の限界横加速度に達する。本実施例では、前記線型領域において横加速度YGoの最大値YGMAX を設定する。従って、横加速度YGoが最大値YGMAX を越えて増加した場合でも、車両の限界横加速度に達するまでに充分な余裕を確保することができる。而して、図19(B)に示すように、横加速度YGoの最大値YGMAX が車速Viに応じて設定される。最大値YGMAX が車速Viの減少に応じて増加するのは、低速走行時のほうが横加速度に対するドライバーの適応力が大きくなるからである。
【0076】
以上のことから、ステップS83で横加速度YGoが最大値YGMAX を越えている場合には、ステップS84に移行して前記最大値YGMAX で目標操舵角δhの上限値を制限するように補正を行なう。すなわち、補正後の制御で発生させる横加速度YGs2 は、
YGs2 =YGMAX −YGi …(16)
で与えられ、補正後の目標操舵角δh2 は、
【0077】
【数6】
Figure 0003980765
【0078】
で与えられる。そして補正後の目標操舵角δh2 が前記目標操舵角δhあるいは前記補正後の目標操舵角δh1 よりも小さければ、その補正後の目標操舵角δh2 を新たな目標操舵角δhとして更新する補正を行なう。
【0079】
続くステップS85でタイヤのグリップ状態が適正か否かを判断する。ここでは一般的な前輪駆動車を考える。図19(D)は駆動輪である前輪のタイヤの摩擦楕円であって、縦軸および横軸はそれぞれ横力および前後力を示している。楕円の周上がタイヤが発生可能な最大の力であり、タイヤが駆動力(前後力)を発生しているときには、その分だけ最大横力が減少する。正面衝突回避時にドライバーの回避操舵が有効に作用するよう、自動操舵後もタイヤの横力に余裕を残しておく必要がある。そのために、駆動力が大きいときには自動操舵が発生し得るタイヤの最大横力を使い切らないように制限を加える。このとき、厳密には駆動力に応じて自動操舵によるタイヤの横力を制限する必要があるが、横力を正確に求めるにはタイヤの接地荷重を検出するセンサや、関連する演算処理が必要になるため、正面衝突回避制御は車両が実質的に直進走行しているときに行なわれることから、タイヤの横力は横加速度YGと比例関係にあると見做し、タイヤの横力を制限する代わりに横加速度YGを制限する。
【0080】
すなわち、図19(E)に示すように、タイヤの駆動力が増加するに伴って減少するように横加速度YGoの最大値YGMAX を予め設定しておき、ステップS85で横加速度YGoが最大値YGMAX を越えた場合には、ステップS86に移行して前記最大値YGMAX で目標操舵角δhの上限値を制限するように補正を行なう。補正後の目標操舵角δh3 は、前述した車両挙動による補正を行なうための前記目標操舵角δh2 ((17)式参照)と同様にして算出可能である。そして目標操舵角δh3 が前記目標操舵角δhあるいは前記補正後の目標操舵角δh1 ,δh2 よりも小さければ、その補正後の目標操舵角δh3 を新たな目標操舵角δhとして更新する補正を行なう。このようにして、ステップS87で最終的に補正後の目標操舵角δhが決定される。
【0081】
尚、タイヤの駆動力はエンジンECU6およびオートマチックトランスミッションECU7との通信により得られたエンジントルク、シフトポジジョンおよびトルクコンバータのトルク増幅率と、予め知られたタイヤの半径とから算出可能である。
【0082】
而して、図11のフローチャートのステップS76で、前記ステップS73で算出した横移動量(すなわち横偏差δd)と、前記補正後の目標操舵角δhにより発生する横移動量と比較する。その結果、前者の横移動量よりも後者の横移動量が大きい場合には、つまり、目標操舵角δhにより発生する横移動量が衝突回避に必要な横移動量よりも大きい場合には、必要な横移動量が得られる値まで目標操舵角δhを減少方向に補正する。逆に、前者の横移動量よりも後者の横移動量が小さい場合には、つまり、目標操舵角δhにより発生する横移動量が衝突回避に必要な横移動量よりも小さい場合には、目標操舵角δhの補正は行なわない。そしてステップS77で、最終的な横移動量が得られるように操舵装置11のアクチュエータ17を作動させる。
【0083】
このように、目標操舵角δhにより発生する横移動量が衝突回避に必要な横移動量を越えないように制限を加えることにより、必要以上の目標操舵角δhが出力されてドライバーに違和感を与えるのを防止することができる。
