JP3987656B2 - 摺動集電用チタン銅炭素複合材料、及び摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素からなる炭素基材中に銅とチタンを含ませた摺動集電用チタン銅炭素複合材料、及びこの摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電車や電気機関車などの電気鉄道車両は、架線(以下、「トロリー線」という。)からパンタグラフを介して集電を行っている。このパンタグラフは、電気鉄道車両の屋根上に取り付けられる装置であり、図3に示すような構成を有している。
【0003】
図3に示すように、このパンタグラフ500においては、電気鉄道車両の屋根の上に、電気絶縁用の碍子507に乗った台枠506が置かれ、台枠506の上に主軸508が軸受で支持され、この主軸508から下枠501が斜め上方に立設され、他の軸受を介して上枠502が下枠501とは逆の斜め方向に向うように支えられている。
【0004】
上枠502の頂点付近には、略舟状の集電舟503が配設されている。また、この集電舟503上には、トロリー線(図示せず)の下面を摺動する摺板がネジ等によって取り付けられている。トロリー線から摺板504が離れる「離線現象」が生じないようにパンタグラフ500をつねにトロリー線に追随させるため、主ばね505により主軸508が軸まわり回転方向に付勢され、下枠501,上枠502が集電舟503を上方へ押し上げるようになっている。
【0005】
上記したパンタグラフ500の構成要素のうち、摺板504は、硬質銅材からなるトロリー線の下面と接触しつつ互いに摺動しながら大電流を集電する。このため、摺板504は、
▲1▼ 導電性が良いこと
▲2▼ 摩擦抵抗が小さく、トロリー線表面上を滑りやすいこと
▲3▼ 摺板自身の摩耗が少なく、かつ相手のトロリー線も摩耗させにくいこと
▲4▼ 使用により厚みが薄くなっても破損等を生じないような強度を有すること▲5▼ アーク(火花)による損耗や溶損等が少ないこと
等の条件を満足するような材料(以下、「摺動集電用材料」という。)である必要がある。
【0006】
上記のような条件から、近年、摺板504に適した材料として、炭素(C)からなる焼結体の中に銅(Cu)を含浸させた材料(以下、「銅含浸炭素焼結体」という。)が注目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の銅含浸炭素焼結体の製造方法では、炭素焼結体中に銅を含浸させるため、大掛かりな加圧含浸炉が必要となる。また、炭素焼結体中への銅の含浸には非常に長い時間が必要であり、生産性が低く、製造コストが非常に高い、という欠点がある。
【0008】
例えば、特開平7−126713号公報に記載された技術によれば、「圧力2torrに減圧した含浸炉内において、1150°C以上の温度に加熱した無酸素銅の溶湯に炭素焼結体を浸漬し、130気圧の圧力を付加することにより、炭素焼結体中に銅を含浸させる。」としている。
【0009】
さらに、従来の製造方法による銅含浸炭素焼結体では、炭素焼結体に対する無酸素銅の「ぬれ性」が非常に悪いため、炭素焼結体中への銅の含浸状態に「むら」ができやすく、摺動集電用材料に要求される導電性を一定に確保することが困難である、という問題を抱えている。
【0010】
しかも、従来の製造方法による銅含浸炭素焼結体では、本来「ぬれ性」が悪いため炭素焼結体中へ含浸し難い無酸素銅を強制的に炭素焼結体中へ含浸させるため、大きな加圧力により物理的に銅を炭素焼結体内へ押し込んでいるだけである。したがって、この場合には、炭素と銅は接触面で化学的に反応はしておらず、両者は強固に融合しているとはいえない。このことから、従来の銅含浸炭素焼結体は、所要の強度、特に、外力に対しもろくなく粘り強い性質である「靭性」が不足している。このため、従来の銅含浸炭素焼結体をパンタグラフの摺板等に使用すると、使用により厚みが薄くなった場合に破損等が生じやすい、という問題がある。
【0011】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、導電性が良く、トロリー線等との摩擦が小さく、摺動時の摩耗が少なく、十分な強度を有し、かつ製造工程が簡易な銅炭素複合材料、及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るチタン銅炭素複合材料は、
炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材とに、
複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金とが融合されており、
前記チタンと銅又は銅合金が融合されるにあたり、炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上しており、
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料は、
炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材とに、
複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金とが融合されており、
前記チタンと銅又は銅合金が融合されるにあたり、炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、マグネシウムを除く第2族典型金属元素、第5族遷移金属元素、マンガンを除く第7族遷移金属元素、鉄を除く第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、ニッケルを除く第10族遷移金属元素、銅を除く第11族遷移金属元素、亜鉛を除く第12族遷移金属元素、ホウ素を除く第13族元素、ゲルマニウム、ヒ素又はビスマスである第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し及び耐摩耗性が向上しており、
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法は、
炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材に、
複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金とが融合されており、
前記炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、第5族遷移金属元素及び第9族遷移金属元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し及び耐摩耗性が向上しており、
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法は、
全長が5ミリメートル以上の炭素繊維と炭素からなる炭素基材を所定の形状に形成して予形成部材を得るとともに当該予形成部材に常圧で、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを介在させつつ、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金を含有させる予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項5に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法は、
