JP2000060219A - トラクタの昇降制御装置 - Google Patents

トラクタの昇降制御装置

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JP2000060219A
JP2000060219A JP10250461A JP25046198A JP2000060219A JP 2000060219 A JP2000060219 A JP 2000060219A JP 10250461 A JP10250461 A JP 10250461A JP 25046198 A JP25046198 A JP 25046198A JP 2000060219 A JP2000060219 A JP 2000060219A
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Nobuo Fujita
信雄 藤田
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地面の凹凸の激しい荒地での対地作業性を向
上させる。 【解決手段】 エンジン負荷が予め設定された設定値以
上になると、作業機を上昇させてエンジン負荷を軽減さ
せる負荷制御機能を有するトラクタの昇降制御装置にお
いて、車体が前後もしくは左右に一定以上傾斜したとき
には前記負荷制御を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業時にエンジン
負荷が大きくなり過ぎないように制御する負荷制御機能
を有するトラクタの昇降制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタに耕耘機等の対地作業機を連結
して作業を行う場合、作業機が地面に対し一定高さにな
るよう制御する耕深制御と、エンジン回転数等から判定
されるエンジン負荷が所定の範囲内になるよう制御する
負荷制御とを併せて行う。すなわち、通常は耕深制御に
より作業機の高さを一定に維持し、エンジン負荷が大き
くなったなら、耕深制御を一旦解除し、負荷制御により
作業機を非接地位置まで上昇させてエンジン負荷を軽減
させる。そして、負荷制御により作業機が上昇した後、
エンジン負荷が通常の状態に復帰したなら、作業機を下
降させ、目標耕深値近くで耕深制御に戻すのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記作
業機昇降制御では、エンジン負荷が瞬間的に大きくなっ
ただけでも負荷制御により作業機が上昇してしまうの
で、例えば畦際のいわゆる枕地等の地面の凹凸が激しい
荒地では作業機が頻繁に昇降を繰り返すこととなり、作
業効率が非常に悪いという問題がある。そこで、耕深制
御と負荷制御を併用してトラクタ作業を行う際、荒地で
はそれに応じた作業機の昇降制御を行わせる必要があ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に
かかるトラクタの昇降制御装置は、エンジン負荷が予め
設定された設定値以上になると、作業機を上昇させてエ
ンジン負荷を軽減させる負荷制御機能を有するトラクタ
の昇降制御装置において、車体が前後もしくは左右に一
定以上傾斜したときには前記負荷制御を規制するように
構成したことを特徴としている。
【0005】また、対地作業機を連結して作業を行う場
合については、車体が前後もしくは左右に一定以上傾斜
したときには、前記負荷制御を停止させるとともに、負
荷制御を規制する直前の対地作業深さを維持するように
作業機の昇降を制御するように構成すると、実際に即し
た制御となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づき説明する。図1に示すトラクタ1は、
各左右一対の前輪2,2及び後輪3,3を備えた四輪駆
動車両であって、エンジン5の回転動力が、油圧式無段
変速装置6及びミッション式変速装置7で変速され、走
行用駆動力として前輪及び後輪に伝達されるとともに、
PTO駆動力として作業機に伝達される。エンジンスロ
ットルの位置がスロットル位置センサ8によって検出さ
れ、エンジン回転数がエンジン回転数センサ9によって
検出される。また、機体の左右傾斜が左右傾斜センサ1
0によって検出されるようになっている。
【0007】左右の後輪3,3の前方から上方にかけて
フェンダー12,12が取り付けられ、この左右フェン
ダーの間に座席13が設置されている。座席13の前方
