JP2003003126A - ガスバリアコーティング用組成物,およびガスバリアコーティングフィルム - Google Patents

ガスバリアコーティング用組成物,およびガスバリアコーティングフィルム

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JP2003003126A
JP2003003126A JP2001187670A JP2001187670A JP2003003126A JP 2003003126 A JP2003003126 A JP 2003003126A JP 2001187670 A JP2001187670 A JP 2001187670A JP 2001187670 A JP2001187670 A JP 2001187670A JP 2003003126 A JP2003003126 A JP 2003003126A
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gas barrier
barrier coating
coating film
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Taro Kanamori
太郎 金森
Koji Kawahara
弘二 河原
Yuichi Hashiguchi
裕一 橋口
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素や水蒸気などの気体に対するバリア性が
低下することなく、またイソシアネート基を有するイソ
シアネート化合物、メラミン、ホルムアルデヒド、塩化
錫などの人体への有害性が懸念される化合物を含まず、
人体に無害なコーティング組成物、およびこれを用いた
ガスバリア性に優れたコーティングフィルムを提供する
こと。 【解決手段】 (a)加水分解性基および/または水酸
基と結合したケイ素原子を有するシリル基を含有する重
合体、を含有するガスバリアコーティング用組成物、さ
らに、合成樹脂フィルム上に、このガスバリアコーティ
ング組成物から形成される塗膜が積層されたガスバリア
コーティングフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、食品、化
粧品、煙草、トイレタリー分野などの包装用途に用いら
れ、酸素、水蒸気、その他の内容物を変質させるガスの
透過を阻止するのに有効なコーティング組成物、および
これを用いたガスバリア性に優れたコーティングフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医薬品、食品、化粧品、煙草、ト
イレタリー分野などの包装用途に用いれる包装材料は、
例えば食品用であれば蛋白質、油脂類の酸化などの内容
物の変質を防止し、味などの品質保持のために、酸素、
水蒸気、その他の内容物を変質させるガスを透過させな
いガスバリア性を有する材料が用いられている。このよ
うな従来の問題点に対応し、例えば、特開平7−266
485号公報には、高分子樹脂組成物からなる基材上
に、1種以上の金属アルコキシドあるいはその加水分解
物と、分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基
を有するイソシアネート化合物との混合溶液を主剤とす
るコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリ
ア性被膜層を形成したガスバリア材が提案されている。
しかしながら、このガスバリア材には、イソシアネート
基を有するイソシアネート化合物、メラミン、ホルムア
ルデヒド、塩化錫などが含有されており、特に医療品、
食品用途では人体へ間接的に経口する可能性があり、人
体に有害であるという問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたもので、酸素や水蒸気など
の気体に対するバリア性が低下することなく、またイソ
シアネート基を有するイソシアネート化合物、メラミ
ン、ホルムアルデヒド、塩化錫などの人体への有害性が
懸念される化合物を含まず、人体に無害なコーティング
組成物、およびこれを用いたガスバリア性に優れたコー
ティングフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)加水分
解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有
するシリル基を含有する重合体(以下「(a)成分」、
あるいは、「(a)シリル基含有重合体」ともいう)を
含有することを特徴とするコーティング組成物に関す
る。また、本発明のガスバリアコーティング組成物は、
(a)シリル基含有重合体のシリル基が、下記一般式
(1) (式中、Xはハロゲン原子、もしくはアルコキシル基、
アセトキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシル基およ
びアミノ基の群から選ばれた加水分解性基または水酸基
を示し、R3 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基
または炭素数1〜10のアラルキル基を示し、iは1〜
3の整数である。)で表されるものであることが好まし
い。また、本発明のガスバリアコーティング組成物は、
(a)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が2,0
00〜100,000の範囲であることが好ましい。さ
らに、本発明のガスバリアコーティング組成物は、
(b)硬化剤を含有してもよい。さらに、本発明のガス
バリアコーティング組成物は、(c)β−ジケトンおよ
び/またはβ−ケトエステルを含有してもよい。さら
に、本発明のガスバリアコーティング組成物は、(d)
含窒素有機化合物を含有してもよい。次に、本発明は、
合成樹脂フィルム上に、上記ガスバリアコーティング組
成物から形成される塗膜が積層されたガスバリアコーテ
ィングフィルムを提供するものである。また、本発明
は、合成樹脂フィルム上に、金属および/または無機化
合物の蒸着膜と、上記ガスバリアコーティング組成物か
ら形成される塗膜とが積層されたガスバリアコーティン
グフィルムを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】ガスバリアコーティング組成物 本発明のガスバリアコーティング組成物を構成要件別に
説明する。 (a)成分;(a)成分は、加水分解性基および/また
は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基(以下
「特定シリル基」という)を、好ましくは重合体分子鎖
の末端および/または側鎖に有する重合体からなる(以
下「(a)成分」ともいう)。本発明の組成物におい
て、(a)成分は、塗膜を硬化させる際に、そのシリル
基中の加水分解性基および/または水酸基が縮合するこ
とにより、優れた塗膜性能をもたらす成分である。ま
た、本発明のガスバリアコートフィルムにおいて、
(a)成分のシリル基中の加水分解性基および/または
水酸基が、フィルム表面、あるいはフィルム上の金属お
よび/または無機化合物の蒸着膜表面との密着性の向上
をもたらす成分である。(a)成分におけるケイ素原子
の含有量は、(a)成分全体に対して、通常、0.00
1〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%であ
る。好ましい特定シリル基は、下記一般式(1)で表さ
れる基である。
【0006】 (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシル基、アセトキ
シ基、フェノキシ基、チオアルコキシル基、アミノ基な
どの加水分解性基または水酸基を示し、R3 は水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10
のアラルキル基を示し、iは1〜3の整数である。)
【0007】(a)成分は、例えば、下記(イ)や
(ロ)などの方法により、製造することができる。 (イ)上記一般式(1)に対応するヒドロシラン化合物
(以下「ヒドロシラン化合物(イ)」という)を、炭素
−炭素二重結合を有するビニル系重合体(以下「不飽和
ビニル系重合体」という)中の該炭素−炭素二重結合に
付加反応させる方法。
【0008】(ロ)下記一般式(2) 〔式中、X,R3 ,iは一般式(1)におけるそれぞれ
X,R3 ,iと同義であり、R4 は重合性二重結合を有
する有機基を示す〕で表されるシラン化合物(以下「不
飽和シラン化合物(ロ)」という)と、他のビニル系単
量体とを共重合する方法。
【0009】上記(イ)の方法に使用されるヒドロシラ
