JP4677977B2 - 制動速度に応じて制動力前後輪間配分比が制御される車輌用制動装置 - Google Patents

制動速度に応じて制動力前後輪間配分比が制御される車輌用制動装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車輌の制動装置に係り、特に制動力前後輪間配分比を制御することに係わる。
自動車等の車輌に於ける車輪の制動能力は車輪の接地荷重により支配され、一般的には前輪に比して後輪の方が荷が重く接地荷重がより高いことと、車輌が制動されると後輪の接地荷重の幾分かが前輪へ移動することから、制動力の前後輪間の配分については、制動力が中程度の値に増大するまでは、制動力の配分は後寄りとされ、制動力の増大につれて前輪の制動力に対する後輪の制動力の比が次第に低下するよう、前輪制動力を横軸とし後輪制動力を縦軸とする座標系で見て添付の図6に破線にて示す如く上向きに凸の曲線状をなす理想配分が想定される。しかし、一般の油圧式制動装置に於いては、前輪および後輪の制動手段を同一の油圧源からの油圧により作動させることから、制動力が所定値以上に増大した制動領域では、それ以下の制動領域に比して、前輪制動力を後輪制動力に対比して低減させる要領にて、添付の図6にて実線により示されている如く、理想配分曲線を直線による折れ線にて近似することが行われている。これは、多くの場合、後輪の制動手段へ油圧を供給する油圧経路の途中に減圧制御弁(プロポーショニングバルブ)を設けることによって行なわれている。
かかるプロポーショニングバルブに対しこれをバイパスする開閉弁を設け、このバイパス弁が閉じられるか開かれるかに応じてプロポーショニングバルブが有効に作動するか無効化されるようになった制動システムに於いて、車輌が急制動されたときには、バイパス開閉弁を閉じる設定油圧を下げ、急制動時には早期にプロポーショニングバルブを有効化して後輪がロック状態になることを防止することが下記の特許文献1に記載されている。また同様に、下記の特許文献2には、アンチスキッド制御を行う制動装置に於いて、急制動が行われているときには、そうでないときに比して、後輪に対する制動油圧の上昇の制限を開始するタイミングを早めることが記載されている。また下記の特許文献3には、制動力前後輪間配分を理想配分より十分離れて設定する第一の設計制動力前後配分と、これより制動力前後輪間配分を理想配分に近づける第二の設計制動力前後配分とを設定し、アンチロック制御が作動するときには、制動力の前後配分を前記第二の設計制動力前後配分に従って配分するが、アンチロック制御が作動しないときには、制動力の前後配分を前記第一の設計制動力前後配分に従って配分することが記載されている。
特開平5−147520 特開2001-114083 特開平5−16775
車輌の制動は、通常その殆どが図6の線図に陰線を施した範囲内にある程度の低〜中制動力にて行われるので、制動が低〜中制動力の範囲の制動力にて行われる限り、制動力の前後輪間配分は図6に実線にて示されている如く一定比配分とされるのが油圧式制動装置に限らず便利である。また制動は主としてかかる低〜中制動力の範囲にて行われるので、前輪および後輪の制動手段に於けるディスクやキャリパの耐久性はかかる一定の制動力前後輪間配分比に基づいて設計されてよく、それによってディスクやキャリパの摩耗も前輪および後輪について同程度に進行するという利点が得られる。
しかし一方、車輌は時として急制動を要することがある。そのとき如何に迅速に車輌が制動されるかは、当然のことながら前輪と後輪に於ける制動力の和の立ち上がりによって定まる。前輪と後輪に於ける制動力の和をより迅速に立ち上げ、制動により吸収されるエネルギの増大速度を上げるには、一定配分比に従って前後輪の制動力を立ち上げるより、理想配分比に従って前後輪の制動力を立ち上げる方が、同じブレーキペダル踏力に対しても後輪制動力の値をより高く取ることができるので有利である。この場合、後輪制動手段のディスクやキャリパにかかる負荷の前輪制動手段のディスクやキャリパにかかる負荷に対する比は、一定配分比の場合に比して増大するが、そのような制動の時間が全制動時間に対してなす割合は、急制動の発生頻度が通常かなり低いことから、極僅かであると想定されるので、後輪制動手段のディスクやキャリパの耐久性がこれによって実質的に影響されることはないと考えられる。
本発明は、上記の事情に着目し、従来の前輪および後輪の制動手段に於けるディスクやキャリパの設計に変更を要することなく、急制動時の制動力の立ち上がり特性を向上させることを課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、制動速度が中程度の所定値以上でないときには、少なくとも所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を一定とし、制動速度が前記所定値以上であるときには、少なくとも前記所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を前記一定の配分比より増大させることを特徴とする車輌用制動装置を提案するものである。尚、ここでは「制動力前後輪間配分比」は前輪制動力に対する後輪制動力の比を表すものとする。