全長が5ミリメートル以上の炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し当該糸状部材を製織又は絡み合わせてシート状部材を作製し当該シート状部材を積層して積層体を形成しかつ銅又は銅合金が前記シート状部材の表面に常圧で配設され予形成部材を得る予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項6に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法は、
全長が5ミリメートル以上の炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し当該糸状部材を製織又は絡み合わせてシート状部材を作製し当該シート状部材を積層して積層体を形成し予形成部材を得る予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、
前記炭化処理工程又は前記黒鉛化処理工程では、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が、被処理部材の上に常圧で乗せられ、溶融した銅又は銅合金が前記被処理部材中に含浸される摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項7に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法は、
炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し、前記糸状部材を長さが5ミリメートル以上に切断して型に充填し、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金からなる粉末が、前記糸状部材とともに前記型内に充填されることにより予形成部材を形成する予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項8に係る摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法は、
炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し、前記糸状部材を長さが5ミリメートル以上に切断して型に充填することにより予形成部材を形成する予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、
前記炭化処理工程又は前記黒鉛化処理工程では、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が、被処理部材の上に常圧で乗せられ、溶融した銅又は銅合金が前記被処理部材中に含浸される摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について、図,表等を適宜参照しつつ詳細に説明する。まず、上記した本発明の一例であるチタン銅炭素複合材料を実際に製造した例について、以下に詳細に説明を行う。以下のチタン銅炭素複合材料の製造にあたっては、まず炭素−Tiプリフォームドヤーンを製造し、次にこの炭素−Tiプリフォームドヤーンから炭素−Tiプリフォームドシートを製造する。このため、まず、炭素−Tiプリフォームドヤーン、及び炭素−Tiプリフォームドシートの製造例について説明を行う。
【0028】
(1)炭素−Tiプリフォームドヤーンの製造例
炭素−Tiプリフォームドヤーンは、アクリロニトリル共重合体から製造された炭素繊維束に炭素系微粉末とチタン(Ti)微粉末を含有させ、これを熱可塑性樹脂で被覆することにより得られる。
【0029】
上記した炭素繊維束は、12,000本の炭素繊維フィラメントからなる。炭素繊維束の密度は1.76g/cm3 であり、引張強度は360kgf/mm2 であり、引張弾性率は23.5×103 kgf/mm2 であり、伸度は1.5%であった。ここに、kgfは、キログラム重を示している。
【0030】
炭素繊維としては、
(i)PAN(ポリアクリルニトリル),石炭(コールタール)ピッチ,石油ピッチ等を前駆体とし、空気酸化による架橋構造化を施す「安定化工程」と、「炭素化工程」と、「黒鉛化工程」を行うことにより生成されるもの
(ii)熱硬化性樹脂を紡糸、硬化、カーボン化させて生成されるガラス状炭素繊維
(iii)気相の炭素から成長させる気相成長炭素繊維(VGCF)
等が使用可能である。
【0031】
また、炭素系微粉末(カーボンブラック)としては、石炭系バルクメソフェーズピッチ及びピッチコークスを用いた。このバルクメソフェーズピッチは軟化点280°C、含有揮発分(18.0重量%)、平均粒径15μmであった。ピッチコークスは軟化点を有さず、含有揮発分(8.0重量%)、平均粒径10μmであった。
【0032】
また、チタン微粉末としては、純度99.1〜99.6%のものを適宜に選択する。その形状としては、粉末状のものを使用し、粒径は、500μm以下のものを適宜に選択する。チタン微粉末の添加量としては、複合材料の全重量に対して1〜70重量%の比率である。
【0033】
また、炭素繊維束を被覆するための熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(以下、「PP」という。)を用いた。このPPの密度は0.9g/cm3 であり、曲げ強度は9.5kgf/mm2 であり、曲げ弾性率は100kgf/mm2 であった。
【0034】
上記のような材料を用い、炭素繊維束に流動層を用いて炭素系微粉末とチタン微粉末を包含させた後、炭素繊維束をPP樹脂で被覆させ、炭素−Tiプリフォームドヤーンを製造した。得られた炭素−Tiプリフォームドヤーンの直径は約1.8mmであった。この炭素−Tiプリフォームドヤーンは、糸状部材に相当している。
【0035】
(2)炭素−Tiプリフォームドシートの製造例
図1は、本発明に係るチタン銅炭素複合材料の製造方法の実施例において製造された炭素−Tiプリフォームドシートの構成を示す斜視図である。
【0036】
図1に示すように、この炭素−Tiプリフォームドシート101は、上記のようにして製造された炭素−Tiプリフォームドヤーン102と、熱可塑性樹脂繊維糸103を備えて構成されている。また、これらの炭素−Tiプリフォームドヤーン102と熱可塑性樹脂繊維糸103は、熱可塑性樹脂繊維糸103が縦糸(経糸)となり、炭素−Tiプリフォームドヤーン102が横糸(緯糸)となるようにして平織りされている。
【0037】
また、熱可塑性樹脂繊維糸103としては、PP繊維糸を用いた。このPP繊維糸103は、フィラメント数が1本で、デニール数は180de(直径:約140μm)であった。
【0038】
次に、上記したPP繊維糸103を経糸として、レピア織機にセットし、上記した炭素−Tiプリフォームドヤーン102を緯糸として製織することにより、炭素−Tiプリフォームドヤーン102の延在方向への強度が卓越した炭素−Tiプリフォームドシート(以下、「一方向炭素−Tiプリフォームドシート」という。)101を作製した。この一方向炭素−Tiプリフォームドシートは、シート状部材に相当している。
【0039】
上記の製織において、PP繊維糸103に作用していた張力は12gfであり、炭素−Tiプリフォームドヤーン102に作用していた張力は450gfであった。ここに、gfは、グラム重を示している。
【0040】
なお、得られた一方向炭素−Tiプリフォームドシート101のうちの炭素繊維,PP樹脂(炭素−Tiプリフォームドヤーンを被覆しているものと、熱可塑性樹脂繊維糸として用いられているものとの合計),及び炭素系粉末の体積比は、
45:5:50
であった。
【0041】
(3)実施例1
上記のようにして製作された一方向炭素−Tiプリフォームドシート101の表面に、銅合金粉末とフェノール樹脂を混合した混合物(以下、「銅合金−フェノール樹脂混合物」という。)を塗布し、一方向炭素−Ti−銅合金プリフォームドシートを得る。
【0042】
上記の銅合金の組成は、銅(Cu)が96.0重量%、アルミニウム(Al)が3.0重量%、燐(P)が1.0重量%である。
