JP2000255402A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JP2000255402A
JP2000255402A JP11061847A JP6184799A JP2000255402A JP 2000255402 A JP2000255402 A JP 2000255402A JP 11061847 A JP11061847 A JP 11061847A JP 6184799 A JP6184799 A JP 6184799A JP 2000255402 A JP2000255402 A JP 2000255402A
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JP
Japan
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pressure
braking
valve
brake
master cylinder
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JP11061847A
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English (en)
Inventor
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動用圧発生手段で発生する圧力を圧力制御
弁で制御して制動圧制御する際に、ストロークシミュレ
ータ及び制動用圧発生手段を小型軽量化する。 【解決手段】 マスタシリンダ1と前輪側のホイールシ
リンダ5FL,5FR とを第1の電磁開閉弁3FL,3FR を介して
連結し、マスタシリンダ1と制動用圧発生機構6及びス
トロークシミュレータ13とを第2及び第4の電磁開閉弁
10及び14で個別に連結し、制動用圧発生機構6とリザー
バ1aとを第3の電磁開閉弁12を介して連結し、制動用
圧発生機構6で発生される制動用圧を圧力制御弁11FL,1
1FR で圧力制御してホイールシリンダ5FL,5FR に供給す
る。圧力制御弁の出力圧が正常であるときに、ブレーキ
ペダルを踏込んだ制動時にマスタシリンダ1から出力さ
れる作動流体を第2の電磁開閉弁10を介して制動用圧発
生機構6に供給して、流体応答特性を向上させ、且つス
トロークシュミレータ13での吸収量を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ブレーキペダル
の踏込時の制動力をマスタシリンダ圧とは異なる制動圧
発生手段の制動用圧を制御することにより発生させるよ
うにしたブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキ制御装置としては、例え
ば特開平9−86362号公報に記載されているものが
ある。この従来例には、ブレーキペダルの操作によって
液圧を発生するマスタシリンダと、このマスタシリンダ
より高い液圧を発生する液圧ポンプ及びその出側に配設
されたアキュムレータで構成される外部液圧供給源と、
この外部液圧供給源とホイールシリンダとの間に設けら
れ、前記外部液圧供給源からホイールシリンダに作用す
る駆動圧を前記マスタシリンダの液圧に応じて制御する
液圧制御弁とを備え、液圧制御弁とホイールシリンダと
の間に、液圧制御弁からの液圧を増幅して送り出す液圧
増幅装置が設けられ、マスタシリンダの液圧と液圧増幅
装置の液圧とを液圧増幅装置の出力圧がパイロット圧と
して供給される切り換え弁で制動時に液圧増幅装置の出
力圧が設定圧以上である正常時には切り換え弁が液圧増
幅装置側に切り換えられると共に、マスタシリンダの液
圧がストロークシミュレータに供給され、制動時に液圧
増幅装置の出力圧が上昇しない場合、フェイルセーフ作
動状態となって、切り換え弁がマスタシリンダ側に切り
換えられると共に、ストロークシミュレータへのマスタ
シリンダ圧の供給が遮断されるように構成されたブレー
キ液圧制御装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブレーキ制御装置にあっては、液圧制御弁や液圧増
幅装置が正常であって、これらを使用してマスタシリン
ダ圧に応じた制動圧を形成している状態では、マスタシ
リンダから出力される作動流体の全量がストロークシミ
ュレータに供給されて吸収されるように構成されている
ので、大きな容量のストロークシミュレータを必要とし
て小型化することができないと共に、外部液圧供給源に
制動圧の応答性を確保するためにアキュムレータを必要
とし、この分外部液圧供給源が大型化し、コストが嵩む
という未解決の課題がある。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、ストロークシミュ
レータを小型化することができると共に、制動用圧を発
生する発生源で応答性を確保するためのアキュムレータ
を省略することができるブレーキ制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るブレーキ制御装置は、ブレーキペダ
ルの踏込量に応じた制動圧の作動流体を出力するマスタ
シリンダと、車輪を制動する制動力を発生する制動手段
と、前記マスタシリンダから出力された作動流体を吸収
するストロークシミュレータと、前記ブレーキペダルの
踏込量を検出するブレーキ踏込量検出手段と、該ブレー
キ踏込み量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に
基づいて所定制動圧を発生する制動圧発生手段と、該制
動圧発生手段の制動圧とマスタシリンダの制動圧とを選
択する選択手段とを備えたブレーキ制御装置において、
前記制動圧発生手段は前記マスタシリンダから出力され
た作動流体を利用して制動圧を発生するように構成され
ていることを特徴としている。
【0006】この請求項1に係る発明においては、ブレ
ーキペダルを踏込んで制動状態としたときに、マスタシ
リンダから出力されるブレーキペダルの踏込量に応じた
圧力となる作動流体の一部が制動圧発生手段に供給さ
れ、この制動圧発生手段で供給される作動流体に基づい
てマスタシリンダ圧に応じた制動圧を発生し、この制動
圧を選択手段を介して制動手段に供給して、制動力を発
生し、マスタシリンダから出力される残りの作動流体が
ストロークシミュレータによって吸収される。
【0007】また、請求項2に係るブレーキ制御装置
は、ブレーキペダルの踏込量に応じた制動圧の作動流体
を出力するマスタシリンダと、車輪を制動する制動力を
発生する制動手段と、前記マスタシリンダから出力され
た作動流体を吸収するストロークシミュレータと、所定
制動圧を発生する制動用圧発生手段と、該制動用圧発生
手段で発生する制動用圧を減圧制御して任意の制動圧を
前記制動手段に出力する圧力制御弁と、前記マスタシリ
ンダと制動手段との間に介挿された第1の電磁開閉弁
と、前記マスタシリンダと前記制動用圧発生手段との間
に介挿された第2の電磁開閉弁と、前記圧力制御弁の戻
りポートとマスタシリンダのリザーバとの間に介挿され