前記の制動力前後輪間配分比の前記一定配分比よりの増大は、レーキペダル踏力に対応する前輪制動力を保持したままブレーキペダル踏力に対応する後輪制動力を増大させることにより行なわれてよい。
また前記の制動力前後輪間配分比の前記一定配分比よりの増大は、理想配分比以内にて行われてよい。
また制動速度が前記所定値以上であることにより前記一定配分比より増大された制動力前後輪間配分比を制動速度が前記所定値以上でなくなったことにより前記一定配分比に戻すとき、制動力前後輪間配分比は時間の経過に応じて徐々に戻されてよい。
上記の如く、車輌用制動装置が、制動速度が中程度の所定値以上でないときには、少なくとも所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を一定とし、制動速度が前記所定値以上であるときには、少なくとも前記所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を前記一定の配分比より増大させるようになっていれば、急制動時には、制動力前後輪間配分比が一定である場合に比して同じ前輪制動力に対応してより高い後輪制動力を発生させ、それに相当して制動力が立ち上がる途中の各時点に於いて前輪制動力と後輪制動力の和を増大させることができるので、急制動の要求に対する対応性を向上させることができる。急制動の発生頻度は低く、その作動時間は制動装置の全作動時間に比して極僅かであるので、かかる急制動への対応は、従来の後輪制動手段に於けるディスクやキャリパの設計を変更することなく行われても、その耐久性に実質的な影響は及ばないと考えられる。
自動車等の車輌に於ける制動力は、古くはマスタシリンダにより発生された油圧をそのまま用いて発生されていたが、現今の車輌に於いては、マスタシリンダを備えた油圧式の制動装置に於いても、常時はブレーキペダル踏力がセンサにより検出され、センサにより検出されたブレーキペダル踏力に対応して油圧ポンプによる油圧や電流が制御されて制動力が発生されるようになっているので、上記の制動力前後輪間配分比を前記一定の配分比より増大させることは、ブレーキペダル踏力に対応する前輪制動力を保持したままブレーキペダル踏力に対応する後輪制動力を増大させるができ、こうされれば前後輪間制動力配分比を一定比配分より増大させることにより制動力全体の立ち上がりを早めると同時にブレーキペダル踏力に対する前後輪制動力の和の比を増大させることができる。
前記の制動力前後輪間配分比の前記一定配分比よりの増大が理想配分比以内にて行われれば、緊急制動時の制動力前後輪間配分は理想配分比に近づく形にて行われ、車輌の制動性能としては一定配分比の時よりも理論的に寧ろ好ましいものとなる。
制動速度が前記所定値以上であることにより前記一定配分比より増大された制動力前後輪間配分比を制動速度が前記所定値以上でなくなったことにより前記一定配分比に戻すとき、それが時間の経過に応じて徐々に行なわれれば、急制動に対する要求が制動の途中でなくなったとき、乗員に違和感を与える制動状態の変化を生じさせることなく制動力前後輪間配分比を通常の一定配分比へ滑らかに復帰させることができる。
図1は、制動速度が中程度の所定値以上でないときには、少なくとも所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を一定とし、制動速度が前記所定値以上であるときには、少なくとも所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を一定の配分比より増大させる本発明による車輌用制動装置の作動態様を、特に一定の配分比よりの制動力前後輪間配分比の増大が理想配分比まで行われる場合について示す、図6と同様の、横軸を前輪制動力Ffとし、縦軸を後輪制動力Frとする制動力前後輪間配分比の線図である。図1に於いて、一点鎖線にて示されているRaの部分が、所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を一定とする部分であり、Rbの部分が、所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を理想配分比とする部分である。上記の所定の制動力は、前輪の制動力FfがFftであり、後輪の制動力FrがFrt以下であって、前輪と後輪の制動力の合計がFft+Frtとなる制動力であり、RaとRbの間の切換えは制動力がこれ以下である範囲に於いて行われるようになっている。この例では、制動力の合計がFft+Frt以上となる範囲では、制動力前後輪間配分は線Rcに沿って直線的に行われるようになっている。