【0043】
フェノール樹脂としては、〜大日本インキ化学工業株式会社製の「フェノライトJ−325」を使用した。
【0044】
次に、図2に示すように、上記のようにして製造した一方向炭素−Ti−銅合金プリフォームドシートを、201A,201B,201Cのように、重ね合わせて積層することによって、炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体301を作製する。この工程は、予形成工程に相当している。
【0045】
図2において、一方向炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート201A〜201Cに図示した平行線は、線の延在方向がシートのプリフォームドヤーンの方向(炭素繊維強化方向)であることを示している。すなわち、炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体301においては、一方向炭素−Ti−銅合金プリフォームドシートの炭素繊維強化方向がシートごとに直交している。以下、このような炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体を「二方向性積層体」という。
【0046】
次に、上記のようにして形成した積層構造の炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体301を、ホットプレス(加熱加圧装置)により加熱・加圧しつつ成型した。この工程は、成型処理工程に相当している。この場合の成型温度(第1温度に相当している。)は600°Cであり、成型圧力(第1圧力に相当している。)は100kgf/cm2 であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、二方向性のチタン銅炭素複合材料(図示せず)が得られた。以下、積層構造の炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体301をホットプレス法によって加熱しつつ加圧して成型したものを、「炭素−Ti−銅合金シート成型体」という。
【0047】
二方向性材料とは、基材中の強化繊維の延在方向が2つの異なる方向となっているものである。上記した炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体301の場合には2つの炭素繊維方向の交差角度は直角(90度)である。しかし、2つの炭素繊維方向としては任意の方向が可能である。二方向性材料では、それぞれの強化方向に配置される強化繊維の量(例えば、本数、各繊維の断面積)や各強化繊維の1本当りの強度により、それぞれの方向の強度が決定され、一般には、いずれか一方の方向への強度が卓越するが、強化繊維量を適当に調整すれば、両方向の強度を等しくさせることができる。また、これを応用すれば、多数の一方向炭素−Ti−銅合金プリフォームドシートを重ねて積層し、各シートの炭素繊維強化方向を一様に異なる方向とすることにより、強化方向が一様な「等方性材料」を得ることができる。
【0048】
次に、上記の炭素−Ti−銅合金シート成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1300°Cまで昇温し、1300°Cにおいて60分間保持して焼成した。この工程は、炭化処理工程に相当している。また、1300°Cの温度は、第2温度に相当している。この焼成の結果得られたもの(図示せず)は、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(以下、「C/Cコンポジット」という。)の内部に銅合金及びチタン(Ti)が含有され、C/Cコンポジット,銅合金,Tiの各々が強固に焼結された複合材料となっている。以下、これを、「C/C−Ti−銅合金第1焼結体」という。
【0049】
上記のC/C−Ti−銅合金第1焼結体中における炭素繊維含有率は、45.0体積%であり、寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×30mm(厚さ)であった。
【0050】
(4)実施例2
上記のようにして製作された一方向炭素−Tiプリフォームドシートを、実施例1とは異なり、表面に銅合金−フェノール樹脂混合物を塗布せずに、そのまま積層し、各一方向炭素−Tiプリフォームドシートの炭素繊維強化方向を互い違いに直交させることによって二方向性積層体(図示せず)を作製する。この工程は、予形成工程に相当している。以下、この積層体を、「炭素−Tiプリフォームドシート積層体」という。
【0051】
次に、上記のようにして形成した積層構造の炭素−Tiプリフォームドシート積層体を、ホットプレス法により加熱・加圧しつつ成型した。この工程は、成型処理工程に相当している。この場合の成型温度は600°C(第1温度に相当している。)であり、成型圧力(第1圧力に相当している。)は100kgf/cm2 であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、二方向性の炭素系複合材料(図示せず)が得られた。以下、炭素−Tiプリフォームドシート積層体をホットプレス法によって加熱しつつ加圧して成型したものを、「炭素−Tiシート成型体」という。
【0052】
次に、上記のようにして得られた炭素−Tiシート成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1200°Cまで昇温し、1200°Cにおいて60分間保持して焼成した。この工程は、炭化処理工程に相当している。また、1200°Cの温度は、第2温度に相当している。この焼成の結果得られたものは、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)の内部にチタン(Ti)が含有され、C/CコンポジットとTiの各々が焼結された複合材料(図示せず)となっている。以下、これを、「C/C−Ti第1焼結体」という。
【0053】
次に、上記のようにして得られたC/C−Ti第1焼結体の上に塊状又は板状若しくは粒状あるいは粉末状等の銅合金を乗せる。この銅合金の組成は、銅(Cu)が94.5重量%、錫(Sn)が3.0重量%、亜鉛(Zn)が1.0重量%、リン(P)が0.5重量%、コバルト(Co)が1.0重量%である。
【0054】
次に、この状態で還元ガス雰囲気中で1000°Cまで昇温し、1000°Cにおいて60分間保持した。これにより、C/C−Ti第1焼結体の上に乗せた銅合金が溶融し、C/C−Ti第1焼結体の表面及び内部に形成されている多数の微少孔(図示せず)に、溶融した銅合金がしみ込み、C/C−Ti第1焼結体の内部に溶融銅合金が含浸され、C/C−Ti第1焼結体中でC/Cコンポジット,銅合金,Tiの各々が強固に焼結された複合材料となる。以下、これを、「C/C−Ti−銅合金第2焼結体」という。
【0055】
上記のC/C−Ti−銅合金第2焼結体中における炭素繊維含有率は、45.0体積%であり、寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×28mm(厚さ)であった。
【0056】
(5)実施例3
実施例1と同様の方法により製造した炭素−Tiプリフォームドヤーンを長さ15mmに切断したものと、銅合金粉末とを混合し、ホットプレスの型内に均一に充填した。この工程は、予形成工程に相当している。
【0057】
次に、これをホットプレス法により加熱・加圧しつつ成型した。この工程は、成型処理工程に相当している。この場合の成型温度は600°C(第1温度に相当している。)であり、成型圧力は100kgf/cm2 (第1圧力に相当している。)であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、等方性のチタン銅炭素複合材料(図示せず)が得られた。以下、上記の成型体を、「炭素−Ti−銅合金等方成型体」という。
