JP2000055838A - Bragg反射自動選出方法および装置並びに結晶方位自動決定方法およびシステム - Google Patents
Bragg反射自動選出方法および装置並びに結晶方位自動決定方法およびシステムInfo
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Abstract
動で行うことのできる、新しいBragg反射自動選出
方法および装置並びに結晶方位自動決定方法およびシス
テムを提供する。 【解決手段】 2反射法による結晶試料の結晶方位の決
定において、基準となる二つのBragg反射pc1お
よびpc2をコンピュータを用いて自動的に選出するB
ragg反射自動選出方法であって、測定可能な全Br
agg反射各々のX線強度および回折条件である2θ
角、ω角、χ角、φ角を入力された結晶情報から計算し
(ステップ2)、各Bragg反射に、そのX線強度の
大きさおよび試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基
づいて重み点数付けを行い(ステップ3)、重み点数の
大きい順に二つのBragg反射pc1およびpc2を
選出する(ステップ4)。
Description
g反射自動選出方法および装置並びに結晶方位自動決定
方法およびシステムに関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、半導体用ウェハーやそのウェハ
ー上に形成された薄膜等の結晶試料の構造解析、並びに
構造評価に有用な、結晶方位の決定を容易に、且つ自動
で行うことのできる、新しいBragg反射自動選出方
法および装置並びに結晶方位自動決定方法およびシステ
ムに関するものである。
の解析として、X線、または中性子線や電子線等の粒子
線を結晶構造未知の結晶試料に入射し、その結晶試料に
よるそれら散乱線の回折現象を利用して、結晶試料の格
子形や格子内の原子配列を明らかにする結晶構造解析の
技術が盛んに研究・開発されてきている。たとえば、X
線は結晶試料の電子密度の解析、中性子線は結晶試料の
原子核位置の解析、電子線は結晶試料の電気的ポテンシ
ャルの解析に用いられる。
その結晶の逆空間内の二つのBragg反射を検索測定
し、得られた二つのBragg反射の位置から結晶方位
を決定することがしばしば行われている。このような結
晶方位決定の方法は、一般に、2反射法と呼ばれてい
る。より詳しくは、この2反射法では、まず、図1
(a)に例示したように、結晶試料の逆格子が基準位置
にあるときに、結晶試料の結晶方位を決定するための基
準となる二つのBragg反射K1 ,K2 を任意に選択
する。そして、図1(b)に例示したように、基準Br
agg反射K1 ,K2 各々の回折条件2θ角、ω角、χ
角およびφ角を実際に満足するBragg反射K1 ’,
K2 ’を四軸型ゴニオメータ測定装置により実測し、測
定されたBragg反射K1 ’,K2 ’の位置、つまり
基準Bragg反射K1 ,K2 の位置からの回転角を用
いて、逆格子の基準位置からの回転角が求まり、これに
よって、実際の結晶試料の結晶方位が決定される。
知のものであり、たとえば図2および図3に例示したよ
うに、結晶の方向を決めるΩ軸と、Ω軸上に乗っている
Χ−Φアセンブリ、および回折X線を検出する2Θ軸の
四つの回転軸を有する四軸型ゴニオメータ(100)、
X線を発生させるX線源(110)、回折線を検出する
X線カウンタなどの検出器(120)、CPU(13
1)とメモリ(132)とCRTディスプレイ(13
3)とを有する制御用コンピュータ(130)、および
四軸型ゴニオメータ(100)の各回転軸を回転させる
2θ回転駆動装置(141)、ω回転駆動装置(14
2)、χ回転駆動装置(143)、φ回転駆動装置(1
44)を備えている。
Θ軸、Ω軸、Χ軸およびΦ軸それぞれの回転角度が、回
折角である2θ角、入射角であるω角、結晶試料のti
lt回転角であるχ角および結晶試料のΧ軸上の回転角
であるφ角となる。コンピュータ(130)は、2θ回
転駆動装置(141)、ω回転駆動装置(142)、χ
回転駆動装置(143)およびφ回転駆動装置(14
4)各々を制御して、四軸型ゴニオメータ(100)に
おける実際の2θ角、ω角、χ角およびφ角それぞれが
基準Bragg反射の回折条件の各角と同じ値となるよ
うに、各回転軸を回転させる。
まり回折条件を満足する実際のBragg反射が検出器
(120)で検出される。しかしながら、従来、このよ
うな2反射法による結晶方位決定では、結晶方位決定の
ための基準となる二つのBragg反射選択を手動で行
わなければならず、コンピュータを用いた自動選択の技
術が確立されていないため、手動で選出したBragg
反射を別途測定して正確な位置を求め、そして、結晶方
位を計算させるので、非常に煩雑で、時間がかかるとい
った問題があり、結晶方位の決定を一貫して自動で行う
ことのできる技術の確立が強く望まれていた。
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、結晶試料の結晶方位の決定を容易に、且つ自動
で行うことのできる、新しいBragg反射自動選出方
法および装置並びに結晶方位自動決定方法およびシステ
ムを提供することを目的としている。
の課題を解決する第1の発明として、2反射法による結
晶試料の結晶方位の決定において、基準となる二つのB
ragg反射pc1およびpc2をコンピュータを用い
て自動的に選出するBragg反射自動選出方法であっ
て、測定可能な全Bragg反射各々のX線強度および
回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を入力された
