JP2000051067A - 調理器用温度センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常温度検出と、異常高温の検出が可能な調
理器用温度センサを提供し、もって、調理器の部品点数
及び組み立て工数を削減し、コスト削減を実現する。 【解決手段】 サーミスタ素子１０６と温度ヒューズ１
０７とを、可動体ケース１０２に収容する。可動体ケー
スには、サーミスタ素子と温度ヒューズとの間を絶縁す
る壁１１２、リード線同士を絶縁する壁１１３，１１４
が形成されている。サーミスタ素子と温度ヒューズとの
上部には高熱伝導体が塗布され、さらに温度ヒューズ上
には絶縁シートが配され、アルミフタ１０１が嵌着され
る。可動体ケースは、スプリング１０３を介してホルダ
ー１０５に保持されるが、このとき、ホルダーのリブ１
１６がスリット１１５内に位置するようにすることで、
可動体ケースの回転が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、調理器用温度セン
サに関し、特に、加熱体に対して被加熱体の着脱が自在
な調理器に使用される調理器用温度センサに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の調理器用温度センサは、例え
ば、炊飯ジャーの内鍋の温度を検出するために用いられ
る。炊飯ジャーは、図３に示すように、炊飯ジャー本体
３０１に固定された加熱体である外鍋３０２に対し、被
加熱体である内鍋３０３が着脱可能となるように構成さ
れている。そして、内鍋３０３の温度を測定するため
に、外鍋３０２（または炊飯ジャー本体）に調理器用温
度センサ３０４が取り付けられている。さらに、この炊
飯ジャーには、内鍋３０３の異常高温を検出するため、
外鍋３０２の外面に温度ヒューズ３０５が取り付けられ
ている。

【０００３】従来の調理器用温度センサ３０４は、図４
に示すように、外鍋または炊飯ジャー本体に固定される
ホルダー４０１と、図の上下方向に移動可能にホルダー
４０１に保持される、可動体４０２とを有している。こ
の可動体４０２が、温度センサの感熱体になる。

【０００４】可動体４０２は、筒状の可動体ケース４０
３と、可動体ケース４０３の先端に取り付けられるアル
ミフタ４０４と、アルミフタ４０４内に収容されるサー
ミスタ素子４０５と、サーミスタ素子４０５を外部回路
（図示せず）に接続するリード線４０６と、サーミスタ
素子４０５のリードとリード線４０６とを互いに接続す
る接続部材４０７と、接続部材４０７とサーミスタ素子
４０５のリード及びリード線４０６の一部とを覆うと共
にサーミスタ素子４０５を可動体ケース４０３に固定す
る樹脂４０８と、可動体ケース４０３内に収容され、可
動体ケース４０３を図の上方に付勢するスプリング４０
９とを有している。

【０００５】この調理器用温度センサ３０４は、炊飯ジ
ャーの外鍋に内鍋がセットされると、内鍋の外周面がア
ルミフタ４０４に接触し、可動体４０２をホルダー方向
に押す。これによりスプリング４０９が縮み、その反力
で、アルミフタ４０４が内鍋の外面に押圧接触される。
その結果、アルミフタ４０４を介して、サーミスタ素子
による内鍋の温度検出を行うことが可能となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の調理器用温度セ
ンサは、調理器の被加熱体の温度を測定するためだけに
使用され、被加熱体の異常高温を検知するための温度ヒ
ューズとは別体であった。このため、調理器用温度セン
サを用いる調理器は、部品点数が多く、部品コストが高
くなり、さらに組み立て工数も多くなるという問題点が
ある。

【０００７】また、温度ヒューズは、調理器の加熱体の
外面に取り付けられており、被加熱体の異常高温が発生
してから、そのことを検知するまでに時間を要するとい
う問題点もある。

【０００８】本発明は、被加熱体の通常の温度検出のみ
ならず、異常高温の検出も可能な調理器用温度センサを
提供することを目的とする。

【０００９】また、本発明は、調理器の部品点数を削減
し、組み立て工数を削減することによりコスト削減を実
現できる、調理器用温度センサを提供することを目的と
する。

【００１０】更に、本発明は、被加熱体の異常高温を迅
速に検知できる調理器用温度センサを提供することを目
的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、着脱可
能な被加熱体が加熱体に装着されたときに、前記被加熱
体に接触して当該被加熱体の温度を検出する調理器用温
度センサにおいて、複数種類の感温素子を備えたことを
特徴とする調理器用温度センサが得られる。

【００１２】この調理用温度センサは、前記被加熱体に
接触するアルミフタと、前記感温素子を収容すると共に
前記アルミフタが嵌着されるケースと、該ケースを一方
向に移動可能に保持するホルダーとを有している。

【００１３】前記複数種類の感温素子としては、サーミ
スタ素子と、温度ヒューズが用いられる。

【００１４】前記ケースには、前記サーミスタ素子と前
記温度ヒューズとの間を仕切る絶縁性の壁と、前記サー
ミスタ素子の２本のリード間及び前記温度ヒューズの２
本のリード間をそれぞれ仕切る絶縁性の壁とが設けられ
る。