た第3の電磁開閉弁と、前記マスタシリンダ及びストロ
ークシミュレータ間に介挿された第4の電磁開閉弁と、
前記第3の電磁開閉弁と前記制動用圧発生手段との間に
介挿された当該第3の電磁開閉弁側からの作動流体流れ
のみを許容する逆止弁と、前記ブレーキペダルの踏込量
を検出するブレーキ踏込量検出手段と、該ブレーキ踏込
量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に基づく制
動圧指令値及び他の制御手段からの制動圧指令値に応じ
て前記圧力制御弁、第1の電磁開閉弁、第2の電磁開閉
弁、第3の電磁開閉弁、第4の電磁開閉弁及び制動用圧
発生手段を制御する制動制御手段とを備えたことを特徴
としている。
【0008】この請求項2に係る発明においては、ブレ
ーキペダルを踏込んで制動状態としたときに、マスタシ
リンダから出力される作動流体の一部が第2の電磁開閉
弁を通じて制動用圧発生手段に供給され、この制動用圧
発生手段で発生される制動用圧が圧力制御弁に供給さ
れ、この圧力制御弁でマスタシリンダ圧に応じた制動圧
が制動手段に出力されて、マスタシリンダ圧に応じた制
動力を発生し、マスタシリンダから出力される残りの作
動流体を第4の電磁開閉弁を通じてストロークシミュレ
ータで吸収する。また、ブレーキペダルを踏込んでいな
い非制動時に他の制御手段から制動圧指令値が入力され
たときには、第3の電磁開閉弁を介してリザーバの作動
流体を制動用圧発生手段に供給して所定の制動用圧を発
生し、これを圧力制御弁に供給することにより、制動圧
指令値に応じた制動圧を発生させ、これを制動手段に供
給することにより、制動力を発生させる。
【0009】さらに、請求項3に係るブレーキ制御装置
は、請求項1又は2に係る発明において、前記ブレーキ
踏込量検出手段は、ブレーキペダルのストローク、ブレ
ーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の何れかを検出
するように構成されていることを特徴としている。この
請求項3に係る発明においては、ブレーキペダルのスト
ローク、ブレーキペダルの踏力及びマスタシリンダ圧の
何れかを検出することにより、ブレーキぺペダルの踏込
による運転者の要求減速度を確実に検出することができ
る。
【0010】さらにまた、請求項4に係るブレーキ制御
装置は、請求項2に係る発明において、前記圧力制御弁
の出力圧異常を検出する異常検出手段を備え、前記制動
制御手段は、前記異常検出手段で出力圧異常を検出して
いない正常状態で、且つブレーキペダルが踏込まれた制
動状態であるときに、前記第1の電磁開閉弁を閉状態、
前記第3の電磁開閉弁及び第4の電磁開閉弁を共に開状
態に夫々制御すると共に、前記制動手段の増圧時には前
記第2の電磁開閉弁を開状態とし且つ前記制動用圧発生
手段を作動状態とし、前記制動手段の保持及び減圧時に
は前記第2の電磁開閉弁を閉状態に制御するように構成
されていることを特徴としている。
【0011】この請求項4に係る発明においては、異常
検出手段で圧力制御弁の出力圧が正常であって、ブレー
キペダルが踏込まれた制動状態では、第1の電磁開閉弁
が閉状態であることにより、マスタシリンダから出力さ
れる作動流体の制動手段への供給が遮断され、これに代
えて第2の電磁開閉弁が開状態であることにより、マス
タシリンダから出力される作動流体が制動用圧発生手段
に供給され、この制動用圧発生手段で所定圧の制動圧が
発生される。このとき、制動用圧発生手段に供給される
作動流体がマスタシリンダから出力される作動流体であ
って、圧力が高いので、この制動用圧発生手段でアキュ
ムレータを設けることなく、高応答性を確保することが
できる。これと同時に第4の電磁開閉弁が開状態である
ので、マスタシリンダから出力される残りの作動流体が
第4の電磁開閉弁を介してストロークシミュレータに吸
収される。
【0012】なおさらに、請求項5に係るブレーキ制御
装置は、請求項2乃至4の何れかに係る発明において、
前記圧力制御弁の出力圧異常を検出する異常検出手段を
備え、前記制動制御手段は、前記異常検出手段で出力圧
異常を検出したときに、前記第1の電磁開閉弁を開状
態、第2の電磁開閉弁乃至第4の電磁開閉弁を共に閉状
態に夫々制御すると共に、制動用圧発生手段を非作動状
態とするように構成されていることを特徴としている。
【0013】この請求項5に係る発明においては、異常
検出手段で圧力弁の出力圧異常を検出した異常状態で
は、第1の電磁開閉弁を開状態とすることにより、マス
タシリンダの制動圧を直接制動手段に供給すると共に、
第2乃至第4の電磁開閉弁を閉状態とすることにより、
マスタシリンダから出力される作動流体が制動用圧発生
手段に供給されることを遮断し、且つ圧力制御弁の戻り
ポートからリザーバに作動流体が漏れることを防止す
る。
【0014】また、請求項6に係るブレーキ制御装置
は、請求項2乃至5の何れかに係る発明において、前記
制動制御手段は、ブレーキペダルの踏込みによる制動開
始時に前記第2の電磁開閉弁を任意に設定される所定時
間だけ開状態に制御するように構成されていることを特
徴としている。この請求項6に係る発明においては、ブ
レーキペダルの踏込みによる制動時に、マスタシリンダ
から出力される作動流体の制動用圧発生手段への供給量
が第2の電磁開閉弁の開状態の時間によって変更される
ことになり、ブレーキペダルの踏込み感覚を任意に調整
することができる。
【0015】さらに、請求項7に係るブレーキ制御装置
は、請求項2乃至6の何れかに係る発明において、前記
制動用圧発生手段は、作動流体を加圧する油圧ポンプと
その吐出側に配設された吐出圧の最大値を規制するリリ
ーフ弁とで構成されていることを特徴としている。この
請求項7に係る発明においては、制動用圧発生手段が油
圧ポンプとリリーフ弁とで構成され、アキュムレータを
有さないことにより、小型軽量化することができる。
【0016】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に係る発明によれ
ば、ブレーキペダルを踏込んで制動状態としたときに、
マスタシリンダから出力されるブレーキペダルの踏込量
に応じた圧力を有する作動流体が制動用圧発生手段に供
給されるので、制動用圧発生手段が作動状態となった直
後の応答特性を改善することができ、アキュムレータの
使用を省略することが可能となって、制動用圧発生手段
を小型軽量化することができると共に、ストロークシミ
ュレータで吸収するマスタシリンダから出力される作動
流体量も少なくなるので、少ない容量のストロークシミ
ュレータを適用することが可能となり、ストロークシミ
ュレータを小型軽量化することができるという効果が得
られる。
【0017】また、請求項3に係る発明によれば、ブレ
ーキペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマ
スタシリンダ圧の何れかを検出することにより、ブレー
キぺペダルの踏込による運転者の要求減速度を確実に検
出することができるという効果が得られる。さらに、請
求項4に係る発明によれば、異常検出手段で圧力弁の出
