JP2000052958A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

Info

Publication number
JP2000052958A
JP2000052958A JP10221675A JP22167598A JP2000052958A JP 2000052958 A JP2000052958 A JP 2000052958A JP 10221675 A JP10221675 A JP 10221675A JP 22167598 A JP22167598 A JP 22167598A JP 2000052958 A JP2000052958 A JP 2000052958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
braking
brake
valve
accumulator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10221675A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP10221675A priority Critical patent/JP2000052958A/ja
Publication of JP2000052958A publication Critical patent/JP2000052958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】制動圧発生手段で発生した制動圧を制動圧シリ
ンダに供給して制動を行う際に、容量の小さいアキュム
レータを使用して制動圧を確保する。 【解決手段】低圧及び高圧側配管7L,7H 間に電動モータ
8で駆動される油圧ポンプ9を介挿し、この油圧ポンプ
9の吐出側に第1の電磁開閉弁10を介してアキュムレー
タ11を接続し、低圧側及び高圧側配管7L,7H に圧力制御
弁13FL〜13RRを接続して制動圧発生回路6を構成する。
この制動圧発生回路6の前輪側出力圧とマスタシリンダ
1の出力圧とを電磁方向切換弁3FL,3FR で選択してホイ
ールシリンダ5FL,5FR に供給し、マスタシリンダ1の出
力圧を吸収するように電磁開閉弁15及び逆止弁17の並列
回路を介してストークシミュレータ16を接続する。電動
モータ8及び第1の電磁開閉弁10を目標制動圧、アキュ
ムレータの蓄圧、実際の制動圧に基づいて制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ブレーキの
流体圧を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキ制御装置としては、例え
ば特開平9−86362号公報に記載されているものが
ある。
【0003】この従来例には、モータによって駆動され
る液圧ポンプとその吐出側に接続されたアキュムレータ
とを有する外部液圧供給源からの液圧が入力される液圧
制御弁の出力ポートに、入力ポートから入力側液圧室に
送り込まれたブレーキ液の液圧を出力側液圧室で増圧し
て出力ポートから送り出す液圧増幅装置を設け、この液
圧増幅装置の出力圧とマスタシリンダの吐出圧とを切り
換え弁で選択してホイールシリンダに供給するように
し、切り換え弁で液圧増幅装置が選択されている状態で
マスタシリンダの吐出圧をストロークシミュレータに供
給するようにしたブレーキ液圧制御装置が記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブレーキ制御装置にあっては、液圧制御弁は、ポン
プ圧を蓄圧したアキュムレータ圧を減圧制御するため、
アキュムレータ圧は、必要とするホイールシリンダ圧の
最大値以上に常に保持されていなければならない。一般
的には、ホイールシリンダ圧の90%以上は10MPa
を越える値が必要となる頻度は非常に少ない。しかし、
アキュムレータ圧としては、頻度的には少ないが発生す
る可能性のある高い10MPa以上のホイールシリンダ
圧を実現するために15〜20MPaに設定する必要が
ある。
【0005】このため、高圧によるアキュムレータの耐
久性能の低下、サイズの大型化、ポンプ圧蓄圧時の高圧
を吐出することによる音振性能の悪化及び消費電流の増
加等の未解決の課題がある。
【0006】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、アキュムレータの
蓄圧を抑制することにより、その耐久性能を向上させる
と共にサイズを小型化し、さらにポンプ圧蓄圧時の高圧
を吐出することによる音振性能う向上し、そのうえ消費
電流を低減することができるブレーキ制御装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るブレーキ制御装置は、ブレーキペダ
ルの踏込量に応じたマスタシリンダ圧の作動流体を出力
するマスタシリンダと、流体ポンプの吐出圧を第1の電
磁開閉弁を介して蓄圧するアキュムレータと圧力制御弁
とを有して任意制動圧の作動流体を出力する制動圧発生
手段と、前記マスタシリンダ及び制動圧発生手段から出
力される作動流体を選択して車輪に配設した制動手段に
供給する制動圧選択手段と、前記マスタシリンダから出
力された作動流体を吸収するストロークシミュレータ
と、該ストロークシミュレータ及び前記マスタシリンダ
間に介挿された作動流体の流通を断続制御する第2の電
磁開閉弁と、該第2の電磁開閉弁と並列に配設された前
記ストロークシミュレータから出力される作動流体のみ
を通過させる逆止弁と、前記ブレーキペダルの踏込量を
検出するブレーキ踏込量検出手段と、前記アキュムレー
タの蓄圧を検出する蓄圧検出手段と、前記制動手段の制
動圧を検出する制動圧検出手段と、前記ブレーキ踏込量
検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づいて、
前記制動圧発生手段、制動圧選択手段及び第2の電磁開
閉弁を制御する制動制御手段と、前記蓄圧検出手段で検
出したアキュムレータ圧及び前記制動圧検出手段で検出
した制動圧に基づいて前記制動圧発生手段におけるアキ
ュムレータ圧の不足分を補うように前記第1の電磁開閉
弁及び流体ポンプを制御する制動圧発生制御手段とを備
えたことを特徴としている。
【0008】この請求項1に係る発明においては、ブレ
ーキペダルを踏込んだ通常ブレーキ時に、制動圧発生手
段で発生される制動圧の作動流体を制動圧選択手段で選
択して制動用シリンダに出力し、このときの制動圧発生
手段でブレーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダ
ル踏込量に基づいて運転者の要求減速度に応じた制動圧
の作動流体を出力させることにより、制動用シリンダで
運転者の要求減速度に応じた制動力を発生させる。一
方、ストロークシミュレータでは、その入側に配設され
た電磁開閉弁がブレーキペダル踏込量に基づいて開制御
することにより、ストロークシミュレータで吸収するマ
スタシリンダからの作動流体量を制御して、運転条件に
応じたブレーキペダルの踏込感覚を調整する。
【0009】このとき、制動圧発生制御手段は、制動手
段での制動開始時における制動圧を増圧する状態で、制
動圧発生手段における第1の電磁開閉弁を開状態とする
ことにより、アキュムレータの蓄圧を圧力制御弁に供給
して、制動手段に対する制動圧を制御することができ、
アキュムレータの蓄圧が制動手段に供給する制動圧を賄
いきれなくなると、流体ポンプの吐出圧によって補充す
る。
【0010】また、請求項2に係るブレーキ制御装置
は、請求項1に係る発明において、前記制動制御手段
は、通常時は制動圧発生手段で発生された制動圧を前記
制動手段に供給するように前記制動圧選択手段を制御す
ると共に、前記第2の電磁開閉弁を開状態としてマスタ
シリンダで吐出される作動流体を前記ストロークシミュ
レータに供給するように制御し、且つ前記制動圧発生制
御手段は、目標制動圧がアキュムレータの蓄圧未満であ
るときに前記第1の電磁開閉弁を開状態に制御するよう
に構成されていることを特徴としている。
【0011】この請求項2に係る発明においては、制動
手段での制動開始時に制動圧発生手段の圧力制御弁に対
する目標制動圧がアキュムレータの蓄圧未満であるとき
に第1の電磁開閉弁を開状態としてアキュムレータの蓄
圧を圧力制御弁に供給するので、制動初期における制動
手段で比較的大きな作動流体量を要するときに、その作
動流体量を十分に賄うことができる。
【0012】さらに、請求項3に係るブレーキ制御装置
は、請求項1又は2に係る発明において、前記制動制御
手段は、通常時は制動圧発生手段で発生された制動圧を
前記制動手段に供給するように前記制動圧選択手段を制
御すると共に、前記第2の電磁開閉弁を開状態としてマ
スタシリンダで吐出される作動流体を前記ストロークシ
