JP2000044307A - 高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤 - Google Patents
高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤Info
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Abstract
率を大幅に改良できる高流動吹付けコンクリ−ト用の
“急結剤”を提供すること。 【解決手段】 カルシウムアルミネ−ト:30〜90重
量%,石膏:10〜70重量%よりなる高流動吹付けコ
ンクリ−ト用急結剤。または、この急結剤に更にアルミ
ン酸アルカリ:2〜30重量%を配合した急結剤。高流
動吹付けコンクリ−トとしては、そのスランプフロ−が
400〜750mmのものを使用する。
Description
クリ−ト用急結剤に関し、特に、ベ−スコンクリ−トが
高流動コンクリ−トである場合に用いる高流動吹付けコ
ンクリ−ト用急結剤に関する。
露出した内面にコンクリ−トを吹付けライニングするこ
とにより、地盤の崩落防止が広く実施されている。上記
コンクリ−トの吹付け方法には、乾式・湿式工法があ
り、現在では、湿式工法が粉塵発生量,品質管理(例、
強度)などの面から有利であるため、主に採用されてい
る。
ンクリ−トを輸送パイプで圧送し、所定の露出面に該コ
ンクリ−トを吹付けてライニングする工法である。
時の付着性を良くするため、比較的高粘性(例えば、ス
ランプ;10〜22cm)の通常の生コンクリ−トが使
用されていた。該ベ−スコンクリ−トは急結性を有さな
いため、圧送途中で急結剤を添加混合することが行われ
ていた。
動コンクリ−ト」を用いた湿式工法が提案されている。
該「高流動コンクリ−ト」には、高性能減水剤(高性能
AE減水剤を含む)を加え、スランプフロ−400mm
以上のものが使用されている。
としては、例えば、カルシウムアルミネ−トにアルミン
酸アルカリおよび/またはアルカリ炭酸塩を混合したも
のが知られている。
トは、建築分野などで用いられているものと同様、水/
セメント比が小さいために、 ・高強度を発現し、さらに、ポンプ圧送性が良好であり
脈動が生じないために、 ・ライニングされたコンクリ−トの品質も安定してお
り、かつ、 ・吹付ける量を多量にすることが可能となり、吹付け作
業効率が飛躍的に向上できる、という利点を有してい
る。
スコンクリ−ト)に急結剤を混合すると、多くの場合、
高流動コンクリ−トのみの場合に比べ、長期強度が30
〜40%低下する、という欠点を有していた。この強度
低下は、高流動性を有さない通常の生コンクリ−トをベ
−スコンクリ−トとして用いた場合と同様の現象であ
る。
する方法が行われた。そのために、吹付け作業に時間を
要して作業効率が低下し、肉厚を厚くしたことによる吹
付け材料費が必然的に嵩むなど、特に、断面の大きいト
ンネル工事では、工期にも影響して無視しえない問題点
があった。
されたものであって、その目的は、 ・吹付けたコンクリ−トの長期圧縮強度(材令;28日)
の低下率(%)を大幅に改良できる、高流動吹付けコンク
リ−ト用の“急結剤”を提供することにある。
コンクリ−ト用として、特定の材料を用い特定の割合で
配合された急結剤であることを特徴とし、これにより、
上記目的を達成することができる高流動吹付けコンクリ
−ト用急結剤を提供するものである。
ンクリ−ト用急結剤)は、「カルシウムアルミネ−トが
30〜90重量%および石膏が10〜70重量%である
こと」(請求項1)、を要旨とする。
リ−ト用急結剤)は、「カルシウムアルミネ−トが30
〜90重量%,石膏が10〜70重量%およびアルミン
酸アルカリが50重量%以下であること」(請求項2)を