【００１５】また、前記アルミフタと前記感温素子との
間には、高熱伝導体が配され、前記アルミフタと前記温
度ヒューズとの間には、絶縁シードが配される。

【００１６】さらに、前記ケースには、スリットが形成
され、前記ホルダーには前記スリットに対応するリブが
形成され、前記ホルダーに対する前記ケースの回転が防
止される。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。

【００１８】図１（ａ）及び（ｂ）に、本発明の一実施
の形態を示す。図１（ａ）に示す調理器用温度センサ１
００は、アルミフタ１０１と可動体ケース１０２とスプ
リング１０３とを有する可動体１０４と、ホルダー１０
５とを有している。また、この調理器用温度センサは、
可動体ケース１０２の内部に、通常の温度検出用の感温
素子としてサーミスタ素子１０６を、異常高温検出用の
感温素子として温度ヒューズ１０７を有している。サー
ミスタ素子１０６と温度ヒューズ１０７には、それぞれ
接続部材１０８，１０９を用いて、リード線１１０、１
１１が接続されている。

【００１９】可動体ケース１０２とホルダー１０５は、
例えば、耐熱樹脂で作られている。そして、可動体ケー
ス１０２の内部には、図１（ｂ）に示すように、サーミ
スタ素子１０６と温度ヒューズ１０７との間を絶縁する
ための壁１１２が形成されている。また、可動体ケース
１０２の内部には、サーミスタ素子１０６のリード同士
の間、温度ヒューズ１０７のリード同士の間を、それぞ
れ絶縁するための壁１１３及び１１４が形成されてい
る。また、可動体ケース１０２には、スリット１１５
が、ホルダー１０５にはスリット１１５に対応するリブ
１１６が、それぞれ形成されている。このように、本実
施の形態では、スリット１１５とリブ１１６により、ホ
ルダー１０５に対する可動体ケース１０２の回転が防止
され、また、絶縁を目的とする壁１１２，１１３及び１
１４が形成されているので、被加熱体に対するサーミス
タ素子１０６と温度ヒューズ１０７との位置が特定され
る。

【００２０】この調理器用温度センサ１００は、以下の
ようにして組立られる。

【００２１】まず、サーミスタ素子１０６のリードを、
可動体ケース１０２の中を通したリード線１１０に、接
続部材１０８を用いて接続する。それから、サーミスタ
素子１０６のリードに曲げ１１７を形成して、可動体ケ
ース１０２内に収容する。次に、可動体ケース１０２に
形成されている窓１１８から接着剤を注入して、接続部
材１０８を可動体ケース１０２に固定する。

【００２２】温度ヒューズ１０７についても、同様に、
そのリードに、接続部材１０９を用いて、可動体ケース
１０２の中を通したリード線１１１に接続して、可動体
ケース１０２内に収容する。

【００２３】上述したように、可動体ケース１０２には
壁１１２，１１３及び１１４が形成されているので、サ
ーミスタ素子１０６と温度ヒューズ１０７との間は絶縁
され、また、サーミスタ素子１０６のリード同士、温度
ヒューズ１０７のリード同士の間も互いに絶縁される。

【００２４】次に、可動体ケース１０２に収容されたサ
ーミスタ素子１０６と温度ヒューズ１０７の上部には、
シリコーングリスなどの高熱伝導体（図示せず）を塗布
する。この高熱伝導体により、アルミフタ１０１とこれ
らサーミスタ素子１０６及び温度ヒューズ１０７との間
の、熱伝導を良好にすることができる。また、温度ヒュ
ーズ１０７に関しては、リードが上部に位置するので、
その絶縁を確保するために、絶縁シート１１９を、リー
ド（高熱伝導体）とアルミフタ１０１との間に装着す
る。

【００２５】以上の工程を終えた後、アルミフタ１０１
を可動体ケース１０２に装着する。さらに、リード線１
１０，１１１をスプリング１０３とホルダー１０５の中
に通し、可動体ケース１０２をスプリング１０３を介し
てホルダー１０５に保持させる。このとき、可動体ケー
ス１０２のスリット１１５内に、ホルダー１０５のリブ
１１６が位置するようにする。スリット１１５とリブ１
１６の働きにより、可動体ケース１０２のホルダー１０
５に対する回転は防止される。

【００２６】以上のようにして製造された調理器用温度
センサ１００は、図２に示すように、炊飯ジャー２００
の外鍋２０１の側壁に取り付けられる。この炊飯ジャー
２００に内鍋２０２がセットされると、その外面が調理
器用温度センサ１００のアルミフタ１０１に接触する。
そして、調理用温度センサ１００の可動体１０４は、内
鍋２０２に押されてホルダー１０５側へ移動する。その
結果、可動体１０４は、スプリング１０３の働きによ
り、内鍋２０２に向かって付勢される。