結晶情報から計算し、各Bragg反射に、そのX線強
度の大きさおよび試料面法線と散乱ベクトルとの開き角
に基づいて重み点数付けを行い、重み点数の大きい順に
二つのBragg反射pc1およびpc2を選出するこ
とを特徴とするBragg反射自動選出方法(請求項
1)を提供し、この方法において、各Bragg反射毎
に、その構造因子を最大強度のBragg反射の構造因
子で正規化した値を点数Aとし、且つ、その試料面法線
と散乱ベクトルとの開き角の余弦を点数Bとし、これら
点数Aおよび点数BならびにX線強度に対する重みm%
および前記開き角に対する重みn%を用いて、重み点数
=A×m/100+B×n/100を計算し、各Bra
gg反射に当該重み点数を付けること(請求項2)や、
入射角、出射角、ω角、χ角およびφ角のいずれか一つ
の角が一定の条件において、回折条件である2θ角、ω
角、χ角、φ角を計算すること(請求項3)や、結晶情
報として、少なくとも空間群、格子定数および原子位置
を入力すること(請求項4)などをその態様として提供
する。
て、各種演算処理を行うコンピュータ、およびこのコン
ピュータからの計算値に基づき各種測定を行う四軸型ゴ
ニオメータ測定装置を用いて結晶試料の結晶方位を自動
的に決定する結晶方位自動決定方法であって、入力され
た結晶情報から測定可能な全Bragg反射各々のX線
強度および回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を
計算し、各Bragg反射に、そのX線強度の大きさお
よび試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基づいて重
み点数付けを行い、重み点数の大きい順に二つのBra
gg反射pc1およびpc2を選出し、次いで、Bra
gg反射pc1およびpc2各々の回折条件を実際に満
足するBragg反射po1およびpo2を四軸型ゴニ
オメータ測定装置により検索測定し、さらに、Brag
g反射po1およびpo2間の開き角αoを計算し、B
ragg反射pc1およびpc2各々の等価反射を対称
操作により求め、Bragg反射pc1およびpc2各
々の等価反射の中から、開き角が前記開き角αoと等し
く、且つ散乱ベクトル長がBragg反射pc1および
pc2の散乱ベクトル長に一致する等価反射pc1’お
よびpc2’の組み合わせを選出し、そして、これら等
価反射pc1’およびpc2’について、2反射法によ
り結晶方位を計算することを特徴とする結晶方位自動決
定方法(請求項5)をも提供し、この方法において、計
算された結晶方位を有する結晶構造の結晶系が三方晶系
である場合において、c軸上にないBragg反射p1
およびそのBragg反射p1をc軸周りに60°回転
させたBragg反射p2を選出し、Bragg反射p
1およびp2各々のX線強度I1およびI2を四軸型ゴ
ニオメータ測定装置により測定し、X線強度I1および
I2間の大小関係とBragg反射p1およびp2各々
の構造因子間の大小関係とが一致するかどうかを判断
し、一致していない場合には、前記結晶構造をc軸周り
に60°回転させること(請求項6)や、計算された結
晶方位を有する結晶構造の結晶系が三方晶系である場合
において、その結晶方位を、結晶情報から別に算出され
た結晶方位にできるだけ一致させるために、結晶の軸変
換を行うこと(請求項7)や、各Bragg反射毎に、
その構造因子を最大強度のBragg反射の構造因子で
正規化した値を点数Aとし、且つ、その試料面法線と散
乱ベクトルとの開き角の余弦を点数Bとし、これら点数
Aおよび点数BならびにX線強度に対する重みm%およ
び前記開き角に対する重みn%を用いて、重み点数=A
×m/100+B×n/100を計算し、各Bragg
反射に当該重み点数を付けること(請求項8)や、結晶
情報として、少なくとも空間群、格子定数および原子位
置が入力されること(請求項9)や、入射角、出射角、
ω角、χ角およびφ角のいずれか一つの角が一定の条件
において、回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を
計算すること(請求項10)や、結晶方位として、試料
面法線とのOff角が計算されること(請求項11)
や、結晶方位として、入射X線と指定入射方向との開き
角が計算されること(請求項12)などをその態様とし
て提供する。
明として、2反射法による結晶試料の結晶方位の決定に
おいて、基準となる二つのBragg反射pc1および
pc2を自動的に選出するBragg反射自動選出装置
であって、測定可能な全Bragg反射各々のX線強度
および回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を入力
された結晶情報から計算するX線強度・回折条件計算手
段と、各Bragg反射にそのX線強度の大きさおよび
試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基づいて重み点
数付けを行う重み点数付手段と、重み点数の大きい順に
二つのBragg反射pc1およびpc2を選出するB
ragg反射選出手段とを備えていることを特徴とする
Bragg反射自動選出装置(請求項13)をも提供
し、この装置において、重み点数付手段は、各Brag
g反射毎に、その構造因子を最大強度のBragg反射
の構造因子で正規化した値を点数Aとし、且つ、その試
料面法線と散乱ベクトルとの開き角の余弦を点数Bと
し、これら点数Aおよび点数BならびにX線強度に対す
る重みm%および前記開き角に対する重みn%を用い
て、重み点数=A×m/100+B×n/100を計算