力圧異常を検出していない正常状態では、ブレーキペダ
ルを踏込んだ制動時に、第1の電磁開閉弁によってマス
タシリンダ圧の制動手段への供給が遮断され、且つ第2
の電磁開閉弁により、マスタシリンダから出力されるブ
レーキ踏込量に応じた圧力の作動流体が制動用圧発生手
段に供給されると共に、残りの作動流体が第4の電磁開
閉弁を介してストロークシミュレータに吸収されること
になり、制動用圧発生手段及びストロークシミュレータ
の小型軽量化を図ることができるという効果が得られ
る。
【0018】さらにまた、請求項5に係る発明によれ
ば、異常検出手段で圧力弁の出力圧異常を検出した異常
状態では、第1の電磁開閉弁により、マスタシリンダの
制動圧を直接制動手段に供給すると共に、第2の電磁開
閉弁及び第4の電磁開閉弁により、マスタシリンダから
出力される作動流体の制動用圧発生手段及びストローク
シミュレータへの供給が遮断され、且つ第3の電磁開閉
弁により圧力制御弁の戻りポート及びリザーバ間が遮断
されることにより、圧力制御弁から漏れる作動流体を確
実に防止して、制動手段での制動力の発生を確保するこ
とができるという効果が得られる。
【0019】なおさらに、請求項6に係る発明によれ
ば、ブレーキペダルの踏込みによる制動時に、マスタシ
リンダから出力される作動流体の制動用圧発生手段への
供給量が第2の電磁開閉弁の開状態の時間によって変更
されることになり、ブレーキペダルの踏込み感覚を任意
に調整することができるという効果が得られる。また、
請求項7に係る発明によれば、制動用圧発生手段が油圧
ポンプとリリーフ弁とで構成され、アキュムレータを有
さないことにより、小型軽量化することができるという
効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明を前輪駆動車にお
ける前輪側のブレーキ制御装置に適用した場合の一実施
形態を示す概略構成図であり、図中、1はブレーキペダ
ル2の踏込量に応じて駆動輪としての例えば前輪側及び
従動輪としての後輪側に対する2系統の前輪側マスタ圧
PMfの作動流体及び後輪側マスタ圧PMrの作動流体
を発生する共通の加圧室を有し、両マスタ圧PMf及び
PMrを夫々前輪側出力ポートp1及び後輪側出力ポー
トp2から出力するマスタシリンダである。
【0021】このマスタシリンダ1から出力される前輪
側マスタ圧PMfの作動流体は2ポート2位置の第1の
電磁開閉弁3FL及び3FRの一方のポートp1に夫々
供給され、後輪側マスタ圧PMrの作動流体は図示しな
いが同様の2ポート2位置の左右一対の電磁切換弁の一
方のポートに夫々供給される。そして、各電磁開閉弁3
FL及び3FRの他方のポートp2は、左右の前輪4F
L及び4FRに制動力を作用させる制動手段としてのホ
イールシリンダ5FL及び5FRに連通されている。
【0022】また、電磁開閉弁3FL及び3FRの夫々
は、ソレノイドs1に供給される後述するコントロール
ユニット30からの制御信号SD がオフ状態であるとき
にノーマル位置となってポートp1及びポートp2間が
連通され、ソレノイドs1に供給される制御信号SD
オン状態であるオフセット位置に切換ってポートp1及
びp2間が遮断される。
【0023】一方、マスタシリンダ1とは別に制動用圧
を発生する制動用圧発生手段としての制動用圧発生機構
6が設けられている。この制動用圧発生機構6は、電動
モータ7によって回転駆動される流体圧ポンプとしての
油圧ポンプ8と、この油圧ポンプ8の吐出側に接続され
たその最大吐出圧を規制するリリーフ弁9とで構成さ
れ、油圧ポンプ8の吸い込み側が第2の電磁開閉弁10
を介してマスタシリンダ1の前輪側ポートp1に接続さ
れると共に、逆止弁11及び第3の電磁開閉弁12を介
してマスタシリンダ1のリザーバ1aに接続されてい
る。
【0024】ここで、油圧ポンプ8は、電動モータ7が
後述するコントロールユニット30によって回転駆動さ
れることにより駆動されて、吸い込み側に供給される作
動流体を昇圧して高圧の制動用圧を発生する。また、第
2及び第3の電磁開閉弁10及び12は、共に2ポート
2位置に構成され、ソレノイドs1に供給される後述す
るコントロールユニット30からの制御信号SE 及びS
F がオフ状態であるときにノーマル位置となってポート
p1及びポートp2間が遮断され、ソレノイドs1に供
給される制御信号SE 及びSFがオン状態であるときに
オフセット位置に切換ってポートp1及びp2間が連通
される。
【0025】さらに、逆止弁11は、リザーバ1aから
油圧ポンプ8への作動流体の流れを許容し、これとは逆
方向の作動流体の流れを阻止し、この逆止弁11と第3
の電磁開閉弁12との間に前述したリリーフ弁9の戻り
ポートが接続されている。さらに、圧力制御弁11FL
及び11FRの夫々は、弾性体で一方向に付勢されたス
プールをソレノイドの電磁力で摺動させることにより、
入力ポートps及び戻りポートpdと制御ポートpcと
の間の開度を制御するこにより、図2に示すように、ソ
レノイドに供給される制御信号CSF 及びCSR の電流
値に比例した制動圧PcF 及びPcR を制御ポートpc
から出力するように構成されている。
【0026】また、圧力制御弁11FL及び11FRの
制御ポートpcから出力される制動圧PcF 及びPcR
が直接ホイールシリンダ5FL及び5FRと第1の電磁
開閉弁3FL及び3FRとの間に接続され、戻りポート
pdが前述した第3の電磁開閉弁12の一方のポートp
1に接続されている。ここで、第1〜第3の電磁開閉弁
3FL,3FR、10及び12で圧力制御弁11FL,
11FRから出力される制動圧PcF,PcR とマスタシ
リンダ1から出力されるマスタシリンダ圧PMfとを選
択する選択手段が構成されている。
【0027】一方、マスタシリンダ1の前輪側出力ポー
トp1と第1の電磁開閉弁3FL及び3FRとの間にス
トロークシミュレータ13が第4の電磁開閉弁14を介
して接続されている。このストロークシミュレータ13
は、圧力制御弁11FL及び11FRによって制動圧が
制御されているときに、消費油量をシミュレートし、マ
スタシリンダ1から吐出される油量を吸収して消費する
ことにより、ブレーキペダルの踏込感覚を確保するよう
に構成されている。
【0028】このストロークシミュレータ13の具体的
構成は、図1に示すように、両端を閉塞した円筒状のハ
ウジング17と、このハウジング17内に摺動自在に配
設されてこのハウジング内を上室17a及び下室17b
の2室に画成するピストン18と、下室17b内に配設
されてピストン18を上方に付勢する弾性体としてのコ
イルスプリング19と、ピストン18の外周面にハウジ
ング17の内周面と密接して配設されたシール部材20
とで構成され、上室17aが第4の電磁開閉弁の一方の
ポートに接続されている。
【0029】また、第4の電磁開閉弁は、前述した第2
及び第3の電磁開閉弁10及び12と同様に2ポート2
位置に構成され、一方のポートp1がマスタシリンダの
一方のポートp1に接続され、他方のポートp2がスト
ロークシミュレータ13の上室17aに接続され、ソレ
ノイドs1に供給される後述するコントロールユニット