【0058】
上記の銅合金の組成は、銅(Cu)が93.0重量%、アンチモン(Sb)が7.0重量%、ベリリウム(Be)が2.0重量%、バナジウム(V)が1.0重量%、モリブデン(Mo)が4.0重量%である。
【0059】
次に、上記のようにして製造した炭素−Ti−銅合金等方成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1300°Cまで昇温し、1300°Cにおいて60分間保持して焼成した。この工程は、炭化処理工程に相当している。また、1300°Cの温度は、第2温度に相当している。この焼成の結果得られたもの(図示せず)は、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)の内部に銅合金及びチタン(Ti)が含有され、C/Cコンポジット,銅合金,Tiの各々が強固に焼結された複合材料となっている。以下、これを、「C/C−Ti−銅合金第3焼結体」という。
【0060】
上記のC/C−Ti−銅合金第3焼結体中における炭素繊維含有率は、40.0体積%であり、寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×28mm(厚さ)であった。
【0061】
(6)実施例4
実施例1と同様の方法により製造した炭素−Tiプリフォームドヤーンを長さ15mmに切断したものを、ホットプレスの型内に均一に充填した。この工程は、予形成工程に相当している。
【0062】
次に、これをホットプレス法により加熱・加圧しつつ成型した。この工程は、成型処理工程に相当している。この場合の成型温度は600°C(第1温度に相当している。)であり、成型圧力は100kgf/cm2 (第1圧力に相当している。)であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、等方性の炭素複合材料(図示せず。以下、「炭素−Ti等方成型体」という。)が得られた。
【0063】
次に、上記のようにして得られた炭素−Ti等方成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1200°Cまで昇温し、1200°Cにおいて60分間保持して焼成した。この工程は、炭化処理工程に相当している。また、1200°Cの温度は、第2温度に相当している。この焼成の結果得られたものは、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)の内部にチタン(Ti)が含有され、C/CコンポジットとTiの各々が焼結された複合材料(図示せず)となっている。以下、これを、「C/C−Ti第2焼結体」という。
【0064】
次に、上記のようにして得られたC/C−Ti第2焼結体の上に塊状又は板状若しくは粒状あるいは粉末状等の銅合金を乗せる。この銅合金の組成は、銅(Cu)が93.0重量%、亜鉛(Zn)が2.0重量%、ビスマス(Bi)が5.0重量%である。
【0065】
次に、この状態で水素ガス(H2 )雰囲気中で1000°Cまで昇温し、1000°Cにおいて60分間保持した。これにより、C/C−Ti第2焼結体の上に乗せた銅合金が溶融し、C/C−Ti第2焼結体の表面及び内部に形成されている多数の微少孔(図示せず)に、溶融した銅合金がしみ込み、C/C−Ti第2焼結体の内部に溶融銅合金が含浸され、C/C−Ti第2焼結体中でC/Cコンポジット,銅合金,Tiの各々が強固に焼結された複合材料となる。以下、これを、「C/C−Ti−銅合金第4焼結体」という。
【0066】
上記のC/C−Ti−銅合金第4焼結体中における炭素繊維含有率は、40.0体積%であり、寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×28mm(厚さ)であった。
【0073】
上記した実施例1〜4を製造した結果得られた最終焼結体の組成等の緒元を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
次に、上記した実施例1〜4と比較する対象物として、5つの比較例の製造を行った。以下、これらについて説明する。
【0076】
(8)比較例1
圧力2torrに減圧した含浸炉内において、炭素粉末焼結体を、1150°Cに加熱して溶融させた純銅の溶湯に浸漬させ、130気圧の圧力を付加した。これにより、炭素粉末焼結体に銅を含浸させ、「銅含浸炭素粉末焼結体」を得た。
【0077】
上記の銅含浸炭素粉末焼結体の寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×30mm(厚さ)であった。
【0078】
(9)比較例2
アクリロニトリル共重合体から製造された炭素繊維束に炭素系微粉末を含有させ、これを熱可塑性樹脂で被覆することにより「炭素プリフォームドヤーン」(図示せず)を製造した。これは、Tiが含浸されていない点を除き、他の点は、上記した炭素−Tiプリフォームドヤーンとまったく同様の構成を有し、まったく同様の製造方法である。
【0079】
次に、上記の炭素プリフォームドヤーンを、PP繊維糸を経糸としてレピア織機を用いて製織し、「一方向炭素プリフォームドシート」(図示せず)を製作した。これは、Tiが含浸されていない点を除き、他の点は、上記した一方向炭素−Tiプリフォームドシートとまったく同様の構成を有し、まったく同様の製造方法である。
【0080】
次に、上記のようにして製作された一方向炭素プリフォームドシートの表面に、銅合金粉末とフェノール樹脂を混合した「銅合金−フェノール樹脂混合物」を塗布し、一方向炭素−銅合金プリフォームドシートを得る。この場合の銅合金、及びフェノール樹脂は、実施例1で用いたものと同様である。
【0081】
次に、上記のようにして製造した一方向炭素−銅合金プリフォームドシートの炭素繊維強化方向を互い違いに直交させることによって二方向性積層体(図示せず)を作製する。以下、この積層体を、「炭素−銅合金プリフォームドシート積層体」という。
【0082】
次に、上記のようにして形成した炭素−銅合金プリフォームドシート積層体を、ホットプレス(加熱加圧装置)により加熱・加圧しつつ成型した。この場合の成型温度は600°Cであり、成型圧力は100kgf/cm2 であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、二方向性の銅炭素複合材料(図示せず)が得られた。以下、これを、「炭素−銅合金シート成型体」という。
【0083】
次に、上記の炭素−銅合金シート成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1300°Cまで昇温し、1300°Cにおいて60分間保持して焼成した。この焼成の結果得られたもの(図示せず)は、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)の内部に銅合金が含有された複合材料となっている。以下、これを、「C/C−銅合金第1焼結体」という。
【0084】
上記のC/C−銅合金第1焼結体の寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×30mm(厚さ)であった。
【0085】
(10)比較例3
比較例2で製作された一方向炭素プリフォームドシートを、比較例2とは異なり、その表面に銅合金−フェノール樹脂混合物を塗布せず、シートの炭素繊維強化方向を互い違いに直交させることによって二方向性積層体(図示せず)を作製する。以下、この積層体を、「炭素プリフォームドシート積層体」という。
【0086】
次に、上記のようにして形成した炭素プリフォームドシート積層体を、ホットプレス(加熱加圧装置)により加熱・加圧しつつ成型した。この場合の成型温度は600°Cであり、成型圧力は100kgf/cm2 であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、二方向性の炭素複合材料(図示せず)が得られた。以下、これを、「炭素シート成型体」という。