図2は、図1の線図に示す制動力前後輪間配分比に従って本発明の車輌用制動装置により行われる作動の基本を示すフローチャートである。かかるフローチャートに沿った制御は、後述のマイクロコンピュータを備えた電子制御装置により車輌の運転中数10〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返し行われてよい。
制御が開始されると、ステップ10に於いて、制動要求がなされているか否かが判断される。制動要求がなされておらず、答がノー(N)であるときには、以下の制御は必要とされないのでこの回の制御はこれにて終了する。制動要求がなされており、答がイエス(Y)であるときには、制御はステップ20へ進む。
ステップ20に於いては、要求されている制動の速度が所定のしきい値以上である急制動要求であるか否かが判断される。答がノーであるときには、制御はステップ30へ進み、前後輪間制動力配分比を図1のRa〜Rcに沿って変化させる通常の前後輪間制動力配分制動が行われる。これに対し答がイエスであるときには、制御はステップ40へ進み、前後輪間制動力配分を図1のRb〜Rcに沿って変化させる急制動時の前後制動力配分制動が行われる。そしてステップ50に於いて、何れかの前後制動力配分比によって制動が実行される。
かくして制動要求が急制動でない時には、例えば前輪の制動力がFflまで立ち上がったとき後輪の制動力はFrlnまで立ち上がるが、制動要求が急制動であるときには、前輪の制動力がFflまで立ち上がったとき後輪の制動力はFrluまで立ち上がり、この時点で通常制動時に比して急制動時の前後輪での制動力の合計の立ち上がりはΔF=Frlu−Frlnだけ大きくなり、それだけより迅速な制動がかけられる。この場合、ブレーキペダル踏力に対する前輪制動力Ffの対応関係は前後輪間制動力配分比によっては変わらないとすれば、前輪制動力Fflを発生させるブレーキペダル踏力に対し、前後輪合わせた制動力は、前後輪間制動力配分比の増大によってΔFだけ増大する。
図3は、本発明による車輌用制動装置を油圧式の制動装置として実施した場合の一例を示す油圧回路図である。但し、本発明は車輌用制動装置の作動に関するソフト的構成にその要旨を有しているので、図3に表れているハード的構成については公知のものである。10にて全体的に示された制動装置は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
マスタシリンダ14は第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ左前輪用の油圧導管18Aおよび右前輪用の油圧導管18Bの一端が接続されている。油圧導管18Aおよび18Bの他端にはそれぞれ左前輪および右前輪の制動力を発生するためのホイールシリンダ20FLおよび20FRが接続されている。
油圧導管18Aおよび18Bの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)22Lおよび22Rが設けられている。これらの電磁開閉弁22Lおよび22Rはそれぞれ第一のマスタシリンダ室14Aおよび第二のマスタシリンダ室14Bと対応するホイールシリンダ20FLおよび20FRとの連通を選択的に遮断するする遮断弁として機能する。またマスタシリンダ14と電磁開閉弁22FLとの間のブレーキ油圧供給導管18Aには常閉型の電磁開閉弁24を介してウェットストロークシミュレータ26が接続されている。
マスタシリンダ14にはリザーバ28が接続されており、リザーバ28には送油導管30の一端が接続されている。送油導管30には電動機32により駆動されるオイルポンプ34が接続されており、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36には加圧された油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。送油導管30には油戻り導管40の一端が接続されている。リザーバ28、オイルポンプ34、アキュムレータ38等はホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RR内の圧力を増圧するための油圧源として機能する。
尚、図3には示されていないが、オイルポンプ34の吸入側の送油導管30と吐出側の油圧供給導管36とを連通接続する導管が設けられ、該導管の途中にはアキュムレータ38内の圧力が基準値を越えた場合に開弁し吐出側の油圧供給導管36より吸入側の送油導管30へ油を戻すリリーフ弁が設けられている。
オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36は、常閉型の電磁開閉弁42FLおよび油圧導管44FLを経てホイールシリンダ20FLと接続されている。同様に、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36は、常閉型の電磁開閉弁42FRおよび油圧導管44FRを経てホイールシリンダ20FRと接続され、常閉型の電磁開閉弁42RLおよび油圧導管44RLを経てホイールシリンダ20RLと接続され、常閉型の電磁開閉弁42RRおよび油圧導管44RRを経てホイールシリンダ20RRと接続されている。
油圧導管44FL、44FR、44RL、44RR、即ちホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRは、またそれぞれ常閉型の電磁開閉弁46FL、46FR、46RL、46RRを経て油戻り導管40に接続されている。
電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRはそれぞれホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRに対する増圧弁(または油圧保持弁)として機能し、電磁開閉弁46FL、46FR、46RL、46RRはそれぞれホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRに対する減圧弁(または油圧保持弁)として機能し、従ってこれらの電磁開閉弁は互いに共働してアキュムレータ38内の油圧源に基づいて各ホイールシリンダへ供給される油圧を増減制御する油圧制御弁を構成している。
常開型の電磁開閉弁22Lおよび22Rは、駆動電流が供給されない非制御モード時には開弁状態に維持され、常閉型の電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRおよび46FL、46FR、46RL、46RRは、駆動電流が供給されない非制御モード時には閉弁状態に維持される。また電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRおよび46FL、46FR、46RL、46RRの何れかが故障し、対応するホイールシリンダ内の圧力を正常に制御できなくなった場合には、これらの電磁開閉弁は非制御モードとされ、これにより左右前輪のホイールシリンダ内の圧力は直接マスタシリンダ14により制御される。
第一のマスタシリンダ室14Aと電磁開閉弁22Lとの間の油圧導管18Aには該油圧導管内の圧力を第一のマスタシリンダ圧力Pmaとして検出する第一の圧力センサ48Aが設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14Bと電磁開閉弁22Rとの間の油圧導管18Bには該油圧導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力Pmbとして検出する第二の圧力センサ48Bが設けられている。ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークStを検出するストロークセンサ50が設けられている。オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36には該導管内の圧力をアキュムレータ圧力Pacとして検出する圧力センサ52が設けられている。ホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RR内の圧力は、それぞれ圧力センサ54FL、54FR,54RL,54RRにより圧力Pfl、Pfr、Prl、Prrとして検出されるようになっている。
電磁開閉弁22Lおよび22R、電磁開閉弁24、電動機32、電磁開閉弁42FL〜42RR、電磁開閉弁46FL〜46RRは、電子制御装置56により制御される。電子制御装置56はマイクロコンピュータ58と駆動回路60よりなっている。マイクロコンピュータ58には、圧力センサ48Aおよび48Bよりそれぞれ第一のマスタシリンダ圧力Pmaおよび第二のマスタシリンダ圧力Pmbを示す信号、ストロークセンサ50よりブレーキペダル12の踏み込みストロークStを示す信号、圧力センサ52よりアキュムレータ圧力Pacを示す信号、圧力センサ54FL〜54RRよりそれぞれホイールシリンダ20FL〜20RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。