ン化合物(イ)としては、例えば、メチルジクロルシラ
ン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなどの
ハロゲン化シラン類;メチルジメトキシシラン、メチル
ジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメ
トキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシ
ラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセト
キシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシシ
ラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシ
ラン、ジメチル・アミノキシシランなどのアミノキシシ
ラン類などを挙げることができる。これらのヒドロシラ
ン化合物(イ)は、単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。
【0010】また、上記(イ)の方法に使用される不飽
和ビニル系重合体は、水酸基を有する重合体以外であれ
ば特に限定されず、例えば、下記(イ−1)や(イ−
2)の方法あるいはこれらの組み合わせなどによって製
造することができる。 (イ−1)官能基(以下「官能基(α)」という)を有
するビニル系単量体を(共)重合したのち、該(共)重
合体中の官能基(α)に、該官能基(α)と反応しうる
官能基(以下「官能基(β)」という)と炭素・炭素二
重結合とを有する不飽和化合物を反応させることによ
り、重合体分子鎖の側鎖に炭素−炭素二重結合を有する
不飽和ビニル系重合体を製造する方法。
【0011】(イ−2)官能基(α)を有するラジカル
重合開始剤(例えば、4,4−アゾビス−4−シアノ吉
草酸など)を使用し、あるいは、ラジカル重合開始剤と
連鎖移動剤の双方に官能基(α)を有する化合物(例え
ば、4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸とジチオグリ
コール酸など)を使用して、ビニル系単量体を(共)重
合して、重合体分子鎖の片末端あるいは両末端にラジカ
ル重合開始剤や連鎖移動剤に由来する官能基(α)を有
する(共)重合体を合成したのち、該(共)重合体中の
官能基(α)に、官能基(β)と炭素・炭素二重結合と
を有する不飽和化合物を反応させることにより、重合体
分子鎖の片末端あるいは両末端に炭素−炭素二重結合を
有する不飽和ビニル系重合体を製造する方法。
【0012】(イ−1)および(イ−2)の方法におけ
る官能基(α)と官能基(β)との反応の例としては、
カルボキシル基と水酸基とのエステル化反応、カルボン
酸無水物基と水酸基との開環エステル化反応、カルボキ
シル基とエポキシ基との開環エステル化反応、カルボキ
シル基とアミノ基とのアミド化反応、カルボン酸無水物
基とアミノ基との開環アミド化反応、エポキシ基とアミ
ノ基との開環付加反応、水酸基とイソシアネート基との
ウレタン化反応や、これらの反応の組み合わせなどを挙
げることができる。
【0013】官能基(α)を有するビニル系単量体とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン
酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カル
ボン酸無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテルなどの水酸基含有ビニル系単量体;2
−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メ
タ)アクリレート、2−アミノエチルビニルエーテルな
どのアミノ基含有ビニル系単量体;1,1,1−トリメ
チルアミン(メタ)アクリルイミド、1−メチル−1−
エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチ
ル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)ア
クリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2′−フェニ
ル−2′−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリル
イミド、1,1−ジメチル−1−(2′−ヒドロキシ−
2′−フェノキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイ
ミドなどのアミンイミド基含有ビニル系単量体;グリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル
などのエポキシ基含有ビニル系単量体などを挙げること
ができる。これらの官能基(α)を有するビニル系単量
体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。
【0014】官能基(α)を有するビニル系単量体と共
重合可能な他のビニル系単量体としては、例えば、 (イ)スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチ
レン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−
メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4
−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジ
メチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロ
ロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メ
チルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジク
ロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニル
ナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
【0015】(ロ)メチル(メタ)アクリレート、 エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル
(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、
i−アミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物;
【0016】(ハ)ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、 テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量
体;
【0017】(ニ)(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、
マレイミドなどの酸アミド化合物;(ホ)塩化ビニル、
塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化
合物; (ヘ)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基などの
置換基で置換された置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖
状および側鎖状の共役ヘキサジエンなどの脂肪族共役ジ
エン;
【0018】(ト)アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル化合物; (チ)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペン
タデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートなどのフ
ッ素原子含有単量体; (リ)4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイ
ルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマ
ー; そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。これら
は、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることが
できる。
【0019】官能基(β)と炭素・炭素二重結合とを有
する不飽和化合物としては、例えば、官能基(α)を有
するビニル系単量体と同様のビニル系単量体や、上記水
酸基含有ビニル系単量体とジイソシアネート化合物とを
等モルで反応させることにより得られるイソシアネート
基含有不飽和化合物などを挙げることができる。
【0020】また、上記(ロ)の方法に使用される不飽
和シラン化合物(ロ)の具体例としては、 CH2=CHSi(CH3)(OCH32、 CH2=CHSi(OCH33、 CH2=CHSi(CH3)Cl2、CH2=CHSiCl
3、 CH2=CHCOO(CH22Si(CH3)(OC
32、 CH2=CHCOO(CH22Si(OCH33、 CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)(OC
32、 CH2=CHCOO(CH23Si(OCH33、 CH2=CHCOO(CH22Si(CH3)Cl2、 CH2=CHCOO(CH22SiCl3、 CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)Cl2、 CH2=CHCOO(CH23SiCl3、 CH2=C(CH3)COO(CH22Si(CH3
(OCH32、 CH2=C(CH3)COO(CH22Si(OC
33、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3
(OCH32、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OC
33、 CH2=C(CH3)COO(CH22Si(CH3)C
2、 CH2=C(CH3)COO(CH22SiCl3、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3)C
2、 CH2=C(CH3)COO(CH23SiCl3
【0021】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0022】を挙げることができる。これらは、1種単
独あるいは2種以上を併用して用いることができる。ま
た、不飽和シラン化合物(ロ)と共重合させる他のビニ
ル系単量体としては、例えば、上記(イ−1)の方法に
ついて例示した官能基(α)を有するビニル系単量体や
他のビニル系単量体などの1種以上を挙げることができ
る。
【0023】また、(a)成分の他の例としては、特定
シリル基含有エポキシ樹脂、特定シリル基含有ポリエス
テル樹脂などを挙げることができる。上記特定シリル基
含有エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエ
ーテル、脂肪族ポリグリシジルエステルなどのエポキシ
樹脂中のエポキシ基に、特定シリル基を有するアミノシ
ラン類、ビニルシラン類、カルボキシシラン類、、グリ
シジルシラン類などを反応させることにより製造するこ
とができる。また、上記特定シリル基含有ポリエステル
樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂中に含有されるカル
ボキシル基や水酸基に、特定シリル基を有するアミノシ
ラン類、カルボキシシラン類、グリシジルシラン類など
を反応させることにより製造することができる。
【0024】上記(a)成分を製造する際の重合方法と
しては、例えば、一括して単量体を添加して重合する方
法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続的に
あるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体を重
合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられる。
また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を採用
することもできる。好ましい重合方法としては、溶液重
合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、公知の
ものを使用できるが、例えば、アルコール類、芳香族炭
化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙
げることができる。これらの有機溶剤のうち、アルコー
ル類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−
プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチ
ルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチル
アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコ
ールなどを挙げることができる。
【0025】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どを、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを
挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。
【0026】また、上記溶液重合に使用される重合開始
剤は、公知のものを使用できるが、例えば、クメンハイ
ドロパーオキシド、イソプロピルベンゼンハイドロパー
オキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、ベンゾ
イルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジイソ
プロピルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、
ジクミルパーオキシドなどのパーオキシド類;アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、ア
ゾビスイソカプロニトリル、アゾビスフェニルイソブチ
ロニトリルなどのアゾ化合物や、上記パーオキシド類と
還元剤とからなるレドックス触媒などのラジカル重合開
始剤を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単
独で、または2種以上を混合して使用することができ
る。また、これら重合開始剤の使用量は、全単量体に対
して0.01〜10重量%が好ましく、さらに0.05
〜7重量%が好ましい。
【0027】また、上記溶液重合に際しては、必要に応
じて、公知の連鎖移動剤を使用することができる。例え
ば、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン成
分を60重量%以上含有するα−メチルスチレンダイマ
ー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネ
ン、ジペンテン、オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキ
サデシルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジスルフ
ィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロ
ピルキサントゲンジスルフィド、テトラメチルチウラム
モノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、
テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチルチ
ウラムジスルフィド、トリクロロメタン、四塩化炭素、
トリクロロエタンなどが挙げられる。これらの連鎖移動
剤は、単独で、または2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0028】上記溶液重合に際して、単量体、重合開始
剤、連鎖移動剤などの反応成分は、反応開始前に全量を
添加しても良く、あるいはそれらの一部または全部を反
応開始後に分割あるいは連続で添加しても良い。重合温
度は重合媒体や重合開始剤の種類に置いて適宜選定され
るが、通常、0〜200℃であり、好ましくは0〜10
0℃である。重合中、温度、攪拌速度などの反応条件を
適宜に変更することもでき、また、重合反応は、連続
式、半連続式、回分式のいずれでも実施可能である。
【0029】上記溶液重合に際して、重合時の単量体固
形分濃度は目的とする重合体を得るため適宜選定される
が、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10