【0087】
次に、上記の炭素シート成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1200°Cまで昇温し、1200°Cにおいて60分間保持して焼成した。この焼成の結果得られたもの(図示せず)は、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)となっている。
【0088】
次に、上記のようにして得られたC/Cコンポジットの上に銅合金を乗せる。この銅合金の組成は、実施例2の場合と同様である。
【0089】
次に、この状態で還元ガス雰囲気中で1000°Cまで昇温し、1000°Cにおいて60分間保持した。これにより、C/Cコンポジットの上に乗せた銅合金を溶融させ、C/Cコンポジットの表面及び内部に形成されている多数の微少孔(図示せず)から、溶融した銅合金を含浸させようとしたが、溶融銅合金は、C/Cコンポジットに形成されている微少孔内へしみ込まず、C/C−銅合金焼結体を得ることはできなかった。
【0090】
(11)比較例4
比較例2と同様の方法により製造した炭素プリフォームドヤーンを長さ15mmに切断したものと、銅合金粉末とを混合し、ホットプレスの型内に均一に充填した。銅合金の組成は、実施例3の場合と同様であった。次に、これをホットプレス法により加熱・加圧しつつ成型した。この場合の成型温度は600°Cであり、成型圧力は100kgf/cm2 であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、等方性の銅炭素複合材料(図示せず)が得られた。以下、上記の成型体を、「炭素−銅合金等方成型体」という。
【0091】
次に、上記のようにして製造した炭素−銅合金等方成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1300°Cまで昇温し、1300°Cにおいて60分間保持して焼成した。この焼成の結果得られたもの(図示せず)は、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)の内部に銅合金が含有され、C/Cコンポジットと銅合金が焼結された複合材料となっている。以下、これを、「C/C−銅合金第2焼結体」という。
【0092】
上記のC/C−銅合金第2焼結体中における炭素繊維含有率は、40.0体積%であり、寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×28mm(厚さ)であった。
【0093】
(12)比較例5
比較例2と同様の方法により製造した炭素プリフォームドヤーンを長さ15mmに切断したものを、ホットプレスの型内に均一に充填した。次に、これをホットプレス法により加熱・加圧しつつ成型した。この場合の成型温度は600°Cであり、成型圧力は100kgf/cm2 であり、成型保持時間は20分間であった。これにより、等方性の炭素複合材料(図示せず。以下、「炭素等方成型体」という。)が得られた。
【0094】
次に、上記のようにして得られた炭素等方成型体を、窒素ガス(N2 )雰囲気中で1200°Cまで昇温し、1200°Cにおいて60分間保持して焼成した。この焼成の結果得られたものは、炭素(C)からなる炭素基材中に炭素(C)からなる繊維部材が配設された炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)となっている。
【0095】
次に、上記のようにして得られたC/Cコンポジットの上に銅合金を乗せる。この銅合金の組成は、実施例4の場合と同様である。
【0096】
次に、この状態で還元ガス雰囲気中で1000°Cまで昇温し、1000°Cにおいて60分間保持した。これにより、C/Cコンポジットの上に乗せた銅合金を溶融させ、C/Cコンポジットの表面及び内部に形成されている多数の微少孔(図示せず)から、溶融した銅合金を含浸させようとしたが、溶融銅合金は、C/Cコンポジットに形成されている微少孔内へしみ込まず、C/C−銅合金焼結体を得ることはできなかった。
【0097】
上記のC/C−銅合金第3焼結体中における炭素繊維含有率は、45.0体積%であり、寸法は、100mm(幅)×300mm(長さ)×28mm(厚さ)であった。
【0098】
(15)実施例及び比較例に関する試験結果
上記のようにして製造した実施例1〜4、及び比較例1〜5について、各種の試験を行った。以下、表を参照しつつ、各種試験の結果について説明する。
【0099】
a.物理的強度試験
上記のようにして製造した実施例1〜4、及び比較例1,2,4について、材料の物理的強度、特に靭性を評価するため、各例の材料から、10mm×10mm×55mmの寸法の試験片を各10本ずつ切り出し、5本について曲げ強さ試験を、残りの5本についてシャルピー衝撃試験を行った。この結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】
この表2に示された数値は、測定結果の平均値である。また、曲げ強さ試験の結果の数値の単位は、kgf/cm2 であり、シャルピー衝撃試験の結果の数値の単位は、kgf・cm/cm2 である。
【0102】
表2の結果より、曲げ強さについては、実施例1〜4はいずれも比較例よりも強度が高かった。特に実施例2は、2690kgf/cm2 という高い値を示し、比較例のうち最も強度の低い比較例4と比較すると3.1倍であり、また、実施例のうち最も強度の低い実施例3の場合でも、比較例4と比較すると1.8倍である。また、パンタグラフ用摺板として要求される曲げ強度値は、約1000kgf/cm2 程度であるから、実施例1〜4のチタン銅炭素複合材料の曲げ強度値は、その約1.6〜2.6倍程度と高い値であり、本実施例のチタン銅炭素複合材料の強度(靭性)が良好であることがわかる。
【0103】
一方、シャルピー衝撃値については、実施例1〜4はいずれも比較例とほぼ同等、あるいはそれ以上の値を示した。特に実施例1は、10.8kgf・cm/cm2 という大きな値を示し、比較例のうち値の小さい比較例1と比較すると2.0倍であり、また、実施例のうち最も値の小さい実施例4の場合でも、比較例1と比較すると1.6倍である。また、パンタグラフ用摺板として要求されるシャルピー衝撃値は、約3.5kgf・cm/cm2 程度であるから、実施例1〜4のチタン銅炭素複合材料のシャルピー衝撃値は、その約2.4〜3.1倍程度と高い値であり、この点においても本実施例のチタン銅炭素複合材料の強度(靭性)が良好であることがわかる。
【0104】
また、曲げ強さ、シャルピー衝撃値のいずれについても、実施例2と実施例1が高い、あるいは大きな値を示しており、「炭素−Tiプリフォームドシート」を積層し焼成するタイプの物理的強度(靭性)が良好であることがわかった。
【0105】
b.導電性試験
上記のようにして製造した実施例1〜4、及び比較例1,2,4について、材料の導電性を評価するため、各例の材料から、10mm×10mm×55mmの寸法の試験片を各10本ずつ切り出し、これらについて比抵抗を測定した。この結果を表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】
この表3に示された数値は、測定結果の平均値である。また、比抵抗の測定結果の数値の単位は、μΩ・cm(=10-6×Ω・cm)である。
【0108】
表3の結果より、比抵抗値については、実施例1〜4は、最小が実施例1の80μΩ・cmであり、最大でも実施例4の145μΩ・cmであった。パンタグラフ用摺板として要求される比抵抗値は、約300μΩ・cm程度であるから、実施例1〜4のチタン銅炭素複合材料の比抵抗値は、その約26〜48%程度と低い値であり、本実施例のチタン銅炭素複合材料の導電性が良好であることがわかる。この比抵抗については、比較例2,4は、実施例より大幅に高く、また、比較例1は270μΩ・cmと、パンタグラフ用摺板として要求される比抵抗値(約300μΩ・cm)の限界に近い値であり、実際上は不適と考えられる。