ミュレータに供給するように制御し、且つ前記制動圧発
生制御手段は、目標制動圧がアキュムレータの蓄圧以上
であるときに前記流体ポンプを作動状態とするように構
成されていることを特徴としている。
【0013】この請求項3に係る発明においては、圧力
制御弁に対する目標制動圧がアキュムレータの蓄圧以上
となったときに流体ポンプが作動状態となるので、実際
に制動手段の制動圧がアキュムレータの蓄圧を越える前
に流体ポンプが作動することになり、流体ポンプの応答
遅れを補償することができる。
【0014】さらにまた、請求項4に係るブレーキ制御
装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記制動
制御手段は、通常時は制動圧発生手段で発生された制動
圧を前記制動手段に供給するように前記制動圧選択手段
を制御すると共に、前記第2の電磁開閉弁を開状態とし
てマスタシリンダから吐出される作動流体を前記ストロ
ークシミュレータに供給するように制御し、且つ前記制
動圧発生制御手段は、目標制動圧が増圧状態及び保持状
態の何れかである場合に、前記制動圧検出手段で検出し
た制動圧がアキュムレータの蓄圧から所定値を減算した
比較圧以下であるときに前記第1の電磁開閉弁を開状態
とし、制動圧が前記比較圧を越えたときに前記第1の電
磁開閉弁を閉状態とするように構成されていることを特
徴としている。
【0015】この請求項4に係る発明においては、目標
制動圧が増圧状態又は保持状態であるときに、制動手段
実際の制動圧がアキュムレータの蓄圧から所定値を減算
した比較圧以下であるときには、第1の電磁開閉弁を開
状態に維持して、アキュムレータの蓄圧によって制動圧
を賄い、制動圧が比較圧を越えると、第1の電磁開閉弁
を閉状態として、圧力制御弁の入力圧をアキュムレータ
の蓄圧から流体ポンプの吐出圧に切り換える。
【0016】なおさらに、請求項5に係るブレーキ制御
装置は、請求項1、2又は4に係る発明において、前記
制動制御手段が、通常時は制動圧発生手段で発生された
制動圧を前記制動手段に供給するように前記制動圧選択
手段を制御すると共に、前記第2の電磁開閉弁を開状態
としてマスタシリンダから吐出される作動流体を前記ス
トロークシミュレータに供給するように制御し、且つ前
記制動圧発生制御手段が、目標制動圧が減圧状態である
場合に、前記制動圧検出手段で検出した制動圧がアキュ
ムレータの蓄圧から所定値を減算した比較圧以上である
ときに前記流体ポンプを作動状態とすると共に、前記第
1の電磁開閉弁を閉状態とし、制動圧が前記比較圧未満
となったときに前記流体ポンプを非作動状態とすると共
に、前記第1の電磁開閉弁を開状態とするように構成さ
れていることを特徴としている。
【0017】この請求項5に係る発明においては、圧力
制御弁に対する目標制動圧が増圧又は保持状態から減圧
状態となるときに、実際の制動圧がアキュムレータの蓄
圧から所定値を減算した比較圧以上であるときに流体ポ
ンプを作動状態とすると共に、第1の電磁開閉弁を閉状
態として、制動手段の制動圧を流体ポンプの吐出圧で賄
い、制動圧が比較圧未満となったときに流体ポンプを非
作動状態とすると共に、第1の電磁開閉弁を開状態とす
ることにより、制動手段の制動圧をアキュムレータで賄
う。
【0018】また、請求項6に係るブレーキ制御装置
は、請求項1乃至5の何れかに係る発明において、前記
アキュムレータでの蓄圧が、約10MPa以下の低圧に
設定されていることを特徴としている。
【0019】この請求項6に係る発明においては、アキ
ュムレータの蓄圧を約10MPa以下の低圧に設定する
ことができるので、耐久性を向上させることができると
共に、小型化を図ることができ、さらにアキュムレータ
の蓄圧時のポンプの音振性能を改善することができる。
【0020】さらに、請求項7に係るブレーキ制御装置
は、請求項1乃至6の何れかに係る発明において、前記
ブレーキ踏込量検出手段は、ブレーキペダルのストロー
ク、ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れ
かを検出するように構成されていることを特徴としてい
る。
【0021】この請求項7に係る発明においては、ブレ
ーキ踏込量検出手段で、ブレーキペダルのストローク、
ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れかを
検出するので、実際の運転者のブレーキ操作を確実に検
出することができる。
【0022】さらにまた、請求項8に係るブレーキ制御
装置は、請求項1乃至7の何れかに係る発明前記制動制
御手段は、システムの異常を検出するシステム異常検出
手段を有し、該システム異常検出手段で異常を検出した
ときに前記制動圧選択手段をマスタシリンダ側に切換え
ると共に、前記第1の電磁開閉弁及び第2の電磁開閉弁
を閉状態に制御するように構成されていることを特徴と
している。
【0023】この請求項8に係る発明においては、シス
テム異常検出手段でシステム異常を検出したときに制動
圧選択手段をマスタシリンダ側に切換え、且つ第1の電
磁開閉弁及び第2の電磁開閉弁を閉状態に制御すること
により、マスタシリンダから出力されるブレーキペダル
踏込量に応じた制動圧の作動流体を直接制動用シリンダ
に供給することにより、通常のブレーキシステムと同様
の制動作用を確保し、フェイルセーフ機能を発揮するこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、制動手段
での制動開始時における制動圧を増圧する状態で、制動
圧発生手段における第1の電磁開閉弁を開状態とするこ
とにより、アキュムレータの蓄圧を圧力制御弁に供給し
て、制動手段に対する制動圧を制御することができ、ア
キュムレータの蓄圧が制動手段に供給する制動圧を賄い
きれなくなると、流体ポンプの吐出圧によって補充する
ので、アキュムレータの蓄圧を低く抑えることが可能と
なり、アキュムレータの耐久性能を向上させることがで
きると共に、小型化を図ることができ、さらにアキュム
レータの蓄圧時のポンプの音振性能を改善することがで
きるという効果が得られる。
【0025】また、請求項2に係る発明によれば、制動
手段での制動開始時に制動圧発生手段の圧力制御弁に対
する目標制動圧がアキュムレータの蓄圧未満であるとき
に第1の電磁開閉弁を開状態としてアキュムレータの蓄
圧を圧力制御弁に供給するので、制動初期における制動
手段で比較的大きな作動流体量を要するときに、その作
動流体量を十分に賄うことができ、その後の流体ポンプ
の吐出圧に切換えたときに少ない吐出量で済むという効
果が得られる。
【0026】さらに、請求項3に係る発明によれば、圧
力制御弁に対する目標制動圧がアキュムレータの蓄圧以
上となったときに流体ポンプが作動状態となるので、実
際に制動手段の制動圧がアキュムレータの蓄圧を越える
前に流体ポンプが作動することになり、流体ポンプの応
答遅れを補償することができるので、運転者の要求減速
度に応じた制動圧を確保することができるという効果が
得られる。
【0027】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、目標制動圧が増圧状態又は保持状態であるときに、
制動手段実際の制動圧がアキュムレータの蓄圧から所定
値を減算した比較圧以下であるときには、第1の電磁開
閉弁を開状態に維持して、アキュムレータの蓄圧によっ
て制動圧を賄い、制動圧が比較圧を越えると、第1の電
磁開閉弁を閉状態として、圧力制御弁の入力圧をアキュ
ムレータの蓄圧から流体ポンプの吐出圧に切り換えるの
で、アキュムレータの蓄圧から流体ポンプの吐出圧に切
換えを円滑に行って運転者の要求減速度に正確に対応し
た制動圧制御を行うことができるという効果が得られ
る。
【0028】なおさらに、請求項5に係る発明によれ
ば、圧力制御弁に対する目標制動圧が増圧又は保持状態
から減圧状態となるときに、実際の制動圧がアキュムレ
ータの蓄圧から所定値を減算した比較圧以上であるとき
に流体ポンプを作動状態とすると共に、第1の電磁開閉
弁を閉状態として、制動手段の制動圧を流体ポンプの吐
出圧で賄い、制動圧が比較圧未満となったときに流体ポ
ンプを非作動状態とすると共に、第1の電磁開閉弁を開
状態とすることにより、制動手段の制動圧をアキュムレ
ータで賄うことができ、減圧状態でも流体ポンプの吐出
圧とアキュムレータの蓄圧との切換えを円滑に行うこと
ができるという効果が得られる。
【0029】また、請求項6に係る発明によれば、アキ
ュムレータの蓄圧を約10MPa以下の低圧に設定する
ことができるので、耐久性を向上させることができると
共に、小型化を図ることができ、さらにアキュムレータ
の蓄圧時のポンプの音振性能を改善することができると
いう効果が得られる。
【0030】さらに、請求項7に係る発明によれば、ブ
レーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及び