し、各Bragg反射に当該重み点数を付けること(請
求項14)や、結晶情報として、少なくとも空間群、格
子定数および原子位置が入力されること(請求項15)
や、X線強度・回折条件計算手段は、入射角、出射角、
ω角、χ角およびφ角のいずれか一つの角が一定の条件
において、回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を
計算すること(請求項16)などをその態様として提供
する。
して、各種演算処理を行う演算処理装置と、この演算処
理装置からの各種計算値に基づいて各種測定を行う四軸
型ゴニオメータ測定装置とを備えた、結晶試料の結晶方
位を自動的に決定する結晶方位自動決定システムであっ
て、演算処理装置は、二つのBragg反射pc1およ
びpc2を選出するBragg反射選出部と、四軸型ゴ
ニオメータ測定装置からの各種測定値に基づき結晶方位
を計算する結晶方位計算部とを備えており、Bragg
反射選出部は、測定可能な全Bragg反射各々のX線
強度および回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を
入力された結晶情報から計算するX線強度・回折条件計
算手段と、各Bragg反射にそのX線強度の大きさお
よび試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基づいて重
み点数付けを行う重み点数付手段と、重み点数の大きい
順に二つのBragg反射pc1およびpc2を選出す
るBragg反射選出手段とを備えており、四軸型ゴニ
オメータ測定装置は、Bragg反射選出部からのBr
agg反射pc1およびpc2各々の回折条件を実際に
満足するBragg反射po1およびpo2を検索測定
し、結晶方位計算部は、四軸型ゴニオメータ測定装置か
らのBragg反射po1およびpo2間の開き角αo
を計算する開き角計算手段と、Bragg反射pc1お
よびpc2各々の等価反射を対称操作により求める等価
反射計算手段と、Bragg反射pc1およびpc2各
々の等価反射の中から、開き角が前記開き角αoと等し
く、且つ散乱ベクトル長がBragg反射pc1および
pc2の散乱ベクトル長に一致する等価反射pc1’お
よびpc2’の組み合わせを選出する等価反射選出手段
と、等価反射pc1’およびpc2’について、2反射
法により結晶方位を計算する結晶方位計算手段とを備え
ていることを特徴とする結晶方位自動決定システム(請
求項17)を提供し、このシステムにおいて、演算処理
装置は、計算された結晶方位を有する結晶構造の結晶系
が三方晶系である場合において、c軸上にないBrag
g反射p1およびそのBragg反射p1をc軸周りに
60°回転させたBragg反射p2とを選出する第2
Bragg反射選出手段を有し、四軸型ゴニオメータ測
定装置は、Bragg反射p1’およびp2’各々のX
線強度I1およびI2を測定し、さらに、演算処理装置
は、X線強度I1およびI2間の大小関係と、Brag
g反射p1およびp2各々の構造因子間の大小関係とが
一致するかどうかを判断する大小関係判断手段と、大小
関係が一致していない場合に前記結晶構造をc軸周りに
60°回転させる回転手段とを備えていること(請求項
18)や、演算処理装置は、計算された結晶方位を有す
る結晶構造の結晶系が三方晶系である場合において、そ
の結晶方位を、結晶情報から別に算出された結晶方位に
できるだけ一致させるために、結晶の軸変換を行う軸変
換手段を備えていること(請求項19)や、重み点数付
手段は、各Bragg反射毎に、その構造因子を最大強
度のBragg反射の構造因子で正規化した値を点数A
とし、且つ、その試料面法線と散乱ベクトルとの開き角
の余弦を点数Bとし、これら点数Aおよび点数Bならび
にX線強度に対する重みm%および前記開き角に対する
重みn%を用いて、重み点数=A×m/100+B×n
/100を計算し、各Bragg反射に当該重み点数を
付けること(請求項20)や、結晶情報として、少なく
とも空間群、格子定数および原子位置が入力されること
(請求項21)や、X線強度・回折条件計算手段は、入
射角、出射角、ω角、χ角およびφ角のいずれか一つの
角が一定の条件において、回折条件である2θ角、ω
角、χ角、φ角を計算すること(請求項22)や、結晶
方位として、試料面法線とのOff角が計算されること
(請求項23)や、結晶方位として、入射X線と指定入
射方向との開き角が計算されること(請求項24)など
をその態様として提供する。
射自動選出方法の各処理ステップのフローを例示したも
のである。この発明のBragg反射自動選出方法は、
前述した公知の2反射法による結晶試料の結晶方位決定
において、基準となる二つのBragg反射pc1およ
びpc2をコンピュータを用いて自動的に選出する方法
であって、まず、図4に例示したように、コンピュータ
に結晶試料の結晶情報を入力する(ステップ1)。この
結晶情報としては、たとえば空間群、格子定数、原子位
置、温度定数、面法線、X線入射方向を入力する。
ragg反射各々のX線強度および回折条件である2θ
角、ω角、χ角、φ角を計算する(ステップ2)。ここ
で、X線強度は、たとえば、空間群、格子定数、原子位
置および温度定数を用いる公知の方法により算出される
Bragg反射の構造因子を二乗したものにほぼ等し
い。また、回折条件は、たとえば、入射角、出射角、ω
角、χ角およびφ角のいずれか一つの角が一定の条件に
おいて、2θを一定として、ω角、χ角およびφ角が計
算される。
度の大きさ、試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基
づいて重み点数付けを行う(ステップ3)。この重み点
