JP2000037001A - 摺動集電用炭素系材料、及び摺動集電用炭素系材料の製造方法 - Google Patents
摺動集電用炭素系材料、及び摺動集電用炭素系材料の製造方法Info
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- JP2000037001A JP2000037001A JP10216488A JP21648898A JP2000037001A JP 2000037001 A JP2000037001 A JP 2000037001A JP 10216488 A JP10216488 A JP 10216488A JP 21648898 A JP21648898 A JP 21648898A JP 2000037001 A JP2000037001 A JP 2000037001A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電性が良く、トロリー線との摩擦が小さ
く、摺板及びトロリー線の摩耗が少なく、十分な強度を
有する摺動集電用炭素系材料、及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 炭素からなる基材10と、金属からなり
少なくとも一方向への連続した電流導通経路を有すると
ともに基材10中に配設される導電経絡体11と、基材
10中に配設される炭素繊維補強部材12を備えた。
く、摺板及びトロリー線の摩耗が少なく、十分な強度を
有する摺動集電用炭素系材料、及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 炭素からなる基材10と、金属からなり
少なくとも一方向への連続した電流導通経路を有すると
ともに基材10中に配設される導電経絡体11と、基材
10中に配設される炭素繊維補強部材12を備えた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の部材と他方
の部材を接触させつつ摺動させることにより部材間で電
気の伝達を行う摺動集電に用いられる炭素系材料、及び
この炭素系材料の製造方法に関するものである。
の部材を接触させつつ摺動させることにより部材間で電
気の伝達を行う摺動集電に用いられる炭素系材料、及び
この炭素系材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電車や電気機関車などの電気鉄道車両
は、架空線(以下、「トロリー線」という。)からパン
タグラフを介して集電を行っている。このパンタグラフ
は、電気鉄道車両の屋根上に取り付けられる装置であ
り、図10に示すような構成を有している。
は、架空線(以下、「トロリー線」という。)からパン
タグラフを介して集電を行っている。このパンタグラフ
は、電気鉄道車両の屋根上に取り付けられる装置であ
り、図10に示すような構成を有している。
【0003】図10に示すように、このパンタグラフ5
00においては、電気鉄道車両の屋根の上に、電気絶縁
用の碍子507に乗った台枠506が置かれ、台枠50
6の上に主軸508が軸受で支持され、この主軸508
から下枠501が斜め上方に立設され、他の軸受を介し
て上枠502が下枠501とは逆の斜め方向に向うよう
に支えられている。この上枠502の頂点付近には、略
舟状の集電舟503が配設されている。また、この集電
舟503上には、トロリー線(図示せず)の下面を摺動
する摺板がネジ等によって取り付けられている。トロリ
ー線から摺板504が離れる「離線現象」が生じないよ
うにパンタグラフ500をつねにトロリー線に追随させ
るため、主ばね505により主軸508が軸まわり回転
方向に付勢され、下枠501,上枠502が集電舟50
3を上方へ押し上げるようになっている。
00においては、電気鉄道車両の屋根の上に、電気絶縁
用の碍子507に乗った台枠506が置かれ、台枠50
6の上に主軸508が軸受で支持され、この主軸508
から下枠501が斜め上方に立設され、他の軸受を介し
て上枠502が下枠501とは逆の斜め方向に向うよう
に支えられている。この上枠502の頂点付近には、略
舟状の集電舟503が配設されている。また、この集電
舟503上には、トロリー線(図示せず)の下面を摺動
する摺板がネジ等によって取り付けられている。トロリ
ー線から摺板504が離れる「離線現象」が生じないよ
うにパンタグラフ500をつねにトロリー線に追随させ
るため、主ばね505により主軸508が軸まわり回転
方向に付勢され、下枠501,上枠502が集電舟50
3を上方へ押し上げるようになっている。
【0004】上記したパンタグラフ500の構成要素の
うち、摺板504は、硬質銅材からなるトロリー線の下
面と接触しつつ互いに摩擦しながら大電流を集電する。
このため、摺板の材料は、以下のような条件を満足する
必要がある。 (1) 導電性が良いこと (2) 摩擦抵抗が小さく、トロリー線表面上を滑りやすい
こと (3) 摺板自身の摩耗が少なく、かつ相手のトロリー線も
摩耗させにくいこと (4) 使用により厚みが薄くなっても破損等を生じないよ
うな強度を有すること
うち、摺板504は、硬質銅材からなるトロリー線の下
面と接触しつつ互いに摩擦しながら大電流を集電する。
このため、摺板の材料は、以下のような条件を満足する
必要がある。 (1) 導電性が良いこと (2) 摩擦抵抗が小さく、トロリー線表面上を滑りやすい
こと (3) 摺板自身の摩耗が少なく、かつ相手のトロリー線も
摩耗させにくいこと (4) 使用により厚みが薄くなっても破損等を生じないよ
うな強度を有すること
【0005】上記のような条件から、従来は、摺板50
4の材料としては、鉄や銅を含む焼結合金などが用いら
れていた。
4の材料としては、鉄や銅を含む焼結合金などが用いら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のパンタグラフにおいては、寒冷地の厳冬期にお
いて、トロリー線に氷や霜が付着した場合、その付着箇
所をパンタグラフが通過すると、離線が起こり、アーク
(火花)が発生することがある。このアークが発生する
と、トロリー線や摺板等が損耗し、著しい場合には摺板
に異常な溶損が生じることがあった。このため、摺板の
材料としては、アークにより損耗されることの少ない
「耐アーク性」の高い材料が望まれていた。
た従来のパンタグラフにおいては、寒冷地の厳冬期にお
いて、トロリー線に氷や霜が付着した場合、その付着箇
所をパンタグラフが通過すると、離線が起こり、アーク
(火花)が発生することがある。このアークが発生する
と、トロリー線や摺板等が損耗し、著しい場合には摺板
に異常な溶損が生じることがあった。このため、摺板の
材料としては、アークにより損耗されることの少ない
「耐アーク性」の高い材料が望まれていた。
【0007】この高耐アーク性材料として、純銅材が試
用されたが、純銅製摺板は、導電性は良好だが、銅製の
トロリー線の摩耗は焼結合金の場合よりも増大する、と
いう問題があった。
用されたが、純銅製摺板は、導電性は良好だが、銅製の
トロリー線の摩耗は焼結合金の場合よりも増大する、と
いう問題があった。
【0008】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、導
電性が良く、トロリー線との摩擦が小さく、摺板及びト
ロリー線の摩耗が少なく、十分な強度を有する摺動集電
用材料、及びその製造方法を提供することにある。
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、導
電性が良く、トロリー線との摩擦が小さく、摺板及びト
ロリー線の摩耗が少なく、十分な強度を有する摺動集電
用材料、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る摺動集電用炭素系材料は、炭素からな
る基材と、金属からなり少なくとも一方向への連続した
電流導通経路を有するとともに前記基材中に配設される
一又は複数の導電経絡体を備えたことを特徴とする。
め、本発明に係る摺動集電用炭素系材料は、炭素からな
る基材と、金属からなり少なくとも一方向への連続した
電流導通経路を有するとともに前記基材中に配設される
一又は複数の導電経絡体を備えたことを特徴とする。
【0010】上記した摺動集電用炭素系材料において、
好ましくは、前記導電経絡体と前記基材は略層状に形成
され、積層される。
好ましくは、前記導電経絡体と前記基材は略層状に形成
され、積層される。
【0011】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記導電経絡体は金属からなる略平
板状部材である。
いて、好ましくは、前記導電経絡体は金属からなる略平
板状部材である。
【0012】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記略平板状部材には複数の断面欠
損部が形成される。
いて、好ましくは、前記略平板状部材には複数の断面欠
損部が形成される。
【0013】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記導電経絡体は、金属繊維又は複
数の金属繊維が集束された繊維集束部材が互いに経絡さ
れることにより作製される繊維経絡部材である。
いて、好ましくは、前記導電経絡体は、金属繊維又は複
数の金属繊維が集束された繊維集束部材が互いに経絡さ
れることにより作製される繊維経絡部材である。
【0014】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記繊維経絡部材は、前記金属繊維
又は前記繊維集束部材を複数用いて形成される略布状部
材である。
いて、好ましくは、前記繊維経絡部材は、前記金属繊維
又は前記繊維集束部材を複数用いて形成される略布状部
材である。
【0015】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記略布状部材は、前記金属繊維又
は繊維集束部材を複数用い、織製により形成される略織
布状部材である。
いて、好ましくは、前記略布状部材は、前記金属繊維又
は繊維集束部材を複数用い、織製により形成される略織
布状部材である。
【0016】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記略布状部材は、前記金属繊維を
複数略無秩序に配設することにより形成される略不織布
状部材である。
いて、好ましくは、前記略布状部材は、前記金属繊維を
複数略無秩序に配設することにより形成される略不織布
状部材である。
【0017】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記導電経絡体は、金属からなる略
帯状部材が互いに経絡されることにより作製される帯製
経絡部材である。
いて、好ましくは、前記導電経絡体は、金属からなる略
帯状部材が互いに経絡されることにより作製される帯製
経絡部材である。
【0018】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記導電経絡体は、電流導通経路の
方向が第1方向である第1素材と、電流導通経路の方向
が前記第1方向とは異なる第2方向である第2素材とが
組み合わされ集成される。
いて、好ましくは、前記導電経絡体は、電流導通経路の
方向が第1方向である第1素材と、電流導通経路の方向
が前記第1方向とは異なる第2方向である第2素材とが
組み合わされ集成される。