〜50重量%である。重合時の単量体固形分濃度が5重
量%未満であると、重合転換率が低くなり、未反応モノ
マーが多くなる場合がある。一方、重合時の単量体固形
分濃度が60重量%を超えると、重合時の発熱抑制が困
難になり反応温度コントロールが困難になる場合や、ゲ
ル化する場合がある。
【0030】また、(a)成分の重量平均分子量(M
w)は、好ましくは2,000〜100,000、さら
に好ましくは3,000〜50,000である。(a)
成分のMwが2,000未満であると、塗膜の耐アルカ
リ性、耐溶剤性、耐水性などが低下する傾向があり、ま
た、100,000を超えると、例えば溶液塗料の粘度
が高くなりすぎ、取り扱い性、塗工作業性などが低下す
る場合がある。
【0031】また、(a)成分を塗膜した場合のガラス
転移温度(Tg)は、通常、−60〜+90℃であり、
好ましくは−20〜+80℃である。Tgが低すぎる
と、塗膜の粘着性が高くなり塗工作業性が損なわれた
り、硬度が低下する場合がある。一方、Tgが高すぎる
と、塗膜の基材との密着が低下する場合や、塗膜が脆く
なる場合がある。本発明において、(a)成分は、単独
でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して
使用することができる。
【0032】本発明組成物の固形分濃度は、目的とする
コーティング膜厚に応じて適宜選定される。上記(a)
成分の重合により得られた固形分濃度のままでも良く、
上記有機溶剤で希釈しても良く、また、重合後濃縮して
も良く、また、濃縮後異なる有機溶剤を添加して再度希
釈しても良い。好ましくは、組成物の全固形分濃度が好
ましくは50重量%以下となるように用いられる。例え
ば、薄膜形成を目的に用いられる場合には、通常、1〜
30重量%、また厚膜形成を目的に使用する場合には、
通常、10〜50重量%、好ましくは20〜45重量%
である。組成物の全固形分濃度が50重量%を超える
と、組成物の保存安定性が低下する傾向にある。本発明
の組成物には、以下の(b)硬化剤〜(d)成分などを添
加することができる。
【0033】(b)成分;(b)硬化剤は、(a)成分
の加水分解・縮合反応を促進する触媒である。(b)成
分を使用することにより、得られる塗膜の硬化速度を高
めるとともに、使用されるオルガノシラン成分の重縮合
反応により生成されるポリシロキサン樹脂の分子量が大
きくなり、強度、長期耐久性などに優れた塗膜を得るこ
とができ、かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易となる。
また、フィルム上にコーティングしたとき、フィルム表
面、あるいはフィルム上の金属および/または無機化合
物の蒸着膜表面との密着性の向上をもたらす成分であ
る。
【0034】このような(b)成分としては、酸性化合
物、アルカリ性化合物、金属塩、アミン化合物、有機金
属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、有
機金属化合物および/またはその部分加水分解物をまと
めて「有機金属化合物等」という)が好ましい。上記酸
性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン
酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、フタ
ル酸などを挙げることができ、好ましくは、酢酸であ
る。また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることがで
き、好ましくは、水酸化ナトリウムである。また、上記
金属塩としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、亜
硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩
などを挙げることができる。
【0035】また、上記アミン化合物としては、例え
ば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノール
アミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノ
プロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3
−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキル
アミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げ
ることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リメトキシシランである。
【0036】また、上記有機金属化合物等としては、例
えば、下記一般式(3)で表される化合物(以下「有機
金属化合物(3)」という)、同一のスズ原子に結合し
た炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価ス
ズの有機金属化合物(以下「有機スズ化合物」とい
う)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物、縮
合物、反応物などを挙げることができる。
【0037】 〔式中、Mはケイ素、ジルコニウム、チタンまたはアル
ミニウムを示し、R5 およびR6 は、同一または異なっ
て、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などの炭素数1〜6の1価の炭化水素基
を示し、R7 は、R5 およびR6 と同様の炭素数1〜6
の1価の炭化水素基のほか、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオ
キシ基、ステアリルオキシ基などの炭素数1〜16のア
ルコキシル基を示し、rおよびsは0〜4の整数で、
(r+s)=(Mの原子価)である。〕
【0038】有機金属化合物(3)の具体例としては、 (イ)テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトライソプロポキシなどの有機ケイ素化合物 (ロ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物;
【0039】(ハ)テトラ−i−プロポキシチタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチル
アセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合
物; (ニ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−
i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物;などを挙げることができる。
【0040】また、有機スズ化合物の具体例としては、 (C492Sn(OCOC11232、 (C492Sn(OCOCH=CHCOOCH32、 (C492Sn(OCOCH=CHCOOC492、 (C8172Sn(OCOC8172、 (C8172Sn(OCOC11232、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOCH32、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOC
492、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOC
8172、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOC1633
2 、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOC1735
2、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOC1837
2、 (C8172Sn(OCOCH=CHCOOC2041
2
【0041】 (C49)Sn(OCOC11233、 (C49)Sn(OCONa)3 などのカルボン酸型有機スズ化合物;
【0042】(C492Sn(SCH2COOC
8172、 (C492Sn(SCH2CH2 COOC8172、 (C8172Sn(SCH2COOC8172、 (C8172Sn(SCH2CH2COOC8172、 (C8172Sn(SCH2COOC12252、 (C8172Sn(SCH2CH2COOC12252、 (C49)Sn(SCOCH=CHCOOC8173、 (C817)Sn(SCOCH=CHCOOC
