JP2000063750A - コーティング組成物およびコーティングフィルム - Google Patents

コーティング組成物およびコーティングフィルム

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JP2000063750A
JP2000063750A JP10233757A JP23375798A JP2000063750A JP 2000063750 A JP2000063750 A JP 2000063750A JP 10233757 A JP10233757 A JP 10233757A JP 23375798 A JP23375798 A JP 23375798A JP 2000063750 A JP2000063750 A JP 2000063750A
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gas barrier
coating
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Toshiki Sakagami
俊規 阪上
Yasushi Otaki
靖史 大瀧
Satoshi Ishikawa
悟司 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素透過度が極めて小さく、また人体に無害
なコーティング組成物、およびこれを用いたガスバリア
性に優れたコーティングフィルムを提供する。 【解決手段】 (a)一般式R1 n Si(OR24-n
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた
少なくとも1種、ならびに(b)シリル基含有ビニル系
重合体、さらに必要に応じて、これらと(c)一般式 で表されるオルガノポリシロキサンを主成分とするガス
バリア用コーティング組成物、および、この組成物から
形成される塗膜層を有するガスバリア性に優れたコーテ
ィングフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、食品、化
粧品、煙草、トイレタリー分野などの包装用途に用いら
れ、酸素、水蒸気、その他の内容物を変質させるガスの
透過を阻止するのに有効なコーティング組成物、および
これを用いたガスバリア性に優れたコーティングフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医薬品、食品、化粧品、煙草、ト
イレタリー分野などの包装用途に用いれる包装材料は、
例えば食品用であれば蛋白質、油脂類の酸化などの内容
物の変質を防止し、味などの品質保持のために、酸素、
水蒸気、その他の内容物を変質させるガスを透過させな
いガスバリア性を有する材料が用いられている。このよ
うな従来の問題点に対応し、例えば、特開平7−266
485号公報には、高分子樹脂組成物からなる基材上
に、1種以上の金属アルコキシドあるいはその加水分解
物と、分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基
を有するイソシアネート化合物との混合溶液を主剤とす
るコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリ
ア性被膜層を形成したガスバリア材が提案されている。
しかしながら、このガスバリア材には、イソシアネート
基を有するイソシアネート化合物、メラミン、ホルムア
ルデヒド、塩化錫などが含有されており、特に医療品、
食品用途では人体へ間接的に経口する可能性があり、人
体に有害であるという問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたもので、酸素や水蒸気など
の気体に対するバリア性が低下することなく、またイソ
シアネート基を有するイソシアネート化合物、メラミ
ン、ホルムアルデヒド、塩化錫などの人体への有害性が
懸念される化合物を含まず、人体に無害なコーティング
組成物、およびこれを用いたガスバリア性に優れたコー
ティングフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)一般式
(1) R1 n Si(OR24-n ・・・(1) (式中、R1 は同一または異なり、炭素数1〜8の有機
基、R2 は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル
基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を
示し、nは0〜2の整数である)で表されるオルガノシ
ラン(以下「(a)′オルガノシラン」ともいう)、該
オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの
縮合物の群から選ばれた少なくとも1種、ならびに
(b)加水分解性基および/または水酸基と結合したケ
イ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくと
も1個有するシリル基含有ビニル系重合体を主成分とす
るガスバリア用コーティング組成物を提供するものであ
る。ここで、本発明のガスバリア用コーティング組成物
には、一般式(2) (式中、R3 〜R8 は同一または異なり、炭素数1〜8
の有機基を示し、かつR 3 〜R8 には少なくともアルコ
キシ基または水酸基を含み、またmは1以上、かつポリ
スチレン換算の重量平均分子量が150〜10,000
であり、さらに−Si−O−結合は直鎖状および/また
は分岐状である)で表されるオルガノポリシロキサンを
含有するものが好ましい。また、本発明のガスバリア用
コーティング組成物には、(d)金属アルコレート、金
属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類との反応で得られるキレート化合物、なら
びに該金属アルコレートおよび/またはキレート化合物
を水と反応させて得られる加水分解物の群から選ばれた
少なくとも1種を含有するものが好ましい。さらに、本
発明のガスバリア用コーティング組成物には、(e)硬
化促進剤を含有するものが好ましい。さらに、本発明の
ガスバリア用コーティング組成物には、(f)平均粒径
0.01〜0.2μmのケイ素酸化物および/または金
属酸化物の微粒子を含有するものが好ましい。さらに、
本発明のガスバリア用コーティング組成物は、上記
(a)成分および(b)成分、あるいは、(a)成分、
(b)成分および(c)成分を、(g)親水性有機溶媒
中で、加水分解および/または縮合してなるものが好ま
しい。次に、本発明は、上記(a)成分、(b)成分お
よび(c)成分を主成分とするコーティング組成物を提
供するものである。ここで、本発明のコーティング組成
物には、(d)金属アルコレート、金属アルコレートと
β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類との
反応で得られるキレート化合物、ならびに該金属アルコ
レートおよび/またはキレート化合物を水と反応させて
得られる加水分解物の群から選ばれた少なくとも1種、
(e)硬化促進剤、ならびに(f)平均粒径0.01〜
0.2μmのケイ素酸化物および/または金属酸化物の
微粒子の群から選ばれた少なくとも1種を含有するもの
が好ましい。また、本発明のコーティング組成物は、上
記(a)成分、(b)成分および(c)成分を、(g)
親水性有機溶媒中で、加水分解および/または縮合して
なるものが好ましい。次に、本発明は、合成樹脂フィル
ム上に、上記(ガスバリア用)コーティング組成物から
形成される塗膜層が積層されたコーティングフィルムを
提供するものである。また、本発明は、合成樹脂フィル
ム上に、金属および/または無機化合物の蒸着層と上記
(ガスバリア用)コーティング組成物から形成される塗
膜層とが積層されたコーティングフィルムを提供するも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のガスバリア用コーティン
グ組成物は、上記一般式(1)で表される(a)オルガ
ノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オル
ガノシランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種と
(b)シリル基含有ビニル系重合体、さらに必要に応じ