【0019】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記導電経絡体は金属からなる略柱
状部材である。
いて、好ましくは、前記導電経絡体は金属からなる略柱
状部材である。
【0020】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、金属からなり前記導電経絡体を相互
に繋ぐ繋続部材を備えた。
いて、好ましくは、金属からなり前記導電経絡体を相互
に繋ぐ繋続部材を備えた。
【0021】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、前記繋続部材は、金属繊維、前記金
属繊維が複数集束された繊維集束部材、金属からなる略
帯状部材、金属からなる略平板状部材、前記金属繊維又
は前記繊維集束部材が互いに経絡されることにより作製
される繊維経絡部材、金属からなる略帯状部材が互いに
経絡されることにより作製される帯経絡部材、金属から
なる柱状部材のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合
わせを有する。
いて、好ましくは、前記繋続部材は、金属繊維、前記金
属繊維が複数集束された繊維集束部材、金属からなる略
帯状部材、金属からなる略平板状部材、前記金属繊維又
は前記繊維集束部材が互いに経絡されることにより作製
される繊維経絡部材、金属からなる略帯状部材が互いに
経絡されることにより作製される帯経絡部材、金属から
なる柱状部材のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合
わせを有する。
【0022】また、上記した摺動集電用炭素系材料にお
いて、好ましくは、炭素繊維からなり前記基材中に配設
されて前記基材を強化する炭素繊維補強部材を備えた。
いて、好ましくは、炭素繊維からなり前記基材中に配設
されて前記基材を強化する炭素繊維補強部材を備えた。
【0023】また、本発明に係る摺動集電用炭素系材料
の第1の製造方法は、金属からなり少なくとも一方向へ
の連続した電流導通経路を有する一又は複数の導電経絡
体と、炭素繊維を含むとともに前記導電経絡体を挟持し
若しくは前記導電経絡体どうしの間に介設される介設部
材とを積層して予形成部材を形成する予形成工程と、次
いで前記予形成部材を第1の温度で加熱しつつ所定圧力
で加圧する成型処理工程と、次いで第2の温度で加熱す
る炭化処理工程と、次いで必要に応じて第3の温度で加
熱する黒鉛化処理工程を有することを特徴とする。
の第1の製造方法は、金属からなり少なくとも一方向へ
の連続した電流導通経路を有する一又は複数の導電経絡
体と、炭素繊維を含むとともに前記導電経絡体を挟持し
若しくは前記導電経絡体どうしの間に介設される介設部
材とを積層して予形成部材を形成する予形成工程と、次
いで前記予形成部材を第1の温度で加熱しつつ所定圧力
で加圧する成型処理工程と、次いで第2の温度で加熱す
る炭化処理工程と、次いで必要に応じて第3の温度で加
熱する黒鉛化処理工程を有することを特徴とする。
【0024】上記した摺動集電用炭素系材料の製造方法
において、好ましくは、前記成型処理工程に先立ち、前
記予形成部材に金属からなる繋続部材を貫入させ、又は
前記予形成部材に作業用孔若しくは作業用凹部を形成し
た後に前記繋続部材を挿入させることにより前記繋続部
材を配設する繋続部材配設工程が実施される。
において、好ましくは、前記成型処理工程に先立ち、前
記予形成部材に金属からなる繋続部材を貫入させ、又は
前記予形成部材に作業用孔若しくは作業用凹部を形成し
た後に前記繋続部材を挿入させることにより前記繋続部
材を配設する繋続部材配設工程が実施される。
【0025】また、上記した摺動集電用炭素系材料の製
造方法において、好ましくは、前記予形成工程では、炭
素繊維が織られ又は絡み合わされて形成された炭素繊維
部材が、前記介設部材に代えて、又は前記介設部材と併
用されて積層される。
造方法において、好ましくは、前記予形成工程では、炭
素繊維が織られ又は絡み合わされて形成された炭素繊維
部材が、前記介設部材に代えて、又は前記介設部材と併
用されて積層される。
【0026】また、本発明に係る摺動集電用炭素系材料
の第2の製造方法は、炭素繊維を含む平板状部材を積層
して予形成部材を形成する予形成工程と、次いで前記予
形成部材を第1の温度で加熱しつつ所定圧力で加圧する
成型処理工程と、次いで第2の温度で加熱する炭化処理
工程と、次いで必要に応じて第3の温度で加熱する黒鉛
化処理工程と、次いで作製された炭素繊維強化炭素複合
材料部材に貫通孔を開設する開孔工程と、次いで前記貫
通孔内に金属からなる略柱状の導電経絡体を形成させる
導電経絡体形成工程を有することを特徴とする。
の第2の製造方法は、炭素繊維を含む平板状部材を積層
して予形成部材を形成する予形成工程と、次いで前記予
形成部材を第1の温度で加熱しつつ所定圧力で加圧する
成型処理工程と、次いで第2の温度で加熱する炭化処理
工程と、次いで必要に応じて第3の温度で加熱する黒鉛
化処理工程と、次いで作製された炭素繊維強化炭素複合
材料部材に貫通孔を開設する開孔工程と、次いで前記貫
通孔内に金属からなる略柱状の導電経絡体を形成させる
導電経絡体形成工程を有することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しつつ詳細に説明する。
て、図を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である摺動集電用炭素系
材料の構成を示す斜視図である。
材料の構成を示す斜視図である。
【0029】図1に示すように、この摺動集電用炭素系
材料101は、基材10と、導電経絡体11と、炭素繊
維補強部材12を備えて構成されている。また、導電経
絡体11と基材10は略層状に形成され、相互に略サン
ドウィッチ状態に積層されている。また、炭素繊維補強
部材12は、基材10中に配設されている。
材料101は、基材10と、導電経絡体11と、炭素繊
維補強部材12を備えて構成されている。また、導電経
絡体11と基材10は略層状に形成され、相互に略サン
ドウィッチ状態に積層されている。また、炭素繊維補強
部材12は、基材10中に配設されている。
【0030】上記した基材10は、炭素(C)からなる
材料により構成されている。この炭素材料としては、例
えば炭素が六角網目状に平面連鎖した層を構成する黒鉛
(グラファイト)、黒鉛の層面の配列が乱れた乱層構造
の炭素、無定形状炭素(非晶質炭素又はガラス状炭素)
等が利用可能である。
材料により構成されている。この炭素材料としては、例
えば炭素が六角網目状に平面連鎖した層を構成する黒鉛
(グラファイト)、黒鉛の層面の配列が乱れた乱層構造
の炭素、無定形状炭素(非晶質炭素又はガラス状炭素)
等が利用可能である。
【0031】また、上記の基材10の炭素中には、部分
的に金属又は金属化合物又は無機化合物若しくはこれら
の適宜の組合わせを添加することができる。これらの添
加成分としては、Cu,Fe,Al,Si,Sn,P
b,Bi,Sb,Ti,W,Mo,Cr,Zr等の金
属、TiC,ZrC,SiC,B4 C等の炭化物、Al
2O3 ,MgO,PbO,Fe2 O3 ,ZnO,Cr2
O3 ,SiO2 ,TiO2等の酸化物、Si3 N4 ,T
iN,ZrN,BN,AlN等の窒化物、ZnS,Cr
S,WS2 ,MoS2 ,FeS,CuS等の硫化物、T
iB2 ,ZrB2 等のホウ化物、及びCaCO3 ,Ba
SO4 等の無機化合物が挙げられる。
的に金属又は金属化合物又は無機化合物若しくはこれら
の適宜の組合わせを添加することができる。これらの添
加成分としては、Cu,Fe,Al,Si,Sn,P
b,Bi,Sb,Ti,W,Mo,Cr,Zr等の金
属、TiC,ZrC,SiC,B4 C等の炭化物、Al
2O3 ,MgO,PbO,Fe2 O3 ,ZnO,Cr2
O3 ,SiO2 ,TiO2等の酸化物、Si3 N4 ,T
iN,ZrN,BN,AlN等の窒化物、ZnS,Cr
S,WS2 ,MoS2 ,FeS,CuS等の硫化物、T
iB2 ,ZrB2 等のホウ化物、及びCaCO3 ,Ba
SO4 等の無機化合物が挙げられる。
【0032】また、導電経絡体11は、金属材料により
構成されている。この金属材料としては、導電性が良好
で所定の強度を有するもの、例えば銅(Cu)とCu−
Sn,Cu−Zn,Cu−Al,Cu−Ti,Cu−C
r,Cu−Ni−Zn等の各種銅合金,W,Mn,A
l,Ti等の非鉄金属とその合金、及び鋳鉄と各種鋼
(例えばFe,Fe−C,その他の合金鋼)等が利用可
能である。また、導電経絡体11は、これらの金属材料
を薄板状又は箔状に形成し、細長孔状の断面欠損部11
aを多数開設した略平板状部材である。これらの断面欠
損部11aは、パンチング加工等により形成される。ま
た、部材の端縁付近においては、細長孔状ではなく切欠
部状の断面欠損部11bとなっている。これらの断面欠
損部11a,11b内には、基材10の炭素分が充填さ
れた構成となっている。
構成されている。この金属材料としては、導電性が良好
で所定の強度を有するもの、例えば銅(Cu)とCu−
Sn,Cu−Zn,Cu−Al,Cu−Ti,Cu−C
r,Cu−Ni−Zn等の各種銅合金,W,Mn,A
l,Ti等の非鉄金属とその合金、及び鋳鉄と各種鋼
(例えばFe,Fe−C,その他の合金鋼)等が利用可
能である。また、導電経絡体11は、これらの金属材料
を薄板状又は箔状に形成し、細長孔状の断面欠損部11
aを多数開設した略平板状部材である。これらの断面欠
損部11aは、パンチング加工等により形成される。ま
た、部材の端縁付近においては、細長孔状ではなく切欠
部状の断面欠損部11bとなっている。これらの断面欠
損部11a,11b内には、基材10の炭素分が充填さ
れた構成となっている。
【0033】このような構成により、導電経絡体11
は、図における部材の長手方向,短手方向,あるいは平
面展開方向のいずれへも連続して電流が通電可能であ
り、連続した電流導通経路を有している。
は、図における部材の長手方向,短手方向,あるいは平
面展開方向のいずれへも連続して電流が通電可能であ
り、連続した電流導通経路を有している。
【0034】また、炭素繊維補強部材12は、炭素繊維
(カーボンファイバー)により構成されている。また、
これらの炭素繊維補強部材は、図に示す部材の長手方向
に延設されている。
(カーボンファイバー)により構成されている。また、
これらの炭素繊維補強部材は、図に示す部材の長手方向
に延設されている。
【0035】上記した炭素繊維補強部材に使用する炭素
繊維としては、PAN(ポリアクリルニトリル),石炭
(コールタール)ピッチ,石油ピッチ等を前駆体とし、
空気酸化による架橋構造化を施す安定化工程と、炭素化
工程と、黒鉛化工程を行うことにより生成されるもの、
熱硬化性樹脂を紡糸、硬化、カーボン化させて生成され
るガラス状炭素繊維、気相の炭素から成長させる気相成
長炭素繊維(VGCF)等が使用可能である。
繊維としては、PAN(ポリアクリルニトリル),石炭
(コールタール)ピッチ,石油ピッチ等を前駆体とし、
空気酸化による架橋構造化を施す安定化工程と、炭素化
工程と、黒鉛化工程を行うことにより生成されるもの、
熱硬化性樹脂を紡糸、硬化、カーボン化させて生成され
るガラス状炭素繊維、気相の炭素から成長させる気相成
長炭素繊維(VGCF)等が使用可能である。
【0036】上記のような構成により、この摺動集電用
炭素系材料101は、 図1に示す面S1 をパンタグラフとの摺動面に用い
れば、電流が導電経絡体11を通って確実に流れるの
で、電気抵抗が低く導電性が非常に良いこと 炭素材料は、摺動時の摩擦抵抗が小さく、トロリー