要旨とする。
〜750mmであること(請求項3)、を特徴とするもの
である。
本発明に係る高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤は、ベ
−スコンクリ−ト(混練物)として高流動性を具備したコ
ンクリ−ト混練物(以下“高流動吹付けコンクリ−ト”
という)に適用する。
コンクリ−トは、後記スランプフロ−試験によるスラン
プフロ−(値)が400mm以上の流動性を具備するコン
クリ−トである。該スランプフロ−(値)が400mm未
満の場合、長期強度の低下率が大きくなるので好ましく
ない。また、スランプフロ−(値)が大きくなるにしたが
ってリバウンド率が漸増するので、その率に応じて急結
材の添加量を増加させる必要があるところから、スラン
プフロ−(値)が750mm以下の高流動吹付けコンクリ
−トを用いるのが好ましい。なお、該高流動吹付けコン
クリ−トは、該スランプフロ−試験のさい、材料分離を
生じさせない配合のものでなければならない。
流動吹付けコンクリ−トに添加した場合、長期強度の低
下率を従来の半分以下の15%以内に抑制すると共に、
良好な急結性も維持できる。また、長期強度が改善され
る結果、吹付け厚さを薄くすることができることにより
吹付け材料の使用量が減少し、吹付け時間が短縮し、か
つ、単位時間当たりの吹付け量が増大するので施工効率
も改善される。さらに、上記特定の高流動吹付けコンク
リ−トは、ポンプ圧送性が良好(輸送過程に脈動が生じ
ない)にするため、ライニングされたコンクリ−トの品
質が平均化する、という長所がある。
体系高流動コンクリ−ト」,「増粘剤系高流動コンクリ
−ト」なども含まれ、特に限定するものではない。施工
効率,リバウンドなどの点から、次に示す配合のものが
好ましい。 ・水硬性粉体 ;450〜700kg/m3 ・単位水量 ;160〜200kg/m3 ・水/水硬性粉体;28〜40重量% ・粗骨材量 ;0.20〜0.24m3/m3 ・細骨材率 ;55〜65容量% ・増粘剤(注) ;2〜8kg/m3 (注)必要に応じて配合する。
ために用いる材料を説明する。 (1) 水硬性粉体;普通・早強ポルトランドセメントなど
ポルトランド系セメントのほか、該ポルトランド系セメ
ントに石灰石,珪石,フライアッシュ,スラグ,シリカ
ヒュ−ムなどの無機粉体混和材を配合したものが挙げら
れる。 (2) 高性能減水剤;アルキルアリルスルホン酸系,ナフ
タレンスルホン酸系,メラミンスルホン酸系,ポリカル
ボン酸系などの高性能減水剤(高性能AE減水剤を含む)
が挙げられる。なお、該高性能減水剤には、液体状,粉
末状のものが市販されているが、いずれも使用できる。 (3) 細骨材;川砂,海砂,山砂,砕砂およびこれらの混
合物が使用できる。 (4) 粗骨材;川砂利,海砂利,砕石およびこれらの混合
物が使用できる。 (5) 増粘剤;アクリル系,セルロ−ス系などいずれも必
要に応じて使用できる。
の設備・方法により上記材料・配合割合のものを混練す
れば良い。特に、これらについて限定しない。
説明する。[本発明の第1]の急結剤は、 ・カルシウムアルミネ−ト30〜90重量%および石膏
10〜70重量%、からなり、[本発明の第2]の急結剤
は、 ・カルシウムアルミネ−ト30〜90重量%及び石膏1
0〜70重量%、かつ、アルミン酸アルカリ50重量%
以下、からなる。
ついて説明する。カルシウムアルミネ−トおよび石膏
は、共通する。なお、化合物としてCaOは「C」、Al
2O3は「A」と略記する(「X」は、ハロゲン原子である)。
ルミネ−トは、CaO原料,Al2O3原料などを混合し
熱処理して製造された焼成物または溶融物に含有され、
それらを粉砕し粉末として用いられる。使用する各原料
は、50重量%以上の純度のものが好ましい。上記焼成