て、これらと上記一般式(2)で表される(c)オルガ
ノポリシロキサンを主成分とし、ガスバリア用途に有用
である。また、本発明のコーティング組成物は、上記
(a)成分、(b)成分および(c)成分を主成分と
し、ガスバリア用途に有用であるが、特に用途限定はさ
れない。以下、上記ガスバリア用コーティング組成物お
よび上記コーティング組成物を総称して、「本発明のコ
ーティング組成物」ともいう。
【0006】上記一般式(1)で表される(a)′オル
ガノシランにおいて、R1 は、同一または異なり、炭素
数1〜8の有機基であり、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そ
のほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−
トリフロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、
γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロ
ピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシル
エチル基などが挙げられる。また、一般式(1)で表さ
れる(a)′オルガノシランにおいて、R2 は、同一ま
たは異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1
〜6のアシル基もしくはフェニル基である。R2 の炭素
数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基
などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基とし
ては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができ
る。
【0007】上記一般式(1)において、nは0〜2の
整数であり、nが3以上では、高分子量化することがで
きないので、本発明の(a)′オルガノシランとしては
不適当である。nは、好ましくは1または0、さらに好
ましくは0である。ここで、(a)′オルガノシランに
おいて、nが0であるオルガノシランの具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシ
シラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラアセチル
オキシシラン、テトラフェノキシシランなどを挙げるこ
とができる。これらの(a)′オルガノシランのうち、
テトラアルコキシシラン類が好ましく、さらに好ましく
はテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランであ
る。これらのオルガノシランは、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
【0008】また、一般式(1)において、nが1であ
るオルガノシランの具体例としては、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピル
トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルト
リエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n
−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキ
シシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、シクロヘ
キシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、3−クロロプロピルトリメト
キシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,
3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシ
シラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2
−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロ
キシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−
イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−ウレ
イドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類の
ほか、メチルトリアセチルオキシシラン、メチルトリフ
ェノキシシランなどを挙げることができる。上記一般式
(1)のnが1であるオルガノシランは、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0009】さらに、一般式(1)のnが2であるオル
ガノシランの具体例としては、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ
メトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、
ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピル
ジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、
ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n−ペンチル・メチ
ルジメトキシシラン、n−ペンチル・メチルジエトキシ
シラン、シクロヘキシル・メチルジメトキシシラン、シ
クロヘキシル・メチルジエトキシシラン、フェニル・メ
チルジメトキシシラン、フェニル・メチルジエトキシシ
ラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペ
ンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシ
シラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−
ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキ
シシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n
−オクチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメト
キシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン
などのジアルコキシシラン類のほか、ジメチルジアセチ
ルオキシシラン、ジメチルジフェノキシシランなどを挙
げることができる。これらの一般式(1)のnが2であ
るオルガノシランは、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。上記(a)′オルガノシランの
うち、好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは5
0モル%以上が、Si(OR24 である場合が望まし
い。また、上記R2 としては、好ましくはアルキル基、
アシル基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、
これにより、本発明の目的とする一段と優れたコーティ
ング組成物が得られる。
【0010】次に、本発明に用いられる(b)シリル基
含有ビニル系重合体は、主鎖がビニル系重合体からな
り、好ましくは末端あるいは側鎖に、加水分解性基およ
び/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル
基を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個
以上含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一
般式 (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、
アミノ基などの加水分解性基および/または水酸基、R