線表面上を滑りやすく、トロリー線の摺動面を滑らかに
し、トロリー線を摩耗させにくいこと 炭素材料の単体ではなく、金属薄板状の導電経絡体
11が積層されているため、摺板自身の摩耗が少ないこ
と 炭素繊維補強部材12により補強され、さらに金属
製の導電経絡体11も補強材料として機能するため、引
張応力,曲げ応力,せん断応力,衝撃応力等に対して十
分な強度や靱性を有し、パンタグラフ摺板として長期間
使用され厚みが薄くなっても破損等を生じることがな
く、かつ断面欠損部11a,11b内に炭素部が充填さ
れ、導電経絡体11を挟む上下の基材10が一部で連結
しているので、基材10から導電経絡体11が剥離する
ことが防止されていること 離線時のアークによる損耗が少なく、耐アーク性が
高いこと 従来のパンタグラフ摺板に用いられていた焼結合金
に比べて非常に軽量であり、高速車両のパンタグラフ摺
板材料として適していること等の利点を有している。
炭素系材料101は、 図1に示す面S1 をパンタグラフとの摺動面に用い
れば、電流が導電経絡体11を通って確実に流れるの
で、電気抵抗が低く導電性が非常に良いこと 炭素材料は、摺動時の摩擦抵抗が小さく、トロリー
線表面上を滑りやすく、トロリー線の摺動面を滑らかに
し、トロリー線を摩耗させにくいこと 炭素材料の単体ではなく、金属薄板状の導電経絡体
11が積層されているため、摺板自身の摩耗が少ないこ
と 炭素繊維補強部材12により補強され、さらに金属
製の導電経絡体11も補強材料として機能するため、引
張応力,曲げ応力,せん断応力,衝撃応力等に対して十
分な強度や靱性を有し、パンタグラフ摺板として長期間
使用され厚みが薄くなっても破損等を生じることがな
く、かつ断面欠損部11a,11b内に炭素部が充填さ
れ、導電経絡体11を挟む上下の基材10が一部で連結
しているので、基材10から導電経絡体11が剥離する
ことが防止されていること 離線時のアークによる損耗が少なく、耐アーク性が
高いこと 従来のパンタグラフ摺板に用いられていた焼結合金
に比べて非常に軽量であり、高速車両のパンタグラフ摺
板材料として適していること等の利点を有している。
【0037】上記した摺動集電用炭素系材料101は、
炭素(C)からなる繊維部材を炭素(C)からなる基材
中に配設することにより形成された炭素繊維強化炭素複
合材料(以下、「C/Cコンポジット」という。)と、
金属製の導電経絡体11との複合材料となっている。
炭素(C)からなる繊維部材を炭素(C)からなる基材
中に配設することにより形成された炭素繊維強化炭素複
合材料(以下、「C/Cコンポジット」という。)と、
金属製の導電経絡体11との複合材料となっている。
【0038】上記した摺動集電用炭素系材料101で
は、C/Cコンポジットは、炭素からなるマトリックス
(基材又は母材)中に、炭素繊維(カーボンファイバ
ー)からなる炭素繊維補強部材を配設した例について説
明したが、炭素繊維補強部材は他の構成であってもよ
い。C/Cコンポジットの構成については、炭素からな
るマトリックス中に配設される炭素繊維からなる炭素繊
維補強部材における炭素繊維の延在方向によって、「一
方向材」と、「二方向材」と、「等方材」に分類するこ
とができる。
は、C/Cコンポジットは、炭素からなるマトリックス
(基材又は母材)中に、炭素繊維(カーボンファイバ
ー)からなる炭素繊維補強部材を配設した例について説
明したが、炭素繊維補強部材は他の構成であってもよ
い。C/Cコンポジットの構成については、炭素からな
るマトリックス中に配設される炭素繊維からなる炭素繊
維補強部材における炭素繊維の延在方向によって、「一
方向材」と、「二方向材」と、「等方材」に分類するこ
とができる。
【0039】上記した一方向材とは、図1に示した実施
形態のように、炭素繊維の延在方向を一方向にそろえた
ものであり、炭素繊維の延在方向の強度が非常に高いも
のとなる。このような一方向材を形成するためには、炭
素繊維を平行に並設して形成したテープ状部材又はシー
ト状部材等の一方向の炭素繊維補強部材を単体で炭素マ
トリックス中に配置したり、上記の一方向炭素繊維補強
部材を炭素繊維方向が同一となるように複数積層して炭
素マトリックス中に配置する。
形態のように、炭素繊維の延在方向を一方向にそろえた
ものであり、炭素繊維の延在方向の強度が非常に高いも
のとなる。このような一方向材を形成するためには、炭
素繊維を平行に並設して形成したテープ状部材又はシー
ト状部材等の一方向の炭素繊維補強部材を単体で炭素マ
トリックス中に配置したり、上記の一方向炭素繊維補強
部材を炭素繊維方向が同一となるように複数積層して炭
素マトリックス中に配置する。
【0040】また、二方向材とは、炭素繊維の延在方向
が2つの異なる方向となっているものである。2つの延
在方向としては任意の方向が可能であるが、特に、互い
に直交するように配置することが多い。この二方向材で
は、それぞれの方向に配置される炭素繊維の量等によ
り、それぞれの方向の強度が決定され、一般には、いず
れか一方の方向への強度が卓越するが、炭素繊維量を適
当に調整すれば、両方向の強度を等しくさせることがで
きる。このような二方向材を形成するためには、上記の
一方向炭素繊維補強部材を炭素繊維の延在方向が2つの
所定の方向となるように複数積層して炭素マトリックス
中に配置する方法と、炭素繊維を互いに2つの所定の方
向となるようにして平織り等を施し織布状の二方向炭素
繊維補強部材を形成し単体又は積層体として炭素マトリ
ックス中に配置する方法とがある。
が2つの異なる方向となっているものである。2つの延
在方向としては任意の方向が可能であるが、特に、互い
に直交するように配置することが多い。この二方向材で
は、それぞれの方向に配置される炭素繊維の量等によ
り、それぞれの方向の強度が決定され、一般には、いず
れか一方の方向への強度が卓越するが、炭素繊維量を適
当に調整すれば、両方向の強度を等しくさせることがで
きる。このような二方向材を形成するためには、上記の
一方向炭素繊維補強部材を炭素繊維の延在方向が2つの
所定の方向となるように複数積層して炭素マトリックス
中に配置する方法と、炭素繊維を互いに2つの所定の方
向となるようにして平織り等を施し織布状の二方向炭素
繊維補強部材を形成し単体又は積層体として炭素マトリ
ックス中に配置する方法とがある。
【0041】また、等方材とは、炭素繊維の延在方向が
ランダムになっているものである。また、ランダムな方
向については、平面的にランダムな場合と、三次元的に
ランダムな場合とがある。この等方材では、各方向に配
置される炭素繊維の量等により、それぞれの方向の強度
が決定され、一般的には、いずれか一方の方向への強度
が卓越するが、炭素繊維量を適当に調整すれば、三次元
のどの方向の強度も等しい等方性材料となるようにさせ
ることができる。このような等方材を形成するために
は、炭素繊維をランダムに絡み合わせて不織布状(フェ
ルト状)の等方炭素繊維補強部材を形成し単体又は積層
体として炭素マトリックス中に配置する方法がある。
ランダムになっているものである。また、ランダムな方
向については、平面的にランダムな場合と、三次元的に
ランダムな場合とがある。この等方材では、各方向に配
置される炭素繊維の量等により、それぞれの方向の強度
が決定され、一般的には、いずれか一方の方向への強度
が卓越するが、炭素繊維量を適当に調整すれば、三次元
のどの方向の強度も等しい等方性材料となるようにさせ
ることができる。このような等方材を形成するために
は、炭素繊維をランダムに絡み合わせて不織布状(フェ
ルト状)の等方炭素繊維補強部材を形成し単体又は積層
体として炭素マトリックス中に配置する方法がある。
【0042】次に、上記した摺動集電用炭素系材料10
1の製造方法について説明する。摺動集電用炭素系材料
101の製造方法としては、「ホットプレス法」、「含
浸法」、「CVD法」等が採用可能である。
1の製造方法について説明する。摺動集電用炭素系材料
101の製造方法としては、「ホットプレス法」、「含
浸法」、「CVD法」等が採用可能である。
【0043】「ホットプレス法」とは、以下の工程から
なる。まず、炭素繊維を含む介設部材と、導電経絡体1
1を積層して予形成部材を形成する(以下、「予形成工
程」という。)。その後、ホットプレスにより第1の温
度(例えば約300〜900°C程度)に加熱しつつ所
定圧力(例えば常圧〜300kg/cm2 )を加えて成
型処理を行う(以下、「成型処理工程」という。)。第
2の温度(例えば約700〜1300°C程度)に加熱
して炭素化する(以下、「炭化処理工程」という。)。
その後、必要に応じて、さらに第3の温度(例えば約1
300〜3000°C程度)に加熱して黒鉛化させる
(以下、「黒鉛化処理工程」という。)。
なる。まず、炭素繊維を含む介設部材と、導電経絡体1
1を積層して予形成部材を形成する(以下、「予形成工
程」という。)。その後、ホットプレスにより第1の温
度(例えば約300〜900°C程度)に加熱しつつ所
定圧力(例えば常圧〜300kg/cm2 )を加えて成
型処理を行う(以下、「成型処理工程」という。)。第
2の温度(例えば約700〜1300°C程度)に加熱
して炭素化する(以下、「炭化処理工程」という。)。
その後、必要に応じて、さらに第3の温度(例えば約1
300〜3000°C程度)に加熱して黒鉛化させる
(以下、「黒鉛化処理工程」という。)。
【0044】「含浸法」とは、炭素繊維からなる部材と
導電経絡体11とを積層して予形成部材を形成後に加熱
して炭素化した後、ピッチを含浸させ、炭素化する工程
を繰り返し、黒鉛化させる方法である。
導電経絡体11とを積層して予形成部材を形成後に加熱
して炭素化した後、ピッチを含浸させ、炭素化する工程
を繰り返し、黒鉛化させる方法である。
【0045】また、「CVD法」とは、炭素繊維からな
る部材と導電経絡体11とを積層して予形成部材を形成
後に加熱して炭素化した後、CVD(化学蒸着)により
炭化水素系ガスからの炭素を表面に沈着させる方法であ
る。
る部材と導電経絡体11とを積層して予形成部材を形成
後に加熱して炭素化した後、CVD(化学蒸着)により
炭化水素系ガスからの炭素を表面に沈着させる方法であ
る。
【0046】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。図2
は、本発明の第2実施形態である摺動集電用炭素系材料
に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
は、本発明の第2実施形態である摺動集電用炭素系材料
に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
【0047】図2に示すように、この摺動集電用炭素系
材料102は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材(図示せず)と、導電経絡体21と、第1実施形
態の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設されて
基材を強化する炭素繊維補強部材(図示せず)を備えて
構成されている。また、導電経絡体21と基材は略層状
に形成され、相互に略サンドウィッチ状態に積層されて
いる。この第2実施形態の摺動集電用炭素系材料102
が上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101
と異なるのは、第1実施形態の場合とは異なる導電経絡
体21を備えた点である。このため、以下においては、