には前輪2,2を操向操作する操向ハンドル14が設け
られている。操向ハンドル14の下側には、作業機を作
業位置と非作業位置とに昇降させるフィンガレバー15
が設けられている。また、座席13の側方に設置したコ
ントロールボックス16には、作業機を任意の高さに昇
降させるポジションレバー17、後述する作業機昇降制
御の荒地モードスイッチ18、耕深設定ダイヤル19等
が設けられている。
【0008】機体の後部には昇降油圧シリンダ20で上
下回動させるリフトアーム21,21が設けられてお
り、このリフトアームの先端部と作業機装着用のロワリ
ンク22,22の中間部とがリフトロッド23,23で
連結されている。リフトアーム21,21を上げ作動及
び下げ作動させることにより、ロワリンク22,22と
トップリンク24とで構成される三点リンク機構により
支持される作業機25が昇降する。左側のリフトロッド
はローリング油圧シリンダ23Lにより伸縮自在になっ
ており、その長さを変更することにより作業機の左右傾
斜を調整する。リフトアーム21,21の回動角はリフ
トアーム角センサ26によって検出される。また、ロー
リング油圧シリンダ23Lの伸縮作動量、つまりトラク
タに対する作業機の左右傾斜量はストロークセンサ27
によって検出される。
【0009】図では作業機25としてロータリ耕耘装置
が連結されている。通常は、リヤカバー28を下端が接
地するように回動自在に設け、耕耘跡をリヤカバーで整
地しながら耕耘作業を行う。リヤカバー28の角度をデ
プスセンサ29で測定することにより、そのときの耕深
を検出する。また、荒起しをする場合には、リヤカバー
28を高く持ち上げた位置に固定しておく。
【0010】図2は作業機の昇降制御装置のブロック図
で、コントロールボックス15に収納されているコント
ローラ30の入力側に、荒地モードスイッチ18、スロ
ットル位置センサ8、エンジン回転数センサ9、左右傾
斜センサ10、リフトアーム角センサ26、ストローク
センサ27、デプスセンサ29、及び耕深設定ダイヤル
19が接続され、出力側に昇降油圧シリンダ20の制御
弁を駆動する上昇ソレノイド31及び下降ソレノイド3
2と、ローリング油圧シリンダ23Lの制御弁を駆動す
る右ローリングソレノイド33及び左ローリングソレノ
イド34とが接続されている。荒地モードスイッチ18
は圃場の状況に応じてオペレータが切り替えるスイッチ
で、枕地等の凹凸の激しい荒地ではONにし、比較的凹
凸の少ない土地ではOFFにする。
【0011】トラクタにロータリ耕耘装置を連結しての
作業時には、図3のフローチャートに示す制御を行う。
ここで、耕深制御は、耕深を一定に維持するように作業
機を昇降させる制御であり、また負荷制御は、スロット
ル位置センサ値とエンジン回転数センサ値から判定され
るエンジン負荷が所定の範囲内になるように作業機を昇
降させる制御である。
【0012】まず、センサ、スイッチ類の状態を読み込
んだ後、デプスセンサ値の大きさを判定する。デプスセ
ンサ値が一定以下でない場合は、リヤカバーを高く持ち
上げた位置に固定して荒起し作業を行っているときであ
るから、負荷制御だけを行う。デプスセンサ値が一定以
下である場合は、リヤカバーを接地させて整地しながら
作業を行っているときであり、そのときは荒地モードス
イッチ18の状態を判定する。
【0013】そして、荒地モードスイッチがOFF(通
常モード)ならば、「従来の技術」の項で説明した如
く、耕深設定ダイヤル値を耕深目標値とした耕深制御と
負荷制御を併用して作業機の対地高さを制御する。ま
た、荒地モードスイッチがON(荒地モード)ならば、
ローリング制御によるストロークセンサ値の変化から判
断される地面の状況に応じて、下記のように昇降制御の
形態を適宜切り替える。なお、ローリング制御は、左右
傾斜センサ10とストロークセンサ27の検出値に基づ
き、作業機の左右傾斜を一定(通常は水平)に維持する
ようにローリング油圧シリンダ23Lを作動させる。よ
って、地面に左右方向の凹凸があると、作業機を水平に
戻そうとローリング作動してストロークセンサ値が変動
するので、ストロークセンサ値が変動中であるときは地
面が左右に傾斜していることを意味する。
【0014】地面に凹凸のある場所で負荷制御を行え
ば、作業機が非接地位置への上昇を頻繁に行い、作業能
率が損なわれる。したがって、ストロークセンサ値が変
動中であるときには、負荷制御を停止し、耕深制御だけ
で作業機の対地高さを制御する。このときの耕深目標値