8173
【0043】 などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0044】(C492Sn=S、(C8172Sn
=S、 などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0045】(C49)SnCl3、(C492Sn
Cl2、 (C8172SnCl2などのクロライド型有機スズ化合物;(C492Sn
O、(C8172SnOなどの有機スズオキサイドや、
これらの有機スズオキサイドとシリケート、マレイン酸
ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルな
どのエステル化合物との反応生成物;などを挙げること
ができる。また、上記有機金属化合物は、そのまま、部
分加水分解物、部分縮合物として、あるいはそれらの混
合物、反応物として使用することもできる。
【0046】上記(b)成分は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその
他の反応遅延剤と混合して使用することもできる。
【0047】(b)成分は、組成物を調製する際に配合
してもよく、また、塗膜を形成する段階で組成物に配合
してもよく、さらには、組成物の調製と塗膜の形成との
両方の段階で配合してもよい。(b)成分の使用量は、
固形分換算で上記(a)成分におけるシリル基含有重合
体100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好
ましくは、0.01〜80重量部、さらに好ましくは、
0.1〜50重量部である。この場合、(d)成分の使
用量が100重量部を超えると、組成物の保存安定性が
低下したり、塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向が
ある。
【0048】(c)成分;(c)成分は、下記一般式
(4) R6 COCH2COR7 ・・・(4) 〔式中、R6およびR7 は、有機金属化合物(3)にお
ける上記各一般式のそれぞれR6およびR7 と同義であ
る〕で表されるβ−ジケトン類およびβ−ケトエステル
類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化
合物、およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選
択される少なくとも1種である。このような(c)成分
は、特に、上記(b)成分として有機金属化合物等を使
用する場合に併用することが好ましい。
【0049】(c)成分は、組成物の安定性向上剤とし
て作用するものである。すなわち、(c)成分が上記有
機金属化合物等の金属原子に配位して、該有機金属化合
物等による上記(a)成分の縮合反応を促進する作用を
適度にコントロールすることにより、(a)成分と
(b)成分、必要に応じて添加される後記(d)からな
る得られる組成物の保存安定性をさらに向上させる作用
をなすものと推定される。
【0050】(c)成分の具体例としては、アセチルア
セトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト
酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセ
ト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、ア
セト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘ
プタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、
オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、
5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュ
ウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢
酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコー
ル、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジ
ン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミ
ン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジ
チゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどを挙げる
ことができる。これらのうち、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸エチルが好ましい。(c)成分は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0051】(c)成分の使用量は、上記有機金属化合
物等における有機金属化合物1モルに対して、通常、1
モル以上、好ましくは2〜20モルである。この場合、
(c)成分の使用量が1モル未満では、得られる組成物
の保存安定性の向上効果が不充分となる傾向がある。
【0052】(d)成分;本発明のコーティング組成物
は、必要に応じて、(d)成分である含窒素有機化合物
を含有してもよい。(d)成分の含窒素有機化合物とし
ては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メ
チルピロリドン、ピリジンなどの親水性含窒素有機溶
媒;チミン、グリシン、シトシン、グアニンなどの核酸
塩基類;ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル
アミドなどの親水性含窒素ポリマーおよびこれらの成分
が共重合された共重合体などが挙げられる。これらの中
で、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミドおよびポリビニルピロリドンが好ましい。
(d)成分を混合することにより、薄膜でのコーティン
グにおいて、外観がより透明で良好な塗膜が得られると
ともに、無機粒子/およびまたは無機の積層体と縮合す
る際の触媒効果を発揮する。上記含窒素化合物の使用割
合は本発明の組成物中に、通常、70重量%以下、好ま
しくは50重量%以下である。
【0053】(e)成分;(e)成分は、無機化合物の
粉体および/またはゾルもしくはコロイドからなり、塗
膜の所望の特性に応じて配合される。(e)成分がゾル
もしくはコロイド状の場合には、その平均粒径は、通
常、0.005〜100μm程度である。
【0054】(e)成分をなす化合物の具体例として
は、SiO2、Al23、TiO2、ZnO2、CeO2
AlGaAs、Al(OH)3 、Sb2 5 、Si3
4 、Sn−In2 3 、Sb−In2 3 、MgF、C
eF3 、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−
FeOx、CrO2 、Fe4 N、BaTiO3 、BaO
−Al2 3 −SiO2 、Baフェライト、SmC
5 、YCO5 、CeCO5、PrCO5 、Sm2 CO
17、Nd2 Fe14B、Al4 3 、α−Si、Si
4 、CoO、Sb−SnO2 、Sb2 5 、Mn
2 、MnB、Co3 4 、Co3 B、LiTaO3
MgO、MgAl2 4 、BeAl2 4 、ZrSiO
4 、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi2 、Cr
Si2 、CoSi2 、MnSi1.73、Mg2 Si、β−
B、BaC、BP、TiB2 、ZrB2 、HfB 2 、R
2 Si3 、TiO3 、PbTiO3 、Al2 Ti
5 、Zn2 SiO4、Zr2 SiO4 、2MgO2
Al2 3 −5SiO2 、Nb2 5 、Li2O−Al
2 3 −4SiO2 、Mgフェライト、Niフェライ
ト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェ
ライトなどを挙げることができる。これら(e)成分
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0055】(e)成分の存在形態には、粉体、水に分
散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアル
コールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中