数付け(ステップ3)では、図5に例示したように、ま
ず、各Bragg反射毎に、その構造因子を最大強度の
Bragg反射の構造因子で正規化し、得られた値を点
数Aとする(ステップ31)。したがって、たとえば、
最大強度の正規化値は1.0となり、この1.0が最大
強度を有するBragg反射の点数Aとなる。すなわ
ち、より大きな強度を有するBragg反射ほど、より
大きな点数Aを有するようになる。なお、Bragg反
射の最大強度とは、強度と見なされる結晶構造の最大値
のことである。
法線と散乱ベクトルとの開き角(以下、この開き角をΔ
Gとする)の余弦(cos)を計算し、得られた値を点
数Bとする(ステップ31)。したがって、たとえば、
ΔG=0°の余弦は1であり、この1がΔG=0°を有
するBragg反射の点数Bとなり、ΔG=90°の余
弦は0であり、この0がΔG=90°を有するBrag
g反射の点数Bとなる。すなわち、より0°に近い開き
角ΔGを有するBragg反射ほど、より大きな点数B
を有するようになる。
き角ΔGに対する重みn%をコンピュータに入力する
(ステップ32)。これらmおよびnは、次ぎに算出す
る重み点数において点数Aおよび点数Bがそれぞれどの
程度の重み(または割合)となるか、すなわち点数Aお
よび点数Bのどちらが重み点数においてより重要視され
るか、を決める値である。これらmおよびnは、様々な
結晶試料について予め行なわれた実験の結果に基づい
て、すなわち経験則に基づいて任意に決められる値であ
り、たとえば結晶試料によってm:n=7:3の値など
となる。なお、mおよびnの関係は、たとえばn=10
0−mとすることができる。
らびに入力されたm%およびn%を用いて、各Brag
g反射毎の重み点数=A×m/100+B×n/100
を計算する(ステップ33)。続いて、このように重み
点数付けされた全Bragg反射の中から、基準となる
Bragg反射pc1およびpc2として、重み点数が
一番大きいBragg反射と二番目に大きいBragg
反射を選出する(ステップ4)。ただし、二番目のBr
agg反射が、原点と一番目のBragg反射とによる
直線の上にある場合には、その直線上にない次の反射
(たとえば三番目の反射)を選ぶ。つまり、選出する二
つの反射は、原点からの同一直線上にないことが条件と
なる。
るので、必要データをコンピュータに入力するだけで、
簡単に、且つ自動的に基準Bragg反射二つを選出す
ることができる。そして、これら二つの基準Bragg
反射について、前述したように、図2および3に例示し
たような公知の四軸型ゴニオメータ測定装置によって各
基準Bragg反射の回折条件を実際に満足する二つの
Bragg反射を検索測定し、測定Bragg反射の基
準Bragg反射からの回転角を用いて逆格子の位置が
求められて、結晶試料の結晶方位が決定される。
出方法によって二つの基準Bragg反射の選出がコン
ピュータを用いて自動化されたことで、たとえば、四軸
型ゴニオメータ測定装置のコンピュータ(130)を用
いて、選出、測定、計算を一貫して、自動的に行うこと
ができ、結晶方位決定が非常に簡単に、且つ短時間で実
現できるようになる。
準Bragg反射選出は、四軸型ゴニオメータ測定装置
のコンピュータ(130)とは別体のコンピュータを用
いて行ってもよく、この場合にも、コンピュータ間でデ
ータの送受信が行われることとなるので、結晶方位の一
貫した自動決定が行われる。図6は、この発明の結晶方
位自動決定方法の各処理のフローを例示したものであ
る。
発明の結晶方位自動決定方法では、まず、コンピュータ
を用いて、結晶方位の決定の基準となる二つのBrag
g反射pc1およびpc2を、上述の図4および図5に
例示したこの発明のBragg反射自動選出方法の各処
理と同じ処理、つまりX線強度・回折条件の計算処理、
重み点数付け処理、および選出処理を行うことにより、
自動選出する(ステップ10)。
の回折条件とBragg反射pc2の回折条件とを四軸
型ゴニオメータ測定装置に送り、四軸型ゴニオメータ測
定装置によって各回折条件を実際に満足するBragg
反射po1およびpo2を検索測定する(ステップ1
1)。なお、四軸型ゴニオメータ測定装置は、前述の図
2および図3に例示した構成を有する公知のものが用い
られる。
g反射pc1およびpc2が目的の反射とは別の等価反
射である可能性があり、等価反射である場合には、真の
結晶構造を見誤る恐れがある。そこで、この発明の方法
では、正確な結晶方位を求め、真の結晶構造を解析する
ために、以下のような処理を行うようにする。まず、コ
ンピュータにより、四軸型ゴニオメータ測定装置により
測定されたBragg反射po1およびpo2間の開き
角αoを計算する(ステップ12)。Bragg反射p
c1およびpc2各々の等価反射を対称操作により求
め、その等価反射の中から、開き角が測定Bragg反
射po1およびpo2間の開き角αoと等しく、且つ散
乱ベクトル長がBragg反射pc1およびpc2の散
乱ベクトル長に一致する等価反射pc1’およびpc
2’の組み合わせを選出する。
c1およびpc2各々の等価反射pc1’およびpc
2’を対称操作により求め(ステップ13)、等価反射
pc1’およびpc2’間の開き角αcを計算する(ス
テップ14)。次いで、この開き角αcとBragg反
射po1およびpo2間の開き角αoとが等しいかどう
かを判断する(ステップ15)。等しくなければ、再度
別の等価反射pc1’およびpc2’を求めて、それら
の開き角αcを計算し、開き角αoと等しいかを判断す
る。このループがαc=αoとなる等価反射pc1’お
よびpc2’が得られるまで行う。
pc2’が得られると、それら等価反射pc1’および