基材と炭素繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体2
1について説明を行う。
材料102は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材(図示せず)と、導電経絡体21と、第1実施形
態の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設されて
基材を強化する炭素繊維補強部材(図示せず)を備えて
構成されている。また、導電経絡体21と基材は略層状
に形成され、相互に略サンドウィッチ状態に積層されて
いる。この第2実施形態の摺動集電用炭素系材料102
が上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101
と異なるのは、第1実施形態の場合とは異なる導電経絡
体21を備えた点である。このため、以下においては、
基材と炭素繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体2
1について説明を行う。
【0048】導電経絡体21は、第1実施形態の場合と
同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等に
より構成されている。まず、これらの金属材料から繊維
状の金属繊維24を形成し、これらを複数並設してバイ
ンダ材23を含浸させてホットプレス等を施した略テー
プ状の繊維集束部材22を作製する。このバインダ材2
3としては、ホットプレス後に炭素材料となるもの、あ
るいは導電性接着材などが用いられる。次に、これらの
繊維集束部材22を複数用意し、略市松状となるように
互いに編み込むことにより織製を行い、さらにホットプ
レス等を施し、略織布状の導電経絡体21を形成する。
同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等に
より構成されている。まず、これらの金属材料から繊維
状の金属繊維24を形成し、これらを複数並設してバイ
ンダ材23を含浸させてホットプレス等を施した略テー
プ状の繊維集束部材22を作製する。このバインダ材2
3としては、ホットプレス後に炭素材料となるもの、あ
るいは導電性接着材などが用いられる。次に、これらの
繊維集束部材22を複数用意し、略市松状となるように
互いに編み込むことにより織製を行い、さらにホットプ
レス等を施し、略織布状の導電経絡体21を形成する。
【0049】このような構成により、この導電経絡体2
1は、少なくとも図における金属繊維24の延設方向へ
連続して電流が通電可能であり、少なくとも一方向への
連続した電流導通経路を有している。
1は、少なくとも図における金属繊維24の延設方向へ
連続して電流が通電可能であり、少なくとも一方向への
連続した電流導通経路を有している。
【0050】上記のような構成により、この摺動集電用
炭素系材料102は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様に、電流が確実に流れ得る電流導通経
路を有しているため導電性に優れ、かつ、金属製導電経
絡体21も補強材料として機能するため十分な強度や靱
性を有する。また、その他、第1実施形態の場合と同様
な利点を有している。特に、バインダ材23として導電
性接着材を用いれば、導電経絡体21は、図における平
面展開方向のいずれの方向へも連続して電流が通電可能
となる。
炭素系材料102は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様に、電流が確実に流れ得る電流導通経
路を有しているため導電性に優れ、かつ、金属製導電経
絡体21も補強材料として機能するため十分な強度や靱
性を有する。また、その他、第1実施形態の場合と同様
な利点を有している。特に、バインダ材23として導電
性接着材を用いれば、導電経絡体21は、図における平
面展開方向のいずれの方向へも連続して電流が通電可能
となる。
【0051】(3)第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について説明する。図3
は、本発明の第3実施形態である摺動集電用炭素系材料
に用いる導電経絡体の構成を示す図であり、図3(A)
は斜視図を、図3(B)は作製方法を説明する概念図
を、それぞれ示している。
は、本発明の第3実施形態である摺動集電用炭素系材料
に用いる導電経絡体の構成を示す図であり、図3(A)
は斜視図を、図3(B)は作製方法を説明する概念図
を、それぞれ示している。
【0052】図に示すように、この摺動集電用炭素系材
料103は、第1実施形態の場合と同様な炭素からなる
基材(図示せず)と、導電経絡体31と、第1実施形態
の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設されて基
材を強化する炭素繊維補強部材(図示せず)を備えて構
成されている。また、導電経絡体31と基材は略層状に
形成され、相互に略サンドウィッチ状態に積層されてい
る。この第3実施形態の摺動集電用炭素系材料103が
上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101と
異なるのは、第1実施形態の場合とは異なる導電経絡体
31を備えた点である。このため、以下においては、基
材と炭素繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体31
について説明を行う。
料103は、第1実施形態の場合と同様な炭素からなる
基材(図示せず)と、導電経絡体31と、第1実施形態
の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設されて基
材を強化する炭素繊維補強部材(図示せず)を備えて構
成されている。また、導電経絡体31と基材は略層状に
形成され、相互に略サンドウィッチ状態に積層されてい
る。この第3実施形態の摺動集電用炭素系材料103が
上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101と
異なるのは、第1実施形態の場合とは異なる導電経絡体
31を備えた点である。このため、以下においては、基
材と炭素繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体31
について説明を行う。
【0053】導電経絡体31は、第1実施形態の場合と
同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等に
より構成されている。まず、これらの金属材料から略帯
状の略帯状部材32を形成し、これらを複数並設し、経
絡部32aに接着材33を塗布し、図3(B)の上下方
向に伸展させることにより、「ハニカム(蜂の巣)」状
の導電経絡体31を作製する。この導電経絡体31は、
帯製経絡部材に相当している。
同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等に
より構成されている。まず、これらの金属材料から略帯
状の略帯状部材32を形成し、これらを複数並設し、経
絡部32aに接着材33を塗布し、図3(B)の上下方
向に伸展させることにより、「ハニカム(蜂の巣)」状
の導電経絡体31を作製する。この導電経絡体31は、
帯製経絡部材に相当している。
【0054】このような構成により、この導電経絡体3
1は、少なくとも図における略帯状部材32の延設方向
へ連続して電流が通電可能であり、少なくとも一方向へ
の連続した電流導通経路を有している。
1は、少なくとも図における略帯状部材32の延設方向
へ連続して電流が通電可能であり、少なくとも一方向へ
の連続した電流導通経路を有している。
【0055】上記のような構成により、この摺動集電用
炭素系材料103は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様に、電流が確実に流れ得る電流導通経
路を有しているため導電性に優れ、かつ、金属製導電経
絡体31も補強材料として機能するため十分な強度や靱
性を有する。また、その他、第1実施形態の場合と同様
な利点を有している。特に、接着材33として導電性接
着材を用いれば、導電経絡体31は、図における平面展
開方向のいずれの方向へも経絡されるため、いずれの方
向へも連続して電流が通電可能となる。
炭素系材料103は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様に、電流が確実に流れ得る電流導通経
路を有しているため導電性に優れ、かつ、金属製導電経
絡体31も補強材料として機能するため十分な強度や靱
性を有する。また、その他、第1実施形態の場合と同様
な利点を有している。特に、接着材33として導電性接
着材を用いれば、導電経絡体31は、図における平面展
開方向のいずれの方向へも経絡されるため、いずれの方
向へも連続して電流が通電可能となる。
【0056】(4)第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態について説明する。図4
は、本発明の第4実施形態である摺動集電用炭素系材料
に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
は、本発明の第4実施形態である摺動集電用炭素系材料
に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
【0057】図4に示すように、この摺動集電用炭素系
材料104は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材(図示せず)と、導電経絡体41と、第1実施形
態の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設されて
基材を強化する炭素繊維補強部材(図示せず)を備えて
構成されている。また、導電経絡体41と基材は略層状
に形成され、相互に略サンドウィッチ状態に積層されて
いる。この第4実施形態の摺動集電用炭素系材料104
が上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101
と異なるのは、第1実施形態の場合とは異なる導電経絡
体41を備えた点である。このため、以下においては、
基材と炭素繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体4
1について説明を行う。
材料104は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材(図示せず)と、導電経絡体41と、第1実施形
態の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設されて
基材を強化する炭素繊維補強部材(図示せず)を備えて
構成されている。また、導電経絡体41と基材は略層状
に形成され、相互に略サンドウィッチ状態に積層されて
いる。この第4実施形態の摺動集電用炭素系材料104
が上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101
と異なるのは、第1実施形態の場合とは異なる導電経絡
体41を備えた点である。このため、以下においては、
基材と炭素繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体4
1について説明を行う。
【0058】導電経絡体41は、第1実施形態の場合と