9 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭
素数1〜10のアラルキル基、nは1〜3の整数であ
る)で表される。
【0011】(b)シリル基含有ビニル系重合体は、
(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有す
るビニル系重合体と反応させることにより製造してもよ
く、また(ロ)下記一般式 (ただし、X、R9 、nは上記に同じ、R10は重合性二
重結合を有する有機基である)で表されるシラン化合物
と、各種ビニル系化合物とを重合することにより製造し
てもよく、その製造方法は限定されるものではない。
【0012】ここで、上記(イ)で示される製造方法で
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0013】また、(イ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系重合体としては、水酸基を含むビニル系重
合体を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸
などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなど
のエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化
合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、
α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸
ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロ
ニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれる
ビニル系化合物を共重合したビニル系重合体が好まし
い。
【0014】一方、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れるシラン化合物としては、例えば
【0015】
【0016】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0017】などが挙げられる。また、(ロ)で示され
る製造方法で使用されるビニル系化合物としては、上記
(イ)の製造方法でビニル系重合体の重合時に用いられ
るビニル系化合物を使用することが可能であるが、かか
る(イ)の製造方法に記載された以外に、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテ
ル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含む
ビニル系化合物を挙げることもできる。
【0018】以上のようなシリル基含有ビニル系重合体
の具体的な例としては、例えば下記一般式 式中、R11は水素原子またはメチル基、R12はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数
1〜6のアルキル基、R13はR11と同様であり、R14
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基な
どの炭素数1〜4のアルキレン基、R15はR9 と同様で
あり、m/(l+m)=0.01〜0.4、好ましくは
0.02〜0.2である)で表されるトリアルコキシシ
リル基含有アクリル重合体を挙げることができる。この
シリル基含有ビニル系重合体の数平均分子量は、好まし
くは2,000〜100,000、さらに好ましくは
4,000〜50,000である。
【0019】以上のような本発明に使用される(b)シ
リル基含有ビニル系重合体の具体例としては、鐘淵化学
工業(株)製、カネカゼムラックなどが挙げられる。
(b)シリル基含有ビニル系重合体の組成物中の割合
は、(a)成分〔あるいは(a)成分+後記(c)成
分〕100重量部に対し、2〜2,000重量部、好ま
しくは5〜900重量部、さらに好ましくは10〜40
0重量部である。2重量部未満では、得られる塗膜の柔
軟性が乏しく、クラックが入りやすくなり、ガスバリア
性が低くなり、一方、2,000重量部を超えると、得
られる塗膜の緻密性が低くなり、ガスバリア性が低くな
る。
【0020】次に、本発明のガスバリア用コーティング
組成物には、上記(a)〜(b)成分に、さらに必要に
応じて、上記一般式(2) で表される(c)オルガノポ
リシロキサンを配合することができる。また、上記コー
ティング組成物は、上記(a)〜(c)成分を主成分と
する。上記一般式(2)において、R3 〜R8 は、同一
または異なり、炭素数1〜8の有機基を示し、かつR3
〜R8 には少なくともアルコキシ基または水酸基を含
み、またmは1以上、かつポリスチレン換算の重量平均
分子量が150〜10,000であり、さらに−Si−
O−結合は直鎖状および/または分岐状である。
【0021】上記炭素数1〜8の有機基としては、例え
ばγ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロ
ピル基などのハロゲン化アルキル基、ビニル基、フェニ
ル基、γ−メタクリルオキシプロピル基などの(メタ)
アクリル酸エステル基、γ−グリシドキシプロピル基な
どのエポキシ含有アルキル基、γ−メルカプトプロピル
基などのメルカプト含有アルキル基、γ−アミノプロピ
ル基などのアミノアルキル基、γ−イソシアネートプロ
ピル基などのイソシアネート含有アルキル基、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの
直鎖状もしくは分岐状アルキル基、シクロヘキシル基、
シクロペンチル基などの脂環状アルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基
などの直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロ
イル基などのアシル基が挙げられる。なお、強固なコー
ティング組成物を得るために、(a)〜(c)成分の加
水分解・縮合による反応が好ましく、その反応性の面か
ら、(c)成分はmが1以上かつ、ポリスチレン換算重
量平均分子量は150〜10,000、好ましくは20
0〜8,000である。ポリスチレン換算重量平均分子
量が150未満では、得られる塗膜に亀裂が生じやす
く、ガスバリア性が悪化し、一方、10,000を超え
ると、塗膜の硬化が不十分となりやすく、そのため得ら
れる塗膜の硬度が低下し、ガスバリア性が悪化する。
【0022】(c)オルガノポリシロキサンの具体例と
しては、下記のものが挙げられる。なお、これらの
(c)オルガノポリシロキサンは、そのまま使用しても
よく、また、加水分解および/または縮合させて使用し
てもよい。 三菱化学(株)製、MS−51(R3 〜R8 =メトキシ
基、重量平均分子量=600) 信越化学工業(株)製、X−40−9220(R3 〜R
6 =メトキシ基、R7〜R8 =メチル基、重量平均分子
量=4,000) 試作品(R3 〜R6 =メトキシ基、R7 〜R8 =フェ
ニル基、重量平均分子量=500) 試作品(重量平均分子量=7,000) ここで、上記試作品の化学構造を、下記に示す。 そのほか、(c)オルガノポリシロキサンの市販品とし
ては、三菱化学(株)製のMKCシリケート、多摩化学
(株)製のシリケート、東レ・ダウコーニング社製のシ
リコンレジン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジ
ン、日本ユニカ(株)製のシリコンオリゴマーなどが挙
げられる。
【0023】本発明のコーティング組成物において、
(a)成分(オルガノシラン換算)と(c)オルガノポ
リシロキサンの割合は、(a)5〜95重量%、好まし
くは10〜90重量%、(c)95〜5重量%、好まし
くは90〜10重量%〔ただし、(a) +(c)=1
00重量%〕である。(a)が5重量%未満では、コー
ティング膜の緻密化が低くガスバリア性に劣り、一方、
95重量%を超えると、コーティング膜の柔軟性が損な
われ、クラックなどによる膜欠陥が現れガスバリア性に
劣る。
【0024】本発明のコーティング組成物には、上記
(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜(c)成分以外