マスタシリンダ圧の何れかを検出することにより、ブレ
ーキぺペダルの踏込による運転者の要求減速度を確実に
検出することができるという効果が得られる。
【0031】さらにまた、請求項8に係る発明によれ
ば、システム異常検出手段でシステム異常を検出したと
きに制動圧選択手段をマスタシリンダ側に切換え、且つ
第1の電磁開閉弁及び第2の電磁開閉弁を閉状態に制御
することにより、マスタシリンダから出力されるブレー
キペダル踏込量に応じた制動圧の作動流体を直接制動用
シリンダに供給することにより、通常のブレーキシステ
ムと同様の制動作用を確保し、フェイルセーフ機能を発
揮することができるという効果が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明をハイブリッド車
両に適用した場合の一実施形態を示す概略構成図であ
り、図中、1はブレーキペダル2の踏込量に応じて駆動
輪としての例えば前輪側及び従動輪としての後輪側に対
する2系統の前輪側マスタ圧PMfの作動流体及び後輪
側マスタ圧PMrの作動流体を発生し、これらを夫々前
輪側出力ポートp1及び後輪側出力ポートp2から出力
するマスタシリンダである。
【0033】このマスタシリンダ1から出力される前輪
側マスタ圧PMfの作動流体は制動圧選択手段としての
3ポート2位置の電磁切換弁3FL及び3FRの一方の
入力側ポートp1に夫々供給され、後輪側マスタ圧PM
rの作動流体は同様の3ポート2位置の電磁切換弁3R
L及び3RRの一方の入力側ポートp1に夫々供給され
る。
【0034】そして、各電磁方向切換弁3FL,3FR
及び3RL,3RRの出力側ポートp3は、左右の前輪
4FL,4FR及び左右の後輪4RL,4RRに配設さ
れた制動用シリンダとしてのホイールシリンダ5FL,
5FR及び5RL,5RRに連通され、他方の入力側ポ
ートp2は制動圧発生手段としての制動圧発生回路6に
連通されている。
【0035】ここで、前輪4FL及び4FRは、そのド
ライブシャフトが図示しないエンジン及び走行用電動モ
ータに連結されて回転駆動されると共に、制動時には走
行用電動モータが発電機として作用されて回生制動力を
発生する。
【0036】また、電磁切換弁3FL〜3RRの夫々
は、ソレノイドs1に供給される後述するコントロール
ユニット30からの制御信号SD がオフ状態であるノー
マル位置で入力ポートp1と出力ポートp3とが連通
し、入力ポートp2が遮断され、ソレノイドs1に供給
される制御信号SD がオン状態であるオフセット位置で
入力ポートp1が遮断され、入力ポートp2と出力ポー
トp3とが連通される。
【0037】制動圧発生回路6は、マスタシリンダ1の
リザーバ1aに連通された低圧側配管7Lと、この低圧
側配管7Lに対して電動モータ8によって回転駆動され
る流体ポンプとしての油圧ポンプ9を介して連通された
高圧側配管7Hと、油圧ポンプ9の吐出側即ち高圧側配
管7H側に第1の電磁開閉弁10を介して接続された蓄
圧用のアキュムレータ11と、油圧ポンプ9と並列に介
挿された高圧側配管7Hを所定圧力に維持するリリーフ
弁12と、入力側及び戻り側ポートが夫々高圧側配管7
H及び低圧側配管7Lに接続され、且つ出力ポートが電
磁方向切換弁3FL,3FR及び3RL,3RRの他方
の入力側ポートに個別に接続された電磁比例減圧弁の構
成を有する圧力制御弁13FL,13FR及び13R
L,13RRとで構成されている。
【0038】ここで、油圧ポンプ9は、非制動時にアキ
ュムレータ11の蓄圧が、予め設定された第1の設定圧
力以下となると電動モータ8が後述するコントロールユ
ニット30によって回転駆動されることにより駆動され
て、アキュムレータ11の蓄圧を第1の設定圧力より高
いが例えば10MPa程度の低圧に設定された第2の設
定圧力まで上昇させると共に、制動時に圧力制御弁13
FL〜13RRに対する目標制動圧としての減圧指令値
がアキュムレータ11の蓄圧を越えたときに回転駆動さ
れる。
【0039】また、第1の電磁開閉弁10は、ソレノイ
ド10aに後述するコントロールユニット30から供給
される制御信号SP1がオフ状態である非通電状態で全閉
状態のノーマル位置となり、制御信号SP1がオン状態で
ある通電状態で全開状態のオフセット位置となる。
【0040】さらに、圧力制御弁13FL〜13RRの
夫々は、図2に示すように、電磁ソレノイドs1に入力
される電流値でなる制御信号CSFL〜CSRRに比例した
値の出力圧Pcを出力するように構成されている。
【0041】一方、マスタシリンダ1の前輪側出力ポー
トp1及び電磁方向切換弁3FL,3FRの一方の入力
ポートとを連通する油圧配管14に第2の電磁開閉弁1
5を介してストロークシミュレータ16が接続され、第
2の電磁開閉弁15と並列にストロークシミュレータ1
6から油圧配管14側への作動流体の流出を許容する逆
止弁17が配設されている。
【0042】ここで、第2の電磁開閉弁15は後述する
コントロールユニット30からのパルス周期Tに対する
オン区間tの比で表されるデューティ比D(=(t/
T)×100)のパルス信号SP によってデューティ制
御され、図3(b)に示すように、パルス信号SP がオ
ン区間tであるときに開状態となって作動流体を通過さ
せ、オフ区間では閉状態となって作動流体の通過を遮断
させることにより、ストロークシミュレータ16に対す
る通過作動流体総量が図3(a)に示すようにパルス信
号SP のオン区間tでステップ状に増加する。
【0043】また、ストロークシミュレータ16は、電
磁切換弁3FL及び3FRによって前輪側マスタ圧PM
fの作動流体が遮断されているときに、消費油量をシミ
ュレートし、マスタシリンダ1から吐出される油量を吸
収して消費するように構成されている。
【0044】このストロークシミュレータ16の具体的
構成は、両端を閉塞した円筒状のハウジング16aと、
このハウジング16a内に摺動自在に配設されてこのハ
ウジング内を上室16b及び下室16cの2室に画成す
るピストン16dと、下室16c内に配設されてピスト
ン16dを上方に付勢する弾性体としてのコイルスプリ
ング16eと、ピストン16dの外周面にハウジング1
6aの内周面と密接して配設されたシール部材16fと
で構成され、上室16bが入出力ポート16gを介して
電磁開閉弁15及び逆止弁17に接続されている。
【0045】そして、コイルスプリング16eのバネ特
性は上室16bに入力される作動流体の圧力と吸収する
作動流体量との関係が図4に示すように圧力の増加に比
例して作動流体量が増加する線形特性となるように設定
されている。
【0046】また、ブレーキペダル2には、そのストロ
ークを検出するストロークセンサ22が配設され、また
マスタシリンダ1の前輪側ポートp1に接続された油圧
配管14には、マスタシリンダ1から吐出される作動流
体の前輪側マスタシリンダ圧PMfを検出する駆動輪側
マスタ圧検出手段としてのマスタ圧センサ23が配設さ
れていると共に、圧力制御弁11FL〜11RRの出力
側にも電磁方向切換弁3FL〜3RRの入力側ポートp
2の直前で出力圧即ちホイールシリンダ5FL〜5RR
に供給する制動圧PBFL〜PBRRを検出する制動圧検出
手段としての制動圧センサ24FL〜24RRが配設さ
れ、さらにアキュムレータ11にもその蓄圧を検出する
蓄圧検出手段としての蓄圧センサ25が配設されてい
る。
【0047】さらに、車体速度VSPを検出する車体速度
センサ26が配設され、この車体速度センサ26は、自
動変速機の出力側の回転速度を検出したり、従動輪即ち
後輪4RL,4RRの車輪速度の平均値を車体速度とし
たり、各車輪の車輪速度のうち一番高い車輪速度即ちセ
レクトハイ車輪速度を車体速度としたり、このセレクト
ハイ車輪速度と前後加速度センサで検出した前後加速度
とから車体速度を推定したり、任意の車体速度検出手段
を適用し得る。
【0048】そして、電磁方向切換弁3FL〜3RR、
電動モータ8、第1の電磁開閉弁10、圧力制御弁13
FL〜13RR及び第2の電磁開閉弁15が例えばマイ
クロコンピュータを含んで構成されるコントロールユニ
ット30によって制御される。
【0049】このコントロールユニット30には、スト
ロークセンサ22で検出したペダルストロークPS、マ
スタ圧センサ23で検出される前輪側マスタ圧PMfの
検出信号DPM 、制動圧センサ24FL〜24RRで検
出される制動圧PBFL〜PB RRの検出信号DPFL〜DP
RR及び蓄圧センサ25で検出されるアキュムレータ11
の蓄圧PAの検出信号DPA が入力されていると共に、
車体速度センサ26で検出した車体速度VSPが入力さ
れ、これらに基づいて所定の演算処理を行って、電磁方
向切換弁3FL〜3RR、電動モータ8、第1の電磁開
閉弁10、圧力制御弁13FL〜13RR及び第2の電
磁開閉弁15を制御する。
【0050】すなわち、車体速度VSPに基づいて走行用
電動モータの回生制動力を算出すると共に、マスタ圧セ