pc2’の散乱ベクトル長が、基準Bragg反射pc
1およびpc2の散乱ベクトル長と一致するかどうかを
判断する(ステップ16)。一致しなければ、再度、α
c=αoとなる別の等価反射pc1’およびpc2’を
求めて(ステップ13〜15)、散乱ベクトル長の一致
判断が行われる(ステップ16)。このループが散乱ベ
クトル長が一致する等価反射pc1’およびpc2’が
得られるまで行われる。
びpc2’について、前述したように公知の2反射法に
より結晶方位を計算する(ステップ17)。つまり、等
価反射pc1’およびpc2’の回折条件各々実際に満
足するBragg反射を四軸型ゴニオメータ装置により
検索測定し、コンピュータにより、それら二つの測定B
ragg反射の等価反射pc1’およびpc2’からの
回転角を用いて逆格子の位置が求められて、結晶試料の
結晶方位が最終的に決定される。
ff角や、入射X線と指定入射方向との間の開き角が計
算される。このようにして各処理をコンピュータおよび
四軸型ゴニオメータ測定装置により行うことで、コンピ
ュータに結晶情報などの必要データを入力するだけで、
自動的に結晶方位が決定されて、結晶試料の結晶構造を
解析することができる。
10〜16)を行って最終的に2反射法により決定され
た(ステップ17)結晶方位を有する結晶構造におい
て、その結晶系が三方晶系である場合では、その結晶構
造が真の構造からc軸周りに60°(正・負どちらでも
よい)ずれている可能性がある。そこで、この発明の結
晶方位自動決定方法では、解析された結晶構造の結晶系
が三方晶系である場合、すなわちLAUE群(対称)が
−3、−31m、−3m1のいずれかの場合[ステップ
18Yes]には、結晶構造から特定のBragg反射
を選び、そのX線強度と、そのBragg反射からc軸
周りに60°ずらしたBragg反射のX線強度とを比
較して、X線強度の大小関係が、それらBragg反射
の構造因子の大小関係と一致しているかどうかを判断
し、一致していないならば、その結晶構造から60°ず
らして、真の結晶構造を得るようにする。
に例示したように実行される。まず、c軸上にないBr
agg反射p1およびこのBragg反射p1をc軸周
りに60°回転させたc軸上にないBragg反射p2
を選出し(ステップ19)、それらの回折条件を四軸型
ゴニオメータ測定装置に送る。選出するBragg反射
p1およびp2は、互いの強度の差が大きいことが好ま
しい。
り、Bragg反射p1のX線強度I1およびBrag
g反射p2のX線強度I2を測定する(ステップ2
0)。四軸型ゴニオメータ測定装置による測定X線強度
I1およびI2はコンピュータに送られ、そして、これ
らX線強度I1およびI2間の大小関係と、Bragg
反射p1およびp2各々の構造因子間の大小関係とが一
致するかどうかを判断し(ステップ21)、一致してい
ない場合には、元の結晶構造をc軸周りに60°回転さ
せる(ステップ22)。
能であった、結晶系が三方晶系である場合における結晶
方位の決定を、コンピュータを用いて自動で実現でき、
正確な結晶構造解析が行われるようになる。さらにま
た、以上のように計算された結晶方位と、結晶情報から
別に算出された結晶方位とをできるだけ一致させるため
に、結晶の軸変換、つまり軸を入れ換えても結晶構造が
変わらない変換をも行うようにしてもよい。このような
結晶の軸変換を行うことにより、より正確な結晶方位を
求めることができる。
れるので、結晶方位の高精度な決定が全て自動的に行わ
れるようになる。図8は、この発明のBragg反射自
動選出装置の構成の一例を示したものである。たとえば
この図8に示したように、この発明のBragg反射自
動選出装置(40)は、コンピュータシステムであっ
て、X線強度・回折条件計算手段(41)と、重み点数
付け手段(42)と、Bragg反射選出手段(43)
とを備えている。
入力された結晶情報(たとえば空間群、格子定数、原子
位置、温度定数、面法線、X線入射方向)を用いて、測
定可能な全Bragg反射各々のX線強度および回折条
件である2θ角、ω角、χ角、φ角を計算し、この計算
データを重み点数付け手段(42)に送る。なお、ここ
でのX線強度および回折条件の計算は、前述したこの発
明の方法と同様に行われる。
け取ったX線強度の大きさおよび試料面法線と散乱ベク
トルとの開き角ΔGに基づいて、各Bragg反射に重
み点数付けを行う。この重み点数付けは、前述したこの
発明のBragg反射選出方法における重み点数付け処
理と同じ処理が行われる。すなわち、各Bragg反射
毎に、その構造因子を最大強度のBragg反射の構造
因子で正規化した値を点数Aとし、且つ、その試料面法
線と散乱ベクトルとの開き角の余弦を点数Bとし、これ
ら点数Aおよび点数BならびにX線強度に対する重みm
%および前記開き角に対する重みn%を用いて、重み点
数=A×m/100+B×n/100を計算し、各Br
agg反射に当該重み点数を付ける。
は、重み点数付け手段(42)から送られてきた重み点
数の大きい順に、原点からの同一直線上にない二つのB
ragg反射pc1およびpc2を選出する。この発明
のBragg反射自動選出装置では、このような各手段
によって必要な処理が施されて、2反射法を用いた結晶
方位決定において必要な基準となる二つのBragg反
射を容易に、且つ自動的に選出するこができ、よって、
二反射方による結晶方位決定の一連の処理を、必要なデ
ータの入力のみで、コンピュータにより自動的に行うこ
とができるようになる。
テムの構成の一例を示したものである。この図9に例示
したように、この発明の結晶方位自動決定システムは、
各種演算処理を行うコンピュータである演算処理装置
と、この演算処理装置からの各種計算値に基づいて各種