に、(d)金属アルコレート、金属アルコレートとβ−
ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類との反応
で得られるキレート化合物、ならびに該金属アルコレー
トおよび/またはキレート化合物を水と反応させて得ら
れる加水分解物の群から選ばれた少なくとも1種を添加
することが好ましい。(d)成分のうち、金属アルコレ
ートは、(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜(c)
成分との共縮合体を形成する作用をなすものと考えられ
る。上記金属アルコレートとしては、例えば、一般式M
(OR16p (R17COCH2 COR18q 〔式中、M
は金属原子、R16〜R17は同一または異なり、炭素数1
〜6のアルキル基、R18は炭素数1〜6のアルキル基ま
たは炭素数1〜16のアルコキシ基を示し、p,qは0
〜4の整数であり、(p+q)=Mの原子価である〕で
表される化合物が挙げられる。
【0025】(d)成分の金属アルコレート中のR16
よびR17は、同一または異なり、炭素数1〜6のアルキ
ル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R
18は、上記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、
炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−
ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラ
ウリル基、ステアリル基などである。
【0026】これらの(d)成分の金属アルコレート、
金属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−
ケトエステル類との反応で得られるキレート化合物の具
体例としては、テトラブトキシジルコニウム、トリ−n
−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニ
ウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)
ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセ
テート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセ
テート)ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;ジイ
ソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニ
ウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)
チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテ
ート)チタニウム、テトラ−i−プロポキシチタン、テ
トラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタ
ン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンな
どのチタン化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセ
テートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセト
ナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(ア
セチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルア
セトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセ
トナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・
ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのア
ルミニウム化合物などが挙げられる。これらの金属アル
コレートのうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエ
チルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシ
ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロ
ポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これ
らは、1種単独であるいは2種以上混合して使用するこ
とができる。なお、金属アルコレート、金属アルコレー
トとβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類
との反応で得られるキレート化合物としては、これらの
化合物の加水分解物を使用することもできる。
【0027】(d)成分中の金属アルコレートの組成物
中の割合は、(a)成分(オルガノシラン換算)〔およ
び(c)成分であるオルガノポリシロキサン〕〔(a)
あるいは(a)+(c)〕100重量部に対し、好まし
くは0.01〜100重量部、さらに好ましくは0.5
〜50重量部である。0.01重量部未満では、(a)
〜(b)成分、あるいは(a)〜(c)成分との共縮合
体の生成が不充分であり、塗膜の緻密度が不充分とな
り、その結果、ガスバリア性が低下する。一方、100
重量部を超えると、組成物の保存安定性が悪化し、また
得られる塗膜にクラックが発生する場合があり好ましく
ない。
【0028】また、(d)成分のうち、β−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類としては、一般式R
17COCH2 COR18(式中、R17〜R18は上記に同
じ)で表される化合物が挙げられる。この(d)成分を
構成するβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステ
ル類は、本発明の組成物の安定性向上剤として作用する
ものである。すなわち、上記(a)〜(b)成分、ある
いは(a)〜(c)成分を主成分とする組成物中に存在
する上記金属アルコレート(ジルコニウム、チタニウム
および/またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配
位することにより、これらの金属キレート化合物による
(a)成分〜(b)成分、あるいは、(a)〜(c)成
分の縮合反応をコントロールする作用をし、得られる組
成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えら
れる。β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類を構成するR17およびR18は、上記金属アルコレート
を構成するR17およびR18と同様である。
【0029】このβ−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−
プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n
−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−
t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプ
タン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オ
クタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル
−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これら
のうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好
ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ
−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1
種単独でまたは2種以上を混合して使用することもでき
る。このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステ
ル類は、上記金属アルコレート1モルに対し、好ましく
は2モル以上、さらに好ましくは3〜20モルであり、
2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るもの
となる。
【0030】また、本発明の組成物をより速く硬化させ
るにあたっては、硬化条件により(e)硬化促進剤を使
用してもよく、比較的低い温度で硬化させるためには、
この(e)硬化促進剤を併用する方が効果的である。
【0031】この(e)硬化促進剤としては、塩酸など
の無機酸;ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、
アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩;水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;アルキ
ルチタン酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレンジア
ミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペ
リジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エタノ
ールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤
として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ア
ニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系化合
物、(C492 Sn(OCOC11232 、(C4
92 Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C492 Sn(OCOCH=CHCOOC4
92 、(C8172 Sn(OCOC11232
(C8172 Sn(OCOCH=CHCOOCH3
2 、(C8172 Sn(OCOCH=CHCOOC4
92 、(C8172 Sn(OCOCH=CHCO
OC8172 、Sn(OCOCC8172 などのカ
ルボン酸型有機スズ化合物;(C492 Sn(SC
2 COOC8172 、(C492 Sn(SCH
2 COOC8172 、(C8172 Sn(SCH2
COOC8 172 、(C8172 Sn(SCH2
2 COOC8172 、(C8172 Sn(SCH
2 COOC8172 、(C8172 Sn(SCH2
COOC12252
【0032】 などのメルカプチド型有機スズ化合物; などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0033】(C492 SnO、(C8172
nO、または(C492 SnO、(C8172
nOなどの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオ
クチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機
スズ化合物などが使用される。これらの(e)硬化促進
剤の組成物中における割合は、本発明の組成物の固形分
100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好
ましくは0.5〜30重量部用いられる。
【0034】さらに、本発明のコーティング組成物に
は、得られる塗膜の硬度向上を目的として、必要に応じ
て(f)平均粒径が0.01〜0.2μm、好ましくは
0.05〜0.1μmのケイ素酸化物および/または金
属酸化物を添加することも可能である。ここで、平均粒
径が0.2μmを超えると、膜の緻密性の観点からガス
バリア性が劣り、好ましくない。この(f)成分として
は、例えばコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、ア
ルミナゾル、スズゾル、ジルコニウムゾル、五酸化アン
チモンゾル、酸化セリウムゾル、酸化亜鉛ゾル、酸化チ
タンゾルなどが挙げられ、これらの(f)成分の存在下
で、(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜(c)成分
との共縮合反応を行っても良く、また反応後に混合して
もよい。
【0035】本発明のコーティング組成物は、通常、上
記(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜(c)成分
を、(g)親水性有機溶媒中で、加水分解および/また
は縮合することによって得られる。ここで、(g)親水
性有機溶媒としては、例えば1価アルコールまたは2価
アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコー
ルとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ま
しい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレン
グリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができ
る。
【0036】(g)親水性有機溶媒の使用量は、組成物
の全固形分濃度が好ましくは60重量%以下となるよう
に用いられる。例えば、薄膜形成を目的に用いられる場
合には、通常、5〜40重量%、好ましくは10〜30
重量%であり、また厚膜形成を目的に使用する場合に
は、通常、20〜50重量%、好ましくは30〜45重
量%である。組成物の全固形分濃度が60重量%を超え
ると、組成物の保存安定性が低下する傾向にある。な
お、有機溶媒としては、上記の親水性有機溶媒が好まし
いが、親水性有機溶媒以外に、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル類なども使用できる。
【0037】なお、本発明のコーティング組成物は、上
記(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜(c)成分を
主成分とするが、通常、(a)〜(b)成分、あるいは
(a)〜(c)成分を含有する組成物を調製する際に、
(g)′水が、(a)成分を構成するオルガノシランに
添加される。(g)′水の使用量は、(a)成分(オル
ガノシラン換算)〔および(c)オルガノポリシロキサ
ンに含まれるアルコキシ基〕1モルに対して、通常、
0.1〜1モル、好ましくは0.3〜0.7モル程度で
ある。
【0038】このように、本発明のコーティング組成物
は、上記(a)成分と(b)シリル基含有ビニル系重合
体、あるいはこれらと(c)オルガノポリシロキサンと
を、(g)親水性有機溶媒中で、加水分解および/また
は縮合することによって得られる。この際、反応条件
は、温度は20〜100℃、好ましくは30〜80℃、
時間は0.1〜20時間、好ましくは1〜10時間であ
る。得られる組成物の重量平均分子量は、一般的なGP
C法によるポリスチレン換算値で、通常、500〜10
0万、好ましくは1,000〜10万である。この重量
平均分子量の測定方法の詳細は、実施例で示されてい
る。
【0039】なお、本発明のコーティング組成物には、
得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防
止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるた
めに、別途、(h)充填材を添加・分散させることも可
能である。ただし、(h)充填材は、上記(f)成分を
除く。この(h)充填材としては、例えば有機顔料、無
機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の、粒子
状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこ
れらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物など
が挙げられる。この(h)充填材の具体例としては、粒