ンサ23で検出した前輪側マスタ圧PMfに基づいて要
求減速度即ち要求制動力を算出し、要求制動力から回生
制動力を減算してホイールシリンダ5FL及び5FRに
よるシリンダ制動力を算出し、このシリンダ制動力に基
づいて圧力制御弁13FL及び13FRに対する減圧指
令値CPを算出し、これらに基づいて各圧力制御弁13
FL及び13FRをフィードバック制御し、また前輪側
マスタ圧PMfに基づいて電磁方向切換弁3FL〜3R
Rを切換制御し、さらにストロークセンサ22で検出し
たペダルストロークPSに基づいて算出されるデューテ
ィ比Dで電磁開閉弁14をデューティ制御し、さらに減
圧指令値CP、アキュムレータ蓄圧PA、制動圧PBFL
〜PBRRに基づいて第1の電磁開閉弁10及び電動モー
タ8を制御する。
【0051】次に、上記実施形態の動作をコントロール
ユニット30で実行する前輪側ブレーキ制御処理手順の
一例を示す図5のフローチャートを伴って説明する。す
なわち、コントロールユニット30では、図5に示す前
輪側ブレーキ制御処理を実行する。
【0052】このブレーキ制御処理は、先ず、ステップ
S1で、マスタ圧センサ23で検出した前輪側マスタ圧
PMfを読込み、次いでステップS2に移行して、読込
んだ前輪側マスタ圧PMfが予め設定した設定圧PMs
(例えば1MPa程度の小さい値)を越えているか否か
を判定し、PMf≦PMsであるときには、ブレーキペ
ダル2を踏込んでいない非制動時であるか又はほんの僅
かに踏込んだ極緩制動時であり、走行用電動モータによ
る回生制動の影響がないものと判断して、ステップS3
に移行する。
【0053】このステップS3では、電磁方向切換弁3
FL,3FRのソレノイドs1を非通電状態とする電流
値“0”の制御信号SD を出力することにより、これら
切換弁3FL,3FRを夫々ノーマル位置に制御すると
共に、第2の電磁開閉弁15に対してオフ状態のパルス
信号SP2を出力して、これを全閉状態に制御し、且つ圧
力制御弁13FL,13FRに対して前輪側マスタ圧P
Mfと等しい制動圧PBとなるように減圧指令値として
目標ホイールシリンダ圧CPを算出し、これと出力圧セ
ンサ24FL,24FRの検出信号DPFL,DPFRとに
基づいてフィードバック制御を行ってから前記ステップ
S1に戻る。
【0054】一方、ステップS2の判定結果が、前輪側
マスタ圧PMfが設定圧PMsを越えているものである
ときには、ステップS4に移行して、後述する図8に示
す制動圧発生制御処理が起動されているか否かを判定
し、これが起動されていないときには起動してからステ
ップS5に移行し、起動されているときにはそのままス
テップS5に移行する。
【0055】このステップS5では、電磁方向切換弁3
FL,3FRのソレノイドs1に所定電流値の制御信号
D を供給することにより、これら切換弁3FL,3F
Rを夫々オフセット位置に制御してからステップS6に
移行する。
【0056】このステップS6では、車体速度センサ2
6で検出した車体速度VSPをもとに例えば予め設定され
た図6に示す回生制動力算出マップを参照して、走行用
電動モータで発生する回生制動力RBを算出する。
【0057】ここで、回生制動力算出マップは、図6に
示すように、車体速度VSPが“0”から低設定車速V1
までの間は回生制動力RBが“0”を維持し、その後設
定車速V1 から設定車速V2 までの間は車体速度VSP
増加に応じて二次曲線的に増加し、設定車速V2 から設
定車速V3 までの間は車体速度VSPの増加にかかわらず
例えば、0.25Gに相当する一定値を維持し、設定車
速V3 から設定車速V 4 までの間は車体速度VSPの増加
に応じて二次曲線的に減少し、設定車速V4 以上では車
速Vの増加にかかわらず例えば0.1Gに相当する一定
値を維持する特性に設定されている。
【0058】次いで、ステップS7に移行して、前輪側
マスタ圧PMfをもとに運転者の要求する減速度に応じ
た要求制動力DBを算出する。次いで、ステップS8に
移行して、要求制動力DBから回生制動力RBを減算す
ることにより、ホイールシリンダ5FL及び5FRで発
生するシリンダ制動力CBを算出する。
【0059】次いで、ステップS9に移行し、算出され
たシリンダ制動力CBに対応する目標ホイールシリンダ
圧CPを算出し、これと制動圧センサ24FL,24F
Rで検出した制動圧PBFL,PBFRとが一致するように
フィードバック制御信号CS FL,CSFRを圧力制御弁1
3FL,13FRに出力してからステップS10に移行
する。
【0060】このステップS10では、ストロークセン
サ22で検出したペダルストロークPSを読込み、次い
でステップS10に移行して、ペダルストロークPSを
もとに図7に示すデューティ比算出マップを参照するこ
とにより第2の電磁開閉弁15に対するデューティ比D
を算出し、次いでステップS12に移行して、算出され
たデューティ比Dのパルス信号SP2を第2の電磁開閉弁
15に出力してからステップS13に移行する。
【0061】ここで、デューティ比算出マップは、図7
で実線図示の特性線Laで示すように、ペダルストロー
クPSが“0”から設定値PS1 に達するまでの間はデ
ューティ比Dが電磁開閉弁14が全開状態となるオン状
態を連続する100%を維持し、設定値PS1 以上とな
るとオン状態に対してオフ状態が長い全閉側の所定値d
1 (例えば20%程度)を維持するように設定されてい
る。
【0062】ステップS13では、前輪側マスタ圧PM
fが“0”であるか否かを判定し、PMf>0であると
きにはステップS14に移行して、前輪側マスタ圧PM
fを読込んでから前記ステップS6に戻り、PMf=0
であるときにはステップS15に移行する。
【0063】このステップS15では、圧力制御弁13
FL,13FRに対する目標ホイールシリンダ圧CPを
夫々“0”に設定することにより、圧力制御弁13F
L,13FRの出力圧即ち制動圧PBFL,PBFRを夫々
“0”に制御してから前記ステップS1に戻る。
【0064】なお、後輪についてはマスタシリンダ1か
ら前輪側マスタシリンダ圧PMfとに比例した後輪側マ
スタシリンダ圧PMrの作動流体が出力され、ブレーキ
ペダルストロークには影響しないので、圧力制御弁13
RL,13RRを前輪側マスタ圧PMfに基づいてプロ
ポーショナルバルブに相当する特性となるように制御す
る。
【0065】この図6のブレーキ制御処理が制動制御手
段に対応し、このうちステップS2〜S4の処理が制動
圧選択手段に対応している。また、コントロールユニッ
ト30は、図8に示す、制動圧発生制御処理を実行す
る。
【0066】この制動圧発生制御処理は、前記制動制御
処理におけるステップS4で起動され、先ず、ステップ
S21で、蓄圧センサ25で検出したアキュムレータの
蓄圧PA及び制動圧センサ24FL〜24RRで検出し
た制動圧PBFL〜PBRRを読込むと共に、図5の制動制
御処理で算出された目標ホイールシリンダ圧CPを読込
む。
【0067】次いで、ステップS22に移行して、目標
ホイールシリンダ圧CPが正であるか否かを判定し、C
P>0であるときには制動状態であると判断してステッ
プS23に移行し、目標ホイールシリンダ圧CPが増圧
状態であるか否かを判定し、増圧状態であるときには、
ステップS24に移行して、アキュムレータ11の蓄圧
PAが目標ホイールシリンダ圧CPを越えているか否か
を判定し、PA>CPであるときにはアキュムレータ1
1の蓄圧PAで十分賄えると判断してステップS25に
移行する。
【0068】このステップS25では、第1の電磁開閉
弁10に対する制御信号SP1をオン状態として、この第
1の電磁開閉弁10をオフセット位置に切換えてアキュ
ムレータ11と高圧側配管7Hとを連通状態として、高
圧側配管7Hの圧力をアキュムレータ11の蓄圧まで上
昇させると共に、電動モータ8に対する制御信号SM
オフ状態として、この電動モータ8を停止状態に維持し
てから前記ステップS21に戻る。
【0069】一方、前記ステップS24の判定結果が、
PA≦CPであるときには、アキュムレータ11の蓄圧
では各ホイールシリンダ5FL〜5RRの制動圧として
のホイールシリンダ圧を賄いきれない可能性があるもの
と判断してステップS26に移行し、電動モータ8に対
する制御信号SM をオン状態として、この電動モータ8
を回転駆動し、これによって油圧ポンプ9が駆動され
て、その吐出圧が高圧側配管7Hに供給される。
【0070】次いで、ステップS27に移行して、アキ
ュムレータ11の蓄圧PAから所定値ΔP1を減算した
比較圧PCが制動圧センサ24FL〜24RRで検出し
た制動圧としてのホイールシリンダ圧PBFL〜PBRR
一番高い圧力PBH を越えているか否かを判定し、PC
>PBH であるときには、アキュムレータ11の蓄圧P
Aによって賄うことができると判断してステップS28
に移行し、第1の電磁開閉弁10に対してオン状態の制
御信号SP1を出力して、この第1の電磁開閉弁10をオ