に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒
系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体の分散性によ
ってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよく、また
分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
【0056】(e)成分が水系のゾルもしくはコロイ
ド、あるいは溶媒系のゾルもしくはコロイドである場
合、固形分濃度は40重量%以下が好ましい。
【0057】(e)成分を組成物中に配合する方法とし
ては、特に限定はなく、組成物の調製後に添加してもよ
く、あるいは、(a)成分の溶液重合時に添加して、
(e)成分存在下で、上記(a)成分を溶液重合しても
良い。(e)成分の使用量は、上記(a)成分における
シリル基含有重合体(固形分換算)全量100重量部に
対して、固形分で、通常、0〜500重量部、好ましく
は、0.1〜400重量部である。
【0058】他の添加剤;また、本発明に用いられる組
成物には、得られる塗膜の着色、厚膜化などのために、
別途充填材を添加・分散させることもできる。このよう
な充填材としては、例えば、非水溶性の有機顔料や無機
顔料、顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片状のセ
ラミックス、金属あるいは合金、ならびにこれらの金属
の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などを挙
げることができる。
【0059】上記充填材の具体例としては、鉄、銅、ア
ルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボ
ンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、合成ムライト、水酸化アル
ミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭
酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸
バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コ
バルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、
シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、
群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト
青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化
銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバ
イオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロ
ー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロン
チウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜
酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオ
ン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、
チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タング
ステン白、鉛、亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マ
ンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラ
ック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウム
ウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができ
る。これらの充填材は、単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。充填材の使用量は、組成物の
全固形分100重量部に対して、通常、300重量部以
下である。
【0060】さらに、本発明の組成物には、所望によ
り、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエト
キシシランなどの公知の脱水剤;ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカ
ルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボン酸塩、ポリ
リン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミドエステル塩、
ポリエチレングリコールなどの分散剤;メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどのセルロース類や、ひまし油誘導
体、フェロけい酸塩などの増粘剤;炭酸アンモニウム、
炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホ
ウ素ナトリウム、カルシウムアジドなどの無機発泡剤
や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジ
フェニルスルホン−3,3′−ジスルホヒドラジンなど
のヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾ
ール化合物、N−ニトロソ化合物などの有機発泡剤のほ
か、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、染料などの他の添加剤を配合することもでき
る。
【0061】さらに、本発明のガスバリアコーティング
組成物には、組成物のコーティング性をより向上させる
ためにレベリング剤を配合することができる。このよう
なレベリング剤のうち、フッ素系のレベリング剤(商品
名。以下同様)としては、例えば、ビーエムケミー(B
M−CHEMIE)社のBM1000、BM1100;
エフカケミカルズ社のエフカ772、エフカ777;共
栄社化学(株)製のフローレンシリーズ;住友スリーエ
ム(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフルオナー
ルTFシリーズなどを挙げることができ、シリコーン系
のレベリング剤としては、例えば、ビックケミー社のB
YKシリーズ;シュメグマン(Sshmegmann)
社のSshmegoシリーズ;エフカケミカルズ社のエ
フカ30、エフカ31、エフカ34、エフカ35、エフ
カ36、エフカ39、エフカ83、エフカ86、エフカ
88などを挙げることができ、エーテル系またはエステ
ル系のレベリング剤としては、例えば、日信化学工業
(株)のカーフィノール;花王(株)のエマルゲン、ホ
モゲノールなどを挙げることができる。
【0062】このようなレベリング剤を配合することに
より、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均
一に塗布することができる。レベリング剤の使用量は、
全組成物に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、
さらに好ましくは0.02〜3重量%である。レベリン
グ剤を配合する方法としては、組成物を調製する際に配
合してもよく、また塗膜を形成する段階で組成物に配合
してもよく、さらには組成物の調製と塗膜の形成との両
方の段階で配合してもよい。
【0063】なお、本発明に用いられる組成物には、他
の樹脂をブレンドしてもよい。他の樹脂としては、アク
リル−ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ア
クリル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂エマルジョン、
エポキシ樹脂エマルジョン、ポリウレタンエマルジョ
ン、ポリエステルエマルジョンなどが挙げられる。
【0064】本発明のガスバリアコーティング組成物の
全固形分濃度は、好ましくは、50重量%以下であり、
使用目的に応じて適宜調整される。例えば、薄膜形成を