【0109】
また、比抵抗値については、実施例1と実施例2が最も低い値を示しており、「炭素−Tiプリフォームドシート」を積層し焼成するタイプの導電性が良好であることがわかった。
【0110】
c.通電摩耗試験
上記のようにして製造した実施例1〜4、及び比較例1,2,4について、パンタグラフ用摺板として用いた場合の摩耗あるいは損傷の程度を評価するため、各例の材料から、10mm(厚さ)×25mm(幅)×25mm(長さ)の寸法の試験片を5本切り出し、これらについて通電摩耗試験を行った。この結果を表4に示す。
【0111】
【表4】
【0112】
通電摩耗試験は、電動モータの水平回転軸に固定され、電動モータにより駆動されて回転するように構成された円盤の外周に模擬トロリー線が取り付けられた通電摩耗試験装置(図示せず)により行われた。模擬トロリー線は、硬銅(JIS・C1100・BB−H)からなり、外径が83cm、幅が6mm、厚さ5mmの硬銅リングとして円盤に取り付けられている。
【0113】
通電摩耗試験は、上記の硬銅リングを、円盤の回転速度(接線速度)100km/時の速度で回転させつつ、押し付け力5kgfで1分間だけ面接触するように押し付け、200アンペアの電流を硬銅リングに通電することを4回繰り返す。その後、各試験片の比摩耗量を測定した。表2に示された比摩耗量の数値は、測定結果の平均値である。また、比摩耗量の数値の単位は、10-7mm3 /kgf・mmである。また、各試験片の「割れ」あるいは「欠け」の有無を観察した。
【0114】
表4の結果より、比摩耗量については、実施例1〜4はいずれも比較例よりも比摩耗量が小さかった。特に実施例4は、4.0×10 −7 mm3 /kgf・mmという小さい値を示し、比較例のうち最も比摩耗量の大きい比較例2,4と比較すると62%であり、比較例のうち最も比摩耗量の小さい比較例1と比較しても67%と小さい摩耗特性を示した。また、実施例のうち最も比摩耗量の大きい実施例3の場合でも、比較例2,4と比較すると74%であり、比較例1と比較しても80%の摩耗特性を示した。
【0115】
一方、割れ,欠けの有無については、実施例1〜4はいずれも割れ,欠けとも無かったのに対し、比較例1では割れ,欠けが認められた。
【0116】
また、通電摩耗試験については、実施例4が小さな値を示しているが、他の実施例1〜3との差は少なかった。
【0117】
上記のことから、上記各実施例1〜4のチタン銅炭素複合材料は、以下に述べるような利点を有していることが判明した。
【0118】
I) 比抵抗(電気抵抗)が低く導電性が非常に良い。
【0119】
II) 炭素材料は、摺動時の摩擦抵抗が小さく、トロリー線等の表面上を滑りやすい。また、トロリー線の摺動面を滑らかにする効果もあり、トロリー線を摩耗させにくい。
【0120】
III) 銅は摩耗しやすいが炭素材料は摩耗しにくいため、材料全体としては、銅や銅合金の摺板よりも摩耗が少ない。
【0121】
IV) 炭素基材が炭素繊維補強部材によって補強され、さらに含浸された銅合金等も補強材料として機能するため、十分な強度、特に十分な靭性を有し、パンタグラフ摺板として長期間使用され厚みが薄くなっても破損等を生じることがない。
【0122】
V) 離線時のアークによる損耗が少なく、耐アーク性が高い。
【0123】
VI) 従来のパンタグラフ摺板に用いられていた焼結合金等に比べて軽量であり、高速車両のパンタグラフ摺板材料として適している。
【0124】
VII) 従来の銅含浸炭素焼結体等の製造方法に比べて、常圧で製造することができ、製造方法が非常に簡易であり、製造装置が簡素なものでよく、製造コストが大幅に低減できるため製品価格も低廉なものとすることができる。
【0125】
実施例1〜4が、上記のような利点を有する理由については、以下の理由が考えられる。
【0126】
(A)Tiによる炭素と銅の「ぬれ性」の改善
従来の銅含浸炭素焼結体は、炭素(C)と銅(Cu)、あるいは炭素と銅合金からなる。しかし、炭素と銅は、非常に「ぬれ性」が悪い、という欠点がある。「ぬれ性」とは、固体と液体との境界面において、固体と液体の間の接触角度が0〜90度の場合に「液体が固体をぬらす」といい、固体と液体の間の接触角度が90〜180度の場合に「ぬらさない」という性質である。「ぬれ性」が良い場合には、固体の表面に液体が付着して広がることになる。
【0127】
銅炭素複合材料においては、炭素が固体であり、加熱されて溶融した銅(又は溶融した銅合金。以下、銅を例として説明する。)が液体となる。上記したように、炭素と銅は、非常に「ぬれ性」が悪い。したがって、炭素は溶融銅にはぬれず、溶融銅をはじくことになる。炭素材料中の空隙や空洞内に溶融銅が導かれた場合には、溶融銅は炭素の壁面に接触することをせず、球状や滴状となると考えられる。この状態で冷却硬化すると、銅は、炭素材料の空隙内において単体の銅として炭素材料とは遊離した状態で存在することになる。これでは、複合材料とはいえず、強度も高くはならない。このことから、従来の方法は、100気圧以上の高圧を利用して銅を炭素材料へ含浸させている(以下、「高圧銅含浸法」という。)である。
【0128】
一方、上記実施例1〜4の場合は、特に高圧付加を行っていないのに、優れた銅炭素複合材料を得ることができた。この理由は、チタン(Ti)の添加にある、と考えられる。すなわち、炭素と銅は、Tiが介在する場合には「ぬれ性」が大幅に改善される、と考えられるからである。したがって、Tiが存在する場合には、高圧を付加しなくても銅は容易に炭素とぬれるようになるため、銅は炭素材料中に自律的に含浸し、炭素と反応して融合し、強固な複合材料になる、と考えられる。また、本発明のチタン銅炭素複合材料中におけるチタン含有率は、炭素複合材料の各種データ等を勘案すると、約1〜70重量%程度の範囲、好ましくは約3〜53重量%程度の範囲とするのがよい、と考えられる。
【0129】
(B)所定長さ以上の炭素繊維の使用
炭素粉末を焼結した炭素材料、あるいは炭素粉末と短い炭素繊維(長さ2.0mm以下)を焼結した炭素材料の場合は、比較例1のように割れや欠けが発生しやすい。これは、炭素だけでは強度が足りず、炭素繊維を補強部材とする場合でも、炭素繊維にはある程度以上の長さが必要であることを示している。上記実施例3,4では、炭素繊維部材(プリフォームドヤーン)を長さ15mmに切断したものを用いているが、上記したように靭性、割れ等においても、他の実施例と遜色は無かった。このため、長さ15mmの炭素繊維の場合は十分な強度がある、と考えられる。したがって、炭素繊維の長さは、2mmと15mmの間のいずれかの値が実用上の強度の下限である、と考えられる。炭素複合材料の各種データ等を勘案すると、この下限値(炭素繊維の長さの最小値)は、5mm程度であろう、と考えられる。
【0130】
(C)所定範囲の銅含有量の設定
上記各実施例1〜4の試験結果からもわかるように、チタン銅炭素複合材料中の銅含有率が低下すれば、炭素に比べ銅の方が柔らかいため、チタン銅炭素複合材料としての比摩耗量は低下すると考えられる。しかし、銅含有率が低下すれば、チタン銅炭素複合材料としての導電性は低下する。したがって、銅含有率にはある下限値が存在する、と考えられる。一方、チタン銅炭素複合材料中の銅含有率を増加すれば、比摩耗量は増大する傾向が見られるから、比摩耗量の要求値から、チタン銅炭素複合材料中の銅の含有率には上限値も存在する、と考えられる。これらのことを考慮すると、本発明のチタン銅炭素複合材料中における銅含有率は、約1〜75重量%程度の範囲、好ましくは約4〜68重量%程度の範囲とするのがよい、と考えられる。
【0131】
(D)所定組成の銅合金の使用