フセット位置に切換えることにより開状態とし、アキュ
ムレータ11を高圧側配管7Hに連通させてから前記ス
テップS21に戻り、PC≦PBH であるときにはアキ
ュムレータ11の蓄圧PAによって賄うことができない
ものと判断してステップS29に移行し、第1の電磁開
閉弁10に対する制御信号SP1をオフ状態として、この
第1の電磁開閉弁10をノーマル位置に切換えて高圧側
配管7Hからアキュムレータ11を切り離してから前記
ステップS21に移行する。
【0071】さらに、前記ステップS23の判定結果
が、目標ホイールシリンダ圧CPが増圧状態でないとき
にはステップS30に移行して、目標ホイールシリンダ
圧CPが減圧状態であるか否かを判定する。この判定
は、前回の目標ホイールシリンダ圧CP(n-1) が現在の
目標ホイールシリンダ圧CP(n) より大きいか否かを判
定することにより行い、減圧状態ではないときには、保
持状態であると判断して前記ステップS24に移行し、
減圧状態であるときにはステップS31に移行する。
【0072】このステップS31では、ホイールシリン
ダ圧PBFL〜PBRRのうち一番高い圧力PBH がアキュ
ムレータ11の蓄圧PA以上になった後の減圧状態であ
るか否かを判定し、そうでないときには前記ステップS
25に移行し、そうであるときにはステップS32に移
行する。
【0073】このステップS32では、アキュムレータ
11の蓄圧PAから所定値ΔP2を減算した比較圧PC
2がホイールシリンダ圧PBFL〜PBRRのうち一番高い
圧力PBH 以上であるか否かを判定し、PC2≧PBH
であるときにはアキュムレータ11の蓄圧PAで十分賄
えるものと判断して前記ステップS25に移行し、PC
2<PBH であるときにはアキュムレータ11の蓄圧P
Aでは賄えないものと判断してステップS33に移行し
て、第1の電磁開閉弁10に対する制御信号S P1をオフ
状態として、この第1の電磁開閉弁10を閉状態とする
と共に、電動モータ8に対する制御信号SM をオン状態
として、この電動モータ8を回転駆動し、これによって
油圧ポンプ9を作動させてその吐出圧を高圧側配管8H
に供給してから前記ステップS21に戻る。
【0074】なおさらに、前記ステップS22の判定結
果が、目標ホイールシリンダ圧CPが“0”又は負であ
るときには、制動状態を終了したか非制動状態を継続し
ているものと判断して、ステップS34に移行し、予め
設定された所定時間Δt以上目標ホイールシリンダ圧C
Pが“0”を継続しているか否かを判定し、そうでない
ときには、前記ステップS21に戻り、そうであるとき
にはステップS35に移行して、第1の電磁開閉弁10
に対する制御信号SP1をオフ状態としてから制動圧発生
制御処理を終了する。
【0075】したがって、今、ブレーキペダル2を解放
し、且つアクセルペダルを踏込むことによって、車両が
エンジンによって及び/又は走行用電動モータを電動機
として作動させて、所定速度で走行しているものとする
と、この状態では、ブレーキペダル2が解放されている
ことにより、マスタシリンダ1の前輪側マスタ圧PMf
及び後輪側マスタ圧PMrは共に“0”となっている。
【0076】この状態では、図5の前輪側ブレーキ制御
処理が実行されたときに、前輪側マスタ圧PMfが
“0”であることにより、ステップS2からステップS
3に移行して、電磁切換弁3FL,3FRのソレノイド
s1に対して制御信号SD は出力されず、ソレノイドs
1が非通電状態を維持すると共に、圧力制御弁11F
L,11FRに対する減圧指令値CPも“0”となり、
圧力制御弁11FL,11FRの出力圧Pcも“0”に
制御される。
【0077】このため、電磁切換弁3FL,3FRがノ
ーマル位置を維持することにより、マスタシリンダ1の
前輪側マスタ圧PMfがそのままホイールシリンダ5F
L,5FRに供給される。
【0078】この状態では、前輪側マスタ圧PMf及び
後輪側マスタ圧PMrが共に“0”であることにより、
各ホイールシリンダ5FL,5FRに供給されるシリン
ダ圧も“0”となっており、非制動状態を維持する。
【0079】一方、図8の制動圧発生制御処理も、図5
のステップS4に移行しないことにより、起動されるこ
とはなく、電動モータ8が停止されていると共に、第1
の電磁開閉弁10がノーマル位置となって全閉状態を維
持し、アキュムレータ11が高圧側配管7Hより切り離
されている。
【0080】なお、アキュムレータ11は、図示しない
蓄圧制御処理によって、蓄圧センサ25で検出された蓄
圧PAが第1の設定値以下となると、電動モータ8が回
転駆動されて油圧ポンプ9が駆動され、これと同時に第
1の電磁開閉弁10が開状態に制御されて、油圧ポンプ
9の吐出圧が供給され、蓄圧PAが10MPa程度の第
2の設定値まで昇圧される。
【0081】この状態から、アクセルペダルを解放し、
これに代えてブレーキペダル2を踏込むと、これに応じ
てマスタシリンダ1の前輪側及び後輪側マスタ圧PMf
及びPMrが増加し、前輪側マスタ圧PMfが設定圧P
Msに達するまでの間は、ステップS3に移行すること
により、電磁切換弁3FL,3FRがノーマル位置に保
持されると共に、圧力制御弁11FL,11FRの出力
圧Pcが前輪側マスタ圧PMfの増加に応じて、これと
一致するように増加される。
【0082】この状態で、前輪側マスタ圧PMfが設定
圧PMsに達すると、ステップS4に移行して、図8の
制動圧発生制御処理が起動され、次いでステップS5に
移行して、電磁切換弁3FL,3FRが共にオフセット
位置に切換えられることにより、マスタシリンダ1から
出力される前輪側マスタ圧PMfが電磁開閉弁14を介
してストロークシミュレータ12に供給される一方、圧
力制御弁11FL,11FRから出力される出力圧Pc
が電磁切換弁3FL,3FRを介して前輪側のホイール
シリンダ4FL,4FRに供給される。
【0083】このとき、圧力制御弁11FL,11FR
の出力圧即ち制動圧センサ24FL,24FRで検出さ
れる制動圧としてのホイールシリンダ圧PBFL,PBFR
は前輪側マスタ圧PMfと等しく制御されているので、
ホイールシリンダ4FL,4FRに入力される制動圧自
体は変動することはなく、運転者に違和感を与えること
はない。
【0084】これと同時に、走行用電動モータが発電機
として作動されて回生制動状態となり、この走行用電動
モータで発生する回生制動力RBと、制動圧発生回路6
で発生されるマスタシリンダ1で発生する前輪側マスタ
シリンダ圧PMfに応じた制動力DBから回生制動力R
Bを減じた制動力CBに応じた制動圧Pcに基づいてホ
イールシリンダ5FL,5FRで発生される制動力とが
駆動輪としての前輪4FL,4FRに作用され、両者の
和の制動力が前輪側マスタシリンダ圧PMfに応じた制
動力と等しくなる。
【0085】このとき、マスタシリンダ1から吐出され
る前輪側マスタシリンダ圧PMfの作動流体は、電磁方
向切換弁3FL,3FRによってホイールシリンダ5F
L,5FRへの供給が停止されるが、この作動流体は第
2の電磁開閉弁15を介してストロークシミュレータ1
6に供給されることになり、ブレーキペダル2の踏込ス
トロークを確保することができる。
【0086】ここで、ブレーキペダル2の踏込量が少な
く、ペダルストロークPSが設定値PS1 に達するまで
の間は、図7に示すように、デューティ比Dが100%
を維持するので、第2の電磁開閉弁15に対してデュー
ティ比100%即ちオン状態を継続するパルス信号PS
が出力され、これによって第2の電磁開閉弁15が全開
状態に制御される。
【0087】このため、マスタシリンダ1から吐出され
る作動流体は直接ストロークシミュレータ16に供給さ
れ、このストロークシミュレータ16の圧力−作動流体
量特性が図4に示すように線形特性とされ前輪マスタシ
リンダ圧PMfの増加に応じて吸収する作動流体量が増
加することになり、ペダル踏力に対するペダルストロー
クは、図9で実線図示の特性線Laで示すようにペダル
踏力が“0”から増加したときにペダルストロークが急
増することになり、ペダル剛性が小さく設定される。
【0088】この状態から、さらにブレーキペダル2を
踏込んで、ストロークセンサ22で検出されるペダルス
トロークPSが設定値PS1 に達すると、図5のステッ
プS11で算出されるデューティ比Dが閉側の所定値d
1 に設定され、これに応じたパルス信号SP2が第2の電
磁開閉弁15に出力されることにより、この電磁開閉弁
15の平均開度が全開時の20%程度となることによ
り、マスターシリンダ1からストロークシミュレータ1
6に供給される作動流体量が減少される。
【0089】このため、ストロークシミュレータ16で
吸収される作動流体量が減少することから、ペダル踏力
に対するペダルストロークは、図9で実線図示のよう
に、特性線Laの勾配が緩やかとなってペダル踏力の増
加に応じたペダルストロークの増加量が減少することか
ら、ペダル剛性が大きくなって運転者に対してしっかり