目的とする場合は、通常、1〜30重量%であり、また
厚膜形成を目的で使用するときには、通常、10〜50
重量%、好ましくは20〜45重量%である。組成物の
全固形分濃度が50重量%を超えると、保存安定性が低
下する傾向がある。特に、本発明のガスバリア性コーテ
ィング組成物は、全固形分濃度が1〜30重量%である
ことが好ましいが、基材の種類、塗装方法、塗装膜厚な
どに応じて適宜調整される。
【0065】ガスバリアコーティングフィルム 本発明のコーティング組成物は、特に、ガスバリア用途
に有用である。すなわち、合成樹脂フィルム上に、本発
明のコーティング組成物からなる塗膜層を、あるいは、
金属および/または無機化合物の蒸着層と本発明のコー
ティング組成物からなる塗膜層を積層することにより、
ガスバリア性に優れたコーティングフィルムが得られ
る。
【0066】ここで、合成樹脂フィルムとしては、シー
ト状またはフィルム状のものであって、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル;ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン1
2などのポリアミドや、ポリ塩化ビニル、ポリビニルア
ルコール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、テトラ
フルオロエチレン、一塩化三フッ化エチレン、フッ化エ
チレン−プロピレン共重合体、ポリイミドなどの包装材
料として用いられるシートあるいはフィルムが使用可能
である。これらの合成樹脂フィルムは、必要に応じて、
二軸延伸フィルムを使用することもできる。また、上記
合成樹脂フィルムには、例えば帯電防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの添加剤を配合すること
ができる。
【0067】さらに、合成樹脂フィルムの塗膜形成面に
は、コロナ放電処理、プラズマ活性化処理、グロー放電
処理、逆スパッタ処理、粗面化処理などの公知の表面活
性化処理を行ったり、エチレンイミン系、アミン系、エ
ポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などのプライマ
ー剤でプライマー処理することも可能である。上記合成
樹脂フィルムの厚さは特に限定されないが、通常、5〜
100μm、好ましくは10〜50μmである。
【0068】合成樹脂フィルムなどの基材(以下「基
材」ともいう)上に、本発明のコーティング組成物から
形成される塗膜層(以下「本発明の塗膜」ともいう)を
積層するには、基材の表面に、マイクログラビアコータ
ーなどのロールコート、スプレーコート、スピンコー
ト、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケーター
などの塗装手段により、1回あるいは複数回の塗装で、
乾燥膜厚が0.01〜30μm、好ましくは0.1〜1
0μmの本発明の塗膜を形成することができ、通常の環
境下、50〜300℃、好ましくは70〜200℃の温
度で、0.5〜60分間、好ましくは1〜10分間、加
熱・乾燥することにより、縮合が行われ、本発明の塗膜
を形成することが可能である。
【0069】また、この際、基材あるいは本発明の塗膜
上に、金属および/または無機化合物の蒸着層(以下
「蒸着層」ともいう)を積層することも可能である。こ
の蒸着層を設けることによって、さらにガスバリア性が
良好となる。ここで、上記蒸着層には、アルミニウム、
アンチモン、ケイ素、チタン、亜鉛、ジルコニウム、マ
グネシウム、スズ、銅、鉄、インジウムなどの金属や複
合金属、これらの酸化物、チッ化物、硫化物、フッ化物
など、例えば酸化アルミニウム、酸化アンチモン、二酸
化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネ
シウム、酸化スズ、酸化インジウム、硫化亜鉛、フッ化
マグネシウムなどが用いられる。
【0070】蒸着層の形成方法は、プラズマ化学気相成
長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などの化学
気相成長法および/または真空蒸着、イオンプレーティ
ング、スパッタリングなどの物理気相成長法による無機
酸化物の蒸着膜が好ましい。蒸着層の膜厚は、10〜
5,000オングストローム、好ましくは30〜3,0
00オングストロームであり、10オングストローム未
満では、ガスバリア性が充分でない場合があり、一方、
5,000オングストロームを超えると、蒸着層の柔軟
性が損なわれ、クラックやピンホールが発生しやすくな
り、いずれもガスバリア性が劣る。上記蒸着層は、複数
の蒸着材料を併用してもよく、また2層以上の複層とし
てもよい。
【0071】本発明のコーティング組成物を用いて、本
発明の塗膜を形成させる方法の具体例としては、下記の
方法が挙げられる。 基材表面上に、本発明の塗膜を形成させる方法。な
お、必要に応じて、基材表面上に、上記のように、プラ
イマーをあらかじめ塗布して本発明の塗膜を形成させて
もよい。 基材表面上に、蒸着層を形成し、その蒸着層表面上
に、本発明の塗膜を形成させる方法。なお、基材表面上
に蒸着層を形成させるとき、必要に応じて、基体表面上
にあらかじめプライマーを塗布してもよい。 上記の本発明の塗膜表面上に、蒸着層を形成させる
方法。 上記の本発明の塗膜表面上に、蒸着層を形成させる
方法。 上記の蒸着層表面上に、さらに本発明の塗膜を形成
させる方法。 上記の蒸着層表面上に、さらに本発明の塗膜を形成
させる方法。 上記〜の基体の表面が、片面あるいは両面である
〜の方法。
【0072】このようにして得られる本発明のコーティ
ングフィルムは、ガスバリア性に優れているため、食
品、医薬品、化粧品、煙草、トイレタリー分野などの包
装材料に有用であるばかりか、太陽電池、保護膜、防湿
フィルムなどの用途に用いられる。
【0073】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ないかぎり、重量基準である。
【0074】重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し
た。すなわち、下記条件において、テトラヒドロフラン
を溶媒として使用し、得られる共縮合体1gを100c
cのテトラヒドロフランに溶解して試料とした。また、
標準ポリスチレンは、米国プレッシャーケミカル社製の
標準ポリスチレンを使用した。 装置;米国ウオーターズ社製、高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C、ALC/GPC) カラム;昭和電工(株)製、SHODEX KF−80
M(2本)、KF−802(1本)、長さ各30cm 測定温度;40℃ 流速;1cc/分Tg 示差走査熱量測定装置(セイコー製 RDC220)を
用い、温度上昇速度:10℃/minで測定した。
【0075】酸素バリア性 モダンコントロール社製、MOCON OXTRANを
用い、温度23℃、湿度90RH%雰囲気下で測定し
た。水蒸気バリア性 モダンコントロール社製、MOCON OXTRANを
用い、温度37.8℃、湿度100RH%雰囲気下で測
定した。
【0076】実施例1〔(a)成分の合成〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート60部、n−ブチルアクリレート10部、シクロ
ヘキシルメタクリレート5部、2−エチルヘキシルアク
リレート5部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン15部、4−(メタ)アクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン5部、i−ブ
チルアルコール75部、メチルエチルケトン50部およ
びメタノール25部を加えて混合したのち、攪拌しなが
ら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニ
トリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間
かけて滴下したのち、80℃で5時間反応させて、固形
分濃度約40%、Mwが13,000、Tgが61℃の
本発明の組成物(I)を得た。
【0077】実施例2〔(a)成分の合成〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート50部、シクロヘキシルメタクリレート5部、2
−エチルヘキシルアクリレート5部、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン15部、グリシジルメタ