子状、繊維状もしくは鱗片状の、鉄、銅、アルミニウ
ム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラッ
ク、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化
ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化ア
ルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化
ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫
酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、
コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム
緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリー
ン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバル
ト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫
化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメント
バイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロ
ー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロン
チウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜
酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオ
ン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、
チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タング
ステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マン
ガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラッ
ク、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウ
ィスカー、二硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0040】これらの(h)充填材の平均粒径または平
均長さは、通常、50〜50,000nm、好ましくは
100〜5,000nmである。(h)成分の組成物中
の割合は、(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜
(c)成分の全固形分100重量部に対し、好ましくは
0.1〜300重量部、さらに好ましくは1〜200重
量部である。
【0041】なお、本発明のコーティング組成物には、
そのほかオルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラ
エトキシシランなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、
上記以外の、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加
剤を配合することもできる。
【0042】本発明のコーティング組成物を調製するに
際しては、上記(a)〜(b)成分、あるいは(a)〜
(c)成分を含有する組成物を調製すればよいが、例え
ば下記〜の調製方法が好ましい。 (a)成分、(b)シリル基含有ビニル系重合体〔お
よび(c)オルガノポリシロキサン〕、および(d)成
分のうちの金属アルコレートからなる溶液に、(a)成
分(オルガノシラン換算)〔および(c)オルガノポリ
シロキサンのアルコキシ基〕1モルに対し0.1〜1モ
ルの水を加えて、(a)〜(b)成分、あるいは(a)
〜(c)成分、および金属アルコレートからなる組成物
を形成させたのち、(d)成分のうちのβ−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類を添加する方法。
【0043】(a)成分に、(a)成分(オルガノシ
ラン換算)〔および(c)オルガノポリシロキサンのア
ルコキシ基〕1モルに対し0.1〜1モルの水を加え
て、加水分解・縮合反応を行い、次いで(b)シリル基
含有ビニル系重合体〔および(c)オルガノポリシロキ
サン〕、(d)成分のうちの金属アルコレートを加えて
混合し、さらに縮合反応を行い、(a)〜(b)成分、
あるいは(a)〜(c)成分、および金属アルコレート
からなる組成物を形成したのち、(d)成分のうちのβ
−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を添加
する方法。
【0044】(a)成分と(d)成分である金属アル
コレートからなる溶液に、(a)成分(オルガノシラン
換算)〔および(c)オルガノポリシロキサンのアルコ
キシ基〕1モルに対し0.1〜1モルの水を加えて、加
水分解・縮合反応を行い、次いで(b)シリル基含有ビ
ニル系重合体〔および(c)オルガノポリシロキサン〕
を加えてさらに縮合反応を行い、さらに(d)成分であ
るβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を
添加する方法。
【0045】本発明のコーティング組成物は、特に、ガ
スバリア用途に有用である。すなわち、合成樹脂フィル
ム上に、本発明のコーティング組成物からなる塗膜層
を、あるいは、金属および/または無機化合物の蒸着層
と本発明のコーティング組成物からなる塗膜層を積層す
ることにより、ガスバリア性に優れたコーティングフィ
ルムが得られる。
【0046】ここで、合成樹脂フィルムとしては、シー
ト状またはフィルム状のものであって、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル;ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン1
2などのポリアミドや、ポリ塩化ビニル、ポリビニルア
ルコール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、テトラ
フルオロエチレン、一塩化三フッ化エチレン、フッ化エ
チレン−プロピレン共重合体、ポリイミドなどの包装材
料として用いられるシートあるいはフィルムが使用可能
である。これらの合成樹脂フィルムは、必要に応じて、
二軸延伸フィルムを使用することもできる。また、上記
合成樹脂フィルムには、例えば帯電防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの添加剤を配合すること
ができる。
【0047】さらに、合成樹脂フィルムの塗膜形成面に
は、コロナ放電処理、プラズマ活性化処理、グロー放電
処理、逆スパッタ処理、粗面化処理などの公知の表面活
性化処理を行ったり、エチレンイミン系、アミン系、エ
ポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などのプライマ
ー剤でプライマー処理することも可能である。上記合成
樹脂フィルムの厚さは特に限定されないが、通常、5〜
100μm、好ましくは10〜50μmである。
【0048】合成樹脂フィルムなどの基体(以下「基
体」ともいう)上に、本発明のコーティング組成物から
形成される塗膜層(以下「本発明の塗膜」ともいう)を
積層するには、基体の表面に、マイクログラビアコータ
ーなどのロールコート、スプレーコート、スピンコー
ト、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケーター
などの塗装手段により、1回あるいは複数回の塗装で、
乾燥膜厚が0.01〜30μm、好ましくは0.1〜1
0μmの本発明の塗膜を形成することができ、通常の環
境下、50〜300℃、好ましくは70〜200℃の温
度で、0.5〜60分間、好ましくは1〜10分間、加
熱・乾燥することにより、縮合が行われ、本発明の塗膜
を形成することが可能である。