測定を行う四軸型ゴニオメータ測定装置とから構成され
ている。四軸型ゴニオメータ測定装置は、図2および図
3に例示した構成を有する公知のものである。
選出するBragg反射選出部(50)と、四軸型ゴニ
オメータ測定装置からの各種測定値に基づき結晶方位を
計算する結晶方位計算部(60)とを備えている。Br
agg反射選出部(50)は、入力された結晶情報を用
いて、測定可能な全Bragg反射各々のX線強度およ
び回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角を計算する
X線強度・回折条件計算手段(51)と、このX線強度
・回折条件計算手段(51)により計算されたX線強度
の大きさおよび試料面法線と散乱ベクトルとの開き角Δ
Gに基づいて、各Bragg反射に重み点数付けを行う
重み点数付手段(52)と、この重み点数付け手段(5
2)により付けられた重み点数の大きい順に二つのBr
agg反射pc1およびpc2を選出するBragg反
射選出手段(53)とを備えている。このBragg反
射選出部(50)における各処理は、前述のこの発明の
Bragg反射自動選出装置における各手段による処理
と同様にして行われる。
(50)は、Bragg反射pc1およびpc2各々の
回折条件2θ1 角、ω1 角、χ1 角、φ1 角および2θ
2 角、ω2 角、χ2 角、φ2 角を四軸型ゴニオメータ測
定装置に送る。四軸型ゴニオメータ測定装置は、それら
回折条件2θ1 、ω1 角、χ1 角、φ1 角および2
θ2、ω2 角、χ2 角φ2 角付近でそれぞれのBrag
g角を実際に満足するBragg反射po1およびpo
2を検索測定し、続いて、開き角計算手段(61)と等
価反射計算手段(62)と等価反射選出手段(63)と
結晶方位計算手段(64)とを備えた結晶方位計算部
(60)に送る。
計算手段(61)が、送られてきたBragg反射po
1およびpo2間の開き角αoを計算し、一方で、等価
反射計算手段(62)が、Bragg反射pc1および
pc2各々の等価反射を対称操作により求める。続い
て、等価反射選出手段(63)は、等価反射計算手段
(62)により求められたBragg反射pc1および
pc2各々の等価反射の中から、開き角αcが、開き角
計算手段(61)により得られた開き角αoと等しく、
且つ散乱ベクトル長がBragg反射pc1およびpc
2の散乱ベクトル長と等しい等価反射pc1’およびp
c2’の組み合わせを選出する。この選出は、前述した
この発明の方法における処理と同様にして、αc=α
o、且つ散乱ベクトル長が一致する等価反射pc1’お
よびpc2’の組み合わせが得られるまで、ループ処理
により実行される。
びpc2’について、結晶方位計算手段(64)が、公
知の2反射法を用い、四軸型ゴニオメータ測定装置との
データ送受信を介して、結晶方位を計算する。さらに、
この発明の結晶方位自動決定システムでは、前述したよ
うに、結晶方位計算手段(64)により計算された結晶
方位を有する結晶構造の結晶系が三方晶系である場合に
対応するために、以下のようになっていることが望まし
い。
Bragg反射p1およびそのBragg反射p1をc
軸周りに60°回転させたBragg反射p2とを選出
する第2Bragg反射選出手段(70)を有してお
り、この第2Bragg反射選出手段(70)がBra
gg反射p1およびp2各々の回折条件を四軸型ゴニオ
メータ測定装置に送ると、四軸型ゴニオメータ測定装置
は、それらBragg反射p1およびp2各々のX線強
度I1およびI2を測定し、演算処理装置に送る。
段(71)と回転手段(72)をも備えており、この大
小関係判断手段(71)が、送られてきたX線強度I1
およびI2間の大小関係と、Bragg反射p1および
p2各々の構造因子間の大小関係とが一致するかどうか
を判断し、大小関係が一致していないと判断された場合
に、回転手段(72)が、前記結晶構造をc軸周りに6
0°回転させる。
構造既知の結晶試料に対して、真の結晶構造を自動的に
得ることができる。さらにまた、演算処理装置は、計算
された結晶方位と、結晶情報から別に算出された結晶方
位とをできるだけ一致させるために、結晶の軸変換を行
う軸変換手段(73)を備えていてもよく、この軸変換
手段(73)によって、より高精度な結晶方位の決定を
実現させることができる。
システムでは、必要な各計算・測定が一連の流れで自動
的に行われるため、結晶試料の結晶方位の決定を容易
に、且つ自動で行い、優れた結晶構造解析が実現され
る。なお、上述したこの発明のBragg反射自動選出
装置またはこの発明の結晶方位自動決定システムの演算
処理装置は、前述の図3に例示した公知の四軸型ゴニオ
メータ測定装置におけるコンピュータ(130)に内蔵
されていても、別体のコンピュータとされていてもよい
ことは言うまでもない。
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
方位を決定した。ここで、最初に入力する結晶情報とし
ては、以下の表示1に示したものとする。
た各処理をコンピュータおよび四軸型ゴニオメータを用
いて実行したところ、結晶方位として、試料面法線との
Off角=0.0866°、および入射X線と指定入射
方向との開き角=27.9615°が自動的に得られ、
正確な結晶構造の解析を行うことができた。もちろん、
この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部に
ついては様々な態様が可能であることは言うまでもな
い。
って、結晶試料の結晶方位の決定を容易に、且つ自動で
行うことのできる、新しいBragg反射自動選出方法
および装置並びに結晶方位自動決定方法およびシステム