クリレート20部、4−(メタ)アクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン5部、i−ブ
チルアルコール75部、メチルエチルケトン50部およ
びメタノール25部を加えて混合したのち、攪拌しなが
ら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニ
トリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間
かけて滴下した後、80℃で5時間反応させて固形分濃
度40%、Mwが10,000、Tgが67℃の本発明
の組成物(II)を得た。
【0078】実施例3〜4 実施例1〜2で得られたガスバリアコーティング組成物
100部に(b)成分として3−(2−アミノエチル)
−アミノプロピル・トリメトキシシランのi−プロピル
アルコール溶液(固形分15%)を20部添加、良く撹
拌したものを、コロナ放電処理した厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、バー
コーターにより塗布し、熱風乾燥機で100℃、10分
間乾燥させ、膜厚8.0μmの塗膜を形成し、合計で2
0μmのガスバリア性コーティングフィルムを得た。得
られたガスバリアコーティングフィルムの酸素バリア
性、水蒸気バリア性を評価した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】実施例5〜6 実施例1、2で得られたガスバリアコーティング組成物
100部に(b)成分としてジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセテート)チタニウムのi−プロピルアル
コール溶液(固形分15%)を20部添加、良く撹拌し
たものを、コロナ放電処理した厚さ12μmのポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルム上に、バーコー
ターにより塗布し、熱風乾燥機で100℃、10分間乾
燥させ、膜厚8.0μmの塗膜を形成し、合計で20μ
mのガスバリア性コーティングフィルムを得た。得られ
たガスバリアコーティングフィルムの酸素バリア性、水
蒸気バリア性を評価した。結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】実施例5〜10 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上に、表3に示した金属酸化物を蒸着源とし、
真空蒸着法により、膜厚400オングストロームの無機
化合物蒸着層を形成し、さらに、実施例1、2で得られ
たガスバリアコーティング組成物100部に(b)成分
としてジブチルスズジアセテートとシリケートオリゴマ
ーからなる反応物のi−プロピルアルコール溶液(固形
分15%)を20部添加、良く撹拌したものを、バーコ
ーターにより塗布し、熱風乾燥機で100℃、10分間
乾燥させ、膜厚1.0μmの塗膜を形成し、ガスバリア
コーティングフィルムを得た。得られたガスバリアコー
ティングフィルムの酸素バリア性、水蒸気バリア性を実
施例3と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】実施例11 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上に、表4に示した金属酸化物を蒸着源とし、
真空蒸着法により、膜厚400オングストロームの無機
化合物蒸着層を形成し、さらに、実施例1で得られたガ
スバリアコーティング組成物100部に(b)成分とし
てジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チ
タニウムのi−プロピルアルコール溶液(固形分15
%)を15部、および(d)成分としてN,N−ジメチ
ルホルムアミドを15部添加、良く撹拌したものを、バ
ーコーターにより塗布し、熱風乾燥機で100℃、10
分間乾燥させ、膜厚1.0μmの塗膜を形成し、ガスバ
リアコーティングフィルムを得た。得られたガスバリア
コーティングフィルムの酸素バリア性、水蒸気バリア
性、ガスバリアコーティングフィルムの耐折り曲げ性
を、実施例3と同様にして評価した。結果を表4に示
す。
【0085】実施例12〜16 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上に、表4に示した金属酸化物を蒸着源とし、
真空蒸着法により、膜厚400オングストロームの無機
化合物蒸着層を形成し、さらに、実施例1、2で得られ
たガスバリアコーティング組成物100部に(b)成分
としてジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテー
ト)チタニウムのi−プロピルアルコール溶液(固形分
15%)を20部添加、良く撹拌したものを、バーコー
ターにより塗布し、熱風乾燥機で100℃、10分間乾
燥させ、膜厚1.0μmの塗膜を形成し、ガスバリアコ
ーティングフィルムを得た。得られたガスバリアコーテ
ィングフィルムの酸素バリア性、水蒸気バリア性を実施
例3と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、高湿度下に置いても酸
素透過度、および水蒸気透過度が極めて小さく、また人
体に無害なガスバリアコーティング組成物が得られ、合
成樹脂フィルム上、あるいは金属および/または無機化
合物の蒸着膜を設けた合成樹脂フィルム上にコーティン
グすることで、さらに優れたガスバリアコーティングフ
ィルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 裕一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK25 AK42 AK52A AL05A BA02 BA07 CC00A GB15 JA07A JC00 JD02A 4J038 CL001 GA15 JA34 KA03 MA14 PB04 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)加水分解性基および/または水酸
    基と結合したケイ素原子を有するシリル基を含有する重
    合体、を含有することを特徴とするガスバリアコーティ
    ング用組成物。
  2. 【請求項2】 上記(a)シリル基含有重合体のシリル
    基が、下記一般式(1) (式中、Xはハロゲン原子、もしくはアルコキシル基、
    アセトキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシル基およ
    びアミノ基の群から選ばれた加水分解性基または水酸基
    を示し、R3 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基
    または炭素数1〜10のアラルキル基を示し、iは1〜
    3の整数である。)で表される請求項1記載のガスバリ
    アコーティング用組成物。
  3. 【請求項3】 上記(a)シリル基含有重合体のポリス
    チレン換算重量平均分子量が2,000〜100,00
    0である請求項1または2記載のガスバリアコーティン
    グ用組成物。
  4. 【請求項4】 (b)硬化剤を含有する請求項1〜3い
    ずれか1項記載のガスバリアコーティング用組成物。
  5. 【請求項5】 (c)β−ジケトンおよび/またはβ−
    ケトエステルを含有する請求項1〜4いずれか1項記載
    のガスバリアコーティング組成物。
  6. 【請求項6】 (d)含窒素有機化合物を含有する請求
    項1〜5いずれか1項記載のガスバリアコーティング組
    成物。
  7. 【請求項7】 合成樹脂フィルム上に、請求項1〜6い
    ずれか1項記載のガスバリアコーティング組成物から形
    成される塗膜が積層されてなることを特徴とする、ガス
    バリアコーティングフィルム。
  8. 【請求項8】 合成樹脂フィルム上に、金属および/ま
    たは無機化合物の蒸着膜と、請求項1〜6いずれか1項
    記載のガスバリアコーティング組成物から形成される塗
    膜とが積層されてなることを特徴とする、ガスバリアコ
    ーティングフィルム。
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JP2000063750A (ja) * 1998-08-20 2000-02-29 Jsr Corp コーティング組成物およびコーティングフィルム

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