同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等に
より構成されている。まず、これらの金属材料から繊維
状の金属繊維を形成し、これらを複数並設してバインダ
材を含浸させてホットプレス等を施した略平板状の素材
を作製する。このバインダ材としては、導電性接着材な
どが用いられる。次に、これらの素材を複数用意し、電
流導通経路の方向が第1方向となる第1素材42のよう
に並べるとともに、電流導通経路の方向が第1方向に対
して直角な第2方向となる第2素材43のように並べ、
各素材を組み合わせて集成し、一つの略平板状の導電経
絡体41を形成する。
同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等に
より構成されている。まず、これらの金属材料から繊維
状の金属繊維を形成し、これらを複数並設してバインダ
材を含浸させてホットプレス等を施した略平板状の素材
を作製する。このバインダ材としては、導電性接着材な
どが用いられる。次に、これらの素材を複数用意し、電
流導通経路の方向が第1方向となる第1素材42のよう
に並べるとともに、電流導通経路の方向が第1方向に対
して直角な第2方向となる第2素材43のように並べ、
各素材を組み合わせて集成し、一つの略平板状の導電経
絡体41を形成する。
【0059】上記のような構成により、この摺動集電用
炭素系材料104は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様に、電流が確実に流れ得る電流導通経
路を有しているため導電性に優れ、かつ、金属製導電経
絡体41も補強材料として機能するため十分な強度や靱
性を有する。また、その他、第1実施形態の場合と同様
な利点を有している。特に、バインダ材として導電性接
着材を用いているので、導電経絡体41は、図における
平面展開方向のいずれの方向へも連続して電流が通電可
能となる。
炭素系材料104は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様に、電流が確実に流れ得る電流導通経
路を有しているため導電性に優れ、かつ、金属製導電経
絡体41も補強材料として機能するため十分な強度や靱
性を有する。また、その他、第1実施形態の場合と同様
な利点を有している。特に、バインダ材として導電性接
着材を用いているので、導電経絡体41は、図における
平面展開方向のいずれの方向へも連続して電流が通電可
能となる。
【0060】(5)第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態について説明する。図5
は、本発明の第5実施形態である摺動集電用炭素系材料
の構成を示す斜視図である。
は、本発明の第5実施形態である摺動集電用炭素系材料
の構成を示す斜視図である。
【0061】図5に示すように、この摺動集電用炭素系
材料105は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材10と、第1実施形態の場合と同様な金属からな
る導電経絡体11と、第1実施形態の場合と同様な炭素
繊維からなり基材中に配設されて基材を強化する炭素繊
維補強部材12と、繋続部材13を備えて構成されてい
る。この第5実施形態の摺動集電用炭素系材料105が
上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101と
異なるのは、繋続部材13を備えた点である。このた
め、以下においては、基材と炭素繊維補強部材の説明は
省略し、繋続部材13及び導電経絡体11について説明
を行う。
材料105は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材10と、第1実施形態の場合と同様な金属からな
る導電経絡体11と、第1実施形態の場合と同様な炭素
繊維からなり基材中に配設されて基材を強化する炭素繊
維補強部材12と、繋続部材13を備えて構成されてい
る。この第5実施形態の摺動集電用炭素系材料105が
上記した第1実施形態の摺動集電用炭素系材料101と
異なるのは、繋続部材13を備えた点である。このた
め、以下においては、基材と炭素繊維補強部材の説明は
省略し、繋続部材13及び導電経絡体11について説明
を行う。
【0062】繋続部材13は、上記各実施形態における
導電経絡体と同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳
鉄,各種鋼等からなり、略円柱状又は略針状に形成され
ている。
導電経絡体と同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳
鉄,各種鋼等からなり、略円柱状又は略針状に形成され
ている。
【0063】次に上記した摺動集電用炭素系材料105
を作製する方法について説明する。まず、上記したよう
に、炭素繊維を含む介設部材と導電経絡体とを積層して
予形成部材を形成する予形成工程を行った後、この予形
成部材に繋続部材13を打撃等により貫入させる繋続部
材配設工程を行い、これを第1の温度(例えば約300
〜900°C程度)で加熱するしつつ所定圧力(例えば
常圧〜300kg/cm2 )で加圧する成型処理工程を
行い、次いで第2の温度(例えば約700〜1300°
C程度)で加熱する炭化処理工程を行い、次いで必要に
応じて第3の温度(例えば約1300〜3000°C程
度)で加熱する黒鉛化処理工程を行うことにより、摺動
集電用炭素系材料105を作製することができる。
を作製する方法について説明する。まず、上記したよう
に、炭素繊維を含む介設部材と導電経絡体とを積層して
予形成部材を形成する予形成工程を行った後、この予形
成部材に繋続部材13を打撃等により貫入させる繋続部
材配設工程を行い、これを第1の温度(例えば約300
〜900°C程度)で加熱するしつつ所定圧力(例えば
常圧〜300kg/cm2 )で加圧する成型処理工程を
行い、次いで第2の温度(例えば約700〜1300°
C程度)で加熱する炭化処理工程を行い、次いで必要に
応じて第3の温度(例えば約1300〜3000°C程
度)で加熱する黒鉛化処理工程を行うことにより、摺動
集電用炭素系材料105を作製することができる。
【0064】上記のような構成により、この摺動集電用
炭素系材料105は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様の作用・効果を有するほか、さらに、
図5において基材10を挟んで平行に配置された各導電
経絡体11どうしを繋続部材13が相互に繋いでおり、
導電経絡体11の各層間においても電流が確実に流れ得
る電流導通経路が形成されている。このため、第1実施
形態に比べ、導電性がさらに向上している。
炭素系材料105は、第1実施形態の摺動集電用炭素系
材料101と同様の作用・効果を有するほか、さらに、
図5において基材10を挟んで平行に配置された各導電
経絡体11どうしを繋続部材13が相互に繋いでおり、
導電経絡体11の各層間においても電流が確実に流れ得
る電流導通経路が形成されている。このため、第1実施
形態に比べ、導電性がさらに向上している。
【0065】(6)第6実施形態 次に、本発明の第6実施形態について説明する。図6
は、本発明の第6実施形態である摺動集電用炭素系材料
の構成を示す図であり、図6(A)は斜視図を、図6
(B)はA−A断面図を、それぞれ示している。
は、本発明の第6実施形態である摺動集電用炭素系材料
の構成を示す図であり、図6(A)は斜視図を、図6
(B)はA−A断面図を、それぞれ示している。
【0066】図6に示すように、この摺動集電用炭素系
材料106は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材60と、金属からなる導電経絡体61と、第1実
施形態の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設さ
れて基材を強化する炭素繊維補強部材62と、金属層6
4を備えて構成されている。
材料106は、第1実施形態の場合と同様な炭素からな
る基材60と、金属からなる導電経絡体61と、第1実
施形態の場合と同様な炭素繊維からなり基材中に配設さ
れて基材を強化する炭素繊維補強部材62と、金属層6
4を備えて構成されている。
【0067】この第6実施形態の摺動集電用炭素系材料
106が上記した第1〜5実施形態の摺動集電用炭素系
材料とは異なるのは、導電経絡体61と金属層64を備
えた点である。このため、以下においては、基材と炭素
繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体61及び金属
層64について説明を行う。
106が上記した第1〜5実施形態の摺動集電用炭素系
材料とは異なるのは、導電経絡体61と金属層64を備
えた点である。このため、以下においては、基材と炭素
繊維補強部材の説明は省略し、導電経絡体61及び金属
層64について説明を行う。
【0068】導電経絡体61は、上記各実施形態におけ
る導電経絡体と同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳
鉄,各種鋼等からなり、略円柱状に形成されている。ま
た、金属層64は、上記各実施形態における導電経絡体
と同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等
からなり、略平板状に形成されている。
る導電経絡体と同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳
鉄,各種鋼等からなり、略円柱状に形成されている。ま
た、金属層64は、上記各実施形態における導電経絡体
と同様な金属材料、例えば銅,銅合金,鋳鉄,各種鋼等
からなり、略平板状に形成されている。
【0069】次に上記した摺動集電用炭素系材料106
を作製する方法について説明する。まず、上記したよう
に、炭素繊維からなる部材を積層して予形成部材を形成
する予形成工程を行った後、これを第1の温度(例えば
約300〜900°C程度)で加熱するしつつ所定圧力
(例えば常圧〜300kg/cm2 )で加圧する成型処
理工程を行い、次いで第2の温度(例えば約700〜1
300°C程度)で加熱する炭化処理工程を行い、次い
で必要に応じて第3の温度(例えば約1300〜300
0°C程度)で加熱する黒鉛化処理工程を行うことによ
り、炭素からなる基材60と炭素繊維補強部材62から
なるC/Cコンポジット部材を作製することができる。
を作製する方法について説明する。まず、上記したよう
に、炭素繊維からなる部材を積層して予形成部材を形成
する予形成工程を行った後、これを第1の温度(例えば
約300〜900°C程度)で加熱するしつつ所定圧力
(例えば常圧〜300kg/cm2 )で加圧する成型処
理工程を行い、次いで第2の温度(例えば約700〜1
300°C程度)で加熱する炭化処理工程を行い、次い
で必要に応じて第3の温度(例えば約1300〜300
0°C程度)で加熱する黒鉛化処理工程を行うことによ
り、炭素からなる基材60と炭素繊維補強部材62から
なるC/Cコンポジット部材を作製することができる。
【0070】次に、上記のC/Cコンポジット部材に略
円柱状の貫通孔を複数個開設する開孔工程を行う。次
に、この貫通孔内に導電経絡体の金属材料を加熱溶融さ
せたものを流し込み、貫通孔内を充填させて導電経絡体
61を形成する導電経絡体形成工程を行うとともに、C
/Cコンポジット部材の底部に金属層64を形成する。
このようにして、摺動集電用炭素系材料106を作製す