本発明のチタン銅炭素複合材料では、炭素基材にTiを介在させることにより炭素基材中に純銅を含有させてももちろん良いが、銅合金を含有させることも有用である。銅(Cu)に他の元素が融合され銅としての性質を維持しているものを「銅合金」と定義する。融合される元素によって、銅合金は各種の性質を獲得する。例えば、柔らかい純銅の硬度の向上、融点の低下(鋳造性の向上)、耐腐食性の向上、耐摩耗性の向上等である。融合される元素については、各実施例においても確認されたが、以下のものが挙げられる。例えば、スズ(Sn),亜鉛(Zn),ニッケル(Ni),アルミニウム(Al),コバルト(Co),リン(P),アンチモン(Sb),ベリリウム(Be),バナジウム(V),モリブデン(Mo),ビスマス(Bi)である。また、もちろん上記各実施例1〜5で用いたチタン(Ti)との合金も可能である。
【0132】
また、ベリリウム(Be)との合金が可能であることから、同じ第2族典型金属元素(アルカリ土類金属元素)であるマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba)等との合金も可能であることがわかる。また、チタン(Ti)との合金が可能であることから、同じ第4族遷移金属元素であるジルコニウム(Zr),ハフニウム(Hf)等との合金も可能であることがわかる。また、バナジウム(V)との合金が可能であることから、同じ第5族遷移金属元素であるニオブ(Nb),タンタル(Ta)等との合金も可能であることがわかる。また、モリブデン(Mo)との合金が可能であることから、同じ第6族遷移金属元素であるクロム(Cr),タングステン(W)等との合金も可能であることがわかる。
【0133】
また、上記各実施例では実施してはいないが、金属であることから、マンガン(Mn)等の第7族遷移金属元素、及び鉄(Fe)等の第8族遷移金属元素との合金も可能であると考えられる。また、コバルト(Co)との合金が可能であることから、同じ第9族遷移金属元素であるロジウム(Rh),イリジウム(Ir)等との合金も可能であることがわかる。また、ニッケル(Ni)との合金が可能であることから、同じ第10族遷移金属元素であるパラジウム(Pd)等との合金も可能であることがわかる。また、銅(Cu)と同じ第11族遷移金属元素である銀(Ag)等との合金も可能である。また、亜鉛(Zn)との合金が可能であることから、同じ第12族遷移金属元素であるカドミウム(Cd)等との合金も可能であることがわかる。また、アルミニウム(Al)との合金が可能であることから、同じ第13族元素であるホウ素(B),ガリウム(Ga),インジウム(In)等との合金も可能であることがわかる。また、スズ(Sn)との合金が可能であることから、同じ第14族元素であるケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),鉛(Pb)等との合金も可能であることがわかる。また、リン(P),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi)との合金が可能であることから、同じ第15族元素であるヒ素(As)等との合金も可能であることがわかる。
【0134】
また、銅に融合される元素は、上記定義から、生成された合金が「銅としての性質を維持するもの」である必要がある。このため、融合される元素の含有量には、おのずから上限がある。また、合金としての性質を発揮させるために、融合される元素の含有量には、下限値もある。下限値と上限値の範囲は、融合される元素に応じて種々の数値となることが考えられるが、実施例の結果等から、おおむね0.1〜30.0重量%程度と考えられる。また、銅中に含有される他の元素は、1種類でもよいし、適宜のものを適宜の組み合わせで2種類以上選び、各々の含有比率を適宜設定してもよい。複数の元素の銅合金の場合には、銅に融合される複数の元素の含有量の総和を、上記した0.1〜30.0重量%程度の範囲とするとよいと考えられる。
【0135】
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではない。上記した各実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0136】
例えば、本発明のチタン銅炭素複合材料は、パンタグラフの摺板をトロリー線下面に摺動させて集電を行う方式における摺動部材の材料には限定されず、他の摺動集電方式、例えば走行用の2本のレールの近傍に碍子で支持された第3のレール(軌条)を配設し、この第3軌条に通電を行い、この第3軌条の表面に集電用の部材(「集電子」又は「集電靴」という。)を摺動させることにより集電を行う方式(第3軌条方式)にも応用可能である。
【0137】
また、本発明のチタン銅炭素複合材料は、摺動集電を行うための部材の材料には限定されず、集電は行わなくとも摺動や摩耗等にさらされる機械部品の材料として使用可能である。例えば、回転軸の軸受等である。
【0138】
また、上記実施例1,2においては、炭素繊維によって作製されたシート、あるいは織布を積層して積層体を作る例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の方法、例えば、炭素繊維を絡み合わせて作製した不織布状又はフェルト状の部材を積層して積層体を作製してもよい。あるいは、炭素プリフォームドヤーン、又は炭素−Tiプリフォームドヤーンを絡み合わせて作製した不織布状又はフェルト状の部材を積層して積層体を作製してもよい。この場合には、作製された積層体からは等方性材料が得られる。
【0139】
また、上記各実施例においては、成型処理工程における第1温度が600°C、又は180°Cの例について説明したが、本発明はこれには限定されず、第1温度としては、150〜900°C程度の範囲の温度が採用可能である。また、上記各実施例においては、成型処理工程における第1圧力が100kgf/cm2 、又は20kgf/cm2 の例について説明したが、本発明はこれには限定されず、第1圧力としては、常圧(無圧縮)〜300kgf/cm2 程度の範囲の圧力が採用可能である。
【0140】
また、上記各実施例においては、炭化処理工程における第2温度が1300°C、又は1200°Cの例について説明したが、本発明はこれには限定されず、第2温度としては、700〜1300°C程度の範囲の温度が採用可能である。
【0141】
また、本発明のチタン銅炭素複合材料の製造方法は、上記各実施例において説明した方法には限定されない。例えば、炭化処理工程の後に、必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行うようにしてもよい。第3温度としては、1300〜3000°C程度の範囲の温度が採用可能である。このように、第2温度よりもさらに高温で処理することにより、部材を黒鉛化させて炭素を純化し、強度や導電性等を向上させることができる。
【0142】
また、本発明のチタン銅炭素複合材料の製造方法は、上記各実施例において説明した方法には限定されない。例えば、実施例1の予形成工程では、シート状部材(例えば炭素−Tiプリフォームドヤーン)の表面にフェノール樹脂とともに銅合金を塗布する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の方法、例えば、他のシート状部材(以下、「銅合金含有シート」という。)の中に銅合金を分散させておき、炭素−Tiプリフォームドヤーンどうしの中間に銅合金含有シートを挟み込むようにして積層体を形成してもよい。また、実施例1のように、シート状部材(例えば炭素−Tiプリフォームドヤーン)の表面に銅合金を塗布する場合でも、銅合金のバインダー材として、フェノール樹脂以外の他のバインダー材を用いてもよい。