【0049】また、この際、基体あるいは本発明の塗膜
上に、金属および/または無機化合物の蒸着層(以下
「蒸着層」ともいう)を積層することも可能である。こ
の蒸着層を設けることによって、さらにガスバリア性が
良好となる。ここで、上記蒸着層には、アルミニウム、
ケイ素、チタン、亜鉛、ジルコニウム、マグネシウム、
スズ、銅、鉄などの金属や、これらの金属の酸化物、チ
ッ化物、硫化物、フッ化物など、例えば酸化アルミニウ
ム、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸
化マグネシウム、酸化スズ、硫化亜鉛、フッ化マグネシ
ウムなどが用いられる。
【0050】蒸着層の形成方法は、真空蒸着、イオンプ
レーティング、スパッタリングなどの蒸着法が用いられ
るが、真空蒸着、イオンプレーティングが生産効率の点
から好ましい。蒸着装置内は、内部を2×10-6〜8×
10-3Torr、好ましくは8×10 -6〜8×10-5
orrまで真空に引いたのち、蒸着処理を行う。この蒸
着層は、酸素、水蒸気に対してバリア性を示すが、特に
アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどはガ
スバリア性に優れる。蒸着層の膜厚は、10〜5,00
0オングストローム、好ましくは30〜3,000オン
グストロームであり、10オングストローム未満では、
ガスバリア性が充分でない場合があり、一方、5,00
0オングストロームを超えると、蒸着層の柔軟性が損な
われ、クラックやピンホールが発生しやすくなり、いず
れもガスバリア性が劣る。上記蒸着層は、複数の蒸着材
料を併用してもよく、また2層以上の複層としてもよ
い。
【0051】本発明のコーティング組成物を用いて、本
発明の塗膜を形成させる方法の具体例としては、下記の
方法が挙げられる。 基体表面上に、本発明の塗膜を形成させる方法。な
お、必要に応じて、基体表面上に、上記のように、プラ
イマーをあらかじめ塗布して本発明の塗膜を形成させて
もよい。 基体表面上に、蒸着層を形成し、その蒸着層表面上
に、本発明の塗膜を形成させる方法。なお、基体表面上
に蒸着層を形成させるとき、必要に応じて、基体表面上
にあらかじめプライマーを塗布してもよい。 上記の本発明の塗膜表面上に、蒸着層を形成させる
方法。 上記の本発明の塗膜表面上に、蒸着層を形成させる
方法。 上記の蒸着層表面上に、さらに本発明の塗膜を形成
させる方法。 上記の蒸着層表面上に、さらに本発明の塗膜を形成
させる方法。 上記〜の基体の表面が、片面あるいは両面である
〜の方法。
【0052】このようにして得られる本発明のコーティ
ングフィルムは、ガスバリア性に優れているため、食
品、医薬品、化粧品、煙草、トイレタリー分野などの包
装材料に有用であるばかりか、太陽電池、保護膜、防湿
フィルムなどの用途に用いられる。
【0053】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ないかぎり、重量基準である。また、実施例中の重量平
均分子量、酸素透過度は、下記にしたがって測定した。重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し
た。すなわち、下記条件において、テトラヒドロフラン
を溶媒として使用し、得られる共縮合体1gを100c
cのテトラヒドロフランに溶解して試料とした。また、
標準ポリスチレンは、米国プレッシャーケミカル社製の
標準ポリスチレンを使用した。 装置;米国ウオーターズ社製、高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C、ALC/GPC) カラム;昭和電工(株)製、SHODEX KF−80
M(2本)、KF−802(1本)、長さ各30cm 測定温度;40℃ 流速;1cc/分酸素透過度 モダンコントロール社製、MOCON OXTRANを
用い、温度25℃、湿度90RH%雰囲気下で測定し
た。
【0054】参考例1(シリル基含有ビニル系重合体の
調製) 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、i−プロピルア
ルコール90部を加えて80℃に加温し、これにメチル
メタクリレート70部、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート15部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン15部を滴下し、30分間攪拌した。その後、ア
ゾビスイソバレロニトリル4部とi−プロピルアルコー
ル10部の混合溶解物を30分間かけて滴下し、さらに
80℃で5時間反応させて、固形分濃度50%のシリル
基含有ビニル系重合体(S−1成分、重量平均分子量=
2.7万)を得た。
【0055】参考例2(ジルコニウムキレート化合物の
調製) 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラブトキシ
ジルコニウム16部、アセチルアセトン4部を加え、6
0℃で30分間攪拌後、i−プロピルアルコール80部
を加えてジルコニウムキレート化合物(K−1成分)を
得た。
【0056】実施例1 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラエトキシ
シラン47部、メチルエチルケトン分散コロイダルシリ
カ〔固形分濃度30%、日産化学工業(株)製、MEK
−ST〕77部、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン11部、テトラメトキシシランオリゴマー
〔三菱化学(株)製、MS−51〕45部、参考例1で
調製したシリル基含有ビニル系重合体(S−1成分)5
5部、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレー
トのi−プロピルアルコール溶液〔川研ファインケミカ
ル(株)製、ALCH75、固形分濃度75%〕7.2
部、水17.9部、i−プロピルアルコール137部を
加え、40℃に加熱して4時間反応させ、その後、アセ
チルアセトン4部を加え、さらに2時間反応させて、組
成物(A)を得た。この組成物(A)中の共縮合物の重
量平均分子量は、5.0万であった。
【0057】実施例2 実施例1において、メチルエチルケトン分散コロイダル
シリカ〔日産化学工業(株)製、MEK−ST〕77部
を使用しない以外は、実施例1と同様にして、組成物
(B)を得た。この組成物(B)の重量平均分子量は、
4.5万であった。
【0058】比較例1 テトラエトキシシラン100部に水20部を加え、60
℃に加熱して6時間反応させ、組成物(C)を得た。こ
の組成物(C)の重量平均分子量は、0.4万であっ
た。 比較例2 テトラメトキシシランオリゴマー〔三菱化学(株)製、
MS−51〕100部に水20部を加え、40℃に加熱
して4時間反応させ、組成物(D)を得た。この組成物
(D)の重量平均分子量は、0.3万であった。
【0059】実施例1〜2、比較例1〜2で得られた組
成物に、参考例2で調製した硬化剤の1種でもあるジル
コニウムキレート化合物(K−1成分)を10部添加
し、コロナ放電処理した厚さ12μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上に、バーコーターに
より塗布し、熱風乾燥機で100℃、10分間乾燥さ
せ、膜厚8.0μmの塗膜を形成し、合計で20μmの
ガスバリア性コーティングフィルムを得た。得られたガ
スバリア性コーティングフィルムのガスバリア性を、酸
素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCO
N OXTRAN)を用いて測定した。結果を表1に示
す。
【0060】
【表1】
【0061】表1の実施例1〜2から明らかなように、
(a)成分と(b)シリル基含有ビニル系重合体および
(c)オルガノポリシロキサンを共縮合させた本発明の
コーティング組成物は、ガスバリア性に優れていること
が分かる。これに対し、比較例1はオルガノシランのみ
を縮合させたものであり、また比較例2はオルガノポリ
シロキサンのみを用いたものであり、いずれもガスバリ
ア性に劣ることが分かる。
【0062】実施例3〜4、比較例3〜4 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上に、二酸化ケイ素を蒸着源とし、真空蒸着法