ることができる。
円柱状の貫通孔を複数個開設する開孔工程を行う。次
に、この貫通孔内に導電経絡体の金属材料を加熱溶融さ
せたものを流し込み、貫通孔内を充填させて導電経絡体
61を形成する導電経絡体形成工程を行うとともに、C
/Cコンポジット部材の底部に金属層64を形成する。
このようにして、摺動集電用炭素系材料106を作製す
ることができる。
【0071】上記のような構成により、この摺動集電用
炭素系材料106は、第1〜5実施形態の摺動集電用炭
素系材料と同様の作用・効果を有する。また、図6
(B)に示すように、金属層64が基材60の底部にお
いて外部に露出している。また、基材60内に配置され
た各導電経絡体61は金属層64に接続している。した
がって、パンタグラフの集電舟503(図10参照)に
金属層64が接触するようにして、摺動集電用炭素材料
106からなる摺板を取り付ければ、トロリー線(図示
せず)とパンタグラフの集電舟との間に、電流が確実に
流れ得る電流導通経路が形成される。この第6実施形態
の摺動集電用炭素系材料106においては、金属層64
は繋続部材に相当している。
炭素系材料106は、第1〜5実施形態の摺動集電用炭
素系材料と同様の作用・効果を有する。また、図6
(B)に示すように、金属層64が基材60の底部にお
いて外部に露出している。また、基材60内に配置され
た各導電経絡体61は金属層64に接続している。した
がって、パンタグラフの集電舟503(図10参照)に
金属層64が接触するようにして、摺動集電用炭素材料
106からなる摺板を取り付ければ、トロリー線(図示
せず)とパンタグラフの集電舟との間に、電流が確実に
流れ得る電流導通経路が形成される。この第6実施形態
の摺動集電用炭素系材料106においては、金属層64
は繋続部材に相当している。
【0072】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記した各実施形態及び後述する各
実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載
された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な
作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発
明の技術的範囲に包含される。
れるものではない。上記した各実施形態及び後述する各
実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載
された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な
作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発
明の技術的範囲に包含される。
【0073】例えば、上記各実施形態においては、摺動
集電用炭素系材料を用いる摺動集電方式として、パンタ
グラフの摺板をトロリー線下面に摺動させて集電を行う
方式を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定さ
れず、他の摺動集電方式、例えば走行用の2本のレール
の近傍に碍子で支持された第3のレール(軌条)を配設
し、この第3軌条に通電を行い、この第3軌条の表面に
集電用の部材(「集電子」又は「集電靴」という。)を
摺動させることにより集電を行う方式(第3軌条方式)
においても本発明の摺動集電用炭素系材料は応用可能で
ある。
集電用炭素系材料を用いる摺動集電方式として、パンタ
グラフの摺板をトロリー線下面に摺動させて集電を行う
方式を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定さ
れず、他の摺動集電方式、例えば走行用の2本のレール
の近傍に碍子で支持された第3のレール(軌条)を配設
し、この第3軌条に通電を行い、この第3軌条の表面に
集電用の部材(「集電子」又は「集電靴」という。)を
摺動させることにより集電を行う方式(第3軌条方式)
においても本発明の摺動集電用炭素系材料は応用可能で
ある。
【0074】また、上記した第1実施形態においては、
導電経絡体として、細長孔状又は切欠部状の断面欠損部
を有する金属薄板又は金属箔を例に挙げて説明したが、
本発明はこれには限定されず、断面欠損部の形状はどの
ような形状であってもよい。また、導電経絡体は、断面
欠損部のない金属製の略平板状部材であってもよい。
導電経絡体として、細長孔状又は切欠部状の断面欠損部
を有する金属薄板又は金属箔を例に挙げて説明したが、
本発明はこれには限定されず、断面欠損部の形状はどの
ような形状であってもよい。また、導電経絡体は、断面
欠損部のない金属製の略平板状部材であってもよい。
【0075】また、上記した第2実施形態においては、
導電経絡体として、略織布状部材を例に挙げて説明した
が、本発明はこれには限定されず、金属繊維又は複数の
金属繊維が集束された繊維集束部材が互いに経絡される
ことにより作製される繊維経絡部材であればどのような
ものであってもよく、他の構成の繊維経絡部材、例え
ば、金属繊維を一本ずつ編み込んで織布を作製してもよ
いし、金属繊維を複数略無秩序に配設することにより形
成される略不織布状部材であってもよい。
導電経絡体として、略織布状部材を例に挙げて説明した
が、本発明はこれには限定されず、金属繊維又は複数の
金属繊維が集束された繊維集束部材が互いに経絡される
ことにより作製される繊維経絡部材であればどのような
ものであってもよく、他の構成の繊維経絡部材、例え
ば、金属繊維を一本ずつ編み込んで織布を作製してもよ
いし、金属繊維を複数略無秩序に配設することにより形
成される略不織布状部材であってもよい。
【0076】また、上記した第3実施形態においては、
導電経絡体として、金属製略帯状部材により形成された
略ハニカム状部材を例に挙げて説明したが、本発明はこ
れには限定されず、金属からなる略帯状部材が互いに経
絡されることにより作製される帯製経絡部材であればど
のような構成・形状のものであってもよい。また、製造
方法も、ホットプレス法だけでなく、CVD法等も可能
である。
導電経絡体として、金属製略帯状部材により形成された
略ハニカム状部材を例に挙げて説明したが、本発明はこ
れには限定されず、金属からなる略帯状部材が互いに経
絡されることにより作製される帯製経絡部材であればど
のような構成・形状のものであってもよい。また、製造
方法も、ホットプレス法だけでなく、CVD法等も可能
である。
【0077】また、上記した第4実施形態においては、
導電経絡体として、素材を直角に組合わせる例について
説明したが、本発明はこれには限定されず、電流導通経
路の方向が第1方向である第1素材と、電流導通経路の
方向が第1方向とは異なる第2方向である第2素材とが
組み合わされ集成されるものであればどのような構成・
形状のものであってもよく、例えば、第1方向と第2方
向との角度差は90度以外でもよいし、素材の組合わせ
は、2つだけでなく3以上の方向に組み合わせてもよ
い。
導電経絡体として、素材を直角に組合わせる例について
説明したが、本発明はこれには限定されず、電流導通経
路の方向が第1方向である第1素材と、電流導通経路の
方向が第1方向とは異なる第2方向である第2素材とが
組み合わされ集成されるものであればどのような構成・
形状のものであってもよく、例えば、第1方向と第2方
向との角度差は90度以外でもよいし、素材の組合わせ
は、2つだけでなく3以上の方向に組み合わせてもよ
い。
【0078】また、上記した第5実施形態においては、
繋続部材として、略円柱状に形成され打撃により予形成
部材に貫入される例について説明したが、本発明はこれ
には限定されず、他の構成の繋続部材、例えば、金属繊
維、金属繊維が複数集束された繊維集束部材、金属から
なる略帯状部材、金属からなる略平板状部材、金属繊維
又は繊維集束部材が互いに経絡されることにより作製さ
れる繊維経絡部材、金属からなる略帯状部材が互いに経
絡されることにより作製される帯経絡部材、金属からな
る柱状部材のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合わ
せであってもよい。
繋続部材として、略円柱状に形成され打撃により予形成
部材に貫入される例について説明したが、本発明はこれ
には限定されず、他の構成の繋続部材、例えば、金属繊
維、金属繊維が複数集束された繊維集束部材、金属から
なる略帯状部材、金属からなる略平板状部材、金属繊維
又は繊維集束部材が互いに経絡されることにより作製さ
れる繊維経絡部材、金属からなる略帯状部材が互いに経
絡されることにより作製される帯経絡部材、金属からな
る柱状部材のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合わ
せであってもよい。
【0079】また、繋続部材は、予形成部材に作業用孔
若しくは作業用凹部を形成した後に繋続部材を挿入させ
ることにより配設するようにしてもよい。
若しくは作業用凹部を形成した後に繋続部材を挿入させ
ることにより配設するようにしてもよい。
【0080】また、上記した第6実施形態においては、
導電経絡体として、略円柱状に形成され溶融金属の流し
込みによりC/Cコンポジット部材に貫入される例につ
いて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構
成の導電経絡体、例えば、形状が四角柱状、六角柱状態
等の柱状、あるいは略針状の導電経絡体であってもよ
い。また、導電経絡体の形成方法として、予め孔を形成
したC/Cコンポジット部材の孔へ柱状の導電経絡体を
打撃等により挿入する方法等であってもよい。
導電経絡体として、略円柱状に形成され溶融金属の流し
込みによりC/Cコンポジット部材に貫入される例につ
いて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構
成の導電経絡体、例えば、形状が四角柱状、六角柱状態
等の柱状、あるいは略針状の導電経絡体であってもよ
い。また、導電経絡体の形成方法として、予め孔を形成
したC/Cコンポジット部材の孔へ柱状の導電経絡体を
打撃等により挿入する方法等であってもよい。
【0081】また、上記した各実施形態においては、基
材中に炭素繊維補強部材が配設された例について説明し
たが、本発明はこれには限定されず、炭素繊維補強部材
を設けず、黒鉛等の炭素材料と金属製導電経絡体のみか
らなる摺動集電用炭素系材料であってもよい。この場合
には、基材中の導電経絡体が炭素材料の補強部材の機能
を果たす。
材中に炭素繊維補強部材が配設された例について説明し
たが、本発明はこれには限定されず、炭素繊維補強部材
を設けず、黒鉛等の炭素材料と金属製導電経絡体のみか
らなる摺動集電用炭素系材料であってもよい。この場合
には、基材中の導電経絡体が炭素材料の補強部材の機能
を果たす。
【0082】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図を参照
しつつ詳細に説明する。まず、上記した本発明に係る摺
動集電用炭素系材料の一例である摺動集電用炭素系材料
を実際に製造した例について、以下に詳細に説明を行
う。この摺動集電用炭素系材料の製造にあたっては、ま
ずプリフォームドシートを作製した。次に、作製された
プリフォームドシートと導電経絡体とを積層し、ホット
プレス法を用いて加熱焼成し摺動集電用炭素系材料を作
製した。
しつつ詳細に説明する。まず、上記した本発明に係る摺
動集電用炭素系材料の一例である摺動集電用炭素系材料