【0144】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、炭素からなる炭素基材と、チタンと、銅又は銅合金が融合されるように構成したので、導電性が良く、トロリー線等との摩擦が小さく、摺動時の摩耗が少なく、十分な強度(靭性)を有する、という利点を有している。
【0145】
また、本発明によれば、炭素繊維を含む部材を所定の形状に形成して予形成部材を得る予形成工程を行い、次いで予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、前記工程のうちのいずれかにおいて処理される被処理部材にチタンを介在させつつ銅又は銅合金を含有させるようにして製造することができ、従来のような高圧処理が不要で製造工程が簡易であり、製造コストを低減することができる、という利点も有している。
【0146】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチタン銅炭素複合材料の製造方法の実施例において製造された炭素−Tiプリフォームドシートの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るチタン銅炭素複合材料の製造方法の実施例において製造された炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体の構成を示す斜視図である。
【図3】鉄道車両におけるパンタグラフの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
101,101A〜101C 炭素−Tiプリフォームドシート
102 炭素−Tiプリフォームドヤーン
103 PP繊維糸
301 炭素−Ti−銅合金プリフォームドシート積層体
500 パンタグラフ
501 下枠
502 上枠
503 集電舟
504 摺板
505 主ばね
506 台枠
507 碍子
508 主軸
Claims (8)
- 炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材とに、
複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金とが融合されており、
前記チタンと銅及び/又は銅合金が融合されるにあたり、炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上しており、
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料。 - 炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材とに、
複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅/又は銅合金とが融合されており、
前記チタンと銅又は銅合金が融合されるにあたり、炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、マグネシウムを除く第2族典型金属元素、第5族遷移金属元素、マンガンを除く第7族遷移金属元素、鉄を除く第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、ニッケルを除く第10族遷移金属元素、銅を除く第11族遷移金属元素、亜鉛を除く第12族遷移金属元素、ホウ素を除く第13族元素、ゲルマニウム、ヒ素又はビスマスである第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し及び耐摩耗性が向上しており、
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料。 - 炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材に、
複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金とが融合されており、
前記炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、第5族遷移金属元素及び第9族遷移金属元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し及び耐摩耗性が向上しており、
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料。 - 全長が5ミリメートル以上の炭素繊維と炭素からなる炭素基材を所定の形状に形成して予形成部材を得るとともに当該予形成部材に常圧で、複合材料の全重量に対 し3〜53重量%の比率となるチタンを介在させつつ、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金を含有させる予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。 - 全長が5ミリメートル以上の炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し当該糸状部材を製織又は絡み合わせてシート状部材を作製し当該シート状部材を積層して積層体を形成しかつ銅又は銅合金が前記シート状部材の表面に常圧で配設され予形成部材を得る予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。 - 全長が5ミリメートル以上の炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し当該糸状部材を製織又は絡み合わせてシート状部材を作製し当該シート状部材を積層して積層体を形成し予形成部材を得る予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、
前記炭化処理工程又は前記黒鉛化処理工程では、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が、被処理部材の上に常圧で乗せられ、溶融した銅又は銅合金が前記被処理部材中に含浸される摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。 - 炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し、前記糸状部材を長さが5ミリメートル以上に切断して型に充填し、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金からなる粉末が、前記糸状部材とともに前記型内に充填されることにより予形成部材を形成する予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。 - 炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3〜53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し、前記糸状部材を長さが5ミリメートル以上に切断して型に充填することにより予形成部材を形成する予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、
前記炭化処理工程又は前記黒鉛化処理工程では、複合材料の全重量に対し4〜68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が、被処理部材の上に常圧で乗せられ、溶融した銅又は銅合金が前記被処理部材中に含浸される摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1〜30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。
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