が提供され、これらのこの発明を用いることにより、結
晶試料の構造解析および評価を非常に容易に、且つ高精
度で実現させることができるようになる。
位決定を模式的に例示した図である。
軸型ゴニオメータの回転軸構成を例示した模式図であ
る。
した要部構成図である。
理のフローを例示した図である。
る。
ローを例示した図である。
た図である。
した構成図である。
た構成図である。
Claims (24)
- 【請求項1】 2反射法による結晶試料の結晶方位の決
定において、基準となる二つのBragg反射pc1お
よびpc2をコンピュータを用いて自動的に選出するB
ragg反射自動選出方法であって、測定可能な全Br
agg反射各々のX線強度および回折条件である2θ
角、ω角、χ角、φ角を入力された結晶情報から計算
し、各Bragg反射に、そのX線強度の大きさおよび
試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基づいて重み点
数付けを行い、重み点数の大きい順に二つのBragg
反射pc1およびpc2を選出することを特徴とするB
ragg反射自動選出方法。 - 【請求項2】 各Bragg反射毎に、その構造因子を
最大強度のBragg反射の構造因子で正規化した値を
点数Aとし、且つ、その試料面法線と散乱ベクトルとの
開き角の余弦を点数Bとし、これら点数Aおよび点数B
ならびにX線強度に対する重みm%および前記開き角に
対する重みn%を用いて、重み点数=A×m/100+
B×n/100を計算し、各Bragg反射に当該重み
点数を付ける請求項1のBragg反射自動選出方法。 - 【請求項3】 入射角、出射角、ω角、χ角およびφ角
のいずれか一つの角が一定の条件において、回折条件で
ある2θ角、ω角、χ角、φ角を計算する請求項1また
は2のBragg反射自動選出方法。 - 【請求項4】 結晶情報として、少なくとも空間群、格
子定数および原子位置を入力する請求項1ないし3のい
ずれかのBragg反射自動選出方法。 - 【請求項5】 各種演算処理を行うコンピュータ、およ
びこのコンピュータからの計算値に基づき各種測定を行
う四軸型ゴニオメータ測定装置を用いて結晶試料の結晶
方位を自動的に決定する結晶方位自動決定方法であっ
て、入力された結晶情報から測定可能な全Bragg反
射各々のX線強度および回折条件である2θ角、ω角、
χ角、φ角を計算し、各Bragg反射に、そのX線強
度の大きさおよび試料面法線と散乱ベクトルとの開き角
に基づいて重み点数付けを行い、重み点数の大きい順に
二つのBragg反射pc1およびpc2を選出し、次
いで、Bragg反射pc1およびpc2各々の回折条
件を実際に満足するBragg反射po1およびpo2
を四軸型ゴニオメータ測定装置により検索測定し、さら
に、Bragg反射po1およびpo2間の開き角αo
を計算し、Bragg反射pc1およびpc2各々の等
価反射を対称操作により求め、Bragg反射pc1お
よびpc2各々の等価反射の中から、開き角が前記開き
角αoと等しく、且つ散乱ベクトル長がBragg反射
pc1およびpc2の散乱ベクトル長に一致する等価反
射pc1’およびpc2’の組み合わせを選出し、そし
て、これら等価反射pc1’およびpc2’について、
2反射法により結晶方位を計算することを特徴とする結
晶方位自動決定方法。 - 【請求項6】 計算された結晶方位を有する結晶構造の
結晶系が三方晶系であある場合において、c軸上にない
Bragg反射p1およびそのBragg反射p1をc
軸周りに60°回転させたBragg反射p2を選出
し、Bragg反射p1およびp2各々のX線強度I1
およびI2を四軸型ゴニオメータ測定装置により測定
し、X線強度I1およびI2間の大小関係とBragg
反射p1およびp2各々の構造因子間の大小関係とが一
致するかどうかを判断し、一致していない場合には、前
記結晶構造をc軸周りに60°回転させる請求項5の結
晶方位自動決定方法。 - 【請求項7】 計算された結晶方位を有する結晶構造の
結晶系が三方晶系である場合において、その結晶方位
を、結晶情報から別に算出された結晶方位にできるだけ
一致させるために、結晶の軸変換を行う請求項5または
6の結晶方位自動決定方法。 - 【請求項8】 各Bragg反射毎に、その構造因子を
最大強度のBragg反射の構造因子で正規化した値を
点数Aとし、且つ、その試料面法線と散乱ベクトルとの
開き角の余弦を点数Bとし、これら点数Aおよび点数B
ならびにX線強度に対する重みm%および前記開き角に
対する重みn%を用いて、重み点数=A×m/100+
B×n/100を計算し、各Bragg反射に当該重み
点数を付ける請求項5ないし7のいずれかの結晶方位自
動決定方法。 - 【請求項9】 結晶情報として、少なくとも空間群、格
子定数および原子位置が入力される請求項5ないし8の
いずれかの結晶方位自動決定方法。 - 【請求項10】 入射角、出射角、ω角、χ角およびφ
角のいずれか一つの角が一定の条件において、回折条件
である2θ角、ω角、χ角、φ角を計算する請求項5な
いし9のいずれかの結晶方位自動決定方法。 - 【請求項11】 結晶方位として、試料面法線とのOf
f角が計算される請求項5ないし10のいずれかの結晶
方位自動決定方法。 - 【請求項12】 結晶方位として、入射X線と指定入射
方向との開き角が計算される請求項5ないし11のいず
れかの結晶方位自動決定方法。 - 【請求項13】 2反射法による結晶試料の結晶方位の
決定において、基準となる二つのBragg反射pc1
およびpc2を自動的に選出するBragg反射自動選
出装置であって、測定可能な全Bragg反射各々のX
線強度および回折条件である2θ角、ω角、χ角、φ角