により、膜厚400オングストロームの無機化合物蒸着
層を形成し、さらに、実施例1〜2、あるいは比較例1
〜2で得られた組成物(A)〜(D)に、参考例2で調
製した硬化剤の1種でもあるジルコニウムキレート化合
物(K−1成分)を10部添加したガスバリア性コーテ
ィング組成物をバーコーターにより塗布し、熱風乾燥機
で100℃、10分間乾燥させ、膜厚1.0μmの塗膜
を形成し、ガスバリア性コーティングフィルムを得た。
得られたガスバリア性コーティングフィルムのガスバリ
ア性を、実施例1と同様にして酸素透過度を測定した。
結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】表2の実施例3〜4から明らかなように、
PETフィルムにあらかじめ無機化合物の蒸着層を設け
ることにより、さらにガスバリア性に優れることが分か
る。これに対し、比較例3はオルガノシランのみを縮合
させたものを用いており、また比較例4はオルガノポリ
シロキサンのみを用いたものであり、あらかじめPET
フィルム上に蒸着層を設けても、ガスバリア性が実施例
1〜2よりも劣っていることが分かる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、酸素透過度が極めて小
さく、また人体に無害なコーティング組成物、およびこ
れを用いたガスバリア性に優れたコーティングフィルム
が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 石川 悟司 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA16 AA17 AA19 AA35 AA38 AA39 AA40 AB16 AB18 AB23 AB24 AB39 AB62 AB65 AB66 AB67 AB73 AB74 AB76 BA05 CA07 DA00 DA04 EA01 4F100 AA00C AA17A AA20A AB01C AK01B AK52A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CA02A DE01A EH66C GB15 GB23 GB66 JD02 JD02A 4J038 CL001 DL052 HA096 HA176 HA216 HA236 HA366 HA416 HA446 JA23 JA41 JB04 JB07 JB09 JC13 JC32 JC35 JC38 JC40 JC41 JC42 KA04 KA06 KA20 MA08 NA08 PB04 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(1) R1 n Si(OR24-n ・・・(1) (式中、R1 は同一または異なり、炭素数1〜8の有機
    基、R2 は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル
    基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を
    示し、nは0〜2の整数である)で表されるオルガノシ
    ラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノ
    シランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種、なら
    びに(b)加水分解性基および/または水酸基と結合し
    たケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少な
    くとも1個有するシリル基含有ビニル系重合体を主成分
    とするガスバリア用コーティング組成物。
  2. 【請求項2】 (c)一般式(2) (式中、R3 〜R8 は同一または異なり、炭素数1〜8
    の有機基を示し、かつR 3 〜R8 には少なくともアルコ
    キシ基または水酸基を含み、またmは1以上、かつポリ
    スチレン換算の重量平均分子量が150〜10,000
    であり、さらに−Si−O−結合は直鎖状および/また
    は分岐状である)で表されるオルガノポリシロキサンを
    含有する請求項1記載のガスバリア用コーティング組成
    物。
  3. 【請求項3】 (d)金属アルコレート、金属アルコレ
    ートとβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
    類との反応で得られるキレート化合物、ならびに該金属
    アルコレートおよび/またはキレート化合物を水と反応
    させて得られる加水分解物の群から選ばれた少なくとも
    1種を含有する請求項1または2記載のガスバリア用コ
    ーティング組成物。
  4. 【請求項4】 (e)硬化促進剤を含有する請求項1〜
    3いずれか1項記載のガスバリア用コーティング組成
    物。
  5. 【請求項5】 (f)平均粒径0.01〜0.2μmの
    ケイ素酸化物および/または金属酸化物の微粒子を含有
    する請求項1〜4いずれか1項記載のガスバリア用コー
    ティング組成物。
  6. 【請求項6】 上記(a)成分および(b)成分、ある
    いは、(a)成分、(b)成分および(c)成分を、
    (g)親水性有機溶媒中で、加水分解および/または縮
    合してなる請求項1〜5いずれか1項記載のガスバリア
    用コーティング組成物。
  7. 【請求項7】 (a)一般式(1) R1 n Si(OR24-n ・・・(1) (式中、R1 は同一または異なり、炭素数1〜8の有機
    基、R2 は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル
    基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を
    示し、nは0〜2の整数である)で表されるオルガノシ
    ラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノ
    シランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種、 (b)加水分解性基および/または水酸基と結合したケ
    イ素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくと
    も1個有するシリル基含有ビニル系重合体、ならびに (式中、R3 〜R8 は同一または異なり、炭素数1〜8
    の有機基を示し、かつR 3 〜R8 には少なくともアルコ
    キシ基または水酸基を含み、またmは1以上、かつポリ
    スチレン換算の重量平均分子量が150〜10,000
    であり、さらに−Si−O−結合は直鎖状および/また
    は分岐状である)で表されるオルガノポリシロキサンを
    主成分とするコーティング組成物。
  8. 【請求項8】 (d)金属アルコレート、金属アルコレ
    ートとβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
    類との反応で得られるキレート化合物、ならびに該金属
    アルコレートおよび/またはキレート化合物を水と反応
    させて得られる加水分解物の群から選ばれた少なくとも
    1種、(e)硬化促進剤、ならびに(f)平均粒径0.
    01〜0.2μmのケイ素酸化物および/または金属酸
    化物の微粒子の群から選ばれた少なくとも1種を含有す
    る請求項7記載のコーティング組成物。
  9. 【請求項9】 上記(a)成分、(b)成分および
    (c)成分を、(g)親水性有機溶媒中で、加水分解お
    よび/または縮合してなる請求項7または8記載のコー
    ティング組成物。
  10. 【請求項10】 合成樹脂フィルム上に、請求項1〜9
    いずれか1項記載のコーティング組成物から形成される
    塗膜層が積層されたコーティングフィルム。
  11. 【請求項11】 合成樹脂フィルム上に、金属および/
    または無機化合物の蒸着層と請求項1〜9いずれか1項
    記載のコーティング組成物から形成される塗膜層とが積
    層されたコーティングフィルム。
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