を実際に製造した例について、以下に詳細に説明を行
う。この摺動集電用炭素系材料の製造にあたっては、ま
ずプリフォームドシートを作製した。次に、作製された
プリフォームドシートと導電経絡体とを積層し、ホット
プレス法を用いて加熱焼成し摺動集電用炭素系材料を作
製した。
【0083】1)実施例1 上記の製造過程のうち、まず、プリフォームドシートの
製造実施例を説明する。図7は、本発明に係る摺動集電
用炭素系材料の製造方法の実施例1において製造された
プリフォームドシートの構成を示す斜視図である。
製造実施例を説明する。図7は、本発明に係る摺動集電
用炭素系材料の製造方法の実施例1において製造された
プリフォームドシートの構成を示す斜視図である。
【0084】図7に示すように、このプリフォームドシ
ート201は、プリフォームドヤーン202と、熱可塑
性樹脂繊維糸203を備えて構成されている。また、こ
れらのプリフォームドヤーン202と熱可塑性樹脂繊維
糸203は、熱可塑性樹脂繊維糸203が縦糸(経糸)
となり、プリフォームドヤーン202が横糸(緯糸)と
なるようにして平織りされている。
ート201は、プリフォームドヤーン202と、熱可塑
性樹脂繊維糸203を備えて構成されている。また、こ
れらのプリフォームドヤーン202と熱可塑性樹脂繊維
糸203は、熱可塑性樹脂繊維糸203が縦糸(経糸)
となり、プリフォームドヤーン202が横糸(緯糸)と
なるようにして平織りされている。
【0085】これらのうち、プリフォームドヤーン20
2は、アクリロニトリル共重合体から製造された炭素繊
維束に炭素系微粉末を含有させ、これを熱可塑性樹脂で
被覆することにより構成されている。
2は、アクリロニトリル共重合体から製造された炭素繊
維束に炭素系微粉末を含有させ、これを熱可塑性樹脂で
被覆することにより構成されている。
【0086】上記した炭素繊維束は、12,000本の
炭素繊維フィラメントからなり、炭素繊維束の密度は
1.76g/cm3 であり、引張強度は360kgf/
mm2であり、引張弾性率は23.5×103 kgf/
mm2 であり、伸度は1.5%であった。
炭素繊維フィラメントからなり、炭素繊維束の密度は
1.76g/cm3 であり、引張強度は360kgf/
mm2であり、引張弾性率は23.5×103 kgf/
mm2 であり、伸度は1.5%であった。
【0087】また、炭素繊維束を被覆するための熱可塑
性樹脂としては、ポリプロピレン(以下、「PP」とい
う。)を用いた。このPPの密度は0.9g/cm3 で
あり、曲げ強度は9.5kgf/mm2 であり、曲げ弾
性率は100kgf/mm2であった。
性樹脂としては、ポリプロピレン(以下、「PP」とい
う。)を用いた。このPPの密度は0.9g/cm3 で
あり、曲げ強度は9.5kgf/mm2 であり、曲げ弾
性率は100kgf/mm2であった。
【0088】また、炭素系微粉末としては、石炭系バル
クメンファーズピッチ及びピッチコークスを用いた。こ
のバルクメンファーズピッチは軟化点280°C、含有
揮発分(18wt%)、平均粒径15μmであった。ピ
ッチコークスは軟化点を有さず、含有揮発分(8wt
%)、平均粒径10μmであった。
クメンファーズピッチ及びピッチコークスを用いた。こ
のバルクメンファーズピッチは軟化点280°C、含有
揮発分(18wt%)、平均粒径15μmであった。ピ
ッチコークスは軟化点を有さず、含有揮発分(8wt
%)、平均粒径10μmであった。
【0089】上記のような材料を用い、炭素繊維束に流
動層を用いてカーボンブラックを包含させた後、炭素繊
維束をPP樹脂で被覆させ、プリフォームドヤーン20
2を製造した。得られたプリフォームドヤーンの直径は
約1.8mmであった。
動層を用いてカーボンブラックを包含させた後、炭素繊
維束をPP樹脂で被覆させ、プリフォームドヤーン20
2を製造した。得られたプリフォームドヤーンの直径は
約1.8mmであった。
【0090】また、熱可塑性樹脂繊維糸203として
は、PP繊維糸を用いた。このPP繊維糸203は、フ
ィラメント数が1本で、デニール数は180de(直
径:約140μm)であった。
は、PP繊維糸を用いた。このPP繊維糸203は、フ
ィラメント数が1本で、デニール数は180de(直
径:約140μm)であった。
【0091】次に、上記したPP繊維糸203を経糸と
して、レピア織機にセットし、上記したプリフォームド
ヤーン202を緯糸として製織することにより、プリフ
ォームドヤーン202の延在方向への強度が卓越した一
方向プリフォームドシート201を作製した。このと
き、PP繊維糸203に作用していた張力は12gfで
あり、プリフォームドヤーン202に作用していた張力
は450gfであった。
して、レピア織機にセットし、上記したプリフォームド
ヤーン202を緯糸として製織することにより、プリフ
ォームドヤーン202の延在方向への強度が卓越した一
方向プリフォームドシート201を作製した。このと
き、PP繊維糸203に作用していた張力は12gfで
あり、プリフォームドヤーン202に作用していた張力
は450gfであった。
【0092】なお、得られた一方向プリフォームドシー
ト201のうちの炭素繊維,PP樹脂(プリフォームド
ヤーンを被覆しているものと、熱可塑性樹脂繊維糸とし
て用いられているものとの合計量),及び炭素系粉末の
体積比は、45:5:50であった。
ト201のうちの炭素繊維,PP樹脂(プリフォームド
ヤーンを被覆しているものと、熱可塑性樹脂繊維糸とし
て用いられているものとの合計量),及び炭素系粉末の
体積比は、45:5:50であった。
【0093】2)実施例2 次に、上記のようにして得られたプリフォームドシート
を金属製導電経絡体と積層して焼成し摺動集電用炭素系
材料を作製した実施例2について説明する。この実施例
2について、図8を参照しつつ詳細に説明する。図8
は、本発明に係る摺動集電用炭素系材料の製造方法の実
施例2において製造されたプリフォームドシート積層体
の構成を示す斜視図である。
を金属製導電経絡体と積層して焼成し摺動集電用炭素系
材料を作製した実施例2について説明する。この実施例
2について、図8を参照しつつ詳細に説明する。図8
は、本発明に係る摺動集電用炭素系材料の製造方法の実
施例2において製造されたプリフォームドシート積層体
の構成を示す斜視図である。
【0094】図8に示すように、このプリフォームドシ
ート積層体401は、上記のようにして製造された一方
向プリフォームドシート201A及び201Bと、金属
製導電経絡体301を3枚重ね状に積層することによっ
て構成されている。図8において、各プリフォームドシ
ート201A,201Bに図示した平行線は、線の延在
方向がシートの炭素繊維強化方向であることを示してい
る。また、金属製導電経絡体301は、断面欠損部のな
い銅製の略平板状部材(厚み:約0.1mm)を使用し
た。この場合、プリフォームドシート201A,201
Bは、介設部材に相当している。
ート積層体401は、上記のようにして製造された一方
向プリフォームドシート201A及び201Bと、金属
製導電経絡体301を3枚重ね状に積層することによっ
て構成されている。図8において、各プリフォームドシ
ート201A,201Bに図示した平行線は、線の延在
方向がシートの炭素繊維強化方向であることを示してい
る。また、金属製導電経絡体301は、断面欠損部のな
い銅製の略平板状部材(厚み:約0.1mm)を使用し
た。この場合、プリフォームドシート201A,201
Bは、介設部材に相当している。
【0095】上記のようにして積層した3層構造のプリ
フォームドシート積層体401を、600°Cでホット
プレス法により焼成した。これにより摺動集電用炭素系
材料が得られた。なお、プリフォームドシートと金属製
導電経絡体との積層方法は、プリフォームドシートが導
電経絡体を挟持するようにしてもよいし、プリフォーム
ドシートが導電経絡体どうしの間に介設されるようにし
てもよい。
フォームドシート積層体401を、600°Cでホット
プレス法により焼成した。これにより摺動集電用炭素系
材料が得られた。なお、プリフォームドシートと金属製
導電経絡体との積層方法は、プリフォームドシートが導
電経絡体を挟持するようにしてもよいし、プリフォーム
ドシートが導電経絡体どうしの間に介設されるようにし
てもよい。
【0096】3)実施例3 上記と同様にして銅製の導電経絡体が全体の5.0体積
パーセントだけ含まれた摺動集電用炭素系材料からなる
供試体A(密度2.05g/cm3 )と、銅製の導電経
絡体が全体の10.0体積パーセントだけ含まれた摺動
集電用炭素系材料からなる供試体B(密度2.40g/
cm3 )を作製した。
パーセントだけ含まれた摺動集電用炭素系材料からなる
供試体A(密度2.05g/cm3 )と、銅製の導電経
絡体が全体の10.0体積パーセントだけ含まれた摺動
集電用炭素系材料からなる供試体B(密度2.40g/
cm3 )を作製した。
【0097】これらの供試体A,Bの比抵抗値の測定結
果を表1に示す。表1において、単位はμ・Ω・cm
(=10-5×Ω・cm)である。
果を表1に示す。表1において、単位はμ・Ω・cm
(=10-5×Ω・cm)である。
【0098】
【表1】
【0099】パンタグラフ用摺板として要求される比抵
抗値は、約300μ・Ω・cm程度であるから、本実施
例の摺動集電用炭素系材料の比抵抗値は、その約20〜
40%程度の非常に低い値であり、本実施例の摺動集電
用炭素系材料の導電性がきわめて良いことがわかる。
抗値は、約300μ・Ω・cm程度であるから、本実施
例の摺動集電用炭素系材料の比抵抗値は、その約20〜
40%程度の非常に低い値であり、本実施例の摺動集電
用炭素系材料の導電性がきわめて良いことがわかる。
【0100】次に、これらの供試体A,Bの比摩耗量の
測定結果を表2に示す。表2において、単位は×10-7
(mm3 /kgf・mm)である。
測定結果を表2に示す。表2において、単位は×10-7
(mm3 /kgf・mm)である。
【0101】
【表2】
【0102】また、これらの結果をグラフで示したもの
が図9である。表2及び図9において、Aは供試体Aの
結果を、Bは供試体Bの結果を、Cは比較したカーボン
すり板の結果を、Dは比較した焼結合金すり板の結果
を、それぞれ示している。
が図9である。表2及び図9において、Aは供試体Aの
結果を、Bは供試体Bの結果を、Cは比較したカーボン
すり板の結果を、Dは比較した焼結合金すり板の結果
を、それぞれ示している。
【0103】この結果より、4サイクル目の比摩耗量
は、銅含有率が5体積%の供試体Aが最も小さいことが
わかる。また、銅含有率が10体積%の供試体Bの場合
であっても、比摩耗量はかなり小さいことがわかる。銅
含有率が低下すれば比摩耗量は低下する可能性があるが
導電性は低下するため、銅含有率には下限値が存在す
る。また、銅含有率が増加すれば比摩耗量は増大する傾
向が見られ、比摩耗量の要求値から銅の含有率の上限値
が存在する。このことを考慮すると、本実施例の摺動集
電用炭素系材料における銅含有率は、約2.0〜30.
0%程度が望ましい。
は、銅含有率が5体積%の供試体Aが最も小さいことが
わかる。また、銅含有率が10体積%の供試体Bの場合
であっても、比摩耗量はかなり小さいことがわかる。銅
含有率が低下すれば比摩耗量は低下する可能性があるが
導電性は低下するため、銅含有率には下限値が存在す
る。また、銅含有率が増加すれば比摩耗量は増大する傾
向が見られ、比摩耗量の要求値から銅の含有率の上限値
が存在する。このことを考慮すると、本実施例の摺動集
電用炭素系材料における銅含有率は、約2.0〜30.