30からの制御信号SG がオフ状態であるときにノーマ
ル位置となってポートp1及びポートp2間が遮断さ
れ、ソレノイドs1に供給される制御信号SG がオン状
態であるときにオフセット位置に切換ってポートp1及
びp2間が連通される。
【0030】また、ブレーキペダル2には、そのストロ
ークを検出するペダル踏込量検出手段としてのストロー
クセンサ22が配設され、またマスタシリンダ1の前輪
側ポートp1に接続された油圧配管には、マスタシリン
ダ1から吐出される作動流体の前輪側マスタシリンダ圧
PMfを検出するマスタ圧検出手段としてのマスタ圧セ
ンサ23が配設されていると共に、圧力制御弁11FL
及び11FRの制御ポートpc側に制動圧Pcを検出す
る制動圧検出手段としての制動圧センサ25FL及び2
5FRが配設されている。
【0031】そして、第1の電磁開閉弁3FL及び3F
R、電動モータ7、第2の電磁開閉弁10、圧力制御弁
11FL及び11FR、第3の電磁開閉弁12及び第4
の電磁開閉弁14が例えばマイクロコンピュータを含ん
で構成される制動制御手段としてのコントロールユニッ
ト30によって制御される。このコントロールユニット
30には、ストロークセンサ22で検出したペダルスト
ロークPS、マスタ圧センサ23で検出される前輪側マ
スタ圧PMfの検出信号DPM 、及び制動圧センサ25
FL,25FRで検出した制動圧PcL ,PcR が入力
され、これらに基づいて所定の演算処理を行って、第1
の電磁開閉弁3FL及び3FR、電動モータ7、第2の
電磁開閉弁10、圧力制御弁11FL及び11FR、第
3の電磁開閉弁12及び第4の電磁開閉弁14を制御す
る。
【0032】すなわち、圧力制御弁11FL及び11F
Rから出力される制動圧PcF 及びPcR が正常である
状態では、ブレーキペダル2を踏込んだ制動時に、第1
の電磁開閉弁3FL及び3FRを閉状態に制御すると共
に、電動モータ7を回転駆動し、さらに第2の電磁開閉
弁10、第3の電磁開閉弁12及び第4の電磁開閉弁1
4を開状態に制御し、且つマスタ圧センサ23で検出し
た前輪側マスタ圧PMfに基づいて要求減速度を求め、
この要求減速度に応じた減速度となる制動圧指令値Pc
* を算出する一方、他のアンチロックブレーキ制御装置
31、トラクション制御装置32、横滑り抑制制御装置
33からの制動圧指令値があるときには、これらの制動
圧指令値により補正した制動圧指令値Pc* を算出し、
この制動圧指令値Pc* に制御圧PcF,PcR が一致す
るように圧力制御弁11FL及び11FRを制御し、圧
力制御弁11FL又は11FRから出力される制動圧P
F 又はPcR に異常が発生したときには、第1の電磁
開閉弁3FL及び3FRを開状態に制御すると共に、電
動モータ7を停止させ、さらに第2の電磁開閉弁10、
第3の電磁開閉弁12及び第4の電磁開閉弁14を閉状
態に制御する。
【0033】次に、上記実施形態の動作をコントロール
ユニット30で実行する図3に示す制動制御処理を伴っ
て説明する。すなわち、コントロールユニット30で
は、常時図3に示す制動制御処理を実行し、先ず、ステ
ップS1で、後述する制動圧の状態を示す制御フラグF
Aが異常状態を示す“1”にセットされているか否かを
判定し、これが“0”にリセットされているときには正
常状態であると判断してステップS2に移行する。
【0034】このステップS2では、記憶装置の所定記
憶領域に記憶されている前回の制動圧指令値Pc* を読
出し、次いでステップS3に移行して、制動圧センサ2
5FL及び25FRで検出した圧力制御弁11FL及び
11FRから出力される現在の制動圧PcF 及びPcR
を読込み、次いでステップS4に移行して、制動圧Pc
F 及びPcR が正常であるか否かを判定する。
【0035】この判定は、制動圧PcF 及びPcR と目
標制動圧Pc* との偏差の絶対値が予め設定した設定値
Ps以上であるか否かによって行い、|PcF −Pc*
|<Ps及び|PcR −Pc* |<Psであるときには
制動圧PcF 及びPcR が正常であると判断してステッ
プS5に移行し、制御フラグFAを制動圧が正常状態を
表す“0”にリセットしてからステップS6に移行す
る。
【0036】このステップS6では、マスタ圧センサ2
3で検出したマスタシリンダ圧PMfを読込み、次いで
ステップS7に移行して、読込んだマスタシリンダ圧P
Mfが予め設定した比較的小さい所定閾値PMs(例え
ば1MPa程度の小さい値)を越えているか否かを判定
し、PMf≦PMsであるときには、ブレーキペダル2
を踏込んでいない非制動時であるか又はほんの僅かに踏
込んだ極緩制動時であり、圧力制御弁11FL及び11
FRを使用した制動制御の必要性がないものと判断して
ステップS8に移行する。
【0037】このステップS8では、他のアンチロック
ブレーキ制御装置31、トラクション制御装置32及び
横滑り抑制制御装置33の何れかからの制動圧指令値が
入力されているか否かを判定し、これらが入力されてい
ないときには、ステップS9に移行して、第1の電磁開
閉弁3FL及び3FRを共に開状態に制御する論理値
“0”の制御信号SD を出力すると共に、第2の電磁開
閉弁10、第3の電磁開閉弁12及び第4の電磁開閉弁
14を共に閉状態に制御する論理値“0”の制御信号S
E 、SF 及びSG を出力し、さらに電動モータ7を回転
駆動すると共に、圧力制御弁11FL及び11FRに対
する制動圧指令値Pc* をマスタシリンダ圧PMfに対
応させてから後述するステップS14に移行する。
【0038】一方、ステップS7の判定結果が、PMr
>PMsであるとき又はステップS8の判定結果が他の
アンチロックブレーキ制御装置31、トラクション制御
装置32及び横滑り抑制制御装置33の何れかからの制
動圧指令値が入力されているときには、圧力制御弁11
FL及び11FRを使用した制動制御を必要とするもの
と判断して、ステップS10に移行して、第1の電磁開
閉弁3FL及び3FRを閉状態とする論理値“1”の制
御信号SD を出力すると共に、残りの第2の電磁開閉弁
10、第3の電磁開閉弁12及び第4の電磁開閉弁14
を開状態とする論理値“1”の制御信号SE 、SF 及び
G を出力してからステップS11に移行する。
【0039】このステップS11では、前記ステップS
6で読込んだマスタシリンダ圧PMfに基づいて運転者
の要求する減速度に応じた要求制動力DBを算出し、こ
の要求制動力DBを発生することができる制動圧指令値
Pc* を算出し、これを記憶装置の所定記憶領域に更新
記憶してからステップS12に移行する。このステップ
S12では、前述したアンチロックブレーキ制御装置3
1、トラクション制御装置32及び横滑り抑制制御装置
33から制動圧指令値が入力されているか否かを判定
し、これらから制動圧指令値が入力されていないときに
は直接ステップS14に移行して記憶装置に記憶されて
いる制動圧指令値Pc* に対応する電流値の制御信号C
F 及びCSR を圧力制御弁11FL及び11FRに出
力してから前記ステップS1に戻り、他の制御装置から
制動圧指令値が入力されているときにはステップS13
に移行して、アンチロックブレーキ制御装置31からの