は、負荷制御を規制する直前のデプスセンサ値とする。
耕深制御によっても作業機が昇降するが、負荷制御のよ
うに非接地位置まで上昇することはないので、安定した
作業を行うことができる。また、ストロークセンサ値が
変動していないときには、少なくとも左右方向の凹凸が
ないか或は非常に少ない状況であるから、耕深設定ダイ
ヤル値を耕深目標値とした通常の耕深制御と負荷制御を
併用した制御を行う。
【0015】図4は異なる昇降制御のフローチャート
で、この制御は、ストロークセンサ値が変動中であると
きには、耕深設定ダイヤル19による設定値よりも2c
m程度深い側に耕深目標値を設定し直して耕深制御と負
荷制御を併用した制御を行うようにしている。
【0016】図3及び図4の制御においては、ローリン
グ制御によるストロークセンサ値の変化から地面の状況
を判断するが、左右傾斜センサ10からの情報により地
面の状況を判断してもよく、或は車体の前後傾斜を検出
する前後傾斜センサを設け、そのセンサからの情報によ
り地面の状況を判断するようにしてもよい。
【0017】また、このトラクタには図5に示す旋回速
度制御装置が設けられており、低速ターン入切スイッチ
40を「入」にしておけば、フィンガレバー15が作業
機上げに操作されるか、或はポジションレバー17が最
上げ位置付近に操作された場合、油圧式無段変速装置6
の操作レバーの操作角度を検出する角度センサ42、ス
ロットル位置センサ8、及びエンジン回転数センサ9の
値から判断される旋回速度が旋回速度調整ダイヤル41
で設定された旋回速度となるように、油圧式無段変速装
置6を作動させる電動シリンダ(油圧シリンダ)用のソ
レノド43に出力して、自動的に減速するようになって
いる。
【0018】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明にかかるト
ラクタの昇降制御装置は、通常は作業機が地面に対し一
定高さになるよう制御する耕深制御と、エンジン負荷が
大きくなり過ぎないよう制御する負荷制御とを併せて行
うが、地面の凹凸が激しく車体が前後もしくは左右に一
定以上傾斜したときには、前記負荷制御を規制して作業
機が非接地位置へ上昇しないようにするとともに、負荷
制御を規制する直前の対地作業深さを維持するように作
業機の対地高さ制御することにより、枕地等の荒地でも
作業効率を低下させることなく、効果的な対地作業を行
えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタによる作業状態を表す側面図である。
【図2】昇降制御装置のブロック図である。
【図3】昇降制御の第一例のフローチャートである。
【図4】昇降制御の第二例のフローチャートである。
【図5】旋回速度制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 トラクタ 2 前輪 3 後輪 5 エンジン 6 ミッションケース 8 スロットル位置センサ 9 エンジン回転数センサ 10 左右傾斜センサ 18 荒地モードスイッチ 20 昇降油圧シリンダ 25 ロータリ耕耘装置(対地作業機) 26 リフトアーム角センサ 27 ストロークセンサ 29 デプスセンサ 30 コントローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン負荷が予め設定された設定値以
    上になると、作業機を上昇させてエンジン負荷を軽減さ
    せる負荷制御機能を有するトラクタの昇降制御装置にお
    いて、車体が前後もしくは左右に一定以上傾斜したとき
    には前記負荷制御を規制するように構成したことを特徴
    とするトラクタの昇降制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジン負荷が予め設定された設定値以
    上になると、作業機を上昇させてエンジン負荷を軽減さ
    せる負荷制御機能を有するトラクタの昇降制御装置にお
    いて、トラクタに対地作業機を連結して作業を行う場
    合、車体が前後もしくは左右に一定以上傾斜したときに
    は、前記負荷制御を停止させるとともに、負荷制御を規
    制する直前の対地作業深さを維持するように作業機の昇
    降を制御するように構成したことを特徴とするトラクタ
    の昇降制御装置。
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