したペダル踏込感覚を与えることができ、前述した従来
のホイールシリンダ特性に近似した特性を得ることがで
きる。
【0090】一方、図8の制動圧発生制御処理が起動さ
れると、図10に示すように、ブレーキペダルの踏込み
量が少なく緩制動状態であるときには、図8の処理が実
行開始された時点t1 で図5の制動圧制御処理で算出さ
れる一点鎖線図示の特性線L1で表される目標ホイール
シリンダ圧CPが正の増圧状態であるので、ステップS
21〜S23を経てステップS24に移行し、図10で
実線図示の特性線L2で表されるアキュムレータ11の
蓄圧PAが目標ホイールシリンダ圧CPより高いので、
アキュムレータ11でホイールシリンダ5FL〜5RR
で目標ホイールシリンダ圧CPに対して応答遅れを有し
て発生する実線図示の特性線L3で表される実際のホイ
ールシリンダ圧PBFL〜PBRRを十分賄えるものと判断
して、ステップS25に移行する。
【0091】このため、電動モータ8に対する制御信号
M はオフ状態を維持することにより、電動モータ8及
び油圧ポンプ9が停止状態を維持するが、第1の電磁開
閉弁10は開状態に制御されるので、アキュムレータ1
1の蓄圧PAが高圧側配管7Hを介して各圧力制御弁1
3FL〜13RRの入力ポートに供給され、これら圧力
制御弁13FL〜13RRで目標ホイールシリンダ圧C
Pに基づいて減圧制御されて、電磁方向切換弁3FL〜
3RRを介してホイールシリンダ5FL〜5RRに供給
されて、所定の制動力を発生する。
【0092】その後、時点t2 で目標ホイールシリンダ
圧CPが保持状態となると、図8の制動圧発生制御処理
で、ステップS23からステップS30に移行し、手か
ら前記ステップS24に移行することにより、上記目標
ホイールシリンダ圧CPの増圧状態と同様の処理が継続
されて、アキュムレータ11の蓄圧PAによって実際の
ホイールシリンダ圧PBFL〜PBRRが賄われる。
【0093】その後、時点t3 で目標ホイールシリンダ
圧CPが減圧状態となると、図8のステップS30から
ステップS31に移行し、ホイールシリンダ圧PBH
アキュムレータ11の蓄圧PA未満であったので、ステ
ップS25に移行し、引き続き電動モータ8を停止状態
に維持すると共に、第1の電磁開閉弁10を開状態に維
持する。
【0094】その後、時点t4 で目標ホイールシリンダ
圧CPが“0”となると、ステップS22からステップ
S32に移行し、目標ホイールシリンダ圧CPが“0”
の状態を所定時間Δtだけ継続した時点t5 でステップ
S35に移行して、第1の電磁開閉弁10を閉状態とし
て、高圧側配管7Hからアキュムレータ11を切り離し
て制動圧発生制御処理を終了する。
【0095】ところが、図11に示すように、ブレーキ
ペダル2の踏込み量が大きく、図5の制動圧制御処理で
算出される目標ホイールシリンダ圧CPが大きいときに
は、時点t11で目標ホイールシリンダ圧CPが図11で
一点鎖線図示のように正方向の増圧状態となると、図8
のステップS22,S23を経てステップS24に移行
し、この状態ではアキュムレータ11の蓄圧PAが目標
ホイールシリンダ圧CPを上回っているので、第1の電
磁開閉弁10を全開状態とし、且つ電動モータ8及び油
圧ポンプ9は停止状態を維持させることにより、アキュ
ムレータ11の蓄圧PAのみで各圧力制御弁13FL〜
13RRによるホイールシリンダ5FL〜5RRのホイ
ールシリンダ圧PBFL〜PBRRを賄う。
【0096】そのご、時点t12で目標ホイールシリンダ
圧CPがアキュムレータ11の蓄圧PA衣装となると、
ステップS24からステップS26に移行して、電動モ
ータ8が回転駆動開始され、これに応じて油圧ポンプ8
による昇圧が開始される。
【0097】このとき、アキュムレータ11の蓄圧PA
から所定値ΔP1を減算した比較圧PC1が実際のホイ
ールシリンダ圧PBFL〜PBRRの最大値より大きいの
で、ステップS27からステップS28に移行して、第
1の電磁開閉弁10が全開状態を継続し、アキュムレー
タ11の蓄圧PAと油圧ポンプ9の吐出圧とが高圧側配
管7Hに供給され、この高圧側配管7Hの圧力が実際の
ホイールシリンダ圧PB FL〜PBRRより早めに昇圧され
る。
【0098】その後、時点t14でアキュムレータ11の
蓄圧PAから所定値ΔP1を減算した比較圧PC1が実
際のホイールシリンダ圧PBFL〜PBRRの最大値を越え
る状態となると、ステップS27からステップS29に
移行して、第1の電磁開閉弁10が全閉状態となり、こ
れによってアキュムレータ11が高圧側配管7Hから切
り離される。この結果、油圧ポンプ9の吐出圧はアキュ
ムレータ11の蓄圧PAを昇圧するために使われること
なく、高圧側配管7Hの昇圧のみに使用されることにな
り、吐出容量の少ない油圧ポンプ9を使用しても高圧側
配管7Hの昇圧が可能となり、目標ホイールシリンダ圧
CPに対して応答遅れを有する実際のホイールシリンダ
圧PBFL〜PBRRを十分に賄うことができる。
【0099】その後、時点t15で目標ホイールシリンダ
圧CPが減圧状態となると、ステップS30からステッ
プS31に移行し、ホイールシリンダ圧PBFL〜PBRR
の最大値がアキュムレータ11の蓄圧PA以上になった
後の減圧状態であるので、ステップS32に移行して、
アキュムレータ11の蓄圧PAから所定値ΔP2を減算
した比較圧PC2がホイールシリンダ圧PBFL〜PBRR
の最大値より小さいので、ステップS33に移行して、
第1の電磁開閉弁10を全閉状態とし且つ電動モータ8
を回転状態として油圧ポンプ9の作動状態を継続して、
油圧ポンプ9の吐出圧でホイールシリンダ圧PBFL〜P
RRを賄う。
【0100】その後、時点t16で、比較圧PC2がホイ
ールシリンダ圧PBFL〜PBRRの最大値を越える状態と
なると、ステップS32からステップSS25に移行し
て、第1の電磁開閉弁10を全開状態とすると共に、電
動モータ8を停止させて、油圧ポンプ9を非作動状態と
して、アキュムレータ11の蓄圧PAでホイールシリン
ダ圧PBFL〜PBRRを賄う状態に復帰する。
【0101】次いで、時点t17で、目標ホイールシリン
ダ圧CPが“0”となると、ステップS22からステッ
プS34に移行し、所定時間Δtが経過した後の時点t
18で第1の電磁開閉弁10を全閉状態として制動圧発生
制御処理を終了する。
【0102】このように、上記実施形態によると、制動
状態となったときに、アキュムレータ11の蓄圧PAに
対して、目標ホイールシリンダ圧CPが低い場合には、
アキュムレータ11の蓄圧PAのみで各ホイールシリン
ダ5FL〜5RRのホイールシリンダ圧PBFL〜PBRR
を賄い、アキュムレータ11の蓄圧PAを目標ホイール
シリンダ圧CPが上回る状態となると、油圧ポンプ9を
回転駆動するので、比較的容量を必要とする低圧側でア
キュムレータ11の蓄圧を使用し、これで賄い切れない
比較的高圧状態となると、油圧ポンプ9の吐出圧を使用
するので、油圧ポンプ9の吐出容量は少なくて済む利点
がある。
【0103】しかも、実際のホイールシリンダ圧PBFL
〜PBRRの最大値がアキュムレータ11の蓄圧PAから
所定値ΔP1を減算した比較圧PC1を越えたときに、
第1の電磁開閉弁10を全閉状態として、油圧ポンプ9
の吐出圧をホイールシリンダ圧PBFL〜PBRRにのみ使
用し、アキュムレータ11の蓄圧に使用しないので、少
ない吐出容量で高いホイールシリンダ圧PBFL〜PBRR
を賄うことができる利点がある。
【0104】次に、本発明の第2の実施形態を図12に
ついて説明する。この第2の実施形態は、ブレーキシス
テムに異常が発生したときに制動圧を確保するようにし
たものである。
【0105】すなわち、第2の実施形態では、コントロ
ールユニット30で実行されるブレーキ制御処理が、図
12に示すように、前述した第1の実施形態における図
5の処理でのステップS11及びS12の間に、前輪側
のブレーキシステムが異常であるか否かを判定するステ
ップS51と、その判定結果がシステム異常であるとき
に電磁方向切換弁3FL及び3FRをノーマル位置に切
換える制御信号SD を出力し、且つ第1の電磁開閉弁1
0を閉状態とするオフ状態の制御信号SP1を出力すると
共に、第2の電磁開閉弁15を閉状態とするデューティ
比Dが“0”%のパルス信号SP2を出力してから処理を
終了するステップS52が追加され、ステップS51の
判定結果がブレーキシステムが正常であるときに前記ス
テップS12に移行するように構成されていることを除
いては前記図5と同様の処理行い、図5との対応する処
理には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを
省略する。
【0106】この第2の実施形態によると、前輪側ブレ
ーキシステムが正常であるときには、第1の実施形態と
同様のペダルストローク量PSに基づいて第2の電磁開
閉弁15をデューティ制御することにより、ペダル踏込