制動圧指令値である場合には、この制動圧指令値をステ
ップS11で算出した制動圧指令値Pc* に優先させて
置換し、残りのトラクション制御装置32及び横滑り抑
制制御装置33の制動圧指令値であるときにはこれらの
制動圧指令値をステップS11で算出した制動圧指令値
Pc* に加算した値を新たな制動圧指令値Pc* として
記憶装置の所定記憶領域に更新記憶してから前記ステッ
プS14に移行する。
【0040】一方、前記ステップS4の判定結果が|P
F −Pc* |≧Ps又は|PcR−Pc* |≧Psで
あって制動圧PcF 又はPcR が異常であるものである
ときには、ステップS15に移行して、制御フラグFA
を“1”にセットし、次いで、ステップS16に移行し
て、第1の電磁開閉弁3FL及び3FRに対してこれら
を開状態とする論理値“0”の制御信号SD を出力する
と共に、残りの第2の電磁開閉弁10、第3の電磁開閉
弁12及び第4の電磁開閉弁14に対して閉状態とする
論理値“0”の制御信号SE 、SF 及びSG を出力し、
さらに電動モータ7を停止させると共に、圧力制御弁1
1FL及び11FRに対する制動圧指令値Pc*
“0”に設定し、これを記憶装置の所定記憶領域に更新
記憶してから前記ステップS14に移行し、制動圧指令
値Pc* に対応する電流値でなる制御信号CSF 及びC
R を出力してから前記ステップS1に戻る。
【0041】したがって、今、圧力制御弁11FL及び
11FRから出力される制動圧Pc F 及びPcR が図3
の制動制御処理における前回の処理時に算出された制動
圧指令値Pc* とほぼ一致する正常状態にある状態で走
行している場合には、図3の制動制御処理において、ス
テップS4からステップS5に移行して、制御フラグF
Aを“0”にリセットしてからステップS6に移行して
マスタ圧センサ23で検出したマスタシリンダ圧PMf
を読込む。
【0042】このとき、ブレーキペダル2が解放された
非制動状態で且つ他の制御装置31〜33から制動圧指
令値が入力されていない状態では、マスタシリンダ圧P
Mfが略“0”であるので、ステップS7からステップ
S8を経てステップS9に移行して、第1の電磁開閉弁
3FL及び3FRが開状態に、第2の電磁開閉弁10、
第3の電磁開閉弁12及び第4の電磁開閉弁14が閉状
態に夫々制御されると共に、電動モータ7が停止され、
さらに圧力制御弁11FL及び11FRに対する制動圧
指令値Pc* がマスタシリンダ圧PMfに対応する値に
設定される。
【0043】このため、マスタシリンダ圧PMfが直接
各車輪4FL及び4FRに対するホイールシリンダ5F
L及び5FRに供給され、このとき、電動モータ7が停
止していて油圧ポンプ8も停止して制動用圧が略“0”
となっていると共に、圧力制御弁11FL及び11FR
に対する制動圧指令値Pc* も略“0”となり、圧力制
御弁11FL及び11FRの出力圧即ち制動圧PcF
びPcR も略“0”に制御されることにより、各ホイー
ルシリンダ5FL及び5FRに供給される制動圧も
“0”となっており、非制動状態を維持する。
【0044】この状態から、アクセルペダルを解放し、
これに代えてブレーキペダル2を踏込んで制動状態とす
ると、これに応じてマスタシリンダ1の前輪側マスタ圧
PMfが増加するが、前輪側マスタ圧PMfが設定圧P
Msに達するまでの間は、ステップS9に移行して、第
1の電磁開閉弁3FL及び3FRがノーマル位置に保持
される。一方、圧力制御弁11FL及び11FRはこれ
らから出力される制動圧PcF 及びPcR が前輪側マス
タ圧PMfの増加と一致するように制御されるが、電動
モータ7が停止していて油圧ポンプ8が駆動されていな
いので、供給ポートpsの入力圧が略“0”を維持する
ことから制動圧PcF 及びPcR も略“0”の状態を維
持する。
【0045】この状態で、前輪側マスタ圧PMrが設定
圧PMsに達すると、ステップS7からステップS10
に移行して、第1の電磁開閉弁3FL及び3FRが共に
オフセット位置に切換えられて閉状態に切換えられると
共に、第2の電磁開閉弁10、第3の電磁開閉弁12及
び第4の電磁開閉弁14もオフセット位置に切換えられ
て、開状態に切換えられる。
【0046】この結果、マスタシリンダ1から出力され
る前輪側マスタ圧PMfのホイールシリンダ5FL及び
5FRへの供給が遮断されると共に、前輪側マスタ圧P
Mfの一部が第2の電磁開閉弁10を介して油圧ポンプ
8の吸い込み側に供給されると共に、電動モータ7が回
転駆動されることにより、油圧ポンプ8の吐出圧力は急
峻に立ち上がり、圧力制御弁11FL及び11FRは前
回まで前輪側マスタ圧PMfと等しく制御されているの
で、これらから出力される制動圧PcF 及びPcR が前
輪側マスタ圧PMfと略等しい値まで直ちに達すること
になり、前輪側マスタシリンダ圧PMfに代えて制動圧
PcF 及びPcR をホイールシリンダ5FL及び5FR
に供給する際に、制動圧変動を生じることを防止するこ
とができる。
【0047】その後、前輪側マスタ圧PMfの増加に応
じて油圧ポンプ8の吸い込み側圧力も高くなるので、そ
の吐出側の制動用圧力は、極短時間の間に圧力制御弁1
1FL及び11FRで必要とする最大制動用圧より高い
状態に昇圧され、リリーフ弁9によって最大制動用圧に
規制されることになり、高い応答特性を確保するとこが
できる。
【0048】この間、圧力制御弁11FL及び11FR
に対する制動圧指令値Pc* も増加することから、これ
らから出力される制動圧PcF 及びPcR も増加して、
運転者の要求する源速度に応じた制動力を発生する。こ
のとき、マスタシリンダ1から出力される作動流体量
は、図4の特性曲線L1で示すように制動初期はブレー
キペダル2の踏込量に応じたマスタシリンダ圧PMfの
少ない増加量でも急峻に増加するが、その後マスタシリ
ンダ圧PMfの増加に応じて緩やかに増加するようにな
る。このマスタシリンダ1から出力される作動流体量
は、油圧ポンプ8が回転駆動されて吸い込まれているの
で、制動初期には、図4で特性線L2で示すように、第
4の電磁開閉弁14が開状態でマスタシリンダ1のポー
トp1にストロークシミュレータ13が接続されている
にもかかわらず、ストロークシミュレータ13での吸収
量が略零であり、マスタシリンダ1から出力される作動
流体の略全量が油圧ポンプ8に吸われてホイールシリン
ダ5FL及び5FRに送られる。その後、マスタシリン
ダ圧PMfの増加に応じてストロークシミュレータ13
に吸収される作動流体量が比較的緩やかな勾配で直線的
に増加する。
【0049】したがって、上記実施形態では、ブレーキ
ペダル2の踏込みによる制動時に、マスタシリンダ1か
ら出力される作動流体量の多くが油圧ポンプ8に吸い込
まれてホイールシリンダ5FL及び5FR側に供給され
ることにより、ストロークシミュレータ13の容量は、
従来例のように図4で特性曲線L1で表されるマスタシ
リンダ1から出力される作動流体量の全量をストローク
シミュレータで吸収する場合に比較して特性線L2で表
される少量分のみを吸収すればよいので、従来例の例え
ば約1/4程度の容量に減少させることができ、この分