【0084】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、車両挙動検出手段で検出した自車の車両挙動の大きさと、車両挙動余裕量設定手段で設定したドライバーの自発的な操舵により発生させ得る車両挙動の余裕量と、接触可能性判定手段の出力に基づいて車両挙動推定手段で推定した操舵制御手段により操舵装置を自動的に操舵したときに自車の車両挙動の大きさとに基づいて車両運動状態算出手段が車両運動状態を算出し、この車両運動状態が所定の状態範囲を越えている場合に操舵量補正手段が操舵制御手段による操舵装置の操舵量を補正するので、自動操舵の開始時に既に車両挙動が発生しており、且つ自動操舵の開始により新たな車両挙動が発生しても、ドライバーの自発的な衝突回避操作により更なる車両挙動を発生させる余裕を残すことができ、これにより対向車との接触回避時における自動操舵とドライバーの自発的な衝突回避操作とを両立させることができる。
【0086】
また請求項2に記載された発明によれば、相対関係算出手段により算出した前記相対関係および予め設定された適正横距離に基づいて自車が対向車と適正にすれ違うための自車の適正進路を設定するとともに、前記相対関係および自車の車速に基づいて自車が対向車に接触する接触予測位置を推定し、この接触予測位置を自車の適正進路と比較して自車および対向車の接触可能性を判定するので、物体検出手段により自車と対向車との相対関係を連続的に検出することなく、物体検出手段で対向車を判別した時点で接触可能性を判定することができる。その結果、自車および対向車の相対速度が大きいために接触までの時間的余裕がない正面衝突を効果的に回避することができる。
【0087】
また請求項3に記載された発明によれば、車両運動状態算出手段により算出した操舵量が目標操舵角最大値を越えると操舵量を減少させるので、ドライバーがステアリングホイールを持ち替える必要がでるほどの過大な操舵量が発生するのを防止し、ステアリングの操作性を確保することができる。
【0088】
また請求項4に記載された発明によれば、車両運動状態算出手段により算出した横加速度が横加速度最大値を越えると操舵量を減少させるので、車両に過大な横加速度を発生させることなくドライバーの操舵に応答して車両挙動を発生させることができる。
【0089】
また請求項5に記載された発明によれば、車両旋回特性における横加速度の増加に対して操舵量の増加割合が急増する横加速度の値に基づいて横加速度最大値を設定したので、ドライバーの操舵に応じて的確な車両挙動を発生させることができる。
【0090】
また請求項6に記載された発明によれば、車両運動状態算出手段により算出した横加速度が自車の駆動輪トルクに応じて定まる横加速度最大値を越えると操舵量を減少させるので、ドライバーの操舵に応答して車両挙動を発生させるためのタイヤの横力に余裕を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 走行安全装置を備えた車両の全体構成図
【図2】 走行安全装置のブロック図
【図3】 操舵装置の斜視図
【図4】 電子制御ユニットの機能の説明図
【図5】 電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図
【図6】 メインルーチンのフローチャート
【図7】 正面衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図8】 旋回時衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図9】 正面衝突判断ルーチンのフローチャート
【図10】 警報制御ルーチンのフローチャート
【図11】 回避操舵制御ルーチンのフローチャート
【図12】 旋回時衝突回避制御の内容を示す図
【図13】 横偏差δdの算出手法の説明図(衝突が発生する場合)
【図14】 横偏差δdの算出手法の説明図(自車が対向車の左側を通過する場合)
【図15】 横偏差δdの算出手法の説明図(自車が対向車の右側を通過する場合)
【図16】 横偏差δdの補正係数を検索するマップ
【図17】 衝突回避のための目標操舵角の算出手法の説明図
【図18】 目標操舵角補正値δ(θ)を検索するマップ
【図19】 目標操舵角を補正する手法を説明するためのマップ等を示す図
【図20】 アクチュエータの制御系のブロック図
【図21】 過剰制御判定ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
Ai 自車
Ao 対向車
da 適正横距離
L 相対距離
M1 相対関係算出手段
M2 接触可能性判定手段
M3 操舵制御手段
M4 車両挙動余裕量設定手段
M5 車両挙動推定手段
M6 車両運動状態算出手段
M7 操舵量補正手段
M8 適正進路設定手段
M9 接触位置予測手段