量に応じたペダル踏力−ペダルストローク特性を得るこ
とができるが、前輪側ブレーキシステムに異常が発生す
ると、図12の処理において、ステップS51からステ
ップS52に移行して、電磁方向切換弁3FL,3FR
をノーマル位置に切換えることにより、マスタシリンダ
1から吐出される作動流体を直接ホイールシリンダ5F
L,5FRに供給し、且つ第1の電磁開閉弁10を全閉
状態とすることにより、アキュムレータ11を高圧側配
管7Hから切り離すと共に、第2の電磁開閉弁15を全
閉状態とすることにより、ストロークシミュレータ16
で吸収する作動流体量を零として、マスタシリンダ1か
ら吐出される作動流体を全量ホイールシリンダ5FL,
5FRに供給して、所定の制動力を確保することがで
き、フェイルセーフ機能を発揮することがでできる。
【0107】このとき、第2の電磁開閉弁15と並列に
逆止弁17が設けられているのでブレーキペダル2の踏
込を弱めて、配管14内の作動流体の前輪側マスタシリ
ンダ圧PMfがストロークシミュレータ16に蓄積され
ている圧力より低下すると、ストロークシミュレータ1
6内の作動流体が逆止弁17を通じてマスタシリンダ1
側に戻される。
【0108】なお、上記第1の実施形態においては、デ
ューティ比算出マップを図7における実線図示の特性線
Laで構成する場合について説明したが、これに限定さ
れるものではなく、図8における破線図示の特性線Lb
で示すように、ペダルストロークPSが“0”であると
きにデューティ比Dが100%でこれからペダルストロ
ークPSが増加したときにこれに反比例してデューティ
比Dが減少する線形特性に設定するようにしてもよく、
この場合にはペダル踏力に対するペダルストローク特性
は、図8で破線図示の特性線Lbで示すように、ペダル
踏力の増加に応じてペダルストロークが二次曲線的に連
続して増加することになり、滑らかなペダル踏込感覚を
得ることができる。
【0109】また、デューティ比算出マップを図8にお
ける一点鎖線図示の特性線Lcで示すように、ペダルス
トロークPSが“0”であるときにデューティ比Dが1
00%でこれからペダルストロークPSが増加したとき
にその二乗に反比例してデューティ比Dが減少する二次
曲線特性とすることもでき、この場合には、ペダル踏力
に対するペダルストローク特性は、図9で一点鎖線図示
の特性線Lcで示すように、ペダル踏力が小さい間は前
述した特性線Lbより大きな勾配でペダルストロークが
増加し、その後ペダルストロークの増加量が徐々に減少
し、ペダル踏力が大きいときには特性線Lbよりペダル
ストロークが小さくなる。
【0110】その他、ブレーキペダルの踏込速度や車体
速度に応じてストローク特性を変更するようにしてもよ
い。また、上記各実施形態においては、ストロークシミ
ュレータ16のピストン16dをコイルスプリング16
eで付勢する場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、板バネ、ゴムその他の弾性体を適用し
てもよい。
【0111】さらに、上記各実施形態においては、ペダ
ル踏込量検出手段として、ペダルストロークセンサ22
を適用する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、マスタシリンダ1に伝達されるトルクを
検出するトルクセンサや、マスタシリンダ1から吐出さ
れるマスタシリンダ圧を検出するマスタ圧センサ23を
適用するようにしてもよい。
【0112】さらにまた、上記各実施形態においては、
前輪を駆動輪とした場合について説明したが、後輪を駆
動輪とする場合にも本発明を適用し得るものである。な
おさらに、上記各実施形態においては、ハイブリッド車
両に本発明を適用したが、電気自動車にも本発明を適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】第1の実施形態における圧力制御弁の減圧指令
値に対する出力圧特性を示す特性線図である。
【図3】第1の実施形態における電磁開閉弁のデューテ
ィ制御特性を示すタイムチャートである。
【図4】ストロークシミュレータの圧力に対する吸収作
動流体量の関係を示す特性線図である。
【図5】第1の実施形態に適用し得るコントロールユニ
ットのブレーキ制御処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図6】車速と回生制動力との関係を表す回生制動力算
出マップの一例を示す説明図である。
【図7】ペダルストロークとデューティ比との関係を表
すデューティ比算出マップの一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態に適用し得るコントロールユニ
ットの制動圧発生制御処理の一例を示すフローチャート
である。
【図9】ペダル踏力とペダルストロークとの関係を表す
特性線図である。
【図10】緩制動時の動作の説明に供するタイムチャー
トである。
【図11】急制動時の動作の説明に供するタイムチャー
トである。
【図12】本発明の第2の実施形態におけるコントロー
ルユニットのブレーキ制御処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 ブレーキペダル 3FL〜3RR 電磁方向切換弁 4FL,4FR 前輪 4RL,4RR 後輪 5FL〜5RR ホイールシリンダ 6 制動圧発生回路 8 電動モータ 9 油圧ポンプ 10 第1の電磁開閉弁 11 アキュムレータ 13FL〜13RR 圧力制御弁 15 第2の電磁開閉弁 16 ストロークシミュレータ 17 逆止弁 22 ストロークセンサ 23 マスタ圧センサ 24FL〜24RR 制動圧センサ 25 蓄圧センサ 26 車体速度センサ 30 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB00 BB08 BB15 CC02 HH02 HH16 LL05 LL23 LL30 LL37 LL41 LL43 LL46 3D048 BB06 BB23 BB45 BB57 BB59 CC54 HH15 HH16 HH18 HH26 HH38 HH42 HH50 HH53 HH56 HH66 HH68 RR06 RR17 RR25 RR35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込量に応じたマスタ
    シリンダ圧の作動流体を出力するマスタシリンダと、流
    体ポンプの吐出圧を第1の電磁開閉弁を介して蓄圧する
    アキュムレータと圧力制御弁とを有して任意制動圧の作
    動流体を出力する制動圧発生手段と、前記マスタシリン
    ダ及び制動圧発生手段から出力される作動流体を選択し
    て車輪に配設した制動手段に供給する制動圧選択手段
    と、前記マスタシリンダから出力された作動流体を吸収
    するストロークシミュレータと、該ストロークシミュレ
    ータ及び前記マスタシリンダ間に介挿された作動流体の
    流通を断続制御する第2の電磁開閉弁と、該第2の電磁
    開閉弁と並列に配設された前記ストロークシミュレータ
    から出力される作動流体のみを通過させる逆止弁と、前
    記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ踏込量検
    出手段と、前記アキュムレータの蓄圧を検出する蓄圧検
    出手段と、前記制動手段の制動圧を検出する制動圧検出
    手段と、前記ブレーキ踏込量検出手段で検出したブレー
    キペダル踏込量に基づいて、前記制動圧発生手段、制動
    圧選択手段及び第2の電磁開閉弁を制御する制動制御手
    段と、前記蓄圧検出手段で検出したアキュムレータ圧及
    び前記制動圧検出手段で検出した制動圧に基づいて前記
    制動圧発生手段におけるアキュムレータ圧の不足分を補
    うように前記第1の電磁開閉弁及び流体ポンプを制御す
    る制動圧発生制御手段とを備えたことを特徴とするブレ
    ーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動制御手段は、通常時は制動圧発
    生手段で発生された制動圧を前記制動手段に供給するよ
    うに前記制動圧選択手段を制御すると共に、前記第2の
    電磁開閉弁を開状態としてマスタシリンダで吐出される
    作動流体を前記ストロークシミュレータに供給するよう
    に制御し、且つ前記制動圧発生制御手段は、目標制動圧
    がアキュムレータの蓄圧未満であるときに前記第1の電
    磁開閉弁を開状態に制御するように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制動制御手段は、通常時は制動圧発
    生手段で発生された制動圧を前記制動手段に供給するよ
    うに前記制動圧選択手段を制御すると共に、前記第2の