小型軽量化することができる。
【0050】一方、制動用圧発生機構6としては、油圧
ポンプ8の吸い込み側にマスタシリンダ1から出力され
るブレーキペダル2の踏込量に応じた圧力の作動流体が
供給されるため、電動モータ7を回転駆動して油圧ポン
プ8を始動させたときの油圧ポンプ8の吐出圧の増加
は、図5に示すように、リザーバ1aの作動流体を油圧
ポンプ8で吸い込んで昇圧する場合の特性線L11で表
される比較的緩やかな勾配の圧力上昇に比較して、特性
線L12に示すように、昇圧開始時点を早めることがで
きると共に、圧力上昇勾配も倍程度に大きくすることが
でき、アキュムレータを使用した場合の特性線L13で
表される応答特性には及ばないものの、実用上、必要な
応答特性は確保することができ、アキュムレータを省略
することができ、この分小型軽量化することができる。
【0051】この制動状態で旋回状態に移行することに
より、車両の横滑り量が目標横滑り量より大きい場合
に、この横滑り量を目標横滑り量に一致させるように、
所定輪に対して制動力を増加させる制動圧指令値が横滑
り抑制制御装置33からコントロールユニット30に入
力されると、これに応じてステップS13で該当輪にお
けるマスタシリンダ圧PMfに基づく制動圧指令値Pc
* に横滑り抑制用制動圧指令値が加算され、その加算値
が制動圧指令値としてホイールシリンダ5FL又は5F
Rに供給されることにより、その制動圧が増加して、制
動制御を行いながら横滑り抑制制御を行うことができ
る。
【0052】また、ブレーキペダル2を踏込んでいない
非制動状態で、トラクション制御装置32から駆動輪の
スリップを抑制する制動圧指令値がコントロールユニッ
ト30に入力されたときには、マスタシリンダ圧PMf
が“0”を継続することにより、ステップS7からステ
ップS8に移行するが、このステップS8からステップ
S10に移行することになり、電動モータ7が回転駆動
されて、油圧ポンプ8が始動することにより、リザーバ
1aから第3の電磁開閉弁12、逆止弁11を介して作
動流体が油圧ポンプ8に吸い込まれ、これが昇圧されて
制動用圧が形成されることにより、ステップS11で設
定されるトラクション制御用制動圧指令値に応じた制動
圧指令値Pc* に対応する制動圧PcF 及びPcR が圧
力制御弁11FL及び11FRからホイールシリンダ5
RL,5RRに出力されて、駆動輪のスリップが抑制さ
れてトラクション制御を行う。
【0053】このトラクション制御中に旋回状態となっ
て、横滑り抑制制御装置33から横滑り量を抑制する制
動圧指令値がコントロールユニット30に供給されたと
きには、該当する車輪の制動圧指令値が増加されて、ト
ラクション制御と横滑り抑制制御とが同時に実行され
る。一方、例えばブレーキペダル2を解放している非制
動状態で、油圧ポンプ8を駆動する電動モータ7に異常
が発生したり、第3又は第4の電磁開閉弁12又は14
で切換動作不良となって閉状態を継続する状態が発生し
たり、圧力制御弁11FL又は11FRのスプールの動
作不良やソレノイドs1の異常等が発生することによ
り、圧力制御弁11FL又は11FRから出力される制
動圧PcF 又はPcR が図3の制動制御処理におけるス
テップS11で算出される制動圧指令値Pc* より低く
なる出力圧異常が発生した場合には、非制動状態を継続
している間は目標制動圧Pc* も“0”であることから
正常状態と判断されることになるが、この非制動状態か
らブレーキペダル2を踏込んで制動状態となると、図3
の制動制御処理において、マスタシリンダ圧PMfに基
づく制動圧指令値Pc* が増加するにもかかわらず、制
動圧センサ25FL又は25FRで検出される制動圧P
F 又はPcR は低い状態を維持することにより、ステ
ップS4からステップS15に移行して、制御フラグF
Aが“1”にセットされ、次いでステップS16に移行
して、第1の電磁開閉弁3FL及び3FRが開状態に制
御されると同時に、第2の電磁開閉弁10、第3の電磁
開閉弁12及び第3の電磁開閉弁14が閉状態に制御さ
れると共に、電動モータ7が停止され、且つ圧力制御弁
11FL及び11FRに対する制動圧指令値CPが
“0”に設定される。
【0054】このため、マスタシリンダ1から出力され
る前輪側マスタシリンダ圧PMfが第1の電磁開閉弁3
FL及び3FRを介して全量が直接ホイールシリンダ5
FL及び5FRに供給されることになり、ホイールシリ
ンダ5FL及び5FRで必要最低限の制動力を確保する
ことができる。このとき、ホイールシリンダ5FL及び
5FRに圧力制御弁11FL及び11FRが接続された
ままであり、これら圧力制御弁11FL及び11FRの
制御ポートpc及び戻りポートpd間での作動流体漏れ
が発生するが、この状態では、圧力制御弁11FL及び
11FRの戻りポートpdが第3の電磁開閉弁12で遮
断されているので、リザーバ1a側に漏れることを確実
に防止することができ、制動力不足を生じることを確実
に回避することができる。
【0055】そして、上述したように、ステップS15
に移行して制御フラグFAが“1”にセットされると、
次にステップS1に戻ったときに、ステップS1から直
接ステップS16に移行することになり、制動圧異常判
断を行わないので、マスタシリンダ圧PMfによって制
動圧センサ25FL及び25FRの検出値が上昇しても
制動圧異常が解消したと誤判断することを防止すること
ができる。
【0056】なお、上記第1の実施形態においては、圧
力制御弁11FL及び11FRから出力される制動圧に
異常が発生したときに直ちにマスタシリンダ圧PMfを
ホイールシリンダ5FL及び5FRに直接供給するフェ
イルセーフ状態となるようにした場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、制動圧異常が発生
した回数をカウントし、そのカウント値が予め設定した
値に達したときに制御フラグFAを“1”にセットする
ようにして、瞬間的な圧力変動による誤動作を防止する
ようにしてもよい。
【0057】次に、本発明の第2の実施形態を図6〜図
8について説明する。この第2の実施形態は、ブレーキ
ペダル2を踏込んだ制動状態で、制動用圧発生機構6で
吸い込むマスタシリンダ1から出力される作動流体量を
適宜制御してブレーキペダルの踏込み感覚を適宜設定す
ることができるようにしたものである。
【0058】すなわち、第2の実施形態においては、図
6に示すように、前述した第1の実施形態における図3
の処理において、ステップS7の判定結果がPMr>P
Msであるとき及びステップS8の判定結果が他の制動
圧指令値が入力されたときにステップS21に移行し
て、プリセットタイマがセットされたか否かを判定し、
プリセットタイマがセットされているときには直接ステ
ップS23に移行し、このプリセットタイマがセットさ
れていないときにはステップS22に移行してプリセッ
トタイマを設定時間TにプリセットしてからップS23
に移行し、ステップS23でプリセットタイマがタイム
アウトしたか否かを判定し、タイムアウトしていないと
きには、前述したステップS10に移行し、タイムアッ