マイクロコンピュータ58は、制動制御ルーチンを記憶しており、ブレーキペダル12が踏み込まれると電磁開閉弁24を開弁すると共に、電磁開閉弁22Lおよび22Rを閉弁し、その状態にて圧力センサ48A、48Bにより検出されたマスタシリンダ圧力Pma、Pmbおよびストロークセンサ50より検出された踏み込みストロークStに基づき要求されている制動力を演算すると共にそれを前後左右の各輪に配分する配分比を演算し、ホイールシリンダ20FL〜20RRの各々に対する目標ホイールシリンダ圧力Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各ホイールシリンダの圧力Piが目標ホイールシリンダ圧力Ptiになるよう電磁開閉弁42FL〜42RRおよび46FL〜46RRを制御する。尚、マイクロコンピュータ58には、その他に図には示されていないヨーレートセンサより車体のヨーレートを示す信号、前後加速度センサより車体の前後加速度を示す信号、横加速度センサより車体の横加速度を示す信号等が供給されており、クロコンピュータ58は同時にそれらの信号を参照して車輌の走行制御技術の分野に於いて種々提案されている制御態様にて車輌の走行制御のための各車輪に対する制動制御を行い、その一環として図2のフローチャートにより示した如き本発明による制動力前後輪間配分制御を行う。
図4は、図1に示す制動力前後輪間配分制御を図3に示す車輌用制動装置により実行する一つの実施の形態を示すフローチャートである。かかるフローチャートに沿った制御も、マイクロコンピュータに於いて数10〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返えされてよい。
制御が開始されると、ステップ110に於いて、図3のストロークセンサ50からの信号に基づき、制動要求がなされているか否かが判断される。制動要求がなされておらず、答がノーであるときには、以下の制御は必要とされないので、この回の制御はこれにて終了する。制動要求がなされており、答がイエスであるときには、制御はステップ120へ進む。
ステップ120に於いては、図3に示された種々のセンサやストロークシミュレータからの信号に基づき、要求されている制動力Fが図1の所定値Fft+Frt以下であるか否かが判断される。答がイエスであるときには、制御はステップ130へ進み、同じく図3に示された種々のセンサやストロークシミュレータからの信号に基づき、要求されている制動の速度が所定値以上である急制動要求であるか否かが判断される。答がノーのときには、制御はステップ140へ進む。
ステップ140に於いては、図1の線Raが関数fa(Ff)によりFr=fa(Ff)として表されるとして、これとF=Ff+fa(Ff)の連立関係に基づいてFfおよびFrの値が算出される。或いは、図3に示された種々のセンサやストロークシミュレータからの信号に基づいてブレーキペダル踏力に対応して前輪制動力Ffを算出し、急制動時に後輪制動力を増大させるのは算出されたブレーキペダル踏力に対応する前輪制動力を保持したままで後輪制動力を増大させるときには、F=Ff+fa(Ff)とFr=fa(Ff)を連立させるまでもなく、Fr=fa(Ff)よりFrの値が算出される。
ステップ130の答がイエスのときには、制御はステップ150へ進み、図1の線Rbが関数fb(Ff)によりFr=fb(Ff)として表されるとして、これとF=Ff+fb(Ff)の連立関係に基づいてFfおよびFrが算出される。ここでも、ブレーキペダル踏力に対応して前輪制動力Ffを算出し、算出されたブレーキペダル踏力に対応する前輪制動力を保持したままブレーキペダル踏力に対応する後輪制動力を急制動時に増大させるときには、F=Ff+fb(Ff)とFr=fb(Ff)を連立させるまでもなく、Fr=fb(Ff)よりFrの値が算出される。
ステップ120の答がノーのときには、制御はステップ160へ進み、図1の線Rcが関数fb(Ff)によりFr=fc(Ff)として表されるとして、これとF=Ff+fc(Ff)の連立関係に基づいてFfおよびFrが算出される。ここでも、ブレーキペダル踏力に対応して前輪制動力Ffを算出し、算出された前輪制動力に対し後輪制動力を算出するときには、F=Ff+fc(Ff)とFr=fc(Ff)を連立させるまでもなく、Fr=fc(Ff)よりFrの値が算出される。
以上のステップ140〜160のいずれかより制御はステップ170へ進み、ステップ140〜160のいずれかに於いて算出されたFfおよびFrを目標制動力とし、各輪の制動力をそれぞれの目標制動力とする制御が実行される。これは、電動機32、電磁開閉弁42FL〜42RR、電磁開閉弁46FL〜46RRを制御してホイールシリンダ20FL〜20RR内の油圧を制御することにより行われる。
図5は、図2に示した本発明の車輌用制動装置により行われる基本制御の一部を変更した修正例を示す図2と同様のフローチャートである。図5に於いて、図2に示すステップに対応するステップは図2於けると同じステップ番号により示されている。