を入力された結晶情報から計算するX線強度・回折条件
計算手段と、各Bragg反射にそのX線強度の大きさ
および試料面法線と散乱ベクトルとの開き角に基づいて
重み点数付けを行う重み点数付手段と、重み点数の大き
い順に二つのBragg反射pc1およびpc2を選出
するBragg反射選出手段とを備えていることを特徴
とするBragg反射自動選出装置。 - 【請求項14】 重み点数付手段は、各Bragg反射
毎に、その構造因子を最大強度のBragg反射の構造
因子で正規化した値を点数Aとし、且つ、その試料面法
線と散乱ベクトルとの開き角の余弦を点数Bとし、これ
ら点数Aおよび点数BならびにX線強度に対する重みm
%および前記開き角に対する重みn%を用いて、重み点
数=A×m/100+B×n/100を計算し、各Br
agg反射に当該重み点数を付ける請求項13のBra
gg反射自動選出装置。 - 【請求項15】 結晶情報として、少なくとも空間群、
格子定数および原子位置が入力される請求項13または
14のBragg反射自動選出装置。 - 【請求項16】 X線強度・回折条件計算手段は、入射
角、出射角、ω角、χ角およびφ角のいずれか一つの角
が一定の条件において、回折条件である2θ角、ω角、
χ角、φ角を計算する請求項13ないし15のいずれか
のBragg反射自動選出装置。 - 【請求項17】 各種演算処理を行う演算処理装置と、
この演算処理装置からの各種計算値に基づいて各種測定
を行う四軸型ゴニオメータ測定装置とを備えた、結晶試
料の結晶方位を自動的に決定する結晶方位自動決定シス
テムであって、演算処理装置は、二つのBragg反射
pc1およびpc2を選出するBragg反射選出部
と、四軸型ゴニオメータ測定装置からの各種測定値に基
づき結晶方位を計算する結晶方位計算部とを備えてお
り、Bragg反射選出部は、測定可能な全Bragg
反射各々のX線強度および回折条件である2θ角、ω
角、χ角、φ角を入力された結晶情報から計算するX線
強度・回折条件計算手段と、各Bragg反射にそのX
線強度の大きさおよび試料面法線と散乱ベクトルとの開
き角に基づいて重み点数付けを行う重み点数付手段と、
重み点数の大きい順に二つのBragg反射pc1およ
びpc2を選出するBragg反射選出手段とを備えて
おり、四軸型ゴニオメータ測定装置は、Bragg反射
選出部からのBragg反射pc1およびpc2各々の
回折条件を実際に満足するBragg反射po1および
po2を検索測定し、結晶方位計算部は、四軸型ゴニオ
メータ測定装置からのBragg反射po1およびpo
2間の開き角αoを計算する開き角計算手段と、Bra
gg反射pc1およびpc2各々の等価反射を対称操作
により求める等価反射計算手段と、Bragg反射pc
1およびpc2各々の等価反射の中から、開き角が前記
開き角αoと等しく、且つ散乱ベクトル長がBragg
反射pc1およびpc2の散乱ベクトル長に一致する等
価反射pc1’およびpc2’の組み合わせを選出する
等価反射選出手段と、等価反射pc1’およびpc2’
について、2反射法により結晶方位を計算する結晶方位
計算手段とを備えていることを特徴とする結晶方位自動
決定システム。 - 【請求項18】 演算処理装置は、計算された結晶方位
を有する結晶構造の結晶系が三方晶系である場合におい
て、c軸上にないBragg反射p1およびそのBra
gg反射p1をc軸周りに60°回転させたBragg
反射p2とを選出する第2Bragg反射選出手段を有
し、四軸型ゴニオメータ測定装置は、Bragg反射p
1’およびp2’各々のX線強度I1およびI2を測定
し、さらに、演算処理装置は、X線強度I1およびI2
間の大小関係と、Bragg反射p1およびp2各々の
構造因子間の大小関係とが一致するかどうかを判断する
大小関係判断手段と、大小関係が一致していない場合に
前記結晶構造をc軸周りに60°回転させる回転手段と
を備えている請求項17の結晶方位自動決定システム。 - 【請求項19】 演算処理装置は、計算された結晶方位
を有する結晶構造の結晶系が三方晶系である場合におい
て、その結晶方位を、結晶情報から別に算出された結晶
方位にできるだけ一致させるために、結晶の軸変換を行
う軸変換手段を備えている請求項17または18の結晶
方位自動決定システム。 - 【請求項20】 重み点数付手段は、各Bragg反射
毎に、その構造因子を最大強度のBragg反射の構造
因子で正規化した値を点数Aとし、且つ、その試料面法
線と散乱ベクトルとの開き角の余弦を点数Bとし、これ
ら点数Aおよび点数BならびにX線強度に対する重みm
%および前記開き角に対する重みn%を用いて、重み点
数=A×m/100+B×n/100を計算し、各Br
agg反射に当該重み点数を付ける請求項17ないし1
9のいずれかの結晶方位自動決定システム。 - 【請求項21】 結晶情報として、少なくとも空間群、
格子定数および原子位置が入力される請求項17ないし
20のいずれかの結晶方位自動決定システム。 - 【請求項22】 X線強度・回折条件計算手段は、入射
角、出射角、ω角、χ角およびφ角のいずれか一つの角
が一定の条件において、回折条件である2θ角、ω角、
χ角、φ角を計算する請求項17ないし21のいずれか
の結晶方位自動決定システム。 - 【請求項23】 結晶方位として、試料面法線とのOf
f角が計算される請求項17ないし22のいずれかの結
晶方位自動決定システム。 - 【請求項24】 結晶方位として、入射X線と指定入射
方向との開き角が計算される請求項17ないし23のい
ずれかの結晶方位自動決定システム。
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