プしたときにはステップS24に移行して、第1の電磁
開閉弁3FL,3FR及び第2の電磁開閉弁10を閉状
態とする論理値“1”の制御信号SD 及びSE を出力す
ると共に、第3の電磁開閉弁12及び第3の電磁開閉弁
14を開状態とする論理値“1”の制御信号SF 及びS
G を出力してから前記ステップS11に移行する点が追
加されていることを除いては図3と同様の処理を行い、
図3との対応処理には同一ステップ番号を付し、その詳
細説明はこれを省略する。
【0059】この第2の実施形態によると、ブレーキペ
ダル2を踏込んで制動状態としたときに、マスタシリン
ダ圧PMfが設定圧PMsを超えたときに、プリセット
タイマが設定時間Tにプリセットされ、このプリセット
タイマがタイムアップするまでの間は、第2の電磁開閉
弁10を開状態として、マスタシリンダ1から出力され
る作動流体を油圧ポンプ8に供給するが、設定時間Tが
経過してプリセットタイマがタイムアップすると、第2
の電磁開閉弁10を閉状態に制御して、マスタシリンダ
1からの作動流体の供給を遮断し、以後はリザーバ1a
からの作動流体を第3の電磁開閉弁12及び逆止弁11
を介して油圧ポンプに供給する。
【0060】ここで、第2の電磁開閉弁10を開状態と
したときの油圧ポンプ8で吸い込むマスタシリンダ1の
作動流体量QP は、図7に示すように、第2の電磁開閉
弁10の開時間が長くなるに比例して増加することにな
るため、マスタシリンダ圧とマスタシリンダから出力さ
れる作動流体量QM との関係は、図8に示すように、ス
トロークシミュレータ13で吸収できる作動流体量が前
述した第1の実施形態で説明したように少なく設定され
ているため、第2の電磁開閉弁10を介して油圧ポンプ
8に吸い込まれる作動流体量QP に依存することにな
り、第2の電磁開閉弁10を開状態に維持する設定時間
Tを長く設定すると、マスタシリンダ1から出力される
作動流体量QM は図8の特性曲線L21で示すように多
くなることにより、ブレーキペダル2のストローク量も
長くなる。これに対して、第2の電磁開閉弁10を開状
態とする設定時間Tを短く設定すると、マスタシリンダ
1ら出力される作動流体量QM は図8の特性曲線L22
で示すように特性曲線L21に比較して少なくなり、こ
の分ブレーキペダル2のストローク量も短くなる。
【0061】したがって、設定時間Tを変更することに
より、ブレーキペダル2のストローク量を変更すること
ができ、ブレーキペダル2の踏込み感覚を任意に調整す
ることができる。なお、上記第2の実施形態において
は、設定時間Tを予め設定する場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、運転席近傍にプリ
セットタイマの設定時間Tを調整するスイッチ等の変更
手段を設けることにより、運転者の好みに応じたブレー
キペダル2の踏込み感覚を設定することができる。
【0062】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、圧力制御弁11FL及び11FRから出力される
制動圧PcF 及びPcR の異常を制動圧センサ25FL
及び25FRで検出した制動圧と制動圧指令値Pc*
比較することにより検出する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、制動圧センサ25FL
及び25FRを省略し、これらに代えて制動用圧発生機
構6の異常を例えばモータ電流センサでモータ電流を検
出したり、回転数センサで油圧ポンプ8の回転数を検出
したり、蓄圧センサ24のアキュムレータ圧PAを監視
して、これが減少傾向を継続したこと等を検出するよう
にしてもよく、これらの場合には、制御フラグFAを省
略することができる。
【0063】さらに、上記第1及び第2の実施形態にお
いては、ペダル踏込量検出手段としては、マスタシリン
ダ圧に基づいてブレーキペダルの踏込量を検出する場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
ブレーキペダル2のストロークを直接ストロークセンサ
22で検出するようにしてもよく、さらには、ブレーキ
ペダル2に掛かる踏力を磁歪センサやストレンゲージ等
のトルクセンサで検出するようにしてもよい。
【0064】さらにまた、上記第1及び第2の実施形態
においては、第1〜第4の電磁開閉弁3FL,3FR、
10、12及び14を設けた場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、第1の電磁開閉弁3F
L,3FR及び第3の電磁開閉弁12を省略し、これに
代えて圧力制御弁11FL,11FRの制御ポートpc
から出力される制動圧とマスタシリンダ1から出力され
るマスタシリンダ圧とを選択する電磁方向切換弁を設け
るようにしてもよい。
【0065】なおさらに、上記第1及び第2の実施形態
においては、制動用圧発生手段として電動モータ7で駆
動される油圧ポンプ8を適用した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、エンジンの回転力
を利用して例えば電磁クラッチを介して油圧ポンプを回
転駆動するようにし、電磁クラッチを断続制御するよう
にしてもよい。
【0066】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、ストロークシミュレータ14の下室17bに弾性
体としてコイルスプリング19を適用した場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、他の形態
のスプリングやゴム等の他の弾性体を適用することがで
きることは勿論、下室17bの弾性体に代えて上室17
aに引張りスプリング等の弾性体を介挿してピストン1
8を上方に付勢するようにしてもよい。
【0067】さらに、上記第1及び第2の実施形態にお
いては、前輪側の制動圧を制御する場合について説明し
たが、後輪側の制動圧も上記第1及び第2の実施形態と
同様に制御することができる他、後輪を駆動輪とする後
輪駆動車にも本発明を適用し得るものである。さらに、
上記実施形態においては、制動制御の他に、トラクショ
ン制御や横滑り量制御を行う場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、ハイブリッド車両や電
気自動車での回生制動制御を併用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】第1の実施形態における圧力制御弁の制動圧指
令値に対する出力圧特性を示す特性線図である。
【図3】第1の実施形態における制動制御処理の一例を
示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態におけるマスタシリンダ圧とマ
スタシリンダから出力される作動流体量との関係を示す
特性線図である。
【図5】制動用圧発生機構の応答特性を示す特性線図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す制動制御処理の
一例を示すフローチャートである。