物および溶融物は、主にカルシウムアルミネ−ト(少な
くとも50重量%以上)からなる無定形および/または
鉱物である。該鉱物としては、C3A,C12A7,CA,
CA2,C11A7CaX2(カルシウムハロアルミネ−
ト),C4A3SO3(アゥイン),C3A3CaF2(フロロア
ゥイン)などの単体または複合体(混合物)が挙げられ
る。好ましいのは、C4A3SO3(アゥイン)およびC12
A7組成に対応する熱処理物から製造された無定形カル
シウムアルミネ−トである。細かさは、特に限定するも
のではないが、好ましくはブレ−ン比表面積で3000
cm2/g以上、特に好ましくは4000cm2/g以上
である。
ずれか、またはこれらの混合物を使用することができ
る。好ましいのは、無水石膏である。細かさは、特に限
定するものではないが、好ましくはブレ−ン比表面積で
3000cm2/g以上である。
ナトリウム,アルミン酸カリウムなどが使用できる。
る。[本発明の第1・第2]に共通する2成分(カルシウ
ムアルミネ−トおよび石膏)について述べる。カルシウ
ムアルミネ−トが30重量%未満の場合、急結性が低下
し、90重量%を超えた場合、長期強度が低下するの
で、いずれの場合も好ましくない。
量%を超えた場合、前者は長期強度が低下し、後者は急
結性が低下するので、いずれの場合も好ましくない。
カリは、前記2成分の急結性を一層向上させるために配
合する成分である。その割合(内割)は、50重量%以下
が好ましい。特に、急結性およびコストの観点より2〜
30重量%の配合が最も好ましい。割合が50重量%を
超えた場合、長期強度が低下するので好ましくない。
を慣用の設備を使用して適当な細かさにそれぞれ粉砕
し、場合によっては篩分けし、所望の割合に配合したの
ち、ミキサ−で混合すれば製造できる。
の添加量は、水硬性粉体に対し3〜15重量%が好まし
い。3重量%未満の場合、添加量が少なすぎて急結性が
不十分であり、逆に、15重量%を超えた場合、急結性
は良好であるが、長期強度の低下率が大きくなり、いず
れの場合も好ましくない。特に好ましい添加量は、5〜
10重量%である。
クリ−トに対する急結剤の添加方法は、従来法と同様で
あり、特に限定しない。
がって4種類の高流動吹付けコンクリ−ト(ベ−スコン
クリ−ト)を製造した(BC1〜4)。所定の各材料を2
軸強制練りミキサ−(0.1m3)に投入し、90秒間混
練した。得られた該コンクリ−トのスランプフロ−およ
び長期圧縮強度(材令;28日)を測定し、結果を同表に
併記した。なお、比較用として、通常のコンクリ−ト
(ベ−スコンクリ−ト)を上記と同様の方法で製造し、ス
ランプおよび長期圧縮強度の測定を行った(BC5)。
のようにして行った。予め、被吹付け体として、内面に
ラスボ−ドを張り付けたボックスカルバ−ト(幅2.5
×奥行3.0×高さ3.0m)を準備した。表2に示す
配合の急結剤をパイプ輸送中の表1に示す高流動吹付け
コンクリ−ト(BC1〜4)に供給し、該ボックスカルバ
−トの内面に吹き付けライニングした。その場合、1回
の吹付け量を0.15m3とした。 (注)使用した装置は、次のとおりである。 ・吹付け装置:富士物産社製 「アリバ260」 ・急結剤供給装置:日本プライブリコ社製 「Qガン」
縮強度(材令:28日)を測定した。そして、高流動吹付
けコンクリ−ト(ベ−スコンクリ−ト)の長期圧縮強度を
基準にして、急結剤が添加されたコンクリ−トの該強度
の低下率(%)を算出し、表2に併記した。また、吹付け
たのち、直ちにコンクリ−トのリバウンド率および急結
性を測定し、得た結果を同表に併記した。
の方法で、表1に示した通常のコンクリ−ト(BC5)お
よび高流動吹付けコンクリ−ト(BC1)に、表3に示す
配合の急結剤を供給し、ボックスカルバ−トの内面に吹
き付けライニングした。同様に、各測定を行い結果を表