0%程度が望ましい。
【0104】また、これらの供試体A,Bの曲げ強さの
測定結果を表3に示す。表3において、単位はkgf/
cm2 である。また、S1 は、図1における面S1 に曲
げ荷重を作用させた場合であり、S2 は、図1における
面S2 に曲げ荷重を作用させた場合である。
測定結果を表3に示す。表3において、単位はkgf/
cm2 である。また、S1 は、図1における面S1 に曲
げ荷重を作用させた場合であり、S2 は、図1における
面S2 に曲げ荷重を作用させた場合である。
【0105】
【表3】
【0106】パンタグラフ用摺板として要求される曲げ
強度値は、約1000kgf/cm2 程度であるから、
本実施例の摺動集電用炭素系材料の曲げ強度値は、その
約1.5倍以上あることになり、本実施例の摺動集電用
炭素系材料の強度が十分であることがわかる。
強度値は、約1000kgf/cm2 程度であるから、
本実施例の摺動集電用炭素系材料の曲げ強度値は、その
約1.5倍以上あることになり、本実施例の摺動集電用
炭素系材料の強度が十分であることがわかる。
【0107】また、これらの供試体A,Bの衝撃強さの
測定結果を表4に示す。表4において、単位はkgf・
cm/cm2 である。また、S1 は、図1における面S
1 に衝撃荷重を作用させた場合であり、S2 は、図1に
おける面S2 に衝撃荷重を作用させた場合である。
測定結果を表4に示す。表4において、単位はkgf・
cm/cm2 である。また、S1 は、図1における面S
1 に衝撃荷重を作用させた場合であり、S2 は、図1に
おける面S2 に衝撃荷重を作用させた場合である。
【0108】
【表4】
【0109】パンタグラフ用摺板として要求される衝撃
強度値は、約3.5kgf・cm/cm2 程度であるか
ら、本実施例の摺動集電用炭素系材料の衝撃強度値は、
その約5倍以上あることになり、本実施例の摺動集電用
炭素系材料の強度が十分であることがわかる。
強度値は、約3.5kgf・cm/cm2 程度であるか
ら、本実施例の摺動集電用炭素系材料の衝撃強度値は、
その約5倍以上あることになり、本実施例の摺動集電用
炭素系材料の強度が十分であることがわかる。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
炭素からなる基材と、金属からなり少なくとも一方向へ
の連続した電流導通経路を有するとともに基材中に配設
される一又は複数の導電経絡体を備えたので、導電性が
良く、トロリー線との摩擦が小さく、摺板及びトロリー
線の摩耗が少なく、かつ十分な強度を有する摺動集電用
材料を得ることができる、という利点を有している。ま
た、本発明によれば、常圧では溶融せず耐熱性が高く、
さらに耐アーク性に優れた炭素系材料を基材とし、その
中に導電性の良好な金属を添加して、連続した電流導通
経路を有するため、電気比抵抗を低く保ち、通電による
発熱を抑えることができる。
炭素からなる基材と、金属からなり少なくとも一方向へ
の連続した電流導通経路を有するとともに基材中に配設
される一又は複数の導電経絡体を備えたので、導電性が
良く、トロリー線との摩擦が小さく、摺板及びトロリー
線の摩耗が少なく、かつ十分な強度を有する摺動集電用
材料を得ることができる、という利点を有している。ま
た、本発明によれば、常圧では溶融せず耐熱性が高く、
さらに耐アーク性に優れた炭素系材料を基材とし、その
中に導電性の良好な金属を添加して、連続した電流導通
経路を有するため、電気比抵抗を低く保ち、通電による
発熱を抑えることができる。
【図1】本発明の第1実施形態である摺動集電用炭素系
材料の構成を示す斜視図である。
材料の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態である摺動集電用炭素系
材料に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
材料に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態である摺動集電用炭素系
材料に用いる導電経絡体の構成を示す図であり、図3
(A)は斜視図を、図3(B)は作製方法を説明する概
念図を、それぞれ示している。
材料に用いる導電経絡体の構成を示す図であり、図3
(A)は斜視図を、図3(B)は作製方法を説明する概
念図を、それぞれ示している。
【図4】本発明の第4実施形態である摺動集電用炭素系
材料に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
材料に用いる導電経絡体の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第5実施形態である摺動集電用炭素系
材料の構成を示す斜視図である。
材料の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第6実施形態である摺動集電用炭素系
材料の構成を示す図であり、図6(A)は斜視図を、図
6(B)はA−A断面図を、それぞれ示している。
材料の構成を示す図であり、図6(A)は斜視図を、図
6(B)はA−A断面図を、それぞれ示している。
【図7】本発明に係る摺動集電用炭素系材料の製造方法
の実施例1によって製造されたプリフォームドシートの
構成を示す斜視図である。
の実施例1によって製造されたプリフォームドシートの
構成を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る摺動集電用炭素系材料の製造方法
の実施例2によって製造されたプリフォームドシート積
層体の構成を示す斜視図である。
の実施例2によって製造されたプリフォームドシート積
層体の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る摺動集電用炭素系材料の製造方法
の実施例3によって製造された摺動集電用炭素系材料に
ついての摩耗試験の結果を示すグラフである。
の実施例3によって製造された摺動集電用炭素系材料に
ついての摩耗試験の結果を示すグラフである。
【図10】鉄道車両におけるパンタグラフの構成を示す
斜視図である。
斜視図である。
10 基材 11 導電経絡体 11a,11b 断面欠損部 12 炭素繊維補強部材 13 繋続部材 21 導電経絡体 22 繊維集束部材 23 バインダ材 24 金属繊維 31 導電経絡体 32 略帯状部材 32a 経絡部 32b 六角形状凹部 33 導電性接着材 41 導電経絡体 42 第1素材 43 第2素材 60 基材 61 導電経絡体 62 炭素繊維補強部材 64 金属層 101〜105 摺動集電用炭素系材料 201,201A,201B プリフォームドシート 202 プリフォームドヤーン 203 PP繊維糸 401 プリフォームドシート積層体 500 パンタグラフ 501 下枠 502 上枠 503 集電舟 504 摺板 505 主ばね 506 台枠 507 碍子 508 主軸 S1 ,S2 面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 俊一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 土屋 広志 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 冨山 嘉孝 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5−1 日 本粉末合金株式会社内 (72)発明者 斎藤 浩次郎 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5−1 日 本粉末合金株式会社内 (72)発明者 森田 好信 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5−1 日 本粉末合金株式会社内 (72)発明者 中川 隆夫 埼玉県蕨市錦町2−16−27 株式会社アク ロス内 (72)発明者 吉原 芳男 埼玉県蕨市錦町2−16−27 株式会社アク ロス内 Fターム(参考) 5H105 AA08 AA16 BA02 BB01 CC02 CC12 DD04 DD27 DD28 DD29 DD30 EE02 EE13
Claims (18)
- 【請求項1】 炭素からなる基材と、金属からなり少な
くとも一方向への連続した電流導通経路を有するととも
に前記基材中に配設される一又は複数の導電経絡体を備
えたことを特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記導電経絡体と前記基材は略層状に形成され、積層さ
れることを特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項3】 請求項2記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記導電経絡体は金属からなる略平板状部材であること
を特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項4】 請求項3記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記略平板状部材には複数の断面欠損部が形成されるこ
とを特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項5】 請求項2記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記導電経絡体は、金属繊維又は複数の金属繊維が集束
された繊維集束部材が互いに経絡されることにより作製
される繊維経絡部材であることを特徴とする摺動集電用
炭素系材料。 - 【請求項6】 請求項5記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記繊維経絡部材は、前記金属繊維又は前記繊維集束部
材を複数用いて形成される略布状部材であることを特徴
とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項7】 請求項6記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記略布状部材は、前記金属繊維又は繊維集束部材を複
数用い、織製により形成される略織布状部材であること
を特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項8】 請求項6記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記略布状部材は、前記金属繊維を複数略無秩序に配設
することにより形成される略不織布状部材であることを
特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項9】 請求項2記載の摺動集電用炭素系材料に
おいて、 前記導電経絡体は、金属からなる略帯状部材が互いに経
絡されることにより作製される帯製経絡部材であること
を特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のうちのいず
れか1項に記載の摺動集電用炭素系材料において、 前記導電経絡体は、電流導通経路の方向が第1方向であ
る第1素材と、電流導通経路の方向が前記第1方向とは
異なる第2方向である第2素材とが組み合わされ集成さ
れることにより構成されることを特徴とする摺動集電用
炭素系材料。 - 【請求項11】 請求項1記載の摺動集電用炭素系材料
において、 前記導電経絡体は金属からなる略柱状部材であることを
特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のうちのい
ずれか1項に記載の摺動集電用炭素系材料において、 金属からなり前記導電経絡体を相互に繋ぐ繋続部材を備
えたことを特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項13】 請求項12記載の摺動集電用炭素系材
料において、 前記繋続部材は、金属繊維、前記金属繊維が複数集束さ
れた繊維集束部材、金属からなる略帯状部材、金属から
なる略平板状部材、前記金属繊維又は前記繊維集束部材
が互いに経絡されることにより作製される繊維経絡部
材、金属からなる略帯状部材が互いに経絡されることに
より作製される帯経絡部材、金属からなる柱状部材のう
ちのいずれか又はこれらの適宜の組合わせを有すること
を特徴とする摺動集電用炭素系材料。 - 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のうちのい
ずれか1項に記載の摺動集電用炭素系材料において、 炭素繊維からなり前記基材中に配設されて前記基材を強
化する炭素繊維補強部材を備えたことを特徴とする摺動
集電用炭素系材料。 - 【請求項15】 金属からなり少なくとも一方向への連
続した電流導通経路を有する一又は複数の導電経絡体
と、炭素繊維を含むとともに前記導電経絡体を挟持し若
しくは前記導電経絡体どうしの間に介設される介設部材
とを積層して予形成部材を形成する予形成工程と、 次いで前記予形成部材を第1の温度で加熱しつつ所定圧
力で加圧する成型処理工程と、 次いで第2の温度で加熱する炭化処理工程と、 次いで必要に応じて第3の温度で加熱する黒鉛化処理工
程を有することを特徴とする摺動集電用炭素系材料の製
造方法。 - 【請求項16】 請求項15記載の摺動集電用炭素系材
料の製造方法において、 前記成型処理工程に先立ち、 前記予形成部材に金属からなる繋続部材を貫入させ、又
は前記予形成部材に作業用孔若しくは作業用凹部を形成
した後に前記繋続部材を挿入させることにより前記繋続
部材を配設する繋続部材配設工程が実施されることを特
徴とする摺動集電用炭素系材料の製造方法。 - 【請求項17】 請求項15又は請求項16に記載の摺
動集電用炭素系材料の製造方法において、 前記予形成工程では、 炭素繊維が織られ又は絡み合わされて形成された炭素繊
維部材が、前記介設部材に代えて、又は前記介設部材と
併用されて積層されることを特徴とする摺動集電用炭素
系材料の製造方法。 - 【請求項18】 炭素繊維を含む平板状部材を積層して
予形成部材を形成する予形成工程と、 次いで前記予形成部材を第1の温度で加熱しつつ所定圧
力で加圧する成型処理工程と、 次いで第2の温度で加熱する炭化処理工程と、 次いで必要に応じて第3の温度で加熱する黒鉛化処理工
程と、 次いで作製された炭素繊維強化炭素複合材料部材に貫通
孔を開設する開孔工程と、 次いで前記貫通孔内に金属からなる略柱状の導電経絡体
を形成させる導電経絡体形成工程を有することを特徴と
する摺動集電用炭素系材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10216488A JP2000037001A (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 摺動集電用炭素系材料、及び摺動集電用炭素系材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10216488A JP2000037001A (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 摺動集電用炭素系材料、及び摺動集電用炭素系材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000037001A true JP2000037001A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16689226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10216488A Pending JP2000037001A (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 摺動集電用炭素系材料、及び摺動集電用炭素系材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000037001A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003506819A (ja) * | 1999-07-30 | 2003-02-18 | ル カルボン ロレーヌ | 炭素/炭素複合材料製の摩耗電気接触要素 |
DE102004006589B4 (de) * | 2004-02-10 | 2006-09-07 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Kontinuierliche Herstellung von Schleifleisten aus Kohlenstoff mit einem geringen Anteil an dünnen metallischen Leitern |
JP2010022142A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Railway Technical Res Inst | パンタグラフ用すり板集電材料 |
JP2010022143A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Railway Technical Res Inst | パンタグラフ用すり板集電材料 |
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EP3308995B1 (fr) | 2016-10-17 | 2021-05-12 | SNCF Mobilités | Bande d'usure de pantographe et pantographe equipe d'une telle bande d'usure |
CN115667000A (zh) * | 2020-06-01 | 2023-01-31 | 艾隆罗德有限公司 | 用于从电动道路轨道收集电力的接触构件 |
-
1998
- 1998-07-15 JP JP10216488A patent/JP2000037001A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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