    電磁開閉弁を開状態としてマスタシリンダで吐出される
    作動流体を前記ストロークシミュレータに供給するよう
    に制御し、且つ前記制動圧発生制御手段は、目標制動圧
    がアキュムレータの蓄圧以上であるときに前記流体ポン
    プを作動状態とするように構成されていることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制動制御手段は、通常時は制動圧発
    生手段で発生された制動圧を前記制動手段に供給するよ
    うに前記制動圧選択手段を制御すると共に、前記第2の
    電磁開閉弁を開状態としてマスタシリンダから吐出され
    る作動流体を前記ストロークシミュレータに供給するよ
    うに制御し、且つ前記制動圧発生制御手段は、目標制動
    圧が増圧状態及び保持状態の何れかである場合に、前記
    制動圧検出手段で検出した制動圧がアキュムレータの蓄
    圧から所定値を減算した比較圧以下であるときに前記第
    1の電磁開閉弁を開状態とし、制動圧が前記比較圧を越
    えたときに前記第1の電磁開閉弁を閉状態とするように
    構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制動制御手段は、通常時は制動圧発
    生手段で発生された制動圧を前記制動手段に供給するよ
    うに前記制動圧選択手段を制御すると共に、前記第2の
    電磁開閉弁を開状態としてマスタシリンダから吐出され
    る作動流体を前記ストロークシミュレータに供給するよ
    うに制御し、且つ前記制動圧発生制御手段は、目標制動
    圧が減圧状態である場合に、前記制動圧検出手段で検出
    した制動圧がアキュムレータの蓄圧から所定値を減算し
    た比較圧以上であるときに前記流体ポンプを作動状態と
    すると共に、前記第1の電磁開閉弁を閉状態とし、制動
    圧が前記比較圧未満となったときに前記流体ポンプを非
    作動状態とすると共に、前記第1の電磁開閉弁を開状態
    とするように構成されていることを特徴とする請求項
    1、2又は4に記載のブレーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記アキュムレータでの蓄圧は、約10
    MPa以下の低圧に設定されていることを特徴とする請
    求項1乃至5の何れかに記載のブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ブレーキ踏込量検出手段は、ブレー
    キペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマス
    タシリンダ圧の何れかを検出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のブレ
    ーキ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記制動制御手段は、システムの異常を
    検出するシステム異常検出手段を有し、該システム異常
    検出手段で異常を検出したときに前記制動圧選択手段を
    マスタシリンダ側に切換えると共に、前記第1の電磁開
    閉弁及び第2の電磁開閉弁を閉状態に制御するように構
    成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか
    に記載のブレーキ制御装置。
JP10221675A 1998-08-05 1998-08-05 ブレーキ制御装置 Pending JP2000052958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10221675A JP2000052958A (ja) 1998-08-05 1998-08-05 ブレーキ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10221675A JP2000052958A (ja) 1998-08-05 1998-08-05 ブレーキ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000052958A true JP2000052958A (ja) 2000-02-22

Family

ID=16770519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10221675A Pending JP2000052958A (ja) 1998-08-05 1998-08-05 ブレーキ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000052958A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002145031A (ja) * 2000-11-09 2002-05-22 Aisin Seiki Co Ltd 車両のブレーキ制御装置
JP2005343457A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Robert Bosch Gmbh ハイドロリック式のブレーキ装置及びハイドロリック式のブレーキ装置を制御する方法
JP2008207683A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Nissin Kogyo Co Ltd バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置
JP2010269772A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002145031A (ja) * 2000-11-09 2002-05-22 Aisin Seiki Co Ltd 車両のブレーキ制御装置
JP4543540B2 (ja) * 2000-11-09 2010-09-15 株式会社アドヴィックス 車両のブレーキ制御装置
JP2005343457A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Robert Bosch Gmbh ハイドロリック式のブレーキ装置及びハイドロリック式のブレーキ装置を制御する方法
JP2008207683A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Nissin Kogyo Co Ltd バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置
JP2010269772A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7613557B2 (en) Vehicle control system
US8210620B2 (en) Braking force control system for vehicles
JP4350947B2 (ja) 自動車用電気油圧式ブレーキ装置
JPH04334649A (ja) ブレーキ圧制御装置
JP3692933B2 (ja) 車輌の制動制御装置
JP3287259B2 (ja) 制動力制御装置
JP2001513046A (ja) 液圧式車両ブレーキシステム
JPH11341604A (ja) ブレーキ制御装置
JP3528415B2 (ja) 制動圧力制御装置
JPH10152041A (ja) ブレーキ装置
JP3918335B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2000052958A (ja) ブレーキ制御装置
JP3687325B2 (ja) 車両挙動制御装置における予圧制御装置
JP2000185634A (ja) ブレーキ制御装置
JP2008162562A (ja) ブレーキ制御装置
JP3797026B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP4432237B2 (ja) 車両用制動制御装置
JP2000255404A (ja) ブレーキ制御装置
JP4677977B2 (ja) 制動速度に応じて制動力前後輪間配分比が制御される車輌用制動装置
JP2000289591A (ja) ブレーキ制御装置
JP2000255402A (ja) ブレーキ制御装置
JP4280586B2 (ja) 車両のアンチロックブレーキ制御装置
JP2000289594A (ja) ブレーキ制御装置
JP2010111230A (ja) 車両制御装置とブレーキ電子制御装置と電動パワーステアリング装置
JP2005153781A (ja) ブレーキ制御装置の自己診断装置