【００２７】内鍋２０２の温度は、アルミフタ１０１及
び高熱伝導体を介してサーミスタ素子１０６により検出
される。検出結果は、炊飯ジャーの制御回路により炊飯
制御に利用される。また、内鍋２０２の異常高温は、ア
ルミフタ１０１、絶縁シート１１９及び高熱伝導体を介
して、温度ヒューズ１０７によって検出される。温度ヒ
ューズ１０７の溶断は、内鍋の加熱を停止するように働
き、事故が未然に防止される。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、調理器用温度センサに
複数種の感温センサを設けたことで、調理器の部品点
数、及び組み立て工数を削減でき、持ってコスト削減を
実現できる。

【００２９】また、本発明によれば、調理器用温度セン
サに温度ヒューズを内蔵するようにしたことで、従来よ
りも被加熱体の異常温度をすばやく検出することができ
る。

【００３０】さらにまた、本発明によれば、調理器用温
度センサの移動体ケース内に絶縁用の壁を設けるととも
にスリットを形成し、ホルダーにリブを形成したことに
より、移動ケースのスリットに対する回動を防止でき、
被加熱体に対する複数種の感温センサの位置を特定する
ことができる。これにより、製品毎の特性ばらつき、ひ
いては、炊飯性能のばらつき、及び温度ヒューズの溶断
ばらつきを小さく抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す組立構造図であ
る。

【図２】図１の調理器用温度センサを備えた炊飯ジャー
を示す透視図である。

【図３】従来の調理器用温度センサを備えた炊飯ジャー
を示す透視図である。

【図４】図３の調理器用温度センサの詳細を示す組立構
造図である。

【符号の説明】

１００ 調理器用温度センサ １０１ アルミフタ １０２ 可動体ケース １０３ スプリング １０４ 可動体 １０５ ホルダー １０６ サーミスタ素子 １０７ 温度ヒューズ １０８，１０９ 接続部材 １１０，１１１ リード線 １１２ 壁 １１３，１１４ 壁 １１５ スリット １１６ リブ １１７ 曲げ １１８ 窓 １１９ 絶縁シート ２００ 炊飯ジャー ２０１ 外鍋 ２０２ 内鍋 ３０１ 炊飯ジャー本体 ３０２ 外鍋 ３０３ 内鍋 ３０４ 調理器用温度センサ ３０５ 温度ヒューズ ４０１ ホルダー ４０２ 可動体 ４０３ 可動体ケース ４０４ アルミフタ ４０５ サーミスタ素子 ４０６ リード線 ４０７ 接続部材 ４０８ 樹脂 ４０９ スプリング

フロントページの続き (72)発明者 中川 博之 大阪府大阪市北区天満１丁目20番５号 象 印マホービン株式会社内 Ｆターム(参考） 4B055 AA01 AA50 BA02 BA28 BA38 CA64 CA71 CB03 CB07 CB14 CB17 CB27 CC01 CC03 CC09 CC12 CC33 CC52 CC58 CD02 CD04 FA09 FA14 FA16 FB02 FB33 FB53 FC20 FD04

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着脱可能な被加熱体が加熱体に装着され
   たときに、前記被加熱体に接触して当該被加熱体の温度
   を検出する調理器用温度センサにおいて、複数種類の感
   温素子を備えたことを特徴とする調理器用温度センサ。
2. 【請求項２】 前記被加熱体に接触するアルミフタと、
   前記感温素子を収容すると共に前記アルミフタが嵌着さ
   れるケースと、該ケースを一方向に移動可能に保持する
   ホルダーとを有することを特徴とする請求項１の調理器
   用温度センサ。
3. 【請求項３】 前記複数種類の感温素子が、サーミスタ
   素子と、温度ヒューズであることを特徴とする請求項２
   の調理器用温度センサ。
4. 【請求項４】 前記温度ヒューズの２本のリードのうち
   一方が、前記アルミフタに近接配置されるように当該リ
   ードを折り曲げるとともに、当該リードと前記アルミフ
   タとの間に高熱伝導体を配したことを特徴とする請求項
   ３の調理器用温度センサ。
5. 【請求項５】 前記アルミフタと前記温度ヒューズとの
   間に絶縁シートを配したことを特徴とする請求項３の調
   理器用温度センサ。
6. 【請求項６】 前記ケースに、前記サーミスタ素子と前
   記温度ヒューズとの間を仕切る絶縁性の壁を設けるとと
   もに、前記サーミスタ素子の２本のリード間及び前記温
   度ヒューズの２本のリード間をそれぞれ仕切る絶縁性の
   壁を設けたことを特徴とする請求項３の調理器用温度セ
   ンサ。
7. 【請求項７】 前記ケースが絶縁性樹脂製であることを
   特徴とする請求項６の調理器用温度センサ。
8. 【請求項８】 前記ケースの、前記サーミスタ素子のリ
   ードの先端付近に対応する位置に窓を設け、該窓から接
   着剤を注入して、前記リードと外部引き出し用のリード
   との接続点を前記ケースに固定できるようにしたことを
   特徴とする請求項６の調理器用温度センサ。
9. 【請求項９】 前記ケースにスリットが形成され、前記
   ホルダーに前記スリットに対応するリブが形成され、前
   記ホルダーに対する前記ケースの回転が防止されること
   を特徴とする請求項２，３，４，５，６，７または８の
   調理器用温度センサ。