P 接触予測位置
R 適正進路
3 横加速度センサ(車両挙動検出手段)
5 車速センサ(車速検出手段)
Vi 自車の車速
Vs 相対速度
YG MAX 横加速度最大値
δh 操舵角(操舵量)
δh 1 目標操舵角最大値
θ 相対角度(相対位置)
3 レーダー装置(物体検出手段)
11 操舵装置

Claims (6)

  1. 自車(Ai)の進行方向に存在する物体を検出する物体検出手段(3)と、
    自車(Ai)の車速(Vi)を検出する車速検出手段(S5 )と、
    物体検出手段(3)による検出結果および車速検出手段(S5 )で検出した自車(Ai)の車速(Vi)に基づいて対向車(Ao)を判別するとともに、自車(Ai)と対向車(Ao)との相対位置(θ)、相対距離(L)および相対速度(Vs)よりなる相対関係を算出する相対関係算出手段(M1)と、
    相対関係算出手段(M1)により算出した前記相対関係に基づいて自車(Ai)および対向車(Ao)の接触の可能性を判定する接触可能性判定手段(M2)と、
    接触可能性判定手段(M2)により接触の可能性があると判定されたときに接触を回避すべく自車(Ai)の操舵装置(11)を自動的に操舵する操舵制御手段(M3)と、
    自車(Ai)の車両挙動の大きさを検出する車両挙動検出手段(S3 )と、
    ドライバーの自発的な操舵により発生させ得る車両挙動の余裕量を設定する車両挙動余裕量設定手段(M4)と、
    接触可能性判定手段(M2)の出力に基づいて操舵制御手段(M3)により操舵装置(11)を自動的に操舵したときに自車(Ai)の車両挙動の大きさを推定する車両挙動推定手段(M5)と、
    車両挙動検出手段(S3 )、車両挙動余裕量設定手段(M4)および車両挙動推定手段(M5)の出力に基づいて操舵制御手段(M3)により操舵装置(11)を操舵した場合の車両運動状態を算出する車両運動状態算出手段(M6)と、 車両運動状態算出手段(M6)により算出した車両運動状態が所定の状態範囲を越えている場合に操舵制御手段(M3)による操舵装置(11)の操舵量(δh)を補正する操舵量補正手段(M7)と、
    を備えたことを特徴とする車両の走行安全装置。
  2. 相対関係算出手段(M1)により算出した前記相対関係および予め設定された適正横距離(da)に基づいて自車(Ai)が対向車(Ao)と適正にすれ違うための自車(Ai)の適正進路(R)を設定する適正進路設定手段(M8)と、
    自車(Ai)が対向車(Ao)に接触する接触予測位置(P)を前記相対関係および自車(Ai)の車速(Vi)に基づいて予測する接触位置予測手段(M9)と、
    を備えてなり、前記接触可能性判定手段(M2)は、前記接触予測位置(P)を前記適正進路(R)と比較して自車(Ai)および対向車(Ao)の接触可能性を判定することを特徴とする、請求項1に記載の車両の走行安全装置。
  3. 前記所定の状態範囲が、自車(Ai)の車速(Vi)に応じて定まる目標操舵角最大値(δh 1 であり、前記車両運動状態算出手段(M6)により算出した操舵量が前記目標操舵角最大値(δh 1 を越えている場合に、前記操舵量補正手段(M7)は操舵量(δh)を前記目標操舵角最大値(δh 1 とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両の走行安全装置。
  4. 前記所定の状態範囲が、自車(Ai)の車速(Vi)に応じて定まる横加速度最大値(YG MAX であり、前記車両運動状態算出手段(M6)により算出した横加速度が前記横加速度最大値(YG MAX を越えている場合に、前記操舵量補正手段(M7)は操舵量(δh)を減少させることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両の走行安全装置。
  5. 前記横加速度最大値(YG MAX は、車両旋回特性における横加速度の増加に対して操舵量の増加割合が急増する横加速度の値に基づいて設定されることを特徴とする、請求項4に記載の車両の走行安全装置。
  6. 前記所定の状態範囲が、自車(Ai)の駆動輪トルクに応じて定まる横加速度最大値(YG MAX であり、前記車両運動状態算出手段(M6)により算出した横加速度が前記横加速度最大値(YG MAX を越えている場合に、前記操舵量補正手段(M7)は操舵量(δh)を減少させることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両の走行安全装置。
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