【図7】第2の電磁開閉弁の開時間と油圧ポンプで吸い
込むマスタシリンダから出力される作動流体量との関係
を示す特性線図である。
【図8】第2の実施形態におけるマスタシリンダ圧とマ
スタシリンダから出力される作動流体量との関係を示す
特性線図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 ブレーキペダル 3FL,3FR 第1の電磁開閉切換弁 4FL,4FR 前輪 5FL,5FR ホイールシリンダ 6 制動用圧発生機構 7 電動モータ 8 油圧ポンプ 9 リリーフ弁 10 第2の電磁開閉弁 11FL,11FR 圧力制御弁 12 第3の電磁開閉弁 13 ストロークシミュレータ 14 第4の電磁開閉弁 22 ストロークセンサ 23 マスタ圧センサ 25FL,25FR 制動圧センサ 30 コントロールユニット 31 アンチロックブレーキ制御装置 32 トラクション制御装置 33 横滑り量制御装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込量に応じた制動圧
    の作動流体を出力するマスタシリンダと、車輪を制動す
    る制動力を発生する制動手段と、前記マスタシリンダか
    ら出力された作動流体を吸収するストロークシミュレー
    タと、前記ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ
    踏込量検出手段と、該ブレーキ踏込み量検出手段で検出
    したブレーキペダル踏込量に基づいて所定制動圧を発生
    する制動圧発生手段と、該制動圧発生手段の制動圧とマ
    スタシリンダの制動圧とを選択する選択手段とを備えた
    ブレーキ制御装置において、前記制動圧発生手段は前記
    マスタシリンダから出力された作動流体を利用して制動
    圧を発生するように構成されていることを特徴とするブ
    レーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキペダルの踏込量に応じた制動圧
    の作動流体を出力するマスタシリンダと、車輪を制動す
    る制動力を発生する制動手段と、前記マスタシリンダか
    ら出力された作動流体を吸収するストロークシミュレー
    タと、所定制動圧を発生する制動用圧発生手段と、該制
    動用圧発生手段で発生する制動用圧を減圧制御して任意
    の制動圧を前記制動手段に出力する圧力制御弁と、前記
    マスタシリンダと制動手段との間に介挿された第1の電
    磁開閉弁と、前記マスタシリンダと前記制動用圧発生手
    段との間に介挿された第2の電磁開閉弁と、前記圧力制
    御弁の戻りポートとマスタシリンダのリザーバとの間に
    介挿された第3の電磁開閉弁と、前記マスタシリンダ及
    びストロークシミュレータ間に介挿された第4の電磁開
    閉弁と、前記第3の電磁開閉弁と前記制動用圧発生手段
    との間に介挿された当該第3の電磁開閉弁側からの作動
    流体流れのみを許容する逆止弁と、前記ブレーキペダル
    の踏込量を検出するブレーキ踏込量検出手段と、該ブレ
    ーキ踏込量検出手段で検出したブレーキペダル踏込量に
    基づく制動圧指令値及び他の制御手段からの制動圧指令
    値に応じて前記圧力制御弁、第1の電磁開閉弁、第2の
    電磁開閉弁、第3の電磁開閉弁、第4の電磁開閉弁及び
    制動用圧発生手段を制御する制動制御手段とを備えたこ
    とを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ踏込量検出手段は、ブレー
    キペダルのストローク、ブレーキペダルの踏力及びマス
    タシリンダ圧の何れかを検出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力制御弁の出力圧異常を検出する
    異常検出手段を備え、前記制動制御手段は、前記異常検
    出手段で出力圧異常を検出していない正常状態で、且つ
    ブレーキペダルが踏込まれた制動状態であるときに、前
    記第1の電磁開閉弁を閉状態、前記第3の電磁開閉弁及
    び第4の電磁開閉弁を共に開状態に夫々制御すると共
    に、前記制動手段の増圧時には前記第2の電磁開閉弁を
    開状態とし且つ前記制動用圧発生手段を作動状態とし、
    前記制動手段の保持及び減圧時には前記第2の電磁開閉
    弁を閉状態に制御するように構成されていることを特徴
    とする請求項2記載のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力制御弁の出力圧異常を検出する
    異常検出手段を備え、前記制動制御手段は、前記異常検
    出手段で出力圧異常を検出したときに、前記第1の電磁
    開閉弁を開状態、第2の電磁開閉弁乃至第4の電磁開閉
    弁を共に閉状態に夫々制御すると共に、制動用圧発生手
    段を非作動状態とするように構成されていることを特徴
    とする請求項2乃至4の何れかに記載のブレーキ制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制動制御手段は、ブレーキペダルの
    踏込みによる制動開始時に前記第2の電磁開閉弁を任意
    に設定される所定時間だけ開状態に制御するように構成
    されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに
    記載のブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制動用圧発生手段は、作動流体を加
    圧する油圧ポンプとその吐出側に配設された吐出圧の最
    大値を規制するリリーフ弁とで構成されていることを特
    徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のブレーキ制御
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003053755A1 (de) * 2001-12-20 2003-07-03 Continental Teves Ag & Co. Ohg Elektrohydraulische bremsanlage für kraftfahrzeuge
FR2872763A1 (fr) * 2004-07-07 2006-01-13 Bosch Gmbh Robert Dispositif de freinage pour vehicule automobile a confort d'utilisation ameliore
EP1839981A1 (en) * 2006-03-31 2007-10-03 Nissin Kogyo Co., Ltd Brake fluid pressure controller for vehicle

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