この修正例に於いては、制動要求が初めから急制動の要求ではなく、初めから図1のRaに沿って制動力前後輪間配分制御行われるときと、一度急制動要求に基づいて図1のRbに沿って制動力前後輪間配分制御が開始された後に制動要求が急制動要求ではなくなるとき(ペダル抜き時)とを区別して制動力前後輪間配分制御が行われるようになっている。
そのためステップ20の答がノーであるとき制御はステップ21へ進み、フラグfが1であるか否かが判断される。このフラグfは、制動要求が急制動要求であって、ステップ20の答がイエスとなり、制御がステップ40へ進んだとき、続くステップ41にて1にセットされ、それまでは制御開始時に0にリセットされたものであるので、制動要求が初めから急制動の要求ではないときにはステップ21の答はノーであり、このときには制御はそのままステップ30へ進み、前後輪間制動力配分比を図1のRa〜Rcに沿って変化させる制御か行われる。
しかし、一度急制動要求がなされ、それに応じて図1のRbに沿って制動力前後輪間配分制御が開始された後に制動要求が急制動要求ではなくなることによりステップ20の答がノーとなったときには、ステップ21の答はイエスとなり、このとき制御はステップ22へ進み、Rbに沿う制御をRaに沿う制御へ徐々に戻すべく制御線をΔRずつRaに近づける遷移制御線Rmが演算され、続くステップ23に於いて、遷移制御線Rmに沿って制動力前後輪間配分制御が行われる。この場合、更に次のステップ24に於いてRmがRaまで戻ったか否かが判定され、RmがRaに戻るまでは遷移制御線Rmを徐々にRaに近づけつつ前後輪間制動力配分制御が行われ、RmがRaまで戻ったところで制御はステップ25へ進み、フラグfが0にリセットされる。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態とその一つの修正例について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌用制動装置の作動態様を所定の制動力以下に於いて急制動時に制動力前後輪間配分比を一定の配分比より理想配分比まで増大させる場合について示す線図。 本発明の車輌用制動装置により行われる作動の基本を示すフローチャート。 本発明による車輌用制動装置を油圧式の制動装置として実施した場合の一例を示す油圧回路図。 図1に示す制動力前後輪間配分制御を図3に示す車輌用制動装置により実行する一つの実施の形態を示すフローチャート。 図2に示した本発明による基本制御の一部を変更した修正例を示すフローチャート。 従来の制動力前後輪間配分制御を示す線図。
符号の説明
10…制動装置、12…ブレーキペダル、14…マスタシリンダ、16…ドライストロークシミュレータ、18A,18B…油圧導管、20FL,20FR,20RL,20RR…ホイールシリンダ、22F,22R…電磁開閉弁(マスターカット弁)、24…電磁開閉弁、26…ウェットストロークシミュレータ、28…リザーバ、30…送油導管、32…電動機、34…オイルポンプ、36…油圧供給導管、38…アキュムレータ、40…油戻り導管、42FL,42FR,42RL,42RR…電磁開閉弁、44FL,44FR,44RL,44RR…油圧導管、46FL,46FR,46RL,46RR…電磁開閉弁、48A,48B…圧力センサ48、50…ストロークセンサ、52…圧力センサ、54FL,54FR,54RL,54RR…圧力センサ、56…電子制御装置、58…マイクロコンピュータ、60…駆動回路

Claims (4)

  1. 制動速度が中程度の所定値以上でないときには、少なくとも所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を一定とし、制動速度が前記所定値以上であるときには、少なくとも前記所定の制動力以下に於いて、制動力前後輪間配分比を前記一定の配分比より増大させることを特徴とする車輌用制動装置。
  2. 前記の制動力前後輪間配分比の前記一定配分比よりの増大は、ブレーキペダル踏力に対応する前輪制動力を保持したままブレーキペダル踏力に対応する後輪制動力を増大させることにより行なわれることを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動装置。
  3. 前記の制動力前後輪間配分比の前記一定配分比よりの増大は、理想配分比以内にて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌用制動装置。
  4. 制動速度が前記所定値以上であることにより前記一定配分比より増大された制動力前後輪間配分比を制動速度が前記所定値以上でなくなったことにより前記一定配分比に戻すとき、それが時間の経過に応じて徐々に行われることを特徴とする請求項1、2または3に記載の車輌用制動装置。
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