3に併記した。比較例1,2は、通常のコンクリ−ト
を、比較例3〜5は、急結剤の成分の割合が本発明の規
定外のものを、比較例6は、急結剤の成分の異なる市販
の急結剤を、それぞれ用いた場合である。
常のコンクリ−ト及び急結剤を添加し吹付けした後のコ
ンクリ−トについて、スランプフロ−,圧縮強度,リバ
ウンド率および急結性の測定は、次に説明する方法で行
った。 1)スランプフロ−(値):混練直後の高流動吹付けコンク
リ−トを「JIS A 1101(コンクリ−トのスランプ試験方
法)」にしたがってスランプコ−ンを引き上げたのち、拡
がったコンクリ−トの最大直径とその直角方向の長さを
測定し、両者の長さの平均値をスランプフロ−(mm)と
した。なお、通常のコンクリ−ト(BC5)のスランプ
(mm)の測定は、該JIS規格にしたがった。 2)圧縮強度[材令;28日]:30×40×20cmの木
箱にコンクリ−トを吹付け、φ5×10cmの供試体を
採取し、20℃、湿空中で養生したのち、「JIS A 1108
(コンクリ−トの圧縮強度試験方法)」に準じて圧縮強度
(N/mm2)を測定した。 3)リバウンド率:ボックスカルバ−トの内面に吹付け
後、付着せずに落下したコンクリ−トの重量を、吹付け
に使用した全コンクリ−ト重量で除して、リバウンド率
(%)を算出した。 4)急結性:吹付け直後のライニングされたコンクリ−ト
を指触して、握り潰すことのできない場合を「〇」、若干
潰すことのできる場合を「△」、および握り潰せる場合を
「×」として評価した。
クリ−トに、本発明において特定の成分を特定の割合に
配合された急結剤を使用した実施例1〜20では、吹付
けたコンクリ−トの長期圧縮強度[材令;28日]の低下
率が大幅に改良され(15%以下)、急結性も十分保持し
ており、かつ、リバウンド率も良好であった。これに対
し、通常のコンクリ−トに本発明の急結剤(比較例1,
2)、及び、高流動吹付けコンクリ−トに本発明で規定
する成分の割合の範囲以外の急結剤(比較例3,5)を用
いて吹付けたコンクリ−トは、該強度の低下率が32〜
40%と著しく大きく、また、石膏の割合が過大な急結
剤を用いて吹付けたコンクリ−トは、急結性が劣悪であ
った(比較例4)。高流動吹付けコンクリ−トに、市販の
急結剤を用いた場合も、長期圧縮強度の低下率が大きか
った(比較例6)。
吹付けコンクリ−ト用として、特定の材料を用い特定の
割合で配合された急結剤であることを特徴とし、これに
より、吹付けたコンクリ−トの長期圧縮強度(材令;2
8日)の低下率(%)を大幅に改良できるうえに、急結性
を十分保持し、かつ、リバウンド率も良好である、とい
う効果を奏する。
あるために直ちに実用化できる、というメリットを有し
ている。
Claims (3)
- 【請求項1】 カルシウムアルミネ−トが30〜90重
量%及び石膏が10〜70重量%であることを特徴とす
る高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤。 - 【請求項2】 カルシウムアルミネ−トが30〜90重
量%,石膏が10〜70重量%およびアルミン酸アルカ
リが50重量%以下であることを特徴とする高流動吹付
けコンクリ−ト用急結剤。 - 【請求項3】 高流動吹付けコンクリ−トのスランプフ
ロ−が400〜750mmである請求項1または2に記
載の高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21434098A JP4651134B2 (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤 |
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